説明

波長多重伝送装置及び波長多重伝送システム

【課題】複数のノード装置が光ファイバにより接続された波長多重伝送システムにおいて、高価なOTDR装置を用いずに、また、伝送路ファイバを接続したままの状態で反射レベルを測定することにより、反射点(障害箇所)を特定する。
【解決手段】高価なOTDR装置を用いることなく、光コネクタ端面の汚れや不完全な嵌合により生じる反射の位置を特定することができるように、ノード装置の光合分波部に合波する光源がない状態にて、伝送路監視のための光監視制御部から変調した光を送信し、反射点から戻ってくる反射波と送信波とを比較し、その結果により反射点までの距離の特定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の波長の信号光を多重して伝送する波長多重伝送(WDM:Wavelength Division Multiplexing)装置及び波長多重伝送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
波長多重伝送(WDM)システムは、ユーザから受信した信号を予め割り当てられた異なる波長にそれぞれ変換し、複数の波長を多重して、1本の光ファイバを介して伝送する有線光通信システムである。メトロエリアで使用される波長多重伝送システムでは、個別の波長の挿入(Add)・分岐(Drop)・透過(Thr)を行う光合分波部(OADM:Optical Add Drop Multiplexer)、伝送路で生じる損失を補償する光増幅部、伝送路で生じる分散値を補償する分散補償部により構成されるシステムである。
【0003】
波長多重伝送(WDM)システムでは、一般的に、長距離伝送を実現するために、伝送路の両端に光増幅部が配備され、伝送路用の光ファイバで接続される。伝送路用光ファイバも、1本の光ファイバではなく、複数の光ファイバを融着、あるいは光コネクタ接続により延伸している。
【0004】
光ファイバを接続する際、光コネクタ端面に汚れがあったり、不完全な嵌合が発生した場合は、その光コネクタ端面で光反射が生じ、伝送品質の劣化が発生する可能性がある。特に光出力レベルの絶対値と反射減衰量を確認して、ファイバ障害を検出するシステムにおいては、不要な光減衰機能が動作することで、主信号導通断を発生する可能性がある。障害を検出した場合の改善策として、光コネクタ端面の清掃、あるいは嵌合の適正化を実施することになるが、既にサービス運用している状態で検出した場合は主信号断となるため、サービスに大きな影響を与えることとなる。
【0005】
このような問題に対処できるよう、光ファイバの伝搬損失の距離分布や障害点を検出するために、OTDR(Optical Time-Domain Reflectometry:時間領域光反射測定法)により反射レベルの測定や障害点を検出する方法が考えられている。例えば、特許文献1には、光伝送システムにおいて、運用開始前または運用の初期段階に、OTDR装置により長距離スパンの測定を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−282363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、波長多重伝送システムのような伝送路中の反射レベルを厳密に管理する必要があるシステムで、かつ複数拠点で同時にシステム建設されるような場合においては、高価なOTDR装置が複数台必要となり、設備投資額が多くなるという課題がある。
【0008】
また、OTDR装置を用いるためには、波長多重システムで使用している伝送路ファイバを取り外して測定を行う必要があり、その区間の警報や制御ができなくなるなどシステムの信頼度が低下するという課題もある。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、波長多重伝送システムにおいて、高価なOTDR装置を用いずに、また、伝送路ファイバを接続したままの状態で反射レベルを測定することにより、反射点(障害箇所)を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る波長多重伝送装置は、他の波長多重伝送装置と光ファイバにより接続される波長多重伝送装置であって、多重する波長ごとの合波・分波および透過を行う光合分波部と、波長多重光を増幅する光増幅部と、他の波長多重伝送装置との間の伝送路の監視を行う光監視制御部と、該光監視制御部からの信号を伝送路に挿入または分岐するWDMカプラと、システムの監視を行うシステム監視制御部とを備え、前記光監視制御部は、光の反射点を特定するための任意の変調光である光監視信号波長を出力する変調光送信部と、伝送路からの反射光を解析し、その反射点を特定する反射点解析部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、高価なOTDR装置を用いず、安価な構成により、反射レベルが大きい反射点(障害箇所)を特定することができる。また、伝送路ファイバを接続したままの状態で反射点(障害箇所)の特定作業を行うことができるため、システムの信頼度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る波長多重伝送システムの構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る反射点解析部を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態1において、両側のノード装置により反射点測定を行う際のフローチャートを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る波長多重伝送システムの変形例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る波長多重伝送システムの構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2において、ASE光より1波長分の光のみを取り出す際のスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る波長多重伝送システムの構成を示す図である。
波長多重伝送システムは、図1に示すように、波長多重伝送を行うためのノード装置10及び20が、複数の伝送路ファイバ101、102、103、104と伝送路中の光コネクタ110、111、112とにより接続されている。ここで、伝送路ファイバ101と102は光コネクタ110で接続され、伝送路ファイバ102と103は光コネクタ111で接続され、伝送路ファイバ103と104は光コネクタ112で接続されている。
【0014】
ノード装置10及び20は波長多重伝送を行うためのノード装置であり、まずノード装置10について説明する。ノード装置10は、波長多重光の合波、あるいは分波、または透過を行う光合分波部11と、その光合分波部11を介したあとの波長多重光を一括して光増幅する光増幅部12と、伝送路の監視、及び、ノード装置10の情報伝達に主信号の波長多重光とは別の波長に割り当てられた監視制御光を発光する光監視制御部14と、光増幅部12と光監視制御部14の光を合波、あるいは分波するWDMカプラ13と、システムの監視を行うシステム監視制御部15とにより構成されている。そして、前記波長多重光と前記監視制御光は、前記WDMカプラ13を介して、伝送路ファイバ101に送信される。
【0015】
伝送路ファイバ101に送信された波長多重光と監視制御光は、伝送路ファイバ102、103、104を経過し、対向側ノード装置であるノード装置20で受信され、WDMカプラ23で監視制御光と波長多重光に分波される。WDMカプラ23で分波された波長多重光は、光増幅部22で一括して光増幅され、光合分波部21に送信される。WDMカプラ23で分波された監視制御光は、光監視制御部24に送信され、光監視制御部24で監視制御信号の処理が行われる。
【0016】
WDMカプラ13、23、伝送路ファイバ101、102、103、104及び光コネクタ110、111、112は、双方向に伝送可能な光デバイスである。
【0017】
光監視制御部14及び24は、変調光送信部51及び61と、反射点解析部52及び62と、信号光の向きによって光出力する方向を変える光サーキュレータ53及び63とにより構成されている。また、システム監視制御部15及び25は、光監視制御部14及び24が持つ情報の処理を行い、ユーザーインタフェースを介して、作業者に結果を通知する機能を有するものである。
【0018】
次に、伝送路中の反射点位置を特定する方法について説明する。まず、ノード装置10のシステム監視制御部15が光監視制御部14の変調光送信部51を制御し、変調光を送信する。その送信された変調光はWDMカプラ13を経由し、伝送路へ送信される。伝送路中に光コネクタ端面の汚れや不完全な嵌合により生じる反射点が存在すれば、その点で反射が起こり反射光が再びWDMカプラ13を経由して、光監視制御部14の反射点解析部52に入力され、解析の結果として反射点(障害箇所)が特定される。
【0019】
図2は、この発明の実施の形態1に係る反射点解析部52を示す図である。
反射点解析部52は、前記反射点からの反射光を光信号から電気信号に変換するフォトダイオード(PD)41と、反射波及び送信波用バッファアンプ42,43と、伝送路距離情報以外の距離成分を打ち消す可変ディレイ44と、反射点までの距離を特定する際に使用する可変ディレイ45と、反射波と送信波を掛け合わせる乗算器46と、乗算結果を増幅するバッファアンプ47と平滑化するローパスフィルタ(LPF)48と、可変ディレイ45の値をモニタするディレイモニタ49とにより構成されている。
【0020】
この反射点解析部52は、乗算器46で反射波と送信波の位相比較を行い、その乗算結果を可変ディレイ45にフィードバックし、反射波と送信波の位相が同相になるように制御することによって、反射波と送信波のディレイに関する情報を取り出すとともに、この反射波と送信波のディレイに関する情報により、反射点位置特定を行うものである。
【0021】
この方法によれば、高価なOTDR装置を用いることなく、光合分波部に合波する光源がない状態にて、光コネクタ端面の汚れや不完全な嵌合により反射が起こる位置(障害箇所)を特定することができる。また、この反射位置の特定を、波長多重伝送システムから光ファイバを取り外すことなく行うことができるため、システムの信頼度を向上させることができる。
【0022】
ここで、上記の方法により反射点測定が可能ではあるが、反射点の位置をより正確に特定するために、もう一方のノード装置20からも上記に示す方法で反射点測定を行い、その両方の結果により反射点を特定する場合について説明する。図3は、伝送路両側のノード装置10及び20により反射点測定を行う際のシーケンス・フローチャートを示す図である。
【0023】
まず初めに、ノード装置10のシステム監視制御部15が反射点測定の開始を指示する(ステップST301)。次に、ノード装置10の光監視制御部14が、前記反射点測定開始の指示を受けて、変調波を送信する(ステップST302)。
【0024】
ここで、1つのノード装置により反射位置を特定する場合には、前述のとおりノード装置10により反射点位置の特定を行って終了する。しかしながら、両側のノード装置10及び20を用いて反射位置を特定する場合には、さらに、システム監視制御部15が、伝送路より反射した光から反射点測定が完了したか否かを確認する(ステップST303)。完了していなければステップST302に戻り測定を続け、完了していれば次のステップST304へ進む。
【0025】
前記ステップST303において、システム監視制御部15が反射点測定の完了通知を受け取ると、光監視制御部14は変調光の送信を止め、システム監視制御部15はノード装置10で反射点測定が完了したことをノード装置20のシステム監視制御部25へ通知する(ステップST304)。
【0026】
ノード装置20のシステム監視制御部25が前記通知を受け取ると、システム監視制御部25は反射点測定の開始を指示する(ステップST305)。次に、ノード装置20の光監視制御部24が、前記反射点測定開始の指示を受けて、変調光を送信する(ステップST306)。そして、システム監視制御部25が、伝送路より反射した光から反射点測定が完了したか否かを確認する(ステップST307)。完了していなければステップST306に戻り測定を続け、完了していれば次のステップST308へ進む。
【0027】
前記ステップST307において、システム監視制御部25が反射点測定の完了通知を受け取ると、光監視制御部24は変調光の送信を止め、ノード装置10とノード装置20による反射点測定の結果より、反射点の特定を行う(ステップST308)。
【0028】
なお、2つのノード装置による反射点測定の結果から、反射点の特定を行う方法としては、それぞれ測定された反射位置の中間点にもっとも近い光コネクタや嵌合部を、反射点(障害箇所)として特定するなどの方法がある。
【0029】
この方法によれば、1つのノード装置により反射点を測定した場合に比べて、より反射点の範囲を絞り込むことができるので、より精度よく反射点を特定することができる。
【0030】
また、光監視制御部14に光監視信号波長の一部を反射する反射器を備えることもできる。図4は、この発明の実施の形態1に係る波長多重伝送システムの変形例を示す図である。図1に示す実施の形態1に係る波長多重伝送システムとの違いは、ノード装置10及び20のそれぞれの光監視制御部14及び24が、反射器54及び64を備えている点である。
【0031】
この反射器54は、伝送路中の反射点からの反射光はそのまま反射点解析部52へ送るが、伝送路の対向側ノード装置であるノード装置20からの光監視信号波長は反射させるものである。同様に、ノード装置20の反射器64は、ノード装置10からの光監視信号波長を反射させるものであり、これら反射器54及び64は、反射量を調節することができるものである。
【0032】
その結果、ノード装置10の反射点解析部52は、自ノードから送信された光監視信号が伝送路中の反射点から反射された反射光と、対向側ノード装置であるノード装置20の反射器64により反射された反射光とを区別して検出することができる。そして、自ノードの光監視制御部14からの送信光と、ノード装置20の反射器64からの反射光の位相を比較することにより、伝送路の対向側にあるノード装置20との距離を測定することができる。
【0033】
ここで、ノード装置10と対向側ノード装置20との距離は既知の値であるから、その既知の値と前記測定による対向側ノード装置20との距離とを比較した結果により、障害箇所である反射点の位置の測定結果を校正することが可能となる。
【0034】
この方法によれば、反射点の位置測定に際して、伝送路の対向側のノード装置との距離を測定することにより、反射点の測定結果を校正することができ、さらに精度良く反射点を特定することができる。
【0035】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係る波長多重伝送システムの構成を示す図である。
前述の実施の形態1と同様に、波長多重伝送システムは、図5に示すように、波長多重伝送を行うためのノード装置30及び40が、複数の伝送路ファイバ101、102、103、104と伝送路中の光コネクタ110、111、112とにより接続されている。
【0036】
ノード装置30は、受信した波長多重光を増幅する光増幅部74、22と、波長の分波を行う光分波部(DEMUX)75、VOA(Variable Optical Attenuator)により波長ごとにレベルを変動させる光レベル調整部76、波長の合波を行う光合波部(MUX)77、波長多重光のレベルを増幅する光増幅部12、増幅器の出力を制御する出力制御部78、光レベル調整部76を制御する変調制御部79、反射点測定を行う反射点解析部73、光サーキュレータ71、光カプラ72より構成される。
【0037】
ここで、光増幅部74は、伝送路からの光のレベルを一定にするためのものであり、伝送路中で損失する光信号のレベルを調節する。また、システム監視制御部15は、光増幅器の出力を制御する出力制御部78と、光レベル調整部76にて光をON/OFFすることにより変調光を作り出す変調制御部79の制御を行っており、伝送路からの反射光を解析した結果が反射点解析部73からシステム監視制御部15に送信される。
【0038】
この実施の形態2に係る波長多重伝送システムでは、伝送路での反射点測定に用いる光源として、伝送路からの光レベルを一定にするための光増幅器74の自然放出光(ASE光:Amplified Spontaneous Emission)を用いる。ASE光は、図6(a)に示すとおり広帯域な光であるため、反射点より反射されて戻ってくる光もより広帯域な光となり、反射点を特定することができない。このため、光分波部(DEMUX)75と光レベル調整部76で1波長のみ透過するよう設定することにより、図6(c)に示すように帯域を制限(フィルタリング)することができる。そして、この光に対し、光レベル調整部76でON/OFFすることにより変調をかけることができる。
【0039】
上記方法により、ノード装置30から帯域の狭い変調波を送信することができ、反射点測定は実施の形態1同様、反射点からの反射波が反射点解析部73に入力され、送信光と比較されることにより、反射点の位置を特定することができる。
【0040】
この方法によれば、実施の形態1と同様、高価なOTDR装置を用いることなく、光合分波部に合波する光源がない状態にて、光コネクタ端面の汚れや不完全な嵌合により反射が起こる位置(障害箇所)を特定することができ、また、この反射位置の特定を、波長多重伝送システムから光ファイバを取り外すことなく行うことができるため、システムの信頼度を向上させることができる、という効果に加え、光増幅器の自然放出光(ASE光)を用いるので、光監視制御部のないシステムであっても、光ファイバを取り外す必要がなく、信頼性の高い反射点測定を行うことができる。また、そのASE光をフィルタリング及び変調した光を用いることにより、反射点を測定するために送信する光の帯域が狭いため、反射されて戻ってくる光も帯域の狭い光となるから、より正確に反射点を特定することができる。
【0041】
また、ASE光を用いて反射点を特定する実施の形態2の場合にも、実施の形態1と同様、伝送路両側のノード装置30及び40を用いて反射点を測定するようにしてもよい。この場合のフローチャートは図示しないが、基本的には図3と同様であり、ノード装置30のシステム監視制御部15より反射点測定の開始が指示されると、ノード装置30から変調波を入力して反射点を特定し、システム監視制御部15が反射点の特定が完了したか否かを監視する。この際、ノード装置30からの変調波とは、実施の形態1のようにノード装置10の光監視制御部14より変調光を出力するのではなく、ノード装置30の光増幅器74のASE光を変調した変調光を出力するものである。そして、ノード装置40のシステム監視制御部25が反射点の特定が完了したという通知を受けると、システム監視制御部25より反射点測定の開始が指示され、ノード装置40から変調波を入力して反射点を特定する。そして、両方のノード装置による測定結果から反射点の位置の絞り込みを行う。
【0042】
この方法によれば、1つのノード装置により反射点を測定した場合に比べて、より精度よく反射点を特定することができる。
【0043】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0044】
10,20,30,40 ノード装置、11,21 光合分波部、12,22,74,84 光増幅部、13,23 WDMカプラ、14,24 光監視制御部、15,25 システム監視制御部、41 フォトダイオード(PD)、42,43,47 バッファアンプ、44,45 可変ディレイ、46 乗算器、48 ローパスフィルタ(LPF)、49 ディレイモニタ、51,61 変調光送信部、52,62,73,83 反射点解析部、53,63,71,81 光サーキュレータ、54,64 反射器、72,82 光カプラ、75,85 光分波部(DEMUX)、76,86 光レベル調整部、77,87 光合波部(MUX)、78,88 出力制御部、79,89 変調制御部、101,102,103,104 伝送路ファイバ、110,111,112 光コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の波長多重伝送装置と光ファイバにより接続される波長多重伝送装置であって、
多重する波長ごとの合波・分波および透過を行う光合分波部と、波長多重光を増幅する光増幅部と、他の波長多重伝送装置との間の伝送路の監視を行う光監視制御部と、該光監視制御部からの信号を伝送路に挿入または分岐するWDMカプラと、システムの監視を行うシステム監視制御部とを備え、
前記光監視制御部は、光の反射点を特定するための任意の変調光である光監視信号波長を出力する変調光送信部と、伝送路からの反射光を解析し、その反射点を特定する反射点解析部とを備える
ことを特徴とする波長多重伝送装置。
【請求項2】
前記光監視制御部の変調光送信部から出力される光監視信号波長の波長帯域は、波長多重伝送装置から伝送路へ出力される波長多重光の波長帯域とは異なるものであり、
前記光監視制御部は、伝送路の対向側に位置する他の波長多重伝送装置からの光監視信号波長の一部を反射させる反射器をさらに備える
ことを特徴とする請求項1記載の波長多重伝送装置。
【請求項3】
他の波長多重伝送装置と光ファイバにより接続される波長多重伝送装置であって、
伝送路からの光レベルを一定にするための光増幅部と、波長の分波を行う波長分波部と、波長ごとにレベルを変動させる光レベル調整部と、波長の合波を行う波長合波部と、波長多重光を増幅する光増幅部と、光増幅部からの出力を制御する出力制御部と、光レベル調整部にて光をON/OFFすることにより変調光を作り出す変調制御部と、伝送路からの反射光を解析し、その反射点を特定する反射点解析部とを備え、
前記反射点の特定のために、前記伝送路からの光レベルを一定にするための光増幅部の自然放出光(ASE光)を、前記波長分波部及び光レベル調整部にてフィルタリングし、さらに前記変調制御部により変調した光を用いることを特徴とする波長多重伝送装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の波長多重伝送装置が前記光ファイバにより複数接続された波長多重伝送システムであって、
伝送路の両端の一方の波長多重伝送装置において前記光監視制御部による反射点の特定を実行し、該一方の波長多重伝送装置における反射点の特定が終了した後に、前記伝送路の対向側に位置する他の波長多重伝送装置において前記光監視制御部による反射点の特定を実行して、前記一方の波長多重伝送装置によって特定された反射点と前記他の波長多重伝送装置によって特定された反射点とに基づいて、より正確な反射点を決定することを特徴とする波長多重伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−124686(P2012−124686A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273094(P2010−273094)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】