説明

治療剤の送達のための陰イオンコア組成物およびその製造ならびに使用方法

本発明は、保護鎖および陰イオン基を有するポリマー骨格、ならびに陽イオン性治療剤を含む組成物を対象とする。本発明は、感染症、炎症疾患、過剰増殖、ならびに損傷細胞および損傷臓器を処置するための組成物を対象とする。本発明の一態様では、モノマーユニットを含むポリマー骨格、ポリマー骨格に共有結合的に連結した保護鎖、ポリマー骨格のモノマーユニットに共有結合的に結合したカルボキシレート、サルフェート、スルホネート、またはホスフェートの陰イオン基、および中間のイオン(金属など)を伴うことなく直接陰イオン基に静電気的に連結した積荷分子を含む組成物が提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーユニットを含むポリマー骨格と、
該ポリマー骨格に共有結合的に連結した保護鎖と、
該ポリマー骨格のモノマーユニットに化学単結合によって共有結合的に結合した、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、およびカルボキシルからなる群から選択される陰イオン基(単数または複数)メンバーと、
中間の金属イオンを伴うことなく該陰イオン基に静電相互作用によって直接連結した積荷分子であって、
i)細胞浸透性ペプチドを含み、
ii)陰イオン結合ドメインを含み、または
iii)7.3超の等電点を有する
積荷分子と
を含む組成物。
【請求項2】
前記積荷分子と前記陰イオン基の前記静電相互作用が、イオン相互作用から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記保護側鎖がポリ(エチレングリコール)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリ(エチレングリコール)がアルコキシポリ(エチレングリコール)である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記アルコキシポリ(エチレングリコール)がメトキシポリ(エチレングリコール)である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリマー骨格が非生体モノマーを含む、請求項1から5に記載の組成物。
【請求項7】
前記非生体モノマーが、ポリエチレンイミン、ポリメチルアクリル酸、ポリアクリル酸、およびポリアリルアミンから選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリマー骨格がポリアミノ酸を含む、請求項1から5に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリアミノ酸が、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリシステイン、ポリセリン、ポリトレオニン、およびポリチロシンからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリアミノ酸がポリリシンである、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリマー骨格が多糖を含む、請求項1から5に記載の組成物。
【請求項12】
前記多糖が、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、カラゲナン、ペクチン、ヒアルロナン、フコイダン、およびデキストランからなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記多糖がヘパリンである、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記多糖がコンドロイチン(chondriotin)である、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
前記積荷分子が、(i)ペプチド、(ii)タンパク質、および(iii)小有機分子からなる群から選択される、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項16】
前記積荷分子が、塩基性アミノ酸(リシンおよびアルギニン)の数から酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)の数を引いた数が2以上である5〜10アミノ酸の細胞浸透性の連続した配列を含むペプチドまたはタンパク質である、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項17】
前記積荷分子が、塩基性アミノ酸であるリシンおよびアルギニンの全数から酸性アミノ酸であるグルタミン酸およびアスパラギン酸の数を引いた数が2以上である5〜10アミノ酸の細胞浸透性の連続した配列を含むペプチドまたはタンパク質である、請求項13から14に記載の組成物。
【請求項18】
前記ペプチド中の前記細胞浸透性の連続した配列が、1)Lys−Lys−Lys−Lys、2)Lys−Lys−Lys−Arg、3)Lys−Lys−Arg−Lys、4)Lys−Lys−Arg−Arg、4)Lys−Arg−Arg−Lys、5)Lys−Arg−Arg−Arg、および5)Arg−Arg−Arg−Argからなる群から選択される配列を含み、任意のアミノ酸は、D異性体であっても、L異性体であってもよく、提示された該配列の配向は、アミノからカルボキシであっても、カルボキシルからアミノであってもよい、請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
前記積荷分子が抗感染薬である、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項20】
前記積荷分子が、リゾスタフィン、インターフェロン、および配列番号12〜45からなる群から選択される作用物質のいずれか1つを含む、請求項13から14に記載の組成物。
【請求項21】
前記積荷分子がリゾスタフィンである、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項22】
前記積荷分子がリゾスタフィンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項23】
前記積荷分子がリゾスタフィンである、請求項14に記載の組成物。
【請求項24】
アモキシシリン、アンピシリン、アジドシリン、アズロシリン、アズトレオナム、バシタシン、ベンザチンベンジルペニシリン、ベンザチンフェノキシメチルペニシリン、ベンジルペニシリン(G)、ビアペネム、カルベニシリン、セファセトリル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロニウム、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セファトリジン、セファゼドン、セファザフルール、セファゾリン、セフラジン、セフロキサジン、セフテゾール、セファクロル、セファマンドール、セフミノクス、セフォニシド、セフォラニド、セフォチアム、セフプロジル、セフブペラゾン、セフロキシム、セフゾナム、セファマイシン(セフォキシチン、セフォテタン、セフメタゾールなど)、カルバセフェム(ロラカルベフなど)、セフカペン、セフダロキシム、セフジニル、セフジトレン、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフチブテン、セフチオレン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、オキサセフェム(フロモキセフ、ラタモキセフなど)、セフェピム、セフォゾプラン、セフピロム、セフキノム、セフトビプロール、クロロアムフェニコール、クロロヘキシジン、クリンダマイシン、クロメトシリン、クロキサシリン、コリスチン、シクロセリン、ダプトマイシン、ドリペネム、ドキシサイクリン、エピシリン、エルタペネム、エリスロマイシン、ファロペネム、ホスホマイシン、ゲンタマイシン、イミペネム、リネゾリド、メシリナム、メロペネム、メチシリン(methicillin)、メチシリン(meticillin)、メズロシリン、ミノサイクリン、ムピロシン、ナフシリン、ネオマイシン、オキサシリン、パニペネム、ペナメシリン、フェネチシリン、フェノキシメチルペニシリン(V)、ピペラシリン、ポリミキシン、ポリミキシンB、プロカインベンジルペニシリン、プロピシリン、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、ラモプラニン、リファンピシン、リファンピン、スルベニシリン、テイコプラニン、チゲサイクリン、チゲモナム、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、およびバンコマイシンから選択される抗生物質をさらに含む、請求項20から23に記載の組成物。
【請求項25】
前記積荷分子が、配列番号1〜59を含む、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項26】
前記積荷分子が、配列番号1〜59を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項27】
前記積荷分子が、配列番号1〜59を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項28】
前記積荷分子が、配列番号34を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項29】
前記積荷分子が、配列番号34を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項30】
前記積荷分子が、配列番号31を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項31】
前記積荷分子が、配列番号31を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項32】
前記積荷分子が抗炎症剤である、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項33】
前記積荷分子が、(i)配列番号1の最後の11アミノ酸、(ii)配列番号5の最後の8アミノ酸、(iii)配列番号7の最後の12アミノ酸、(iv)配列番号9の最後の10アミノ酸、または(v)配列番号10の最後の14アミノ酸からなる群から選択される抗炎症性ペプチドを含む、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項34】
前記積荷分子が、(i)配列番号1の最後の11アミノ酸、(ii)配列番号5の最後の8アミノ酸、(iii)配列番号7の最後の12アミノ酸、(iv)配列番号9の最後の10アミノ酸、または(v)配列番号10の最後の14アミノ酸からなる群から選択される抗炎症性ペプチドを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項35】
前記積荷分子が、(i)配列番号1の最後の11アミノ酸、(ii)配列番号5の最後の8アミノ酸、(iii)配列番号7の最後の12アミノ酸、(iv)配列番号9の最後の10アミノ酸、または(v)配列番号10の最後の14アミノ酸からなる群から選択される抗炎症性ペプチドを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項36】
前記積荷分子が、配列番号1〜11からなる群から選択される抗炎症性ペプチドを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項37】
前記積荷分子が成長因子または抗アポトーシス剤である、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項38】
前記積荷分子が成長因子または抗アポトーシス剤である、請求項13に記載の組成物。
【請求項39】
前記積荷分子が成長因子または抗アポトーシス剤である、請求項14に記載の組成物。
【請求項40】
前記成長因子または抗アポトーシス剤が、配列番号31〜34、配列番号46〜49、線維芽細胞成長因子(FGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、肝細胞成長因子(HGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、神経成長因子(NGF)、および血小板由来成長因子(PDGF)から選択されるペプチド配列を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項41】
前記成長因子がFGFである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項42】
前記FGFがbFGFである、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記成長因子がEGFである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項44】
前記成長因子がヘパリン結合性EGFである、請求項39に記載の組成物。
【請求項45】
前記成長因子がHGFである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項46】
前記成長因子がVEGFである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項47】
前記成長因子がTGF−βである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項48】
前記成長因子がTGF−αである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項49】
前記成長因子がNGFである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項50】
前記成長因子がPDGFである、請求項38から39に記載の組成物。
【請求項51】
前記積荷分子が、細胞増殖阻害剤、瘢痕成長阻害剤、またはアポトーシス促進剤である、請求項1から14に記載の組成物。
【請求項52】
前記積荷分子が、細胞増殖阻害剤、瘢痕成長阻害剤、またはアポトーシス促進剤である、請求項13に記載の組成物。
【請求項53】
前記積荷分子が、細胞増殖阻害剤、瘢痕成長阻害剤、またはアポトーシス促進剤である、請求項14に記載の組成物。
【請求項54】
前記細胞増殖阻害剤、瘢痕成長阻害剤、またはアポトーシス促進剤が、配列番号50〜59、およびインターフェロンから選択される配列を含む、請求項52から53に記載の組成物。
【請求項55】
請求項1から54から選択される組成物と、
薬学的に許容可能な賦形剤と
を含む薬学的組成物。
【請求項56】
薬学的組成物を投与する方法であって、請求項55に記載の薬学的組成物を被験体に注射するステップを含む方法。
【請求項57】
感染の処置を必要とする被験体における感染を処置する方法であって、請求項19から31から選択される有効量の組成物を前記被験体に投与するステップを含む方法。
【請求項58】
炎症の処置を必要とする被験体における炎症を処置する方法であって、請求項32から37から選択される有効量の組成物を前記被験体に投与するステップを含む方法。
【請求項59】
前記炎症が関節炎に関連する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記炎症がクローン病に関連する、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記炎症が関節リウマチに関連する、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記炎症が慢性炎症性腸疾患に関連する、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記炎症が潰瘍性大腸炎に関連する、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記炎症が多発性硬化症に関連する、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記炎症が糖尿病に関連する、請求項58に記載の方法。
【請求項66】
増殖またはアポトーシス予防の必要のある被験体における臓器損傷または細胞損傷を処置する方法であって、請求項38から51から選択される有効量の組成物を前記被験体に投与するステップを含む方法。
【請求項67】
前記臓器損傷または細胞損傷が放射線傷害によって引き起こされる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記臓器損傷または細胞損傷が腸におけるものである、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記臓器損傷または細胞損傷が骨髄におけるものである、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記臓器損傷または細胞損傷が肝臓におけるものである、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記臓器損傷または細胞損傷が心臓におけるものである、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記臓器損傷または細胞損傷が心筋梗塞によって引き起こされる、請求項66に記載の方法。
【請求項73】
前記臓器損傷または細胞損傷が自己免疫疾患によって引き起こされる、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記自己免疫疾患が1型糖尿病に関連する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
増殖阻害剤またはアポトーシス誘導物質を使用して、細胞異常増殖または癌の処置を必要とする被験体における細胞異常増殖または癌を処置する方法であって、請求項45から47に記載の有効量の組成物を前記被験体に投与するステップを含む方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−504579(P2013−504579A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528881(P2012−528881)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/048145
【国際公開番号】WO2011/031771
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(508078053)ファーマイン コーポレーション (4)
【氏名又は名称原語表記】PHARMAIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】720 Broadway, Suite 511,Seattle, Washington 98122 (US)
【Fターム(参考)】