説明

永久磁石形同期電動機の制御装置

【課題】電動機の電気定数が不明な場合にもインダクタンスの測定精度を向上させ、その測定時間を短縮可能とした制御装置を提供する。
【解決手段】高周波電流指令値、リアクタンス推定値及び電機子抵抗推定値から電圧補償値演算器33により電圧降下を演算し、これを使って電圧指令値をフィードフォワード補償する。高周波電流・高周波電圧検出値から演算した有効電流・無効電流検出値が有効電流・無効電流推定値に一致するようにパラメータ推定手段36によりコンダクタンスとサセプタンスを推定し、これらの推定値からインピーダンス演算器37によりリアクタンス推定値と電機子抵抗推定値とを演算する。また、リアクタンス推定値を用いてインダクタンス演算器38により電動機80のインダクタンスを演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石形同期電動機の制御装置に関し、詳しくは、永久磁石形同期電動機の磁極位置を演算する場合に電動機のインダクタンスを高精度に測定するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
永久磁石形同期電動機(以下、PMSMともいう)の制御装置をコストダウンするため、磁極位置検出器を使わないで運転する、いわゆるセンサレス制御技術が実用化されている。この種のセンサレス制御技術としては様々な方式が提案されているが、回転子の永久磁石によって電動機の端子間に誘導される誘起電圧を利用して磁極位置を演算する方式が多く採用されている。
【0003】
ここで、誘起電圧を利用して磁極位置を演算するためには、電動機の正確なインダクタンス値が必要である。
電動機のインダクタンスは、交番交流電流を電動機に流したときの電流と端子電圧との関係から測定することができ、例えば、特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
特許文献1には、実施形態5として、正弦波の交番交流電流指令値を与え、その時の電流検出値から正弦波成分と余弦波成分とを検出し、これらの各成分に対して指令値との偏差を演算し、これらの偏差を積分調節器(積分補償器)により増幅して電圧指令値の正弦波成分と余弦波成分とを制御することが記載されている。
これにより、電動機の電流を指令値に制御することができると共に、電動機のインダクタンスは、前記電流検出値、端子電圧及び交番電流の角周波数から演算することが可能である。
【0005】
また、特許文献1には、実施形態6として、電動機に正弦波の交番交流電圧を印加し、このときの電流検出値の余弦波成分、交流電圧の振幅及び角周波数からインダクタンスを演算することが記載されており、交流電圧の振幅は所定の変化率に従って増加させ、交流電流の大きさが所定値に到達した時点で交流電圧の振幅を一定とし、この状態でインダクタンスを測定している。
この方法では、前述した特許文献1の実施形態5のような電流フィードバック制御を行っていないため、電動機の電気定数が不明な場合にも安定に電流制御を行えるという特徴がある。
【0006】
【特許文献1】特開2006−262643号公報(段落[0077]〜[0087],[0088]〜[0097]、図11,図12等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電動機のインダクタンスを高精度に測定するためには、交流電流が指令値に一致するように高精度に制御するのが望ましい。また、インダクタンスの測定時間を短縮するためには、電流の応答を速くする必要がある。
このような観点に立って特許文献1を検討した場合、前述した実施形態5において、電流の応答を速くするためには、前記積分調節器を最適調整すればよいが、電動機の電気定数が未知の場合には、その実現は困難である。また、交流電流の正弦波成分、余弦波成分と交流電圧の正弦波成分、余弦波成分との間に線形性がないため、この点でも積分調節器の最適調整は困難である。
【0008】
更に、特許文献1の実施形態6によれば、電動機の電気定数が未知の場合にも電流制御を安定に実現可能である。しかしながら、インダクタンスの測定時間を短縮するためには、交流電圧の振幅の変化率を最適に設計する必要があり、電動機の電気定数が未知の場合には、その実現は困難と考えられる。
【0009】
そこで、本発明の解決課題は、電動機の電気定数が不明な場合にもインダクタンスの測定精度を向上させ、更に、インダクタンスの測定時間を短縮可能とした永久磁石形同期電動機の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、永久磁石形同期電動機の端子電圧及び電流をベクトルとしてとらえ、
前記端子電圧を制御することにより、電動機の電流を、所定のベクトル方向に交番する高周波電流成分を含む電流指令値に制御する電流制御手段と、
電動機の電流検出値及び端子電圧から電動機のインダクタンスを測定するインダクタンス測定手段と、を備え、
前記電流制御手段は、
前記電流指令値と前記電流検出値との偏差を増幅して第1の電圧指令値を演算する手段と、
前記高周波電流成分、前記電動機のリアクタンス推定値及び電機子抵抗推定値から第2の電圧指令値を演算する手段と、
前記第1の電圧指令値と前記第2の電圧指令値との和から第3の電圧指令値を演算し、この第3の電圧指令値を前記端子電圧の指令値とする手段と、
を有し、
前記インダクタンス測定手段は、
前記電流検出値から前記高周波電流成分と同じ角周波数の高周波電流を検出する第1検出手段と、
前記第3の電圧指令値から前記高周波電流成分と同じ角周波数の高周波電圧を検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段により得た高周波電流検出値と前記第2検出手段により得た高周波電圧検出値とから、コンダクタンス及びサセプタンスを推定するパラメータ推定手段と、
前記パラメータ推定手段により得たコンダクタンス推定値及びサセプタンス推定値から前記リアクタンス推定値及び前記電機子抵抗推定値を演算するインピーダンス演算手段と、
前記リアクタンス推定値及び前記高周波電流成分の角周波数から電動機のインダクタンスを演算する手段と、
を有するものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した制御装置において、
前記パラメータ推定手段は、
前記高周波電流検出値と前記高周波電圧検出値とから前記高周波電圧検出値と同位相の電流である有効電流を検出する手段と、
前記高周波電圧検出値と前記コンダクタンス推定値とから有効電流を推定する有効電流推定手段と、
この有効電流推定手段により得た有効電流推定値と前記有効電流の検出値との偏差を増幅して前記コンダクタンス推定値を演算する手段と、
前記高周波電流検出値と前記高周波電圧検出値とから前記高周波電圧検出値と90度の位相差を持った電流である無効電流を検出する手段と、
前記高周波電圧検出値と前記サセプタンス推定値とから無効電流を推定する無効電流推定手段と、
この無効電流推定手段により得た無効電流推定値と前記無効電流の検出値との偏差を増幅して前記サセプタンス推定値を演算する手段と、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、高周波電流指令値、リアクタンス推定値及び電機子抵抗推定値から高周波電流による電圧降下を演算し、この電圧降下(電圧補償値)を第2の電圧指令値として用いて第3の電圧指令値をフィードフォワード補償する。また、高周波電流検出値と、第3の電圧指令値に基づく高周波電圧検出値とから演算した有効電流検出値と無効電流検出値とがそれぞれの指令値に一致するように電機子巻線のコンダクタンスとサセプタンスを推定し、これらの推定値を用いてリアクタンス推定値及び電機子抵抗推定値を演算する。
これにより、リアクタンス推定値及び電機子抵抗推定値は、最終的には真値に収束するので、高周波電流による電圧降下を正確に演算してこの電圧降下が補償された第3の電圧指令値に従って電動機を制御することにより、電動機の電気定数が不明な場合にも高周波電流を高精度に制御し、インダクタンスの測定精度を向上させることができる。また、電流を高応答に制御可能であるため、インダクタンスの測定時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、PMSMは、回転子のd軸(回転子の磁極方向)とd軸から90度進んだq軸とに従って電流制御を行うことにより、高精度なトルク制御を実現可能である。しかしながら、磁極位置検出器を持たない場合にはd,q軸を直接検出できないので、d,q軸に対応して角速度(=速度演算値)ωで回転する直交回転座標系のγ,δ軸を制御装置側に推定して制御演算を行っている。
このγ,δ軸の定義を図3に示す。図3において、ωはd,q軸の回転角速度、θerrはd,q軸とγ,δ軸との角度誤差(位置演算誤差)である。
【0014】
次に、図1は、請求項1に相当する本発明の実施形態を示す制御ブロック図である。このブロック図は、PMSMの磁極と平行方向のインダクタンスであるd軸インダクタンスを測定するためのものである。
【0015】
まず、図1における主回路の構成を説明すると、50は三相交流電源であり、整流回路60は電源50の三相交流電圧を整流して直流電圧に変換する。この直流電圧はPWMインバータからなる電力変換器70に供給され、後述するPWM回路13からのゲート信号により内部の半導体スイッチング素子を制御することで、永久磁石形同期電動機80を駆動するための所定の三相交流電圧に変換される。
【0016】
次に、制御装置の構成及び作用は以下の通りである。
電流座標変換器14は、u相電流検出器11u、w相電流検出器11wによってそれぞれ検出した相電流検出値i,iを、γ,δ軸の角度θに基づいてγ,δ軸電流検出値iγ,iδに座標変換する。なお、上記角度θは、インダクタンス測定を開始する前に演算した磁極位置θ10とする。これにより、γ,δ軸をd,q軸に一致させることができる。
【0017】
磁極位置θ10の演算方法は任意であり、例えば、特開2001−190093号公報に記載されている技術を応用することにより、電流の振幅を一定に制御して電流ベクトルに回転子を引き込ませ、このときの電流ベクトルの角度から磁極位置を求める方法や、特許第3312472号公報に記載されているように、電動機に印加する交番電圧ベクトルや交番電流ベクトルの平行成分または直交成分から印加ベクトルと磁束軸との間の相差角を検出し、この相差角から直接または間接に磁極位置を検出する方法を用いても良い。
【0018】
再び図1において、積分器30は、高周波電流指令値の角周波数ωを積分して高周波電流指令値の位相θを演算する。高周波電流指令演算器31は、γ軸高周波電流振幅指令値Iγh及び上記位相θからγ軸高周波電流指令値iγhを数式1により演算する。
【0019】
【数1】

【0020】
加算器32は、直流電流指令値(γ軸基本波電流振幅指令値)Iγfとγ軸高周波電流指令値iγhとを加算してγ軸電流指令値iγを演算する。直流電流指令値Iγfは、零または正の一定値とする。直流電流指令値Iγfを正の一定値に設定した場合、回転子が外力により回転するのを防止することができる。
【0021】
減算器19は、γ軸電流指令値iγと前記γ軸電流検出値iγとの偏差を求め、この偏差を、比例積分調節器からなるγ軸電流調節器20により増幅して第1のγ軸電圧指令値vγACRを演算する。
また、電圧補償値演算器33により、γ軸高周波電流振幅指令値Iγh、位相θ、電動機80の電機子抵抗推定値Rγhest及びリアクタンス推定値Xγhestを用いて高周波電流による電圧降下(電圧補償値)を求め、これを第2のγ軸電圧指令値vγhFFとして設定する。具体的には、数式2の演算を行う。
【0022】
【数2】

【0023】
なお、数式2における電機子抵抗推定値Rγhest及びリアクタンス推定値Xγhestの演算方法については後述する。
加算器21により、第1のγ軸電圧指令値vγACRと第2のγ軸電圧指令値vγhFFとを加算してフィードフォワード補償を行い、第3のγ軸電圧指令値vγを演算する。一方、δ軸電圧指令値vδは零に制御する。
これらのγ,δ軸電圧指令値vγ,vδは、電圧座標変換器15によって角度θ(=θ10)に基づき相電圧指令値v,v,vに変換される。
PWM回路13は、相電圧指令値v,v,vと電圧検出器12により検出した電力変換器70の直流入力電圧Edcとから、電力変換器70の出力電圧を相電圧指令値v,v,vに制御するためのゲート信号を生成して電力変換器70に供給する。
上述した制御装置の演算処理により、γ軸電流iγをγ軸電流指令値iγに制御することができる。
【0024】
次に、電機子抵抗推定値Rγhest及びリアクタンス推定値Xγhestの演算方法について説明する。
第1検出手段としてのフーリエ級数演算器34は、γ軸電流iγと高周波電流指令値の位相θとから、γ軸電流iγの角周波数ωの余弦波成分Iγhaと正弦波成分Iγhbとを検出する。一方、第2検出手段としてのフーリエ級数演算器35は、γ軸電圧指令値vγと高周波電流指令値の位相θとから、γ軸電圧指令値vγの角周波数ωの余弦波成分Vγhaと正弦波成分Vγhbとを検出する。
【0025】
パラメータ推定手段36は、γ軸電流iγの余弦波成分Iγhaと正弦波成分Iγhb、及び、γ軸電圧指令値vγの余弦波成分Vγhaと正弦波成分Vγhbとから、コンダクタンス推定値Gγhestとサセプタンス推定値Bγhestとを演算する。このパラメータ推定手段36の詳細については、後述する。
【0026】
インピーダンス演算器37は、コンダクタンス推定値Gγhestとサセプタンス推定値Bγhestとから、電機子抵抗推定値Rγhestとリアクタンス推定値Xγhestとを、それぞれ数式3,数式4により演算する。
【0027】
【数3】

【0028】
【数4】

【0029】
インダクタンス演算器38は、リアクタンス推定値Xγhestと角周波数ωとから、d軸インダクタンスの測定値Ldestを数式5により演算する。
【0030】
【数5】

【0031】
次に、前記パラメータ推定手段36の詳細について説明する。図2は、請求項2に相当するパラメータ推定手段36の構成を示すブロック図である。
図2に示すパラメータ推定手段は、高周波電圧振幅と電機子巻線のコンダクタンスとの積が、高周波電圧と同相の電流(以下、有効電流と定義する)の大きさに等しく、高周波電圧振幅と電機子巻線のサセプタンスとの積が、高周波電圧と90度位相がずれた電流(以下、無効電流と定義する)の大きさに等しいことを利用して上記コンダクタンス及びサセプタンスを真値に収束させるものである。
【0032】
図2において、振幅演算器101は、γ軸電圧指令値vγに含まれる高周波電圧の振幅Vγhcを、γ軸電圧指令値vγの余弦波成分Vγhaと正弦波成分Vγhbとから、数式6により演算する。
【0033】
【数6】

【0034】
有効電流・無効電流検出器102は、有効電流検出値Iγpowdetと無効電流検出値Iγvardetとを、高周波電圧と高周波電流との関係を利用して、それぞれ数式7,数式8により演算する。
【0035】
【数7】

【0036】
【数8】

【0037】
一方、数式9,数式10に示すように、高周波電圧振幅Vγhcとコンダクタンス推定値Gγhestとの積、及び、高周波電圧振幅Vγhcとサセプタンス推定値Bγhestとの積を、それぞれ乗算器103a,103bにより求め、有効電流推定値Iγpowestと無効電流推定値Iγvarestとを演算する。
【0038】
【数9】

【0039】
【数10】

【0040】
減算器104aにより有効電流推定値Iγpowestと有効電流検出値Iγpowdetとの偏差Iγpowerrを演算し、これをパラメータ推定器105aにより増幅してコンダクタンス推定値Gγhestを演算する。具体的には、数式11を用いる。
【0041】
【数11】

【0042】
なお、数式11及び下記の数式12において、Γはパラメータ推定積分ゲイン、ρは正規化係数である。
同様に、減算器104bにより、無効電流推定値Iγvarestと無効電流検出値Iγvardetとの偏差Iγbarerrを演算し、これをパラメータ推定器105bにより増幅してサセプタンス推定値Bγhestを演算する。具体的には、数式12を用いる。
【0043】
【数12】

【0044】
以上の演算処理により、コンダクタンス推定値Gγhestとサセプタンス推定値Bγhestを真値に収束させることができる。これにより、図1のインピーダンス演算器37によって演算される電機子抵抗推定値Rγhest及びリアクタンス推定値Xγhestは速やかに真値に収束する。
従って、電圧補償値演算器33は、前述した数式2に基づき高周波電流による電圧降下を正確に演算して第2のγ軸電圧指令値vγhFFを出力すると共に、このγ軸電圧指令値vγhFFにより補償した第3のγ軸電圧指令値vγを用いて電力変換器70を介し電動機80を制御することにより、電動機80の電気定数が未知である場合にも電流を高応答に制御することができる。
【0045】
なお、図1に示した実施形態は、d軸インダクタンスを測定するためのものであるが、回転子の磁極と直交方向のインダクタンスであるq軸インダクタンスを測定する場合は、同様にして、δ軸方向に交流電流を流し、このときのδ軸電流iδとδ軸電圧指令値vδとからq軸インダクタンスを測定すればよい。詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態を示す制御ブロック図である。
【図2】図1におけるパラメータ推定手段の構成を示すブロック図である。
【図3】γ,δ軸の定義を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
50 三相交流電源
60 整流回路
70 電力変換器
80 永久磁石形同期電動機(PMSM)
11u u相電流検出器
11w w相電流検出器
12 電圧検出器
13 PWM回路
14 電流座標変換器
15 電圧座標変換器
19 減算器
20 γ軸電流調節器
21 加算器
30 積分器
31 高周波電流指令演算器
32 加算器
33 電圧補償値演算器
34 フーリエ級数演算器
35 フーリエ級数演算器
36 パラメータ推定手段
37,38 インピーダンス演算器
101 振幅演算器
102 有効電流・無効電流検出器
103a,103b 乗算器
104a,104b 減算器
105a,105b パラメータ推定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石形同期電動機の端子電圧及び電流をベクトルとしてとらえ、
前記端子電圧を制御することにより、電動機の電流を、所定のベクトル方向に交番する高周波電流成分を含む電流指令値に制御する電流制御手段と、
電動機の電流検出値及び端子電圧から電動機のインダクタンスを測定するインダクタンス測定手段と、
を備え、
前記電流制御手段は、
前記電流指令値と前記電流検出値との偏差を増幅して第1の電圧指令値を演算する手段と、
前記高周波電流成分、前記電動機のリアクタンス推定値及び電機子抵抗推定値から第2の電圧指令値を演算する手段と、
前記第1の電圧指令値と前記第2の電圧指令値との和から第3の電圧指令値を演算し、この第3の電圧指令値を前記端子電圧の指令値とする手段と、
を有し、
前記インダクタンス測定手段は、
前記電流検出値から前記高周波電流成分と同じ角周波数の高周波電流を検出する第1検出手段と、
前記第3の電圧指令値から前記高周波電流成分と同じ角周波数の高周波電圧を検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段により得た高周波電流検出値と前記第2検出手段により得た高周波電圧検出値とから、コンダクタンス及びサセプタンスを推定するパラメータ推定手段と、
前記パラメータ推定手段により得たコンダクタンス推定値及びサセプタンス推定値から前記リアクタンス推定値及び前記電機子抵抗推定値を演算するインピーダンス演算手段と、
前記リアクタンス推定値及び前記高周波電流成分の角周波数から電動機のインダクタンスを演算する手段と、
を有することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載した制御装置において、
前記パラメータ推定手段は、
前記高周波電流検出値と前記高周波電圧検出値とから前記高周波電圧検出値と同位相の電流である有効電流を検出する手段と、
前記高周波電圧検出値と前記コンダクタンス推定値とから有効電流を推定する有効電流推定手段と、
この有効電流推定手段により得た有効電流推定値と前記有効電流の検出値との偏差を増幅して前記コンダクタンス推定値を演算する手段と、
前記高周波電流検出値と前記高周波電圧検出値とから前記高周波電圧検出値と90度の位相差を持った電流である無効電流を検出する手段と、
前記高周波電圧検出値と前記サセプタンス推定値とから無効電流を推定する無効電流推定手段と、
この無効電流推定手段により得た無効電流推定値と前記無効電流の検出値との偏差を増幅して前記サセプタンス推定値を演算する手段と、
を備えたことを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−278691(P2009−278691A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124550(P2008−124550)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(503361927)富士電機アセッツマネジメント株式会社 (402)
【Fターム(参考)】