説明

油化装置及び油化方法

【課題】油種への難燃剤や塗装材の混入を抑制できる油化装置及び油化方法を提供する。
【解決手段】分離液タンク16から分離槽13に、油分42と沈殿物43との間の比重を有する分離液41を入れておく。プラスチックから回収された液体は、比重の差により、分離槽13内で油分42と沈殿物43とに分離する。分離槽13には分離液41と油分42との界面を検出する第1の液面センサ38a及び第2の液面センサ38bが設けられており、制御部15は、第1の液面センサ38a及び第2の液面センサ38bの出力に基づいてポンプ18及びバルブ36,37を制御する。油分42と沈殿物43との間に分離液41を介在させることにより、難燃剤や塗装材の混入が少ない良質の油分を回収することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油化装置及び油化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジー及び地球環境保全の観点から、廃棄物の再生利用が進められている。例えばコンピュータや携帯電話等の電子機器からは、電子機器の製造に欠かせない貴金属材料を回収している。また、電子機器に使用されているプラスチック(樹脂)から油分(油種)を抽出して再利用することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−100183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油種への難燃剤や塗装材の混入を抑制できる油化装置及び油化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の技術の一観点によれば、プラスチックから回収された液体を比重の差を利用して油分と沈殿物とに分離する分離槽と、前記油分と前記沈殿物との間の比重を有する分離液を貯留する分離液タンクと、前記分離槽の底部に接続されて前記沈殿物を捕捉可能なフィルタと、ポンプと、前記フィルタと前記ポンプの吸引側とを接続する第1の配管と、前記ポンプの吐出側に接続された第2の配管と、前記第2の配管と前記分離槽との間に配置された第1のバルブと、前記分離液タンクと前記第2の配管との間に配置された第2のバルブと、前記分離槽に設けられて前記分離液と前記油分との界面を検出する第1の液面センサと、前記第1の液面センサの下方に配置され、前記分離液と前記油分との界面を検出する第2の液面センサと、前記第1の液面センサ及び前記第2の液面センサの出力に基づいて前記ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを制御する制御部とを有する油化装置が提供される。
【0006】
また、開示の技術の他の一観点によれば、加熱槽に装入されたプラスチックを加熱する工程と、前記プラスチックの加熱により発生したガスを冷却して液体とする工程と、分離槽内において前記液体を比重の差を利用して油分と沈殿物とに分離する工程とを有し、前記分離槽内に、前記油分と前記沈殿物との間の比重を有する分離液を入れる油化方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
上記の一観点によれば、難燃剤や塗装材の混入量が少ない良質の油分を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施形態に係る油化装置の構造を例示する模式図である。
【図2】図2は、実施形態に係る油化方法を説明する図(その1)である。
【図3】図3は、実施形態に係る油化方法を説明する図(その2)である。
【図4】図4は、実施形態に係る油化方法を説明する図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
【0010】
プラスチック(樹脂)から油分を抽出する場合、例えば加熱槽にプラスチックを入れて高温(例えば300℃〜600℃)に加熱し、プラスチックの熱分解により発生したガスを冷却槽に導入して冷却する。そして、冷却槽で液体となった成分を分離槽に移送し、分離槽内で比重の差を利用して油分(再生油)と沈殿物とを分離する。
【0011】
しかし、携帯電話やコンピュータ等から回収されたプラスチックには、難燃剤や塗装材が含まれていることが多く、分離槽で分離した油分に難燃剤や塗装材が不純物として混入することがある。このため、再生油の品質が劣化する。
【0012】
以下の実施形態では、再生油への難燃剤や塗装材等の不純物の混入を抑制できる油化装置及び油化方法について説明する。
【0013】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る油化装置の構造を例示する模式図である。
【0014】
図1のように、本実施形態に係る油化装置10は、加熱槽11と、冷却槽12と、分離槽13と、分離液供給回収装置14と、制御部15とを有する。また、分離液供給回収装置14は、分離液タンク16と、フィルタ17と、ポンプ18とを有する。
【0015】
加熱槽11は、蓋部11aと加熱槽本体11bとを有し、蓋部11aを加熱槽本体11bの上にボルト及びナットにより固定するようになっている。加熱槽本体11bの周囲にはヒータ11cが配置されており、このヒータ11cにより加熱槽11内に入れられたプラスチック40を高温(例えば300℃〜600℃程度)に加熱する。この加熱によりプラスチック40は熱分解し、油分が揮発してガスが発生する。
【0016】
加熱槽11と冷却槽12とは配管21により接続されている。この配管21を介して、加熱槽11で発生したガスが冷却槽12に移動する。配管21の途中にはバルブ31が設けられている。このバルブ31は、油化装置10の稼動中、開状態に維持される。
【0017】
冷却槽12は放熱用フィン又は冷媒が通る冷却管等の冷却機構(図示せず)を有し、配管21を介して加熱槽11から移動してきたガスを冷却して液体にする。この液体には、油分だけでなく不純物となる種々の成分が含まれている。冷却槽12の底部にはバルブ32が接続されており、バルブ32には配管22が接続されている。バルブ32も、油化装置10の稼動中は開状態に維持される。
【0018】
配管22のバルブ32と反対の側の端部は、分離槽13の底部を挿通し分離槽13内の中央部まで延び出している。分離槽13は、配管22を介して冷却槽12から送られてくる液体を貯留し、比重の差を利用して油分42と沈殿物43とを分離する。
【0019】
分離槽13には油分42(再生油)を取り出すためのコック33と、第1の液面センサ38a及び第2の液面センサ38bとが設けられている。第1の液面センサ38aはコック33よりも下方に配置され、第2の液面センサ38bは第1の液面センサ38aよりも下方に配置されている。これらの液面センサ38a,38bとして、例えば光の透過率、反射率又は屈折率の変化により後述する分離液41と油分42との界面を検出する光学センサを使用することができる。
【0020】
また、分離槽13の底部には沈殿物43を排出するための配管(ドレイン配管)23が接続されている。この配管23には、バルブ(ドレインバルブ)34が接続されている。このバルブ34は、油化装置10の稼動中、閉状態に維持される。
【0021】
更に、分離槽13には、分離液41を供給及び回収する分離液供給回収装置14が取り付けられている。すなわち、分離槽13の底部近傍にはバルブ35が取り付けられており、このバルブ35はフィルタ17及び配管25(第1の配管)を介してポンプ18の吸引(サクション)側に接続されている。ポンプ18の吐出(デリバリー)側には配管26(第2の配管)が接続されており、この配管26の端部は、バルブ37(第1のバルブ)を介して分離槽13の中央部よりも若干下に接続されている。また、ポンプ18とバルブ37との間の配管26には、バルブ36(第2のバルブ)を介して分離液タンク16が接続されている。
【0022】
分離液タンク16には、分離液41として、油分42と沈殿物(不純物)43との間の比重であって油分42及び沈殿物43のいずれとも分離する液体を入れる。分離液41として例えば水を使用することができるが、本実施形態では分離液41として比重が1程度の市販の界面活性剤(液体洗剤)を使用する。
【0023】
制御部15には操作パネル(図示せず)が設けられており、作業者は操作パネルを介して油化装置10の起動及び停止を指示する。また、油化装置10が起動している間、制御部15は、ヒータ11cへの給電を制御したり、第1の液面センサ38a及び第2の液面センサ38bから入力される信号に基づいてポンプ18及びバルブ35〜37を制御したりする。
【0024】
以下、上述の油化装置10を用いた油化方法について、図1及び図2〜図4を参照して説明する。なお、図2〜図4では加熱槽11及び冷却槽12の図示を省略している。
【0025】
まず、作業者は、バルブ31,32を開、バルブ33,34を閉にする。また、作業者は、加熱槽本体11b内にプラスチック40を入れ、加熱槽本体11bの上に蓋11aをボルト及びナットにより固定する。その後、作業者は、操作パネルを介して制御部15に油化装置10の稼動開始を指示する。
【0026】
稼働開始が指示されると、制御部15は、バルブ35を閉、バルブ36,37を開にして、分離液タンク16内の分離液41を分離槽13に注入する(図2(a)参照)。そして、第2の液面センサ38bが分離液41の液面を検出すると、制御部15はバルブ36,37を閉にする。
【0027】
次に、制御部15は、ヒータ11cへの給電を開始する。ヒータ11cにより加熱槽11が所定温度(例えば300℃〜600℃)に加熱されると、加熱槽11内のプラスチック40が熱分解し、それにより発生したガスが配管21を通って冷却槽12に移動する。
【0028】
冷却槽12では、加熱槽11から移動してきたガスが冷却されて液体になる。この液体には、油分だけでなく、不純物となる種々の成分が含まれている。なお、冷却槽12で液体とならないガスは、例えば冷却槽12の上部から燃焼装置(図示せず)に移送され、燃焼装置で燃焼される。
【0029】
冷却槽12内の液体は、配管22を介して分離槽13に移動する。分離槽13内では、冷却槽12から移動してきた液体が、比重の差により油分42と沈殿物43とに分離される。
【0030】
本実施形態では、分離槽13内に予め比重が1程度の分離液41を入れている。このため、分離液41よりも比重が小さい油分42は分離液41の上に溜まり、分離液41よりも比重が大きい不純物は分離槽13の底部に沈殿して沈殿物43となる(図2(b)参照)。一般的にプラスチックに含有される有機系難燃剤(例えば臭素化合物、リン化合物及び塩素化合物等)及び無機系難燃剤(アンチモン化合物及び金属水酸化物等)並びに塗装材は比重が1よりも大きい。従って、難燃剤及び塗装材は分離液41の下に沈殿し、分離液41の上の油分42への難燃剤及び塗装材の混入が抑制される。プラスチックに使用される代表的な難燃剤には、TBBA(テトラブロモビスフェノール)、ビス(テトラブロモフタルイミド)エタン及びTBBAカーボネートオリゴマー等がある。
【0031】
ところで、加熱槽11内でのプラスチックの熱分解にともなって分離槽13内の油分42及び沈殿物43の量が増加し、分離液41と油分42との界面が上昇する(図2(c)参照)。そして、第1の液面センサ38aが分離液41と油分42との界面を検出すると、制御部15は、分離液41と油分42との界面が第1の液面センサ38aと第2の液面センサ38bとの間になるように、バルブ35,36,37及びポンプ18を制御する。
【0032】
例えば、バルブ37を閉、バルブ35,36を開にしてポンプ18を稼動させると、分離槽13の底部の沈殿物43が分離液41とともにポンプ18の吸引側に向けて移動する。そして、沈殿物43はフィルタ17で捕捉され、分離液41はフィルタ17を透過する。フィルタ17を透過した分離液41は、ポンプ18から吐出され、配管26及びバルブ36を介して分離液タンク16に回収される(図3(a)参照)。
【0033】
分離液41が分離液タンク16に回収されると、分離槽13内の分離液41と油分42との界面が第1の液面センサ38aの位置よりも低下する。そして、第2の液面センサ38bが分離液41と油分42との界面を検出すると、制御部15はバルブ36を閉、バルブ37を開にする(図1参照)。これにより、フィルタ17を透過した分離液41が分離槽13内に戻るので、分離液41と油分42との界面の低下が停止する。この状態では、フィルタ17により分離液41が濾過され、沈殿物43がフィルタ17に回収(捕捉)される。
【0034】
なお、分離液41と油分42との界面が第2の液面センサ38bよりも下になった場合、制御部15はバルブ36,37を開にして分離液タンク16から分離槽13に分離液41を注入し、分離液41と油分42との界面が第2の液面センサ38bよりも上の位置となるようにする。
【0035】
このようにして分離槽13内の液面調整が行われている間も冷却槽12から分離槽13への液体の供給が継続され、それにともなって分離層13内の油分42の量が増加していく。
【0036】
加熱槽11内のプラスチック40の熱分解が完了すると、作業者は操作パネルを介して油化装置10に停止を指示する。これにより、制御部15は、ヒータ11cへの給電を停止する。また、制御部15は、ポンプ18の稼働を停止するとともに、バルブ35,36,37をいずれも閉にする。その後、作業者は、所定の時間だけ油化装置10を放置して、分離槽13内の不純物を十分に沈殿させる。
【0037】
前述したように、制御部15は分離液41と油分42との界面が第1の液面センサ38aの位置を超えないようにポンプ18及びバルブ36,37を制御する。従って、不純物を十分に沈殿させた後にコック33を開くと、分離槽13から油分42のみを取り出すことができる(図3(b)参照)。
【0038】
本実施形態では、分離槽13内において油分42と沈殿物43との間に分離液41が介在するので、不純物の混入が少ない良質の油分(回収油)を得ることができる。
【0039】
分離槽13からの油分の回収が終了すると、作業者は操作パネルを介して制御部15に沈殿物(不純物)の回収を指示する。これにより、制御部15は、バルブ35,36を開、バルブ37を閉にして、分離液タンク16内の分離液(液体洗剤)41をポンプ18、フィルタ17の順に流して分離槽13内に注入する(図3(c)参照)。このとき、フィルタ17で沈殿物43を捕捉するとき(図1,図3(a)参照)とは逆方向に分離液41が流れるので、フィルタ17に捕捉されていた沈殿物が分離液41とともに分離槽13に移動し、フィルタ17が洗浄される。本実施形態では、分離液41として液体洗剤を使用しているので、洗浄効果が高い。
【0040】
分離液41の注入により、分離槽13内では分離液41と沈殿物とが混合した状態となる。図3(c)中の符号41aは、沈殿物43が混合した分離液を示している。この状態でバルブ(ドレインバルブ)34を開にすると、沈殿物が混合した分離液41aが分離槽13から排出される。
【0041】
この場合に、分離液41がなく沈殿物43が濃い状態であるとすると、分離槽13から沈殿物43をきれいに排出することが難しい。しかし、本実施形態では、上述したように分離槽13内に分離液41を注入するので、沈殿物43の濃度が薄くなり、分離槽13から沈殿物43を容易に排出することができる。
【0042】
本実施形態に係る油化装置10では、不純物の混入が少ない良質の油分を回収できるとという効果だけでなく、上述したようにフィルタ17及び分離槽13の洗浄が容易であるといる効果もある。
【0043】
(実験例)
加熱槽11として、容量が約1リットルのステンレス容器を使用した。また、加熱槽11の周囲にはマントルヒータ(ヒータ11a)を配置した。更に、分離槽13として直径が20mm、容積が2リットルの容器を使用し、加熱槽11と冷却槽12との間、及び冷却槽12と分離槽13との間を配管21,22で接続した。
【0044】
分離槽13内には、分離液41として100ccの液体洗剤を入れた。また、加熱槽11内にはプラスチックとして難燃性ABS樹脂(ABS−FR)450gと金属部品50gとを装入した。
【0045】
その後、加熱槽11を約5℃/minの温度上昇速度で500℃まで加熱し、500℃の温度で2時間保持した。その結果、分離槽13から、難燃剤を殆ど含まない良質の油分を約330g回収することができた。このとき、分離槽13の底部には、約5gの不純物が沈殿物として残った。また、加熱槽11内には、タール状のカーボン残渣物と、酸化の影響を受けてない金属50gとが残った。
【0046】
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0047】
(付記1)プラスチックから回収された液体を比重の差を利用して油分と沈殿物とに分離する分離槽と、
前記油分と前記沈殿物との間の比重を有する分離液を貯留する分離液タンクと、
前記分離槽の底部に接続されて前記沈殿物を捕捉可能なフィルタと、
ポンプと、
前記フィルタと前記ポンプの吸引側とを接続する第1の配管と、
前記ポンプの吐出側に接続された第2の配管と、
前記第2の配管と前記分離槽との間に配置された第1のバルブと、
前記分離液タンクと前記第2の配管との間に配置された第2のバルブと、
前記分離槽に設けられて前記分離液と前記油分との界面を検出する第1の液面センサと、
前記第1の液面センサの下方に配置され、前記分離液と前記油分との界面を検出する第2の液面センサと、
前記第1の液面センサ及び前記第2の液面センサの出力に基づいて前記ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを制御する制御部と
を有することを特徴とする油化装置。
【0048】
(付記2)前記分離液が界面活性剤であることを特徴とする付記1に記載の油化装置。
【0049】
(付記3)加熱槽に装入されたプラスチックを加熱する工程と、
前記プラスチックの加熱により発生したガスを冷却して液体とする工程と、
分離槽内において前記液体を比重の差を利用して油分と沈殿物とに分離する工程とを有し、
前記分離槽内に、前記油分と前記沈殿物との間の比重を有する分離液を入れることを特徴とする油化方法。
【0050】
(付記4)前記分離槽の底部に接続されて前記沈殿物を捕捉可能なフィルタと、
ポンプと、
前記分離液を貯留する分離液タンクと、
前記フィルタと前記ポンプの吸引側とを接続する第1の配管と、
前記ポンプの吐出側に接続された第2の配管と、
前記第2の配管と前記分離槽との間に配置された第1のバルブと、
前記分離液タンクと前記第2の配管との間に配置された第2のバルブと、
前記分離槽に設けられて前記分離液と前記油分との界面を検出する第1の液面センサと、
前記第1の液面センサの下方に配置され、前記分離液と前記油分との界面を検出する第2の液面センサと、
制御部とを有し、
前記制御部は、前記第1の液面センサ及び前記第2の液面センサの出力に基づいて前記ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを制御することを特徴とする付記3に記載の油化方法。
【0051】
(付記5)前記制御部は、前記第1の液面センサが前記分離液と前記油分との界面を検出すると前記第1のバルブを閉、前記第2のバルブを開とし、前記ポンプを稼働させて前記分離液を前記分離液タンクに回収し、
前記第2の液面センサが前記分離液と前記油分との界面を検出すると前記第1のバルブを開、前記第2のバルブを閉とし、前記ポンプを稼働させて前記フィルタで濾過された前記分離液を前記分離槽に戻す
ことを特徴とする付記4に記載の油化方法。
【0052】
(付記6)前記分離液として界面活性剤を使用することを特徴とする付記3乃至5のいずれか1項に記載の油化方法。
【符号の説明】
【0053】
10…油化装置、11…加熱槽、11a…蓋部、11b…加熱槽本体、11c…ヒータ、12…冷却槽、13…分離槽、14…分離液供給回収装置、15…制御部、16…分離液タンク、17…フィルタ、18…ポンプ、21,22,23,25,26…配管、31,32,34,35,36,37…バルブ、33…コック、38a…第1の液面センサ、38b…第2の液面センサ、41…分離液、42…油分、43…沈殿物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックから回収された液体を比重の差を利用して油分と沈殿物とに分離する分離槽と、
前記油分と前記沈殿物との間の比重を有する分離液を貯留する分離液タンクと、
前記分離槽の底部に接続されて前記沈殿物を捕捉可能なフィルタと、
ポンプと、
前記フィルタと前記ポンプの吸引側とを接続する第1の配管と、
前記ポンプの吐出側に接続された第2の配管と、
前記第2の配管と前記分離槽との間に配置された第1のバルブと、
前記分離液タンクと前記第2の配管との間に配置された第2のバルブと、
前記分離槽に設けられて前記分離液と前記油分との界面を検出する第1の液面センサと、
前記第1の液面センサの下方に配置され、前記分離液と前記油分との界面を検出する第2の液面センサと、
前記第1の液面センサ及び前記第2の液面センサの出力に基づいて前記ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを制御する制御部と
を有することを特徴とする油化装置。
【請求項2】
前記分離液が界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の油化装置。
【請求項3】
加熱槽に装入されたプラスチックを加熱する工程と、
前記プラスチックの加熱により発生したガスを冷却して液体とする工程と、
分離槽内において前記液体を比重の差を利用して油分と沈殿物とに分離する工程とを有し、
前記分離槽内に、前記油分と前記沈殿物との間の比重を有する分離液を入れることを特徴とする油化方法。
【請求項4】
前記分離槽の底部に接続されて前記沈殿物を捕捉可能なフィルタと、
ポンプと、
前記分離液を貯留する分離液タンクと、
前記フィルタと前記ポンプの吸引側とを接続する第1の配管と、
前記ポンプの吐出側に接続された第2の配管と、
前記第2の配管と前記分離槽との間に配置された第1のバルブと、
前記分離液タンクと前記第2の配管との間に配置された第2のバルブと、
前記分離槽に設けられて前記分離液と前記油分との界面を検出する第1の液面センサと、
前記第1の液面センサの下方に配置され、前記分離液と前記油分との界面を検出する第2の液面センサと、
制御部とを有し、
前記制御部は、前記第1の液面センサ及び前記第2の液面センサの出力に基づいて前記ポンプ、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを制御することを特徴とする請求項3に記載の油化方法。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の液面センサが前記分離液と前記油分との界面を検出すると前記第1のバルブを閉、前記第2のバルブを開とし、前記ポンプを稼働させて前記分離液を前記分離液タンクに回収し、
前記第2の液面センサが前記分離液と前記油分との界面を検出すると前記第1のバルブを開、前記第2のバルブを閉とし、前記ポンプを稼働させて前記フィルタで濾過された前記分離液を前記分離槽に戻す
ことを特徴とする請求項4に記載の油化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−57027(P2013−57027A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197018(P2011−197018)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】