説明

氷の製造方法

【課題】実質的に望ましくない味とにおい特性を有しない氷の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの金属亜塩素酸塩と少なくとも一つの第2の材料とを水蒸気の存在下で反応させて二酸化塩素ガスを生成し、二酸化塩素ガスの存在で水を凍らせる。二酸化塩素ガスは、液体の水、または水蒸気が実質的に存在しない場合には、反応し得ない、乾燥した、固体親水性材料(第2の材料)の混合物を形成し、これを水蒸気からなる雰囲気に暴露して生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、1997年10月30日出願の米国継続部分出願08/961,488であり、これは1997年7月11日出願の米国継続部分出願08/891,665であり、これは1997年3月3日出願で、現在放棄した米国継続部分出願08/808,768である。
【0002】
発明の分野
本発明は、全般的には、金属亜塩素酸塩と水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応するが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には金属亜塩素酸塩と反応しない第2の材料との反応からの二酸化塩素ガスの制御された放出を指向する。一度反応が開始されると、二酸化塩素ガスは、約0.001から1,000ppmの維持濃度で生成される。
【背景技術】
【0003】
低濃度(すなわち、1,000ppm迄の)の気体の二酸化塩素は、におい及び微生物の処理に有用であると長い間認められてきた。二酸化塩素は、元素の塩素を同一あるいは類似の目的に使用する場合に生じ得る、クロラミンあるいは塩素化有機化合物等の望ましくない副生物の形成なしに、機能するので、その使用は、微生物及びまたは有機におい物質が食品の上及び周囲でコントロールされることが求められている場合に特に有利である。例えば、農場から地方の小売業者迄の出荷の間の数日間、低濃度の二酸化塩素ガスを新鮮な製品と接触させて置くと、製品の腐敗の速度を減少することができる。
【0004】
加えて、二酸化塩素ガスは、また、脱臭及び多くの抗菌用途に有効な低濃度では人間の接触に安全であると、一般的に考えられている。
【0005】
二酸化塩素ガスは、1,000ppm以上の濃度では人間に有毒であり、約0.1気圧以上の濃度では爆発性がある。従って、二酸化塩素ガスは、他の工業用ガスのように加圧で製造されたり、出荷されない。オンサイトの製造方法は、高価な発生装置のみならず、危険なほどの高濃度の発生を避けるための高レベルのオペレーターの熟練を必要とする。これらの問題は、二酸化塩素の消費が充分に大きく、オンサイトの製造のための高価な装置と熟練オペレーターの資本及び運転コストが正当化できる、水処理及び養鶏加工等の大規模な商用用途への二酸化塩素ガスの使用を実質的に制限してきた。
【0006】
工業的には、二酸化塩素は、種々の塩素含有塩の水溶液から製造される。例えば、特許文献1を見られたい。固体試剤の混合物を用いて、二酸化塩素を製造する試みもなされてきた。一般に、先行技術は、固体試剤を用いた二酸化塩素ガス製造用の3つのシステムに焦点を当ててきた。1番目のシステムは、液体の、水性の環境中で金属亜塩素酸塩と酸の固体混合物を使用する。2番目のシステムは、金属亜塩素酸塩と酸を組合わせ、二酸化塩素を乾燥条件下で放出する。3番目のシステムは、金属亜塩素酸塩と固体の有機酸無水物の組合わせを使用し、定常的に流れる不活性ガス流で希釈する必要のある、高濃度の二酸化塩素の流れを発生させる。
【0007】
これらの固体試剤のシステムは、各々次の理由のどれか一つあるいはそれ以上のために不利である。
a)混合時、通常、高濃度の二酸化塩素の流れの突然の発生がある。
b)反応物の混合物は、乾燥条件で二酸化塩素ガスを発生し、そのために反応物の貯蔵寿命が短縮される。
c)雰囲気中の二酸化塩素ガスの濃度を低下させるために不活性ガスの流れを使用しなければならない。
【0008】
例えば、特許文献2では、錆除去プロセスに水溶液中の二酸化塩素を使用することが開示されており、そこではアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩(すなわち、亜塩素酸塩)の水溶液をシュウ酸で酸性とした時に二酸化塩素ガスが生成される。
【0009】
特許文献3では、アルカリ金属またはアルカリ土類金属亜塩素酸塩の水溶液を酸性とした時に生成される亜塩素酸が有効な殺菌剤であることが開示されている。この特許では、水に溶解すると二酸化塩素を生成する金属亜塩素酸塩と固体酸の固体組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3の試料は、液体の水が使用でき、処理すべき材料を液体の水に溶解された二酸化塩素と接触させることが許容される、
「湿潤」の用途においてのみ有用である。
【0010】
特許文献4では、可溶性の亜塩素酸塩、酸性化剤、及び液体の水の存在下ブリケットの崩壊を防止する低溶解度のフィラーの乾燥混合物からなる乾燥ブリケットの形の脱臭用組成物が開示されている。ブリケットが水に溶解するのに従って、二酸化塩素の発生が始まる。このような材料は、特許文献3のそれと同じ使用制限を受ける。
【0011】
特許文献5では、乾燥剤の添加により安定化される、固体の有機酸無水物とアルカリ金属またはアルカリ土類金属亜塩素酸塩からなる材料が開示されている。組合わせられた固体材料は、水との接触時に二酸化塩素を生成すると述べられている。実施例1には、亜塩素酸ナトリウム、無水フタル酸及びナトリウムモノオキサイドの混合物を水蒸気と接触させることにより、二酸化塩素を生成することが述べられている。実施例からは、固体混合物が既に水に接触したか否かは明白でない。この実施例における出口ガスは、高濃度の二酸化塩素を含んでいる。また、有機酸無水物は、金属亜塩素酸塩と組合わせると潜在的に爆発性となり、並びに比較的高価な成分である。従って、この材料は、商業的には成功を収めなかった。
【0012】
特許文献6では、二酸化塩素または亜塩素酸塩の安定化溶液を含浸させた固体キャリアからなる固体の粉末組成物が開示されている。溶液を含浸した組成物を固体酸に接触させると、二酸化塩素ガスが放出される。今日では、このような材料は、OSTOBON及びABSCENT(International Dioxide Inc.,Clark,NJ,)という商品名で市販されているが、これらが店の棚の上で少量の二酸化塩素をパッケージを通して放出したり、使用のポイントで使用者による2つの成分の比較的複雑な混合を必要とするために、商品としての受け入れは制約されている。
【0013】
特許文献7では、亜塩素酸塩と有機酸からなり、組成物のpHが<7である持続性の生物致死組成物が開示されている。このような組成物は、液体の水の存在下で二酸化塩素を放出する。この特許では、得られた乾燥材料が二酸化塩素を放出するように、ポリマーの殻を有する水を持った、このような組成物の乾燥マイクロカプセルを製造する方法が開示されている。
【0014】
特許文献8では、不活性希釈剤、亜塩素酸塩及び乾燥状態で亜塩素酸塩と反応して、二酸化塩素ガスを放出することができる乾燥剤からなるガス状二酸化塩素の維持、制御放出用の乾燥組成物が開示されている。調合時直ちに二酸化塩素ガスを放出し始め、従って短い時間帯の間に混合し、使用しなければならないために、このような材料は、実質的に商業的成功を獲得していない。
【0015】
特許文献9では、ポリマーまたはオリゴマー膜中に二酸化塩素を発生する化合物を包含させ、それを基材上にコートすることが開示されている。亜塩素酸塩成分は、モノマーあるいはポリマーのアミドまたはアルコールを含む水素結合相に溶解される。水素結合相は、次に酸無水物を含む非相溶性の非極性相と混合される。相境界を通じての酸無水物と亜塩素酸塩アニオンの直接反応により二酸化塩素ガスが放出される。しかしながら、特許文献9で述べられているプロセスは、比較的高価な材料を使用し、この反応は、強酸化性の金属亜塩素酸塩と炭素性ポリマーが近傍に存在することにより潜在的に爆発性である。
【0016】
特許文献10では、ゼオライト結晶の混合床からの二酸化塩素ガスの発生が開示されており、そこでは亜塩素酸ナトリウムの水溶液で含浸されたゼオライトからなり、第2の床は、リン酸、クエン酸、または酢酸で含浸されたゼオライトからなる。酸が第2の床から泳動し、第1の床中の亜塩素酸塩に接触すると、二酸化塩素ガスが放出される。第1及び第2の床は、物理的に一体に混合される。
【0017】
特許文献10に述べられているプロセスは、高価な装置を必要とし、結果として比較的短い貯蔵寿命を有する製品が得られる。
【0018】
従って、低濃度で二酸化塩素ガスが制御された条件下で発生される方法、組成物及びシステムを有することは、商業的な応用に二酸化塩素ガスを発生させる技術において顕著な進歩である。反応物が水蒸気の実質的な不存在下では二酸化塩素ガスを発生せず、水蒸気の存在下ではは二酸化塩素ガスの制御され、維持された発生をもたらす方法、組成物及びシステムを提供する、当業界における更なる進歩である。結果として、本発明の組成物は、先立って製造され、二酸化塩素ガスの早熟的な放出なしに、乾燥条件下で貯蔵され得る。このようにして、オンサイトで混合物を製造するための熟練要員の必要は、避けられ、貯蔵寿命が延長される。
【特許文献1】米国特許5,009,875
【特許文献2】米国特許2,022,262
【特許文献3】米国特許2,071,091
【特許文献4】米国特許2,071,094
【特許文献5】米国特許2,482,891
【特許文献6】米国特許3,591,515
【特許文献7】米国特許4,585,482
【特許文献8】米国特許4,547,381
【特許文献9】米国特許5,360,609
【特許文献10】米国特許5,567,405
【発明の開示】
【0019】
発明の要約
本発明は、全般的に、水蒸気の存在下の場合における低濃度での二酸化塩素ガスの制御された放出に有用な方法、組成物及びシステムを指向する。合体されて、組成物を形成する場合、二酸化塩素ガスを発生する反応物は、水蒸気が存在しない場合には有意な量の二酸化塩素ガスを発生しない。従って、この反応物は、実質的に乾燥した雰囲気中では長期間貯蔵され得る。
【0020】
特に、本発明は、部分的には、
a)少なくとも一つの金属亜塩素酸塩と少なくとも一つの第2の材料、つまり金属亜塩素酸塩と水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応して、二酸化塩素ガスを生成し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には、反応し得ない、乾燥した、固体親水性材料(以降、「第2の材料」)の混合物を形成し、
b)上記混合物を水蒸気からなる雰囲気に暴露して、約0.025から1,000ppmの維持された濃度で二酸化塩素ガスを生成させる
ことからなる二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で発生させる方法を指向する。
【0021】
本発明は、また、反応物の混合物の形の二酸化塩素ガスの発生用組成物を指向する。反応物は、二酸化塩素ガスの発生の速度及び持続時間の双方を制御するように選択され得る。
【0022】
発明の詳細な説明
本発明は、二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で発生させる、方法、組成物及びシステムを指向する。ここで使用される句の「制御された放出の方法」とは、二酸化塩素ガスの発生が突然で、ある場合には爆発的な方法で高濃度で起こる従来技術のシステムに比較して、結果として、低濃度のガスをもたらす生成速度で、組成物を構成する反応物が二酸化塩素ガスを生成させることを意味するものとする。本発明の別な側面によれば、二酸化塩素ガスの発生の速度及び持続時間を制御することができる、二酸化塩素ガス生成用固体組成物が提供される。
【0023】
この方法の第1のステップは、少なくとも一つの金属亜塩素酸塩及び少なくとも一つの第2の材料の混合物の形で組成物を形成することである。本発明で使用される金属亜塩素酸塩は、一般的に、いかなる金属亜塩素酸塩でもよい。好ましい金属亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウム及び亜塩素酸カリウム等のアルカリ金属亜塩素酸塩である。アルカリ土類金属亜塩素酸塩も使用され得る。アルカリ土類金属亜塩素酸塩の例は、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸カルシウム、及び亜塩素酸マグネシウムを含む。最も好ましい金属亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウムである。
【0024】
第2の材料は、乾燥した、固体親水性材料、好ましくは乾燥した、固体無機親水性材料である。好ましい乾燥した、固体親水性材料は、脱イオン水中30重量パーセントの乾燥した、固体親水性材料の混合物の水の部分を測定した場合、約10.5以下のpHを生じる。最も好ましい乾燥した、固体親水性材料は、9以下、最も好ましくは7以下のpHを生じる。金属亜塩素酸塩と反応するのに好適な乾燥した、固体親水性材料の例は、限定ではないが、A、X、Y、及びモルデナイト等の合成ゼオライト、シャバザイト及びクリノプチロライト等の天然ゼオライト
ベントナイト、カオリン、アタプルジャイト及びハロサイト等の含水粘土、メタカオリン、スピネル相カオリン、焼成ベントナイト、焼成ハロサイト、及び焼成アタプルジャイト等の焼成粘土、硫酸、塩酸、硝酸、または他の酸性化合物(例えば、塩化カルシウム)を含む一つあるいはそれ以上の酸性溶液と接触させ、混合物の得られた水相のpHが10.5以下となるようにした、A、X、Y、及びモルデナイト等の酸性化合成ゼオライト、シャバザイト及びクリノプチロライト等の酸性化合成ゼオライト、硫酸、塩酸、硝酸、または他の酸性化合物(例えば、塩化ランタン)を含む一つあるいはそれ以上の酸性溶液と接触させ、混合物の得られた水相のpHが10.5以下となるようにした、ベントナイト、カオリン、アタプルジャイト及びハロサイト等の酸性化粘土、硫酸、塩酸、硝酸、または他の酸性化合物(例えば、酢酸)を含む一つあるいはそれ以上の酸性溶液と接触させ、混合物の水相のpHが10.5以下となるようにした、メタカオリン、スピネル相カオリン、焼成ベントナイト、焼成ハロサイト、及び焼成アタプルジャイト等の酸性化焼成粘土、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の塩、特に塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、及び硝酸マグネシウム等の潮解性の塩、ホウ酸、酒石酸及びクエン酸等の固体酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸及び無水グルタル酸等の有機酸無水物及びこれらの混合物
を含む。
【0025】
好ましい第2の材料は、メタカオリンマイクロスフェアである。ここで使用される語の「マイクロスフェア」とは、約50から100ミクロンの平均粒子径を有する名目上球状の粒子を意味するものとする。メタカオリンマイクロスフェアは、実質的にメタカオリンからなり、以下に示す原料の製造に説明されている手順により製造される。
【0026】
ある材料が本発明の目的に金属亜塩素酸塩との混合物を形成する好適な第2の材料であるかどうかを確かめるために次の手順が使用される。
【0027】
乾燥空気
所望量の金属亜塩素酸塩(例えば、亜塩素酸ナトリウム)と提案された第2の材料の緊密な物理的混合物を製造し、乾燥状態下で貯蔵する。混合物の1グラムの試料を室温で、乾燥空気(すなわち、−50℃以下の露点)で約10cc/分の流速でパージしている、乾燥した、1ガロンのポリエチレン容器に入れる。容器内の気体の二酸化塩素濃度を約72時間にわたって定期的に測定する。固体及びまたは容器に少量の残存水分が存在するために0.025ppmを超える濃度になるような、二酸化塩素ガスの初期的、短期的な放出が見られても、二酸化塩素濃度が乾燥空気試験時に約0.025ppm以下であれば、第2の材料は、受け入れ得る乾燥安定性を有する。
【0028】
湿潤空気
乾燥空気試験に使用された混合物の2番目の1グラムの試料を、80%の相対湿度の空気で約10cc/分の流速でパージしている、密閉した1ガロンのポリエチレン容器中室温で約80%の相対湿度の空気に暴露する。容器内の二酸化塩素濃度ガスを約7日にわたって定期的に測定する。
【0029】
2番目の試料が上記乾燥空気試験で受け入れ得る安定性を示し、上記の湿潤空気試験時のいかなる時でも、約0.025ppmに等しい、あるいは超える、維持された濃度の二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で生じるならば、材料は、ここで使用する受け入れられる第2の材料と見なされる。
【0030】
本発明によれば、金属亜塩素酸塩及び第2の材料の混合物は、二酸化塩素ガスを約0.001から1,000ppm、好ましくは約0.001から100ppm、更に好ましくは約0.001から10ppmの維持濃度で発生する。
【0031】
二酸化塩素ガスの測定は、二酸化塩素が発生する雰囲気中で行われる。例えば、発生混合物を空気中の水蒸気に暴露すると、空気及び水蒸気を含む全雰囲気基準でppmの二酸化塩素ガスの濃度を測定する。
【0032】
前に示したように、二酸化塩素ガスは、本発明によれば、約0.001から1,000ppmの維持された濃度で発生される。ここで使用される句の「維持濃度」とは、生成時のあらゆる時点で、二酸化塩素ガスの濃度が約0.001から1,000ppmの範囲内にあることを意味する。二酸化塩素ガスの発生は、一定速度である必要はない。二酸化塩素ガス濃度が1,000ppmを超えず、これ以降定義される維持期間の間約0.001から1,000ppmの範囲内にある限り、速度が変動することは許容される。
【0033】
本発明によれば、特定の範囲内の二酸化塩素ガスの発生は、周囲の雰囲気の相対湿度、混合物中の反応物の割合、処理空間を通る希釈ガス(例えば、空気)の流量、処理空間の容積に対する二酸化塩素ガスを発生する材料の量の割合に依って、変わる。一般に、相対湿度が高い程、二酸化塩素ガスの生成速度は高い。処理空間を通る希釈ガスの流量が少ない程、得られる二酸化塩素ガスの濃度は高い。処理空間の容積に対する二酸化塩素ガスを発生する材料の量の割合が大きい程、二酸化塩素ガスの濃度は高い。本発明の好ましい実施の形態として、二酸化塩素ガスの維持された濃度は、約0.001から1,000ppm、好ましくは約0.001から100ppmである。二酸化塩素ガスの生成が約0.01から10ppmの範囲である場合に、特に良好な結果が得られる。
【0034】
金属亜塩素酸塩と第2の材料の各々の量は、限定ではないが、特定の用途に必要とされる二酸化塩素ガスの量、金属亜塩素酸塩の塩基性及び第2の材料の酸性を含めたいくつかのファクターに依存する。一般に、充分な放出速度に一致する限り多量の亜塩素酸塩を使用することが好ましい。結果として、混合物の重量当たりの二酸化塩素の収量が最大とされる。一般に、金属亜塩素酸塩と第2の材料の重量比は、約0.001から0.25:1の範囲である。特定の用途に対して適当な比を選択するのは、当業者の技術の範囲内である。
【0035】
本発明により形成される混合物は、混合物をパッケージする時の固体及びまたは容器に存在する少量の残存水蒸気による二酸化塩素ガスの初期的、短期的な発生を最小と」する、あるいは除去するために、場合によっては水を吸収する少なくとも一つの乾燥剤を含む。好適な乾燥剤は、限定ではないが、活性化塩化カルシウム、活性化硫酸カルシウム、活性化ゼオライトX、活性化ゼオライトA、活性化ベントナイト粘土、活性化シルカゲル、活性化アタプルジャイト及びこれらの混合物を含む。 「活性化」という語は、特定の材料が例えば、300℃で約1時間加熱することにより実質的に脱水されるという意味である。乾燥剤の全量は、例えば、材料をパッケージする時の周囲の湿度、パッケージ材料の水分透過性及び製品の所望の貯蔵寿命などのいくつかのファクターに依存して変わる。一般に、乾燥剤は、混合物の全重量基準で約0.1から25重量%の全量で存在する。
【0036】
本発明の実施において、使用時に組成物を暴露させる雰囲気の相対湿度は、低湿度から高湿度の範囲である。本発明の方法は、低湿度(例えば、10%相対湿度)から100%迄の相対湿度で行われ得る。前に示したように、一定量の混合物当たり発生される二酸化塩素ガスの量は、一部、周囲環境の相対湿度に依存する。一般に、相対湿度が高い程、二酸化塩素ガスの濃度は高い結果が得られる。
【0037】
例えば、二酸化塩素ガスの量は、相対湿度を室温で約10%から約80%迄増加させると、ほぼ2倍となる。32°Fに比較して室温では、二酸化塩素の生成速度に顕著な変化はないことが観測されている。
【0038】
一定単位の混合物に対して、維持量の二酸化塩素ガスが生成されるのは理解される。商業的用途には、多数ユニットの混合物を使用することが望ましい。ある場合には、一つまたはそれ以上のユニットの混合物で二酸化塩素ガスの生成を開始し、次に第2のグループまたは多数のグループの混合物を後から加えることが望ましい。更に、本発明の組成物の成分の一つは、過剰に存在し、成分の2番目を必要に応じて添加される。例えば、組成物は、初期には過剰の第2の材料を、例えば酸処理メタカオリンマイクロスフェアとして含み、追加量の金属亜塩素酸塩が定期的に添加される。
【0039】
金属亜塩素酸塩及び第2の材料の混合物は、いくつかの方法で調合される。好ましい方法は、乾燥雰囲気中で好本発明の実施において、使用時に組成物を暴露させる雰囲気の相対湿度は、好ましくは約200μm以下の粒子径を有する双方の成分の細かい粉末の緊密な物理的混合物を製造することである。更に大きな粒子が使用することができ、ある場合には遅い速度の二酸化塩素ガスの放出が得られる。
【0040】
混合物は、また、液状の形の成分を他の成分と合体することにより形成される。例えば、ドデカン等の非極性液体中の焼成カオリンマイクロスフェアの細かい粉末のスラリーが金属亜塩素酸塩と合体される。次に、混合物を乾燥して、非極性液体を除去する。水を液体として使用する場合には、混合物を急いで充分に乾燥し、二酸化塩素ガスの過剰な放出を防止する。
【0041】
金属亜塩素酸塩と第2の材料の反応は、維持期間の間継続する。「維持期間」という語は、短時間(数分)から何時間にもわたる長時間、二酸化塩素ガスが発生するという意味である。維持期間の長さは、例えば混合物中の成分の相対量に依存する。勿論、最終的に、反応成分の成分の一つ(金属亜塩素酸塩あるいは第2の材料)が消費され、反応が終わる。しかしながら、いかに長く継続しても反応期間の間は、二酸化塩素ガスは、ここで定義されるように維持濃度で生成される。
【0042】
長い継続期間の遅い放出速度を与える好ましい組成物は、約5%の亜塩素酸塩と約95%のメタカオリンマイクロスフェアの混合物である。短い継続期間で、速い放出速度の二酸化塩素を与える好ましい組成物は、約5%の亜塩素酸塩、10%の活性化塩化カルシウムと残りが酸処理のメタカオリンマイクロスフェアの混合物である。
【0043】
また、反応時間の長さは、一部、どれだけの量の水蒸気がパッケージ内の雰囲気に存在するかに依存する。貯蔵時のパッケージ中の二酸化塩素ガスの生成を最小にするために、乾燥剤を場合によって使用することにより、操作条件下で水蒸気に暴露された場合、混合物が最長期間反応することが確保される。しかしながら、乾燥剤が存在すると、混合物を水蒸気に暴露した場合の二酸化塩素ガスの発生の所望の開始を遅延させられる。
【0044】
本発明は、固体、液体及びまたは気体の環境を含む種々の商業的用途に使用され得る。例えば、二酸化塩素は、金属、織物、木材、及び/またはプラスチックの表面を有するもの等の固体を処理するのに使用される。二酸化塩素は、また、動物の廃棄物、ペット及び家畜類、敷きわら、包帯、人口肛門形成器具及び医療装置を含む医療器具、肉、野菜、果物、穀物及びナッツを含む食品、並びにドレープ、壁掛け、内装材料、及び布を含む織物を処理するのに使用される。二酸化塩素ガスにより処理される液体の例には、液体廃棄物及び飲料水を含む水がある。処理される気体の例には、動物の環境、煙を含む環境(例えば、タバコの煙)、及び有毒ガスを生成する設備(例えば、化学プラント)からの排気システム等の有毒及びまたは不快なガスを含むものがある。
【0045】
本発明の材料は、また、製氷機、特に、商業的用途におけるような大量の氷の製造において製造される氷の味とにおいに影響する不用の物質(可能性としては、毒物を含めて)の包含の防止を助けるのに使用される。長期に使用した後、製氷機の製氷室には、微生物(病原性微生物を含めて)及び微生物膜が蓄積し、有害な、不快臭及び味の気体及び他の副生物を発することが知られている。このような副生物は、水が凍るプロセスの前、中、後のいずれかで製造される氷の中あるいは上に蓄積する。しかしながら、本発明の材料を使用して、製氷機の製氷室内で約0.01から10ppm、好ましくは約0.01から1.0ppmの濃度で二酸化塩素ガスを発生し、維持する場合には、この氷の味とにおいは、実質的な程度には影響を受けず、劣化しないと考えられる。本発明の実施により生成される二酸化塩素ガスは、不快臭及び味の微生物の副生物を破壊し、氷を汚染しないと考えられる。高濃度の二酸化塩素では、微生物自身が二酸化塩素ガスにより破壊される。
【0046】
メタカオリンマイクロスフェアは、織物及び絨毯のクリーニングと脱臭等の使用に独特の価値を生み出す、幅広い物理的、化学的性質を有し、この場合には、第2の材料と二酸化塩素ガスのソースは、固体として表面に塗布され、二酸化塩素が徐々に制御されて放出され、使用済みの反応物は、それほどのダストの発生もなく、更には組成物が塗布された材料あるいは真空掃除機あるいは機械スイーパーの内部に付着したり、塊を形成することなく固体として除去される。
【0047】
メタカオリン粉末はBET法で測定して、小さい表面積を有する。このように、最小の微多孔質である。しかしながら、スプレー乾燥したマイクロスフェアの形で供給される場合には、表面積は、小さいままであるが、ボイドが生じ、マイクロスフェアは、大きな孔(ボイド)をかなり含む。米国特許4,214,978(Kennedyら)を引用する。この特許と他の特許で開示されているように、表面積(BET、窒素を使用)は、通常10から15m2/gであり、全孔容積(ボイドを反映)は、0.06から0.09cc/gの範囲である。マイクロスフェアは、マイクロスフェアの水性スラリーの液部分で酸性のpHを生じる。
【0048】
湿気に暴露された場合、焼成粘土のマイクロスフェアのボイドの中で水蒸気が凝縮し、それによりプロトンが生成し、亜塩素酸塩と反応して二酸化塩素を発生させる。次に、ガスは、環境に放出される。絨毯などの場合には、ガスは、処理される材料中に浸透する。このように、水は、空気中で蒸気としてマイクロスフェア中に移動し、凝縮して、プロトンを生じ、それが亜塩素酸塩と反応して二酸化塩素を発生させる。
【0049】
マイクロスフェアの粒子は、亜塩素酸塩の粒子よりも大きいために、亜塩素酸塩は、新鮮な(未使用の)マイクロスフェアの表面に付着し、反応した塩の残渣は、使用済みのマイクロスフェアに付着する。マイクロスフェアは、くっつく性質があり、使用時並び真空掃除機あるいは機械スイーパー等の手段による除去時にその形を保つという事実とあわせ、これがそれほどの量のダストを生じないという結果を生む。マイクロスフェアは、使用時消和(slake)あるいはぱちぱち焼ける(decrepitate)しないために、望ましくない残渣の膜または絨毯材料の皮の形成(encrustation)は、起こらない。
【0050】
第2の材料としてメタカオリンマイクロスフェアをベースとする本発明の組成物は、場合によっては、亜塩素酸塩粉末以外の成分を含む。オプションの成分は、塩化カルシウム及びゼオライトのモレキュラーシーブ等の乾燥剤または二酸化塩素の放出速度を調節するためにクエン酸等の粒状の固体酸を含む。スプレーまたはマイクロスフェアの物理的形状を壊さない他の手段により、硫酸等の鉱酸がメタカオリンマイクロスフェアに塗布される。これに続いて、好ましくは、生成したアルミニウム塩が分解しない温度で乾燥を行う。出荷及び貯蔵のために、金属亜塩素酸塩、第2の材料及び所望の添加物の混合物は、液体の水及び水蒸気の通過に抵抗性のある材料でできた容器にパッケージされる。このような材料の例は、金属缶、ガラス瓶、箔の小袋、及びバリア層ポリマーラミネートを含む。
【0051】
金属亜塩素酸塩及び第2の材料の混合物は、粉末または成形物として使用され、あるいはガス透過性である材料中に使用するためにパッケージ及び保持される。
【0052】
好ましくは、保持用のパッケージ材料は、いずれも液体の水に実質的に不透過である。このような材料の例には、TYVEX及びGORTEXがある。このような材料では、水蒸気がパッケージ中に入り、混合物と反応し、生成する二酸化塩素ガスがパッケージから放出されて、大気中に出ることが可能である。このような材料は、液体の水に実質的に不透過である。
【0053】
試験手順
次の実施例で作製した試料を評価するために、特記しない限り、次の試験手順を使用した。1グラムの特定された材料を2インチの直径の結晶化皿に薄層として入れた。この皿を1ガロンの再シールできるポリエチレンの袋に入れ、反対側の隅にガスの入口と出口のポートを取り付けた。この袋をパージし、ガス入口から乾燥空気または所望の湿度の空気によって約0.1インチ水柱の圧力迄軽く加圧した。次に、袋を、約10cc/分の流量で空気で連続してパージした。水貯留の表面の丁度下に保たれた管を通してパージガスを排気することにより、約0.1インチ水柱の逆圧を維持した。ガス出口の排気管をガスサンプリング管で置き換え、ガス分析管(DraegerR model CH24301)を通して試料を引き出すことにより、袋の中の二酸化塩素ガスを分析した。
【0054】
実験室用圧縮空気システムにより、乾燥空気を供給し、13Xモレキュラーシーブトラップ(Hewlett Packard model GMT−4−HP)を通して更に精製した。約20リットルの内容積を有するポリエチレングローブ袋内で、約500ccの撹拌した飽和硫酸アンモニウム溶液を充たした1リットルのビーカーを通して約200cc/分の流量で実験室用圧縮空気を室温でバブルさせることにより、約80%の相対湿度を有する空気を作製した。水柱に約1/2インチ浸漬した側管を通して一部のガスを排気することにより、袋内で約1/2インチ水柱の内部圧力を維持した。
【0055】
製造例
I.工業用グレードの亜塩素酸ナトリウムフレーク(Acros Aldrich Chemical Co.及びAlfa Aesarから市販、公称80%純度、残りの20%は塩化ナトリウムと報告されている)を150℃で3時間乾燥し、密閉した容器中で室温迄冷却した。
II.過剰の顆粒状亜塩素酸ナトリウムを脱イオン水と35℃で1時間混合し、室温迄冷却し、室温で一夜撹拌し、次に得られた固体を含む溶液を濾過して、固体を除去し、透明な、飽和溶液を得ることにより作製した,亜塩素酸ナトリウム飽和溶液を用いて亜塩素酸ナトリウムの水溶液浸漬を行った。
III.乾燥塩化カルシウム及び塩化カリウム(それぞれT.J.Baker Co.及びAldrich Chemical Co.)を工業用グレードの顆粒状の固体として入手した。
それぞれを300℃で3時間乾燥し、使用に先立ち密閉容器中で冷却した。
IV.約28−44%の固体含量と1μmより細かいものを約80重量%の粒子径分布を有し、2.2から3.3のSiO:NaOのモル比を有するケイ酸ナトリウムの25%から30%の溶液の2重量%迄と分散した白色水和ジョージアカオリン粘土の水性スラリーを、約70μmの粒子径分布を有する球形カオリン凝集物を与えるホイールアトマイズスプレー乾燥機を用いたスプレー乾燥することにより、メタカオリンマイクロスフェアを作製した。
実質的にすべての水和カオリンをメタカオリンに変換するのに充分な時間と温度(例えば、700℃で1時間)で、工業用ロータリー焼成炉中で凝集物を焼成した。
V.特徴的なカオリンの発熱により焼成したカオリン粘土のマイクロスフェアを、焼成温度を高めた(例えば、1,000℃で1時間)ことを除いて、上記のIVのように製造したメタカオリンマイクロスフェアと類似の方法で製造した。
水和カオリン粘土は、実質的な量のムライトの生成なしにカオリンのよく知られたスピネル相への特徴的なカオリンの発熱的転移を行った。
得られた材料は、「スピネル相マイクロスフェア」と呼ばれる。
VI.上記のIVのように製造した約300グラムのメタカオリンマイクロスフェアを280グラムの2.16Nの硫酸溶液で含浸し、100℃で乾燥し、350℃で3時間焼成することにより、酸処理メタカオリンマイクロスフェアを製造した。
【0056】
本発明の混合物中に包含するのに先立ち、メタカオリンマイクロスフェアとスピネル相マイクロスフェアを実験室オーブン中で300℃で3時間熱処理し、次に密閉容器中で冷却した。
【0057】
次の実施例は、本発明の実施の形態を例示するが、発明を限定する意図はなされておらず、本出願の部分を形成するクレームにより規定される。
【実施例1】
【0058】
第1の混合物
製造例IVのように製造した200グラムのメタカオリンマイクロスフェアを、外気の空気条件下モルタルと乳棒で手混合しながら、上記の製造例Iのように製造した12.5グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
【0059】
第2の混合物
200グラムのメタカオリンマイクロスフェアを、グローブ袋中約−20℃以下の露点で乾燥空気の条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、12.5グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
【0060】
1グラムの第1の混合物を試験手順に述べたような乾燥条件下で試験した。
【0061】
結果を図1に示してある。多分試料中に初期に存在する水に依る、二酸化塩素ガスの初期の痕跡(0.3ppm)を最初の5時間にわたって検出したが、195時間にわたって更なる二酸化塩素ガスを検出しなかった。その時点で、乾燥空気流を約80%の相対湿度迄加湿した。二酸化塩素ガスの濃度は、1ppm迄増加したが、試験を約250時間終了する迄1ppmのままであった。
【0062】
別の1グラムの第1の混合物の試料を試験手順に述べたような乾燥条件下で試験した。結果を図1に示してある。二酸化塩素ガスの濃度は、19時間で0から1ppm迄増加したが、試験の約360時間の間1から2ppmの範囲であった。
【0063】
1グラムの第2の混合物を試験手順に述べたような乾燥条件下で試験した。結果を図2に示してある。乾燥条件下、試験の313時間にわたって更なる二酸化塩素ガスを検出しなかった。その時点で、乾燥空気流を約80%の相対湿度迄加湿した。二酸化塩素ガスの濃度は、1ppm迄増加したが、450時間で試験を終了する迄1.1ppmに留まった。
【0064】
図1及び2に示した結果は、実施例1により製造された混合物は、乾燥条件下の安定性と湿度への暴露時に二酸化塩素ガスを放出する能力の双方を有することを示している。更に、第1の混合物からの初期の痕跡の放出は、多分外気中での試料作製時に吸収された水の結果である。もし所望ならば、少程度の早過ぎる放出であっても、材料を乾燥条件下で製造することにより除去できる。
【実施例2】
【0065】
A. 製造例Vのように製造した200グラムのスピネル相マイクロスフェアを、外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、12.5グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
B. 上記の段落Aのように製造した1グラムの混合物を約80%の相対湿度で試験した。5.5時間後、二酸化塩素ガスを検出した。二酸化塩素ガスの濃度は、94時間後、1ppmでピークを示したが、364時間後0.15ppmであった。
【実施例3】
【0066】
A. 酸活性化ベントナイト粘土を次のように製造した。Engelhard F100TMブランドのベントナイト粘土とシュウ酸(1グラム粘土/10mlの2Mシュウ酸)を含むスラリーを製造した。スラリーを90℃で6時間加熱し、濾過し、脱イオン水で3回洗浄し、105℃で乾燥し、次に350℃で3時間焼成した。
B. 上記の段落Aのように製造した50グラムの酸活性化ベントナイト粘土を、グローブ袋内で乾燥空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、3.2グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
C. 上記の段落Aのように製造した混合物を試験手順に述べたように試験した。
乾燥条件下では、試験の72時間後二酸化塩素ガスを検出しなかった。湿潤条件下では、5時間後、二酸化塩素ガスを検出した。二酸化塩素ガスの濃度は、45.5時間後、2.25ppmでピークを示したが、試験を終了した72時間後2.25ppmであった。
【実施例4】
【0067】
A. 約70重量%のナトリウムイオン交換形ゼオライトY(NaY,Si/Al=2.58)と30%のゼオライト結晶化反応の非結晶質ナトリウムシリカアルミナ残渣からなる商用流動触媒クラッキング触媒の成分を製造するスロセスの中間段階からのマイクロスフェアを450℃で3時間乾燥した(例えば、米国特許5,395,809の実施例4を見られたい)。水中約30重量%の濃度で混合する場合には、生成スラリーの水相のpHは、約8であった。
B. 上記の段落Aのように製造した200グラムの乾燥NaY含有マイクロスフェアを、外気の条件下で乳鉢と乳棒で手混合しながら、12.5グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
C. 上記の段落Bのように製造した混合物を試験手順に述べたように試験した。
【0068】
乾燥条件下では、試験の196時間後二酸化塩素ガスを検出しなかったが、1313時間後二酸化塩素ガス(0.5ppm)を検出し、試験終了の337時間後更に少ない量(0.1ppm)が存在した。この結果は、この材料は、約1から2週間の間の貯蔵寿命を有することを示しており、混合と使用の間に若干の遅れしかない用途への使用には満足である。
【0069】
上記の段落Bのように製造した混合物を湿潤条件に暴露した場合には、暴露の54時間後に二酸化塩素ガスを最初に検出した。二酸化塩素ガスの濃度は、試験を終了した364時間後約1ppmと2ppmの間であった。
【実施例5】
【0070】
A. ナトリウム水素ゼオライトY(NaHY)粉末を次のように製造した。Engelhard F100TMブランドのベントナイト粘土とシュウ酸(1グラム粘土/10mlの2Mシュウ酸)を含む25グラムのナトリウムゼオライトY(Si/Al=2.34Aldrich)を250mlの5重量%の硫酸アンモニウム溶液中にスラリーとした。スラリーを混合しながら90℃で2時間加熱し、濾過して溶液から固体のゼオライトを分離した。固体を200グラムの脱イオン水で5回洗浄し、約105℃の温度で乾燥した。次に、乾燥固体をオープントレー中薄層で450℃で2時間焼成し、密閉容器中室温迄冷却した。
B. 上記の段落Aのように製造した8グラムのNaHY粉末に1.6グラムの亜塩素酸ナトリウムの飽和溶液を含浸することにより別の材料を製造した。粉末への液の急速な分布を最大にするために、急速に撹拌しながら、粉末に溶液を滴下することにより、含浸をおこなった。含浸ステップの後は、亜塩素酸ナトリウム含浸ゼオライトの混合物を乾燥しなかった。試料を不透明テープで覆った密閉ガラス瓶中に貯蔵した。
C. 上記の段落Bのように製造した混合物を試験手順に述べたように試験した。
【0071】
乾燥条件下では、2時間後二酸化塩素ガスを放出し、二酸化塩素ガスの濃度は、26時間の試験の間、3と4.5ppmの間に留まった。湿潤条件下では、最初の48時間の間、3と4,5ppmの間の二酸化塩素ガスを発生した。二酸化塩素ガスの濃度は、湿潤雰囲気への150時間の暴露後、ゼロまでゆっくりと減少した。
【実施例6】
【0072】
A. 製造例IIIのように製造した10グラムの乾燥塩化カルシウムを、外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、0.75グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
B. 上記の段落Aのように製造した混合物を試験手順により試験した。乾燥条件下では、試験の72時間にわたって二酸化塩素ガスを検出しなかった。湿潤条件下では、54時間の間、二酸化塩素ガスを検出しなかったが、94時間で、ある量(0.25ppm)を検出した。364時間の間、二酸化塩素ガスの発生は、1と2ppmの間で定常を保った。
【実施例7】
【0073】
A. 製造例VIのように製造した84グラムの酸処理メタカオリンマイクロスフェアを、外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、10グラムの乾燥塩化カルシウムと混合した。得られた混合物を200℃で2時間乾燥し、不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中で室温迄冷却した。
B. 上記の段落Aのように製造した混合物を外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、5.25グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと合わせた。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
C. 上記の段落Bのように製造した混合物を試験手順により試験した。乾燥条件下では、試験の72時間にわたって二酸化塩素ガスを検出しなかった。湿潤条件下では、4時間後に、痕跡(0.05ppm)の二酸化塩素ガスを検出した。二酸化塩素ガスの濃度は、26時間後、6.25ppmでピークを示し、150時間後、ゼロまで減少した。
【実施例8】
【0074】
A. 材料を次のように製造した。10グラムのステアリン酸(Aldrich)を、外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、0.75グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
B. 上記の段落Aのように製造した混合物を試験手順により80%の相対湿度で試験した。試験の8日にわたって二酸化塩素ガスを検出しなかった。
【実施例9】
【0075】
A. 本発明による混合物を次のように製造した。市販の13Xゼオライト粉末(Aldrich)を300℃で3時間乾燥し、密閉容器中で室温迄冷却した。水中約30重量%の濃度で混合する場合、生成スラリーの水相のpHは、9.7であった。10グラムの13Xゼオライト粉末を、外気の条件下で乳鉢と乳棒で手混合しながら、0.8グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
B. 上記の段落Aのように製造した混合物を試験手順により試験した。乾燥条件下では、試験の144時間にわたって二酸化塩素ガスを検出しなかった。湿潤条件下では、96時間後に、痕跡(0.05ppm)の二酸化塩素ガスを検出した。二酸化塩素ガスの濃度は、168時間の試験の残りの間、0.025と0.055ppmの間を変動した。
【実施例10】
【0076】
A. 50グラムの酸処理メタカオリンマイクロスフェアを、外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、5グラムの乾燥塩化カリウムと混合した。得られた混合物を200℃で2時間乾燥し、不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中で室温迄冷却した。
B. 上記の段落Aのように製造した混合物を外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、3.125グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと合わせた。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中に入れた。
C. 上記の段落Bのように製造した混合物を試験手順により湿潤空気中で試験した。45分間後に、痕跡(0.1ppm)の二酸化塩素ガスを検出した。二酸化塩素ガスの濃度は、約4から試験終了時の290時間の間、1と3ppmの間の範囲にあった。
【実施例11】
【0077】
約80重量%のナトリウムカリウム混合イオン交換形ゼオライトX(1に等しいAl2O3対SiO2比を有する)と20%の焼成カオリン粘土の結晶化残渣からなるマイクロスフェアを、メタカオリンマイクロスフェアを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びケイ酸ナトリウムの水溶液と75℃で反応させた。スラリーを混合しながら90℃で2時間加熱し、固体を濾過して、洗浄液のpHが約10.5になる迄脱イオン水で洗浄した。次に、固体を300℃で3時間乾燥し、密閉容器中室温迄冷却した。水中約30重量%の濃度でスラリとした場合、スラリーの水相は、10.3のpHを有していた。12グラムの乾燥マイクロスフェアを外気の空気条件下乳鉢と乳棒で手混合しながら、0.8グラムの乾燥亜塩素酸ナトリウムと混合した。混合試料を不透明テープで包んだ密閉ガラス瓶中で貯蔵した。
【0078】
混合物を試験手順により試験した。乾燥条件下では、試験の144時間にわたって二酸化塩素ガスを検出しなかった。湿潤条件下では、46時間後に、痕跡(0.1ppm)の二酸化塩素ガスを検出した。二酸化塩素ガスの放出は、徐々に増加して、124時間後に0.5ppmでピークを示し、試験終了時の143時間後には、0.4ppmであった。
【実施例12】
【0079】
次の手順により本発明の組成物の貯蔵安定性を測定するために、それぞれ1、4および7により製造された粉末の形の3つの試料を試験した。
【0080】
個々に1グラムの試料を密閉ガラス瓶中で貯蔵した。室温で水溶性の成分をpH7の緩衝液に抽出することにより、各試料の化学分析を行った。EPA試験法500の一般手順に従い、イオンクロマトグラフィーを用いて、各々の溶液を、塩素酸、亜塩素酸、塩化物アニオンについて分析した。約80重量%の純亜塩素酸ナトリウムからなると思われる工業グレードの亜塩素酸ナトリウムから亜塩素酸塩の分析標準を調製した。結果を図3に示す。
【0081】
図3に示すように、亜塩素酸塩の初期の小さな減少を除いて、各試料の亜塩素酸塩及び塩素酸塩の濃度は、112日の貯蔵期間の間不変であり、試料は、優れた貯蔵安定性を有することが示された。
【0082】
以下に本発明の主な特徴と態様を列挙する。
1. a) 少なくとも一つの金属亜塩素酸塩及び水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応して、二酸化塩素ガスを生成し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない、少なくとも一つの乾燥した、固体親水性材料である第2の材料を合体し、
b) 上記混合物を水蒸気を含有する雰囲気に暴露して、上記雰囲気の約0.001から1,000ppmの維持された量で二酸化塩素ガスを生成させる
ことからなる二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で発生させる方法。
2. 上記金属亜塩素酸塩がアルカリ金属亜塩素酸塩及びアルカリ土類金属亜塩素酸塩からなる群から選ばれる1に記載の方法。
3. 金属亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである2に記載の方法。
4. 脱イオン水中30重量パーセントの乾燥した、固体親水性材料の混合物の水の部分を測定した場合、乾燥した、固体親水性材料が約10.5以下のpHを生じる1に記載の方法。
5. 乾燥した、固体親水性材料が9以下のpHを生じる4に記載の方法。
6. 第2の材料がゼオライト、含水粘土、焼成粘土、酸性化ゼオライト、酸性化粘土、酸性化焼成粘土、塩、固体酸、有機酸無水物及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1に記載の方法。
7. 第2の材料が少なくとも一つの無機材料である1に記載の方法。
8. 第2の材料がメタカオリンマイクロスフェアである6に記載の方法。
9. 更に、上記混合物に少なくとも一つの乾燥剤を添加することからなる1に記載の方法。
10. 少なくとも一つの乾燥剤が活性化塩化カルシウム、活性化硫酸カルシウム、活性化ゼオライトX、活性化ゼオライトA、活性化ベントナイト粘土、活性化シリカゲル、活性化アタパルジャイト及びこれらの混合物からなる群から選ばれる9に記載の方法。
11. 生成する二酸化塩素ガスの維持量が約0.001から500ppmである1に記載の方法。
12. 生成する二酸化塩素ガスの維持量が約0.001から100ppmである1に記載の方法。
13. 生成二酸化塩素ガスの維持される量が約0.01から10ppmである1に記載の方法。
14. a) 少なくとも一つの金属亜塩素酸塩及び水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応して、二酸化塩素ガスを生成し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない、少なくとも一つの乾燥した、固体親水性材料である第2の材料の合体物、及び
b) 水蒸気からなる雰囲気であって、結合物が反応して、上記雰囲気の約0.001から1,000ppmの維持された量で二酸化塩素ガスを生成させる雰囲気からなる二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で発生させるシステム。
15. 金属亜塩素酸塩がアルカリ金属亜塩素酸塩及びアルカリ土類金属亜塩素酸塩からなる群から選ばれる14に記載のシステム。
16. 金属亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである15に記載のシステム。
17. 脱イオン水中30重量パーセントの乾燥した、固体親水性材料の混合物の水の部分を測定した場合、乾燥した、固体親水性材料が約10.5以下のpHを生じる14に記載のシステム。
18. 第2の材料が少なくとも一つの無機材料である14に記載のシステム。
19. 更に、少なくとも一つの乾燥剤を含む14に記載の方法。
20. 少なくとも一つの金属亜塩素酸塩及び水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない、少なくとも一つの乾燥した、固体親水性材料である第2の材料の有効量の混合物からなる二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で発生させるための乾燥した、固体組成物。
21. 金属亜塩素酸塩がアルカリ金属亜塩素酸塩、アルカリ土類金属亜塩素酸塩及びこれらの混合物からなる群から選ばれる20に記載の組成物。
22. 金属亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである21に記載の組成物。
23. 脱イオン水中30重量パーセントの乾燥した、固体親水性材料の混合物の水の部分を測定した場合、乾燥した、固体親水性材料が約10.5以下のpHを生じる20に記載の組成物。
24. 9以下のpHが生成され23に記載の組成物。
25. 第2の材料がゼオライト、含水粘土、焼成粘土、酸性化ゼオライト、酸性化粘土、酸性化焼成粘土、塩、固体酸、有機酸無水物及びこれらの混合物からなる群から選ばれる20に記載の組成物。
26. 第2の材料が少なくとも一つの無機材料である25に記載の組成物。
27. 第2の材料がメタカオリンマイクロスフェアである25に記載の組成物。
28. 塩が潮解性の塩である25に記載の組成物。
29. 潮解性の塩が塩化カルシウムである28に記載の組成物。
30. 第2の材料が少なくとも一つの無機材料である26に記載の組成物。
31. 更に、有効量の少なくとも一つの乾燥剤を含む20に記載の組成物。
32. 乾燥剤の量が組成物の全重量基準で約0.1から25重量%である31に記載の組成物。
33. 乾燥剤が活性化塩化カルシウム、活性化硫酸カルシウム、活性化ゼオライトX、活性化ゼオライトA、活性化ベントナイト粘土、活性化シリカゲル、活性化アタパルジャイト及びこれらの混合物からなる群から選ばれるに記載の組成物。
34. 上記第2の材料に対する金属亜塩素酸塩の重量比がが約0.001から0.25:1.0である20に記載の組成物。
35. 亜塩素酸ナトリウムとメタカオリンマイクロスフェアの混合物からなる20に記載の組成物。
36. 亜塩素酸ナトリウムの量が組成物の全重量基準で約5重量%である35に記載の組成物。
37. 基本的に約5重量%の亜塩素酸ナトリウム、約10重量%の活性化塩化カルシウム、残りが酸処理メタカオリンマイクロスフェアからなる20に記載の組成物。
38. 少なくとも一つの金属亜塩素酸塩及び水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応して、二酸化塩素ガスを生成し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない、少なくとも一つの乾燥した、固体親水性材料である第2の材料の合体物に上記表面または環境を暴露し、水蒸気を含む雰囲気にこの合体物を暴露することにより、上記雰囲気の約0.001から1,000ppmの維持量で二酸化塩素ガスを生成させることからなる固体表面、液体、または気体雰囲気を消毒、脱臭あるいは消毒と脱臭の双方を行う方法。
39. 環境が医療器具である38に記載の方法。
40. 環境が食品である38に記載の方法。
41. 環境が動物の廃棄物である38に記載の方法。
42. 環境が液体廃棄物である38に記載の方法。
43. 環境が水である38に記載の方法。
44. 環境が飲料水である38に記載の方法。
45. 環境が織物である38に記載の方法。
46. 環境が少なくとも一つの有毒あるいは不快なガスを含む雰囲気である38に記載の方法。
47. 気体が煙を含む46に記載の方法。
48. 煙がタバコの煙を含む47に記載の方法。
49. 二酸化塩素ガスの存在で水を凍らせることからなる、実質的に望ましくない味とにおい特性を有しない氷を製造する方法。
50. 二酸化塩素ガスが約0.01ppmから約10.0ppmの濃度で存在する49に記載の方法。
51. 二酸化塩素ガスが約0.01ppmから約1.0ppmの濃度で存在する49に記載の方法。
52. a) 少なくとも一つの金属亜塩素酸塩及び水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応して、二酸化塩素ガスを生成し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない、少なくとも一つの乾燥した、固体親水性材料である第2の材料を合体し、
b) 上記混合物を水蒸気を含む雰囲気に暴露して、所望の維持された量で二酸化塩素ガスを生成させることからなる二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で発生させる49に記載の方法。
53. 上記金属亜塩素酸塩がアルカリ金属亜塩素酸塩とアルカリ土類金属亜塩素酸塩からなる群から選ばれる52に記載の方法。
54. 金属亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである52に記載の方法。
55. 生成する二酸化塩素ガスの維持量が約0.01ppmから約10.0ppmである52に記載の方法。
56. 二酸化塩素ガスが乾燥した、固体組成物から制御された放出の方法で発生され、その場合、上記組成物が少なくとも一つの金属亜塩素酸塩及び水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない、少なくとも一つの乾燥した、固体親水性材料である第2の材料の有効量の混合物からなるものである49に記載の方法。
57. 金属亜塩素酸塩がアルカリ金属亜塩素酸塩、アルカリ土類金属亜塩素酸塩及びこれらの混合物からなる群から選ばれる56に記載の組成物。
58. 金属亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである56に記載の組成物。
59. 第2の材料がゼオライト、含水粘土、焼成粘土、酸性化ゼオライト、酸性化粘土、酸性化焼成粘土、塩、固体酸、有機酸無水物及びこれらの混合物からなる群から選ばれる56に記載の組成物。
60. 第2の材料がメタカオリンマイクロスフェアである56に記載の組成物。
61. 上記第2の材料に対する金属亜塩素酸塩の重量比が約0.001から0.25:1.0である56に記載の組成物。
【0083】
次の図面は、本発明の実施の形態を例示するものであり、本発明を制約することは意図していない。範囲は、本発明のクレーム部分により規定される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例1により製造された第1の混合物についての乾燥及び湿潤条件下での二酸化塩素ガスの生成を示すグラフである。
【図2】実施例1により製造された第2の混合物についての乾燥及び湿潤条件下での二酸化塩素ガスの生成を示すグラフである。
【図3】本発明により製造されたいくつかの混合物についての乾燥条件下での貯蔵時の粉末試料中の亜塩素酸塩及び塩素酸塩アニオンの濃度を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化塩素ガスの存在で水を凍らせることからなる、実質的に望ましくない味とにおい特性を有しない氷の製造方法。
【請求項2】
a) 少なくとも一つの乾燥した金属亜塩素酸塩、および、水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応して二酸化塩素ガスを生成し得るが、液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない少なくとも一つの乾燥した固体親水性材料である第2の材料を合体し、
b) 上記混合物を水蒸気を含有する雰囲気に暴露して、上記雰囲気の約0.001から1,000ppmの維持された量で二酸化塩素ガスを生成させる、
ことにより二酸化塩素ガスが発生される、請求項1に記載の氷の製造方法。
【請求項3】
第2の材料がゼオライト、含水粘土、焼成粘土、酸性化ゼオライト、酸性化粘土、酸性化焼成粘土、塩、固体酸、有機酸無水物及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第2の材料がメタカオリンマイクロスフェアである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、上記混合物に少なくとも一つの乾燥剤を添加することからなる請求2に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの金属亜塩素酸塩、および、水蒸気の存在下では金属亜塩素酸塩と反応し得るが液体の水または水蒸気が実質的に存在しない場合には反応し得ない少なくとも一つの乾燥した固体親水性材料である第2の材料、の有効量の混合物からなる、二酸化塩素ガスを制御された放出の方法で発生させるための乾燥した固体組成物を用いて二酸化塩素ガスが発生される、請求項1に記載の氷の製造方法。
【請求項7】
第2の材料がゼオライト、含水粘土、焼成粘土、酸性化ゼオライト、酸性化粘土、酸性化焼成粘土、塩、固体酸、有機酸無水物及びこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の材料が少なくとも一つの無機材料である請求項6に記載の方法。
【請求項9】
第2の材料がメタカオリンマイクロスフェアである請求項6に記載の方法。
【請求項10】
塩が潮解性の塩である請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−315743(P2007−315743A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133901(P2007−133901)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【分割の表示】特願平10−538626の分割
【原出願日】平成10年2月27日(1998.2.27)
【出願人】(591044371)エンゲルハード・コーポレーシヨン (43)
【氏名又は名称原語表記】ENGELHARD CORPORATION
【Fターム(参考)】