説明

泡生成分配器と洗浄及び/又は食器洗い組成物とを含む洗浄キット及び/又は食器洗いキット

【課題】石鹸泡増強剤の必要性なしに、受容可能な泡立ちを有する改良された洗浄及び/又は食器洗い組成物を提供する。さらに、油の可溶化が最大限である泡を生成し、使用中に受容可能な泡を形成する希釈におけるものより、食器洗い組成物の油可溶化特性が高い希釈において受容可能な泡を提供する、洗浄及び/又は食器洗いキットを提供する。
【解決手段】食器洗いキットが、泡生成分配器と容器内の食器洗い組成物とを有する容器を含む。食器洗い組成物は、界面活性剤システム及び溶媒を含有する。泡生成分配器は、食器洗い組成物と共に使用される時、約2ml/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄組成物及びその容器に関する。特に、本発明は、洗浄組成物及び泡生成分配器に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄中、特に食器洗い中、更に食器手洗い中には、食器洗い組成物の適切な濃度及び/又は水希釈要因の直接表示として、多量の泡が見られる。消費者洗浄製品では、消費者は、組成物が油及び汚れを如何によく洗浄しているか及び/又は落しているかの表示としても石鹸泡を見る。洗浄性能は泡レベルに直接関係すると見られていて、泡レベルが下がると洗浄性能が低下していると知覚されるので、泡のレベルが下がるか又は泡の容積が減った時に、食器洗いをしている人が食器洗い組成物を更に添加するのは自然な習慣である。そのような直接的な関係は、過去においては、例えば石鹸系の洗剤だけが存在した時には、事実であったが、最近のある界面活性剤システムを考える時には、この消費者認識は正しくない。
【0003】
マイクロエマルション及びその他の最近のある洗浄組成物を使用する際には、泡立ち特性が最も有効な洗浄濃度に直接的に対応しない可能性があることが、今では判明している。例えば、伝統的な非イオン性界面活性剤系のマイクロエマルションは、食器手洗い中に生じるような普通の撹拌でさえ泡が殆ど又は全く発生しない希釈レベルで、そのグリース吸収最大能力を有することができる。実際、ある種のマイクロエマルションシステムでは、マイクロエマルションそのものが、標準的な食器洗い中の泡形成を妨げるか又は減少するように作用する。同様に、アルキルエトキシサルフェートを含有する高濃度陰イオン性界面活性剤システムは、食器、平皿、及びプラスチックからでもかなりの量のグリース及び油を有効及び効率的に除去可能であるにもかかわらず、著しい泡立ち特性は有さないことがある。しかしながら、その組成物が石鹸泡に欠けていて、ひいては(間違いではあるが)受容可能な洗浄性能も不足であるように見えるので、消費者は、そのような食器洗い組成物を購入及び使用することを嫌がる。そのような泡の欠如を克服するために、化学的な石鹸泡増強剤が、多数の食器手洗い調合物に添加されているが、そのような石鹸泡増強剤は、高価であり得る上、実際の洗浄効果は殆ど又は全く提供しない。石鹸泡増強剤は、調合コストの増大に加えて、ある界面活性剤システムと両立しないこともある。
【0004】
容器、特に泡を形成するための分配容器は、引き金噴霧器及びエアゾール技術、便器洗浄技術、ひげ剃り泡技術、並びに手及び体洗い技術において周知である。そのような分配器は、典型的には、空気注入ピストン、噴射ガス、泡生成開口、及び/又は液体石鹸が容器から出る時に、これと乱流的に混合される加圧ガスなどのガス注入機構を含む。この乱流混合及び/又は泡生成開口の採用により、泡が作り出され、次にこれが、手及び/又は体を洗うのに使用される。そのような泡立つ手及び体の洗浄剤は、容易に及び均一に皮膚全体に広がる間に、皮膚に優しく穏和であると信じる消費者により特に好まれる。加えて、泡生成分配器は、洗車、産業洗浄などの洗浄目的にも既知であるが、そのような泡生成分配器は、これまでのところ、食器洗い組成物を入れて分配するためには使用されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故に、石鹸泡増強剤の必要性なしに、受容可能な泡立ちを有する改良された洗浄及び/又は食器洗い組成物が必要とされる。油の可溶化が最大限である泡を生成し、使用中に受容可能な泡を形成する希釈におけるものより、食器洗い組成物の油可溶化特性が高い希釈において受容可能な泡を提供する、洗浄及び/又は食器洗いキットも必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、泡生成分配器と容器内の食器洗い組成物とを有する容器を含有する食器洗いキットに関する。食器洗い組成物は、界面活性剤システム及び溶媒を含有する。泡生成分配器は、食器洗い組成物と共に使用される時、約2ml/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成する。
【0007】
本発明はまた、泡生成分配器と容器内の食器洗い組成物とを有する容器を含有する食器洗いキットに関する。食器洗い組成物は、界面活性剤システム及び溶媒を含有する。食器洗い組成物は、泡生成分配器から分配される時、希釈範囲の少なくとも50%の有効泡立ち希釈範囲を有する。
【0008】
本発明はまた、泡生成分配器と容器内の食器洗い組成物とを有する容器を含有する食器洗いキットに関する。食器洗い組成物は、界面活性剤システム及び溶媒を含有する。食器洗い組成物は、泡生成分配器から分配される時、有効油可溶化範囲と重なり合う有効希釈範囲を有する。
【0009】
本発明はまた、泡生成分配器と容器内の食器洗い組成物とを有する容器を含有する食器洗いキットに関する。食器洗い組成物は、界面活性剤システム及び溶媒を含有する。泡生成分配器から分配される時、食器洗いキットは、石鹸泡シリンダー試験による最大泡容積が形成される希釈とはかなり異なる食器洗い組成物の水に対する希釈で泡を生成する。
【0010】
本発明はまた、界面活性剤システム、溶媒、及び取扱説明一式を含む食器洗い組成物に関する。取扱説明一式は、泡生成分配器と組み合わせて食器洗い組成物を使用するための推奨を含む。泡生成分配器は、食器洗い組成物と共に使用される時、食器洗い組成物の1ml当り少なくとも約2mlの泡を生成し、その泡は、約2ml/gより大きい泡対重量の比を有する。
【0011】
最後に、本発明はまた、泡生成分配器と、容器内のマイクロエマルション及び/又はプロトマイクロエマルション組成物とを有する容器を含有する洗浄キットに関する。組成物は、界面活性剤システム及び溶媒を含有する。泡生成分配器は、組成物と共に使用される時、約2ml/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成する。
【0012】
泡生成分配器と食器洗い組成物の組み合わせが、受容可能な泡立ちと、より高い油可溶化特性との両方を同時に提供できることが今では判明している。理論により限定されることは意図しないが、水希釈の関数としてプロットする時、特にマイクロエマルション食器洗い組成物及び/又はプロトマイクロエマルション食器洗い組成物の場合、典型的な使用中の石鹸泡生成曲線と油可溶化曲線は、はっきりと重なり合わない傾向であると考えられている。しかしながら、食器洗い組成物を分配する泡生成分配器の採用により、ユーザーは、食器洗い組成物を使用するように積極的に意図付けられ、その時、油可溶化及び洗浄がより有効になる。したがって、そのような組み合わせは、著しくよりきれいな食器類、骨折りの減少、調合コストの低減、及び食器洗い組成物のより有効な使用という結果になると考えられる。
【0013】
本発明のこれら及び他の特徴、観点、利点、及び変更、並びに本明細書記載の実施形態は、付随する請求項と共に本開示内容を読めば、当業者には明白であろう。また、これらは請求項の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】泡生成分配器の好ましい実施形態の切り欠き図。
【図2】成形アプリケータの好ましい実施形態の上部斜視切り欠き図。
【図3】成形アプリケータの好ましい実施形態の斜視切り欠き図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項にまとめられているが、本発明は、添付図面の次の説明からよりよく理解されるものと考えられ、図中、同じ参照数字は同じ要素を指す。
本明細書の図面は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれてはいない。
本明細書における全てのパーセント、比率及び割合は、特に指定しない限り、最終食器洗い組成物の重量による。温度は、特に指定しない限り、すべて摂氏(℃)で示す。
【0016】
用語「含む」は、本明細書において使用する時、最終結果に影響しない他の段階、成分、要素などを加え得ることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0017】
用語「食器」は、本明細書において使用する時、食物と接触する前又は後で洗われ、食物準備プロセス及び/又は食物給仕の際に使用される、いずれかの食器、卓上食器、調理食器、ガラス食器、食事器具、まな板、食物準備設備などを意味する。
【0018】
用語「泡」及び「石鹸泡」は、本明細書において使用する時、互換的に使用され、液相で境界を定められて液相中に浮遊する、分離性のガス気泡を表わす。
【0019】
用語「マイクロエマルション」は、本明細書において使用する時、油を目に見えない液滴に乳化する能力を有する、水中油型エマルションを意味する。そのような目に見えない液滴は、波長880ナノメートルで濁度を測定するISO7027などの当技術分野で既知の方法により測定する時、典型的には約100オングストローム(Å)未満、好ましくは50Å未満の最大直径を有する。濁度測定設備は、例えば、米国コネチカット州(Stamford,Connecticut)のオメガエンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から、容易に入手可能である。
【0020】
用語「プロトマイクロエマルション」は、本明細書において使用する時、水で希釈されてマイクロエマルションを形成可能な組成物を意味する。
【0021】
(容器)
本明細書で有用な容器は、食器洗い組成物を保持するための中空体を有し、典型的にはプラスチック、ガラス、及び/又は金属で形成されたビン又は缶であり、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチルビニルアルコール、ポリビニルアルコール、熱可塑性エラストマー、及びこれらの組み合わせなどのポリマー又は樹脂で形成されるが、当技術分野で既知の他の材料を使用してもよい。そのような容器は、典型的には、約100ミリリットル〜約2リットル、好ましくは約150ミリリットル〜約1.2リットル、より好ましくは約200ミリリットル〜約1リットルの液体を保持し、液体消費者製品の保持用として周知である。そのような容器は、多数の包装供給元から広範囲に入手可能である。
【0022】
直接的又は間接的のいずれかで容器に操作可能に取り付けられているのは、泡を生成するための泡生成分配器である。泡生成分配器は、活性化されると泡を生成し、同時に、容器から泡/食器洗い組成物を分配する。泡生成分配器は、容器と一体に形成されても又は別個に形成されてもよい。別個に形成される場合、泡生成分配器は、トランジションピース、対応するねじ付きの雄及び雌部材、加圧及び無加圧封止、型締め及びスナップ留め部品、及び/又は当技術分野で既知の他の方法の採用など、当技術分野で既知の方法により容器に取り付けることができる。好ましくは、泡生成分配器は、トランジションピース及び/又は対応するねじ付きの容易に再充填が可能な雄及び雌部材で容器に取り付けられる。
【0023】
泡生成分配器は、化学反応、酵素反応、及び/又は機械的な作用などのいずれかの方法で、泡を生成することができる。しかしながら本明細書においては、機械的な作用が好ましく、典型的には、食器洗い組成物を分配する時に空気、窒素、二酸化炭素などのガスを乱流方法でその中へ直接付与して、泡を物理的に形成する目的の機構を含む。好ましくは、泡生成分配器は、例えば、噴射又は液化ガス、加圧ガス、エアゾールガス、空気注入ピストン、泡生成開口、衝突表面、メッシュ又はネット、ポンプ、及び/又は噴霧器、より好ましくは、大気から食器洗い組成物中へ空気を注入又は付与する、空気注入ピストン、ポンプ、衝突表面、メッシュ又はネット、及び/又は噴霧器などの、泡を形成するためのガスを付与する機構を含む。
【0024】
泡生成分配器はまた、典型的には、アクチベータ、好ましくは、例えば、引き金、圧力で活性化されるポンプ作用機構、ボタン、及び/又はスライダー、より好ましくは、単一の指で活性化可能な、引き金及び/又は圧力で活性化されるポンプ作用機構などのマニュアルアクチベータを含む。アクチベータは、食器手洗いプロセス中のように、手が濡れている及び/又は滑りやすい時に消費者が容易に活性化可能であるように設計されるのが殊に好ましい。そのようなアクチベータは、分配速度及び分配量の両方をユーザーが容易に及び便利に制御できるようになっているべきである。産業又は公共施設などのある種の用途の場合、電子アクチベータ、計算機制御アクチベータ、光電管又は赤外線検知アクチベータ、手動レバー補助アクチベータなどの、他のアクチベータも有用であり得る。
【0025】
図1は、好ましい実施形態の切り欠き図であるが、泡生成分配器10がノズル12を有し、これから泡立った食器洗い組成物が分配される。食器洗い組成物は、浸漬管14を通って泡生成分配器へ入り、ボール16を過ぎてシリンダー18へ流れ込む。プラグ20が、ボール16の逃げを防ぐと共に、コイルばね22及び内側ロッド24を支持する。液体ピストン26が吸引を作り出し、これが食器洗い組成物をボール16及びプラグ20を過ぎて液体チャンバ28の中へ引張り、これにより泡生成分配器10が準備される。一方、空気チャンバ30及び空気ピストン31も準備され、アクチベータ32が押し下げられると、空気チャンバ30からの空気と液体チャンバ28からの食器洗い組成物との両方が、乱流状態でミキシングチャンバ34の中へ押し込まれ、メッシュホルダー40により適正な位置に両方が保持されている、第一のメッシュ36と第二のメッシュ38とを通過する。乱流空気/食器洗い組成物の混合物が第一のメッシュ36を通ると、第一の粗い泡が生成されるが、これは第二のメッシュ38を通過後に、より微細及び均一になる。第一のメッシュ及び第二のメッシュは、同一孔径を有しても、異なる孔径を有してもよい。また、所望により、追加メッシュを採用してもよい。
図1は、ベースキャップ42も示すが、これは食器洗い組成物を保持する容器44に泡生成分配器を固定する。
【0026】
本明細書で有用な好ましい泡生成分配器には、オランダ(Helmond,The Netherlands)のアファポリテーク(Afa-Polytek)からのT8900、OpAd FO、8203及び7512シリーズ泡生成器;オランダ(Alkmaar,The Netherlands)又は米国フロリダ州(North Pompano Beach,Florida)のエアスプレーインターナショナル社(Airspray International,Inc.)からのT1、F2、及びWR−F3シリーズ泡生成器;米国カリフォルニア州(City of Industry,California)のサンゴバンカルマー社(Saint-Gobain Calmar,Inc.)からのTS−800及びミクサー(Mixor)シリーズ泡生成器;日本国東京の大和製罐株式会社(Daiwa Can Company,Tokyo,Japan)からのポンプ泡生成器及び絞り泡生成器;米国ニュージャージー州(Hillsborough,New Jersey)のグアラディスペンシングUSA社(Guala Dispensing USA,Inc.)からのTS1及びTS2シリーズ泡生成器;並びに日本国東京の株式会社吉野工業所(Yoshino Kogyosho Co.,Ltd.,Tokyo,Japan)からのYT−87L−FP、YT−87L−FX、及びYT−97シリーズ泡生成器が挙げられる。泡生成分配器については、日本語出版物、食品と容器(2001年)、第42巻、第10号、609〜613ページ、食品と容器(2001年)、第42巻、第11号、676〜679ページ、及び食品と容器(2001年)、第42巻、第12号、732〜735ページにても検討されており、参照されたい。特に製品レオロジーのために性能の最適化を必要とする場合は、既存の泡生成分配器の変更及び修正も、本発明において有用であり得る。具体的には、空気ピストンに関する変更、例えば、製品ピストン容積比、メッシュ/ネットのサイズ、衝突角度などの変更と同様に、シリンダー、ロッド、浸漬管、ノズルなどの大きさ及び寸法の最適化が考えられる。
【0027】
本明細書で有用な泡生成分配器は、約2ml/gより大きい、より好ましくは約3ml/g〜約10ml/g、更により好ましくは約4ml/g〜約8ml/gの泡対重量の比を有する泡を生成する。更に、本明細書で有用な泡生成分配器は、食器洗い組成物1ml当り少なくとも約2ml、好ましくは約3ml〜約10ml、より好ましくは約4ml〜約8mlの泡を生成する。全体にわたって比較的均一に分散された微細気泡を有する「クリームのような」及び「滑らかな」泡が、その審美的及び/又は性能特性のために特に好まれることがある。ある場合には、好ましい気泡は、3分間以上も液体には顕著に戻らないものが特に好まれる。具体的には、泡をきれいなガラス表面(例えば、パイレックス(登録商標)板)上に分配して25℃で3分間放置する時、表れる液体は1mm未満であるべきである。好ましくは、3分間後に、泡の縁部に液体が見られない。しかしながら別の場合には、ある量の液体(すなわち、泡なし)もまた好ましいことも判明したが、これは、次にこの液体がアプリケータ(例えばスポンジ)の中へ浸透して、例えば、食器洗浄に使用される時に、高粘性組成物の使用距離を更に延ばすからである。
【0028】
(洗浄及び/又は食器洗い組成物)
本明細書の洗浄組成物、及び特に食器洗い組成物は、典型的には、界面活性剤システム、溶媒、酵素、並びに染料、香料、増粘剤、pH調整剤、還元又は酸化漂白剤、臭い制御剤、酸化防止剤、及び遊離ラジカル阻害物質などの洗浄及び特に食器洗い技術において既知の1つ以上の任意成分、並びにこれらの混合物を含む。
【0029】
本明細書の界面活性剤システムには、典型的に、陰イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、又はこれらの混合物、好ましくはアルキルスルフェート、アルコキシスルフェート、アルキルスルホネート、アルコキシスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アミンオキシド、ベタイン又は脂肪族若しくは複素環式二級及び三級アミン誘導体、四級アンモニウム界面活性剤、アミン、単一又は多重アルコキシル化アルコール、アルキルポリグリコシド、脂肪酸アミド界面活性剤、C8〜C20のアンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、イソプロパノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な界面活性剤は更に、所望により、分枝状及び/又は直鎖状であっても、置換されていても又は非置換であってもよい。「表面活性物質及び洗剤(Surface Active Agents and Detergents)」(第1巻及び第2巻、シュワルツ(Schwartz)、ペリー(Perry)、及びバーチ(Berch)による)も参照されたい。
【0030】
本明細書で有用な溶媒は、典型的には、水、アルコール類、グリコール類、エーテルアルコール類、及びこれらの組み合わせからなる群、より好ましくは、水、グリコール、エタノール、グリコールエーテル類、水、及びこれらの組み合わせからなる群、更により好ましくは、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書の溶媒は、溶液の好ましくは少なくとも約12重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%の水中溶解度を有する。
【0031】
製品粘度の減少及び/又は組成物にずり減粘若しくは非ニュートンレオロジー特性を付与可能な溶媒は、これらが相乗的に泡生成分配器と相互作用して、審美性の改善、調合の更なる容易さ、泡生成の増加、ポンプ輸送の更なる容易さを提供可能であるので、本明細書では特に好ましい。そのような溶媒は、一価、二価及び多価アルコール類、エーテル類、及びこれらの混合物を含む。プロピレンカーボネートのようなアルキルカーボネート類も好ましい。
【0032】
本明細書で有用な酵素には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、及びこれらの混合物が含まれる。好ましい組み合わせは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素のカクテルを有する洗剤組成物である。酵素は、典型的には、約0.0001重量%〜約5重量%の酵素有効分で存在する。好ましいタンパク質分解酵素は、アルカラーゼ(ALCALASE;登録商標、ノボインダストリ社(Novo Industri A/S))、BPN'、プロテアーゼA及びプロテアーゼB(ジェネンコア(Genencor))、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。プロテアーゼBがより好ましい。好ましいアミラーゼ酵素には、テルマミール(TERMAMYL;登録商標)、デュラミール(DURAMYL;登録商標)、並びに国際公開第94/18314A1号(アントリム(Antrim)ら、1994年8月18日公開、ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)に譲渡)、及び国際公開第94/02597A1号(スベンセン(Svendsen)及びビスガード−フランツェン(Bisgard-Frantzen)、1994年2月3日公開、ノボノルディスク社(Novo Nordisk A/S)に譲渡)に記載されるアミラーゼ酵素が含まれる。好ましい酵素の更なる非限定的な例が、国際公開第99/63034A1号(ビンソン(Vinson)ら、1999年12月9日公開)に開示されている。
【0033】
マイクロエマルション又はプロトマイクロエマルションの洗浄及び特に食器洗い組成物はまた、低水溶性油の重量で、典型的には約5,000ppm未満、好ましくは100万当り約0部(ppm)〜約1,500ppm、より好ましくは10億当り約1部〜約100ppmの水中溶解度を有する、低水溶性油を含有する。本明細書で有用な好ましい低水溶性油には、テルペン類、イソパラフィン類、上記溶解度を有する他の油、及びこれらの混合物が含まれる。
【0034】
泡生成分配器なしでは、本明細書の洗浄及び/又は食器洗い組成物は、典型的には約50%未満、好ましくは約0%〜約40%、より好ましくは約0%〜約35%の有効泡立ち希釈範囲を有する。しかしながら、本明細書における本発明の実施形態では、食器洗い組成物は、泡生成分配器と共に使用される時、少なくとも約50%、好ましくは約50%〜約100%、より好ましくは約75%〜約100%、更により好ましくは約85%〜約100%の有効泡立ち希釈範囲を有する。有効泡立ち希釈範囲は、次のように計算される。表Iの石鹸泡生成曲線が、本明細書の石鹸泡シリンダー試験法によって、食器洗い組成物の様々な希釈溶液を試験することにより作り出される。そのような曲線は、泡生成分配器からシリンダー内への分配があるか又はないかのずれかで作り出すことができる。本明細書において、「有効泡」は、所与の食器洗い組成物に対して生成される泡の、石鹸泡生成曲線による最大容積の少なくとも半分(50%)の泡として定義される。それ故に、泡生成分配器が使用されない時についての表Iでは、有効泡は、製品濃度約28%〜約2%で形成されるが、これは26%の有効泡立ち希釈範囲(すなわち、28%〜2%)に換算される。しかしながら、同一の洗浄及び/又は食器洗い組成物が泡生成分配器と共に使用される(すなわち、これから分配される)時、分配される点(100%製品濃度)から約3%の製品濃度に到達するまで、有効泡が生成されるのを見ることができる。これは、洗浄及び/又は食器洗いキットが、石鹸泡シリンダー試験による最大容積の泡が形成される希釈とはかなり異なる、食器洗い組成物の水に対する希釈で泡を生成するからである。したがって、表Iの食器洗い組成物が泡立ち分配器から分配される時の有効泡立ち希釈範囲は、97%(すなわち、100%〜3%)である。
【表1】

【0035】
本明細書で有用な洗浄及び/又は食器洗い組成物は、本明細書で定義される油可溶化試験により作り出される油可溶化曲線を有する。「有効油可溶化量」は、本明細書において、製品濃度(すなわち、希釈)の関数としてプロットされた油可溶化曲線により、所与の食器洗い組成物に対する最大油可溶化量の少なくとも20%の油可溶化量として定義される。したがって、表Iでは、最大油可溶化量は、70%製品濃度において約4.7であり、及びしたがって、有効油可溶化量は、少なくとも約0.94の大きさである。有効油可溶化量は、約96%〜約42%の希釈範囲で生じるが、これは、約54%の有効油可溶化希釈範囲に換算される。
【0036】
表Iで見ることができるように、泡生成分配器のない石鹸泡生成曲線と有効油可溶化希釈範囲の間には、実質上重なり合いがない。同様に、泡生成分配器がなければ、有効泡立ち希釈範囲(28%〜2%)と有効油可溶化希釈範囲(42%〜96%)の間にも重なり合いがないのを見ることができる。対照的に、泡生成分配器が採用される時には、有効泡立ち希釈範囲(3%〜100%)は、有効油可溶化希釈範囲(42%〜96%)全体に完全に(100%)重なり合う。好ましい実施形態では、有効泡立ち希釈範囲は、有効油可溶化希釈範囲に重なり合い、好ましくは少なくとも10%だけ、より好ましくは約25%〜約100%だけ、特にマイクロエマルション又はプロトマイクロエマルションの場合に、更により好ましくは約50%〜約100%だけ有効油可溶化希釈範囲に重なり合う。更に、有効泡立ち希釈範囲は、油可溶化曲線中の油可溶化が最大の点と重なり合うのが殊に好ましい。したがって、本発明はユーザーに、油をより有効に可溶化する、ひいては洗浄を最適化する濃度/製品希釈において、その製品を使用するよう勧める。
【0037】
油可溶化曲線がより有効になる、好ましくは最大限になる希釈において、消費者に受入れられ得る泡立ちを達成するために、そのような食器洗い組成物、特にマイクロエマルション及びプロトマイクロエマルション食器洗い組成物は、容器と本明細書の泡生成分配器とを必要とすることが、本発明で認識された。したがって、食器洗い組成物が容器及び泡生成分配器と共に使用される時、有効泡立ちは、容器及び泡生成分配器が使用されない時の石鹸泡生成曲線とは著しく異なる希釈ファクターにおいて生成されることが好ましい。理論により限定されることは意図しないが、そのような表が、マイクロエマルション及び/又はプロトマイクロエマルション洗浄組成物にも、本明細書で説明したように一般的に適用可能であることを、当業者は理解するであろうと考えられる。
【0038】
本発明で有用な食器手洗い組成物、洗浄組成物、プロトマイクロエマルション組成物、及びマイクロエマルション組成物は、例えば、国際公開第96/01305A1号(ファーンフォース(Farnworth)及びマーチン(Martin)、1996年1月18日公開);米国特許第5,854,187号(ブルム(Blum)ら、1998年12月29日発行);米国特許第6,147,047号(ロビンス(Robbins)ら、2000年11月14日発行);国際公開第99/58631A1号(ロビンス(Robbins)ら、1999年11月18日公開);米国特許第4,511,488号(マッタ(Matta)、1985年4月16日発行);米国特許第5,075,026号(ロス(Loth)ら、1991年12月24日発行);米国特許第5,076,954号(ロス(Loth)ら、1991年12月31日発行);米国特許第US05082584号(ロス(Loth)ら、1992年1月21日発行);米国特許第5,108,643号(ロス(Loth)ら、1992年4月28日発行);並びに同時係属中の米国特許出願60/451064(P&G件名番号AA614FP)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、2003年2月28日出願);同時係属中の米国特許出願60/472941(P&G件名番号AA614P2)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、2003年5月23日出願);同時係属中の米国特許出願○○/○○○○○○(P&G件名番号AA614P3)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、○○○○年○○月○○日出願);及び同時係属中の米国特許出願○○/○○○○○○(P&G件名番号AA633FP)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(ハットン(Hutton)及びフォレイ(Foley)、○○○○年○○月○○日出願)に記載されるように、当技術分野において既知である。上記参考文献に記される食器洗い組成物又は上記組成物の変形物は、本明細書で説明する容器及び泡生成分配器と組み合わせて使用するのが特に好ましい。
【0039】
本明細書の洗浄及び/又は食器洗い組成物は、典型的には約10Pa・s未満、好ましくは約0.01Pa・s〜約10Pa・s、より好ましくは約0.02Pa・s〜約5Pa・s、更により好ましくは約0.03Pa・s〜約1Pa・s、更により好ましくは約0.05Pa・s〜約0.4Pa・sの粘度を有する。洗浄及び/又は食器洗い組成物が泡生成分配器から分配される時、泡立った食器洗い組成物が作り出される。
【0040】
(成形アプリケータ)
成形アプリケータは、標準的なアプリケータと比較して、意外な程顕著に改善された結果と使用の容易さとを提供できることが更に発見された。成形アプリケータは、容易に手に持って、泡立った食器洗い組成物を洗浄する表面、すなわち食器に塗り付けるのに使用するように設計され、また大きさが決められている。泡立った食器洗い組成物が平らなアプリケータに適用される場合には、泡立った洗浄及び/又は食器洗い組成物が最初に接触する食器の上で急速にぬぐい取られて、次の食器を洗浄するための泡立った洗浄及び/又は食器洗い組成物が、平らなアプリケータ上に少ししか残らないことが判明した。これにより、泡立った洗浄及び/又は食器洗い組成物の使用は、組成物の使用距離が著しく減少するので費用増となることと、また新しい泡立った洗浄及び/又は食器洗い組成物を平らなアプリケータ上に常に適用する必要があるので面倒になることとの両方である。対照的に、泡立った洗浄及び/又は食器洗い組成物のための防護付き窪み及び/又はポケットのような受入れ領域を含む成形アプリケータは、泡立った食器洗い組成物をより有効に保持して長時間にわたり配分する。
【0041】
成形アプリケータは、磨きに使用されることが多いので、少なくともその表面の1つは、研磨表面を含むのが好ましい。成形アプリケータは、典型的には、天然又は人造スポンジ、ブラシ、金属みがき具、織布材料、不織布材料、研磨材料、プラスチック材料、布地材料、マイクロファイバー洗浄材料、ポリマー材料、樹脂材料、ゴム材料、又はこれらの組み合わせ、好ましくは天然又は人造スポンジ、ブラシ、金属みがき具、研磨材料、発泡ゴム材料、機能性吸収性材料(FAM)、ポリウレタン発泡体、及びこれらの組み合わせ、並びにより好ましくは、天然又は人造スポンジ、ブラシ、研磨材料、発泡ゴム材料、及びこれらの組み合わせなどの多孔質材料から選定され、全てのタイプとも連続気泡構造が殊に好ましい。そのような成形アプリケータは、多様な販売元から入手可能であり、例えば、米国ミネソタ州(St.Paul,Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company;3M)などがある。成形アプリケータが比較的華奢な材料又は壊れやすい材料で形成される場合には、その材料は、不織布材料などの透水性でより堅固な材料で部分的又は完全に覆われるのが好ましい。やはり有用であるのは、プラスチック又はポリマー材料で形成された表面であり、例えば、米国ミネソタ州(St.Paul,Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company;3M)から入手可能なもの、及び例えば、スコッチブライト(Scotch-Brite;商標)汎用みがきパッドに見られるものなどがある。
【0042】
本明細書で有用なFAMは、FAMの重量基準で好ましくは約20gH2O/gを超える、より好ましくは40gH2O/gを超える吸収能力を有する。そのような好ましいFAMが、米国特許第5,260,345号(ドマレーズ(DesMarais)ら、1993年11月9日発行)、又は米国特許第5,889,893号(ダイエル(Dyer)ら、1999年5月4日発行)に記載されている。好ましいポリウレタンの例が、米国特許第5,089,534号(トーエン(Thoen)ら、1992年2月18日発行);米国特許第4,789,690号(ミロバノビック−レリック(Milovanovic-Lerik)ら、1988年12月6日発行);日本特許10−182780(Japanese Patent Publication No.10-182780)(花王(株)(Kao Corporation)、1998年7月7日公開);日本特許9−30215(Japanese Patent Publication No.9-30215)(横浜ゴム(株)(Yokohama Gum)、1997年2月4日公開);日本特許5−70544(Japanese Patent Publication No.5-70544)(ダウケミカル社(The Dow Chemical Company)、1993年3月23日公開);及び日本特許10−176073(Japanese Patent Publication No.10-176073)((株)ブリヂストン(Bridgestone Company)、1998年6月30日公開)に記載されている。
【0043】
好ましくは、成形アプリケータは硬質ではなく、むしろ少なくとも1つの弾力性部分、好ましくは研磨表面で覆われた弾力性部分を有する。そのような任意の弾力性部分によって、ユーザーは、こすり面と食器の間の接触量、圧力などを変化させることができる。したがって、泡立った食器洗い組成物は、泡生成分配器から直接成形アプリケータの中又は上に適用されるのが好ましい。
【0044】
図2を参照すると、本明細書の好ましい実施形態の成形アプリケータ12の上部斜視切り欠き図が示されているが、スポンジタイプの成形アプリケータ12が受入れ領域50を含み、これに泡立った食器洗い組成物が適用されて使用される。したがって、受入れ領域50は、典型的には、壁52によって境界を設けられ、これが、泡立った組成物が成形アプリケータ12から急速にこすり取られるのを防ぐ。受入れ領域は、成形アプリケータと接触している泡立った食器洗い組成物を保持するいかなる形状及びデザインのものでもよいが、成形アプリケータ中の凹面窪みであるのが好ましい。好ましい実施形態では、受入れ領域は、泡立った洗剤を受入れ領域内に有効に保持して通常の使用時間にわたって分配する、比較的急勾配の凹面壁又は他の構造を含む。受入れ領域は、泡立った食器洗い組成物を、典型的には約1ml〜約200ml、好ましくは約2ml〜約150ml、より好ましくは約5ml〜約100ml保持する。
【0045】
図2では、成形アプリケータ12は更に、食器を擦るための複数の研磨表面54を含む。少なくとも1つの研磨表面が成形アプリケータの上に設けられているのが殊に好ましい。
【0046】
図3は、成形アプリケータ12の好ましい実施形態の斜視切り欠き図を示すが、これは、ポケットのような受入れ領域50を有するスポンジタイプのアプリケータ12として形成され、その内部寸法が破線で示されている。泡立った食器洗い組成物は、口56を通して受入れ領域50へ加えられるが、口は、所望により、永久的に開いたままでもよいし又は閉止可能であってもよい。研磨表面54が、成形アプリケータ12の実質的に外側全体を覆って、食器から汚れ落としを助ける。
【0047】
(試験方法)
本明細書の粘度は、ブルックフィールド粘度計モデル番号LVDVII+で20℃にて測定する。これらの測定に使用するスピンドルは、異なる粘度の製品を測定するのに適切な速度のS31スピンドルとし、例えば1Pa・sより大きい粘度の製品を測定するためには12rpm;0.5Pa・s〜1Pa・sの間の粘度の製品を測定するためには30rpm;0.5Pa・s未満の粘度の製品を測定するためには60rpmとする。
【0048】
可溶化容量を測定するために、試験する製品の10.0g(特定の希釈を試験する場合、この量は水を含む)を25mlのシンチレーションバイアル瓶の中に入れる。これに、0.045%のピラクロムレッド(Pylakrome RED)−LX1903(米国アリゾナ州(Tempe,Arizona)のピラムプロダクツ(Pylam Products)から入手可能なソルベントレッド(SOLVENT RED)24CAS番号85−83−6及びソルベントレッド26CAS番号4477−79−6の混合物)染料で染色した食品等級のキャノーラ油0.1gを添加し、バイアル瓶に蓋をかぶせる。バイアル瓶を5秒間手で強く振り、ISO7027濁度測定手順で透明になるまで、又は5分間経過するまでのいずれかまで静置する。ISO7027方法は、米国コネチカット州(Stamford,Connecticut)のオメガエンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から入手可能なものなどの、濁度測定設備で波長880ナノメートルにおいて濁度を測定する。バイアル瓶が透明になる場合には、規定の時間内では透明にならなくなるまで、油を更に0.1gの増分で添加する。溶解した油の百分率を、製品10.0gで可溶化(すなわちバイアル瓶が透明化)に成功した油の最大量として記録する。本明細書の食器洗い組成物は、製品濃度75%で試験する時、好ましくは少なくとも約1gの染色したキャノーラ油を、より好ましくは少なくとも約3gの染色したキャノーラ油を、更により好ましくは少なくとも約4gの染色したキャノーラ油を可溶化する。
【0049】
泡立ち特性は、石鹸泡シリンダー試験機(SCT)を採用し、そのデータを使用して石鹸泡生成曲線をプロットすることにより、測定可能である。SCTは、シリンダー4つの組を有する。各シリンダーは、典型的には、長さ30cm、直径10cmである。シリンダーの壁は厚さ0.5cm、シリンダーの底は厚さ1cmである。SCTによって、密閉シリンダー(典型的には、複数の透明なプラスチックシリンダー)の中で試験溶液を1分間当り約21回転の速度で2分間回転させ、その後で泡の高さを測定する。次いで汚れを試験溶液に添加して、再び攪拌し、得られた泡の高さを再度測定してもよい。そのような試験の使用により、当初の組成物泡立ち特性と共に、洗われている表面から更に汚れが導入される時の使用中の泡立ち特性をシミュレートすることができる。
【0050】
泡立ち特性試験は次の通りである。
1.一組のきれいで乾燥した校正済みシリンダーと、水硬度が100万当り136.8部(1リットル当り2.1グレイン)である25℃の水とを用意する。
2.適切な量の試験組成物を各シリンダーに加え、水を添加して総量500mlの組成物及び水を各シリンダー内に作る。
3.シリンダーを密封し、SCTに置く。
4.SCTのスイッチを入れて、シリンダーを2分間回転させる。
5.1分以内に、石鹸泡の高さをセンチメートルで測定する。
6.泡立ち特性は、組成物により生成される石鹸泡の平均高さ(センチメートル)である。
本発明による組成物は、好ましくは少なくとも約2cm、より好ましくは少なくとも約3cm、更により好ましくは少なくとも約4cmの泡立ち特性最大値を有する。
【0051】
泡対重量の比は、製品(グラム)当りの生成された泡(ml)の測定値である。泡対重量の比は、次のように測定する。メスシリンダーなどの容積測定器具の重量を測定して、自重を得る。次に、適切な場合には泡生成分配器を使用して(非連続分配器具については設定ストローク数、又は連続分配器具については設定時間)、製品をメスシリンダーの中へ分配する。推奨持続時間は、非連続器具(ポンプ、噴霧器)については10ストローク、連続器具については10秒間である。試験中の分配速度は、標準的な使用シナリオの間の分配速度と一致しているべきである。例えば、引き金噴霧器については1分当り120ストローク、又は掌ポンプについては1分当り45ストロークである。
【0052】
生成された泡の容積は、容積測定器具を使用してmlで測定する。
分配された製品を含む容積測定器具の重量をグラムで測定する。この重量から容積測定器具の自重を引き算する。結果が分配された製品のグラムである。最後に、泡対重量の比(ml/g)を、生成された泡の容積(ml)を分配された製品の重量(g)で割り算することにより、計算する。
泡対重量の比ml/gは、食器洗い組成物の密度を掛算することにより、製品mL当りの泡mLに容易に換算される。
【実施例】
【0053】
本発明の実施例を以下の実例によって示すが、これによって本発明をいかなる方法においても限定することは意図していない。これらの実施例は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その多くの変形例が可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0054】
(実施例1)
食器洗いキットは、マイクロエマルション食器洗い組成物で満たされた300mlの中空プラスチック容器と、図1に示されるものと同様な、エアスプレー(Airspray)からの、取り付けられたT1シリーズ発泡器とを含む。図3による成形アプリケータも含まれる。分配されると、泡立った食器洗い組成物は、2ml/gより大きい泡対重量の比を有し、泡は、クリームのような均一な見かけ及び感触を有する。泡立った食器洗い組成物は、泡生成分配器のノズルを成形アプリケータの口の中へ突き刺してアクチベータの上に押し下げることにより、泡生成分配器からポケットタイプの成形アプリケータの中へ分配される。上述のように使用される時、食器洗いキットは、良好な使用距離と、食器を洗浄する標準的な使用の間中続く泡とを提供する。しかしながら、泡生成分配器が使用されない(すなわち、食器洗い組成物が容器から単に注がれる)場合、有効泡立ち希釈範囲は、有効油可溶化希釈範囲にはっきりとは重なり合わない。
【0055】
(実施例2)
イオン系のマイクロエマルションが提供され、実施例1の泡生成分配器と共に詰め込まれる。泡生成分配器の採用あり及びなしの石鹸泡生成曲線、並びに油可溶化曲線がプロットされて、表Iの結果となる。
【0056】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々なその他の変形及び変更が可能であることは、当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変形及び変更を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器洗いキットであって、
A.泡を生成するための泡生成分配器を備える容器と、
B.前記容器内に含有される食器洗い組成物と
を含み、前記食器洗い組成物が、
i.界面活性剤システムと、
ii.溶媒
とを含み、
前記泡生成分配器が、前記食器洗い組成物と共に使用される時、2ml/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成し、
前記食器洗い組成物が、マイクロエマルション及びプロトマイクロエマルションからなる群から選択され、
前記食器洗い組成物が、前記泡生成分配器から分配される時、有効泡立ち希釈範囲及び有効油可溶化希釈範囲を有し、並びに前記有効泡立ち希釈範囲が、前記有効油可溶化希釈範囲に重なり合う、
食器洗いキット。
【請求項2】
前記食器洗い組成物が、酵素を更に含む請求項1に記載の食器洗いキット。
【請求項3】
前記泡生成分配器が、ガス付与機構を含む請求項1に記載の食器洗いキット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−256685(P2009−256685A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183835(P2009−183835)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【分割の表示】特願2005−518150(P2005−518150)の分割
【原出願日】平成16年3月1日(2004.3.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】