説明

永久的な熱活性化転写印刷法、それに用いられるインク組成、及び容器

【課題】一般に印刷に関し、特に、媒体としての紙またはその他の印刷可能な基体へインク噴射印刷機によって熱活性化インクを印刷して、次に該インクを熱活性化し、これにより、インクによって形成されるデザインを媒体から該デザインがその上に永久的に出現されるべき基体へ転写する永久的な熱活性化転写印刷法、それに用いられるインク組成、及び容器を提供する。
【解決手段】本発明の永久的な熱活性化転写印刷法は、a. インク噴射印刷機を用意し、b.少なくとも1個の熱活性化インクを用意し、c. 像の形態の前記熱活性化インクを、前記像が現れるべき物体の上に転写し、この転写工程が前記熱活性化インクを基体媒体の上に印刷機で像の形態の前記熱活性化インクを活性化せずに印刷し、前記熱活性化インクに熱を加えることにより前記像を前記基体媒体から物体に引き続き転写することを含む方法において、前記熱活性化インクは液体インク組成であり、
i) 液体キャリア中にコロイド状に分散して存在する微細に分割され、該液体キャリア中で実質的に不溶性である熱活性化し得る染料固体と、ii)該活性化し得る染料固体に対して親和力を有し、該染料固体の粒子の個々の粒子の総てまたは一部に付着するか、または包囲可能である少なくとも1個の乳化強制剤とからなり、それによって、該染料固体が該液体キャリアから分離することを阻止するように、該乳化強制剤がコロイド状染料固体の集塊を阻止し、インク成分を時間がたつにつれ安定化させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に印刷に関し、特に、媒体としての紙またはその他の印刷可能な基体へインク噴射印刷機によって熱活性化インクを印刷して、次に該インクを熱活性化し、これにより、インクによって形成されるデザインを媒体から該デザインがその上に永久的に出現されるべき基体へ転写する方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
言語およびデザインは、衣服およびその他の織物材料と、その他の物体とへ屡々印刷される。該デザインを物体へ付着する一般的な手段は、シルクスクリーンおよび機械的に接着される熱転写の使用を含む。
【0003】
電算機科学技術の使用は、像の瞬間的な印刷を可能にする。例えば、ビデオカメラまたは走査は、像を電算機へ捕捉するために使用可能である。次に、該像は、機械的な熱印刷機、インク噴射印刷機およびレーザー印刷機を含む任意の好適な印刷手段によって印刷されてもよい。これ等の印刷機は、多色で印刷する。
カラーインク噴射印刷機は、一般的に使用される。カラーインク噴射印刷機は、多色像を生じるために青緑色(cyan)、黄色および深紅色(magenta)のインクまたは染料の組合せを使用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在使用されるインク噴射印刷機の主な型式は、3つの範疇、即ち、相変化、自由流および泡の噴射に属する。相変化インク噴射印刷で使用されるインクまたは染料は、熱の付加によって固体を液化するように状態を変化する固体化合物で含まれ、次に、該インク成分は、印刷される。自由流および泡の噴射印刷機は、液体インクを使用するが、自由流インク噴射印刷機の実際の印刷法は、泡噴射印刷機とは異なっている。
【0005】
熱活性化転写インク固体は、400°Fにおいて気体に変化し、活性化温度におけるポリエステルに対する高い親和力と、大抵のその他の物質に対する限られた親和力とを有している。ガス化接着が生じると、該インクは、永久的に印刷され、洗濯製品によって引起こされる変化ないし色あせに対して高度に抵抗性である。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,246,518号明細書
【特許文献2】米国特許第5,248,363号明細書
【特許文献3】米国特許第5,302,223号明細書
【0007】
ヘール(Hale)の特許文献1、特許文献2および特許文献3は、媒体ないし転写シートの上に像を生じるための熱印刷機の使用を開示し、このとき、該像は、昇華またはその他の熱活性化のインクから成っている。ヘールに述べられる方法は、媒体ないし転写シートの印刷の際にインクを活性化しない。
【0008】
相変化インク噴射印刷機による昇華インクのような感熱インク固体を印刷する方法は、ヘールの特許文献1、特許文献2および特許文献3に述べられる方法に類似する。総てのインク噴射印刷機による熱の使用は、インクが該印刷機によって高温に晒されるため、該印刷機によって非活性化形態において熱活性化インクを印刷するヘール特許に認められる問題を与える。例えば泡噴射印刷機は、代表的に水であるインク溶剤の約沸騰点まで印刷工程の際にインクを加熱する。自由流インク噴射印刷機は、印刷工程の際にインクを移送する圧力を形成するために熱を使用する。
【0009】
自由流および泡の噴射印刷機によって必要とされるような液体インクの使用は、インク固体を印刷するように試みるときに新しいセットの問題を与える。自由流および泡の噴射印刷機のオリフィスないしノズルは、液体物質内に含まれる固体の分与に対して設計されていない。これ等の印刷機のオリフィスは、直径において代表的に5〜10ミクロンであり、オリフィスの詰まりは、大きい粒子寸法または多量のインク固体がオリフィスを経て送られるときに生じる。
【0010】
更に、インク固体が液体中に置かれるとき、インク固体は、時間がたつにつれ液体から分離して、インク容器の底へ落下する傾向がある。インク成分は、インク噴射印刷機内の容器の次の装着のために、代表的に製造設備において容器内に密封され、インク成分に対するかなりな保管時間が使用に先立って存在することを意味する。インク組成内の液体と、固体との分離は、印刷機の機械的な運転と、インク組成の使用によって達成される印刷品質とに関して問題を与える。分離を抑制する物質は、固体染料粒子の集塊をも抑制すると共に、絶縁または他の方法によって、上昇される温度における最終印刷の際のインクまたは染料の活性化を許容して阻止してはならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、インク固体の熱活性化によって媒体からの像の次の転写のため、インク噴射印刷機によって所望の像において媒体へ非活性化形態で熱活性化インク固体を印刷する方法にある。本発明は、該方法に使用するための熱活性化インクまたは染料を有するインクまたは染料の成分を含む。与えられるインク成分は、相変化インク噴射印刷機に使用するための環境温度における固体成分と、自由流および泡の噴射印刷機に使用するための乳状液またはコロイドとを含む。
【0012】
該インク固体は、媒体として使用する基体へ印刷機によって所望のデザインにおいて転写される。基体は紙でも良く、または転写温度を容易にし、かつ耐え基体へのインク層の接着を容易にするその他の材料でもよい。
【発明の効果】
【0013】
インク噴射印刷機は、熱工程を含むが、本発明のインク固体は、印刷機の運転温度において活性化しない。インク固体の熱活性化は、印刷機による像の印刷のときに行われないが、むしろ、媒体から像がその上に永久的に付着される基体への像の転写のときにおいて行われる。非活性化インク固体は、認識可能であるが色が鈍くて大抵の用途に対して受入れ可能である媒体上の印刷される像を生じる。
【0014】
次に、十分な温度は、媒体から像がその上に永久的に現れるべき基体への像の転写のために像へ加えられる。熱は、媒体から基体へのこの転写の際にインク固体を活性化または昇華する。次に、像は、基体に永久的に接着される。永久的な像は、鮮明であり像を形成する鮮やかな色を有している。
本発明によって調製されるインク組成が液体であるとき、微細に分割される染料固体は、コロイドまたは乳状液の形態の液体キャリヤ中に存在する。表面活性剤の特性を有する乳化強制剤は、低い熱における望ましくない活性化を阻止して、染料粒子の集塊を阻止するように、染料粒子を包囲して遮蔽する。しかしながら、乳化強制剤は、一層高い温度における染料の活性化を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
好適実施例では、ビデオカメラまたは走査装置2は、像3を捕捉するために使用される。次に、該像は、電算機4へ入力される。電算機は、像を印刷するように印刷機6に指命する。ソフトウエアによって発生される像を含み電算機から印刷可能な像を形成する任意の装置は、使用されてもよい。利用可能な電算機デザイングラフィックソフトウエアは、使用されてもよく、または依然として、写真は使用されてもよい。該デザインは、写真的、グラフィックアート的または単に文字ないし言語でもよい。青緑色、黄色および深紅色のインク成分の使用は、印刷機が全色ないし多色のデザインで印刷するのを可能にする。
【実施例】
【0016】
本発明では、熱活性化インク固体が使用され、インク固体を活性化することなく印刷機によって媒体へ転写される。熱活性化インク固体は、印刷機によって媒体へ転写される。
【0017】
本質的に任意の材料は、印刷機によってその上に印刷可能であって、ここに記載されるように約400°Fの熱活性化転写温度に耐える媒体として使用されてもよい。この媒体は、カラーインク噴射印刷機に通常使用される任意の紙でもよく、しかしながら、通常のボンド紙が使用されてもよく、または金属が印刷機によって取扱い可能であれば、金属のシートですら使用されてもよい。
【0018】
像が媒体へ印刷されると、該像は、直ちに、または後で、基体へ永久的に転写されてもよい。最も一般的には、デザインは、基体として作用する金属、セラミック、木材またはプラスチックのようなその他の材料へ像が転写されてもよいが、シャツ8のような織物基体へ転写される。インクを活性化することなく媒体9へ印刷されるデザイン3は、物体8に対して置かれる。次に、インク固体を活性化するのに十分な温度が加えられる。この温度は、代表的に約400°Fである。この温度は、インク固体を熱活性化して転写するのに十分な時間にわたって加えられる。熱転写機10は、媒体から基体へのインクの転写を達成するために使用されてもよい。活性化または昇華は、熱が媒体への像の印刷を達成するために使用可能であるにしても、媒体への像の印刷のときに行われないが、媒体から基体への転写の際に生じる。
【0019】
相変化インク噴射印刷機は、環境温度において固体であるインク成分を使用する。該インク成分は、固体の棒形状でもよい。この「インク棒」は、熱活性化インクと、インク成分への熱の付加の際に液化する相変化材料ないし転写基剤とを含む。重合体結合剤および添加剤は、インク成分へ添加されてもよい。該添加剤は、溶解、流れ、乾燥、腐蝕およびその他の変数を制御するのに使用されてもよい。該成分は、インク固体を媒体へ付着して印刷を達成するために、インク固体を制御される態様で溶解することによって固体から液体へ変化する。溶解されるインク成分は、液体の形態にインク成分を維持するのに必要な上昇される温度において液体の形態で溜めに収容される。次に、液化されたインク成分は、要求次第で溜めから取出されて印刷される。該インク成分は、青緑色、黄色および深紅色のような3またはそれ以上の色において印刷機へ与えられて、多色または全色の印刷を達成するように組合せにおいて印刷機によって付着されてもよい。
【0020】
転写基剤は、蝋(wax)または低い分子量と、低い溶融点とを有する特定の重合体のような蝋状材料でもよい。液体の形態の蝋および蝋状材料が紙に対する親和力を有する傾向があるため、転写基剤は、紙媒体に容易に接着し、インク固体がインク固体を活性化して転写するのに十分な熱の付加によって解放されるまでインク固体を媒体に保持する。
【0021】
相変化インク噴射印刷機に使用されるインク成分の組成は、次の通りである。
【0022】
【表1】

感熱ないし熱活性化の染料またはインクの固体は、微細に分割される昇華インクでもよい。固体粒子が0.1ミクロン以下の直径を有することは、好適である。転写材料は、媒体へのインクの印刷を可能にするように70〜120℃の温度において液化する蝋または蝋状材料である。
【0023】
乳化強制剤は、インク固体がそれによって分配される分散剤として作用する。乳化強制剤は、アニオンである1つまたはそれ以上の重合体または表面活性剤でもよい。結合剤は、インク棒が固体の形態にあるときにインク棒を強化する重合体でもよい。可塑剤は、インク棒の組成に対するインクの可溶性を増大する。泡制御剤および粘度制御剤は、インク棒を形成するに役立つ。
【0024】
表面張力制御剤は、表面活性剤でもよい。該剤は、インク組成の印刷において助けとなる。拡散制御剤は、インクが媒体へ付着される際にインクの拡散の制御を助ける。流れ制御剤は、印刷工程の際のインクの溶解の温度および速度の制御を助ける。
【0025】
【表2】

ポリワックスPE500は、転写基剤である。該転写基材は、蝋状重合体材料である。エクソンFN3505は、転写基剤の一部として使用される炭化水素蝋である。その他の蝋または組合せは、印刷機と、その運転温度と、印刷されるべきインクと、印刷されるべき媒体とに依存して転写基剤として使用されてもよい。
【0026】
ディスパーバイク182は、乳化強制剤である。アニオン乳化強制剤は、使用されるべきである。ディスパーバイクは、重合体型式の表面活性剤である。ビナパスB1.5及びピコラスティックは、結合剤として使用される。ポリガードは、腐蝕制御に使用される酸化防止剤である。ジブチルフタレートは、可塑剤である。
【0027】
自由流インク噴射印刷機および泡噴射インク噴射印刷機は、液体の形態にあるインクを使用する。自由流インク噴射印刷機は、インク容器におけるオリフィスを経てインクを分与する。該印刷機は、所望の態様で印刷するようにオリフィスを通る流れに指令しかつ制御する。
【0028】
また、泡噴射印刷機は、液体の形態にあって容器内に保持されるインクを使用する。泡噴射印刷機は、自由流印刷機とは異なるオリフィスないしノズルの系統を使用する。チャンネル、加熱系統は、泡を形成するために使用される。泡の形式は、所望のように印刷するためにインクに熱を加えることによって印刷機によって制御される。
【0029】
熱活性化のインクまたは染料は、固体粒子である。自由流および泡の噴射印刷機は、液体インクを使用するように設計されるが、液体中に固体粒子を有するインクを使用しない。固体材料の存在は、印刷機のオリフィスないしノズルを閉塞する。更に、固体粒子がその中に入れられるかまたは溶解される液体インク成分は、時間にわたって均質ではない。混合物中の固体インク粒子は、インク容器の底に向って液体から沈殿する。この沈殿は、オリフィスの閉塞を増大する。更に、印刷の品質は、インクが不変でなければ、影響を受ける。
【0030】
本発明の液体インク成分は、溶剤中に存在する乳化強制剤による乳状液中に入れられる微細に分割される熱活性化インク固体から成る乳状液である。湿潤剤、腐蝕防止剤、表面活性剤及び発泡防止剤は、該成分中に含まれてもよい。
【0031】
液体インクを必要とするインク噴射印刷機に使用され熱活性化インク固体を含む乳状液の組成は、次の通りである。
【0032】
【表3】

熱活性化の染料またはインクの固体は、微細に分割されて、乳化剤と、水でもよい溶剤とによる乳状液中に入れられる。残りの成分は、液体インク成分の組成、保管および/または印刷を容易にするように添加されてもよい。
【0033】
【表4】

組成例2は、熱活性化黄色インクまたは染料を含む。ジプロピレングリコール及びDMSOは、共溶剤である。苛性ソーダは、殺菌剤としても作用する無機乳化強制剤である。蒸留水は、溶剤として作用する。コブラテックは、腐蝕防止剤として作用する。
【0034】
この組成では、個々のインク固体は、小さい粒子寸法を生じるように微細に分割される。例2の個々のインク固体は、乳化強制剤として使用される苛性ソーダ中にほゞ溶解する傾向がある。苛性ソーダと、組成例が蒸留水である溶剤との組合せは、泡噴射および自由流インク噴射の印刷機に使用可能な乳状液を生じる。
【0035】
一般に、「湿潤剤(humectant)」は、湿度調節剤である。関連技術では、用語の「湿潤剤」は、インクが乾く速度を調節してインクの粘度を制御するためにインク組成に含まれる薬剤を述べるのに使用される。これ等の特性に加えて、本発明は、オリフィスないしノズルの閉塞を防止する1つまたはそれ以上の湿潤剤を含んでもよい。特定のインクにより、湿潤剤は、印刷されるデザインがその上に永久的に現れるべき物体へ媒体から転写される際にインクまたは染料の昇華速度を調節する。組成例2における湿潤剤は、共溶剤および湿潤剤として作用するジプロピレングリコールである。
【0036】
【表5】

サブラプリント青色70013は、熱活性化のインクまたは染料の固体である。リグノソルFTAおよびME839235は、乳化強制剤である。リグノソルFTAは、殺菌剤としても作用する。ME839235は、重合体であり、特に、ポリエチレン結合剤である。ジエチレングリコールおよびDMSOは、湿潤剤として作用する。溶剤は、蒸留水である。サブラプリント青色70013は、ビファクスアン黄色3GEよりも昇華するのに一層困難であり、乳化強制剤中に一層少なく可溶性である。ジエチレングリコールは、サブ
【0037】
ラプリント青色インク固体の昇華を容易にするように湿潤剤として使用される。
【0038】
該熱活性インク固体は、小さい粒子寸法に微細に分割される。微細に分割されるインク固体は、1つまたはそれ以上の乳化強制剤に組合わされ、次にこれ等は、溶剤に組合わされる。
【0039】
【表6】

組成例#4は、微細に分割されて乳化強制剤中に組合わされる熱活性化インク固体または染料を含む。該乳化強制剤ないし媒体は、例#3の場合のように、リグノソルFTAおよびME39235である。蒸留水は、溶剤として使用される。ジプロピレングリコールは、湿潤剤として使用される。
【0040】
組成例#4は、液体インク成分の発泡を阻止するために発泡防止剤ないし発泡制御剤のディーフォ806−102を更に含む。組成例#4は、ソルビトール(登録商標)でもよい表面活性剤と、この例ではNA−SUL(登録商標)である腐蝕防止剤とを更に含む。組成例2,3,4は、乳状液である。例2では、個々の染料は、乳化強制剤中に溶解する傾向を有している。組成例3,4は、分散媒体内に存在し直径において0.1ミクロン以下の微細に分割されるインク粒子を有するコロイドとして述べられてもよい。
【0041】
本発明は、インク固体の使用によって生じるオリフィスの閉塞に関する問題を経験することなしに、自由流インク噴射印刷機と、ピエゾ電気印刷機と、泡噴射印刷機との中で作用する乳状液ないしコロイドを提供する。更に、乳状液ないしコロイドの使用は、液体成分からのインク固体の分離を防止し、インク成分を時間にわたって安定にする。代表的に、液体インク組成は、容器内で印刷機内に存在する。3色またはそれ以上の色の液体インクが存在する。該容器は、工場で密封されてもよく、このようにして、該インク組成は、長期間にわたって容器内に保持されてもよい。
【0042】
泡噴射印刷機は、インク溶剤のほゞ沸騰点においてインクを印刷するのに使用される泡を形成する。大抵の組成では、水が溶剤として使用され、従って、インクは、印刷される際に100℃の温度または一層高い温度に晒される。比較可能な温度は、印刷のためにインクを移送する目的のために圧力を形成するように自由流インク噴射印刷機において使用されてもよい。相変化インク噴射印刷機の場合のように、インクは、幾つかの熱活性化インクまたは染料を活性化ないし昇華する温度に晒される。ここのインク成分に使用されるインクまたは染料は、印刷機の運転温度において活性化ないし昇華しない。
【0043】
液体インク組成は、液体キャリヤを含む。該液体キャリヤないし溶剤は、水でもよい。液体キャリヤに可溶性の乳化強制剤は、液体キャリヤ中に乳状液またはコロイドを形成する。該乳化強制剤は、熱活性化染料に対して親和力を有し、染料粒子の個々の粒子の総てまたは一部に付着するか、または包囲可能である。
使用される際の熱活性化染料は、液体キャリヤに実質的に不溶性の微細に分割される固体である。該染料粒子は、液体に入れられるとき、集塊する傾向があり、インク組成の効力を著しく低減し、実際上排除する。該乳化強制剤は、乳状液またはコロイドを形成するのに使用され、本発明では、また、包囲して遮蔽し、これにより、個々の染料粒子を液体キャリヤおよび相互から分離し、染料粒子の集塊を阻止し、これにより、インク組成がインク噴射のような印刷機のオリフィスを閉塞するのを防止する。該乳化強制剤は、染料粒子を遮蔽して絶縁し、印刷機および印刷機工程において存在する熱への露出による染料の活性化ないし昇華を防止する。該乳化強制剤は、染料粒子を遮蔽して、インク組成の貯蔵寿命を改善する。包装または環境において存在する熱、化学反応、光、時間およびその他の要素の悪影響は、該乳化強制剤によって低減される。しかしながら、該乳化強制剤が染料粒子を遮蔽する際、該乳化強制剤の絶縁特性は、熱活性化染料の熱活性化が染料を活性化する温度においてまたはそれ以上において実施される媒体からの像の最終転写の際に達成されて、熱活性化による最終転写後の染料の所要の光学的濃度が達成されるような具合である。
【0044】
本発明の目的を達成する乳化強制剤の一例は、液体キャリヤとしての水に使用されるとき、リグニンスルフォネートまたはリグノスルフォネートまたはサルフィトリグニンのような周知の金属スルフォン酸塩である。これ等の製品は、一般にCHSO3官能基を伴い、広いpH範囲の水溶液に可溶性である。リグニンスルフォネートは、リグノソル(Lignosol)およびレイクロム(Raykrome)を含む種々な商品名によって販売される。また、リグニンサルフェトも使用される。
【0045】
乳化強制剤として使用可能なリグニン製品の他の化合物は、オキシリグニンとして知られている化合物から選択されてもよい。これ等の薬剤は酸化されたリグニンから得られ、低減されたスルフォニック(sulfonic)基、メトキシル(methoxyl)基と増大される数の官能的なフェノリック(phenolic)基、ヒドロキシル(hydroxyl)基、カルボキシリック(carboxylic)基とを有している。
【0046】
開示される総てのリグニン化合物は、水溶性、pH範囲、分子量、熱安定性および乳化性能のようなそれ等の化学的および物理的の特性をスルフォネーション、メチレイション、カルボキシレイション、フラクショネーション等の工程または逆の工程を経て更にモディファイしてもよい。
【0047】
本発明において染料の分散剤/乳化強制剤として使用されるリグニンは、溶剤および使用量レベルの適正な調節により、安定した昇華(感熱性)の染料の乳状液/コロイド系を生じる。マラスパース(Marasperse)CBA−1〔リグノテック(Lignotech)〕、マラスパース52CP(リグノテック)、リグノソル(Lignosol)FTA(リグノテク)、リグノソルSFX−65(リグノテク)、テムスパース(Temsperse)S002〔テムファイバ社(Temfibre,Inc.)〕、ステップスパース(Stepsperse)DFシリーズ〔ステファン社(Stephan Co.)〕、ウェシェム(Weschem)NA−4〔ウェスコテクノロジーズ社(Wesco Technologies,LTD)〕のようなリグノスルフォン酸塩製品と、ディワテックス(Diwatex)XP(リグノテク)、リアックス(Reax)85〔ウェストバコ(Westvaco)〕のようなクラフトリグニン製品と、マラスパースCBOS−6およびバニスパース(Vanisperse)CB、等のようなオキシリグニン製品とは、水系における昇華(感熱性)染料系の該乳化に好適である。結果として生じる二重層構造(リグニン分子によって包囲される中心の染料粒子と、外側層上の他の水和層)は、染料を遮蔽して、再集塊を妨げ、化学的および物理的の変化の作用を妨げる。
【0048】
他の表面活性剤/染料分散剤は、主分散剤/乳化強制剤のいずれかとして、または結果として生じるインクの乳状液/コロイドの安定性を改善し従って印刷品質を向上して印刷ヘッドにおける閉塞およびコゲーション(Kogation)を排除するための添加剤として使用されてもよい。これ等の薬剤の濃度は、熱伝達段階における感熱性染料の昇華熱伝達特性を損ずることなく合計成分の1%から15%までの範囲でよい。該材料は、固体染料粒子を微細に分割した後、または昇華(感熱性)染料粒子が粉砕/分散工程と、遠心分離または濾過のような分離工程とを経て水溶液中に良好に分散された後、成分中に添加されてもよい。これ等の添加剤は、乳状液/コロイドの安定剤、レベリンク剤、湿潤剤として作用し、または乳化強制剤としてのこれ等の作用に加えて制御剤を形成する。
【0049】
この目的のために使用可能な薬剤は、トリトン(Triton)Xシリーズ、オクチルフェンオキシポリスオキシエタノール(Octylphen oxypolyeth oxyethanol)のような非イオン表面活性剤のアルキルアリルポリエーテルアルコール(alkylaryl polyether alcohol type)型と、トリトンRWシリーズ トリトンCF−10のようなアルキルアミンエトキシレート(alkylamine ethoxylate)非イオン表面活性剤と、ユニオンカーバイドケミカルズ(Union Carbide Chemicals)からのターキトル(Tergitol)非イオン表面活性剤シリーズと、ICIケミカルズアンドポリマーズ(Chemicals and Polymers)からのトウィーン(Tween)シリーズのようなポリソルベート(polysorbate)製品と、シルウェット(Silwet)表面活性剤(ポリジメチルシロキサン共重合体(polydimethelsiloxane copolymers)のようなポリアキレン(polyakylene)およびポリアキレン(polyakylene)改質の表面活性剤と、OSIスペシャルティズ(Specialties)からのコアットオーシル(Coat Osil)表面活性剤と、レネックス(Renex)シリーズ、ブリジュー(BRIJ)シリーズ、ウカニル(Ukanil)シリーズのような非イオン表面活性剤のアルコールアルコキシレート(alcohol alkoxylate)型と、スパン(Span)シリーズ、アリアセル(Ariacel)シリーズのようなソルビタン(Sorbitan)エステル製品と、トウィーンシリーズ、アトラス(Atlas)シリーズ、ミルジュー(Myrj)シリーズのようなアルコキシレートエステル(alkoxylate esters)/PEG製品と、ICIケミカルズアンドポリマーズからのシラソル(Cirrasol)表面活性剤製品と、アミルアシッドフォスフェート(Amyl Acid Phosphate)、ケモフォス(Chemophos)TR−421のようなアルキルリン酸(alkyl phosphoric acid esters)エステル表面活性剤製品と、ケムロン社(Chemron Corporation)からのケムオキシド(Chemoxide)シリーズのような酸化アルキルアミン(alkyl amine oxide)と、ハムプシャーケミカル社(Hampshire Chemical Corporation)からのハムポシル(Hmposyl)シリーズのようなアニオニックサルコシネート(acionic sarcosinate)表面活性剤と、カルゲンケミカル(Calgene Chmical)からのホダッグ(Hodag)シリーズのようなグリセロールエステル(glycerol esters)またはポリグリコールエステル(polyglycol ester)の非イオン表面活性剤とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は印刷工程を示すブロック図である。
【図2】図2は該印刷工程を利用する印刷機によって印刷されるデザインの例を示す。
【図3】図3は電算機の好例の要素と、印刷工程を達成するために使用可能な印刷系統とを示す概略的な例示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. インク噴射印刷機を用意し、
b.少なくとも1個の熱活性化インクを用意し、
c. 像の形態の前記熱活性化インクを、前記像が現れるべき物体の上に転写し、この転写工程が前記熱活性化インクを基体媒体の上に印刷機で像の形態の前記熱活性化インクを活性化せずに印刷し、前記熱活性化インクに熱を加えることにより前記像を前記基体媒体から物体に引き続き転写することを含む方法において、
前記熱活性化インクは液体インク組成であり、
i) 液体キャリア中にコロイド状に分散して存在する微細に分割され、該液体キャリア中で実質的に不溶性である熱活性化し得る染料固体と、
ii)該活性化し得る染料固体に対して親和力を有し、該染料固体の粒子の個々の粒子の総てまたは一部に付着するか、または包囲可能である少なくとも1個の乳化強制剤とからなり、
それによって、該染料固体が該液体キャリアから分離することを阻止するように、該乳化強制剤がコロイド状染料固体の集塊を阻止し、インク成分を時間がたつにつれ安定化させることを特徴とする液体インク組成である方法。
【請求項2】
請求項1に記載のように印刷機で印刷される熱活性化インクを使用した多色像を印刷する方法において、前記印刷機は多色印刷機であり用意される少なくとも1個の熱活性化インクは少なくとも3色の熱活性化インクであり、前記転写工程は前記多色像の形態の熱活性化インクを多色インク噴射印刷機によって基体の上に転写して前記多色像の熱活性化インクを活性化せずに前記基体上に印刷する方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のように印刷機で印刷される熱活性化インクを使用した像を印刷する方法において、1個または複数の熱活性化インクが印刷機によってその上に印刷される基体は、前記像を媒体から物体に引き続いて転写するための活性化なしに、そして物体へ熱を加えて活性化することなしに媒体として使用される方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のように印刷機によって印刷される活性化インクを使用して像を印刷する方法において、前記乳化強制剤はリグリンである方法。
【請求項5】
請求項4に記載のように熱活性化インクを使用して像を印刷する方法において、前記乳化強制剤はスルフォネーティッドリグニンである方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のように熱活性化インクを使用して像を印刷する方法において、前記熱活性化インクはさらに表面活性剤からなる方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のように熱活性化インクを使用して像を印刷する方法において、印刷機はカラー熱インク印刷機またはピエゾ電気印刷機である方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のように熱活性化インクを使用して像を印刷する方法において、前記熱活性化インクはその熱活性化温度またはそれよりも高い温度を前記熱活性化インクを活性化するのに充分な時間加えて活性化させ、
前記乳化強制剤は前記熱活性化インクが前記基体に印刷された後に前記熱活性化インクが活性化するのに要求される活性化温度を実質的に上げない方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項にのように熱活性化インクを使用して像を印刷する方法において、前記活性化インクが約200℃の要求される活性化温度で転写される方法。
【請求項10】
熱活性化し得る染料固体のインク噴射印刷用の液体インク組成であって、
i) 液体キャリア中にコロイド状に分散して存在する微細に分割され、該液体キャリア中で実質的に不溶性である熱活性化し得る染料固体と、
ii)該熱活性化し得る染料固体に対して親和力を有し、該染料固体の粒子の個々の粒子の総てまたは一部に付着するか、または包囲可能である少なくとも1個の乳化強制剤とからなり、
それによって、該染料固体が該液体キャリアから分離することを阻止するように、該乳化強制剤がコロイド状染料固体の集塊を阻止し、インク成分を時間がたつにつれ安定化させる液体インク組成。
【請求項11】
乳化強制剤はリグニンからなる、請求項10に記載の液体インク組成。
【請求項12】
乳化強制剤はスルフォネーティッドリグニンまたは、オキシリグニンである、請求項10に記載の液体インク組成。
【請求項13】
乳化強制剤はさらに表面活性剤からなる、請求項10〜12のいずれか一項に記載の液体インク組成。
【請求項14】
液体キャリアは水である請求項10〜13のいずれか一項に記載の液体インク組成。
【請求項15】
印刷機内部に位置するように適合され、請求項10〜14のいずれか一項に記載の液体インク組成を収納する容器。
【請求項16】
容器は工場内で密封された請求項15に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−119874(P2009−119874A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330321(P2008−330321)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【分割の表示】特願2005−157659(P2005−157659)の分割
【原出願日】平成7年9月1日(1995.9.1)
【出願人】(501152846)ソウグラス システムズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】