説明

治療化合物

本発明は、CCR5関連疾患及び障害の治療の際に有効な、例えばHIV感染の予防又は治療の際に有効な、そして後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療の際に有効な下式(I)及び(Ia)の化合物に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)は、免疫系、特にCD4T細胞の破壊を特徴とし、日和見感染への易罹患性を伴う疾患である後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、及び、その前駆症状であって持続性全身性リンパ腺腫、発熱及び体重減少などの症状を特徴とする症候群であるAIDS関連症候群(「ARC」)の病原体である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
CD4に加えて、HIVは、標的細胞中へ侵入するためのコレセプターを必要とする。ケモカインレセプターは、HIVのためのコレセプターとして、CD4と一緒に機能する。ケモカインレセプターCXCR4及びCCR5は、HIV−1のための主要なコレセプターと同定された。CCR5は、宿主細胞中へのマクロファフージ指向性HIVの融合及び侵入のための主要なコレセプターとして機能する。これらのケモカインレセプターは、HIV感染症の確立及び伝播において基本的役割を果たすと考えられる。従って、CCR5拮抗剤は、HIVに対して活性のある治療剤として有用であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
我々は、HIV感染症の治療において治療薬として有効な化合物を発見した。
【0004】
本発明は、下式(I)
【化1】

【0005】

(I)
{式中:

(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである];又は
(c)C(O)R14
である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルである;
10は、水素、ハロゲン及びC1−6アルキルから成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基である;
11は、C1−6アルキル及びC(O)R15から成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基で任意に置換されるヘテロシクリルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を特徴としている。
【0006】
式(I)の化合物は、HIV複製の阻害、HIV感染の予防、HIV感染の治療ならびにAIDS及び/又はARCの治療において有用である。本発明は更に、単剤療法又は他の抗ウイルス剤、抗感染剤、免疫調整剤、抗生剤若しくはワクチンとの組み合わせによる、AIDSの治療法、HIV感染の予防法、及びHIV感染の治療法を特徴としている。本発明はまた、CCR5関連疾患及び症状の予防又は治療に有用な、式(I)の化合物を含む医薬組成物も特徴としている。本発明は更に、式(I)の化合物を製造する方法も特徴としている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、下式(I):
【化2】

【0008】


(I)
{式中:

(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである];又は
(c)C(O)R14
である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルである;
10は、水素、ハロゲン及びC1−6アルキルから成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基である;
11は、C1−6アルキル及びC(O)R15から成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基で任意に置換されるヘテロシクリルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を特徴としている。
【0009】
本発明は、式(I):
{式中、

(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];又は
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである]である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である;
10は水素である;
11は、C1−6アルキル及びC(O)R15から成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基で任意に置換されるヘテロシクリルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を特徴としている。
【0010】
本発明は、式(I):
{式中、R
(a)S(O)12[式中、R12は、CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリールであるか;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)である];
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である;
10は水素である;
11は、C1−6アルキル及びC(O)R15から成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基で任意に置換されるヘテロシクリルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を特徴としている。
【0011】
本発明は、式中R11がベンズイミダゾリル又はトリアゾリルである式(I)の化合物を特徴としている。
【0012】
また、本発明は、下式(Ia)
【化3】

【0013】


(Ia)
{式中、

(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである];又は
(c)C(O)R14
である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩も特徴としている。
【0014】
本発明は、式(Ia):
{式中、R
(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)である];又は
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである]である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を特徴としている。
【0015】
本発明は、式(Ia):
{式中、Rは、(a)S(O)12[式中、R12は、CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリールであるか;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)である];
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を特徴としている。
【0016】
本発明は、上記の式(I)又は(Ia)(式中、Rは水素、ハロゲン、又はC1−6アルキルである)で表される化合物を特徴としている。
【0017】
本発明は、上記の式(I)又は(Ia)(式中、RはC1−6アルキルである)で表される化合物を特徴としている。
【0018】
本発明は、上記の式(I)又は(Ia)(式中、Rはメチルである)で表される化合物を特徴としている。
【0019】
本発明は、上記の式(I)又は(Ia)(式中、RはC1−6アルキルである)で表される化合物を特徴としている。
【0020】
本発明は、上記の式(I)又は(Ia)(式中、Rはメチルである)で表される化合物を特徴としている。
【0021】
本発明は:
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル};
Nメチル−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
3−シアノ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
4−シアノ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}メタンスルホンアミド;
3−[({4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミノ)スルホニル]ベンズアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾキサゾール−6−スルホンアミド;
4−[({4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミノ)スルホニル]ベンズアミド;
ジメチル{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミドホスフェート;
2,2,2−トリフルオロ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}エタンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}−4−モルホリンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(5−アセチル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
N−シクロブチル−N′−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}スルファミド;
N−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−N′−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}スルファミド;
4,4−ジフルオロ−N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド;
3,3−ジフルオロ−N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロブタンカルボキサミド;
N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
Nメチル−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
4,4−ジフルオロ−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
4,4−ジフルオロ−Nメチル−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
4,4−ジフルオロ−N−(2−メチル−4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(2−メチル−4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド;
Nメチル−N−{(2S)−2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
から成る群より選択される化合物及びそれらの薬学的に許容可能な塩を特徴としている。
【0022】
用語「アルキル」は、単独で、又は他の用語との組み合わせで、指定された数の炭素原子を含有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味している。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、及びn−ヘキシルなどが挙げられるが、それらに限定されない。用語「シクロアルキル」は、任意の化学的に不活性な配置で3−6個の炭素から構成されている飽和又は部分的に飽和している炭素環を意味している。好適な炭素環式基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘキセニルが挙げられる。用語「アリール」は、単独又は他の用語と組み合わせて、指定された数の炭素原子、好ましくは6−14個の炭素原子、より好ましくは6−10個の炭素原子を含有する炭素環式芳香族部分(例えばペンチル又はナフチル)を指す。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びフェナントリジニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。特に断らない限り、また、用語「アリール」は、芳香族炭化水素基の可能なそれぞれの位置異性体、例えば1−ナフチル、2−ナフチル、5−テトラヒドロナフチル、6−テトラヒドロナフチル、1−フェナントリジニル、2−フェナントリジニル、3−フェナントリジニル、4−フェナントリジニル、7−フェナントリジニル、8−フェナントリジニル、9−フェナントリジニル及び10−フェナントリジニルも包含する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びフェナントリジニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で使用される用語「複素環」、「複素環式」及び「ヘテロシクリル」は、3〜7員の単環式複素環又は8〜11員の二環式複素環系で、その任意の環は、飽和、部分的に飽和又は不飽和のいずれかであり、且つ単環式ならば任意にベンゾ縮合し得るものを指している。各複素環は、1個又は複数の炭素原子と、N、O及びSから成る群より選択される1〜4個のヘテロ原子とから成っていて、そしてその場合、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化することができ、そして、窒素原子は、任意に四級化することができ、そして、上で定義した複素環の任意のものがベンゼン環へと縮合される任意の二環式基を含む。複素環は、結果的に安定な構造の形成をもたらすならば、任意の炭素原子又はヘテロ原子と結合させることができる。
【0023】
好ましい複素環としては、5〜7員環の単環式複素環及び8〜10員環の二環式複素環が挙げられる。結果的に安定な化学構造をもたらすならば、複素環が置換基を有する時、ヘテロ原子又は炭素原子にかかわらず、置換基は、環中のあらゆる原子に結合され得ると理解される。用語「複素環式芳香族」又は「ヘテロアリール」は、上で定義した複素環の範囲に包含され、一般的には複素環を指しており、そしてその複素環においては、環系は、5〜20個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含む芳香族の単環式又は多環式の環基であり、且つ、1個又は複数の環炭素、好ましくは1〜4個の環炭素は、それぞれ、N、O、S及びPなどのようなヘテロ原子によって置換されている。好適なヘテロアリール基としては、5〜6員環単環式ヘテロアリール及び8〜10員環二環式ヘテロアリールが挙げられる。また、用語「複素環」、「複素環式」又は「ヘテロシクリル」の範囲に含まれるものは、非芳香族ヘテロ原子含有環が1個又は複数の芳香環に縮合している基、例えばインドリニル、クロマニル、フェナントリジニル、又はテトラヒドロキノリニルであり、ここで基又は結合の位置は非芳香族ヘテロ原子含有環上にある。特に断らない限り、用語「複素環」、「複素環式」又は「ヘテロシクリル」には、複素環式基の可能なそれぞれの位置異性体、例えば1−インドリニル、2−インドリニル、3−インドリニルを含む。複素環の例としては、イミダゾリル、イミダゾリノイル、イミダゾリジニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、インダゾリノリル、ペルヒドロピリダジル、ピリダジル、ピリジル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラジニル、キノキソリル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、フリル、チエニル、トリアゾリル、チアゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、チアゾリジニル、ベンゾフラノイル、ベンズイミダゾリル、チアモルホリニルスルホン、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、イソキソゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、チアゾリル、チアジアゾイル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオリル、チオフェニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、テトラヒドロピラノジヒドロフラニル、シヒドロピラニル、テトラヒドロフロフラニル及びテトラヒドロピラノフラニルが挙げられる。用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、又は硫黄原子を意味し、且つ、窒素の任意の酸化型、例えばN(O){N−O}、硫黄の任意の酸化型、例えばS(O)及びS(O)、そして任意の塩基性窒素の四級化形態を含む。
【0024】
式(I)及び(IIa)の化合物は、HIV複製の阻害、HIV感染の予防、HIV感染の治療ならびにAIDS及び/又はARCの治療において有用である。本発明は更に、単剤療法又は他の抗ウイルス剤、抗感染剤、免疫調整剤、抗生剤若しくはワクチンとの組み合わせによる、AIDSの治療法、HIV感染の予防法、及びHIV感染の治療法を特徴としている。本発明はまた、CCR5関連疾患及び症状の予防又は治療に適する、式(I)又は(Ia)の化合物を含む医薬組成物も特徴としている。本発明は更に、式(I)又は(Ia)の化合物を製造する方法も特徴としている。用語「薬学的に有効な量」とは、単剤療法又は他の薬剤との組み合わせで、患者におけるCCR5関連疾患、例えばウイルス感染、例えばHIV感染を治療するのに有効な本発明の組成物の量を意味している。
【0025】
本明細書において用いる用語「治療」とは、患者における特定疾患の症状の緩和、又は特定疾患に関連した確認可能な測定値の改善を意味し、また無症状の患者(例えばウイルス感染が潜伏状態にある患者)における症状の再発を抑制することも含まれ得る。「予防」という用語は、患者における、疾患若しくは症状の予防、又はそのような疾患若しくは症状の徴候発生の予防を意味している。本明細書で使用する「患者」という用語は哺乳動物を意味し、ヒトも含まれる。用語「薬学的に許容可能な担体」とは、式(I)又は(Ia)の化合物と一緒に患者に投与することができ、且つ、化合物の薬理学的活性を壊さず、治療量の治療剤を送達するのに十分な用量で投与した際に無毒である担体を意味している。
【0026】
式(I)又は(Ia)の化合物の薬学的に許容可能な塩としては、薬学的に許容可能な無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものが挙げられる。好適な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、グルタミン酸、マレイン酸、マンデル酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、オロチン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。他の酸、例えばシュウ酸は、それら自体は薬学的に許容されないとしても、式(I)又は(Ia)の化合物又はその薬学的に許容可能な酸付加塩を得る際の中間物として有用な塩の調製に使用され得る。
【0027】
適当な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウム、NW(式中、WはC1−4アルキルである)及び他のアミン塩が挙げられる。水素原子又はアミノ基の生理学的に許容可能な塩としては、例えば酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸及びコハク酸などの有機カルボン酸の塩;例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸の塩;ならびに、塩酸、硫酸、リン酸及びスルファミン酸などの無機酸の塩が挙げられる。ヒドロキシ基を有する化合物の生理学的に許容可能な塩としては、Na、NH、及びNW(式中、WはC1−4アルキル基である)などの適当なカチオンと組み合わされた前記化合物のアニオンが挙げられる。
【0028】
式(I)又は(Ia)の化合物の塩は、当業者に公知の方法で製造できる。例えば、式(I)又は(Ia)の化合物を適当な溶媒中で適当な塩基又は酸で処理すると、対応する塩が得られる。
【0029】
本発明は、例えばHIV感染などのウイルス感染及び関連症状の治療又は予防のための、薬物療法で使用するための式(I)又は(Ia)の化合物を特徴としている。本明細書における治療への言及は、確立された感染、徴候及び関連する臨床症状(例えば、AIDS関連症候群(ARC)、カポジ肉腫、及びエイズ痴呆など)の治療のみならず予防にも及び得る。
【0030】
本発明は、CCR5関連疾患又は症状、例えばウイルス感染、例えばHIV感染の治療又は予防のための医薬の製造における式(I)又は(Ia)の化合物の使用を特徴としている。
【0031】
別の態様に従って、本発明は、感染動物(例えばヒトを含む哺乳動物)におけるウイルス感染の徴候又は影響の治療法又は予防法を提供するが、その方法は、薬学的に有効な量の式(I)又は(Ia)の化合物で動物を治療することを含む。本発明の一つの態様では、ウイルス感染はレトロウイルス感染であり、特にHIV感染である。
【0032】
また、本発明による式(I)又は(Ia)の化合物は、HIV感染又はHIVに関連する徴候又は影響(例えばカポジ肉腫)の治療におけるアジュバント療法で使用することもできる。
【0033】
また、式(I)又は(Ia)の化合物は、他のCCR5関連疾患及び症状の予防又は治療で使用することもでき、そうした疾患及び症状には、神経因性疼痛、多発性硬化症、関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、関節リウマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球体疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚若しくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、及び免疫性障害が含まれる。
【0034】
本発明は、更に動物(例えばヒトを含む哺乳動物)における臨床症状を治療する方法も提供するが、ここで臨床症状には本明細書に記載したものが含まれ、この治療法は薬学的に有効な量の式(I)の化合物で動物を治療することを含む。本発明はまた、上記した疾患又は症状のいずれかを治療又は予防する方法も含む。更なる態様において、本発明は、上記のウイルス感染又は症状のいずれかを治療又は予防するための医薬の製造における式(I)又は(Ia)の化合物の使用を提供する。
【0035】
式(I)又は(Ia)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、上記の感染又は症状を治療するための他の治療剤と併用できる。本発明による併用療法は、式(I)又は(Ia)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩及び別の薬学的に活性な薬剤を投与することを含む。活性成分及び薬学的に活性な薬剤は、同一の又は異なる医薬組成物として同時に、又は連続的に任意の順序で投与できる。活性成分(1種又は複数種)及び薬学的に活性な薬剤(1種又は複数種)の量、ならびに投与の相対的なタイミングは、所望の併用治療効果を達成するように選択する。
【0036】
このような治療剤の例としては、ウイルス感染又は関連する症状の治療に有効な薬剤が挙げられる。これらの治療剤の中では、非環式ヌクレオシド、例えばアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、及びペンシクロビル非環式ヌクレオシドホスホネート、例えば(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニル−メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)−2,2−ジメチルプロピオン酸(ビス−POM PMEA、アデフォビルジピボキシル)、[[(1R)−2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、及び(R)−[[2−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−1−メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス−(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス−POC−PMPA)、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば3´−アジド−3´−デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2´,3´−ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2´,3´−ジデオキシアデノシン、2´,3´−ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2´,3´−ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(−)−シス−1−(2−ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン5−イル)−シトシン(ラミブジン)、シス−1−(2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロシトシン(FTC))(−)−シス−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(アバカビル)、及びリバビリン、プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビル、チプラナビル、インターフェロン、例えばα−インターフェロン、免疫調節剤、例えばインターロイキンII又はサイモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4及びその遺伝子操作された誘導体、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、例えばネビラピン(BI−RG−587)、α−((2−アセチル−5−メチルフェニル)アミノ)−2,6−ジクロロ−ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1−[3−(イソプロピルアミノ)−2−ピリジル]−4−[5−(メタンスルホンアミド)−1H−インドール−2−イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(S)−6−クロロ−4−(シクロプロピルエチニル)1、4−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)2H−3、1−ベンゾキサジン−2−オン(エファビレンツ、DMP 266)、リルピビリン、インテグラーゼ禁止剤、又は融合阻害剤、例えばT−20及びT−1249である。
【0037】
更に、本発明は、少なくとも別の治療剤(例えば本明細書中で既に定義したもの)と同時に又は連続的に投与するための医薬の製造における式(I)又は(Ia)の化合物の使用を含む。
【0038】
式(I)又は(Ia)の化合物は、化合物の代謝を阻害又は減少させることが知られている薬剤、例えばリトナビルなど、と一緒に投与してもよい。従って、本発明は、式(I)又は(Ia)の化合物を代謝阻害剤と組み合わせて投与することによる、本明細書に記載した疾患の治療法又は予防法を特徴としている。このような組み合わせは、同時又は連続的に投与することができる。
【0039】
一般に、上記の各症状のための適当な用量は、例えば、0.01〜250mg/レシピエント(ヒトを含む)の体重1kg/日の範囲であり、0.1〜100mg/kg(体重)/日の範囲であり、0.5〜30mg/kg(体重)/日の範囲であり、又は1.0〜20mg/kg(体重)/日の範囲である。特に断らない限り、活性成分のすべての重量は、式(I)又は(Ia)を親化合物として計算される;その塩やエステルについては、重量は比例的に大きくなる。所望の用量は、一日を通して適切な時間間隔をおいて投与される1、2、3、4、5、6回又はそれ以上の分割用量として提供してもよい。場合によっては、所望の用量を隔日で与えてもよい。これらの分割用量は、単位投与剤形として投与することができ、例えば単位投与剤形あたり10〜1000mg又は50〜500mg、20〜500mg、又は50〜400mgの活性成分を含む。
【0040】
活性成分を単独で投与することは可能であるが、それを医薬組成物として与えることはより好ましい。本発明の組成物は、上で定義した少なくとも1種の活性成分を、1種又は複数種の許容可能な担体と、そして任意に他の治療剤と、一緒に含む。各担体は、組成物の他の成分と適合性であり、且つ、患者に有害ではないという意味で、許容されるものでなければならない。
【0041】
医薬組成物としては、経口、直腸、経鼻、局所(経皮、口腔及び舌下を含む)、経膣又は非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内、及び硝子体内を含む)投与に適当なものが挙げられる。これらの組成物は、都合の良いことに、単位投与剤形で投与でき、また製薬技術分野で公知の方法で調製できる。このような方法は、本発明の更なる特徴を表し、活性成分を、1種又は複数種の補助成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、組成物は、活性成分を、液状担体若しくは微細な固形担体又はその両方と、均一に且つ密接に会合させ、次いで必要ならばその生成物を成形することにより調製される。
【0042】
更に、本発明は、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な誘導体と別の治療剤とが、キットの一部として互いに別々に提供される、本明細書で定義した医薬組成物を含む。
【0043】
経皮投与に適した組成物は、長時間にわたりレシピエントの表皮と密接に接触し続けるように適合させた個別のパッチとして提供することができる。このようなパッチは、好適には、活性化合物を、1)任意に緩衝処理された水溶液中に、又は2)接着剤中に溶解及び/又は分散させた状態で、又は3)ポリマーに分散させた状態で含む。活性化合物の適当な濃度は、約1%〜25%、好ましくは約3%〜15%である。一つの具体的な可能性として、活性化合物は、Pharmaceutical Research 3(6),318(1986)に一般的に記載されているような、エレクトロトランスポート法(electrotransport)又はイオン浸透法(iontophoresis)によりパッチから送達できる。
【0044】
経口投与に適する本発明の医薬組成物は、各々が所定量の活性成分を含むカプセル、カシェ又は錠剤といった個別の単位として;散剤あるいは顆粒として;水性液体又は非水性液体中の溶液又は懸濁液として;あるいは水中油型乳濁液又は油中水型乳濁液として提供できる。活性成分はまた、ボーラス剤、舐剤、又はペースト剤として提供してもよい。
【0045】
錠剤は、任意には1種又は複数種の補助成分と一緒に、圧縮又は成形により製造できる。圧縮錠剤は、粉末又は顆粒などの自由流動形態の活性成分と、バインダー(例えばポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤又は分散剤とを任意に混合したものを適当な加工機械で圧縮することにより調製できる。成形錠剤は、粉末化した化合物を不活性な液体希釈剤で湿潤させた混合物を、適当な加工機械で成形することにより製造できる。錠剤は、任意にコーティングしたり刻み目をつけたりしてもよく、また、所望の放出特性を付与するために、例えば様々な比率でヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、中に含有されている活性成分の徐放又は制御放出を提供するように製剤化できる。錠剤は、任意に、胃とは別の腸の部位での放出を提供するために、腸溶コーティングを施すことができる。
【0046】
口腔内の局所投与に適した医薬組成物には、風味をつけた基剤(通常はスクロース及びアカシア又はトラガカント)中に活性成分を含むロゼンジ剤;不活性な基剤(例えばゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア)中に活性成分を含むトローチ剤;ならびに適当な液状担体中に活性成分を含む口腔洗浄剤が挙げられる。
【0047】
経膣投与に適当な医薬組成物は、活性成分に加え、当業で適当であると知られているような担体を含有する、ペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤、又はスプレー剤として提供することができる。
【0048】
直腸投与のための医薬組成物は、例えばカカオ脂若しくはサリチレート、又は当業で一般的に使用されている他の材料を含む適当な担体を有する坐剤として提供できる。坐剤は、活性成分と軟化又は溶融された担体(1種又は複数種)とを混合し、次いで冷やし、そして型で成形することにより、都合よく製造できる。
【0049】
非経口投与に適する医薬組成物としては、抗酸化剤、バッファ、静菌剤、及び医薬組成物を指定されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含むことができる水性及び非水性の等張無菌注射溶液;懸濁化剤及び増粘剤を含むことができる水性及び非水性の無菌懸濁液;ならびに、化合物が血液成分又は1つ若しくは複数の器官を標的とするように設計されるリポソーム又は他の微粒子系が挙げられる。医薬組成物は、単回用量又は複数回用量の密閉容器、例えばアンプル及びバイアルで提供することができ、また、使用の直前に、無菌の液状担体(例えば注射用の水)を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存できる。即席の注射溶液及び懸濁液は、上記したような無菌の粉末、顆粒及び錠剤から調製できる。
【0050】
単位投与量の医薬組成物としては、本明細書で上記したような、活性成分の一日量若しくは一日分の分割量、又はその適当な部分を含有するものが挙げられる。
【0051】
特に上記した成分に加え、本発明の医薬組成物は、対象の医薬組成物のタイプを考慮して、当業分野において慣用の他の作用剤を含んでもよく、例えば経口投与に適する作用剤としては、甘味料、増粘剤及び香料などの更なる作用剤が含まれる、と理解すべきである。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は、例示のみを意図したものであり、いかなる場合でも本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【0053】
実施例1:N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}
【化4】

【0054】

CHCl(3.0mL)中中間物6(105mg、0.27mmol)溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL、0.68mmol)を加え、次いで、フェニルスルホニルクロリド(0.045mL、0.34mmol)を加え、そしてその溶液を、18時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。
【0055】
反応を、真空中で濃縮し、0〜5%CHCl/MeOHで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(80mg、収率56%)を得た。
【0056】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 7.70 − 7.78(m,3H),7.53 − 7.64(m,3H),7.49(d,J = 7.33Hz,1H),7.38(d,J = 7.33Hz,1H),7.25 − 7.31(m,2H),7.16 − 7.22(m,3H),7.07 − 7.16(m,2H),4.54 − 4.67(m,1H),3.21 − 3.29(m,2H),2.80 − 3.00(m,3H),2.51(s,3H),2.29 − 2.44(m,2H),1.85 − 2.01(m,5H),1.79(t,J = 12.28Hz,2H),1.52 − 1.68(m,3H).HRMS:(M + H) calcd for C3136S + H,529.2632; found,529.2632。
【0057】
中間物6の調製
【化5】

中間物2
エチル3−シアノ−3−フェニルプロパノエート
【化6】

【0058】

エタノール(150mL)及び水(18mL)中ジエチル(フェニルメチリデン)プロパンジオエート(15.0g、60.4mmol)溶液に対してシアン化カリウム(4.3g、66.4mmol)を加え、そしてその溶液を、18時間、70℃に加熱した。その反応を、室温まで冷却し、ジエチルエーテル(900mL)で希釈し、水(900mL)そしてブラインで洗浄し、そして有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮して、白色固体として2(9.01g、収率73%)を得た。
【0059】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.27 − 7.49(m,5H)4.50(dd,J=8.61,6.05Hz,1H)4.06(q,J=7.09Hz,2H)3.03 − 3.17(m,1H)2.85 − 3.01(m,1H)1.14(t,J=7.15Hz,3H). ES−LCMS: m/z 204.13(M + H)
【0060】
中間物3
4−ヒドロキシ−2−フェニルブタンニトリル
【化7】

【0061】

乾燥THF(200mL)中エチル3−シアノ−3−フェニルプロパノエート2(8.0g、39.4mmol)溶液に対して、THF(40mL)中2M溶液としてLiBH4を加え、そしてその溶液を、2時間、窒素雰囲気下で65℃に加熱した。その反応を、室温まで冷却し、飽和NaHCO(800mL)に注ぎ、10分間撹拌し、そしてEtOAc(2×600mL)で抽出した。有機相を集め、乾燥(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、20〜75%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、透明な油状物として3(3.72g、収率59%)を得た。
【0062】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.23 − 7.44(m,5H)4.75(t,J=4.94Hz,1H)4.19(dd,J=8.97,6.59Hz,1H)3.33 − 3.55(m,2H)1.78 − 2.12(m,2H). ES−LCMS: m/z 162.12(M + H)
【0063】
中間物4
4−オキソ−2−フェニルブタンニトリル
【化8】

【0064】

乾燥CHCl(100mL)中4−ヒドロキシ−2−フェニルブタンニトリル3(2.0g、12.4mmol)溶液に対して、デスマーチンペルヨージナン(Dess−Martin Periodinane)(10.5g、24.8mmol)を加え、そしてその溶液を、1時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、Na(350mL)と飽和NaHCO(200mL)との水溶液に注入し、10分間撹拌した。その溶液を、CHCl(2×200mL)で抽出し、有機層を組み合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。残留物を、20〜75%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、薄い黄色の油状物として4(1.75g、収率89%)を得た。
【0065】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 9.63(s,1H)7.24 − 7.53(m,5H)4.54(dd,J=8.71,5.59Hz,1H)3.15(d,J=5.68Hz,1H)3.10(d,J=5.50Hz,1H). ES−LCMS: m/z 158.19(M − H)
【0066】
中間物5
4−[3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブタンニトリル
【化9】

【0067】

乾燥CHCl(20mL)中4−オキソ−2−フェニルブタンニトリル4(375mg、2.3mmol)溶液に対して、国際公開第WO 2000/038680 A1号に記載されているようにして調製した1−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール7(660mg、2.6mmol)を加え、次いで、NaBH(OAc)3(1.0g、4.6mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、室温で、18時間撹拌した。その反応を、KCO水溶液(50mL)中に注ぎ、CHCl(2×50mL)で抽出した。有機層を組み合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。残留物を、0〜10%酢酸エチル/メタノールで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、灰色がかった白色の固体として5(618mg、収率70%)を得た。
【0068】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.35 − 7.51(m,6H)7.26 − 7.35(m,1H)7.00 − 7.16(m,2H)4.67 − 4.83(m,1H)4.36(dd,J=8.33,5.59Hz,1H)3.32(br. s.,2H)2.50(s,3H)2.24(t,J=6.23Hz,2H)1.98 − 2.11(m,3H)1.87 − 1.98(m,1H)1.82(t,J=12.45Hz,2H)1.59 − 1.75(m,2H). ES−LCMS: m/z 385.35(M + H)
【0069】
1−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール7は、国際公開第WO 2004/054974号又はJournal of Medicinal Chemistry(2008)、51(20)、6538−6546で開示されている手順に従って作ってもよい。
【0070】
中間物6
4−[3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニル−1−ブタナミン
【化10】

【0071】

無水エタノール(20mL)中4−[3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブタンニトリル5(610mg、1.6mmol)溶液に対して、濃アンモニア水(3.5mL)を加え、次いで、一スパチュラのラネーニッケルを加え、そして、その混合物を、18時間、50psiのフィッシャー−ポーター装置で水素化した。反応はTLCによって完了したことを確認した。その反応を、セライトで濾過し、真空中で濃縮すると、白色固体として6(613mg、収率99%)を得た。その固体は、更に精製せずに、次の反応で使用した。
【0072】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.47(d,J=7.15Hz,1H)7.38(d,J=7.33Hz,1H)7.29(d,J=7.33Hz,2H)7.15 − 7.26(m,3H)7.10(dd,J=16.04,1.19Hz,2H)4.49 − 4.68(m,1H)2.73(br. s.,2H)2.56 − 2.67(m,1H)2.25 − 2.42(m,4H)1.86 − 2.15(m,8H)1.71 − 1.86(m,3H)1.54 − 1.71(m,4H). ES−LCMS m/z 389.34(M + H)
【0073】
実施例2:N−メチル−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
【化11】

【0074】

乾燥CHCl(3mL)中中間物14(90mg、0.28mmol)溶液に対して、1−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール7(660mg、2.6mmol)を加え、次いで、NaBH(OAc)3(120mg、0.56mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、室温で、18時間撹拌した。その反応を、水性飽和NaHCO中に注ぎ、そしてCHClで抽出した。有機層を組み合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。残留物を、0〜10%酢酸エチル/メタノールで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、白色固体として表題化合物(95mg、収率63%)を得た。
【0075】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 7.72(d,J = 7.51Hz,2H),7.64 − 7.69(m,1H),7.59(t,J = 7.92Hz,2H),7.49(d,J = 7.94Hz,1H),7.38(d,J = 7.91Hz,1H),7.19 − 7.34(m,6H),7.06 − 7.15(m,2H),4.56 − 4.67(m,1H),3.19 − 3.29(m,3H),3.01 − 3.16(m,3H),2.58(s,3H),2.30 −2.44(m,3H),2.04(t,J = 6.97Hz,2H),1.93 − 1.99(m,3H),1.76 − 1.87(m,3H),1.59 − 1.70(m,4H).HRMS:(M + H) calcd for C3238S + H,543.2788; found,543.2789。
【0076】
中間物14の調製
【化12】

中間物8
エチル4−アミノ−3−フェニルブタノエート塩酸塩
【化13】

【0077】

エタノール(70mL)中エチル3−シアノ−3−フェニルプロパノエート2(9.27g、45.6mmol)に対して、濃塩酸(2.4mL)を加え、次いで炭素(1.0g)上10%パラジウムを加え、そしてその反応を、80psiで18時間水素化した。その混合物を、セライトで濾過し、そして真空濃縮した。その残留物を、エーテル中で粉砕し、それを濾過して、白色固体として2(2つのクロップで4.97g、45%)を得た。
【0078】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.85(br. s.,3H)7.16 − 7.38(m,5H)3.91(qd,J=7.09,2.75Hz,2H)3.05 − 3.17(m,1H)2.95 − 3.04(m,1H)2.88(dd,J=15.95,5.50Hz,1H)2.61(dd,J=16.04,9.62Hz,1H)1.01(t,J=7.15Hz,3H). ES−LCMS: m/z 208.33(M + H)
【0079】
中間物9
エチル3−フェニル−4−[(フェニルスルホニル)アミノ]ブタノエート
【化14】

【0080】

乾燥CHCl(60mL)中エチル4−アミノ−3−フェニルブタノエート塩酸塩8(3.0g、12.3mmol)懸濁液に対して、フェニルスルホニルクロリド(1.6mL、12.3mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(6.5mL、36.9mmol)を加え、そしてその溶液を、18時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、CHClに注入し、0.1NのHClで洗浄し、有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。その残留物を、10〜60%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、9(3.94g、92%)を得た。
【0081】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.71(d,3H)7.51 − 7.64(m,3H)7.21 − 7.29(m,2H)7.10 − 7.21(m,3H)3.87(qd,J=7.09,2.93Hz,2H)3.06 − 3.18(m,1H)2.90(br. s.,2H)2.74(dd,J=15.76,5.50Hz,1H)0.99(t,J=7.15Hz,3H)ES−LCMS: m/z 348.22(M + H)
【0082】
中間物10
N−(4−ヒドロキシ−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド
【化15】

【0083】

乾燥THF(100mL)中エチル3−フェニル−4−[(フェニルスルホニル)アミノ]ブタノエート9(3.94g、11.3mmol)溶液に対して、THF(11.3mL)中2M溶液として水素化ホウ素リチウムを加え、そしてその反応を、2時間、窒素雰囲気下、65℃に加熱した。その反応を、室温まで冷却し、pH8のバッファ(400mL)中に注ぎ、そして10分間撹拌した。水層を酢酸エチルによって抽出し、そして有機層を乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、定量的収率で油状物として10を得た。
【0084】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.69(d,J=7.33Hz,2H)7.44 − 7.62(m,4H)7.18 − 7.29(m,2H)7.11 − 7.18(m,1H)7.08(d,J=7.14Hz,2H)4.31(t,J=4.94Hz,1H)3.10 − 3.20(m,1H)3.00 − 3.10(m,1H)2.84(t,J=6.13Hz,2H)2.69 − 2.81(m,1H)1.74 − 1.87(m,1H)1.42 − 1.59(m,1H). ES−LCMS: m/z 306.13(M + H)
【0085】
中間物11
N−(4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド
【化16】

【0086】

乾燥CHCl(70mL)中N−(4−ヒドロキシ−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド 10(3.45g、11.3mmol)溶液に対して、イミダゾール(1.92g、28.2mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(160mg、1.3mmol)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(2.21g、14.7mmol)を加え、そしてその反応を、20分間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。反応は、CHClに注入し、そして水性KCO及び水で順次洗浄した。有機層を乾燥(NaSO)させ、真空中で濃縮した。その残留物を、5〜50%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、11(4.17g、88%)を得た。
【0087】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.73(d,J=7.02Hz,2H)7.48 − 7.68(m,4H)7.26(d,J=7.62Hz,2H)7.15 − 7.22(m,1H)7.12(d,J=7.02Hz,2H)3.34 − 3.44(m,1H)3.18 − 3.29(m,1H)2.90(br. s.,2H)2.76 − 2.86(m,1H)1.82 − 1.95(m,1H)1.54 − 1.66(m,1H)0.80(s,9H)−0.10(d,J=5.82Hz,6H). ES−LCMS: 420.15 m/z(M + H)
【0088】
中間物12
N−(4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルブチル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド
【化17】

【0089】

乾燥THF(10mL)中N−(4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド 11(419mg、1.0mmol)の溶液に対して、鉱油中60%懸濁液として水素化ナトリウム(48mg、1.2mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下で1時間、室温で撹拌した。次いで、ヨウ化メチル(0.25mL、4.0mmol)を加え、反応を室温で2.5時間撹拌した。飽和NaHCOを加え、その反応を10分間撹拌した。その反応を酢酸エチルと水とに分配し、水層を分離し、そして有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して、黄色油状物として定量的収率で12を得た。
【0090】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.62 − 7.74(m,3H)7.53 − 7.62(m,2H)7.25 − 7.34(m,2H)7.14 − 7.24(m,3H)3.38 − 3.50(m,2H)3.12 − 3.23(m,1H)2.95 − 3.08(m,2H)2.52(s,3H)1.89(br. s.,1H)1.66(br. s.,1H)0.81(s,6H)−0.08(d,J=5.68Hz,9H). ES−LCMS: 434.20 m/z(M + H)
【0091】
中間物13
N−(4−ヒドロキシ−2−フェニルブチル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド
【化18】

【0092】

乾燥THF(5mL)中N−(4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルブチル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド 12(432mg、1.0mmol)の溶液に対して、氷酢酸(0.75mL)を加え、次いでTHF(1.5mL)中1M溶液としてテトラブチルアンモニウムフルオリドを加え、そしてその溶液を、18時間、室温で撹拌した。その反応を、飽和NaHCO中に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥(MgSO)させ、真空中で濃縮して、定量的収率で13を得た。
【0093】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.62 − 7.74(m,3H)7.52 − 7.62(m,2H)7.23 − 7.33(m,2H)7.14 − 7.24(m,3H)4.38(t,J=5.13Hz,1H)3.09 − 3.27(m,3H)2.93 − 3.08(m,2H)2.52(s,3H)1.84(br. s.,1H)1.64(br. s.,1H). ES−LCMS: 320.11 m/z(M + H)
【0094】
中間物14
N−メチル−N−(4−オキソ−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド
【化19】

【0095】

乾燥CHCl(12mL)中N−(4−ヒドロキシ−2−フェニルブチル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド 13(317mg、1.0mmol)溶液に対して、デスマーチンペルヨージナン(840mg、2.0mmol)を加え、そしてその溶液を、1.5時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、NaO3(30mL)と飽和NaHCO(15mL)との水溶液に注ぎ、10分間撹拌した。その溶液をCHClで抽出し、その有機層を組み合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。残留物を、10〜70%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、透明な油状物として14(269mg、収率85%)を得た。
【0096】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 9.59(t,J=1.65Hz,1H)7.63 − 7.76(m,3H)7.53 − 7.63(m,2H)7.24 − 7.36(m,4H)7.15 − 7.24(m,1H)3.45 − 3.59(m,1H)3.11 − 3.20(m,1H)3.01(dd,J=13.20,7.52Hz,1H)2.86(dd,J=5.96,1.37Hz,1H)2.73(dd,J=8.34,2.11Hz,1H)2.56(s,3H)。
【0097】
実施例3:3−シアノ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
【化20】

【0098】

乾燥CHCl(1mL)中3−シアノベンゼンスルホニルクロリド(39mg、0.19mmol)溶液に対して、乾燥CHCl(2mL)中中間物6(75 mg、0.19 mmol)溶液を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.085mL、0.48mmol)を加え、そしてその溶液を、1時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。
【0099】
その反応を、真空中で濃縮し、0〜5%CHCl/MeOHで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(77mg、収率73%)を得た。
【0100】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 8.08(d,J = 8.98Hz,2H),8.02(d,J = 8.25Hz,1H),7.93(t,J = 5.87Hz,1H),7.76(t,J = 7.88Hz,1H),7.48(d,J = 7.33Hz,1H),7.38(d,J = 7.33Hz,1H),7.23 − 7.29(m,2H),7.14 − 7.21(m,3H),7.06 − 7.13(m,2H),4.53 − 4.65(m,1H),3.19 − 3.29(m,2H),2.95 − 3.09(m,2H),2.78 − 2.87(m,1H),2.50(s,3H),2.28 − 2.42(m,2H),1.89 − 2.01(m,4H),1.74 − 1.88(m,3H),1.52 − 1.67(m,3H).HRMS:(M + H) calcd for C3235S + H,554.2584; found,554.2586。
【0101】
実施例4:4−シアノ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
【化21】

【0102】

乾燥CHCl(1mL)中4−シアノベンゼンスルホニルクロリド(39mg、0.19mmol)溶液に対して、乾燥CHCl(2mL)中中間物6(75 mg、0.19 mmol)溶液を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.085mL、0.48mmol)を加え、そしてその溶液を、1時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜5%CHCl/MeOHで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(80mg、収率76%)を得た。
【0103】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 8.00 − 8.05(m,overlapping signals,3H),7.87(d,J = 8.61Hz,2H),7.48(d,J = 7.33Hz,1H),7.38(d,J = 7.33Hz,1H),7.26(t,J = 7.15Hz,2H),7.14 − 7.21(m,3H),7.06 − 7.14(m,2H),4.53 − 4.65(m,1H),3.19 − 3.28(m,2H),2.92 − 3.06(m,2H),2.80 − 2.88(m,1H),2.50(s,3H),2.28 − 2.42(m,2H),1.90 − 2.00(m,4H),1.74 − 1.88(m,3H),1.52 − 1.68(m,3H). HRMS:(M + H) calcd for C3235S + H,554.2584; found,554.2588。
【0104】
実施例5:N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}メタンスルホンアミド
【化22】

【0105】

乾燥CHCl(1.5mL)中中間物6(60mg、0.15mmol)溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.065mL、0.38mmol)を加え、そしてその溶液を0℃に冷却した。乾燥CHCl(1mL)中メタンスルホニルクロリド(0.012mL、0.15mmol)溶液を加え、そして、その反応を室温まで温め、そして、1時間、窒素雰囲気下で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜5%CHCl/MeOHで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(46mg、収率66%)を得た。
【0106】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 7.46(d,J = 7.51Hz,1H),7.36(d,J = 7.87Hz,1H),7.29(t,J = 7.33Hz,2H),7.23(d,J = 7.14Hz,2H),7.18(t,J = 7.14Hz,1H),7.00 − 7.12(m,3H),4.53 − 4.65(m,1H),3.05 − 3.19(m,2H),2.84 − 2.93(m,1H),2.72(s,3H),2.48(s,3H),2.27 − 2.42(m,2H),1.98 − 2.06(m,2H),1.87 − 1.98(m,3H),1.77(t,J = 11.35Hz,2H),1.56 − 1.67(m,3H). HRMS:(M + H) calcd for C2634S + H,467.2481; found,467.2487。
【0107】
実施例6:3−[({4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミノ)スルホニル]ベンズアミド
【化23】

【0108】

実施例3の表題化合物(65mg、0.12mmol)を、アセトン(1mL)と水(0.5mL)の中に溶かした。その溶液に対して、過酸化尿素(110mg、1.2mmol)を加え、次いでKCO(5mg、0.036mmol)を加え、そしてその反応を、2時間、室温で撹拌した。反応は、LC−MSによって殆ど完了したことを確認した。その反応を水中に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥(MgSO)させ、真空中で濃縮した。残留物は、10〜90%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相HPLCによって精製した。表題化合物(37mg、収率54%)が、白色固体(KCOで遊離塩基とされる)として得られた。
【0109】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 8.24(s,1H)8.16(br. s.,1H)8.05(d,J=7.69Hz,1H)7.85(d,J=7.87Hz,1H)7.79(t,J=5.68Hz,1H)7.61(t,J=7.69Hz,1H)7.55(br. s.,1H)7.46(d,J=7.51Hz,1H)7.35(d,J=7.69Hz,1H)7.24(t,J=7.14Hz,2H)7.10 − 7.20(m,3H)7.08(t,J=7.97Hz,2H)4.48 − 4.64(m,1H)3.13 − 3.25(m,2H)2.85 − 3.06(m,2H)2.79(br. s.,2H)2.47(s,3H)2.24 − 2.42(m,2H)1.91(d,J=6.59Hz,4H)1.43 − 1.68(m,2H). HRMS:(M + H) calcd for C3237S + H,572.2695; found,572.2687。
【0110】
実施例7:N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾキサゾール−6−スルホンアミド
【化24】

【0111】

乾燥CHCl(1mL)中2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾキサゾール−6−スルホニルクロリド(35mg、0.15mmol)溶液に対して、乾燥CHCl(2mL)中中間物6(60mg、0.15 mmol)溶液を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.065mL、0.38mmol)を加え、そしてその溶液を、1時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜5%CHCl/MeOHで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって、次いで10〜90%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相HPLCによって精製して、TFA塩として表題化合物(56mg、収率53%)を得た。
【0112】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 12.11(s,1H)9.21(br. s.,1H)7.74(d,J=5.49Hz,2H)7.66(s,1H)7.49 − 7.59(m,2H)7.46(br. s.,2H)7.28(t,J=7.23Hz,2H)7.18(t,J=8.88Hz,3H)5.04(br. s.,1H)3.95 − 4.16(m,2H)2.80 − 3.05(m,2H)2.69(s,3H)2.17(br. s.,3H). HRMS:(M + H) calcd for C3235S + H,586.2488; found,586.2480。
【0113】
実施例8:4−[({4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミノ)スルホニル]ベンズアミド
【化25】

【0114】

t−ブタノール(1mL)中実施例4の表題化合物(63mg、0.11mmol)の懸濁液に対して、1MのNaOH(0.28mL)を加え、そしてその反応を2時間室温で撹拌し、次いで2時間80℃に加熱した。その反応を、室温まで冷却し、酢酸エチルとpH8のバッファ溶液とに分配した。その有機層を乾燥(MgSO)させ、そして真空中で濃縮した。その残留物を、10〜90%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相HPLCによって、精製した。表題化合物(40mg、収率63%)が、白色固体(KCOで遊離塩基とされる)として得られた。
【0115】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 8.13(s,1H),8.00(d,J = 8.43Hz,2H),7.79 − 7.87(m,3 H),7.58(s,1H),7.48(d,J = 7.33Hz,1H),7.38(d,J = 8.07Hz,1H),7.24 − 7.31(m,2H),7.15 − 7.23(m,3H),7.06 − 7.14(m,2H),4.53 − 4.65(m,1H),3.18 − 3.26(m,2H),2.90 − 3.02(m,2H),2.80 −2.89(m,1H),2.50(s,3H),2.29 − 2.43(m,3H),1.90 − 1.99(m,3H),1.73 − 1.87(m,3H),1.50 − 1.68(m,3H). HRMS:(M + H) calcd for C3237S + H,572.2690; found,572.2690。
【0116】
実施例9:ジメチル{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミドホスフェート
【化26】

【0117】
乾燥CHCl(1.5mL)中中間物6(65mg、0.17mmol)溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.075mL、0.42mmol)を加え、そしてその反応を0℃に冷却した。ジメチルクロリドホスフェート(0.018mL、0.17mmol)溶液を加え、そして、その反応を、室温まで温め、窒素雰囲気下で1時間撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜6%のCHCl/MeOHで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(36mg、収率43%)を得た。
【0118】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 7.46(d,J = 7.51Hz,1H),7.36(d,J = 7.51Hz,1H),7.28(t,J = 7.32Hz,2H),7.13 − 7.23(m,3H),7.04 − 7.13(m,2H),4.87 − 4.96(m,1H),4.52 − 4.65(m,1H),3.36(dd,J = 24.87,11.17Hz,6H),2.82− 3.02(m,3H),2.73 − 2.82(m,1H),2.48(s,3H),2.26 − 2.42(m,2H),1.86 − 2.04(m,5H),1.72 − 1.82(m,3H),1.54 − 1.67(m,3H). HRMS:(M + H) calcd for C2737P + H,497.2676; found,497.2676。
【0119】
実施例10:2,2,2−トリフルオロ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}エタンスルホンアミド
【化27】

【0120】

乾燥CHCl(1.5mL)中中間物6(65mg、0.17mmol)溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.075mL、0.42mmol)を加え、そしてその溶液を0℃に冷却した。2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルクロリド(0.019mL、0.17mmol)溶液を加え、そして、その反応を、室温まで温め、窒素雰囲気下で1時間撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜6%のCHCl/MeOHで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(33mg、収率37%)を得た。
【0121】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 7.83(t,J = 5.49Hz,1H),7.46(d,J = 7.51Hz,1H),7.36(d,J = 7.51Hz,1H),7.26 − 7.33(m,2H),7.16 − 7.26(m,3H),7.03 − 7.13(m,2H),4.54 − 4.66(m,1H),4.14 − 4.25(m,2H),3.06 − 3.21(m,3H),2.92(br s,1H),2.48(s,3H),2.27 − 2.42(m,2H),1.87 − 2.05(m,5H),1.77(t,J = 11.35Hz,2H),1.55 − 1.69(m,2H),1.21(t,J = 6.04Hz,2H). HRMS:(M + H) calcd for C2733S + H,535.2349; found,535.2348。
【0122】
実施例11:N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
【化28】

【0123】

乾燥CHCl(2.5mL)中中間物17(102mg、0.25mmol)溶液に対して、国際公開第WO 2005/101989 A2号に記載されているようにして調製した3−[(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(61mg、0.25mmol)を加え、次いでNaBH(OAc)3(106mg、0.5mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、室温で、18時間撹拌した。その反応を、水性KCO中に注ぎ、CHClで抽出し、その有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。その残留物を、0〜5%CHCl/メタノールで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。次いで、その残留物を、CHCl(1.5mL)中に溶かし、そしてトリフロ酢酸(0.3mL)を加え、そして、その反応を3.5時間室温で撹拌した。その反応を、水性KCO中に注ぎ、CHClで抽出し、その有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮して、白色固体として表題化合物(108 mg、82%)を得た。
【0124】
1H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 8.79(s,1H),8.26(d,J = 4.82Hz,1H),7.71 − 7.79(m,4H),7.51 − 7.66(m,5H),7.25 − 7.35(m,3H),7.15 − 7.25(m,3H),4.65(br s,1H),2.80 − 3.02(m,4H),2.59(s,3H),1.84 − 2.03(m,5H),1.52 − 1.84(m,5H). HRMS:(M + H) calcd for C3035S + H,530.2584; found,530.2584。
【0125】
中間物17の調製
【化29】

中間物15
1,1−ジメチルエチル(4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルブチル)(フェニルスルホニル)カルバメート
【化30】

【0126】

乾燥DMF(60mL)中N−(4−{[(1、1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド11(2.67g、6.3mmol)溶液を0℃に冷却し、そして、鉱油中水素化ナトリウムの懸濁液(280mg、7.0mmol)を加え、そして、その反応を、窒素雰囲気下、0℃で10分間及び室温で30分間撹拌した。ジ−tert−ブチルジカルボネート(1.73g、8.0mmol)を加え、そしてその反応を室温で1時間撹拌した。水(5mL)を加え、その反応を酢酸エチル中に注いだ。有機相を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして真空下で濃縮した。その残留物を、5〜40%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、油状物として15(1.82g、55%)を得た。
【0127】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.64 − 7.78(m,3H)7.56(t,J=7.72Hz,2H)7.32(t,J=7.32Hz,2H)7.12 − 7.28(m,3H)3.97(d,J=7.62Hz,2H)3.50(br. s.,1H)3.28(br. s.,2H)1.98(br. s.,1H)1.79(br. s.,1H)1.16(s,9H)0.83(s,9H)−0.07(d,J=14.05Hz,6H). ES−LCMS: m/z 542.15(M + Na)
【0128】
中間物16
1,1−ジメチルエチル(4−ヒドロキシ−2−フェニルブチル)(フェニルスルホニル)カルバメート
【化31】

【0129】

乾燥THF(20mL)中1,1−ジメチルエチル(4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−フェニルブチル)(フェニルスルホニル)カルバメート15(1.82g、3.5mmol)の溶液に対して、氷酢酸(2.6mL)を加え、次いでTHF(5.2mL)中1M溶液としてテトラブチルアンモニウムフルオリドを加え、そしてその溶液を、18時間、室温で撹拌した。その反応を、飽和NaHCO中に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を、乾燥(MgSO)させ、真空中で濃縮して定量的収率で16を得た。
【0130】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.63 − 7.77(m,3H)7.55(t,J=7.62Hz,2H)7.30(t,2H)7.15 − 7.27(m,3H)4.45(t,J=4.92Hz,1H)3.97(d,J=7.62Hz,2H)3.24 − 3.30(m,1H)3.18(br. s.,2H)1.81 − 1.94(m,1H)1.68 − 1.81(m,1H)1.16(d,J=2.41Hz,9H). ES−LCMS: 451.23 m/z(M + HCO
【0131】
中間物17
1,1−ジメチルエチル(4−オキソ−2−フェニルブチル)(フェニルスルホニル)カルバメート
【化32】

【0132】

乾燥CHCl(40mL)中1,1−ジメチルエチル(4−ヒドロキシ−2−フェニルブチル)(フェニルスルホニル)カルバメート16(1.42g、3.5mmol)溶液に対して、デスマーチンペルヨージナン(3.0g、7.0mmol)を加え、そしてその溶液を、2時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、5%水性Na(90mL)と飽和NaHCO(45mL)との溶液に注ぎ、10分間撹拌した。その水相を、CHClで抽出し、有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。その残留物を、10〜60%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、無色の油状物として17(1.16g、82%)を得た。
【0133】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 9.59(s,1H)7.65 − 7.81(m,3H)7.57(t,J=7.72Hz,2H)7.17 − 7.42(m,5H)4.00(dd,J=7.42,5.02Hz,2H)3.57 − 3.78(m,1H)2.82 − 2.97(m,2H)1.15(s,9H). ES−LCMS: 348.08 m/z(M − tBu)
【0134】
実施例12:N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}−4−モルホリンスルホンアミド
【化33】

【0135】

乾燥CHCl(2mL)中中間物6(61mg、0.16mmol)溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.070mL、0.4mmol)を加えた。4−モルホリンスルホニルクロリド(0.022mL、0.16mmol)溶液を加え、そして、その反応を、窒素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌し、次いで18時間35℃に加熱した。その反応を、真空中で濃縮し、10〜90%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相HPLCによって精製して、白色固体(KCOで遊離塩基とされる)として表題化合物(55mg、収率64%)を得た。
【0136】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.50(d,J=7.42Hz,1H)7.39(br. s.,3H)7.32(d,J=7.42Hz,3H)7.18 − 7.29(m,4H)7.05 − 7.18(m,3H)4.64(br. s.,1H)3.01 − 3.23(m,3H)2.78 − 3.01(m,5H)2.53(s,3H)2.29 − 2.46(m,3H)1.90 − 2.11(m,3H)1.74 − 1.88(m,3H)1.59 − 1.73(m,4H)). HRMS:(M + H) calcd for C2939S + H,538.2852; found,538.2849。
【0137】
実施例13:N−{4−[(1R,5S)−3−(5−アセチル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
【化34】

【0138】

乾燥CHCl(2mL)中中間物17(75mg、0.19mmol)溶液に対して、国際公開第WO 2005/101989 A2号記載のようにして調製した5−アセチル−3−[(3−エンド)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(59mg、0.2mmol)を加え、次いで、NaBH(OAc)3(80mg、0.37mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、室温で、18時間撹拌した。その反応を、水性K2CO中に注ぎ、CHClで抽出し、その有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。その残留物を、0〜6%CHCl/メタノールで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。次いで、その残留物を、CHCl(1.5mL)中に溶かし、トリフロ酢酸(0.3mL)を加え、そして、その反応を室温で2.5時間撹拌した。その反応を、水性KCO中に注ぎ、CHClで抽出し、その有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮して、白色固体として表題化合物(49mg、46%)を得た。
【0139】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.75(d,J=7.22Hz,2H)7.69 − 7.75(m,1H)7.52 − 7.66(m,3H)7.23 − 7.34(m,2H)7.11 − 7.24(m,3H)4.51(s,2H)4.27(br. s.,1H)3.56 − 3.70(m,2H)3.11 − 3.27(m,1H)2.74 − 3.00(m,3H)2.32(br. s.,2H)2.22 − 2.29(m,3H)2.02 − 2.14(m,3H)1.91(br. s.,5H)1.28 − 1.64(m,6 H). HRMS:(M + H) calcd for C3241S + H,576.3008; found,576.3002。
【0140】
実施例14:N−シクロブチル−N′−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}スルファミド
【化35】

【0141】

アセトニトリル(1.5mL)中中間物6(73mg、0.19mmol)の溶液に対して、Org.Proc.R&D,2006,pp.770−775記載のようにして調製したN−シクロブチル−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−スルホンアミド(46mg、0.2mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.085mL、0.47mmol)を加え、そしてその溶液を5時間80℃に加熱した。その反応を、真空中で濃縮し、その残留物を、10〜90%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相HPLCによって精製して、白色固体(KCOで遊離塩基とされる)として表題化合物(70mg、収率70%)を得た。
【0142】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.45(d,J=1.10Hz,1H)7.36(d,J=7.51Hz,1H)7.24 − 7.32(m,2H)7.16 − 7.24(m,3H)6.97 − 7.16(m,4H)6.79(t,J=5.40Hz,1H)4.49 − 4.68(m,1H)3.38 − 3.54(m,1H)2.78 − 3.03(m,3H)2.48(s,3H)2.25 − 2.42(m,2H)1.86 − 2.17(m,5H)1.69 − 1.87(m,5H)1.53 − 1.69(m,4H)1.35 − 1.55(m,3H). HRMS:(M + H) calcd for C2939S + H,522.2903; found,522.2903。
【0143】
実施例15:N−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−N′−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}スルファミド
【化36】

【0144】

アセトニトリル(1.5mL)中中間物6(65mg、0.17mmol)の溶液に対して、Org.Proc.R & D,2006,pp.770−775記載のようにして調製したN−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−スルホンアミド(43mg、0.15mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.065mL、0.38mmol)を加え、そしてその溶液を4時間80℃に加熱した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜5%のジクロロメタン/メタノールで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(63mg、収率72%)を得た。
【0145】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.50(d,J=7.42Hz,1H)7.40(d,J=7.83Hz,1H)7.29 − 7.37(m,3H)7.18 − 7.28(m,3H)7.06 − 7.18(m,2H)6.87 − 6.99(m,2H)4.53 − 4.71(m,1H)3.33(br. s.,2H)2.88 − 3.12(m,3H)2.53(s,3H)2.30 − 2.46(m,2H)1.88 − 2.11(m,7H)1.58 − 1.88(m,8H)1.46(br. s.,2H). ). HRMS:(M + H) calcd for C3141S + H,586.3027; found,586.3021。
【0146】
実施例16:4,4−ジフルオロ−N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化37】

【0147】

CHCl(1mL)中4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(26mg、0.16mmol)溶液に対して、HATU(60 mg、0.16 mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.045mL、0.26mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、10分間、室温で撹拌した。その反応に対して、CHCl(1.3mL)中中間物19(50mg、0.13mmol)の溶液を加え、18時間、室温で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、10〜100%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相クロマトグラフィーによって精製して、トリフルオロ酢酸塩として単離された表題化合物(80mg、96%)を得た。
【0148】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 9.47(br s,1H),7.80(t,J=5.96Hz,1H)7.28 − 7.38(m,2H)7.17 − 7.28(m,3H)4.74 − 4.92(m,1H)4.08(br. s.,2H)3.92 − 4.04(m,2H)3.27 − 3.44(m,2H)3.15 − 3.28(m,2H)3.04 − 3.14(m,2H)2.97(br. s.,2H)2.82(br. s.,2H)2.60 − 2.77(m,4H)2.58(s,3H)2.08 − 2.35(m,2H)1.84 − 2.08(m,4H)1.39 − 1.82(m,3H)1.26(dd,J=6.78,2.93Hz,6H). HRMS:(M + H) calcd for C3043O + H,528.3508; found,528.3507。
【0149】
中間物19の調製
【化38】

中間物18
4−{3−[2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブタンニトリル
【化39】

【0150】

乾燥CHCl(30mL)中中間物4(500mg、3.1mmol)溶液に対して、国際公開第WO 2005/101989号に記載のようにして調製した3−[2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン20(810mg、3.4mmol)を加え、次いで、NaBH(OAc)3(130mg、6.2mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、室温で、18時間撹拌した。その反応を、水性KCO中に注ぎ、CHClで抽出し、その有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空中で濃縮した。その残留物を、0〜6%CHCl/メタノールで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、白色固体として18(1.09 g、93%)を得た。
【0151】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.39 − 7.46(m,5H)7.30 − 7.37(m,J=8.68,4.41,4.41,4.12Hz,1H)4.42 − 4.58(m,1H)4.34(dd,J=8.43,5.68Hz,1H)3.07(quin,J=6.78Hz,1H)2.39 − 2.46(m,2H)2.36(s,3H)2.22(t,J=6.32Hz,2H)1.86 − 2.11(m,5H)1.45 − 1.68(m,5H)1.23(dd,J=6.78,4.22Hz,6H). ES−LCMS: 378.22 m/z(M + H)
【0152】
中間物19
4−{3−[2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニル−1−ブタナミン
【化40】

【0153】

無水エタノール(30mL)中4−{3−[2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブタンニトリル18(880mg、2.3mmol)溶液に対して、一スパチュラのラネーニッケルを加え、次いで濃アンモニア(5mL)を加え、そしてその反応を、18時間、60psiで水素化した。触媒を、セライトで濾過し、濾液を真空中で濃縮して、白色固体として19(843 mg、95%)を得た。
【0154】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.22 − 7.35(m,2H)7.07 − 7.21(m,4H)4.05 − 4.23(m,1H)2.93 − 3.10(m,2H)2.70 − 2.84(m,2H)2.57 − 2.70(m,2H)2.27(s,3H)2.15(t,2H)1.69 − 2.03(m,6H)1.43 − 1.69(m,6H)1.18(d,J=6.78Hz,6H). ES−LCMS: 382.23 m/z(M + H)
【0155】
実施例17:N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド
【化41】

【0156】

CHCl(2.6mL)中中間物19(100mg、0.26mmol)溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.11mL、0.65mmol)を加え、次いでフェニルスルホニルクロリド(0.033mL、0.26mmol)を加え、そしてその溶液を、18時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、10〜100%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相クロマトグラフィーによって精製して、白色固体(KCOで遊離塩基とされる)として表題化合物(103mg、収率76%)を得た。
【0157】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.74(d,J=6.78Hz,2H)7.66 − 7.72(m,1H)7.50 − 7.66(m,3H)7.27(t,J=7.33Hz,2H)7.11 − 7.23(m,3H)4.26 − 4.44(m,1H)3.26(br. s.,2H)3.20(br. s.,2H)2.75 − 3.06(m,7H)2.34(s,3H)2.20 − 2.33(m,1H)1.77 − 1.96(m,4H)1.42 − 1.57(m,2H)1.23(dd,J=6.78,1.65Hz,6H). HRMS:(M + H) calcd for C2939S + H,522.2897; found,522.2901。
【0158】
実施例18:3,3−ジフルオロ−N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロブタンカルボキサミド
【化42】

【0159】

CHCl(1mL)中ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(22mg、0.16mmol)溶液に対して、HATU(60 mg、0.16 mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.045mL、0.26mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、10分間、室温で撹拌した。その反応に対して、CHCl(1.3mL)中中間物19(50mg、0.13mmol)の溶液を加え、18時間、室温で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、10〜100%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させる逆相クロマトグラフィーによって精製して、トリフルオロ酢酸塩として単離された表題化合物(80mg、96%)を得た。
【0160】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 9.33(br. s.,1H)7.88 − 8.05(m,1H)7.26 − 7.36(m,2H)7.13 − 7.25(m,3H)4.67 − 4.91(m,1H)3.28 − 3.39(m,2H)3.15 − 3.28(m,2H)2.99 − 3.13(m,2H)2.94(br. s.,1H)2.56 − 2.84(m,6H)2.54(s,3H)2.09 − 2.34(m,2H)1.83 − 2.09(m,7H)1.24(dd,J=6.59,2.56Hz,6H). HRMS:(M + H) calcd for C2839O + H,500.3195; found,500.3196。
【0161】
実施例19:N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
【化43】

【0162】

CHCl(4mL)中中間物23(161mg、0.4mmol)溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.175mL、1.0mmol)を加え、次いでフェニルスルホニルクロリド(0.065mL、0.5mmol)を加え、そしてその溶液を、18時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜5%メタノール/CHClで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(159mg、73%)を得た。
【0163】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.77(d,J=6.97Hz,2H)7.44 − 7.65(m,6H)7.34(d,0H)7.29(d,J=4.40Hz,4H)7.18(d,J=4.22Hz,1H)7.04 − 7.15(m,3H)4.52(br. s.,0H)2.90(d,J=6.60Hz,2H)2.26 − 2.42(m,2H)1.65 − 2.08(m,10H)1.60(br. s.,1H)1.27(s,3H).HRMS:(M + H) calcd for C3238S + H,543.2788; found,543.2787。
【0164】
実施例20:N−メチル−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
【化44】

【0165】

乾燥THF(2mL)中実施例19の表題化合物(65mg、0.12mmol)の溶液に対して、鉱油中60%懸濁液として水素化ナトリウム(6mg、0.14mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下で30分間、室温で撹拌した。インドメタン(0.03mL、0.48mmol)を加え、反応を室温で1時間撹拌した。追加のインドメタン(0.02mL、0.32mmol)を加え、その溶液を室温で更に1時間撹拌した。水を加え、反応を、酢酸エチルと水とに分配した。その有機層を乾燥(MgSO)させ、そして真空中で濃縮した。残留物を、0〜4%メタノール/CHClで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、白色固体として表題化合物(50mg、75%)を得た。
【0166】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.71(d,J=7.51Hz,2H)7.61 − 7.68(m,1H)7.58(t,2H)7.46(d,J=7.33Hz,1H)7.24 − 7.41(m,5H)7.17(t,J=7.14Hz,1H)7.01 − 7.13(m,2H)4.41 − 4.59(m,1H)3.38(d,J=13.73Hz,1H)2.93(d,J=13.73Hz,1H)2.33(br. s.,2H)2.03 − 2.14(m,2H)2.00(s,3H)1.86 − 1.96(m,1H)1.64 − 1.84(m,7H)1.47 − 1.62(m,2H)1.38(s,3H). HRMS:(M + H) calcd for C3340S + H,557.2945; found,557.2944。
【0167】
中間物23の調製
【化45】

中間物21
2−メチル−4−オキソ−2−フェニルブタンニトリル
【化46】

【0168】

乾燥THF(10mL)中Journal of Organic Chemistry,vol.19,pp.1290−1295記載のようにして調製したエチル3−シアノ−3−フェニルブタノエート(1.0g、5.8mmol)の溶液を、−78℃まで冷却し、そこに、THF中1M溶液としてDIBAL(2.1mL)を加えて30分間撹拌した。その場合、反応は不完全であることが認められた。追加のDIBAL(2.1 mL)を加え、その反応を更に30分間撹拌した。その反応を、飽和NHCl溶液中に注ぎ、そしてエーテルで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO)、そして真空濃縮し、残留物を、5〜75%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、油状物として中間物21(190mg、収率19%)を得た。
【0169】
1H NMR(400MHz,CHLOROFORM−d)d ppm 9.69(s,1H)7.44 − 7.52(m,2H)7.41(t,J=7.70Hz,2H)7.29 − 7.37(m,1H)3.01(dd,J=15.67,1.92Hz,2H)1.81(s,3H)。
【0170】
中間物22
2−メチル−4−[3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブタンニトリル
【化47】

【0171】

乾燥CHCl(15mL)中2−メチル−4−オキソ−2−フェニルブタンニトリル21(190mg、1.1mmol)溶液に対して、1−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール7(337mg、1.4mmol)を加え、次いでNaBH(OAc)3(485mg、2.3mmol)を加え、そしてその反応を室温で18時間撹拌した。その反応を、CHClで希釈し、そして飽和NaHCO溶液で洗浄した。その有機層を乾燥(MgSO)させ、そして真空中で濃縮した。残留物を、10〜50%ヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として中間物22(375mg、収率85%)を得た。
【0172】
1H NMR(400MHz,CHLOROFORM−d)d ppm 7.67(d,J=7.33Hz,1H)7.46 − 7.55(m,2H)7.41(t,J=7.42Hz,2H)7.33(d,J=7.33Hz,2H)7.06 − 7.21(m,2H)4.84(br. s.,1H)3.40(br. s.,1H)3.23(br. s.,1H)2.63(s,3H)2.34 − 2.58(m,2H)2.14 − 2.29(m,2H)2.01 − 2.14(m,3H)1.95(t,J=12.36Hz,2H)1.78(s,3H)1.71(d,J=7.69Hz,2H)1.25(t,J=7.05Hz,1H). ES−LCMS: 399.27 m/z(M + H)
【0173】
中間物23
2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニル−1−ブタナミン
【化48】

【0174】

エタノール(15mL)中2−メチル−4−[3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブタンニトリル22(375mg、0.94mmol)溶液に対して、濃NHOH(2mL)を加え、次いで一スパチュラのラネーニッケルを加え、そして、その溶液を、18時間、大気圧50psi下で、50℃に加熱した。
【0175】
その反応を、セライトで濾過し、真空中で濃縮して、白色固体として中間物23(350mg、収率90%)を得た。
【0176】
1H NMR(400MHz,CHLOROFORM−d)d ppm 7.64(d,J=6.96Hz,1H)7.26 − 7.43(m,5H)7.06 − 7.22(m,3H)4.55 − 4.84(m,1H)3.27 − 3.46(m,2H)2.94(d,J=13.00Hz,1H)2.75(d,J=13.00Hz,1H)2.57(s,3H)2.32 − 2.50(m,2H)2.11 − 2.26(m,1H)1.83 − 2.11(m,6H)1.47 − 1.83(m,5H)1.33(s,3H). ES−LCMS: 403.35 m/z(M + H)
【0177】
実施例21:4,4−ジフルオロ−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化49】

【0178】

CHCl(2mL)中ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(60mg、0.36mmol)溶液に対して、HATU(140 mg、0.36 mmol)を加え、次いでジイソプロピルエチルアミン(0.115mL、0.66mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下で、10分間、室温で撹拌した。その反応に対して、CHCl(3mL)中中間物23(131mg、0.33mmol)の溶液を加え、18時間、室温で撹拌した。その反応を、濃縮し、0〜5%メタノール/CHClで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(131mg、72%)を得た。
【0179】
1H NMR(400MHz,DMSO−d)d ppm 7.59(s,1H)7.47(d,J=1.65Hz,1H)7.24 − 7.40(m,6H)7.18(t,J=6.69Hz,1H)7.04 − 7.15(m,2H)4.55(br. s.,1H)2.21 − 2.42(m,4H)1.39 − 2.12(m,16H)1.26(s,3H). HRMS:(M + H) calcd for C3342O + H,549.3399; found,549.3401。
【0180】
実施例22:4,4−ジフルオロ−N−メチル−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}シクロヘキサンカルボキサミド
【化50】

【0181】

乾燥THF(1.5mL)中実施例21の表題化合物(100mg、0.18mmol)の溶液に対して、鉱油中60%懸濁液として水素化ナトリウム(9mg、0.22mmol)を加え、そしてその溶液を、窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。インドメタン(0.06mL、0.9mmol)を加え、その反応を室温で2時間撹拌した。水を加え、反応を、酢酸エチルと水とに分配した。その有機層を乾燥(MgSO)させ、そして真空中で濃縮した。その残留物を、0〜5%メタノール/CHClで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって、次いで5〜70%水/アセトニトリル/0.1%TFAで溶出させるHPLCによって精製して、トリフルオロ酢酸塩として表題化合物(9mg、7%)を単離した。
【0182】
1H NMR(500MHz,CHLOROFORM−d)d ppm 7.94(d,J=4.85Hz,1H)7.49(br. s.,4H)7.32 − 7.44(m,4H)7.29(t,J=7.05Hz,1H)5.73(br. s.,1H)4.07(br. s.,2H)3.91(d,J=13.64Hz,1H)3.37(d,J=13.64Hz,1H)3.06(br. s.,2H)2.89(br. s.,3H)2.68(s,3H)2.57(br. s.,4H)2.26 − 2.43(m,5H)2.08 − 2.26(m,5H)1.83(br. s.,4H)1.66 − 1.76(m,1H)1.38(s,3H). HRMS:(M + H) calcd for C3444O + H,563.3556;found,563.3557。
【0183】
実施例23:4,4−ジフルオロ−N−(2−メチル−4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロヘキサンカルボキサミド
【化51】

【0184】

表題化合物を、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸と、実施例21に記載した(2−メチル−4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)アミン(中間物24)とをカップリングさせることによって、合成した。
【0185】
1H NMR(400MHz,METHANOL−d4)d ppm 7.30 − 7.47(m,5H)7.25(t,J=6.50Hz,1H)4.55 − 4.73(m,1H)4.16(br. s.,2H)3.46 − 3.64(m,3H)3.39(d,J=13.55Hz,1H)2.83 − 2.98(m,1H)2.74(s,3H)2.66(t,J=13.28Hz,2H)1.94 − 2.37(m,12H)1.57 − 1.88(m,4H)1.17 − 1.47(m,9H). HRMS:(M + H) calcd for C3145O + H,542.3665; found,542.3669。
【化52】

中間物24の合成は、中間物6に関して記載したものと類似の経路によって(例えばSynthetic Communications(1993),23(10),1371−7に記載されている)エチル3−シアノ−3−フェニルブタノエートから、達成された。
【0186】
実施例24:N−(2−メチル−4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド
【化53】

【0187】

CHCl(4mL)中中間物24(158mg、0.4mmol)の溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(0.175mL、1.0mmol)を加え、次いでフェニルスルホニルクロリド(0.065mL、0.5mmol)を加え、そしてその溶液を、18時間、窒素雰囲気下、室温で撹拌した。その反応を、真空中で濃縮し、0〜5%メタノール/CHClで溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として表題化合物(150mg、70%)を得た。
【0188】
トリフルオロ酢酸塩として単離した。
【0189】
1H NMR(400MHz,METHANOL−d4)d ppm 7.84(d,J=7.69Hz,2H)7.49 − 7.67(m,4H)7.27 − 7.39(m,4H)7.24(br. s.,1H)4.57 − 4.75(m,1H)4.20(d,J=15.75Hz,2H)3.42 − 3.61(m,1H)3.16(d,J=13.19Hz,1H)2.98(d,J=13.19Hz,1H)2.89(br. s.,2H)2.72(br. s.,3H)2.65(t,J=13.37Hz,2H)2.19 − 2.41(m,5H)2.06 − 2.24(m,3H)1.22 − 1.52(m,9H). HRMS:(M + H) calcd for C3041S + H,536.3054; found,536.3054。
【0190】
実施例25:生物学的活性
HOSアッセイ
HOS−Luc細胞を、HOS−CD4.CCR5(NIH AIDS Research and Reference Reagents Program,cat. #3318)中にHIV−1 LTR−ルシフェラーゼレポーターを導入することによって作製した。その細胞を、DMEM完全培地で、増殖させた。コンフルエンシー(集密度)が80%に達したら(大体2〜3日ごと)、細胞を標準的トリプシン処理で1:20に剥離させた。壁面が黒い96ウェル組織培養プレートに、2% FBSを含有するDMEM 50μL中1ウェル当たり6×103個のHOS−Lucを播種し、5% CO、37℃の加湿インキュベータ中に一晩置いた。翌日、試験化合物を、DMEM+2%FBS+0.2%DMSO中最終濃度の2倍において、連続的に4倍希釈した。希釈した化合物(50μL)をHOS−Luc細胞に移し、プレートを5% CO、37℃の加湿インキュベータに1時間置いた。更なる60μLの2倍希釈した化合物を、透明な壁面の96ウェル組織培養プレートに移し、60μLのウイルス(組織培養液において1:50に希釈した)を、各ウェルに加え、十分に混合した。ウイルス入力は、化合物の無いアッセイ条件下でウイルスを滴定し、そして、曲線の線形範囲における応答及び少なくとも30のバックグラウンドに対する信号を与える希釈を選択することによって、予め決定しておいた。HIV/化合物の混合物(100μL)を、100μLの細胞/化合物を含む黒い壁面のプレートに移した。プレートを、5% CO、37℃の加湿インキュベータに72時間置いた。4日間のインキュベーション後、150μLの上清を除き、50μLの再構成Luclite(Promega社製)を各ウェルに加えた。細胞毒性を評価するために、50μLの再構成CellTiter−GLo(Promega社製)を各ウェルに加えた。各プレートを密閉し、1秒/ウェルでTopcount(Packard社製)ルミノメータで読み取った。
HOS−Lucアッセイからの生データは、相対発光量(Relative Light Units(RLU))で表し、以下の式で標準化した:
(RLU 薬剤有り[ ]/RLU 薬剤無し)*100 = % 対照
試験化合物の効力は、以下に定義した4パラメータのヒルの式から導かれるIC50値として記録する:
y=Vmax(1−(x^n/(K^n+x^n)))+Y2
式中:
x=Log10[化合物]
y=標準化した応答データ
Vmax=応答の上限
K=IC50
Y2=応答の下限又はベースライン
n=ヒル係数
式(I)の化合物は、以下のIC50値を有する:
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式(I):
【化1】


(I)

{式中:Rは、
(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである];又は
(c)C(O)R14
である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルである;
10は、水素、ハロゲン及びC1−6アルキルから成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基である;
11は、C1−6アルキル及びC(O)R15から成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基で任意に置換されるヘテロシクリルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
下式(Ia):
【化2】

(Ia)
{式中:Rは、
(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである];又は
(c)C(O)R14
である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
請求項1記載の式(I){式中:Rは、
(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];又は
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである]である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である;
10は水素である;
11は、C1−6アルキル及びC(O)R15から成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基で任意に置換されるヘテロシクリルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
請求項1記載の式(I){式中:Rは、
(a)S(O)12[式中、R12は、CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリールであるか;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)]である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である;
10は水素である;
11は、C1−6アルキル及びC(O)R15から成る群より独立に選択される1個又は複数の置換基で任意に置換されたヘテロシクリルである}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
請求項2記載の式(Ia){式中:Rは、
(a)S(O)12[式中、R12は、C1−6アルキル;ハロアルキル;オキソによって任意に置換されたヘテロシクリル;CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリール;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)];又は
(b)P(O)(OR15[式中、R15はC1−6アルキルである]である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
請求項2記載の式(Ia){式中:Rは、
(a)S(O)12[式中、R12は、CN又はC(O)N(R13(式中、R13は水素である)によって任意に置換されたアリールであるか;又はNR14(式中、R14は1個又は複数のハロゲンによって任意に置換されたC3−6シクロアルキルである)である]である;
は水素又はC1−6アルキルである;
−Rは水素である}の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
11が、ベンズイミダゾリル又はトリアゾリルである請求項1記載の化合物。
【請求項8】
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル};
N−メチル−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
3−シアノ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
4−シアノ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}メタンスルホンアミド;
3−[({4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミノ)スルホニル]ベンズアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾキサゾール−6−スルホンアミド;
4−[({4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミノ)スルホニル]ベンズアミド;
ジメチル{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}アミドホスフェート;
2,2,2−トリフルオロ−N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}エタンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}−4−モルホリンスルホンアミド;
N−{4−[(1R,5S)−3−(5−アセチル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
N−シクロブチル−N′−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}スルファミド;
N−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−N′−{4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}スルファミド;
4,4−ジフルオロ−N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド;
3,3−ジフルオロ−N−(4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロブタンカルボキサミド;
N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
N−メチル−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド;
4,4−ジフルオロ−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
4,4−ジフルオロ−N−メチル−N−{2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}シクロヘキサンカルボキサミド;
4,4−ジフルオロ−N−(2−メチル−4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−(2−メチル−4−{(1R,5S)−3−[3−メチル−5−(1−メチルエチル)−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−2−フェニルブチル)ベンゼンスルホンアミド;
N−メチル−N−{(2S)−2−メチル−4−[(1R,5S)−3−(2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−2−フェニルブチル}ベンゼンスルホンアミド
及びそれらの薬学的に許容可能な塩から成る群より選択される化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を、ヒトに投与することを含む、ヒトにおけるHIV感染を治療又は予防する方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の薬学的に有効な量をヒトに投与することを含む、ヒトにおける神経因性疼痛、多発性硬化症、関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、関節リウマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球体疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚若しくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症及び免疫性障害を治療又は予防する方法。
【請求項11】
薬物療法で使用するための請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
HIV感染を治療又は予防するための医薬の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項13】
神経因性疼痛、多発性硬化症、関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、関節リウマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球体疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚若しくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症及び免疫性障害を治療又は予防するための医薬の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項14】
薬学的に許容可能な担体と一緒に、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の薬学的に有効な量を含む医薬組成物。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれかに記載の化合物と別の治療剤とを含む組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおけるHIV感染を治療又は予防する方法。

【公表番号】特表2013−500259(P2013−500259A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521798(P2012−521798)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/042992
【国際公開番号】WO2011/011652
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(509329523)グラクソスミスクライン エルエルシー (38)
【Fターム(参考)】