説明

汚水処理水の再利用システム

【課題】下水道幹線に設けた複数の再利用水の需要地域の貯水量を一元管理し制御することを目的としている。
【解決手段】本発明の汚水処理水の再利用システム10は、下水道幹線12に設けた汚水の取水口22と、汚水処理して生成した再利用水を貯水する処理水槽と、処理水槽の水位を測定する水位センサー24と、からなる再利用水供給手段20を再利用水の需要地域の下水道幹線12に複数分散配置し、複数の取水口22へ移動して汚水処理を行い、生成した再利用水を処理水槽に供給する移動式の汚水処理手段40と、水位センサー24の水位データを送信する通信手段60と、通信手段60から送信された水位データと再利用水の需要情報に基づいて、処理水槽の貯水量を管理する中央管理手段80と、を備えたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に下水道幹線の複数箇所で汚水の一部を取水し、汚水処理を行い近隣に再利用水を供給する汚水処理水の再利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の下水道幹線は、終末下水処理場において汚水処理を行い、生成した再利用水を上流側の需要地域へ供給していた。しかしながら、終末下水処理場から遠隔の再利用水が必要な地域では、再利用水の供給手段が問題となっていた。
【0003】
そこで近年下水道処理水を有効活用できるサテライト処理場が利用されている。図4はサテライト処理場の構成概略図である。図示のようにサテライト処理場1は、末端に終末下水処理場2を有する下水道幹線3に分散して複数配置されている。サテライト処理場1は、下水道幹線3を流れる汚水の一部を取水し、浄化処理して再利用水を生成し、サテライト処理場1近隣に存在する再利用水の需要地域へ供給することができる。
【0004】
しかし、従来のサテライト処理場は、広大な設置スペースを確保することが困難な市街地に配置するため、設置箇所をできるだけ省スペース化しなければならないという問題があった。
【0005】
そこで本出願人は、特許文献1に示すようなサテライト処理場の汚水処理装置を提案している。特許文献1では、高速ろ過手段と膜分離活性汚泥手段を組み合わせて汚水処理を行う汚水処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示の汚水処理装置によれば、処理装置全体の省スペース化を図りつつ、清浄度の高い再利用水(処理水)を生成することができる。
しかしながら再利用水は近隣地域の需要に応じて生成する必要がある。また生成した再利用水は清浄度に応じて一次的に貯水する水槽が必要となる。さらに再利用水の需要に応じて再利用水を生成し貯水量を管理することは重要な課題であるが、特許文献1では考慮されていない。
【0008】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点を解決するため、下水道幹線に設けた複数の再利用水の需要地域の貯水量を一元管理し制御することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の汚水処理水の再利用システムは、下水道幹線に設けた汚水の取水口と、汚水処理して生成した再利用水を貯水する処理水槽と、前記処理水槽の水位を測定する水位センサーと、からなる再利用水供給手段を前記再利用水の需要地域の前記下水道幹線に複数分散配置し、前記複数の取水口へ移動して汚水処理を行い、生成した前記再利用水を前記処理水槽に供給する移動式の汚水処理手段と、前記水位センサーの水位データを送信する通信手段と、前記通信手段から送信された前記水位データと前記再利用水の需要情報に基づいて、前記処理水槽の貯水量を管理する中央管理手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
この場合において、前記中央管理手段は、前記再利用水の需要情報に基づいて前記再利用水の不足する地域の前記再利用水供給手段へ前記汚水処理手段を移動させるとよい。
【0011】
また前記汚水処理手段は、前記取水口に接続して汚水の一部を取水する取水部と、前記汚水を生物処理する膜分離活性汚泥部と、前記汚水を高度膜処理する高度膜処理部と、を備えているとよい。
【0012】
また前記処理水槽は、前記膜分離活性汚泥部の処理水を貯水する膜処理水槽と、前記高度膜処理部の処理水を貯水する高度膜処理水槽とからなるとよい。
【0013】
また前記再利用水供給手段は、前記膜分離活性汚泥部の余剰汚泥又は/及び前記高度膜処理部の濃縮水を前記取水口より下流側の前記下水道幹線へ返送する排出口を備えているとよい。
【0014】
また前記汚水処理手段は、前記膜分離活性汚泥部と前記高度膜処理部の電源部と、前記電源部から生じた排熱を前記膜分離活性汚泥部の加温に用いる加温部と、を備えているとよい。
【発明の効果】
【0015】
上記構成による本発明の汚水処理水の再利用システムによれば、再利用水の需要情報、気温、水位データに基づいて、移動式の汚水処理手段により再利用水を生成させて処理水槽の貯水量を一元管理することができる。
【0016】
また、再利用水の需要に応じて、再利用水の不足している地域へ汚水処理手段を移動させて汚水処理を行い処理水槽へ再利用水を供給することにより、各処理水槽の貯水量を管理することができる。従って再利用水の需要地域全てに汚水処理設備を設ける必要がない。
【0017】
また再利用水の需要情報に基づいて清浄度の異なる再利用水を生成し、貯水することができる。
【0018】
また膜分離活性汚泥部で生じる余剰汚泥又は/及び高度膜処理部で生じる濃縮水を取水口より下流側の前記下水道幹線へ返送する排出口から下水道幹線へ返送することにより、余剰汚泥又は/及び濃縮水の処理設備を新たに設ける必要がなく、装置全体の省スペース化を図ることができる。
【0019】
また電源部の排熱を回収して膜分離活性汚泥部の加温に利用しているため、生物処理に最適な温度に加温させて生物処理効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る汚水処理水の再利用システムの構成概略を示す図である。
【図2】再利用水供給手段と汚水処理手段の説明図である。
【図3】排熱を利用した汚水処理手段の説明図である。
【図4】サテライト処理場の汚水処理装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の汚水処理水の再利用システムの実施形態を添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1は本発明の汚水処理水の再利用システムの構成概略を示す図である。図2は再利用水供給手段と汚水処理手段の説明図である。図3は排熱を利用した汚水処理手段の説明図である。
【0022】
本発明の汚水処理水の再利用システム10は、再利用水供給手段20と、汚水処理手段40と、通信手段60と、中央管理手段80と、を主な構成要件としている。
【0023】
再利用水供給手段20は、下水道幹線12に設けた汚水の取水口22と、汚水処理して生成した再利用水を貯水する処理水槽と、前記処理水槽の水位を測定する水位センサー24と、からなり、予め再利用水の需要地域の下水道幹線12に複数分散配置させている。
【0024】
なお再利用水の用途としては、例えば、公園などの環境用水、融雪用水、トイレ用水、散水、園芸用水、緊急時の生活用水などが挙げられる。
処理水槽は、取水口22に付帯し、再利用水の需要に応じて、任意の清浄度に設定した1以上の水槽からなる。本実施形態の処理水槽では一例として膜処理水槽26と高度膜処理水槽28を用いている。
【0025】
膜処理水槽26は、後述する汚水処理手段40の膜分離活性汚泥部46で生物処理された処理水となる再利用水の一部が流入する貯水槽である。膜処理水槽26は、再利用水を必要箇所へ供給するための供給管と、水槽内の再利用水を下水道幹線12に排出する排出管が形成されている。
【0026】
高度膜処理水槽28は、後述する汚水処理手段40の高度膜処理部50で膜分離処理された処理水となる再利用水が流入する貯水槽である。高度膜処理水槽28は、再利用水を必要箇所へ供給するための供給管と、水槽内の再利用水を下水道幹線12に排出する排出管が形成されている。
【0027】
水位センサー24は、膜処理水槽26及び高度膜処理水槽28にそれぞれ設けられており、水槽に貯水している再利用水の水位(貯水量)を計測することができる。
【0028】
再利用水供給手段20は、後述するしさ、余剰汚泥、濃縮水を下水道幹線12に返送する排出口23を取水口22より下流の下水道幹線12に設けている。
【0029】
汚水処理手段40は、取水部42と、前処理部44と、膜分離活性汚泥部46と、高度膜処理部50と、電源部54とを主な構成要件とし、車両等に積載して、複数の再利用水供給手段20へ移動可能に構成している。
【0030】
取水部42は、下水道幹線12に設けた取水口22に接続させて、汚水の一部を後述の前処理部44へ供給させている。取水部42は、一例として電磁開閉弁、吸引ポンプから構成されている。
【0031】
前処理部44は、後段の汚水処理を行う前工程であり、汚水中に含まれるしさを除去する処理を行っている。前処理部44は一例として、繊維ろ材やスクリーン等を用いることができる。具体的に前処理部44は、被処理水を繊維ろ材やスクリーンを通すことにより被処理水中に含まれる浮遊ごみをしさとして分離除去している。前処理部44は、汚水処理後に生じたしさを下水道幹線12に返送する排出管45を備えている。排出管45は取水口22よりも下流側の下水道幹線12の排出口23に接続させている。返送されたしさは終末下水処理場で処理される。
【0032】
膜分離活性汚泥部46は、嫌気槽48及び好気槽49を主な構成要件としている。上流側の嫌気槽48及び下流側の好気槽49は隣接配置してある。嫌気槽48は、前処理部44からの被処理水が導入され、活性汚泥による生物処理を行っている。好気槽49は、生物処理後の被処理水が導入され、槽内に浸漬した平膜により膜分離し、活性汚泥と被処理水を分離している。被処理水は後述する高度膜処理部50または膜処理水槽26に導入される。膜分離活性汚泥部46は、生物処理により活性汚泥が成長して余剰汚泥が発生する。膜分離活性汚泥部46は、この余剰汚泥を下水道幹線12に返送する排出管47が形成されている。排出管47は取水口22よりも下流側の下水道幹線12の排出口23に接続させている。返送された余剰汚泥は終末下水処理場で処理される。なお本実施形態の好気槽47は一例として平膜を用いた構成で説明したが、活性汚泥と処理水を分離できる構成であれば分離手段はこれに限らず、この他に中空糸膜を用いて処理水と活性汚泥を分離するように構成することもでき、材質も特に限定しない。
【0033】
高度膜処理部50は、再利用水の用途に応じて、清浄度の高い水を生成する処理手段である。高度膜処理部50は、一例として逆浸透膜(RO膜)及び/又はナノろ過膜(NF膜)を用いることができる。逆浸透膜(RO膜)又はナノろ過膜(NF膜)は被処理水の流路に取り付けて、被処理水が膜を通過することにより浄化させることができる。逆浸透膜は、被処理水に含まれる無機分子を除去することができ、飲料水に近い清浄度の処理水を生成することができる。ナノろ過膜は、被処理水に含まれる色素成分を除去し、透明の処理水を生成することができる。高度膜処理部50は、膜処理によって、再利用水が生成されるほか、副生成物として濃縮水が発生する。高度膜処理部50は、この濃縮水を下水道幹線12に返送する排出管51が形成されている。排出管51は取水口22よりも下流側の下水道幹線12の排出口23に接続させている。返送された濃縮水は終末下水処理場で処理される。
【0034】
電源部54は、取水部42と、前処理部44と、膜分離活性汚泥部46と、高度膜処理部50に電源を供給している。電源部54は、一例として、太陽光発電、風力発電などの自家発電機や、燃料電池等を適用することができる。
【0035】
また電源部54は、排熱回収部56を備えている。電源部54は電力の生成過程において発熱する。本発明では、この発熱、即ち排熱を排熱回収部56により回収し、汚水処理に利用している。
【0036】
図3に示すように排熱回収部56は、電源部54の発電機などから発生する排熱を回収し、蓄熱設備等により一時的に蓄熱する。排熱回収部56は、加温部と接続し加温している。加温部は一例として次のように構成することができる。排熱回収部56と膜分離活性汚泥部46の好気槽49の散気部53とを接続して、槽内に加温した空気をバブリングさせている。散気部53による槽内の被処理水の加熱は生物処理に適した温度まで加温することができる。これにより活性汚泥による生物処理効率を高くすることができる。なお加温部は、被処理水、再利用水を加温させることができれば上記散気部53に限定されるものではない。
【0037】
なお汚水処理手段40で新たに発生するしさ、余剰汚泥、濃縮水は下水道幹線の取水口よりも下流側に返送しているため、処理設備を別途設ける必要がなく、装置全体の小型化を図ることができる。
【0038】
通信手段60は、水位センサー24のデータ発信元と、後述する中央管理手段80のデータ受信元を繋ぐ有線又は無線ネットワークである。通信手段60は、データ発信元とデータ受信元の距離に応じて中継局を複数配置し、通信方式として移動体通信、無線LANなどの無線ネットワークシステムを用いることができる。なお通信手段60は、データ中継部62を備えた構成とすることもできる。データ中継部62は、再利用水供給手段20の処理水槽の水位データを集積し、データ送信に必要なデータの加工を行うことができる。
【0039】
データ発信元となる水位センサー24の送信データは、膜処理水槽26及び高度膜処理水槽28の貯水量(水位データ)である。
【0040】
中央管理手段80は、無線受信機、データ処理装置、モニタ等からなり、各処理水槽の貯水状況を一元管理している。具体的に中央管理手段80は、各処理水槽の貯水状況のデータを無線受信機を介して受信している。また中央管理手段80のデータ処理装置には、再利用水の需要情報、再利用水供給手段20の近隣の気象情報などが入力される。中央管理手段80では、このような各種の情報に基づいて、各処理水槽の貯水量を管理し制御する。
【0041】
上記構成による汚水処理水の再利用システム10は次のように作用する。各再利用水供給手段20に設けられた膜処理水槽26及び高度膜処理水槽28の水位データが水位センサー70により測定される。水位データは、通信手段60を用いて中央管理手段80に送信される。このとき水位データは水位センサー70から通信手段60を介して直に中央管理手段80に送信する構成とするほかにも、水位センサー24の水位データがデータ中継部62に送信され、データ中継部62で水位データを集積し、データ送信に必要なデータの加工を行った後、通信手段60を介して中央管理手段80に送信されるように構成することもできる。
【0042】
通信手段60は次のように動作する。まずデータ発信元から通信可能な範囲の中継局にデータが送信され、データを受信した中継局は、さらに通信可能な範囲の中継局にデータを送信する。この動作を繰り返してデータ受信元となる中央管理手段80にデータが送信される。
【0043】
中央管理手段80では、再利用水供給手段20の近隣地域の再利用水の需要情報及び気象情報が入力され、再利用水の需要情報に基づいて需要地域の処理水槽の貯水量が不足する場合には、汚水処理手段40により汚水処理を行わせて、槽内の貯水量が需要量を補う水量となるように制御している。
【0044】
汚水処理手段40は、次のように動作する。下水道幹線12から取水部42により、汚水を前処理部44に導入する。前処理部44では、汚水に含まれるしさを取り除き、後段の膜分離活性汚泥46の膜処理の負担を軽減している。発生したしさは排出管45を介して下水道幹線12の取水口22よりも下流側の排出口23へ返送させている。前処理部42で処理した被処理水は後段の膜分離活性汚泥部46へ導入される。
【0045】
膜分離活性汚泥部46では、前段の嫌気槽48により所定の濃度に調整された活性汚泥により生物反応が行なわれる。ついで隣接する好気槽49へ活性汚泥処理水が導入されて、好気槽49内に浸漬した平膜により活性汚泥と被処理水に分離される。生物反応により成長した余剰汚泥は排出管47を解して下水道幹線12へ返送させている。被処理水は後段の高度膜処理部50へ導入される。このとき一部の被処理水は膜処理水槽26へ導入され一時的に貯水され再利用水として利用できる。
【0046】
高度膜処理部50では、前段の生物処理による被処理水よりも清浄度の高い被処理水を生成するため、再利用水の需要に応じて逆浸透膜及び/又はナノろ過膜を用いている。浄化処理した処理水は、高度膜処理水槽28へ導入され一次的に貯水され、活性汚泥による汚水処理水よりも清浄度の高い再利用水として利用できる。
【0047】
また取水部42と、前処理部44と、膜分離活性汚泥部46と、高度膜処理部50に電力供給する電源部54は、発電機からの排熱が排熱回収部56に蓄熱されている。そして熱回収部56は、膜分離活性汚泥部46の好気槽49の散気部53と接続して、槽内に加温した空気をバブリングさせている。散気部53による槽内の被処理水の加熱は生物処理に適した温度まで加温することができる。
【0048】
中央管理手段80は、再利用水の需要情報に基づいて、需要地域の処理水槽の貯水量が不足する場合には、移動式の汚水処理手段40、例えば、汚水処理装置を積載した車両等を再利用水の不足地域の再利用水供給手段20に移動させて、現地の取水口22に取水部42を接続し、汚水処理を行う。汚水処理後の再利用水は、取水口22に付帯する処理水槽に供給することにより再利用水を貯水することができる。
【0049】
この他にも、中央管理手段120は、過去の再利用水の使用履歴に基づいて貯水量を制御し管理するように構成することもできる。
【0050】
また中央管理手段80は、再利用水の使用状況、気象情報等により、需要地域の処理水槽の再利用水の貯水量が不足すると判断した場合には、汚水処理手段40を移動させて再利用水を生成し、貯水するようにしている。
【0051】
さらに中央管理手段80は、水の需要予測、例えば、過去の再利用水の年間使用履歴や気温の情報を元に、汚水処理手段を需要地域に移動させて再利用水を生成し貯水することも可能である。
【0052】
このような汚水処理水の再利用システムによれば、複数の処理水槽の再利用水の貯水量を一元管理して、再利用水の需要に応じて、汚水処理手段により再利用水を生成して貯水量を制御することができる。また、再利用水の需要情報、気象情報に応じて、再利用水の不足している地域へ汚水処理手段を移動させて再利用水を生成することにより、処理水槽の貯水量を管理することができる。従って再利用水の需要地域全てに汚水処理設備を設ける必要がない。
【符号の説明】
【0053】
1………サテライト処理場、2………終末下水処理場、3………下水道幹線、10………汚水処理水の再利用システム、12………下水道幹線、20………再利用水供給手段、22………取水口、23………排出口、24………水位センサー、26………膜処理水槽、28………高度膜処理水槽、40………汚水処理手段、42………取水部、44………前処理部、45………排出管、46………膜分離活性汚泥部、47………排出管、48………嫌気槽、49………好気槽、50………高度膜処理部、51………排出管、53………散気部、54………電源部、56………排熱回収部、60………通信手段、62………データ中継部、80………中央管理手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水道幹線に設けた汚水の取水口と、汚水処理して生成した再利用水を貯水する処理水槽と、前記処理水槽の水位を測定する水位センサーと、からなる再利用水供給手段を前記再利用水の需要地域の前記下水道幹線に複数分散配置し、
前記複数の取水口へ移動して汚水処理を行い、生成した前記再利用水を前記処理水槽に供給する移動式の汚水処理手段と、
前記水位センサーの水位データを送信する通信手段と、
前記通信手段から送信された前記水位データと前記再利用水の需要情報に基づいて、前記処理水槽の貯水量を管理する中央管理手段と、
を備えたことを特徴とする汚水処理水の再利用システム。
【請求項2】
前記中央管理手段は、前記再利用水の需要情報に基づいて前記再利用水の不足する地域の前記再利用水供給手段へ前記汚水処理手段を移動させることを特徴とする請求項1に記載の汚水処理水の再利用システム。
【請求項3】
前記汚水処理手段は、
前記取水口に接続して汚水の一部を取水する取水部と、
前記汚水を生物処理する膜分離活性汚泥部と、
前記汚水を高度膜処理する高度膜処理部と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の汚水処理水の再利用システム。
【請求項4】
前記処理水槽は、
前記膜分離活性汚泥部の処理水を貯水する膜処理水槽と、
前記高度膜処理部の処理水を貯水する高度膜処理水槽とからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の汚水処理水の再利用システム。
【請求項5】
前記再利用水供給手段は、前記膜分離活性汚泥部の余剰汚泥又は/及び前記高度膜処理部の濃縮水を前記取水口より下流側の前記下水道幹線へ返送する排出口を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の汚水処理水の再利用システム。
【請求項6】
前記汚水処理手段は、
前記膜分離活性汚泥部と前記高度膜処理部の電源部と、
前記電源部から生じた排熱を前記膜分離活性汚泥部の加温に用いる加温部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の汚水処理水の再利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−240532(P2010−240532A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89880(P2009−89880)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】