説明

油圧駆動装置

本発明は、動作ピストン(3)により第1動作圧力室(4)と第2動作圧力室(5)とに分割される油圧シリンダ(1)を包含する油圧駆動装置に関連する。油圧駆動装置はさらに、第1コネクタ(10)により第1作用ライン(7)を介して第1動作圧力室(4)に、第2コネクタ(12)により第2作用ライン(13)を介して第2動作圧力室(5)に接続された第1油圧ポンプ(43)を備える閉鎖油圧回路(39)を包含する。加えて、第3コネクタ(11)により第1動作圧力室(4)に接続された第2油圧ポンプ(8)を備える開放油圧回路(40)が設けられる。第2油圧ポンプ(8)の第4コネクタ(14)は、油圧容器要素(75)に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧シリンダを備える油圧駆動装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
例えば移動式作業設備における延出アーム又はショベルの動作は、一般的に油圧により行われる。概して、両端部で油圧の供給が可能なピストンを備える油圧シリンダがこの目的で使用される。例えば延出アームへ動作を伝達するため、ピストンの片側にピストンロッドが装着されている。このピストンロッドのため、調整ピストンの動作中の供給量の変化は、調整ピストンの両側で異なる。そのため、対応の調整ピストン室へ出入する圧力媒体のポンプ供給は、調整ピストンの両側に形成された調整圧力室に合わせて適宜変更しなければならない。
【0003】
この目的のため閉回路と開回路の組合せを使用できることは、特許文献1からすでに知られている。調整ピストンの両側の調整圧力室は、ポンプ供給量を調節できるハイドロポンプを介して閉回路に接続されている。すなわち、同様に調節可能な第2ハイドロポンプの接続端部がピストン側の調整圧力室に接続されているのである。第2ハイドロポンプの第2端部は、真空ラインを介してタンク内部に接続されている。複動油圧シリンダ内の調整ピストンの動作に対応して、開回路に配置された第2ハイドロポンプにより対応の調整圧力室に対して様々な容量がポンプ供給又は排出される。
【0004】
この種の油圧シリンダの調整ピストンは一般的に油圧で制御されるため、ポンプ排出される圧力媒体は加圧状態に置かれる。様々な容量が第2ハイドロポンプを介して一移動方向にタンク内部へポンプ排出されるので、この圧力は減圧されなければならない。移動方向が逆転した場合に、この未使用減圧エネルギーを回収することはできない。逆に、タンク内部の圧力レベルに置かれた圧力媒体は、操作を加えることにより、調整圧力室に見られる圧力レベルに到達しなければならない。
【0005】
そのため上述したシステムは、開放されたエネルギーが未使用のままであり、移動逆転の場合に対応のエネルギーがハイドロポンプにより発生されなければならないという短所を持っている。これは不必要なエネルギー浪費につながる。
【特許文献1】独国出願公開第40 08 792 A1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため本発明の目的は、移動方向に放出されたエネルギーが蓄積され、後で移動方向が逆転した場合に再び放出される油圧駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、特許請求の範囲第1項に記載の油圧駆動装置により達成される。
【0008】
特許請求の範囲第1項に記載の油圧駆動装置の場合には、油圧シリンダの第1調整圧力室と第2調整圧力室とが、第1動作ライン及び第2動作ラインを介して、調節自在ハイドロポンプの第1接続部と、調節自在第1ハイドロポンプの第2接続部とに接続されている。そのため、第1ハイドロポンプは、油圧シリンダ及び動作ラインとともに閉鎖油圧回路を形成する。
【0009】
加えて、第2ハイドロポンプの第3接続部は油圧シリンダの第1調整圧力室に接続され、そのため付加的な開回路を形成する。第2ハイドロポンプの第4接続部は、油圧アキュムレータに接続されている。したがって、圧力媒体は油圧アキュムレータからポンプ排出されるかアキュムレータにポンプ供給され、この圧力媒体は、油圧シリンダの第1及び第2調整圧力室の様々な容量変化のため、閉回路から又は閉回路へポンプ供給されなければならない。油圧アキュムレータへ圧力媒体がポンプ供給されると、それによりエネルギーが蓄積され、これは油圧シリンダの調整ピストンの移動方向が逆転した場合に使用することができる。
【0010】
本発明による油圧駆動装置のさらに好都合な発展形は、従属の特許請求の範囲に提示される。
【0011】
第1ハイドロポンプのポンプ供給量が第2ハイドロポンプのポンプ供給量と合同で調節される場合には、本発明による油圧駆動装置を特に簡単な形で実現することができる。その結果、2台のハイドロポンプのコスト集約的な個別制御は必要ない。2台の独立したハイドロポンプの代わりに二重ハイドロポンプが使用される場合には、さらなる単純化が達成される。この場合、合計四つの接続部により閉回路と開回路の両方に供給を行う単一のピストン機構によって、閉回路と開回路が実現する。
【0012】
高いエネルギーを蓄積するため、油圧アキュムレータをハイドロ膜アキュムレータとして設けると特に好都合である。ハイドロ膜アキュムレータの使用により、蓄積可能な流体静力学的エネルギーは特に高い。それぞれの駆動装置の使用に応じて、ハイドロ膜アキュムレータを高圧アキュムレータとして設けると特に好都合である。しかし、蓄積圧力のためにこのような高機能が必要ない場合には、コスト面でより有利な低圧アキュムレータを使用できる。低圧アキュムレータの使用により、アキュムレータ圧力制限バルブなどの周辺構造要素が比較的低い圧力のために設計されるだけでよいというさらなる長所が得られる。
【0013】
第1及び第2ハイドロポンプ又は二重ハイドロポンプの機能が、延出アーム又はショベルの上昇、下降、対応動作のみに適していればよいように、別のポンプを補助ポンプとして設けると特に好都合である。対照的に、第1及び第2ハイドロポンプと無関係に、システム始動時にシステムを所与の始動圧力まで上げる補助ポンプを介して、不可避の漏出オイルのポンプ供給が実行される。特にエネルギーの蓄積から見ると、第2ハイドロポンプの第4接続部が接続されなければならないのはアキュムレータ及びアキュムレータ圧量制限バルブのみであるため、このように分離することは特に好都合である。そのため、例えば漏出によるエネルギー損失につながる別のバルブ又は装置は、エネルギー蓄積の領域で必要ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好適な実施例を図面に表し、以下でより詳細に説明する。図面は以下の通りである。
【0015】
作業ユニットにおける本発明による油圧駆動装置の第一実施例について、図1を参照して以下に説明する。
【0016】
図1は、作業ユニットに油圧シリンダ1とハイドロポンプ要素2とを備える本発明による油圧駆動装置の回路図を示す。油圧シリンダ1をピストン側の第1調整圧力室4とピストンロッド側の第2調整圧力室5とに分割する調整ピストン3が、油圧シリンダ1内に変位自在に取り付けられている。油圧ポンプユニット2の第1接続端部6は、第1動作ライン7を介して油圧シリンダ1の第1調整圧力室4に接続されている。ハイドロポンプユニット2は、シャフト9を介して機械的に相互接続された第1ハイドロポンプ43と第2ハイドロポンプ8とから成る。
【0017】
ハイドロポンプユニット2の第1接続端部6は、第1ハイドロポンプ43の第1接続部10と第2ハイドロポンプ8の第3接続部11とで構成される。第1ハイドロポンプ43の第2接続部12は、第2動作ライン13を介して油圧シリンダ1の第2調整圧力室5に接続されている。第2ハイドロポンプ8の第4接続部14は、油圧ライン15を介して油圧アキュムレータ75に接続されている。第2接続部12及び第4接続部14はともに、ハイドロポンプユニット2の第2接続端部78を形成する。第1ハイドロポンプ43は、第1ポンプ制御装置17を介して油圧流体の流れが制御される。類推できるように、第2ハイドロポンプ8は第2ポンプ制御装置18を介して油圧流体の流れが制御される。2台のポンプ制御装置17,18は、任意で、機械式、油圧式、空気式、電気式のいずれかによる制御が可能である。
【0018】
第1動作ライン7に過圧が見られる場合には、第1動作ライン7に入力で接続された第1圧力制限バルブ19が開く。第1動作ライン7の圧力は、油圧接続ライン21を介して第1圧力制限バルブ19の第1制御接続部20に印加される。第1動作ライン7の許容可能な最高圧力を調節するための調節ばね23の圧力が、第1制御接続部20を持つ第1圧力制限バルブ19の嵌合点22に印加される。調節ばね23の力と同じ作用方向において、第1圧力制限バルブ19の出力33での圧力が、油圧接続ライン31を介して第1圧力制限バルブ19の出力33に接続された第2制御接続部44に作用する。動作ライン7に過圧が生じると、第1圧力制限バルブ19の入力32と出力33との間の圧力差が、調節ばね23により設定された最大圧力差より大きい場合には、第1圧力制限バルブ19が開く。開いた第1圧力制限バルブ19により、第1及び第2動作ライン7,13を接続するライン38において第1圧力制限バルブ19と第2動作ライン13との間に接続された第1非可逆バルブ24を介して、第1動作ライン7の過圧は第2動作ライン13へ放出される。
【0019】
類推できるように、第2動作ライン13に過圧が見られると、第2動作ライン13に入力34で接続されて第1非可逆バルブ24に並列接続された第2圧力制限バルブ25が開く。第2動作ライン13の圧力は、油圧接続ライン27を介して第2圧力制限バルブ25の第1制御接続部26へ印加される。第2動作ライン13の許容可能な最高圧力を調節するための調節ばね29の圧力は、第2圧力制限バルブ25の嵌合点28に印加される。調節ばね29の圧力と同じ作用方向において、第2圧力制限バルブ25の出力37での圧力は、油圧接続ライン36を介して第2圧力制限バルブ25の出力37に接続された第2圧力制限バルブ25の第2制御接続部35に作用する。第2動作ライン13に過圧が生じると、第2圧力制限バルブ25の入力34と出力37との間の圧力差が調節ばね29により設定される最大圧力差より大きい場合には、第2圧力制限バルブ25が開く。開いた第2圧力制限バルブ25により、第2圧力制限バルブ25と第1動作ライン7との間においてライン38の第1圧力制限バルブ19と並列に配置された第2非可逆バルブ30を介して、第2動作ライン13の過圧が第1動作ライン7へ放出される。
【0020】
油圧シリンダ1と第1油圧ライン7と第2油圧ライン13とともに、第1油圧ポンプ43は閉鎖油圧回路39を形成する。第2ハイドロポンプ8は、開回路40を介して油圧シリンダ1のピストン側第1調整圧力室4へ供給を行う。このため、動作ライン岐路77を介して、第2ハイドロポンプ8の第2接続部11が第1動作ライン7、したがって第1調整圧力室4へ接続されている。
【0021】
油圧駆動装置により駆動される作業ユニットの可動部の必要な位置及び移動方向に応じて、油圧シリンダ1内で調整ピストン3が移動し、位置決めされる。油圧シリンダ1内で調整ピストン3を移動させ、位置決めするため、ハイドロポンプユニット2により、ポンプ流制御ユニットを介して、油圧シリンダ1の第1及び第2調整圧力室4,5へ対応量の油圧流体がポンプ供給される。調整ピストン3は片側に調整ピストンロッドを備えるため、調整ピストンが移動する場合に、第1調整圧力室4又は第2調整圧力室5で生じる容量変化は異なる。実質的には、閉回路内で調整ピストン3が図1の右へ移動した場合に、圧力媒体を第2動作ライン13及び第1動作ライン7を介して第2調整圧力室5からポンプ排出し、第1調整圧力室4へポンプ供給する第1ハイドロポンプ43により調整動作が行われる。二つの調整圧力室4,5の異なる容量変化の均衡を保つため、第1調整圧力室4でさらに必要とされる圧力媒体は開回路40を介して第1調整圧力室4へ供給される。第2調整圧力室5から第1調整圧力室4へ第1ハイドロポンプ43によりポンプ供給される圧力媒体に加えて、動作ライン岐路77を介して第2ハイドロポンプ8から第1調整圧力室4へ圧力媒体がポンプ供給される。
【0022】
このため、第2ハイドロポンプ8は、油圧アキュムレータ75に蓄積される圧力媒体を、油圧ライン15を介してポンプ供給する。
【0023】
油圧アキュムレータ75は、上述した動作方向と反対の動作により充填される。調整ピストン3が図1の左へ移動する場合には、第2調整圧力室5へポンプ供給されるよりも多くの圧力媒体が、第1ハイドロポンプ43により第1調整圧力室4からポンプ排出されなければならない。過圧媒体は、第2ハイドロポンプ8と油圧ライン15とにより油圧アキュムレータ75へポンプ供給される。油圧アキュムレータ75は、ハイドロ膜アキュムレータとして形成されることが好ましい。油圧アキュムレータ75へ圧力媒体を導入する際には、膜の裏側に設けられた気体内容物が圧縮されるため、油圧アキュムレータ75は、様々な圧力媒体の収容に使用されるばかりでなく、同時にエネルギー蓄積部にもなる。逆に、アキュムレータ75に収容された圧力媒体を第1調整圧力室4へポンプで戻すため調整ピストン3の移動方向に変化が見られる場合には、油圧アキュムレータ75に蓄積されたエネルギーが使用される。第2ハイドロポンプ8がタンク内部へ接続された開回路との相異により、例えば掘削機のショベルを下降する場合のエネルギーの放出は、スロットルを通した圧力媒体の放出により熱へ変換されずに、膜アキュムレータに蓄積される。したがって蓄積エネルギーを使用することができ、容量の均衡を保つため、無圧状態のタンク内部から圧力媒体を排出する必要がない。
【0024】
油圧アキュムレータ75は、アキュムレータ圧力制限バルブ76を介して、過剰に高いアキュムレータ圧力の発生を防ぐ。アキュムレータ圧力制限バルブ76は、入力端部において油圧分岐ライン15'を介して油圧ライン15に接続されている。ここで生じる圧力は、アキュムレータ圧力制限バルブ75の開放圧力を調節するための調節ばね79に、油圧接続ライン80を介して作用する。閾値を超えると、油圧ライン15はタンク内部16へ放出を行う。
【0025】
容量均衡に必要な圧力媒体流が第2ハイドロポンプによりタンク内部からまたタンク内部へポンプ供給される開放システムとの相違として、本発明による実施例の場合には、第2ハイドロポンプ8を介した漏出圧力媒体のポンプ供給は可能でない。そのため、タンク内部から真空ライン47を介して圧力媒体を引き出してこれを供給ライン46へポンプ供給する、やはりシャフト9により駆動される補助ポンプ41が設けられている。補助ポンプ41は、一方向のみにポンプ供給を行う定ポンプであることが好ましい。この種の定ポンプのポンプ供給力はシャフト9の回転速度に左右されるので、供給ライン46は第3圧力制限バルブ45により保護される。第3圧力制限バルブ45は、供給ライン岐路46'を介して供給ライン46に接続されている。調節ばね51は、第3圧力制限バルブ45の嵌合点50と当接する。供給ライン46及び供給ライン岐路46'に生じる圧力は、油圧接続ライン49を介して第3圧力制限バルブ45の制御入力48に反対方向に作用する。制御入力48における対応の油圧力が対向調節ばね51の力を超える場合には、第3圧力制限バルブ45が開いて、供給ライン46とタンク内部16との間の通過流接続を開放する。
【0026】
供給ライン46は、補助ポンプ41と反対側の端部においてライン38へ開口するため、供給ライン46よりも低い圧力が動作ライン7,13に生じると仮定すると、第1非可逆バルブ24又は第2非可逆バルブ30を介して、第2動作ライン13又は第1動作ライン7へ圧力媒体が供給される。
【0027】
図2は、本発明による作業ユニットの油圧駆動装置の第二実施例を示す。
【0028】
図2に図示された第二実施例のハイドロポンプユニット2は、二つの油圧回路、つまり第1接続部10及び第2接続部12を介して閉鎖油圧回路39と、第3接続部11及び第4接続部14を介して開放油圧回路40に供給を行う二重ハイドロポンプ52によって実現する。ここでは、共通のポンプ制御装置53を介して調整される分流軸方向ピストンポンプ79が使用されることが好ましい。
【0029】
ポンプ制御装置53の第1及び第2ポンプ調整圧力室54A,54Bのための調整圧力は、ポンプの流れを制限するため油圧スロットル64A,64Bが挿入された油圧ライン55A,55Bを介して供給され、四方・三方バルブとして設計された調節バルブ56で調節される。調節ばね58Aと電気制御式電磁石59Aとにより第1制御入力57Aにおいて、調節ばね58Bと電気制御式電磁石59Bとにより第2制御入力57Bにおいて調節バルブ56の制御力が発生する。調節バルブ56の入力60Aは、ポンプ流を制限するため油圧スロットル62が挿入された油圧接続ライン61を介して、補助ポンプ41の供給接続部42に接続されている。調節バルブ56の出力60Bは、タンク内部16に接続されている。第1及び第2制御入力57A,57Bにおける二つの電磁石59A,59Bの電気制御に応じて、第1ポンプ調整圧力室54Aは調整圧力に接続され、第2ポンプ調整圧力室54Bはタンク内部16に接続されるか、その逆になる。第1及び第2ポンプ調整圧力室54A,54Bの間の圧力は、調節ばね58A,58Bにより規定される調節バルブ56の休止位置で均衡を保つ。
【0030】
第1又は第2圧力制限バルブ19,25を介して過圧を開放する結果、油圧シリンダ1内の調整ピストン3の端部位置において本発明による油圧駆動装置に必要とされるよりも長く持続する油圧力の損失を回避するため、好ましくは第1動作ライン7と第2動作ライン13との間に圧力カットオフバルブ65が設けられる。この圧力カットオフバルブ65は、第1動作ライン7と第2動作ライン13との間に接続された圧力シャトルバルブ66を包含する。調整ピストン3が油圧シリンダ1内で端部位置にあるため第1動作ライン7又は第2動作ライン13に過圧が生じた場合、この過圧は圧力シャトルバルブ66の出力67に接続される。圧力シャトルバルブ66の出力67は、第4圧力制限バルブ69の制御入力68に接続される。第1動作ライン7又は第2動作ライン13の過圧のために、第4圧力制限バルブ69の制御入力68における圧力が、第4圧力制限バルブ69の嵌合点70で調節ばね71により調節自在な最高圧力よりも高い場合には、第4圧力制限バルブ69が開く。このようにして、調節バルブ56の入力60Aは、第4圧力制限バルブ69の入力に接続された油圧接続ライン72を介して、タンク内部に接続される。
【0031】
これは、調節バルブ56の入力60Aにおいてポンプ制御装置53のための調整圧力を低下させ、ポンプ制御装置53の調整ピストン74は休止位置へ向かう方向に変位する。その結果、二重ハイドロポンプ52のポンプ流量が制御され、第1動作ライン7又は第2動作ライン13の過圧が低下する。第1動作ライン7又は第2動作ライン13で所与の圧力に達すると、圧力シャトルバルブ66が再び閉じ、そのためポンプ制御装置53のための調整圧力の低下が終了する。
【0032】
油圧アキュムレータ75によるエネルギーの蓄積とその回収は、図1を参照して説明した方法に対応する。
【0033】
本発明は、提示された実施例に限定されない。すなわち、あらゆる実施例の特徴すべてを好都合な形で互いに組み合わせることができる。
【0034】
実施例として提示したのは、本発明を単純な形で説明したものである。特に、補助ポンプ41の回路において、油圧駆動装置の改良のため別の特徴が考えられる。例えば、システム全体を通して油圧流体をクリーニングするためのフィルタを補助ポンプの真空側に配置することが可能である。さらに、第3圧力制限バルブを介したタンク内部への圧力の放出は、冷却器を介して実行することができる。
【0035】
油圧アキュムレータは、低圧アキュムレータと高圧アキュムレータのいずれかとして設計できる。蓄積されるエネルギーによっては、低圧アキュムレータの使用が特に好都合である。例えば、低圧アキュムレータの使用中、油圧ライン15の圧力は低く維持される。これは、アキュムレータ圧力制限バルブ76を対応して設計することにつながる。さらに、第2ハイドロポンプ8に関して、圧力媒体は油圧ライン15を通り油圧アキュムレータ75まで高い圧力レベルでポンプ供給される必要はない。
【0036】
逆に、実現可能な高い圧力のため、高圧アキュムレータには大量のエネルギーを蓄積できる。いずれの場合にも、ポンプ供給された圧力媒体を供給するための補助ポンプ41が供給ライン46を介して第1動作ライン7又は第2動作ライン13へ直接ポンプ供給するため、損失が減少する。そのため、アキュムレータに油圧エネルギーを蓄積するためのアキュムレータシステムとのコスト集約的な組合せは必要ない。そのため接続ライン15は、圧力媒体による油圧アキュムレータ75の充填のため、あるいは、蓄積された圧力媒体の排出のためのみに使用される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による油圧駆動装置の第一実施例の回路図を示す。
【図2】本発明による油圧駆動装置に第二実施例の回路図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整ピストン(3)により第1調整圧力室(4)と第2調整圧力室(5)とに分割される油圧シリンダ(1)と、
第1接続部(10)により第1動作ライン(7)を介して前記第1調整圧力室(4)に接続されるとともに、第2接続部(12)により第2動作ライン(13)を介して前記第2調整圧力室(5)に接続される第1ハイドロポンプ(43)を包含する閉鎖油圧回路(39)と、
第3接続部(11)により前記第1調整圧力室(4)に接続される第2ハイドロポンプ(8)を包含する開放油圧回路(40)とを備えて、
前記第2ハイドロポンプ(8)の第4接続部(14)が、油圧アキュムレータ(75)に接続されることを特徴とする、油圧駆動装置。
【請求項2】
前記第1ハイドロポンプ(43)と前記第2ハイドロポンプ(8)のポンプ供給量が合同で調節されることを特徴とする請求項1に記載の油圧駆動装置。
【請求項3】
前記第1ハイドロポンプ(43)と前記第2ハイドロポンプ(8)とが二重ハイドロポンプ(79)として形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧駆動装置。
【請求項4】
前記油圧アキュムレータ(75)がハイドロ膜アキュムレータであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の油圧駆動装置。
【請求項5】
前記油圧アキュムレータ(75)が低圧アキュムレータであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の油圧駆動装置。
【請求項6】
前記油圧アキュムレータ(75)が高圧アキュムレータであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の油圧駆動装置。
【請求項7】
前記第1ハイドロポンプ(43)及び前記第2ハイドロポンプ(8)に加えて、圧力媒体の供給のため前記第1動作ライン(7)及び/又は前記第2動作ライン(13)に接続することのできる補助ポンプ(41)が設けられることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の油圧駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−524535(P2008−524535A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547270(P2007−547270)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013388
【国際公開番号】WO2006/066760
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(500055278)ブルーニンガウス ハイドロマティック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク (14)
【氏名又は名称原語表記】BRUENINGHAUS HYDROMATIK GMBH
【Fターム(参考)】