説明

氷冷サーバー

【課題】ビールなどの飲料を連続的に注出しても長時間にわたって所望の温度に冷却し続けることができる氷冷サーバーの提供。
【解決手段】氷を収容可能な冷却室を備えたサーバー本体と、前記冷却室内の底部に配置され、内部に飲料流通路を有するコールドプレートとを備えた氷冷サーバーであって、前記コールドプレートの上面が水平に対して4〜35度傾斜していることを特徴とする氷冷サーバーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷冷サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
常温で保管されていた生ビール等の飲料を、ジョッキなどの容器に注入する際に、その場で冷却しつつ注入することのできる冷却装置が知られている。大規模なビアホールのように大量に飲料を冷却し、注入する必要がある場合は、電動式の冷却装置(冷凍機)を使用している場合が多い。また、家庭用の飲料容器(ビール瓶や1リットル容器など)では、容器ごと冷蔵庫などに冷却保存しておき、必要なときに取り出して使用している。しかし、小規模な業務用や、電源が容易に確保できない臨時の飲料販売所では、氷によって飲料を冷却する氷冷サーバーが利用されている。
【0003】
例えば、図7に示すような氷冷サーバーが知られている。図7は、従来の氷冷サーバーの透視斜視図である。この氷冷サーバーは、図示していないビール樽等の常温容器に収納されている飲料を、二酸化炭素ガスまたは空気の圧力により氷冷サーバー1の飲料供給口5から飲料流通路である冷却パイプ4に供給し、氷冷サーバー1の冷却室2内で冷却して、カラン(注出コック)6から注出するようになっている。冷却パイプ4は、冷却室2内の下部に設けられた熱伝導性のよいコールドプレート3中につづら折れ状(ジグザグ状)に埋め込まれており、冷却室2のコールドプレート3上に投入されている氷によって、コールドプレート3を介して冷却パイプ4内を通過する飲料を適温(ビールの場合5〜6℃)まで冷却することができる。このような氷冷サーバー1を用いれば、常温の飲料を注出時に冷却することが可能であるため、あらかじめ飲料を冷却して保管しておく必要がない。
【0004】
上記氷冷サーバーの変形例として、コールドプレート3を用いないで、銅やステンレス材等からなる冷却パイプをコイル状やつづら折れ状、渦巻き状などにした冷却コイルを、冷却室2の内部に直接配置したタイプも知られている。
【0005】
具体的な氷冷サーバーの例を挙げると、特許文献1に記載の氷冷サーバーにおいては、氷冷サーバーの冷却室の形状をドーナツ型とし、氷冷サーバーを飲料容器(ビール樽等)の上に載せて使用する時に、氷冷サーバーの中央の空洞部に飲料容器に取り付けられているディスペンスヘッドを挿入することで氷冷サーバーの安定性を向上させている。さらに、氷冷サーバー本体の下部に排水タンクを設けて水抜き操作を不要とすると共に、重心を下げて氷冷サーバーの安定性をさらに向上させている。
【0006】
特許文献2に記載の氷冷サーバーにおいても、氷冷サーバーを飲料容器(ビール樽)上に載せて使用するタイプであるが、飲料容器を環状タンク中に収納しておき、氷冷サーバーにおいて氷が融解した冷たい排水をこの環状タンクに導き、飲料容器(ビール樽)の予備冷却用に使用している。これにより、飲料の冷却速度を向上させると共に、氷の冷却エネルギー使用効率を向上させている。
【0007】
特許文献3に記載の氷冷サーバーおいては、冷却コイル(冷却パイプ)又は冷却プレート(コールドプレート)を冷却室の最下部より少し上になるように配置している。このような配置とすることで、飲料冷却中に氷が解けて発生した融解水中に冷却コイル又は冷却プレートが浸かってしまうことを防止し、氷冷サーバーの冷却効率(冷却速度)の低下を防止している。また、特許文献3の図6には、冷却室の底面を傾斜させて冷却室底部に溜まった融解水の排水効率を向上させた氷冷サーバーが開示されている。この氷冷サーバーにおいては、冷却室の底面に配置された冷却プレート(コールドプレート)も、冷却室の底面の傾斜に従って傾斜している。しかし、冷却プレートを傾斜させる意図、および冷却プレートを傾斜させた効果については何も記載されていない。
【特許文献1】特開平10−310200号公報
【特許文献2】特開平11−35097号公報
【特許文献3】特開2002−255287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の氷冷サーバーにおいては、冷却室内に融解水が溜まると飲料の冷却効率(冷却速度)が落ちてくることが知られていた。そして、同じ注出速度で飲料を注出していても、飲料を十分に冷却できなくなってしまうことがあった。特に、ビールのように5〜8℃程度まで冷却することを要求される氷冷サーバーにおいては、融解水の滞留は重要な問題であった。この為、冷却室下部には、排水口を設けてあり、冷却室内の水は、連続的に又は断続的に排出されていた。上記特許文献1〜3に記載の氷冷サーバーにおいても、冷却室には排水口が設けてある。
【0009】
特に、特許文献3に記載の氷冷サーバーにおいては、冷却プレートを冷却室底面から浮かせて配置し、冷却室底面に傾斜を付けて排水効率を上げている。この点について、特許文献3においては、「水の排出が十分でないと冷却器の一部または全部が水中に浸かってしまうことになる。このように、冷却器が氷でなく水に接触している状態では、その水の温度が通常7〜10℃と高く、また、水と冷却器との境膜熱伝達率が小さいため、冷却器の冷却能力が低下する。これを防ぐためには、氷が溶けて生じた水をできるだけ速やかに冷却室から排出して、冷却器と水が接触しないようにする必要がある。」としている。
【0010】
このように、氷冷サーバーにおいて、融解水は比較的高温になりやすく、ビールのような8℃程度以下に冷却したい飲料の冷却にとっては、好ましくない媒体である。しかし、特許文献3をはじめとして、従来の氷冷サーバーにおいては、冷却室底部に溜まった融解水については、排水等の考慮がなされているが、コールドプレートと接触している氷が融解して、コールドプレート面上に付着や滞留している融解水にまでは注意が払われていない。特に、コールドプレート面上に融解水が滞留すると、コールドプレートと氷の接触面積も少なくなり、氷からコールドプレートへの冷熱の伝導速度が遅くなってしまう。この為、ビールなどの飲料を連続的に注出していると、氷が冷却室内に十分に残っていても、また、冷却室の底部に溜まった融解水は排出されていても、十分に冷却できなくなることがある。
【0011】
本発明の目的は、上記課題を踏まえ、ビールなどの飲料を連続的に注出しても長時間にわたって所望の温度に冷却し続けることができる氷冷サーバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明者等は、以下の発明を完成した。
本発明は、氷を収容可能な冷却室を備えたサーバー本体と、前記冷却室内の底部に配置され、内部に飲料流通路を有するコールドプレートとを備えた氷冷サーバーであって、前記コールドプレートの上面が水平に対して4〜35度傾斜していることを特徴とする氷冷サーバーである。
【0013】
好ましい本発明は、前記コールドプレートの上面が水平に対して9〜27度傾斜していることを特徴とする前記氷冷サーバーである。
【0014】
好ましい本発明は、前記サーバー本体が、底部に排水口を備えていることを特徴とする前記氷冷サーバーである。
【0015】
好ましい本発明は、前記コールドプレートの上面が、複数の溝又は凸部を備えていることを特徴とする前記氷冷サーバーである。
【0016】
好ましい本発明は、前記溝が、前記コールドプレートの傾斜方向に平行に形成されていることを特徴とする前記氷冷サーバーである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ビールなどの飲料を連続的に注出しても長時間にわたって所望の温度に冷却し続けることができる氷冷サーバーを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の氷冷サーバーは、氷を収容可能な冷却室を備えたサーバー本体と、前記冷却室内の底部に配置され、内部に飲料流通路を有するコールドプレートとを備えている。そして、前記コールドプレートの上面が水平に対して4〜35度、好ましくは6〜30度、さらに好ましくは9〜27度傾斜している。この傾斜は、通常の床面などの排水用の傾斜より明らかに急な傾斜である。通常、建築物や容器などの床面や底面の排水のためには、1/100〜3/100(約1〜2度)の傾斜を取ればよいとされている。特許文献3の図6に記載の氷冷サーバーにおいても、冷却室底面の傾斜は3/100程度であり、排水床としては通常の設計がなされている。なお、この図6に記載の氷冷サーバーにおいては、コールドプレートも底面の傾斜に沿って同じように3/100程度傾斜している。しかし、特許文献3においては、コールドプレートを傾斜させてコールドプレート面上の融解水を排水し易くする効果については、なんら記載されていない。本発明の氷冷サーバーにおいては、コールドプレートの上面が水平に対して4〜35度、好ましくは6〜30度、さらに好ましくは9〜27度傾斜していることが重要であり、コールドプレート面上の融解水を排水できればよいというものではない。すなわち、本発明におけるコールドプレートは、面上に付着した融解水が、コールドプレート上面とこれに接触している氷の間隙を通って速やかに流下する必要がある。この為に、コールドプレート上面の傾斜が、単なる排水用の傾斜角である3度以下では十分な効果が現れない。
【0019】
本発明の氷冷サーバーにおいては、コールドプレートの上面には、複数の溝又は凸部を備えていることが好ましい。これらの複数の溝又は凸部は、コールドプレートの上面の表面積を増加させて、氷との接触面積を増加させる効果がある。さらに、溝又は凸部において、水平に対する傾斜を付けることで、コールドプレート面上の融解水が迅速に流下し易くする効果がある。溝及び凸部、特に溝は、コールドプレート面上の融解水の流下を助ける形状に配置されていることが好ましい。例えば、溝は、コールドプレートの傾斜方向と平行に、少なくともコールドプレートの傾斜方向に垂直にはならないように、複数形成されていることが好ましい。
【0020】
氷冷サーバーのサーバー本体である冷却室を形成する外壁は、断熱性の材料で形成されることが好ましい。例えば、薄い2枚の鉄板やプラスチック板でグラスウールや発泡スチロール、発泡ウレタン等の断熱材を挟んだ断熱板などが好ましく用いられる。サーバー本体の底部には、排水口を備えていることが好ましい。冷却室内に融解水が溜まり、コールドプレートが融解水に浸かってしまうと、すでに述べたように飲料の冷却効果が落ちるので、融解水は連続的に、又は断続的に排水することが好ましいからである。
【0021】
コールドプレートは、経済的に使用しやすく良伝熱性の材料、例えば、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されることが好ましい。また、飲料流通路についても、経済的に使用しやすく良伝熱性の材料、例えば、ステンレス、銅又はアルミニウム製であることが好ましい。また、コールドプレート内の飲料流通路は、特別にステンレスパイプ、銅パイプなどを使用しなくても、コールドプレートに形成した飲料流通路をそのまま使用してもよい。
【0022】
コールドプレート中の飲料流通路は、コールドプレート中で十分に冷熱を吸収できるように、大きな表面積を有することが好ましい。例えば、飲料流通路は、つづら折れ状(ジグザグ状)、渦巻き状、又はコイル状に形成された銅パイプなどとすることが好ましい。また、コールドプレート中の飲料流通路の下流側は、コールドプレート上面の傾斜の高い側に配置することが好ましい。コールドプレート上面の傾斜の高い側には、氷よりも温度の高い融解水が流下してこないので、コールドプレートは低温になりやすく、飲料の冷却効率、飲料の温度低下にとって好都合である。
【0023】
(実施形態)
本発明の氷冷サーバーを、具体的な実施形態を示して説明する。図1は、本発明の氷冷サーバーの外観図(外観写真)である。この氷冷サーバーは、間に発泡スチロールを挟んだ薄い鉄板でできた略立方体のサーバー本体の上部に氷挿入用の蓋が付いており、前面には、上部にカラン(ビール注出コック)、下部には飲料供給口とその下に排水口が配置されている。図2は、この氷冷サーバーの透視斜視図(模式図)である。符号1は氷冷サーバーであり、冷却室2の下部には、コールドプレート3が配置されている。コールドプレート3には図示していないが、4本の足が付いており、図の右前方側より左奥側の足の方が長く、コールドプレート3は、水平に対し左奥側が高くなるように傾斜している。この傾斜角は約10度である。コールドプレート3の上面には、傾斜の高い側から低い側に向かって凹凸の溝が設けてある。
【0024】
コールドプレート3の内部に埋め込まれている冷却パイプ4の図の奥側の出口は、サーバー本体の外側に出ている飲料供給口5と接続されており、もう一方の前方側の出口は、カラン6と接続されている。
【0025】
排水口7は、冷却室2の下部のコールドプレート3よりも低い位置に設けてある。このようにして、コールドプレート3が融解水により埋没しないようにしている。なお、図2においては、氷8を冷却室いっぱいに詰めた状態を表している。
【0026】
図3は、上述のコールドプレート3と同様、本発明の氷冷サーバーに使用するコールドプレートの他の例の斜視図である。溝の形状は図2におけるコールドプレート3より深く、断面は略三角形の凹部9と凸部10が形成されている。裏面の足は、右前側より左後側が長くなっており、コールドプレート上面に傾斜を持たせている構造は、図2と同じである。
【0027】
図4は、実際に製作した本発明の氷冷サーバーの上面から写した写真である。この氷冷サーバーは、プラスチック製の容器をサーバー本体と見立てて、カランを取り付け、内部にアルミダイカスト製のコールドプレートを、紙面の下側を高くし上側を低くして配置してある。ビニールパイプにより、カランと紙面の下側の飲料流通路とを、また、別のビニールパイプと飲料供給口とみなした紙面の上側の飲料流通路とを接続してある。なお、写真では見えないが、冷却室のコールドプレートより下部には、排水口が設置されている。
【0028】
図5は、本発明の氷冷サーバーに用いるアルミダイカスト製のコールドプレートの一例の切断面の写真である。コールドプレート内部にジグザグ状に飲料流通路が形成されている。図6は、アルミダイカストで封入する前の飲料流通路となる銅パイプの写真である。
【0029】
(実施例)
図2、3に示した本発明の氷冷サーバーを用いて、水を飲料に模して連続通水試験(冷却実験)を行った。図3に示したようなコールドプレートの足の長さを調整して、最初は、コールドプレートの上面の傾斜角度を2度とし、氷冷サーバーの冷却室中に約2cm角の氷をいっぱいに詰めて、コールドプレートを十分冷やしてから、カランを開度全開として連続通水をした。この連続通水における供給水の温度は30℃で、サーバーへの給水水圧は0.35MPaとした。通水開始直後は、コールドプレートが0℃近くなっているので、カランからの注出水は1℃近くまで冷却されている。そして、時間経過と共に注出水の温度は上昇し、10℃以上になってほぼ定常状態に達した。ビールにおける最適冷却温度は、約8℃といわれているので、注出水の温度が8℃に達するまでに、氷冷サーバーから注出された累積注出水量を測定し、氷冷サーバーの冷却能力を判定することとした。この連続通水試験を複数回繰り返して、その平均値をとることにより、累積注出水量の測定精度を向上させた。
【0030】
(実施例1〜5、比較例1)
実施例1〜5、比較例1に用いたサーバー1は、コールドプレートの大きさ(縦×横×厚さ)220×190×40mm、コールドプレート内のコイル内径4mm、長さ6mとした。氷冷サーバーへの供給水は、水温30℃、水圧0.35MPaである。コールドプレート上面の傾斜角度を2度(比較例1)、4度(実施例1)、6度(実施例2)、8度(実施例3)、10度(実施例4)、12度(実施例5)に変更し、それぞれの傾斜角度について連続通水試験を実施し、カランからの注出水温度が8℃になるまでの累積注出水量を比較した。結果を表1及び図8に示した。なお、表1及び図8の結果は、傾斜角度2,4,6,8,10,12度の各実施例、比較例に対して、それぞれ5回ずつ連続通水試験を繰り返し、その平均値を累積注出水量とした。
【0031】
【表1】

この結果から分かるように、コールドプレート上の融解水を単に排水するだけの傾斜角、1度から2度としただけでは、コールドプレート上からの排水はできていると考えられるが、連続注出水量を増加させることはできない。注出水量を増加させるには、融解水をコールドプレート上から迅速に流下させる必要がある。さらに、通常の排水用の傾斜角2度の場合を基準として5%の注出水量を増加させるには、およそ9度の傾斜角とすればよいことが判る。融解水をコールドプレート上から迅速に流下させるためには、コールドプレート上面の傾斜角を4度以上、好ましくは、6度以上、さらに好ましくは、9度以上とすることが必要である。なお、試験結果のt検定においても10度及び12度の傾斜角があれば、0.05以上であり明らかな有意差が認められた。
【0032】
(実施例6〜10、比較例2)
実施例6〜10、比較例2で使用した氷冷サーバー2へのコールドプレートは、大きさ(縦×横×厚さ)304×170×56mm、コイル内径5mm、長さ13mとした。氷冷サーバーに供給する水の温度及び水圧は上記と同様水温30℃、水圧0.35MPaである。コールドプレート上面の傾斜角度を2度(比較例2)、10度(実施例6)、20度(実施例7)、25度(実施例8)、30度(実施例9)、35度(実施例10)に変更し、それぞれの傾斜角度について連続通水試験を実施し、カランからの注出水温度が8℃になるまでの累積注出水量を比較した。結果を表2及び図9に示した。なお、表2及び図9の結果は、傾斜角度2,10,20,25,30,35度の各実施例、比較例に対して、それぞれ3回ずつ連続通水試験を繰り返し、その平均値を累積注出水量とした。
【0033】
【表2】

表2からも判るように、傾斜角10度における注出水量は、傾斜角2度における注出水量より4.5%多く、明らかに優れた結果を示した。また、t検定においても0.05以上であった。なお、表2及び、図9から判るように、コールドプレート上面の傾斜角が30度を以上になると、傾斜角2度における注出水量よりは多いが、注出水量が減少してくる。これは、コールドプレート上面の傾斜角が大きすぎると、コールドプレート上面と氷の表面との接触圧力が弱まり、氷からコールドプレートへの冷熱の移動効率が落ちてくるためと考えられる。この試験結果から、コールドプレート上面の傾斜角は9〜27度が最も好ましいと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の氷冷サーバーは、従来の氷冷サーバーの簡単な改造によって、非常に効率よく大量の飲料を冷却することができ、氷冷サーバーの使用現場での利用価値は高い。特に、従来は、コールドプレートにおいては排水は良好であるので、融解水の影響はほとんど受けず、傾斜角を持たせる必要もないと考えられていたが、実験結果から分かるように、コールドプレート上面を、通常の排水用の傾斜角を超えて傾けることにより、大きな連続冷却量の増加を達成した。これにより、氷冷サーバーの利用範囲も大きく広がるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の氷冷サーバーの外観図
【図2】本発明の氷冷サーバーの透視斜視図
【図3】本発明の氷冷サーバーのコールドプレートの斜視図
【図4】本発明の氷冷サーバーの内部(上部から写した写真)
【図5】本発明の氷冷サーバーのコールドプレートの断面写真
【図6】本発明の氷冷サーバーのつづら折れ状の冷却パイプの写真
【図7】従来の氷冷サーバーの透視斜視図
【図8】コールドプレートの傾斜角度と注出冷水の8℃到達時注出量との関係(1)
【図9】コールドプレートの傾斜角度と注出冷水の8℃到達時注出量との関係(2)
【符号の説明】
【0036】
1 :氷冷サーバー
2 :冷却室
3 :コールドプレート
4 :飲料流通路(冷却パイプ)
5 :飲料供給口
6 :カラン(注出コック)
7 :排水口
8 :氷
9 :溝(凹部)
10 :凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷を収容可能な冷却室を備えたサーバー本体と、前記冷却室内の底部に配置され、内部に飲料流通路を有するコールドプレートとを備えた氷冷サーバーであって、
前記コールドプレートの上面が水平に対して4〜35度傾斜していることを特徴とする氷冷サーバー。
【請求項2】
前記コールドプレートの上面が水平に対して9〜27度傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の氷冷サーバー。
【請求項3】
前記サーバー本体は、底部に排水口を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の氷冷サーバー。
【請求項4】
前記コールドプレートの上面は、複数の溝又は凸部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の氷冷サーバー。
【請求項5】
前記溝は、前記コールドプレートの傾斜方向に平行に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の氷冷サーバー。

【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−220833(P2009−220833A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64762(P2008−64762)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(303040183)サッポロビール株式会社 (150)
【Fターム(参考)】