注入物ダイバータ、および監視されたコンクリートパイルを形成する方法
監視されたパイルを成型する方法と、この方法に関連して使用される注入物ダイバータとを提供する。この方法は、複数のパイルストランドを枠内に位置決めし、次に、少なくとも1つのセンサを有する垂下組み立て品を少なくとも1つのパイルストランドに接続して、少なくとも1つのセンサがパイルコア領域内に配置されるようにすることを含む。概してV字型の注入物ダイバータは垂下組み立て品の上に位置決めされる。少なくとも1つのセンサがカバーされるまで、枠内の注入物ダイバータ上からコンクリートを注入し、枠内に入るこのコンクリートの流れが分岐して、垂下組み立て品のいずれかの側を通って流下するようにする。次に、注入物ダイバータを除去して成型を仕上げる。コンクリート注入中に、アンテナ組み立て品を保持またはカバーするための設備を、パイルを形成するコンクリート内にアンテナ組み立て品を配置する以前に注入物ダイバータ上に提供することが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入物ダイバータと、計器およびセンサがプレキャストされたコンクリートパイルおよび構造物を形成する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのパイルは、米国特許2006/0021447号明細書として発行された、同発明者による先行の同時係属の米国特許出願に記述されている。
【0003】
このようなコンクリート構造物を成型および製造するためのより効率的かつ費用効果的な方法を提供することが望ましい。また、成型および製造工程中に、組み込み式の監視システムを損傷から保護しながら、高速かつ効率的な構造を可能にすることが望ましい。
【特許文献1】米国特許2006/0021447号明細書
【発明の開示】
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、これらの目的は、監視されたパイルの成型に関連した注入物ダイバータを使用することで達成される。本発明による方法は、複数のパイルストランドを枠内に位置決めし、好ましくはこれを引張することと、次に、少なくとも1つのセンサを有する垂下組み立て品を上記パイルストランドのうちの少なくとも1つに接続して、少なくとも1つのセンサがパイルコア領域内に配置されるようにすることとを含む。概してV字型であることが好ましい注入物ダイバータを、垂下組み立て品の上に位置決めする。枠内の注入物ダイバータ上にコンクリートを注入することにより、枠内に入るコンクリートの流れが分岐して垂下組み立て品の両側を通って流下し、これが少なくとも1つのセンサがカバーされるまで続く。次に、注入物ダイバータを除去して成型を仕上げる。
【0005】
枠が充填された後の、アンテナ組み立て品をコンクリート中に配置する前に、注入中にアンテナ組み立て品を保持または保護するための設備を注入物ダイバータ上に提供することが好ましい。
【0006】
したがって、本発明による方法および注入物ダイバータは、センサ、垂下組み立て品、これらに関連する配線を、コンクリート注入後には直すことができない、一般的に監視されたパイルがテストされるまで知られないままでいる成型の最中に、コンクリートの直接の流れによって生じる損傷から保護するための経済的な方式を提供する。これにより欠陥が減少し、パイル成型における生産性またはスループットが悪影響を受けることがなくなる。本発明のダイバータはまた、センサの内部および周囲にコンクリートを迅速に確保するための手段を、流れに関連した応力にセンサを晒すことなく、空隙のない、一貫した形で提供する。
【詳細な説明】
【0007】
以降の記述では、限定ではなく便宜性のみの目的で特定の専門用語を使用している。「右」、「左」、「頂部」、および「底部」という用語は、参照する図面中での方向を表す。「a」、および「one」という用語は、具体的な記載がない限り、1つ以上の参照物を含むものとして定義される。この専門用語は、上で具体的に述べた用語、これの派生語、および重要性が類似する用語を含む。例えばA、BまたはCのように2個以上の物体のリストが後に続く「少なくとも1つの」という成句は、A、B、Cのうち任意の1つ、ならびにこれらの任意の組み合わせを意味する。本出願と同じ譲受人に譲渡される米国特許2006/0021447号明細書として発行された米国特許出願第11/188,492号は、以下の記述に関連した開示を提供しており、また、本明細書であたかも十分に述べられているかのように参照して組み込まれる。
【0008】
図1を参照すると、パイルを形成するために、コンクリートをパイル枠14内で成型する前に枠14内に位置決めしたパイル10用のストランド12を示す。センサ16と、パイル中にまたは設置後にデータを送信するためのアンテナ組み立て品18とは、好ましくは結束バンドや類似の保持デバイスを使用して、ストランド12に接続した状態、あるいは、ストランドから垂下、またはストランドの上に垂下した状態で示されている。センサとアンテナは、パイルを設置および/または永久監視するため、並びに場合によりパイルデータを可能にするために、以下に詳細に記述するように、パイル内に組み込まれているセンサが収集したデータの直接無線データ転送を使用してパイルを監視するために使用されることが好ましい。
【0009】
図1は、無線機をさらに含むアンテナ組み立て品60の第1実施形態を示しており、この無線機はパイルストランド12の頂部に一時的に配置されることで、枠内で成型されるコンクリートに浮く形となり、これによりアンテナ/無線機組み立て品60がパイルの表面上に位置するようになる。これに加え、センサ16は、パイルストランド12どうしの間に位置するために、以降でさらに詳細に説明するような好ましい垂下組み立て品に取り付けられている。
【0010】
図2は、コンクリート注入後に枠14内に成型されたパイル10を示す。アンテナ18の表面は一般的に水平に維持され、パイル駆動前、駆動中、および/または駆動後に信号を送信するために露出している。さらに、アンテナ/無線機組み立て品60のカバー64も露出したままとなる。また、アンテナ18を除去して、電子機器モジュールハウジング61のカバー64内部にアンテナを組み込むことも可能である。
【0011】
図3に示すように、本発明によれば、U字型のバー垂下組み立て品120はパイル枠14内に一般的に垂直に設置されることで、これの上に配置したセンサの高速、精密、および繰返し可能な位置決めを促進することが好ましい。この組み立て品120は、加速度計122とひずみ計124を含むことが好ましく、これらは断面図上でパイルのコア内に位置決めされている必要がある。U字型バー垂下組み立て品120はばね装填されており、センサをパイル枠14のコア領域の中心内に繰返し位置決めできるようになっていることで、手作業での測定の必要性が最小化され、後続のパイルの駆動中に正確な加速の測定を可能にするために加速度計がパイル長と直行する位置に維持され、さらに、精密なひずみ測定を確実に行うためにひずみ計がパイルの縦軸と平行する位置に維持されることが好ましい。U字型バー垂下組み立て品の好ましい実施形態、およびこれの好ましい設置は、本願明細書に組み込まれた米国特許出願第11/188,492号に詳細に記述されている。
【0012】
図1〜図3に示したセンサの設置に伴う1つの問題は、コンクリート注入中に、センサ122、124および配線が、センサ122、124の上を直進する液体状コンクリートの流れによって生じた応力および力により損傷したり動いてしまう可能性があることである。垂下組み立て品120はまた、測定されたストランド12どうしの間における位置から変位してしまう危険に晒されている。センサ122、124の位置はデータの完全性にとって重要であるため、位置の変更はあってはならない。さらに、水平搭載位置において、コンクリートを注入するための大きな外郭を周囲に呈しているアンテナ組み立て品18は、コンクリート注入工程中の損傷の重大な危険性がある。典型的には、パイルの成型中に、コンクリートが枠の一端から他端へと枠の中央に沿って直線状に注入される。枠の長さは典型的に数百フィートであり、端から端にかけて形成された複数のパイルを含んでいる。図3に示すように、液体状コンクリート注入中にこれを端から端に向かって垂下組み立て品から逸らさせるために、枠14内でコンクリートを成型する前に、注入物ダイバータ70がパイル10のストランド上に位置決めされる。つまり、コンクリートは枠に向かって流下しながら真直ぐに枠に到達するが、ダイバータの位置にて、コンクリートはダイバータ7による両側に向かう2つの流れに分割され、垂下組み立て品120上のセンサ122、124をカバーするのに十分な高さに達するまでこのまま流れ続ける。
【0013】
図4〜図8を参照すると、注入物ダイバータ70はV字型であり、上において一般的に障害のない流れを促進するための2つのダイバータ側部71を設けていることが好ましい。あるいは、ダイバータ70をこれ以外の任意の適切な形状に形成することも可能である。ダイバータ70の運搬および位置決めを促進するためにハンドル部分72が提供されることが好ましい。また、ダイバータ70の両端部75のそれぞれに隙間76を提供して、以下で述べるように、ダイバータ70がアンテナ/無線機組み立て品60の協働部分を受容することが好ましい。当業者は、クランプ、クリップ、またはハンガーなどの別のアンテナ保持特徴の提供も可能であることを理解するだろう。ダイバータ70は、溶接された2つの同一形状の金属部品74で構造されていることが好ましい。あるいは、ダイバータ70は木製、プラスチック製、複合材料、もしくは任意の適切な構造方法を使用する任意の適切な材料で製造されてもよい。
【0014】
図9〜図11を参照すると、コンクリート成型前に示したパイル210の一部は、本発明の好ましい実施形態によるU字型バー垂下組み立て品120と、注入物ダイバータ70とを含んでいる。パイル部分210内において、U字型バー垂下組み立て品120は、ストランド212の位置のために垂直から若干角度をつけて位置決めされている。
【0015】
図24を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるパイル210またはこれの一部の成型方法400を記述したフローチャートを示す。この方法は、複数のパイルストランドを枠内に位置決めし、引張することと(ステップ402)、および1つ以上のセンサを含む垂下組み立て品120をストランドに接続すること(ステップ404)とを含む。注入物ダイバータ70は、垂下組み立て品120の上の中央に位置決めされ、注入物ダイバータ70が1つ以上のパイル210のストランド212または内部鋼鉄構造と接触して注入工程中にセンサを保護する(ステップ406)ことが好ましい。コンクリートが枠内に注入されて、枠が少なくとも部分的に充填される(ステップ408)。ダイバータ70のすぐ下の高さまで、あるいは垂下組み立て品120上の少なくともセンサ/計器をカバーする高さまで枠にコンクリートを充填することが好ましい。注入工程中に、コンクリートをダイバータ70の上に直接注入して、材料の流れを両側に分岐させることにより、枠の、垂下組み立て品120に近い領域をより完全に充填することが可能となる。枠を部分的に充填した後に、注入物ダイバータ70を除去し(ステップ410)、枠を望ましい高さまでコンクリートで完全に充填する(ステップ412)。
【0016】
図12〜図14を参照すると、コンクリート成型以前におけるパイル310の一部が、本発明によるU字型バー垂下組み立て品120と注入物ダイバータ70を含んでいる状態を示している。パイル部分310内において、U字型バー垂下組み立て品120は、ストランド312の位置のために垂直から若干角度をつけて位置決めされている。図1、図2に示すとおりに無線機を設けたアンテナ組み立て品60が、U字型バー垂下組み立て品120の付近に位置決めされている。アンテナ/無線機組み立て品60を垂直かつ外方に延びた位置に位置決めするために、アンテナ/無線機組み立て品60の浮力補正板67は、注入物ダイバータ70の1つの隙間76の内部にて整列している。この位置によって、アンテナ/無線機組み立て品60の水平方向に露出する領域が減少するため、注入工程中、アンテナ/無線機組み立て品60が注入されたコンクリートに露出する割合が減少する。さらに、ダイバータ70の下面で形成された中空カバーの下に配線およびコネクタを位置決めすることで、これらを損傷から保護する。
【0017】
図15〜図17を参照すると、パイル360の別の実施形態を示しており、この実施形態では、図18〜図20に詳細に示す垂下組み立て品120A、120Bを利用して、先端垂下組み立て品120A用のセンサ122、124、または頂部垂下組み立て品120B用のセンサ122、124および無線機160をストランド362間の中心位置に保持している。図15〜図17に示すように、これにより、より小型のアンテナ組み立て品162を使用できるようになる。図21〜図22に示すアンテナ組み立て品162は、重合体材料で形成されており、さらに、取り外し可能なカバー164および制御ユニットを含んでいることが好ましい。取り外し可能なカバー164は、アンテナと、無線機160に給電するための電池とに接触するためのものであり、また、制御ユニットは、先端垂下組み立て品120Aおよび頂部垂下組み立て品120B上のセンサ122、124のためのものである。先端センサは、頂部垂下組み立て品上に頂部センサと共に配置された制御ユニットに配線されており、先端および頂部のセンサからのデータを無線機160およびアンテナ組み立て品162を使用して送信できることが好ましい。
【0018】
図25を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるパイル310または360、あるいはこれの1区画の成型方法500を記述したフローチャートを示している。方法500は、複数のパイルストランド312、362を枠内に位置決めし、引張することと(ステップ502)、1つ以上のセンサ122、124を含む1つの垂下組み立て品120または複数の垂下組み立て品120A、120Bを、1つ以上のパイルストランド312と接続すること(ステップ504)とを含む。アンテナ組み立て品60または162は1また複数のセンサに接続している(ステップ506)。図12〜図14の実施形態では、アンテナ組み立て品は無線機を含んでいる。図15〜図17の実施形態の場合、アンテナ組み立て品162は、頂部垂下組み立て品120Bに取り付けた無線機とは別である。注入物ダイバータ70は、垂下組み立て品120、120A、120Bの上の方に配置されており、また、注入工程中にセンサを保護するために、1つ以上のストランド312およびこれに関連した補強部の上に搭載したり(ステップ508)、あるいは、例えば図23に示すように、異なる垂下組み立て品の位置へコンクリートを注入している最中にダイバータを枠内で移動させるための車輪74を有するトロリー組み立て品72を使用して、枠上に支持または正しく合わせることができる。枠、トロリー72、またはトロリー車輪74上に側壁案内部を(例えば、鉄道車輪と類似した方法で)設けて、トロリー72が枠に沿って回転する際に枠と機械的に正しく合うようにすることができる。これに加え、絶対的な合致を得るために枠の頂部上の側壁を使用し、適切な解除可能または取り外し可能なホルダを使用することで、アンテナ組み立て品162を、パイルの露出した側面と概して同一平面となるように位置を合致させるべくトロリー72を使用する枠の内部の水平搭載位置にてクリップ留めまたは保持し、コンクリートを枠内の充填高さに達するまでアンテナ組み立て品の周囲に注入することができる。次に、アンテナ組み立て品162を解除し、このアンテナ組み立て品162がパイルの表面と同一平面上になるようにコンクリートを仕上げ位置にコテで塗る。
【0019】
図12〜図14の実施形態では、アンテナ/無線機組み立て品60は、コンクリート注入中における露出を低減するために、好ましくは概して水平位置をとる形で注入物ダイバータ70に接続しており(ステップ510)、また、配線、ケーブル、コネクタも、ダイバータ70により形成された中空カバーによって保護されている。図15〜図17の実施形態では、コンクリート注入中に、アンテナ組み立て品162はダイバータ70の下に配置され、これによってカバーされることが好ましい。ダイバータの上にコンクリートシュートが中心決めされ、次に、コンクリートが、センサ/計器の内部および周囲において枠内を少なくとも部分的に充填するまで枠内に注入される(ステップ512)。枠は、ダイバータ70のすぐ下の高さにまで、または少なくとも垂下組み立て品120、120A、120B上のセンサ/計器をカバーするまで充填されることが好ましい。注入工程中、コンクリートをダイバータ70の上に直接注入し、枠の、垂下組み立て品120に近い領域を充填することができる。枠の少なくとも一部分を充填した後に、注入物ダイバータ70が除去される(ステップ514)。
【0020】
次に、アンテナ組み立て品60または162を側部に移動し、枠を望ましい高さまでコンクリートで充填する(ステップ516)。その後、アンテナ組み立て品の頂面を、
充填された枠内のパイルの露出した側面と概して同一平面となるように配置する(ステップ518)。これは、アンテナ150を設置するための空洞を形成する工具を用いて実施するか、または、コンクリートを望ましい高さにまで充填する際に、アンテナ60を無線機と共にこのコンクリート内に配置することができる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、アンテナ組み立て品162の、カバー164を設けた頂側部を除く全側面はエポキシでコーティングされており、このコーティングによって、アンテナ組み立て品162と乾いていないコンクリートとの結合が補助されることが好ましい。使い捨て式の枠、ゴム、または同等のリングを、カバー164の縁周囲と、さらに、コンクリートが硬化してカバー164を除去できるようになったら除去できるアンテナ組み立て品162のためのハウジング頂部とに配置することが好ましい。コンクリートが硬化したら、カバー164を除去して、アンテナ組み立て品162内に配置されているアンテナ、診断ポート、試験ポイント、および電池に接触することができる。
【0022】
上記で本発明の好ましい実施形態を詳細に記述したが、本発明は、単純に例証として考慮されるべき上述の特定の実施形態に限定されるものではない。本発明のさらなる修正、および拡張を展開することができ、このような修正の全ては、添付の請求項で定義されるとおりの本発明の範囲に包括されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パイルを形成するために枠内でコンクリートを成型する前の段階における、パイル枠内のストランドを示す斜視図である。
【図2】枠内でコンクリートを成型した後のパイル枠を示す斜視図である。
【図3】図1のパイル枠の断面図であり、本発明の好ましい実施形態によるストランドと注入物ダイバータを、センサを枠内に搭載するためのU字型バー垂下組み立て品の上に位置決めした状態を示す。
【図4】図3に示した注入ダイバータの斜視図である。
【図5】図4に示した注入物ダイバータの側部立面図である。
【図6】図4に示した注入物ダイバータの正面立面図である。
【図7】図4に示した注入物ダイバータの背面立面図である。
【図8】図4に示した注入物ダイバータの平面図である。
【図9】コンクリート成型以前における、本発明の好ましい実施形態によるU字型垂下組み立て品と注入物ダイバータとを含むパイルの一部を示す斜視図である。
【図10】図9に示したパイル部分の正面立面図である。
【図11】図9に示したパイル部分の側部立面図である。
【図12】コンクリート成型以前における、本発明の好ましい実施形態によるU字型バー垂下組み立て品、アンテナ/無線機組み立て品、および注入物ダイバータを含むパイルの一部を示す斜視図である。
【図13】図12のパイル部分の正面立面図である。
【図14】図12のパイル部分の側部立面図である。
【図15】パイル内に位置決めされた無線機と表面搭載アンテナを設けた先端センサパッケージおよび頂部センサパッケージを示すパイルの側面図である。
【図16】図15中の線16−16に沿ったパイルの図である。
【図17】線17−17に沿った図16のパイルの断面図である。
【図18】センサ用の垂下組み立て品の平面図である。
【図19】無線機を設けておらず、好ましくはパイル先端部にて使用される図18の垂下組み立て品の側面図である。
【図20】センサからパイルデータを送信するためにアンテナに関連して使用される無線機を装備した図18の垂下組み立て品の側面図である。
【図21】図15〜図17のパイルに使用するアンテナの別の実施形態の正面図である。
【図22】図21のアンテナ組み立て品の側面図である。
【図23】パイル枠の内部にはストランドが配置されており、ストランドどうしの間には垂下組み立て品が配置されており、垂下組み立て品の上に配置されたトロリー上には注入物ダイバータが配置されている、パイル枠の斜視図である。
【図24】本発明の好ましい実施形態によるパイルを成型する方法を示すフローチャートである。
【図25】本発明の別の好ましい実施形態によるパイル成型方法を示すフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入物ダイバータと、計器およびセンサがプレキャストされたコンクリートパイルおよび構造物を形成する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのパイルは、米国特許2006/0021447号明細書として発行された、同発明者による先行の同時係属の米国特許出願に記述されている。
【0003】
このようなコンクリート構造物を成型および製造するためのより効率的かつ費用効果的な方法を提供することが望ましい。また、成型および製造工程中に、組み込み式の監視システムを損傷から保護しながら、高速かつ効率的な構造を可能にすることが望ましい。
【特許文献1】米国特許2006/0021447号明細書
【発明の開示】
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、これらの目的は、監視されたパイルの成型に関連した注入物ダイバータを使用することで達成される。本発明による方法は、複数のパイルストランドを枠内に位置決めし、好ましくはこれを引張することと、次に、少なくとも1つのセンサを有する垂下組み立て品を上記パイルストランドのうちの少なくとも1つに接続して、少なくとも1つのセンサがパイルコア領域内に配置されるようにすることとを含む。概してV字型であることが好ましい注入物ダイバータを、垂下組み立て品の上に位置決めする。枠内の注入物ダイバータ上にコンクリートを注入することにより、枠内に入るコンクリートの流れが分岐して垂下組み立て品の両側を通って流下し、これが少なくとも1つのセンサがカバーされるまで続く。次に、注入物ダイバータを除去して成型を仕上げる。
【0005】
枠が充填された後の、アンテナ組み立て品をコンクリート中に配置する前に、注入中にアンテナ組み立て品を保持または保護するための設備を注入物ダイバータ上に提供することが好ましい。
【0006】
したがって、本発明による方法および注入物ダイバータは、センサ、垂下組み立て品、これらに関連する配線を、コンクリート注入後には直すことができない、一般的に監視されたパイルがテストされるまで知られないままでいる成型の最中に、コンクリートの直接の流れによって生じる損傷から保護するための経済的な方式を提供する。これにより欠陥が減少し、パイル成型における生産性またはスループットが悪影響を受けることがなくなる。本発明のダイバータはまた、センサの内部および周囲にコンクリートを迅速に確保するための手段を、流れに関連した応力にセンサを晒すことなく、空隙のない、一貫した形で提供する。
【詳細な説明】
【0007】
以降の記述では、限定ではなく便宜性のみの目的で特定の専門用語を使用している。「右」、「左」、「頂部」、および「底部」という用語は、参照する図面中での方向を表す。「a」、および「one」という用語は、具体的な記載がない限り、1つ以上の参照物を含むものとして定義される。この専門用語は、上で具体的に述べた用語、これの派生語、および重要性が類似する用語を含む。例えばA、BまたはCのように2個以上の物体のリストが後に続く「少なくとも1つの」という成句は、A、B、Cのうち任意の1つ、ならびにこれらの任意の組み合わせを意味する。本出願と同じ譲受人に譲渡される米国特許2006/0021447号明細書として発行された米国特許出願第11/188,492号は、以下の記述に関連した開示を提供しており、また、本明細書であたかも十分に述べられているかのように参照して組み込まれる。
【0008】
図1を参照すると、パイルを形成するために、コンクリートをパイル枠14内で成型する前に枠14内に位置決めしたパイル10用のストランド12を示す。センサ16と、パイル中にまたは設置後にデータを送信するためのアンテナ組み立て品18とは、好ましくは結束バンドや類似の保持デバイスを使用して、ストランド12に接続した状態、あるいは、ストランドから垂下、またはストランドの上に垂下した状態で示されている。センサとアンテナは、パイルを設置および/または永久監視するため、並びに場合によりパイルデータを可能にするために、以下に詳細に記述するように、パイル内に組み込まれているセンサが収集したデータの直接無線データ転送を使用してパイルを監視するために使用されることが好ましい。
【0009】
図1は、無線機をさらに含むアンテナ組み立て品60の第1実施形態を示しており、この無線機はパイルストランド12の頂部に一時的に配置されることで、枠内で成型されるコンクリートに浮く形となり、これによりアンテナ/無線機組み立て品60がパイルの表面上に位置するようになる。これに加え、センサ16は、パイルストランド12どうしの間に位置するために、以降でさらに詳細に説明するような好ましい垂下組み立て品に取り付けられている。
【0010】
図2は、コンクリート注入後に枠14内に成型されたパイル10を示す。アンテナ18の表面は一般的に水平に維持され、パイル駆動前、駆動中、および/または駆動後に信号を送信するために露出している。さらに、アンテナ/無線機組み立て品60のカバー64も露出したままとなる。また、アンテナ18を除去して、電子機器モジュールハウジング61のカバー64内部にアンテナを組み込むことも可能である。
【0011】
図3に示すように、本発明によれば、U字型のバー垂下組み立て品120はパイル枠14内に一般的に垂直に設置されることで、これの上に配置したセンサの高速、精密、および繰返し可能な位置決めを促進することが好ましい。この組み立て品120は、加速度計122とひずみ計124を含むことが好ましく、これらは断面図上でパイルのコア内に位置決めされている必要がある。U字型バー垂下組み立て品120はばね装填されており、センサをパイル枠14のコア領域の中心内に繰返し位置決めできるようになっていることで、手作業での測定の必要性が最小化され、後続のパイルの駆動中に正確な加速の測定を可能にするために加速度計がパイル長と直行する位置に維持され、さらに、精密なひずみ測定を確実に行うためにひずみ計がパイルの縦軸と平行する位置に維持されることが好ましい。U字型バー垂下組み立て品の好ましい実施形態、およびこれの好ましい設置は、本願明細書に組み込まれた米国特許出願第11/188,492号に詳細に記述されている。
【0012】
図1〜図3に示したセンサの設置に伴う1つの問題は、コンクリート注入中に、センサ122、124および配線が、センサ122、124の上を直進する液体状コンクリートの流れによって生じた応力および力により損傷したり動いてしまう可能性があることである。垂下組み立て品120はまた、測定されたストランド12どうしの間における位置から変位してしまう危険に晒されている。センサ122、124の位置はデータの完全性にとって重要であるため、位置の変更はあってはならない。さらに、水平搭載位置において、コンクリートを注入するための大きな外郭を周囲に呈しているアンテナ組み立て品18は、コンクリート注入工程中の損傷の重大な危険性がある。典型的には、パイルの成型中に、コンクリートが枠の一端から他端へと枠の中央に沿って直線状に注入される。枠の長さは典型的に数百フィートであり、端から端にかけて形成された複数のパイルを含んでいる。図3に示すように、液体状コンクリート注入中にこれを端から端に向かって垂下組み立て品から逸らさせるために、枠14内でコンクリートを成型する前に、注入物ダイバータ70がパイル10のストランド上に位置決めされる。つまり、コンクリートは枠に向かって流下しながら真直ぐに枠に到達するが、ダイバータの位置にて、コンクリートはダイバータ7による両側に向かう2つの流れに分割され、垂下組み立て品120上のセンサ122、124をカバーするのに十分な高さに達するまでこのまま流れ続ける。
【0013】
図4〜図8を参照すると、注入物ダイバータ70はV字型であり、上において一般的に障害のない流れを促進するための2つのダイバータ側部71を設けていることが好ましい。あるいは、ダイバータ70をこれ以外の任意の適切な形状に形成することも可能である。ダイバータ70の運搬および位置決めを促進するためにハンドル部分72が提供されることが好ましい。また、ダイバータ70の両端部75のそれぞれに隙間76を提供して、以下で述べるように、ダイバータ70がアンテナ/無線機組み立て品60の協働部分を受容することが好ましい。当業者は、クランプ、クリップ、またはハンガーなどの別のアンテナ保持特徴の提供も可能であることを理解するだろう。ダイバータ70は、溶接された2つの同一形状の金属部品74で構造されていることが好ましい。あるいは、ダイバータ70は木製、プラスチック製、複合材料、もしくは任意の適切な構造方法を使用する任意の適切な材料で製造されてもよい。
【0014】
図9〜図11を参照すると、コンクリート成型前に示したパイル210の一部は、本発明の好ましい実施形態によるU字型バー垂下組み立て品120と、注入物ダイバータ70とを含んでいる。パイル部分210内において、U字型バー垂下組み立て品120は、ストランド212の位置のために垂直から若干角度をつけて位置決めされている。
【0015】
図24を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるパイル210またはこれの一部の成型方法400を記述したフローチャートを示す。この方法は、複数のパイルストランドを枠内に位置決めし、引張することと(ステップ402)、および1つ以上のセンサを含む垂下組み立て品120をストランドに接続すること(ステップ404)とを含む。注入物ダイバータ70は、垂下組み立て品120の上の中央に位置決めされ、注入物ダイバータ70が1つ以上のパイル210のストランド212または内部鋼鉄構造と接触して注入工程中にセンサを保護する(ステップ406)ことが好ましい。コンクリートが枠内に注入されて、枠が少なくとも部分的に充填される(ステップ408)。ダイバータ70のすぐ下の高さまで、あるいは垂下組み立て品120上の少なくともセンサ/計器をカバーする高さまで枠にコンクリートを充填することが好ましい。注入工程中に、コンクリートをダイバータ70の上に直接注入して、材料の流れを両側に分岐させることにより、枠の、垂下組み立て品120に近い領域をより完全に充填することが可能となる。枠を部分的に充填した後に、注入物ダイバータ70を除去し(ステップ410)、枠を望ましい高さまでコンクリートで完全に充填する(ステップ412)。
【0016】
図12〜図14を参照すると、コンクリート成型以前におけるパイル310の一部が、本発明によるU字型バー垂下組み立て品120と注入物ダイバータ70を含んでいる状態を示している。パイル部分310内において、U字型バー垂下組み立て品120は、ストランド312の位置のために垂直から若干角度をつけて位置決めされている。図1、図2に示すとおりに無線機を設けたアンテナ組み立て品60が、U字型バー垂下組み立て品120の付近に位置決めされている。アンテナ/無線機組み立て品60を垂直かつ外方に延びた位置に位置決めするために、アンテナ/無線機組み立て品60の浮力補正板67は、注入物ダイバータ70の1つの隙間76の内部にて整列している。この位置によって、アンテナ/無線機組み立て品60の水平方向に露出する領域が減少するため、注入工程中、アンテナ/無線機組み立て品60が注入されたコンクリートに露出する割合が減少する。さらに、ダイバータ70の下面で形成された中空カバーの下に配線およびコネクタを位置決めすることで、これらを損傷から保護する。
【0017】
図15〜図17を参照すると、パイル360の別の実施形態を示しており、この実施形態では、図18〜図20に詳細に示す垂下組み立て品120A、120Bを利用して、先端垂下組み立て品120A用のセンサ122、124、または頂部垂下組み立て品120B用のセンサ122、124および無線機160をストランド362間の中心位置に保持している。図15〜図17に示すように、これにより、より小型のアンテナ組み立て品162を使用できるようになる。図21〜図22に示すアンテナ組み立て品162は、重合体材料で形成されており、さらに、取り外し可能なカバー164および制御ユニットを含んでいることが好ましい。取り外し可能なカバー164は、アンテナと、無線機160に給電するための電池とに接触するためのものであり、また、制御ユニットは、先端垂下組み立て品120Aおよび頂部垂下組み立て品120B上のセンサ122、124のためのものである。先端センサは、頂部垂下組み立て品上に頂部センサと共に配置された制御ユニットに配線されており、先端および頂部のセンサからのデータを無線機160およびアンテナ組み立て品162を使用して送信できることが好ましい。
【0018】
図25を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるパイル310または360、あるいはこれの1区画の成型方法500を記述したフローチャートを示している。方法500は、複数のパイルストランド312、362を枠内に位置決めし、引張することと(ステップ502)、1つ以上のセンサ122、124を含む1つの垂下組み立て品120または複数の垂下組み立て品120A、120Bを、1つ以上のパイルストランド312と接続すること(ステップ504)とを含む。アンテナ組み立て品60または162は1また複数のセンサに接続している(ステップ506)。図12〜図14の実施形態では、アンテナ組み立て品は無線機を含んでいる。図15〜図17の実施形態の場合、アンテナ組み立て品162は、頂部垂下組み立て品120Bに取り付けた無線機とは別である。注入物ダイバータ70は、垂下組み立て品120、120A、120Bの上の方に配置されており、また、注入工程中にセンサを保護するために、1つ以上のストランド312およびこれに関連した補強部の上に搭載したり(ステップ508)、あるいは、例えば図23に示すように、異なる垂下組み立て品の位置へコンクリートを注入している最中にダイバータを枠内で移動させるための車輪74を有するトロリー組み立て品72を使用して、枠上に支持または正しく合わせることができる。枠、トロリー72、またはトロリー車輪74上に側壁案内部を(例えば、鉄道車輪と類似した方法で)設けて、トロリー72が枠に沿って回転する際に枠と機械的に正しく合うようにすることができる。これに加え、絶対的な合致を得るために枠の頂部上の側壁を使用し、適切な解除可能または取り外し可能なホルダを使用することで、アンテナ組み立て品162を、パイルの露出した側面と概して同一平面となるように位置を合致させるべくトロリー72を使用する枠の内部の水平搭載位置にてクリップ留めまたは保持し、コンクリートを枠内の充填高さに達するまでアンテナ組み立て品の周囲に注入することができる。次に、アンテナ組み立て品162を解除し、このアンテナ組み立て品162がパイルの表面と同一平面上になるようにコンクリートを仕上げ位置にコテで塗る。
【0019】
図12〜図14の実施形態では、アンテナ/無線機組み立て品60は、コンクリート注入中における露出を低減するために、好ましくは概して水平位置をとる形で注入物ダイバータ70に接続しており(ステップ510)、また、配線、ケーブル、コネクタも、ダイバータ70により形成された中空カバーによって保護されている。図15〜図17の実施形態では、コンクリート注入中に、アンテナ組み立て品162はダイバータ70の下に配置され、これによってカバーされることが好ましい。ダイバータの上にコンクリートシュートが中心決めされ、次に、コンクリートが、センサ/計器の内部および周囲において枠内を少なくとも部分的に充填するまで枠内に注入される(ステップ512)。枠は、ダイバータ70のすぐ下の高さにまで、または少なくとも垂下組み立て品120、120A、120B上のセンサ/計器をカバーするまで充填されることが好ましい。注入工程中、コンクリートをダイバータ70の上に直接注入し、枠の、垂下組み立て品120に近い領域を充填することができる。枠の少なくとも一部分を充填した後に、注入物ダイバータ70が除去される(ステップ514)。
【0020】
次に、アンテナ組み立て品60または162を側部に移動し、枠を望ましい高さまでコンクリートで充填する(ステップ516)。その後、アンテナ組み立て品の頂面を、
充填された枠内のパイルの露出した側面と概して同一平面となるように配置する(ステップ518)。これは、アンテナ150を設置するための空洞を形成する工具を用いて実施するか、または、コンクリートを望ましい高さにまで充填する際に、アンテナ60を無線機と共にこのコンクリート内に配置することができる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、アンテナ組み立て品162の、カバー164を設けた頂側部を除く全側面はエポキシでコーティングされており、このコーティングによって、アンテナ組み立て品162と乾いていないコンクリートとの結合が補助されることが好ましい。使い捨て式の枠、ゴム、または同等のリングを、カバー164の縁周囲と、さらに、コンクリートが硬化してカバー164を除去できるようになったら除去できるアンテナ組み立て品162のためのハウジング頂部とに配置することが好ましい。コンクリートが硬化したら、カバー164を除去して、アンテナ組み立て品162内に配置されているアンテナ、診断ポート、試験ポイント、および電池に接触することができる。
【0022】
上記で本発明の好ましい実施形態を詳細に記述したが、本発明は、単純に例証として考慮されるべき上述の特定の実施形態に限定されるものではない。本発明のさらなる修正、および拡張を展開することができ、このような修正の全ては、添付の請求項で定義されるとおりの本発明の範囲に包括されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パイルを形成するために枠内でコンクリートを成型する前の段階における、パイル枠内のストランドを示す斜視図である。
【図2】枠内でコンクリートを成型した後のパイル枠を示す斜視図である。
【図3】図1のパイル枠の断面図であり、本発明の好ましい実施形態によるストランドと注入物ダイバータを、センサを枠内に搭載するためのU字型バー垂下組み立て品の上に位置決めした状態を示す。
【図4】図3に示した注入ダイバータの斜視図である。
【図5】図4に示した注入物ダイバータの側部立面図である。
【図6】図4に示した注入物ダイバータの正面立面図である。
【図7】図4に示した注入物ダイバータの背面立面図である。
【図8】図4に示した注入物ダイバータの平面図である。
【図9】コンクリート成型以前における、本発明の好ましい実施形態によるU字型垂下組み立て品と注入物ダイバータとを含むパイルの一部を示す斜視図である。
【図10】図9に示したパイル部分の正面立面図である。
【図11】図9に示したパイル部分の側部立面図である。
【図12】コンクリート成型以前における、本発明の好ましい実施形態によるU字型バー垂下組み立て品、アンテナ/無線機組み立て品、および注入物ダイバータを含むパイルの一部を示す斜視図である。
【図13】図12のパイル部分の正面立面図である。
【図14】図12のパイル部分の側部立面図である。
【図15】パイル内に位置決めされた無線機と表面搭載アンテナを設けた先端センサパッケージおよび頂部センサパッケージを示すパイルの側面図である。
【図16】図15中の線16−16に沿ったパイルの図である。
【図17】線17−17に沿った図16のパイルの断面図である。
【図18】センサ用の垂下組み立て品の平面図である。
【図19】無線機を設けておらず、好ましくはパイル先端部にて使用される図18の垂下組み立て品の側面図である。
【図20】センサからパイルデータを送信するためにアンテナに関連して使用される無線機を装備した図18の垂下組み立て品の側面図である。
【図21】図15〜図17のパイルに使用するアンテナの別の実施形態の正面図である。
【図22】図21のアンテナ組み立て品の側面図である。
【図23】パイル枠の内部にはストランドが配置されており、ストランドどうしの間には垂下組み立て品が配置されており、垂下組み立て品の上に配置されたトロリー上には注入物ダイバータが配置されている、パイル枠の斜視図である。
【図24】本発明の好ましい実施形態によるパイルを成型する方法を示すフローチャートである。
【図25】本発明の別の好ましい実施形態によるパイル成型方法を示すフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイルの成型方法であって、
複数のパイルストランドを枠内に位置決めすることと、
少なくとも1つのセンサがパイルコア領域内に配置されるように、前記少なくとも1つのセンサを有する垂下組み立て品を、前記パイルストランドのうち少なくとも1つに接続することと、
注入物ダイバータを前記垂下組み立て品の上に位置決めすることと、
前記枠内にコンクリートを注入することと、
前記注入物ダイバータを除去することと、
を備える方法。
【請求項2】
コンクリートが少なくとも1つのセンサをカバーするまで垂下組み立て品の両側上で枠を充填できるようにするために、前記注入物ダイバータが、前記注入物ダイバータの上を流れる前記コンクリートの流れを分岐させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記注入物ダイバータを除去した後に、前記枠をコンクリートで完全に充填することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アンテナ組み立て品を前記1つ以上のセンサに接続することと、
前記アンテナ組み立て品を前記注入物ダイバータに接続するか、または前記アンテナ組み立て品を前記注入物ダイバータでカバーすることと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コンクリートを注入し、前記ダイバータを除去した後に、前記アンテナ組み立て品を、前記パイルの露出した側面と概して水平となるように前記枠内に位置決めすることをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記注入物ダイバータの下の配線、ケーブル、コネクタのうち少なくとも1つを遮蔽することをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記アンテナを前記パイルの露出した側面上の所定の深度に配置するために、前記ダイバータを前記枠の側部に合致させることをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
トロリー組み立て品を使用して、前記注入物ダイバータを前記パイル枠に沿って移動させることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
パイルを形成するために、コンクリートの流れを枠内に逸らさせる注入物ダイバータであって、
概してV字型に配列された2つのダイバータ側部と、
前記2つの側部が互いに連結する位置に形成されたハンドル部分と、
前記2つの側部の間に位置する対向した2つの端部と、
を備える注入物ダイバータ。
【請求項10】
前記ダイバータは、相互に溶接された、同一に形成された2つの金属部品で形成されている、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【請求項11】
前記注入物ダイバータはこれの下に中空の空洞を画定している、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【請求項12】
前記ハンドル部分は、前記2つのダイバータ側部の頂部に設けた隙間によって形成されている、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【請求項13】
前記端部はアンテナ保持特徴を含んでいる、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【請求項1】
パイルの成型方法であって、
複数のパイルストランドを枠内に位置決めすることと、
少なくとも1つのセンサがパイルコア領域内に配置されるように、前記少なくとも1つのセンサを有する垂下組み立て品を、前記パイルストランドのうち少なくとも1つに接続することと、
注入物ダイバータを前記垂下組み立て品の上に位置決めすることと、
前記枠内にコンクリートを注入することと、
前記注入物ダイバータを除去することと、
を備える方法。
【請求項2】
コンクリートが少なくとも1つのセンサをカバーするまで垂下組み立て品の両側上で枠を充填できるようにするために、前記注入物ダイバータが、前記注入物ダイバータの上を流れる前記コンクリートの流れを分岐させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記注入物ダイバータを除去した後に、前記枠をコンクリートで完全に充填することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アンテナ組み立て品を前記1つ以上のセンサに接続することと、
前記アンテナ組み立て品を前記注入物ダイバータに接続するか、または前記アンテナ組み立て品を前記注入物ダイバータでカバーすることと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コンクリートを注入し、前記ダイバータを除去した後に、前記アンテナ組み立て品を、前記パイルの露出した側面と概して水平となるように前記枠内に位置決めすることをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記注入物ダイバータの下の配線、ケーブル、コネクタのうち少なくとも1つを遮蔽することをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記アンテナを前記パイルの露出した側面上の所定の深度に配置するために、前記ダイバータを前記枠の側部に合致させることをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
トロリー組み立て品を使用して、前記注入物ダイバータを前記パイル枠に沿って移動させることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
パイルを形成するために、コンクリートの流れを枠内に逸らさせる注入物ダイバータであって、
概してV字型に配列された2つのダイバータ側部と、
前記2つの側部が互いに連結する位置に形成されたハンドル部分と、
前記2つの側部の間に位置する対向した2つの端部と、
を備える注入物ダイバータ。
【請求項10】
前記ダイバータは、相互に溶接された、同一に形成された2つの金属部品で形成されている、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【請求項11】
前記注入物ダイバータはこれの下に中空の空洞を画定している、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【請求項12】
前記ハンドル部分は、前記2つのダイバータ側部の頂部に設けた隙間によって形成されている、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【請求項13】
前記端部はアンテナ保持特徴を含んでいる、請求項9に記載の注入物ダイバータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2009−519847(P2009−519847A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545839(P2008−545839)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047888
【国際公開番号】WO2007/075402
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(507023337)スマート・ストラクチャーズ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047888
【国際公開番号】WO2007/075402
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(507023337)スマート・ストラクチャーズ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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