油だめの油面検知方法、油供給制御方法、これらを備えた気体圧縮装置、及びこの気体圧縮装置を備えた空気調和装置
【課題】構造が簡単で潤滑油に発生したスラッジ等の影響を受けることがなく、その上振動に対する信頼性の高い圧縮機の油だめ内の油面検知方法、圧縮機への油供給制御方法、これらを備えた気体圧縮装置及びこの気体圧縮装置を備えた空気調和装置を提供する。
【解決手段】圧縮機1から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器10で分離して油だめ3内に貯留し、油だめ3内の油を圧縮機1に供給するようにした気体圧縮装置Pにおいて、油だめ3内の油の油面を、圧縮機1から吐出された圧縮気体の温度により検知するようにした。
【解決手段】圧縮機1から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器10で分離して油だめ3内に貯留し、油だめ3内の油を圧縮機1に供給するようにした気体圧縮装置Pにおいて、油だめ3内の油の油面を、圧縮機1から吐出された圧縮気体の温度により検知するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機に供給する油だめ内の潤滑油の油面検知方法、油供給制御方法、これらを備えた気体圧縮装置、及びこの気体圧縮装置を備えた空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体圧縮装置においては、油だめ内の潤滑油を圧縮機に供給してその摺動部を潤滑すると共に、圧縮機で圧縮された気体に混入してこれを冷却しているが、潤滑油の油量が低下して供給不足が生じると、圧縮機の摺動部の摩耗や故障が生じ、また、圧縮機で圧縮された気体が十分冷却されなくなる。
このため、油だめ内の潤滑油の油量を常時検出し、油量が所定量より低下したときは、圧縮機を停止するなどの措置を講ずることが必要である。
【0003】
従来の油だめ内の油量の検知方法として、油分離器に、均圧用連通管と油連通管とによって接続されたフロート式油面検知装置を設け、油面がフロートの位置まで低下したときは、これを検知するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、圧縮機の油タンク内に静電容量式レベルセンサを設けて油面を検知するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、高圧ガス容器内に超音波を送波して油面を検知するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−83249号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】特開平5−172074号公報(第3−4頁、図1)
【特許文献3】特開2000−337946号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
油冷却式圧縮機においては、長期的な運転に伴って摺動部の摩耗や外気からの塵埃の侵入により潤滑油に徐々にスラッジが発生したり汚れたりするが、特許文献1の発明のフロート式油面検知装置は機械的可動部を有するため、可動部にスラッジ等が付着すると、油面検知の再現性が悪くなるという問題がある。また、振動に対する信頼性が低いため、車両等に搭載されて常時振動を受けるような装置に採用することは好ましくない。
【0007】
特許文献2の静電容量式レベルセンサの場合は、可動部がないため、フロート式のような問題はないが、長期的使用により潤滑油に発生したスラッジ等が検出管に付着すると検知誤差を生じたりするため、定期的に付着物を除去する必要があり、メンテナンスが面倒である。また、油面を検出するための外部電源が必要であり、システムとしての構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
特許文献3の超音波式の場合は、油面からの反射を利用した測定方法であるため、反射経路に障害物や異物があると測定誤差が生じ易く、また長期の使用によって潤滑油に発生したスラッジ等により、誤検知をするおそれがある。さらに、静電容量式の場合と同様に検出するための外部電源が必要であり、システムとしての構成が複雑になるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で潤滑油に発生したスラッジ等の影響を受けることがなく、その上振動に対する信頼性の高い圧縮機の油だめ内の油面検知方法、圧縮機への油供給制御方法、これらを備えた気体圧縮装置及びこの気体圧縮装置を備えた空気調和装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る油面検知方法は、圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、前記油だめ内の油の油面を、前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度により検知するようにしたものである。
【0011】
本発明に係る油供給制御方法は、圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を油供給配管により前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記油供給配管に合流する吸込口の高さ位置の異なる2本の吸込管を設けて上部の吸込管に常開の電磁弁を設け、前記油だめ内の油面が低下して前記上部の吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは、前記電磁弁を閉止するようにしたものである。
【0012】
本発明に係る気体圧縮装置は、上記油面検知方法及び油供給制御方法の両者又はいずれか一方を備えたものである。
また、本発明に係る空気調和装置は、上記の気体圧縮装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る油面検知方法によれば、構造が簡単で、従来のようにレベル計の故障やメンテナンスに配慮する必要がなく、また、潤滑油にスラッジが発生しても油面レベルの検知精度に影響を受けることがない。さらに、振動による影響がないため、車両等に搭載されて常時振動を受ける装置に採用しても問題がない。
【0014】
本発明に係る気体圧縮装置の油供給制御方法によれば、上記と同様の効果が得られるばかりでなく、長期にわたって圧縮機の焼付きなどによる損傷や、吐出温度の異常上昇による事故などを防止することができる。
【0015】
本発明に係る気体圧縮装置によれば、上記の効果を得ることができる。
また、本発明に係る空気調和機によれば、長期に亘ってメンテナンスが不要で、常時振動を受ける車両等に搭載しても問題がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図、図2は図1の油だめの説明図である。
本実施の形態に係る気体圧縮装置Pは、図1に示すように、下部に潤滑油4(以下、単に油と記すことがある)が貯留された油だめ3に設けた吸込管5から、油供給配管6に設けたオイルフィルタ7、オイルクーラ8を経て圧縮機1に送られてその摺動部を潤滑し、エアフィルタ2を経て圧縮機1に導入された外気(気体)と混合して圧縮され、吐出配管9から油だめ3に設けた油分離器10に吐出される。そして、油分離器10により圧縮気体中の油が分離され、圧縮気体は送気管11により例えば除湿装置12へ送られ、分離した油は油だめ3内に貯留される。
【0017】
上記のように構成した気体圧縮装置Pにおいて、油だめ3に設けた吸込管5は、図2に示すように、正常の油面レベル4aより下方に設定した油面レベル4bの近傍に吸込口を位置させ、油だめ3の外部において油供給配管6に接続されている。
また、吐出配管9には、圧縮機1から吐出された圧縮気体の温度(以下、吐出温度という)を検知する温度センサ13が設けられている。
【0018】
次に、上記のように構成した本実施の形態の作用を、図3、図4を参照して説明する。なお、図3は圧縮機1から吐出した圧縮気体の吐出温度と、油だめ3に貯留された潤滑油4の油面レベルとの関係を示すグラフ、図4は油だめ3内の潤滑油4の油面レベルの検知及び油供給制御のフローチャートである。
【0019】
気体圧縮装置Pの運転を開始する(ステップS1)と、圧縮機1から吐出配管9に吐出された圧縮気体の吐出温度は、外気温度T0から上昇するが、油だめ3から供給され、圧縮機1の摺動部を潤滑して圧縮気体に混入した潤滑油4によって冷却されるため、潤滑油の油量が正常な油面レベル4aから油面レベル4bの間(以下、正常油量ということがある)であれば、油供給配管6には吸込管5から潤滑油が送られるので、吐出温度は運転条件(圧力、外気温度、稼動率等)に応じて、ある温度T1で安定する。
【0020】
ところが、長期の使用や何んらかの原因で潤滑油の油量が低下して(ステップS2)、油面レベルが4b以下になると(ステップS3)、吸込管5が油だめ3内の空気を吸込みはじめるため、潤滑油4の供給量が低下し、潤滑油4による摺動部の潤滑能力及び圧縮気体の冷却能力が低下して、吐出温度が徐々に上昇する(ステップS4)。
【0021】
そして、吐出配管9に設けた温度センサ13で検知した吐出温度が一定温度T2以上になったときは(ステップS5)、潤滑油4の油面レベルの低下、したがって油量の低下と判断し、アラームを発し、あるいは圧縮機1の運転を停止する(ステップS6)など、適宜の措置を講じて圧縮機1の摺動部の焼付きなどを防止する。
【0022】
図5は本実施の形態の他の例の油だめの説明図である。
本例は、正常の油面レベル4aの下方に設定した油面レベル4bの近傍に吸込口が位置する第1の吸込管5aを設けると共に、油面レベル4bの下方に設定した油面レベル4cの近傍に吸込口が位置する第2の吸込管5bを設け、油だめ3の外部において両吸込管5a,5bを油供給配管6に合流させたものである。
【0023】
先に説明した気体圧縮装置Pにおいて、油面レベルが4b以下になると完全な無給油運転になるため吐出温度が上昇するが、温度センサ13が吐出温度の上昇を検知するより先に圧縮機1が無給油状態になるため、圧縮機1に焼付きなどの損傷を生ずるおそれがある。
本例は、このような問題を解決するために、第1の吸込管5aに空気が侵入して無給油状態になってから、圧縮機1の運転が停止するまでの間、第2の吸込管5bから圧縮機に潤滑油4を供給することにより、圧縮機1の損傷を防止するようにしたものである。
【0024】
上記の説明では、圧縮機1と、油分離器10を内蔵した油だめ3とを別置きに構成した場合を示したが、油分離器10と油だめ3を内蔵した圧縮機にも本発明を実施することができる(以下に説明する他の実施の形態においても同様である)。
【0025】
本実施の形態に係る気体圧縮装置は、油だめの油面レベルを検知するレベル計を使用することなく、圧縮機1から圧縮気体が吐出される吐出配管9に温度センサ13を設け、この温度センサ13により吐出温度を検知することにより、油だめ3内の油面レベルの低下を検知するようにしたので、従来のように、レベル計の故障やメンテナンスについて配慮する必要がない。また、潤滑油4にスラッジが発生した場合でも、油面レベルの検知精度に影響を受けることがない。
さらに、振動による影響がないため、車両等に搭載されて常時振動を受ける装置に採用しても問題ない。
【0026】
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図、図7は図6の油分配器の構成説明図、図8は図7の油分配器の作用説明図、図9は吐出温度と油だめの油面レベルとの関係を示すグラフ、図10は本実施の形態の作用を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
【0027】
本実施の形態に係る気体圧縮装置Pは、実施の形態1に係る気体圧縮装置Pとほぼ同じ構成であるが、複数の圧縮機(図には、第1〜第3の3台の圧縮機1a,1b,1cが示してある)を並列接続し、その吐出管9a,9b,9cを吐出配管9に合流させると共に、油供給配管6に油分配器14を設け、この油分配器14により油供給配管6を第1〜第3の油分配管6a,6b,6cに分岐し、第1の圧縮機1aに第1の油分配管6aから、第2の圧縮機1bに第2の油分配管6bから、第3の圧縮機1cに第3の油分配管6cから、それぞれ潤滑油4を供給するようにしたものである。
【0028】
油分配器14は、図7に示すように、油供給配管6を3本の油分配管6a,6b,6cに分岐して、第3の圧縮機1cに接続する油分配管6cを、他の油分配管6a,6bより高い位置に設けたものである。
そして、油だめ3内の潤滑油4が正常油量(図2の油面レベル4aと4bの間)であれば、油供給配管6は満油状態であるため、各油分配管6a,6b,6cも図7に示すように満油状態になっている。
【0029】
若し、油だめ3内の油量が低下して油面レベル4bより低くなって油供給配管6内に空気が混入すると、図8に示すように、出口が低い位置にある油分配管6a,6bには潤滑油4が流れるが、出口が高い位置にある油分配管6cには集中的に空気が流れやすくなるようになっている。
【0030】
次に、図9、図10を参照して、本実施の形態の作用を説明する。
運転を開始する(ステップS1)と、圧縮機1a,1b,1cから吐出された圧縮気体の吐出温度は、外気温度T0から上昇するが、潤滑油4により圧縮気体が冷却されるため、潤滑油4が正常油量であれば、吐出温度は運転条件に応じてある温度T1で安定する。
【0031】
ところが、長期の使用やなんらかの原因で、油面レベルが低下(ステップS2)して4b以下となる(ステップS3)と、油だめ3の吸込管5から空気を吸込みはじめるため、混入した空気が集中的に流れる油分配管6cの潤滑油4の流量が低下し、第3の圧縮機1cの潤滑及び冷却能力が低下するため、その吐出温度が他の圧縮機1a,1bの吐出温度に比べて大きく上昇する(ステップS4)。
【0032】
この吐出温度は温度センサ13で検知され、吐出温度が一定温度T2以上となった場合(ステップS6)は、油だめ3内の油面レベルの低下と判断してアラームを発し、あるいは第3の圧縮機1cのみを停止させるなどの適宜の措置を講ずる(ステップS7)。
この場合、第1、第2の圧縮機1a,1bには、図8に示すように、油分配管6a,6bから正常に潤滑油4が供給されているので、気体圧縮装置Pの運転をそのまま継続することができる。そして、さらに油面レベルが低下して第1、第2の油分配管6a,6bに空気が侵入し、第1、第2の圧縮機1a,1bの吐出温度がT2を超えたときは、アラームを発し、あるいは第1、第2の圧縮機1a,1bの運転を停止するなどの措置を講ずる。
【0033】
上記の説明では、第3の圧縮機1cの吐出温度の上昇を、吐出配管9に設けた温度センサ13で検知する場合を示したが、第3の圧縮機1cの吐出管9cに温度センサを設けて、吐出温度を検知するようにしてもよい。
また、3台の圧縮機1a〜1cを並列接続した場合を示したが、2台以上の圧縮機を並列接続してもよく、この場合も油分配器14等を上記に準じた構成とすることにより、同様の作用、効果を得ることができる。
【0034】
さらに、油だめ3内に1本の吸込管5を設けた場合を示したが、実施の形態1の図5に示すように、吸込口の高さ位置の異なる2本の吸込管5a,5bを設けて、油供給配管6に合流するようにしてもよい。
また、油分配器14において、複数の分岐管を上下方向に設け、空気が侵入した圧縮機1a〜1cを順次停止するようにしてもよい。
【0035】
本実施の形態によれば、複数台の圧縮機を並列接続して気体圧縮装置Pを構成し、油だめ3内の潤滑油4の油面レベルが低下して油供給配管6に空気が混入したときは、特定の圧縮機に空気が集中して流れるように構成したので、当該圧縮機を停止するなどの措置を講ずることにより、油面レベルが低下しても他の圧縮機により気体圧縮装置4の運転を継続することができ、また、油面レベルの検知精度をより向上することができる。
【0036】
[実施の形態3]
図11は本発明の実施の形態3に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図、図12は図11の油だめの説明図、図13は吐出温度と油だめ内の潤滑油の油面レベルとの関係を示すグラフ、図14は本発明の作用を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
【0037】
本実施の形態においては、油だめ3内に第1、第2の吸込管5a,5bが設けられており、第1の吸込管5aは、正常の油面レベル4aより下方に設定された油面レベル4bの近傍に吸込口を位置させ、第2の吸込管5bは、油面レベル4bよりさらに下方に設定された油面レベル4cの近傍に吸込口を位置させており、両吸込管5a,5bは油だめ3の外側において1本の油供給配管6に合流するようになっている。そして、上方に設けた吸込管5aには電磁弁15が設けられており、この電磁弁15は、油だめ3内の潤滑油4が正常油量(油面レベル4aと4bの間)のときは開、油面レベルが低下して4b以下となり、温度センサ13が吐出温度の上昇により油面レベルの低下を検知したときは閉となる。
【0038】
上記のように構成した本実施の形態において、気体圧縮装置Pの運転が開始されると、油だめ3内が正常油量の間は、第1、第2の吸込管5a,5bの両方から潤滑油4が供給され、吐出温度は、図13に示すように、T1で安定している。油だめ3内の油量が減って油面レベルが低下(4b)すると、第1の吸込管5aに空気が混入して吐出温度が徐々に上昇するが、温度センサ13が一定温度T2を検知するまでの過程は図14のフローチャートのステップS1〜S5に示すように、実施の形態1の場合(図3のフローチャートのステップS1〜S5)と同様である。
【0039】
そして、温度センサ13によって検知された吐出温度がT2に達すると、油面レベルが低下したと判断してアラームを発すると同時に、気体圧縮装置Pの運転を継続したままで、第1の吸込管5aに設けた電磁弁15を閉じ(ステップS7)、潤滑油4を第2の吸込管5bのみから供給する。
【0040】
このようにして、油だめ3内の油量が減って第1の吸込管5aに空気が侵入し、吐出温度が上昇したときは、気体圧縮装置Pの運転を継続したままで電磁弁15を閉じ、第2の吸込管5bから引続き潤滑油4が供給されるので、吐出温度は正常に復帰する(ステップS8)。
【0041】
図15〜図17は本実施の形態に係る気体圧縮装置の油だめの他の例を示す説明図である。なお、図には電磁弁は省略してある。
図15の油だめ3は、第1、第2の吸込管5a,5bを同じ高さ位置で油だめ3に取付けて、第1の吸込管5aの吸込口を油面レベル4bの近傍に位置させ、第2の吸込管5bの吸込口を油面レベル4cの近傍に位置させて、第1の吸込管5aに電磁弁15を設けたものである。
【0042】
また、図16の油だめ3は、第1、第2の吸込管5a,5bを油だめ3の底部から取込んで、第1の吸込管5aの吸込口を油面レベル4bの近傍に位置させ、第2の吸込管5bの吸込口を油面レベル4cの近傍に位置させて、第1の吸込管5aに電磁弁15を設けたものである。
さらに、図17の油だめ3は、油だめ3の周壁の下部の上下に、第1の吸込管5aの吸込口と、第2の吸込管5bの吸込口をそれぞれ直接設けたもので、第1、第2の吸込管5a,5bの吸込口の高さ位置に差を設け、第1の吸込管5aに電磁弁15を設けたものである。
本例に係る各油だめは、実施の形態1,2の油だめ3にも用いることができる。ただし、この場合は、電磁弁15は設けない。
【0043】
上記の説明では、1台の圧縮機1からなる気体圧縮装置の場合について説明したが、実施の形態2のように、複数台の圧縮機(例えば、3台)からなる気体圧縮装置にも本実施の形態を実施することができる。
本実施の形態によれば、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果が得られるばかりでなく、電磁弁15により潤滑油4の供給を制御するようにしたので、長期にわたって圧縮機の焼付きなどによる損傷や吐出温度の異常上昇による事故などをより確実に防止することができる。
【0044】
[実施の形態4]
図18は本発明の実施の形態4に係る気体圧縮装置の吐出温度と油だめの油面レベルとの関係を示すグラフ、図19は本実施の形態の作用を説明するためのフローチャートである。なお、気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図は、実施の形態4の場合と同様である。
【0045】
本実施の形態において、油だめ3内の油面レベルの低下により吐出温度が上昇し、温度センサ13がこれを検知して第1の吸込管5aの電磁弁15を閉じ、第2の吸込管5bだけで潤滑油4を供給することにより、吐出温度が正常に復帰するまでの過程(図14のステップS1〜S8)は、実施の形態4の場合と同様である。
【0046】
実施の形態4の気体圧縮装置Pにおいて、油だめ3内の潤滑油の油面レベルがさらに低下して(ステップS9)、図12の4c以下となった場合(ステップS10)は、油だめ3の第2の吸込管5bが空気を吸込んで、油供給配管6に送られる油量が低下して冷却能力が低下するため、図19に示すように、吐出温度が再び上昇する(ステップS11)。
【0047】
本実施の形態においては、このような吐出温度の上昇を温度センサ13が再度検知したときは、油だめ3内の油量が枯渇状態であると判断し(ステップS12)、圧縮機1を停止させて再起動しないように制御する(ステップS13)。
本実施の形態によれば、実施の形態3の場合と同様の効果が得られる。
【0048】
[実施の形態5]
図20は本発明の実施の形態5に係る気体圧縮装置の油だめの説明図である。なお、気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図は、実施の形態3の場合とほぼ同様である。
実施の形態3,4の場合は、油だめ3に2本の吸込管5a,5bを設け、上部の吸込管5aに電磁弁15を設けた場合を示したが、本実施の形態においては、油だめ3に、吸込口の高さ位置の異なる3本以上の吸込管5(図には、第1、第2、第3の3本の吸込管5a,5b,5cを設けた場合を示してある)を設けて油供給配管6に合流させると共に、最下部の吸込管5cを除き、上部の吸込管5a,5bに電磁弁15a,15bを設けたものである。
【0049】
本実施の形態においては、油だめ3内の潤滑油4が正常油量の場合は、電磁弁15a,15bはいずれも開で、吸込管5a〜5cから圧縮機1に潤滑油4が供給される。油量が低下して油面レベルが4bになり、吸込管5aに空気が侵入して温度センサ13が吐出温度の上昇を検知すると、第1の吸込管5aの電磁弁15aを閉じ、第2、第3の吸込管5b,5cから潤滑油4を供給する。
【0050】
さらに油量が低下して油面レベルが4cになり、第2の吸込管5bから空気が侵入して温度センサ13が吐出温度の上昇を検知すると、第2の吸込管5bの電磁弁15bを閉じ、第3の吸込管5cのみから潤滑油4を供給する。
そして、油面レベルが4dになり、第3の吸込管5cから空気が侵入し、温度センサ13が吐出温度の上昇を検知したときは、油だめ3内の油量が枯渇したと判断し、圧縮機1を停止させる。
本実施の形態によれば、実施の形態4の場合とほぼ同様の効果が得られるが、より長期にわたって圧縮機の運転を継続することができる。
【0051】
[実施の形態6]
図21は本発明の実施の形態6に係る空気調和装置のサイクル構成を示すブロック図で、本実施の形態に係る空気調和装置は、実施の形態1の気体圧縮装置を備えたものである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
図21において、ACは気体圧縮装置Pが組込まれた空気調和装置で、油だめ3の吐出側に接続された冷媒配管20は、室外熱交換器21、膨張弁等の膨張部23、室内熱交換器24を経て、圧縮機1の吸気側に接続されている。なお、22は室外送風機、25は室内送風機である。
【0052】
上記のように構成した空気調和装置ACにおいて、例えば冷房運転を行う場合は、圧縮機1から吐出された冷媒ガスは、吐出配管9に設けた切換弁(図示せず)を通り、油だめ3の油分離器10で油と分離され、冷媒配管20により室外熱交換器21に送られて凝縮され、膨張部23で減圧され、室内熱交換器24で蒸発して冷房を行い、圧縮機1へ戻る。なお、暖房運転の場合は、圧縮機1から吐出された冷媒ガスは、切換弁で切換えられて冷媒配管20中を冷媒運転の場合と反対方向に流れ、室内熱交換器24で蒸発して暖房を行う。
【0053】
本実施の形態においては、上記のような冷暖房運転中において、圧縮機1の吐出配管9に設けた温度センサ13により冷媒ガスの吐出温度を常時検知し、吐出温度がT2(図3)以上になったときは、アラームを発し、あるいは空気調和装置ACの運転を停止するなどの措置を講ずる。
上記の説明では、空気調和装置ACに、実施の形態1に係る気体圧縮装置Pを組込んだ場合を示したが、これに限定するものではなく、実施の形態2〜5のいずれから気体圧縮装置Pを組込んでもよい。
【0054】
本実施の形態によれば、空気調和装置ACに組込んだ気体圧縮装置Pの油だめ3内の潤滑油4の油面レベルの低下を、油面レベルを直接検知するレベル計を使用することなく、圧縮機1から吐出する冷媒ガスの温度によって検知するようにしたので、従来のようにレベル計の故障やメンテナンスについて配慮する必要がなく、また、潤滑油4にスラッジが発生した場合でも、油面レベルの検知精度に影響を受けることがない。
また、振動による影響がないため、常時振動を受ける車両等に搭載しても問題がないなど、長期に亘って故障がない空気調和装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【図2】図1の油だめの説明図である。
【図3】圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図4】実施の形態1の作用を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施の形態1の油だめの他の例の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【図7】図6の油分配器の説明図である。
【図8】図7の油分配器の作用説明図である。
【図9】圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図10】実施の形態2の作用を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【図12】図11の油だめの説明図である。
【図13】圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図14】実施の形態3の作用を説明するためのフローチャートである。
【図15】実施の形態3の油だめの他の例を示す説明図である。
【図16】実施の形態3の油だめの他の例を示す説明図である。
【図17】実施の形態3の油だめの他の例を示す説明図である。
【図18】実施の形態4に係る気体圧縮装置の圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図19】実施の形態4の作用を説明するためのフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態5に係る気体圧縮装置の油だめの説明図である。
【図21】本発明の実施の形態6に係る空気調和装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
1,1a〜1c 圧縮機、3 油だめ、4 潤滑油、5,5a〜5c 吸込管、6 油供給配管、6a〜6c 油分配管、9 吐出配管、10 油分離器、13 温度センサ、14 油分配器、15 電磁弁、P 気体圧縮装置、AC 空気調和装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機に供給する油だめ内の潤滑油の油面検知方法、油供給制御方法、これらを備えた気体圧縮装置、及びこの気体圧縮装置を備えた空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体圧縮装置においては、油だめ内の潤滑油を圧縮機に供給してその摺動部を潤滑すると共に、圧縮機で圧縮された気体に混入してこれを冷却しているが、潤滑油の油量が低下して供給不足が生じると、圧縮機の摺動部の摩耗や故障が生じ、また、圧縮機で圧縮された気体が十分冷却されなくなる。
このため、油だめ内の潤滑油の油量を常時検出し、油量が所定量より低下したときは、圧縮機を停止するなどの措置を講ずることが必要である。
【0003】
従来の油だめ内の油量の検知方法として、油分離器に、均圧用連通管と油連通管とによって接続されたフロート式油面検知装置を設け、油面がフロートの位置まで低下したときは、これを検知するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、圧縮機の油タンク内に静電容量式レベルセンサを設けて油面を検知するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、高圧ガス容器内に超音波を送波して油面を検知するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−83249号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】特開平5−172074号公報(第3−4頁、図1)
【特許文献3】特開2000−337946号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
油冷却式圧縮機においては、長期的な運転に伴って摺動部の摩耗や外気からの塵埃の侵入により潤滑油に徐々にスラッジが発生したり汚れたりするが、特許文献1の発明のフロート式油面検知装置は機械的可動部を有するため、可動部にスラッジ等が付着すると、油面検知の再現性が悪くなるという問題がある。また、振動に対する信頼性が低いため、車両等に搭載されて常時振動を受けるような装置に採用することは好ましくない。
【0007】
特許文献2の静電容量式レベルセンサの場合は、可動部がないため、フロート式のような問題はないが、長期的使用により潤滑油に発生したスラッジ等が検出管に付着すると検知誤差を生じたりするため、定期的に付着物を除去する必要があり、メンテナンスが面倒である。また、油面を検出するための外部電源が必要であり、システムとしての構成が複雑になるという問題がある。
【0008】
特許文献3の超音波式の場合は、油面からの反射を利用した測定方法であるため、反射経路に障害物や異物があると測定誤差が生じ易く、また長期の使用によって潤滑油に発生したスラッジ等により、誤検知をするおそれがある。さらに、静電容量式の場合と同様に検出するための外部電源が必要であり、システムとしての構成が複雑になるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で潤滑油に発生したスラッジ等の影響を受けることがなく、その上振動に対する信頼性の高い圧縮機の油だめ内の油面検知方法、圧縮機への油供給制御方法、これらを備えた気体圧縮装置及びこの気体圧縮装置を備えた空気調和装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る油面検知方法は、圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、前記油だめ内の油の油面を、前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度により検知するようにしたものである。
【0011】
本発明に係る油供給制御方法は、圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を油供給配管により前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記油供給配管に合流する吸込口の高さ位置の異なる2本の吸込管を設けて上部の吸込管に常開の電磁弁を設け、前記油だめ内の油面が低下して前記上部の吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは、前記電磁弁を閉止するようにしたものである。
【0012】
本発明に係る気体圧縮装置は、上記油面検知方法及び油供給制御方法の両者又はいずれか一方を備えたものである。
また、本発明に係る空気調和装置は、上記の気体圧縮装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る油面検知方法によれば、構造が簡単で、従来のようにレベル計の故障やメンテナンスに配慮する必要がなく、また、潤滑油にスラッジが発生しても油面レベルの検知精度に影響を受けることがない。さらに、振動による影響がないため、車両等に搭載されて常時振動を受ける装置に採用しても問題がない。
【0014】
本発明に係る気体圧縮装置の油供給制御方法によれば、上記と同様の効果が得られるばかりでなく、長期にわたって圧縮機の焼付きなどによる損傷や、吐出温度の異常上昇による事故などを防止することができる。
【0015】
本発明に係る気体圧縮装置によれば、上記の効果を得ることができる。
また、本発明に係る空気調和機によれば、長期に亘ってメンテナンスが不要で、常時振動を受ける車両等に搭載しても問題がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図、図2は図1の油だめの説明図である。
本実施の形態に係る気体圧縮装置Pは、図1に示すように、下部に潤滑油4(以下、単に油と記すことがある)が貯留された油だめ3に設けた吸込管5から、油供給配管6に設けたオイルフィルタ7、オイルクーラ8を経て圧縮機1に送られてその摺動部を潤滑し、エアフィルタ2を経て圧縮機1に導入された外気(気体)と混合して圧縮され、吐出配管9から油だめ3に設けた油分離器10に吐出される。そして、油分離器10により圧縮気体中の油が分離され、圧縮気体は送気管11により例えば除湿装置12へ送られ、分離した油は油だめ3内に貯留される。
【0017】
上記のように構成した気体圧縮装置Pにおいて、油だめ3に設けた吸込管5は、図2に示すように、正常の油面レベル4aより下方に設定した油面レベル4bの近傍に吸込口を位置させ、油だめ3の外部において油供給配管6に接続されている。
また、吐出配管9には、圧縮機1から吐出された圧縮気体の温度(以下、吐出温度という)を検知する温度センサ13が設けられている。
【0018】
次に、上記のように構成した本実施の形態の作用を、図3、図4を参照して説明する。なお、図3は圧縮機1から吐出した圧縮気体の吐出温度と、油だめ3に貯留された潤滑油4の油面レベルとの関係を示すグラフ、図4は油だめ3内の潤滑油4の油面レベルの検知及び油供給制御のフローチャートである。
【0019】
気体圧縮装置Pの運転を開始する(ステップS1)と、圧縮機1から吐出配管9に吐出された圧縮気体の吐出温度は、外気温度T0から上昇するが、油だめ3から供給され、圧縮機1の摺動部を潤滑して圧縮気体に混入した潤滑油4によって冷却されるため、潤滑油の油量が正常な油面レベル4aから油面レベル4bの間(以下、正常油量ということがある)であれば、油供給配管6には吸込管5から潤滑油が送られるので、吐出温度は運転条件(圧力、外気温度、稼動率等)に応じて、ある温度T1で安定する。
【0020】
ところが、長期の使用や何んらかの原因で潤滑油の油量が低下して(ステップS2)、油面レベルが4b以下になると(ステップS3)、吸込管5が油だめ3内の空気を吸込みはじめるため、潤滑油4の供給量が低下し、潤滑油4による摺動部の潤滑能力及び圧縮気体の冷却能力が低下して、吐出温度が徐々に上昇する(ステップS4)。
【0021】
そして、吐出配管9に設けた温度センサ13で検知した吐出温度が一定温度T2以上になったときは(ステップS5)、潤滑油4の油面レベルの低下、したがって油量の低下と判断し、アラームを発し、あるいは圧縮機1の運転を停止する(ステップS6)など、適宜の措置を講じて圧縮機1の摺動部の焼付きなどを防止する。
【0022】
図5は本実施の形態の他の例の油だめの説明図である。
本例は、正常の油面レベル4aの下方に設定した油面レベル4bの近傍に吸込口が位置する第1の吸込管5aを設けると共に、油面レベル4bの下方に設定した油面レベル4cの近傍に吸込口が位置する第2の吸込管5bを設け、油だめ3の外部において両吸込管5a,5bを油供給配管6に合流させたものである。
【0023】
先に説明した気体圧縮装置Pにおいて、油面レベルが4b以下になると完全な無給油運転になるため吐出温度が上昇するが、温度センサ13が吐出温度の上昇を検知するより先に圧縮機1が無給油状態になるため、圧縮機1に焼付きなどの損傷を生ずるおそれがある。
本例は、このような問題を解決するために、第1の吸込管5aに空気が侵入して無給油状態になってから、圧縮機1の運転が停止するまでの間、第2の吸込管5bから圧縮機に潤滑油4を供給することにより、圧縮機1の損傷を防止するようにしたものである。
【0024】
上記の説明では、圧縮機1と、油分離器10を内蔵した油だめ3とを別置きに構成した場合を示したが、油分離器10と油だめ3を内蔵した圧縮機にも本発明を実施することができる(以下に説明する他の実施の形態においても同様である)。
【0025】
本実施の形態に係る気体圧縮装置は、油だめの油面レベルを検知するレベル計を使用することなく、圧縮機1から圧縮気体が吐出される吐出配管9に温度センサ13を設け、この温度センサ13により吐出温度を検知することにより、油だめ3内の油面レベルの低下を検知するようにしたので、従来のように、レベル計の故障やメンテナンスについて配慮する必要がない。また、潤滑油4にスラッジが発生した場合でも、油面レベルの検知精度に影響を受けることがない。
さらに、振動による影響がないため、車両等に搭載されて常時振動を受ける装置に採用しても問題ない。
【0026】
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図、図7は図6の油分配器の構成説明図、図8は図7の油分配器の作用説明図、図9は吐出温度と油だめの油面レベルとの関係を示すグラフ、図10は本実施の形態の作用を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
【0027】
本実施の形態に係る気体圧縮装置Pは、実施の形態1に係る気体圧縮装置Pとほぼ同じ構成であるが、複数の圧縮機(図には、第1〜第3の3台の圧縮機1a,1b,1cが示してある)を並列接続し、その吐出管9a,9b,9cを吐出配管9に合流させると共に、油供給配管6に油分配器14を設け、この油分配器14により油供給配管6を第1〜第3の油分配管6a,6b,6cに分岐し、第1の圧縮機1aに第1の油分配管6aから、第2の圧縮機1bに第2の油分配管6bから、第3の圧縮機1cに第3の油分配管6cから、それぞれ潤滑油4を供給するようにしたものである。
【0028】
油分配器14は、図7に示すように、油供給配管6を3本の油分配管6a,6b,6cに分岐して、第3の圧縮機1cに接続する油分配管6cを、他の油分配管6a,6bより高い位置に設けたものである。
そして、油だめ3内の潤滑油4が正常油量(図2の油面レベル4aと4bの間)であれば、油供給配管6は満油状態であるため、各油分配管6a,6b,6cも図7に示すように満油状態になっている。
【0029】
若し、油だめ3内の油量が低下して油面レベル4bより低くなって油供給配管6内に空気が混入すると、図8に示すように、出口が低い位置にある油分配管6a,6bには潤滑油4が流れるが、出口が高い位置にある油分配管6cには集中的に空気が流れやすくなるようになっている。
【0030】
次に、図9、図10を参照して、本実施の形態の作用を説明する。
運転を開始する(ステップS1)と、圧縮機1a,1b,1cから吐出された圧縮気体の吐出温度は、外気温度T0から上昇するが、潤滑油4により圧縮気体が冷却されるため、潤滑油4が正常油量であれば、吐出温度は運転条件に応じてある温度T1で安定する。
【0031】
ところが、長期の使用やなんらかの原因で、油面レベルが低下(ステップS2)して4b以下となる(ステップS3)と、油だめ3の吸込管5から空気を吸込みはじめるため、混入した空気が集中的に流れる油分配管6cの潤滑油4の流量が低下し、第3の圧縮機1cの潤滑及び冷却能力が低下するため、その吐出温度が他の圧縮機1a,1bの吐出温度に比べて大きく上昇する(ステップS4)。
【0032】
この吐出温度は温度センサ13で検知され、吐出温度が一定温度T2以上となった場合(ステップS6)は、油だめ3内の油面レベルの低下と判断してアラームを発し、あるいは第3の圧縮機1cのみを停止させるなどの適宜の措置を講ずる(ステップS7)。
この場合、第1、第2の圧縮機1a,1bには、図8に示すように、油分配管6a,6bから正常に潤滑油4が供給されているので、気体圧縮装置Pの運転をそのまま継続することができる。そして、さらに油面レベルが低下して第1、第2の油分配管6a,6bに空気が侵入し、第1、第2の圧縮機1a,1bの吐出温度がT2を超えたときは、アラームを発し、あるいは第1、第2の圧縮機1a,1bの運転を停止するなどの措置を講ずる。
【0033】
上記の説明では、第3の圧縮機1cの吐出温度の上昇を、吐出配管9に設けた温度センサ13で検知する場合を示したが、第3の圧縮機1cの吐出管9cに温度センサを設けて、吐出温度を検知するようにしてもよい。
また、3台の圧縮機1a〜1cを並列接続した場合を示したが、2台以上の圧縮機を並列接続してもよく、この場合も油分配器14等を上記に準じた構成とすることにより、同様の作用、効果を得ることができる。
【0034】
さらに、油だめ3内に1本の吸込管5を設けた場合を示したが、実施の形態1の図5に示すように、吸込口の高さ位置の異なる2本の吸込管5a,5bを設けて、油供給配管6に合流するようにしてもよい。
また、油分配器14において、複数の分岐管を上下方向に設け、空気が侵入した圧縮機1a〜1cを順次停止するようにしてもよい。
【0035】
本実施の形態によれば、複数台の圧縮機を並列接続して気体圧縮装置Pを構成し、油だめ3内の潤滑油4の油面レベルが低下して油供給配管6に空気が混入したときは、特定の圧縮機に空気が集中して流れるように構成したので、当該圧縮機を停止するなどの措置を講ずることにより、油面レベルが低下しても他の圧縮機により気体圧縮装置4の運転を継続することができ、また、油面レベルの検知精度をより向上することができる。
【0036】
[実施の形態3]
図11は本発明の実施の形態3に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図、図12は図11の油だめの説明図、図13は吐出温度と油だめ内の潤滑油の油面レベルとの関係を示すグラフ、図14は本発明の作用を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
【0037】
本実施の形態においては、油だめ3内に第1、第2の吸込管5a,5bが設けられており、第1の吸込管5aは、正常の油面レベル4aより下方に設定された油面レベル4bの近傍に吸込口を位置させ、第2の吸込管5bは、油面レベル4bよりさらに下方に設定された油面レベル4cの近傍に吸込口を位置させており、両吸込管5a,5bは油だめ3の外側において1本の油供給配管6に合流するようになっている。そして、上方に設けた吸込管5aには電磁弁15が設けられており、この電磁弁15は、油だめ3内の潤滑油4が正常油量(油面レベル4aと4bの間)のときは開、油面レベルが低下して4b以下となり、温度センサ13が吐出温度の上昇により油面レベルの低下を検知したときは閉となる。
【0038】
上記のように構成した本実施の形態において、気体圧縮装置Pの運転が開始されると、油だめ3内が正常油量の間は、第1、第2の吸込管5a,5bの両方から潤滑油4が供給され、吐出温度は、図13に示すように、T1で安定している。油だめ3内の油量が減って油面レベルが低下(4b)すると、第1の吸込管5aに空気が混入して吐出温度が徐々に上昇するが、温度センサ13が一定温度T2を検知するまでの過程は図14のフローチャートのステップS1〜S5に示すように、実施の形態1の場合(図3のフローチャートのステップS1〜S5)と同様である。
【0039】
そして、温度センサ13によって検知された吐出温度がT2に達すると、油面レベルが低下したと判断してアラームを発すると同時に、気体圧縮装置Pの運転を継続したままで、第1の吸込管5aに設けた電磁弁15を閉じ(ステップS7)、潤滑油4を第2の吸込管5bのみから供給する。
【0040】
このようにして、油だめ3内の油量が減って第1の吸込管5aに空気が侵入し、吐出温度が上昇したときは、気体圧縮装置Pの運転を継続したままで電磁弁15を閉じ、第2の吸込管5bから引続き潤滑油4が供給されるので、吐出温度は正常に復帰する(ステップS8)。
【0041】
図15〜図17は本実施の形態に係る気体圧縮装置の油だめの他の例を示す説明図である。なお、図には電磁弁は省略してある。
図15の油だめ3は、第1、第2の吸込管5a,5bを同じ高さ位置で油だめ3に取付けて、第1の吸込管5aの吸込口を油面レベル4bの近傍に位置させ、第2の吸込管5bの吸込口を油面レベル4cの近傍に位置させて、第1の吸込管5aに電磁弁15を設けたものである。
【0042】
また、図16の油だめ3は、第1、第2の吸込管5a,5bを油だめ3の底部から取込んで、第1の吸込管5aの吸込口を油面レベル4bの近傍に位置させ、第2の吸込管5bの吸込口を油面レベル4cの近傍に位置させて、第1の吸込管5aに電磁弁15を設けたものである。
さらに、図17の油だめ3は、油だめ3の周壁の下部の上下に、第1の吸込管5aの吸込口と、第2の吸込管5bの吸込口をそれぞれ直接設けたもので、第1、第2の吸込管5a,5bの吸込口の高さ位置に差を設け、第1の吸込管5aに電磁弁15を設けたものである。
本例に係る各油だめは、実施の形態1,2の油だめ3にも用いることができる。ただし、この場合は、電磁弁15は設けない。
【0043】
上記の説明では、1台の圧縮機1からなる気体圧縮装置の場合について説明したが、実施の形態2のように、複数台の圧縮機(例えば、3台)からなる気体圧縮装置にも本実施の形態を実施することができる。
本実施の形態によれば、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果が得られるばかりでなく、電磁弁15により潤滑油4の供給を制御するようにしたので、長期にわたって圧縮機の焼付きなどによる損傷や吐出温度の異常上昇による事故などをより確実に防止することができる。
【0044】
[実施の形態4]
図18は本発明の実施の形態4に係る気体圧縮装置の吐出温度と油だめの油面レベルとの関係を示すグラフ、図19は本実施の形態の作用を説明するためのフローチャートである。なお、気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図は、実施の形態4の場合と同様である。
【0045】
本実施の形態において、油だめ3内の油面レベルの低下により吐出温度が上昇し、温度センサ13がこれを検知して第1の吸込管5aの電磁弁15を閉じ、第2の吸込管5bだけで潤滑油4を供給することにより、吐出温度が正常に復帰するまでの過程(図14のステップS1〜S8)は、実施の形態4の場合と同様である。
【0046】
実施の形態4の気体圧縮装置Pにおいて、油だめ3内の潤滑油の油面レベルがさらに低下して(ステップS9)、図12の4c以下となった場合(ステップS10)は、油だめ3の第2の吸込管5bが空気を吸込んで、油供給配管6に送られる油量が低下して冷却能力が低下するため、図19に示すように、吐出温度が再び上昇する(ステップS11)。
【0047】
本実施の形態においては、このような吐出温度の上昇を温度センサ13が再度検知したときは、油だめ3内の油量が枯渇状態であると判断し(ステップS12)、圧縮機1を停止させて再起動しないように制御する(ステップS13)。
本実施の形態によれば、実施の形態3の場合と同様の効果が得られる。
【0048】
[実施の形態5]
図20は本発明の実施の形態5に係る気体圧縮装置の油だめの説明図である。なお、気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図は、実施の形態3の場合とほぼ同様である。
実施の形態3,4の場合は、油だめ3に2本の吸込管5a,5bを設け、上部の吸込管5aに電磁弁15を設けた場合を示したが、本実施の形態においては、油だめ3に、吸込口の高さ位置の異なる3本以上の吸込管5(図には、第1、第2、第3の3本の吸込管5a,5b,5cを設けた場合を示してある)を設けて油供給配管6に合流させると共に、最下部の吸込管5cを除き、上部の吸込管5a,5bに電磁弁15a,15bを設けたものである。
【0049】
本実施の形態においては、油だめ3内の潤滑油4が正常油量の場合は、電磁弁15a,15bはいずれも開で、吸込管5a〜5cから圧縮機1に潤滑油4が供給される。油量が低下して油面レベルが4bになり、吸込管5aに空気が侵入して温度センサ13が吐出温度の上昇を検知すると、第1の吸込管5aの電磁弁15aを閉じ、第2、第3の吸込管5b,5cから潤滑油4を供給する。
【0050】
さらに油量が低下して油面レベルが4cになり、第2の吸込管5bから空気が侵入して温度センサ13が吐出温度の上昇を検知すると、第2の吸込管5bの電磁弁15bを閉じ、第3の吸込管5cのみから潤滑油4を供給する。
そして、油面レベルが4dになり、第3の吸込管5cから空気が侵入し、温度センサ13が吐出温度の上昇を検知したときは、油だめ3内の油量が枯渇したと判断し、圧縮機1を停止させる。
本実施の形態によれば、実施の形態4の場合とほぼ同様の効果が得られるが、より長期にわたって圧縮機の運転を継続することができる。
【0051】
[実施の形態6]
図21は本発明の実施の形態6に係る空気調和装置のサイクル構成を示すブロック図で、本実施の形態に係る空気調和装置は、実施の形態1の気体圧縮装置を備えたものである。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
図21において、ACは気体圧縮装置Pが組込まれた空気調和装置で、油だめ3の吐出側に接続された冷媒配管20は、室外熱交換器21、膨張弁等の膨張部23、室内熱交換器24を経て、圧縮機1の吸気側に接続されている。なお、22は室外送風機、25は室内送風機である。
【0052】
上記のように構成した空気調和装置ACにおいて、例えば冷房運転を行う場合は、圧縮機1から吐出された冷媒ガスは、吐出配管9に設けた切換弁(図示せず)を通り、油だめ3の油分離器10で油と分離され、冷媒配管20により室外熱交換器21に送られて凝縮され、膨張部23で減圧され、室内熱交換器24で蒸発して冷房を行い、圧縮機1へ戻る。なお、暖房運転の場合は、圧縮機1から吐出された冷媒ガスは、切換弁で切換えられて冷媒配管20中を冷媒運転の場合と反対方向に流れ、室内熱交換器24で蒸発して暖房を行う。
【0053】
本実施の形態においては、上記のような冷暖房運転中において、圧縮機1の吐出配管9に設けた温度センサ13により冷媒ガスの吐出温度を常時検知し、吐出温度がT2(図3)以上になったときは、アラームを発し、あるいは空気調和装置ACの運転を停止するなどの措置を講ずる。
上記の説明では、空気調和装置ACに、実施の形態1に係る気体圧縮装置Pを組込んだ場合を示したが、これに限定するものではなく、実施の形態2〜5のいずれから気体圧縮装置Pを組込んでもよい。
【0054】
本実施の形態によれば、空気調和装置ACに組込んだ気体圧縮装置Pの油だめ3内の潤滑油4の油面レベルの低下を、油面レベルを直接検知するレベル計を使用することなく、圧縮機1から吐出する冷媒ガスの温度によって検知するようにしたので、従来のようにレベル計の故障やメンテナンスについて配慮する必要がなく、また、潤滑油4にスラッジが発生した場合でも、油面レベルの検知精度に影響を受けることがない。
また、振動による影響がないため、常時振動を受ける車両等に搭載しても問題がないなど、長期に亘って故障がない空気調和装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【図2】図1の油だめの説明図である。
【図3】圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図4】実施の形態1の作用を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施の形態1の油だめの他の例の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【図7】図6の油分配器の説明図である。
【図8】図7の油分配器の作用説明図である。
【図9】圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図10】実施の形態2の作用を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3に係る気体圧縮装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【図12】図11の油だめの説明図である。
【図13】圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図14】実施の形態3の作用を説明するためのフローチャートである。
【図15】実施の形態3の油だめの他の例を示す説明図である。
【図16】実施の形態3の油だめの他の例を示す説明図である。
【図17】実施の形態3の油だめの他の例を示す説明図である。
【図18】実施の形態4に係る気体圧縮装置の圧縮気体の吐出温度と油だめ内の油面レベルとの関係を示すグラフである。
【図19】実施の形態4の作用を説明するためのフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態5に係る気体圧縮装置の油だめの説明図である。
【図21】本発明の実施の形態6に係る空気調和装置のサイクル構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
1,1a〜1c 圧縮機、3 油だめ、4 潤滑油、5,5a〜5c 吸込管、6 油供給配管、6a〜6c 油分配管、9 吐出配管、10 油分離器、13 温度センサ、14 油分配器、15 電磁弁、P 気体圧縮装置、AC 空気調和装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、
前記油だめ内の油の油面を、前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度により検知することを特徴とする油面検知方法。
【請求項2】
前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記圧縮機に油を供給する油供給配管に接続され、その吸込口が油の正常油面より下方に位置する吸込管を設け、該吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知することにより、前記油だめ内の油面の低下を検知することを特徴とする請求項1記載の油面検知方法。
【請求項3】
前記圧縮機を複数台並列接続してその吐出管を吐出配管に合流させると共に、前記圧縮機に油を供給する油供給配管に油分配器を設け、該油分配器と前記複数の圧縮機とを高さ位置の異なる油分配管でそれぞれ接続し、前記油だめ内の油面が低下して前記油供給配管に空気が侵入したときは、前記油分配管のいずれかに集中的に空気が流入するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の油面検知方法。
【請求項4】
前記油だめに、吸込口が前記吸込管の吸込口より下方に位置し、前記油供給配管に合流する第2の吸込管を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の油面検知方法。
【請求項5】
圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を油供給配管により前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、
前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記油供給配管に合流する吸込口の高さ位置の異なる2本の吸込管を設けて上部の吸込管に常開の電磁弁を設け、前記油だめ内の油面が低下して前記上部の吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは、前記電磁弁を閉止することを特徴とする油供給制御方法。
【請求項6】
前記電磁弁を閉止したのちも運転を継続し、前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度が再度上昇したときは該圧縮機の運転を停止することを特徴とする請求項5記載の油供給制御方法。
【請求項7】
圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を油供給配管により前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、
前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記油供給配管に合流する吸込口の高さ位置の異なる3本以上の吸込管を設けて最下部の吸込管を除く他の吸込管にそれぞれ常開の電磁弁を設け、前記油だめ内の油面が低下して前記吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは前記電磁弁を順次閉止し、最下部の吸込管に空気が侵入して前記圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは、前記圧縮機の運転を停止することを特徴とする油供給制御方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかの油面検知方法及び請求項5〜7のいずれかの油供給制御方法の両者又はいずれか一方を備えたことを特徴とする気体圧縮装置。
【請求項9】
請求項8の気体圧縮装置を備えたことを特徴とする空気調和装置。
【請求項1】
圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、
前記油だめ内の油の油面を、前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度により検知することを特徴とする油面検知方法。
【請求項2】
前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記圧縮機に油を供給する油供給配管に接続され、その吸込口が油の正常油面より下方に位置する吸込管を設け、該吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知することにより、前記油だめ内の油面の低下を検知することを特徴とする請求項1記載の油面検知方法。
【請求項3】
前記圧縮機を複数台並列接続してその吐出管を吐出配管に合流させると共に、前記圧縮機に油を供給する油供給配管に油分配器を設け、該油分配器と前記複数の圧縮機とを高さ位置の異なる油分配管でそれぞれ接続し、前記油だめ内の油面が低下して前記油供給配管に空気が侵入したときは、前記油分配管のいずれかに集中的に空気が流入するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の油面検知方法。
【請求項4】
前記油だめに、吸込口が前記吸込管の吸込口より下方に位置し、前記油供給配管に合流する第2の吸込管を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の油面検知方法。
【請求項5】
圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を油供給配管により前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、
前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記油供給配管に合流する吸込口の高さ位置の異なる2本の吸込管を設けて上部の吸込管に常開の電磁弁を設け、前記油だめ内の油面が低下して前記上部の吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは、前記電磁弁を閉止することを特徴とする油供給制御方法。
【請求項6】
前記電磁弁を閉止したのちも運転を継続し、前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度が再度上昇したときは該圧縮機の運転を停止することを特徴とする請求項5記載の油供給制御方法。
【請求項7】
圧縮機から吐出された圧縮気体に混入された油を油分離器で分離して油だめ内に貯留し、該油だめ内の油を油供給配管により前記圧縮機に供給するようにした気体圧縮装置において、
前記圧縮機の吐出配管を流れる圧縮気体の温度を検知する温度センサを設けると共に、前記油だめに前記油供給配管に合流する吸込口の高さ位置の異なる3本以上の吸込管を設けて最下部の吸込管を除く他の吸込管にそれぞれ常開の電磁弁を設け、前記油だめ内の油面が低下して前記吸込管に空気が侵入して前記圧縮機から吐出された圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは前記電磁弁を順次閉止し、最下部の吸込管に空気が侵入して前記圧縮気体の温度上昇を前記温度センサが検知したときは、前記圧縮機の運転を停止することを特徴とする油供給制御方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかの油面検知方法及び請求項5〜7のいずれかの油供給制御方法の両者又はいずれか一方を備えたことを特徴とする気体圧縮装置。
【請求項9】
請求項8の気体圧縮装置を備えたことを特徴とする空気調和装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−74523(P2009−74523A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246869(P2007−246869)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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