説明

油から植物性栄養素の回収

本発明は植物油や他の食用油からのトコトリエノールかトコフェロール、カロチノイド及びステロールの抽出精製用改良統合プロセスに関する。植物油中の脂肪酸をアルコールによるエステル化にかけ、脂肪酸アルキルエステル、カロチノイド、トコトリエノールかトコフェロール及びステロール含有のエステル濃厚層を形成する。このプロセスの利点はトコトリエノールかトコフェロール、カロチノイド及びステロールをこれら植物性栄養素を実質的に分解劣化することなしに効果的に製造できることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油から植物性栄養素の回収に通常関連し、より具体的には植物油や他の食用油からのトコトリエノール又はトコフェロール、カロチノイド及びステロールの抽出精製用統合プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンEは米国で最も人気があり最もよく使用されるビタミンの一つである。ビタミンEという用語は現在トコフェロールとトコトリエノールの両者を表す一般名と考えられている。構造的にはトコフェロールとトコトリエノールは類似性を共有する。しかしトコフェロールとトコトリエノールはその側鎖で区別される。トコフェロールは飽和テール鎖を有するが、トコトリエノールは不飽和イソプレノイド側鎖を有する。トコフェロールとトコトリエノールは更にギリシャ文字接頭辞のアルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ(α、β、δ、γ)をつけた各化合物に分けられる。トコトリエノールとトコフェロールは小麦、大麦、ライ麦のような穀物のような普通の食物に見いだされる。これら化合物は又紅花、大豆、ピーナツ、綿の実、リンシード、ひまわり、菜種、椰子や他植物起源のような植物油に高濃度で見いだされる。粗パーム油と糠油は高濃度のトコトリエノールとトコフェロール両者を含有する。
トコトリエノールはそのコレステロール低下作用が知られており、低密度リポ蛋白コレステロールと全血清コレステロールの血中濃度を低下し、低密度リポ蛋白画分に対する高密度リポ蛋白コレステロールの割合を増加することが示された。(クレッシ等(Qureshi et al.)、アメリカンジャーナルオブクリニカルニュトリション(American Journal of Clinical Nutrition)、1991年、53巻、1042S―1046S頁;ビーレンバウム、エムエル等(Bierenbaum ML et al)、アジアパシフィックジャーナルオブクリニカルニュトリション(Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition)、1997年、6巻(1号)、72−75頁)。トコトリエノールは健全な心臓血管系の維持に有益なことが知られている。
カロチノイドは多くの植物や動物に見られる黄色乃至橙色の油溶性色素である。カロチノイドには通常カロチンとキサントフィルの二種のカロチノイドがある。カロチンは炭化水素カロチノイドであり、キサントフィルは含酸素カロチノイドである。カロチノイドは高度に不飽和な化合物郡であり、熱、光や酸素により容易に分解する。より広く知られたカロチンにはアルファカロチン、ベータカロチン、ガンマカロチン及びリコピンがある。ベータカロチンとアルファカロチンはビタミンAの前駆体であり、腫瘍成長を阻害することが示された。(ジオバヌッシ、イー等(Giovannuci, E et al.)、アメリカンジャーナルオブクリニカルニュトリション(Am. J. Clin. Nutr.)、7294巻、990−997頁、2000年;村越、エム等(Murakoshi, M, et al.)、キャンサーリサーチ(Cancer Research)、52巻、6583−6587頁、1992年)。カロチノイドは大抵の果物、植物及び多くの植物油に存在する。広く摂取される植物油の中では、やし油が最高既知濃度の天然由来カロチノイドを含有する。
フィトステロール(植物ステロールとスタノールを含む)はやし油、大豆油、ひまわり油のような食用植物油の天然成分であり、且つヒト食餌の天然構成成分である。これらの植物脂質型化合物は穀類、果物や野菜に低濃度で存在する。植物材料や海産物にはおおよそ250種のステロールや関連化合物があり、最も一般的化合物としてはベータシトステロール、スチグマステロールとカンペステロールがある。
1950年代までさかのぼると多くの科学的研究でフィトステロールがコレステロールの吸収を妨げ、且つ血中コレステロール濃度を低下する能力があることが記されている。コレステロールとフィトステロールは似ているので、人体はその違いが分からない。フィトステロールは小腸での吸収でコレステロールと競合する。しかしフィトステロール自身は人体に吸収されない。
従来トコトリエノール/トコフェロール(以後トコールと呼ぶ)、カロチノイド及びステロールの抽出精製は不完全で、低収率であり(経済的に不可能な)、膨大な設備投資を含む。例えばカロチノイドは粗パーム油から抽出されたが、トコールとステロールは通常抽出工程で失われた。同様にカロチノイドは油からのトコールやステロール抽出中に失われる。使用の既知プロセスとしては溶剤抽出、溶剤分別、イオン交換樹脂処理及びクロマトグラフィ法がある。これらの商業的製造法の大部分は低収率で且つ化合物の大量分解により分離精製後のトコトリエノールとカロチノイド中の種々異性体の天然比が変化し、不成功か経済的に魅力がない。更にクロマトグラフ法は発ガン性として知られる有機溶剤を使用する。
本発明はトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールを油から簡単で、高収率で費用効率が高く、更には原料油に見られる天然トコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの天然組成と比を保持した新規で有効な抽出精製法を提供する。トコールとカロチノイド濃縮物をヘキサン、ヘプタンなどのような有害有機溶剤を使用せずに製造する。
【発明の開示】
【0003】
それ故本発明の目的は植物油に存在するトコール、カロチノイド及びステロールの抽出精製用の統合プロセスを提供することである。
本発明の本目的と他目的は以下により達成される。
油からトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの抽出精製と脂肪酸エステル製造用の統合プロセスは以下のステップからなる。
一価アルコールと塩基又は酸存在下に特定温度である時間トコトリエノール/トコフェロール、カロチン、ステロール、脂肪酸、モノグルセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド含有油をエステル交換して、エステル濃厚層とグリセロール濃厚層を形成し、
(a)で得たエステル濃厚層を重力沈降、デカンテーション又は遠心力分離によりグリセロール濃厚層から分離し、
(b)で得たエステル濃厚層をエステル濃厚層中のトコトリエノール、トコフェロール及びカロチノイドを分解することなく全不純物と塩基又は酸を除去するに十分な条件下で洗浄乾燥し、
(c)で得た生成乾燥エステル濃厚層を特定温度圧力で段階的分子蒸留かいずれかの他の蒸留によりトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの濃縮混合物を得、
一価アルコールと塩基又は酸存在下で特定温度である時間油中のグリセリドを変換した(d)で得たトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド、ステロール、脂肪酸、モノグルセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド含有混合物を更にエステル交換してエステル超濃厚層とグリセロール濃厚層を形成し、且つ
上記エステル交換と段階的分子蒸留を繰り返して所望濃度のトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールを得る
ことからなる。
【0004】
段階1:第一エステル交換
段階1としては塩基存在下に油中グリセリドを脂肪酸アルキルエステルとグリセロールに変換し、エステル濃厚層とグリセロール濃厚層を形成するに十分な条件下で油を低級アルキルアルコールによりエステル交換する事を含む。
次いでグリセロール濃厚層を重力沈降又は分離器か遠心分離機を用いてエステル濃厚層から分離する。次いで残留エステル濃厚層を在来の直接熱水洗浄法か向流熱水洗浄法にかけ、次いで分子蒸留前に真空乾燥法で洗浄エステル濃厚層を乾燥する。多段分子蒸留終了時には二つの蒸留生成物、蒸留脂肪酸アルキルエステル(FAAE)とカロチノイド、トコール及びステロールの濃縮混合物(濃縮物―1)ができる。次いでこの濃縮物―1を以下の工程(即ち段階2:第二エステル交換)にかける。
FAAEはそのままで販売するか、更に種々のアルキルエステル留分(炭素鎖長のアルキルエステルの種々の組み合わせ)に分別し油化成品として販売する。
【0005】
段階2:第二エステル交換
段階1の濃縮物―1 第一エステル化反応物を更に塩基存在下に濃縮物―1中の残留グリセリド全部を脂肪酸アルキルエステルとグリセロールに変換しエステル超濃厚層とグリセロール濃厚層を形成するに十分な条件下で低級アルキルアルコールとエステル交換反応にかける。生成混合物をi)熱水洗浄してグリセロールのような不純物を除去するかii)分離器か遠心分離機かけてグリセロールを除去し、次いで直接熱水洗浄法か向流熱水洗浄法にかける。
次いで残留エステル超濃厚層を在来の直接熱水洗浄法か向流熱水洗浄法にかけ、次いで洗浄エステル超濃厚層を分子蒸留前に真空乾燥により乾燥する。
多段分子蒸留終了時には二つの蒸留生成物、蒸留脂肪酸アルキルエステル(FAAE)とカロチノイド、トコール及びステロールの濃縮混合物(濃縮物―2)が生成する。次いでこの濃縮物―2を更に多段分子蒸留にかけ、カロチノイド濃縮物をトコール/ステロール混合物から分離する。
濃縮物―2で得たカロチノイド濃縮物を更にカロチノイド濃縮物中のいずれの不純物をも除去するに十分な条件下で低級アルキルアルコールか低級アルキルアルコールの組み合わせと接触してアルコール洗浄にかける。低級アルキルアルコールを沈降法か遠心分離力によりデカンテーションする。このアルコール洗浄を所望濃度のカロチノイドが得られるまで数回繰り返す。アルコール洗浄後、残留メタノールや低級アルキルアルコールの組み合わせのいずれをも掻き取り型薄膜蒸発器か短行程蒸留装置により真空蒸発か蒸留により蒸散する。
一方濃縮物―2で得たトコール/ステロール混合物を更に低級アルキルアルコールかその低級アルキルアルコールの組み合わせ存在下に低温で結晶化させる。結晶化工程での温度低下はステロールの最適結晶化が確実に起こるように段階的に実施でき、且つアルキルアルコール(トコール濃厚アルキルアルコール)中のトコールと結晶化ステロールを所望濃度にするように数回繰り返すことができる。結晶化中に緩徐に攪拌することによりステロールの晶出を引き起こすことができる。
結晶化ステロールはトコール濃厚低級アルキルアルコールから加圧脱水機や分離器/遠心分離機や真空濾過などの他の固液分離法により分離する。トコール濃厚アルキルアルコール中のアルキルアルコールは、掻き取り型薄膜蒸発器か短行程蒸留装置による真空蒸発か蒸留により除去する。生成トコール濃縮物は又スクアレン、ステロール、カロチノイドや補酵素Q10を含有できる。
次いで結晶化し濾過したステロールを在来の空気乾燥法、オーブン加熱法、又は流動床乾燥機法を用いて乾燥する。次いで乾燥ステロールを限定はしないが、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、アセトンや酢酸エチルからなる一群から選択の溶剤と接触する。選択溶剤により溶剤中に固体として残留のステロールと共に残留グリセリド(モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド)を溶解する。結晶化ステロールを加圧脱水機や分離器/遠心分離機や真空濾過などの他の固液分離法により溶剤と分離する。ステロール中の溶剤は掻き取り型薄膜蒸発器か短行程蒸留装置により真空蒸発か蒸留により蒸散させる。
本発明は多くの利点を有する。通常本発明により粗パーム油、粗パームオレイン、レッドパーム油/オレイン及び他タイプの油のような油からトコール、カロチノイド及びステロールの抽出精製用の経済的な改良プロセスを提供する。更に各成分を高濃度で経済的に分離できる。
【発明の内容】
【0006】
本発明はトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロール含有の植物油や食用油からのトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロール抽出精製用統合プロセスを提供する。適切な油として限定はしないが、粗パーム油、粗パームオレイン、レッドパーム油/オレイン、パームステアリン、中和レッドパーム油、中和レッドパームオレイン、ひまわり油、ココナッツ油、麦芽、にんじん油、大豆、菜種、オリーブやこれら油の誘導体を含む。
【0007】
段階1:第一エステル交換
段階1としては塩基又は酸存在下に油中のグリセリドを脂肪酸アルキルエステルとグリセロールに変換し、エステル濃厚層とグリセロール濃厚層を形成するに十分な条件下で油を低級アルキルアルコール含有エステル化溶液でエステル交換することからなる。このエステル交換工程で生成のアルキルエステルは好ましくは脂肪酸のメチル、エチル、イソプロピル又はブチルエステルである。本発明での低級アルキルアルコールとしては炭素1乃至4の飽和炭素鎖アルコールである。このような低級アルキルアルコールの例としては限定しないが、メタノール、エタノール、イソプロパノールかブタノールである。本発明の塩基としては限定しないが、ナトリウムメトキシドかメタノールと一緒の苛性ソーダやメタノールと一緒の苛性カリがあり、酸触媒としては限定しないが、塩酸、リン酸、クエン酸がある。
ナトリウムメトキシドかメタノールと一緒の苛性ソーダやメタノールと一緒の苛性カリのようなエステル化溶液が、油中のグリセリドを温度5℃乃至90℃で時間0.5時間乃至16時間で10−500rpmで攪拌してアルキルエステルに変換する好ましい触媒である。エステル化溶液に対する油の割合はエステル化溶液1部に対して油0.5乃至10部の範囲である。エステル化溶液中の低級アルキルアルコールに対する塩基の割合は低級アルキルアルコール1部に対し塩基0.005乃至5部の範囲である。
次いでグリセロール濃厚層を重力沈降か分離器/遠心分離機を用いてエステル濃厚層から分離する。次いでグリセロール濃度10−60%のグリセロール濃厚層(粗グリセリンとして又知られる)を典型的にはグリセロール濃度80−99%のより高純度のグリセリンに精製する。次いでトコール、カロチノイド及びステロール含有の残留エステル濃厚層を在来熱水洗浄法か向流熱水洗浄法にかけ、次いで洗浄エステル濃厚層を分子蒸留前に真空乾燥法で乾燥する。一つの好ましい実施形態では、残留エステル濃厚層を向流法か直接洗浄の在来法にかけ、残留グリセロール含有物と水相に可溶な全不純物を洗い流す。使用熱水は5℃乃至90℃の範囲である。洗浄工程はエステル濃厚層から全不純物と酸又は塩基残渣を除去し、エステル濃厚層自身中のトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの品質と完全性を保持するに十分な条件で行う。好ましい実施形態では、熱水としてはエステル濃厚層1容積当たり1乃至10容積範囲を用いてエステル濃厚層に残留の酸又は塩基のいずれをも実質的に除去する。この熱水洗浄法をエステル濃厚層のpHが6乃至8になるまでに必要なだけ何回でも繰り返す。かくしてエステル濃厚層の酸又は塩基含有する下位水相が形成される。
この低位水相を重力沈降によりエステル濃厚層から分離でき、且つ分離器/遠心分離機によりデカンテーションできる。次いで洗浄エステル濃厚層を温度50乃至200℃で真空度5乃至100ミリバールで30分乃至10時間真空乾燥工程を含む乾燥工程にかけできるだけ多くの水/湿気を除去する。乾燥エステル濃厚層の含水率は0.001%乃至0.20%の範囲である。
次いで乾燥エステル濃厚層を多段分子蒸留にかける。多段分子蒸留は0.00001ミリバール乃至1.0ミリバール、温度範囲50℃乃至300℃で操作の真空蒸留を含む。多段分子蒸留終了時には二つの蒸留生成物、蒸留脂肪酸アルキルエステル(FAAE)とカロチノイド、トコール及びステロールの濃縮混合物(濃縮物―1)ができる。濃縮物―1中のこれら各成分のそれぞれの濃度は通常トコール0.1%−10%、カロチノイド0.1%−10%及びステロール0.1−10%である。次いでこの濃縮物―1を以下の工程(即ち段階2:第二エステル交換)にかける。
FAAEはそのままで販売できるが、又更に種々のアルキルエステル留分(種々の組み合わせの炭素鎖長のアルキルエステル)に分留し、油化成品として販売できる。
【0008】
段階2:第二エステル交換
段階1の濃縮物―1:第一エステル交換反応を塩基存在下に濃縮物―1中の残留グリセリド全部を脂肪酸アルキルエステルとグリセロールに変換しエステル超濃厚層とグリセロール濃厚層を形成するに十分な条件下で低級アルキルアルコール含有のエステル交換反応にかける。ナトリウムメトキシドかメタノールと一緒の苛性ソーダやメタノールと一緒の苛性カリが濃縮物―1中のグリセリドを温度5℃乃至90℃で時間0.5時間乃至16時間で10−500rpmで攪拌してアルキルエステルに変換する好ましい触媒である。エステル化溶液に対する濃縮物―1の割合はエステル化溶液1部に対し油0.5乃至10部の範囲である。エステル化溶液中の低級アルキルアルコールに対する塩基又は酸の割合は低級アルキルアルコール1部に対し塩基又は酸0.005乃至5部の範囲である。
生成混合物をi)熱水洗浄してグリセロールのような不純物を除去するかii)分離器か遠心分離機にかけてグリセロールを除去し、次いでエステル超濃厚層を直接熱水洗浄法か向流熱水洗浄法にかけることができる。
次いでカロチノイド、トコール及びステロール含有の残留エステル超濃厚層を在来熱水洗浄法か向流熱水洗浄法にかけ、次いで分子蒸留前に真空乾燥法で洗浄エステル超濃厚層を乾燥する。
【0009】
一つの好ましい実施形態では、残留エステル超濃厚層を向流法か直接洗浄の在来法にかけ、残留グリセロール含有物と水相に可溶な全不純物を洗い流す。使用熱水は5℃乃至90℃の範囲である。洗浄工程はエステル超濃厚層から全不純物と酸又は塩基残渣を除去し、エステル超濃厚層自身中のトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの品質と完全性を保持するに十分な条件で行う。好ましい実施形態では、熱水はエステル超濃厚層1容積当たり1乃至10容積の範囲を用いてエステル濃厚層に残留の酸又は塩基のいずれをも実質的に除去する。この熱水洗浄法をエステル超濃厚層のpHが6乃至8になるまで必要なだけ何回でも繰り返す。かくしてエステル超濃厚層の酸又は塩基含有の下位水相が形成される。
この低位水相をエステル超濃厚層から重力沈降で分離し、分離器/遠心分離機によりデカンテーションできる。次いで洗浄エステル超濃厚層を温度範囲50乃至200℃で、真空度5乃至100ミリバールで、30分乃至10時間真空乾燥工程を含む乾燥工程にかけ、できるだけ多くの水/湿気を除去する。乾燥エステル超濃厚層の含水率は0.001%乃至0.20%の範囲である。
次いで乾燥エステル超濃厚層を多段分子蒸留にかける。多段分子蒸留工程は0.00001ミリバール乃至1.0ミリバール、温度範囲50℃乃至300℃で操作の真空蒸留を含む。多段分子蒸留終了時には二つの蒸留生成物、蒸留脂肪酸アルキルエステル(FAAE)とカロチノイド、トコール及びステロールの濃縮混合物(濃縮物―2)ができる。濃縮物―2中のこれら各成分のそれぞれの濃度は通常トコール5%−50%、カロチノイド5%−30%及びステロール5−50%である。
この濃縮物―2を更に多段分子蒸留にかけカロチノイド濃縮物をトコール/ステロール混合物から分離する。多段分子蒸留は温度50℃乃至300℃の間で、真空度0.00001乃至1.0ミリバールの間で行う。トコール/ステロール混合物は蒸留物として留出する一方、カロチノイド濃縮物は残滓として残る。トコール/ステロール混合物の全トコールとステロールの典型的濃度はそれぞれ、5%−30%と5−50%である。残渣中の全カロチノイド濃度は5%と30%の間である。
濃縮物―2の多段分子蒸留で得たカロチノイド濃縮物を更にいずれの不純物をも除去するに十分な条件下で低級アルキルアルコールと接触するアルコール洗浄にかける。アルコール洗浄用の適切な低級アルコールとしては限定しないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール又はこれらアルキルアルコールの組み合わせである。一つの好ましい実施形態では、低級アルキルアルコールはメタノールを含むか一つ以上のタイプの低級アルキルアルコール混合物を組み込む。アルコール洗浄用低級アルキルアルコールの割合はカロチノイド濃縮物1容積当たり1容積乃至20容積の範囲である。一実施形態では、カロチノイド濃厚層1容積当たりメタノール約1乃至5容積を組み込む。選択したアルキルアルコールとカロチノイド濃縮物を時間0.5時間乃至30時間、温度範囲5℃乃至90℃の間で攪拌する。次いでアルキルアルコール最上層をデカンテーションする。このアルコール洗浄工程を所望濃度のカロチノイドが得られるよう数回繰り返す。アルコール洗浄後、残留メタノールか低級アルキルアルコールの組み合わせのいずれをも掻き取り型薄膜蒸発器か短行程蒸留装置により真空蒸発か蒸留して蒸散する。生成カロチノイド濃縮物はカロチン濃度20乃至50%を有する。
濃縮物―2の多段分子蒸留で得たトコール/ステロール混合物を更に低温で低級アルキルアルコールか低級アルキルアルコールの組み合わせ存在下に結晶化させる。低級アルコールとしては限定しないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール又はこれらアルキルアルコールの組み合わせから選べる。一つの好ましい実施形態では、一つ以上のタイプの低級アルキルアルコールとのメタノール混合物からなる低級アルキルアルコールを用いる。低級アルキルアルコールの割合はトコール/ステロール混合物1容積当たり約1容積乃至20容積の範囲である。一実施形態では、トコール/ステロール混合物1容積当たりメタノール1乃至5容積用いる。選択アルキルアルコールとトコール/ステロール混合物をある時間撹拌し、結晶化温度はー60℃乃至0℃の範囲で時間3時間乃至10日間行う。
結晶化での温度低下をステロールの最適結晶化を確実にするように段階的に行い、且つ数回繰り返してアルキルアルコール(トコール濃厚アルキルアルコール)中のトコールと結晶化ステロールを所望濃度にできる。
結晶化ステロールを加圧脱水機や分離器/遠心分離機や真空濾過などの他の固液分離法によりトコール濃厚低級アルキルアルコールから分離する。トコール濃厚アルキルアルコール中のアルキルアルコールを掻き取り型薄膜蒸発器か短行程蒸留装置で真空蒸発か蒸留により蒸散する。生成トコール濃縮物はトコトリエノール/トコフェロールを20乃至90%含有する。トコール濃縮物は又スクアレン、ステロール、カロチノイドや補酵素Q10のような他化合物をそれぞれ0.5−20%、0.5−20%、0.05−10%及び0.001−2%の濃度範囲で含有できる。
濾過又は結晶化ステロールは全ステロール濃度10乃至60%を含有する。次いでステロールを在来空気乾燥法、オーブン加熱法、又は流動床乾燥機法を用いて乾燥する。次いで乾燥ステロールを限定はしないが、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、アセトンや酢酸エチルからなる一群から選択の溶剤と接触する。選択溶剤により溶剤中に固体として残留のステロールと共に残留グリセリド(モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド)を溶解する。結晶化ステロールを加圧脱水機や分離器/遠心分離機や真空濾過などの他の固液分離法により溶剤と分離する。ヘキサンのような溶剤によるこの洗浄工程を繰り返して行い、所望の植物性ステロール濃度と色相を得る。一つの好ましい実施形態では、結晶化ステロールを5乃至30回ヘキサンで洗浄濾過し、この洗浄工程でのヘキサンに対する結晶化ステロールの割合は1:1乃至10:1の範囲である。生成濾過ステロールは全ステロール濃度30乃至90%の範囲である。
一旦所望濃度が得られると、濾過ステロールを限定はしないが、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、アセトンや酢酸エチルーヘキサンからなる一群から選択の溶剤に溶解する。溶剤に対する濾過ステロールの割合は1:1乃至10:1の範囲である。次いで混合物を温度10―80℃の間に加熱しステロールを使用溶剤に溶解する。一旦溶解すると、混合物を結晶化と呼ばれる工程で温度―30℃乃至10℃に冷却する。結晶化時間は12乃至72時間の間である。結晶化工程終了時に、結晶化ステロールを加圧脱水機か他の固液分離法で濾過脱水する。生成ステロールを噴霧乾燥機か他の乾燥法で植物性ステロール含量70−99%の白色粉末に乾燥する。一つの好ましい実施形態では、ステロール濃度40%の濾過ステロール200kgをヘキサン1400Lに溶解し、50℃に加熱する。次いでこの混合物をー20℃で36時間冷却する。結晶化工程の終わりで、結晶化ステロールを加圧脱水機で再度濾過脱水する。生成ステロールを噴霧乾燥して植物性ステロール含有量90%の白色粉末を得る。
トコトリエノール/トコフェロール濃度が20乃至90%の最終トコール濃縮物は低濃度のカロチノイド(0.001−2%)を含有する。局所使用、特に局所クリーム用にはカロチノイドは局所クリームに黄色を生ずるので好ましくない成分である。トコール濃縮物中のこのカロチノイドは簡単な脱色及び/又は脱臭工程で除去できる。トコール濃縮物を限定はしないが、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、アセトン、酢酸エチル又はこれら溶剤混合物からなる一群から選択の溶剤と接触する。その後混合物を限定はしないが、漂白土類か活性炭のような吸着剤とトコール濃縮混合物1部につき吸着剤1部乃至10部の割合で、特定温度である時間処理する。一つの好ましい実施形態ではこの処理は温度10℃乃至90℃で1時間乃至24時間の範囲である。混合物を10rpm乃至1000rpmで攪拌する。該処理完了後脱色濾液を吸着剤の漂白土類か活性炭から加圧脱水機、真空濾過、遠心分離、単純沈降とデカンテーションを用いて簡単な濾過により分離する。その後透明淡色濾液を真空エバポレーター、掻き取り型薄膜蒸発器、短行程蒸留装置により温度範囲10℃乃至90℃、真空度1ミリバール乃至0.0001ミリバールで蒸発工程にかけ、全溶剤を除去し、化粧品工業使用に適した高濃度の脱色トコール濃縮物が残る。該プロセスでの色相は出発トコール濃縮物の20R乃至80R(ロビボンド色調計の5.5インチセルかAPHA色度測定器で測定)から最終脱色トコール濃縮物の1R乃至20Rの範囲に低下する。
【0010】
本発明の特定実施形態を説明したが、技術の熟知者には本発明が発明の精神と範囲を逸脱しない限り種々の変更と改良が行える事は明白である。補足の特許請求項で本発明の範囲内のこの改良全てに及ぶことを意図する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
油からトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの抽出精製と脂肪酸エステル製造用の統合プロセスで、次のステップ、
一価アルコールと塩基又は酸存在下で特定温度である時間、トコトリエノール/トコフェロール、カロチン、ステロール、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド含有油をエステル交換して、エステル濃厚層とグリセロール濃厚層を形成し、
(a)で得たエステル濃厚層を重力沈降、デカンテーション又は遠心力分離によりグリセロール濃厚層から分離し、
(b)で得たエステル濃厚層をエステル濃厚層のトコトリエノール、トコフェロール及びカロチノイドを分解せずに全不純物と塩基又は酸を除去するに十分な条件下に洗浄乾燥し、
(c)で得た生成乾燥エステル濃厚層を特定温度圧力で段階的分子蒸留かいずれかの他の蒸留によりトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの濃縮混合物を得、
一価アルコールと塩基又は酸存在下で特定温度である時間、油中のグリセリドを変換して(d)で得た濃縮トコトリエノール/トコフェロール、カロチン、ステロール、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド含有混合物をエステル交換してエステル超濃厚層とグリセロール濃厚層を形成し、且つ
上記エステル交換反応と段階的分子蒸留を繰り返して所望濃度のトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド、ステロールを得る
ことからなる統合プロセス。
【請求項2】
濃縮カロチノイドをカロチノイドを分解せずにカロチノイドミセル形成に十分な条件下で低級アルキルアルコールで処理して、その結果カロチノイド濃厚層を形成する請求項1記載のプロセス。
【請求項3】
該カロチノイド濃厚層を蒸発か蒸留工程にかけ低級アルキルアルコールを留出し濃縮カロチノイド抽出物を形成する請求項2記載のカロチノイド濃厚層。
【請求項4】
濃縮トコトリエノール/トコフェロール/ステロール混合物を特定温度である時間低級一価アルコールで処理して混合物からステロール、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドを晶出させる請求項1記載のプロセス。
【請求項5】
該混合物を固液濾過にかけてトコトリエノール/トコフェロール濃厚濾液とステロールケーキを得る請求項4記載の濃縮トコトリエノール/トコフェロール/ステロール混合物。
【請求項6】
該濾液を蒸発か蒸留工程にかけ低級アルキルアルコールを留出し濃縮トコトリエノール/トコフェロール抽出物を形成する請求項5記載のトコトリエノール/トコフェロール濾液。
【請求項7】
ステロールケーキを特定温度である時間適切溶剤で処理してステロールを濃縮する請求項5記載のステロールケーキ。
【請求項8】
該トコトリエノール/トコフェロール濃縮物を特定温度である時間適切溶剤と吸着剤の漂白土類か活性炭で処理して色度を低下しより淡色のトコトリエノール/トコフェロール濃縮物を得る請求項4記載の結晶化工程で得る濃縮トコトリエノール/トコフェロール抽出物。
【請求項9】
エステル交換に使用する油が限定はしないが粗パーム油、粗パームオレイン、レッドパーム油、レッドパームオレイン、植物油か他の適切食用油のいずれかから選択した請求項1記載のプロセス。
【請求項10】
油中のグリセリドを脂肪酸アルキルエステルに変換し、油を低級アルキルアルコールtp塩基又は酸からなるエステル化溶液と接触してエステル濃厚層とグリセロール濃厚層を形成する請求項1記載のプロセス。
【請求項11】
エステル化溶液に対する油の割合がエステル化溶液1部に対し油0.5乃至10部の間の範囲である請求項1記載のプロセス。
【請求項12】
エステル化溶液に用いる塩基は限定しないが、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、苛性ソーダ、苛性カリ又はいずれかの他の適切塩基からなる一群から選んだ請求項1記載のプロセス。
【請求項13】
エステル化溶液中の低級アルキルアルコールに対する塩基の割合が低級アルキルアルコール1部に対し塩基0.005−5部の範囲である請求項1又は12記載のプロセス。
【請求項14】
使用する酸は限定しないが塩酸、リン酸、クエン酸又はいずれかの他の適切酸からなる一群から選んだ請求項1記載のプロセス。
【請求項15】
エステル化溶液中の低級アルキルアルコールに対する酸の割合は低級アルキルアルコール1部に対し酸0.005−5部の範囲である請求項1又は14記載のプロセス。
【請求項16】
使用低級アルキルアルコールを限定しないがメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール又はいずれかの他の適切低級アルキルアルコールからなる一群から選んだ請求項1記載のプロセス。
【請求項17】
エステル交換を温度5℃から90℃の範囲で時間0.5時間から16時間の範囲で実施する請求項1記載のプロセス。
【請求項18】
トランスエステル化混合物を速度10rpm乃至500rpmで攪拌する請求項1記載のプロセス。
【請求項19】
生成アルキルエステルが使用低級アルキルアルコールのタイプに依存して脂肪酸のメチル、エチル、イソプロピル又はブチルエステルを含む請求項1記載のプロセス。
【請求項20】
エステル濃厚層かエステル超濃厚層を在来重力沈降か遠心分離力によりグリセロール濃厚層から分離する請求項1記載のプロセス。
【請求項21】
エステル濃厚層かエステル超濃厚層を温度範囲30乃至90℃の間で熱水との直接接触か向流熱水カラムにより熱水か冷水のいずれかで洗浄する請求項1記載のプロセス。
【請求項22】
エステル濃厚層かエステル超濃厚層をpHが6乃至8に達するまで熱水で洗浄する請求項1記載のプロセス。
【請求項23】
洗浄エステル濃厚層かエステル超濃厚層を真空蒸発、掻き取り型薄膜蒸発器又は短行程蒸留装置にかけ含水率を0.001%乃至0.20%にする請求項1記載のプロセス。
【請求項24】
乾燥エステル濃厚層かエステル超濃厚層を温度範囲50℃乃至300℃で真空度0.00001乃至1.0ミリバールで多段分子蒸留にかける請求項1記載のプロセス。
【請求項25】
1(d)で得た混合物がトコトリエノール/トコフェロール、カロチノイド及びステロールの濃縮混合物からなりその濃度がそれぞれ0.1−10%、0.1−10%及び0.1−10%である請求項1記載のプロセス。
【請求項26】
乾燥エステル超濃厚層の多段分子蒸留によりトコトリエノール/トコフェロール/ステロール抽出物を留出物として、カロチノイド抽出物を残渣として製造する請求項1記載のプロセス。
【請求項27】
留出物中のトコトリエノール/トコフェロール/ステロール含有量が全トコトリエノール/トコフェロール5%乃至30%と全ステロール5%乃至50%であり、残渣中のカロチノイド含有量が5%乃至30%の間である請求項1又は26記載のプロセス。
【請求項28】
アルコール洗浄に使用の低級アルキルアルコールが限定はしないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール又はこれらアルキルアルコールのいずれかの組み合わせからなる一群から選んだ請求項2又は3記載のプロセス。
【請求項29】
洗浄攪拌時間が0.5時間乃至30時間の範囲で温度が5℃乃至90℃の範囲の請求項2又は3記載のプロセス。
【請求項30】
濃縮カロチノイド抽出物が全カロチノイド濃度20%乃至50%である請求項2又は3記載のプロセス。
【請求項31】
濃縮カロチノイド抽出物が主カロチノイドとしてアルファカロチンとベータカロチンを、且つガンマカロチン、リコピン、フィトエン及びフィトフルエンのような低濃度の他カロチノイドからなる請求項2又は3記載のプロセス。
【請求項32】
トコトリエノール/トコフェロール/ステロール混合物の結晶化に用いる低級アルキルアルコールが限定はしないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又はこれらアルキルアルコールのいずれかの組み合わせからなる一群から選んだ請求項4乃至6のいずれか一つに記載のプロセス。
【請求項33】
結晶化温度がー60℃乃至0℃の範囲で時間が3時間乃至10日間の範囲である請求項4乃至6のいずれか一つに記載のプロセス。
【請求項34】
蒸発温度が10℃乃至90℃の範囲である請求項4乃至6のいずれか一つに記載のプロセス。
【請求項35】
生成トコール濃縮物がトコトリエノールとトコフェロールの全濃度が20%乃至90%の範囲である請求項4乃至6のいずれか一つに記載のプロセス。
【請求項36】
生成トコール濃縮物がビタミンEの全ての8形態、即ちアルファトコフェロール、ベータトコフェロール、ガンマトコフェロール、デルタトコフェロール、アルファトコトリエノール、ベータトコトリエノール、ガンマトコトリエノール及びデルタトコトリエノールからなる請求項4乃至6のいずれか一つに記載のプロセス。
【請求項37】
生成トコール濃縮物が又スクアレン、ステロール、カロチノイド及び補酵素Q10のような他化合物をそれぞれ0.5%乃至20%、0.5%乃至20%、0.05%乃至10%及び0.001%乃至2%範囲の典型的濃度で含有する請求項4乃至6のいずれか一つに記載のプロセス。
【請求項38】
ステロール精製に使用の溶剤が制限はしないが、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、アセトン、酢酸エチル又はこれら溶剤のいずれかの組み合わせからなる一群を1:1乃至10:1の範囲の割合で選ぶ請求項5か7記載のプロセス。
【請求項39】
ステロールの結晶化を温度―30℃乃至10℃の範囲で12時間乃至72時間実施し、生成濾過乾燥ステロールが全フィトステロール含有量が70%乃至90%範囲である請求項5か7記載のプロセス。
【請求項40】
ステロール精製の温度範囲が10℃乃至80℃の間で時間範囲が1時間乃至10時間である請求項5か7記載のプロセス。
【請求項41】
脱色工程の温度範囲が10℃乃至90℃の間で時間範囲が1バッチ当たり1時間乃至24時間である請求項8記載のプロセス。
【請求項42】
混合物を10rpm乃至1000rpmの範囲で攪拌する請求項8記載のプロセス。
【請求項43】
反応後の混合物を加圧脱水機、真空濾過、遠心分離又は単純沈降で濾過し、生成濾液を温度範囲10℃乃至90℃で真空度1ミリバール乃至0.0001ミリバールで蒸散する請求項8記載のプロセス。
【請求項44】
最終脱色トコール濃縮物がロビボンド色調計の5.5インチセルで測定したときに1R乃至20Rの色度範囲である請求項8記載のプロセス。
【請求項45】
先行請求項のいずれか一つに記載のプロセスにより油から製造したトコトリエノール、コフェロール、カロチノイド及びステロール。



【公表番号】特表2007−521382(P2007−521382A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541388(P2006−541388)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/038774
【国際公開番号】WO2005/051294
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506166642)キャロテク インコーポレーティッド (1)
【Fターム(参考)】