説明

油圧システム

【課題】簡易かつ低廉な装置構成で、自動変速機の筐体内に作動油が滞留するのを抑制可能な油圧システムを提供する。
【解決手段】オイルパン50に貯められたオイルは、オイルポンプ220により油路84に送られた後、オイルパン50に戻される。オイルポンプ60は、車両の走行中に生起される走行風を受けて回転する回転体70からの回転エネルギーにより駆動することにより、ケース40と摩擦係合装置200との間に形成される間隙に滞留したオイルをオイルパン50に排出する。オイルポンプ60の吐出能力は走行風の風速に応じて自動的に調整されるため、ケース40内にオイルが滞留するのを効果的に抑制できるとともに、吐出されるオイルの量を制御するための制御回路が不要となる。その結果、車両のエネルギー効率の低下、およびトランスミッション100の大型化、複雑化およびコスト増を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、油圧システムに関し、より特定的には、車両に搭載される自動変速機の油圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の変速機として、車両の走行状態に基づいて制御される自動変速機が知られている。この自動変速機には、変速比が不連続的(段階的)に変化する有段式の変速機や、変速比が連続的(無段階的)に変化する無段変速機が含まれており、これらいずれの自動変速機においても変速比の制御のために油圧が広く使用されている。たとえば有段式の自動変速機であれば、内燃機関(エンジン)の出力を変速機構に伝達するための入力クラッチや変速段を設定するためのクラッチあるいはブレーキを、油圧サーボ機構によって係合および解放するように構成している。また、無段変速機であれば、その変速機構に対して動力を入力する入力クラッチを油圧によって係合する構成とし、また変速機構を油圧によって動作させるように構成している。
【0003】
一方、車両に搭載されているエンジンは、走行のための動力源であると同時に、上記油圧の発生源とされている。すなわち、エンジンの出力軸にはオイルポンプが連結されており、当該オイルポンプがエンジンによって駆動されて所定の油圧を発生する。これにより、自動変速機を適宜に制御することができるため、変速機構に対して動力を伝達し、あるいは所定の変速比を設定して出力軸にトルクを伝達することが可能となる。
【0004】
しかしながら、油圧システムのポンプとして、このような機関駆動式の機械オイルポンプを用いた場合には、エンジンの回転速度が所定回転速度以上にまで上昇した場合には、比較的大きな油圧を発生させることができるものの、機関始動直後等のエンジンの回転速度が低いときは、油圧が極端に低下して必要な油圧発生能力を確保できないことがある。
【0005】
そのため、たとえば特開2001−74130号公報(特許文献1)に開示されるように、こうした機械オイルポンプとは別に、モータ等によって駆動される電動オイルポンプを備え、これらを併用する構成が検討されている。これによれば、内燃機関の回転速度が低下して機械オイルポンプの油圧が低下しているときには、この電動オイルポンプによって必要な油圧を確保することにより、潤滑や油圧アクチュエータの作動に必要な油圧を発生させることができるようになる。
【特許文献1】特開2001−74130号公報
【特許文献2】特開2007−321927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような油圧システムにおいては、近年高まりつつある自動変速機のコンパクト化および変速段の多段化の要求に伴ない、自動変速機の筐体内部に配されたオイルポンプと筐体下方に配されたオイルパンとの間で作動油を循環させるための油路を設けるスペースを確保することが困難となってきている。
【0007】
そのため、自動変速機の筐体内部では、クラッチおよびブレーキに供給された作動油がオイルパンに流下されることなく滞留するという状態が発生する。これにより、作動油がクラッチドラムなどの回転部材によって攪拌される際の攪拌損失が増大するため、車両のエネルギー効率を低下させることになる。
【0008】
また、作動油が回転部材によって攪拌されることで油温が上昇することにより、トルクコンバータおよび変速機構の耐久性を落とすとともに、ブリーザからのオイル吹きにも繋がることになる。
【0009】
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易かつ低廉な装置構成で、自動変速機の筐体内に作動油が滞留するのを抑制可能な油圧システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のある局面に従えば、駆動源に接続された自動変速機の油圧システムは、駆動源から伝達された動力を受けて回転することにより、自動変速機の制御用の作動油を油路に供給する第1のオイルポンプと、車両の走行中に生起される走行風を受けて回転することにより、油路に供給される作動油を循環させる第2のオイルポンプとを備える。
【0011】
好ましくは、第2のオイルポンプは、走行風の風速に応じた回転速度で回転する回転体と、回転体に連結されて回転駆動する駆動回路とを含む。
【0012】
好ましくは、自動変速機は、油圧式の変速機構と、変速機構を収納するためのケースと、ケース下方に設けられ、作動油を貯留するためのオイルパンとを含む。油圧システムは、ケース内部と第2のオイルポンプの吸入口とを連通する第1の油路と、オイルパンと第2のオイルポンプの吐出口とを連通する第2の油路とをさらに備える。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、簡易かつ低廉な装置構成で、自動変速機の筐体内に作動油が滞留するのを抑制することができる。その結果、自動変速機のコンパクト化および車両のエネルギー効率の向上を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0015】
図1は、この発明の実施の形態に従う油圧システムを備える車両のパワートレーンを示す概略構成図である。
【0016】
図1を参照して、この車両のパワートレーンは、エンジン10と、エンジン10の出力軸に接続されたトランスミッション100とから構成される。
【0017】
エンジン10は、公知のガソリンエンジンやディーゼルエンジンであればよく、特に限定されるものではない。また、トランスミッション100は、作動油(オイル)を用いる自動変速機であればよく、遊星歯車式等の有段変速機であっても、ベルト式等の無段変速機であってもよい。なお、本実施の形態においては、トランスミッション100は、遊星歯車式の有段変速機として説明する。
【0018】
トランスミッション100は、トルクコンバータ30と、変速機構20とから構成され、エンジン10から出力されたトルクがトルクコンバータ30を介してインプットシャフト202に伝達される。
【0019】
変速機構20は、サンギヤ、リングギヤおよびキャリヤを回転要素とする遊星歯車機構204と、インプットシャフト202とカウンタドライブギヤとの間のトルク伝達経路を切り換えるためのクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置200と、ディファレンシャル機構210と、アウトプットシャフト212とを含む。
【0020】
摩擦係合装置200を構成するクラッチおよびブレーキは、たとえば多板クラッチ式の摩擦係合要素からなり、油圧による係合力に応じて、そのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。この多板クラッチ式の摩擦係合要素においては、一般的に、駆動側摩擦プレート(ドライブプレート)と被駆動側摩擦プレート(ドリブンプレート)とを油圧を用いて押付けることにより係合状態が形成され、スプリングの付勢力を用いてドライブプレートとドリブンプレートとの間にクリアランスを発生させることにより解放状態が形成される。このクラッチおよびブレーキを車速や要求駆動力などの走行状態に応じて選択的に係合または解放することにより、変速機構20を所望の変速段に設定することができる。
【0021】
本実施の形態に従う油圧システムでは、摩擦係合装置200に供給される油圧を、機関駆動式のオイルポンプ220によって発生する。具体的には、トルクコンバータ30と変速機構20との間にオイルポンプ220が設けられている。オイルポンプ220は、たとえばノンクレセント型オイルポンプであって、エンジン10の回転により駆動される機械オイルポンプである。オイルポンプ220は、後述する油圧システムによって摩擦係合装置200に油圧を供給する。
【0022】
トルクコンバータ30、変速機構20およびオイルポンプ220は、ケース40に収容される。ケース40は、車両に搭載された状態において鉛直下方向に開口されており、その開口位置を塞ぐようにオイルパン50が設けられる。
【0023】
ケース40内には、所定量のオイルが封入されている。オイルは、ATF(automatic transmission fluid)とも呼ばれ、変速を行なうためのクラッチを作動させる作動油として機能するとともに、トルクコンバータ30におけるトルクの伝達を行なったり、歯車等の機械要素間の焼き付き防止のための潤滑油としても機能する。
【0024】
オイルパン50は、受け皿形状を有しており、ケース40内に封入されたオイルを貯留する。オイルパン50に貯められたオイルは、オイルポンプ220により、変速機構20を強制潤滑するための設けられた油路84および変速機構20を所望の状態に制御するための油圧調整機構であるバルブボデー52の油路82に送られる。油路84およびバルブボデー52に送られたオイルは、最終的にオイルパン50に戻される。
【0025】
ここで、トランスミッション100においては、近年、コンパクト化の要求が高まりつつある一方で、変速機構20における変速段の多段化が求められている。したがって、これらの要求を両立させようとすると、ケース40内の限られたスペースに複数の摩擦係合要素を効率良く配置する必要が生じる。そのため、油圧システムにおいては、ケース40内部とオイルパン50との間でオイルを循環させるための油路を確保することができず、結果として、以下に述べるような弊害を発生させる可能性がある。
【0026】
詳細には、図1に示されるように、オイルポンプ220によって油路84に送られたオイルは、摩擦係合装置200の摩擦係合要素の各々に供給された後、オイルパン50に戻される。このとき、ケース40内では、摩擦係合装置200に供給されたオイルをオイルパン50に流下させるための油路を確保することが難しいため、摩擦係合装置200に供給されたオイルの一部がケース40内に滞留することとなる。このようなオイルの滞留は、特に、ケース40と摩擦係合装置200との間に形成される間隙(図中の領域RGNに相当)において顕著に現れる。
【0027】
そのため、当該間隙にオイルが滞留すると、摩擦係合要素を支持するためのクラッチドラム208などの回転部材によってオイルが攪拌される際の攪拌損失が増大することになる。その結果、トランスミッション100全体の損失が増大するため、車両のエネルギー効率の低下を招くことになる。
【0028】
さらに、オイルが攪拌されることで油温が上昇することによって、トルクコンバータ30および変速機構20の耐久性を落とすとともに、ブリーザからのオイル吹きにも繋がることになる。
【0029】
このような不具合を防止するためには、ケース40内に封入するオイルの量を規定の分量よりも少なくすることで、滞留するオイルの量を減らすことが可能である。しかしながら、オイルの量を少なくすると、低油温時にはオイルレベルが下がってしまうため、コーナリング走行時あるいは登坂時にオイルポンプ220がオイルを吸入できずに空気を吸入していまい、駆動力がカットされる可能性がある。
【0030】
したがって、オイルの量を減らすことなく、ケース40内のオイルの滞留を回避するための方策が必要とされており、その方策の一つとしては、ケース40内に滞留したオイルをオイルパン50に強制的に排出するための排出機構を設けることが検討される。
【0031】
このような排出機構としては、たとえば図1に示すように、ケース40およびオイルパン50を結ぶ新たな油路と、当該油路にオイルを循環させるためのポンプを配設し、油路を介してオイルパン50にオイルを吐出させる構成を適用することができる。このような構成によれば、ケース40内に滞留したオイルを効率良くオイルパン50に排出することができる。
【0032】
ここで、本構成に用いられるポンプにおいては、吐出するオイルの量の調整機能を有することが求められる。常に一定量のオイルを吐出するようにポンプを構成すると、ケース40内に滞留するオイルの量が比較的少ない場合には、ポンプが空気を吸入する可能性があるためである。このような場合には、ポンプが空気を吸入することによって、ケース40内ではオイルと空気とが混じり合うことで見かけ上オイルの量が増加する。そのため、ケース40内に滞留するオイルの量も見かけ上増加することとなり、上述したようなクラッチドラムの攪拌損失の増大および油温の上昇といった、悪循環が生じるおそれがある。
【0033】
これには、電気的に駆動される電動オイルポンプを用い、かつ、当該電動オイルポンプの吐出能力をドライバ回路により制御する構成とすることで、吐出するオイルの量を調整することが可能となる。具体的には、制御装置からの制御指令に応じて、ドライバ回路がバッテリから受けた直流電力を所定の電圧に変換して電動オイルポンプを駆動する駆動モータへ供給することにより、吐出するオイルの量を調整することができる。
【0034】
しかしながら、上述のように電動オイルポンプを用いた構成では、駆動モータによる電力消費量が増加するため、車両のエネルギー効率を低下させる要因となる。また、ドライバ回路などの制御回路を必要とすることから、トランスミッション100を大型化および複雑化させるとともに、コストを増大させるという不具合が生じる。
【0035】
そこで、本実施の形態に従う油圧システムでは、ケース40内に滞留したオイルをオイルパン50に排出するための排出機構に、車両の走行中に生起される走行風を受けて回転する風力ポンプを用いる構成とする。
【0036】
具体的には、図1を参照して、ケース40内に滞留したオイルの排出機構は、オイルポンプ60と、オイルクーラー62と、回転体70と、油路64〜68とを含む。
【0037】
ケース40とオイルポンプ60との間に油路64が設けられ、オイルポンプ60とオイルクーラー62との間に油路66が設けられ、オイルクーラー62とオイルパン50との間に油路68が設けられる。すなわち、ケース40、オイルポンプ60、オイルクーラー62およびオイルパン50は、油路64〜68によって直列に接続される。
【0038】
なお、油路64は、オイルポンプ60の吸入口とケース40内部とを連通させるように設けられる。また、油路68は、オイルポンプ60の吐出口とオイルパン50とを連通させるように設けられる。
【0039】
オイルポンプ60は、オイルを循環させるためのポンプであって、図に示される矢印の方向にオイルを循環させる。オイルクーラー62は、油路64,66を通流してきたオイルを冷却する。オイルクーラー62によって冷却されたオイルは、油路68を介してオイルパン50に排出される。
【0040】
回転体70は、オイルポンプ60を駆動する駆動モータの回転軸72に接続されており、車両の走行風を受けて風のエネルギーを回転エネルギーに変換する。一例として、回転体70は、複数のブレードが接続されたハブを有しており、回転エネルギーがハブを回転させる。ハブの回転が回転軸72に伝達されることにより、駆動モータが回転駆動されてオイルポンプ60を駆動させる。
【0041】
これにより、オイルポンプ60の吐出能力は、回転軸72の回転速度、すなわち、回転体70の回転速度に応じて調整される。回転体70の回転速度は走行風の風速で決まることから、オイルポンプ60の吐出能力は、走行風の風速に応じて調整されることになる。
【0042】
このようにオイルポンプ60に風力ポンプを用いた構成としたことにより、本実施の形態に従う油圧システムによれば、ドライバ回路などの制御回路を設けることなく、吐出されるオイルの量を調整することができる。
【0043】
すなわち、走行風の風速は車両の走行速度(車速)に比例することから、車速が高くなるに従って、オイルポンプ60の吐出能力が高められることになる。そのため、車速が高い時には車速が低い時に比べて、摩擦係合装置200に供給されるオイルの量が増加するため、ケース40内に滞留するオイルの量も増加することになるが、オイルポンプ60が低車速時よりも高い吐出能力でケース40内からオイルを排出させることができる。その結果、クラッチドラム208の攪拌損失の増大を抑えることが可能となり、車両のエネルギー効率の低下および油温の上昇を回避することができる。
【0044】
また、車速が低い時には、ケース40内に滞留するオイルの量が少なくなる一方で、オイルポンプ60の吐出能力も高車速時よりも抑えられる。そのため、オイルポンプ60が空気を吸入するのを防止することができる。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、車速に応じて自動的にオイルポンプ60の吐出能力が調整されるため、ケース40内にオイルが滞留するのを効果的に抑制することができる。また、上述した電動オイルポンプを用いた構成と比較して、吐出されるオイルの量を制御するための制御回路が不要となる。その結果、車両のエネルギー効率の低下を抑制できる。また、トランスミッション100の大型化、複雑化およびコストの増加を抑えることができる。
【0046】
図2は、車両1におけるトランスミッション100および油圧システムの搭載構造を説明するための概略図である。詳細には、図2は、車両1のフロント回りの車体構造を示す斜視図である。
【0047】
図2を参照して、トランスミッション100は、車両1の前輪の近傍に搭載されている。トランスミッション100の鉛直下方にはオイルパン50が設けられている。
【0048】
オイルポンプ60は、トランスミッション100の外部に設けられる。オイルポンプ60の吸入口は、油路64を介してトランスミッション100に接続される。また、オイルポンプ60の吐出口は、油路68を介してオイルパン50に接続される。なお、油路64は、トランスミッション100のケース40内であって、オイルが滞留し易い部分に向けて開口された開口端を有する。図2の構造例では、油路64の開口端は、トランスミッション100のリヤカバー214に設けられている。
【0049】
回転体70は、複数のブレードが、車両1の走行時に生起される走行風が挿入される部分に対向するように配置される。これにより、回転体70は走行風のエネルギーを効率良く回転エネルギーに変換することが可能となる。そして、回転体70が走行風を受けて回転することにより、リヤカバー214の内側に滞留したオイルがオイルポンプ60によってオイルパン50に排出される。
【0050】
なお、本願発明の適用は、図1に示したトランスミッション100の構成に限定されるものではない。すなわち、摩擦係合装置に油圧を供給するオイルポンプを備える油圧回路構成を有するトランスミッションであれば、トランスミッションのケース内部とオイルパンとの間でオイルを循環させるための風力ポンプを設ける構成とすることによって、他の構成のトランスミッションについても本願発明を適用することができる。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の実施の形態に従う油圧システムを備える車両のパワートレーンを示す概略構成図である。
【図2】車両におけるトランスミッションおよび油圧システムの搭載構造を説明するための概略図である。
【符号の説明】
【0053】
10 エンジン、20 変速機構、30 トルクコンバータ、40 ケース、50 オイルパン、52 バルブボデー、60,220 オイルポンプ、62 オイルクーラー、64,66,68,82,84 油路、70 回転体、72 回転軸、100 トランスミッション、200 摩擦係合装置、202 インプットシャフト、204 遊星歯車機構、208 クラッチドラム、210 ディファレンシャル機構、212 アウトプットシャフト、214 リヤカバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源に接続された自動変速機の油圧システムであって、
前記駆動源から伝達された動力を受けて回転することにより、前記自動変速機の制御用の作動油を油路に供給する第1のオイルポンプと、
前記車両の走行中に生起される走行風を受けて回転することにより、前記油路に供給される前記作動油を循環させる第2のオイルポンプとを備える、油圧システム。
【請求項2】
前記第2のオイルポンプは、
前記走行風の風速に応じた回転速度で回転する回転体と、
前記回転体に連結されて回転駆動する駆動回路とを含む、請求項1に記載の油圧システム。
【請求項3】
前記自動変速機は、
油圧式の変速機構と、
前記変速機構を収納するためのケースと、
前記ケース下方に設けられ、前記作動油を貯留するためのオイルパンとを含み、
前記油圧システムは、
前記ケース内部と前記第2のオイルポンプの吸入口とを連通する第1の油路と、
前記オイルパンと前記第2のオイルポンプの吐出口とを連通する第2の油路とをさらに備える、請求項2に記載の油圧システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−257425(P2009−257425A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105916(P2008−105916)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】