説明

注意集中力を高める消費者製品

【課題】消費されると、集中力、注意集中力および/または鋭敏性に著しい改善をもたらす組成物を提供すること。
【解決手段】ヒトの直接消費に適し、(A)テアニン300〜3000ppm、および(B)カフェイン200〜2000ppmを含み、テアニン対カフェインの比が5:1〜1:15である組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定量のテアニンおよびカフェインを含み、精神的鋭敏性を高める飲料製品に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の精神的、肉体的側面を高めることができる食品および飲料製品は、ますます人気を集めている。とりわけ、知力状態を高める製品は特に商業的価値がある。
【0003】
精神的効果をもたらす成分を含有する飲料は、数世紀の間に知られてきた。現代の飲料では、茶およびコーヒーが恐らく最も知られている。この精神的高揚をもたらすものが、これら2つのドリンク中のカフェインであることは従来より理解されている。しかし、茶はカフェインを含有することに加え、精神的効果を有する他の天然成分も含有していることが明らかになった。
【0004】
茶には、酵素、生化学的媒介物、および通常は植物の成長や光合成に関連する構造成分の複雑な組合せが含まれている。茶に独特の味や渋み、香り、色をもたらす多くの天然物質も存在する。これらの多くは、紅茶製造のいわゆる発酵段階で発生する酸化反応によって生じる。茶の生産は長い間、関連する化学反応について基本的理解しか得られていない伝統的加工法により行われてきた。また、茶には、アミノ酸であるテアニンの天然の供給源が含まれている。テアニンは、ヒトの肉体と精神に数々の有益な効果を与えることが明らかになっている。
【0005】
しかし、現在これは、人工のサンテアニンのかたちで多量に入手できるにすぎない。これは主に、自然発生するテアニンの割合が、茶の植物原料から抽出可能な茶固形物の約1%にすぎないことが原因している。
【0006】
EP1393726(太陽化学、2001)には、テアニンを含んだ精神的集中力を改善するための組成物(例えば、食品や医薬品)が開示されている。これには、テアニン0.00025〜100wt%、0.005〜100wt%、0.05〜100wt%を含む複数の組成物が開示されている。
【0007】
US5501866(伊藤園、1995)には、カフェインおよびテアニンを含み、テアニン対カフェインの比が10:1〜500:1である組成物が開示されている。
【0008】
US5780086(P&G、1996)には、テアニンおよびカフェインを含む緑茶飲料が開示されている。
【0009】
US6268009(P&G、1999)には、テアニンおよびカフェインを含む緑茶抽出物が開示されており、テアニン200ppmおよびカフェイン992ppmを含む1つの抽出物が開示されている。煎じた1杯の紅茶には、最大約20mg/100gのテアニンと40mg/100gのカフェインが含まれる。これらはそれぞれ、飲料の0.02wt%、0.04wt%、即ち200ppm、400ppmに相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP1393726
【特許文献2】US5501866
【特許文献3】US5780086
【特許文献4】US6268009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者は、一定量のカフェインおよびテアニンが、驚くべき相乗作用を伴う精神的効果をもたらすことを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
組成物
本組成物は、ヒトの直接消費に適する。したがって、食品または飲料製品のどちらにもなる。好ましくは飲料であり、より好ましくは茶系飲料である。しかし、菓子やスナック棒、チューイングガム、アイスクリームなどの他の製品形態も可能である。
【0013】
本発明の飲料は、蒸留飲料または炭酸飲料であってもよい。炭酸化はそれ自体が防腐効果をもたらすと考えられるため、炭酸製品の調製については、蒸留製品と同じにする必要はない。溶解が十分でない炭酸ガスは、細胞壁の成長を傷害する可能性がある。
【0014】
本発明による飲料は、カフェインおよびテアニンの濃度を除けば通常の方法で調整される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
「茶系飲料」という用語は、カメリアシネンシス(Camellia sinensis)やカメリアアッサミカ(Camellia assamica)、アスパラサスリネアリス(Aspalathus linearis)の茶葉原料から抽出した固体エキスを含む飲料を表す。茶葉は、いわゆる「発酵」ステップの影響を受けると考えられる。このステップで茶葉は、「紅茶」製造の初期段階で放出される特定の内因性酵素により酸化される。この酸化には、オキシダーゼやラッカーゼ、ペルオキシダーゼなど外因性酵素作用が加わることもある。あるいは、茶葉は、部分的に発酵(「ウーロン」茶)しているか、実質的な未発酵(「緑茶」)のものであってもよい。茶は、エキスや濃縮物、粉末、または顆粒などさまざまな形態で飲料に加えることができる。
【0016】
茶を媒質に加えると、微生物腐敗のリスクが高まることが多い。これは恐らく、微生物が成長するための栄養を茶が提供するためである。通常、茶系飲料中で成長することのできるほとんどの微生物は、窒素や酸素、亜鉛、マグネシウム、カリウム、リン酸塩、およびビタミンの供給源である糖で繁殖する。したがって、糖の含有量を8〜10ブリックス度に制限することは有益であるが、製品がティーミックスである場合は、最大60ブリックス度まで用いることができるであろう。酸素含有量は、事前の低温殺菌や若干の加熱処理、窒素噴霧により最小限に抑えることができる。茶系飲料のミネラル含有量は、EDTA、クエン酸、または硬水軟化剤を用いて最小限に抑えることができる。例えば、マグネシウムイオン濃度が0.2ppmを上回る場合、微生物は茶の中で成長することが可能であり、トレースレベルの亜鉛しか必要としない。これに対してクエン酸を用いる場合、クエン酸は味覚に影響を与えることがあるので注意しなければならない。
【0017】
0.1〜3%のような低濃度では、茶が微生物腐敗の可能性を高める栄養物の役目を果たす。茶のもつ既知の抗菌特性や抗ウイルス特性を考えると、これは予想外の現象である。茶が酵母菌やカビの成長を抑制し始めるのは、濃度が3%を超えてからである。
【0018】
水質により、飲料の安定性が重度に損なわれることがある。コールドフィリング用の茶系飲料を作製する場合、これは重要な要因となる。そのため、全製造段階に用いる水の酵母菌含有量を最小限にすることがしばしば重要となろう。当技術分野における既知の方法には、塩素処理/脱塩素処理、およびUV照射がある。
【0019】
弱酸性酸味料は微生物の細胞を透過することができないため、弱酸性防腐剤としての効果はあったとしてもわずかである。その濃度は一般に、クエン酸同等物中の滴定酸度(g/l)を参照にする。茶系飲料には通常、1〜4g/lの滴定酸度が含まれる。そのような飲料のpHはpH2.5〜pH4.2に低下する傾向にある。腐敗酵母菌はpH2.0まで成長することができるのに対し、カビの胞子は通常、pH1.6まで成長することができる。
【0020】
腐敗酵母菌や腐敗カビに対して、pH自体に抗菌効果が見られない3.0などのpHでは、桂皮酸100ppmを加えることで完全に成長が阻止されるであろう。この量の桂皮酸は、中性pHでは全く効果がなく、桂皮酸と低pHとの実質的な相乗効果を示す。
【0021】
本発明の防腐システムおよび香味システムでは、任意で他の防腐剤を含めることができる。このため、弱酸性防腐剤が好適となる。あるいは、既存の弱酸性防腐剤を補うものとして、桂皮酸を低pHで用いることも考えられうる。どちらの防腐剤でも、従来の弱酸性防腐剤は、微生物の細胞を酸性にする、即ち、内部pH(pHi)を低下させることにより機能する。溶液では未解離の弱酸は、微生物膜で溶解して細胞内へ通過することができる。電荷した解離イオンは、電荷により脂質膜で溶解することが阻止されるため、細胞内へ進入することができない。細胞内へ進入した場合、未解離の弱酸性分子は、はるかに高いpH(6.5〜7.0)領域に到達するとすぐに電荷した解離イオン型に戻るが、これもプロトン(H+)も放出するため、内部pHは低下する。
【0022】
プロトンが持続放出されると、H+イオン濃度が上昇し、細胞性酵素の機能停止レベルまで内部pHが低下する原因となる。また、弱酸が細胞内へ移動すると、媒質からプロトンが除去され、外部pHが上昇する原因となる。最終的には、内部pHと外部pHが同じになり、弱酸の細胞内への流れは停止するであろう。
【0023】
最大効果を得るには、弱酸性防腐剤は酸性媒質で最もよく作用する。酸性媒質には、細胞へ進入可能なより多くの酸性未解離酸が存在し、弱酸の輸送が止まる前に細胞の内部pHを低下させることができる。
【0024】
弱酸性防腐剤には、ソルビン酸、安息香酸、亜硫酸、酢酸、プロピオン酸、およびパラベンがある。飲料に対する酸味料としての効果があるとしても、それらは通常、低濃度ではわずかなpHを有するにすぎないが、大きな抗菌効果が得られる。異なる弱酸は異なるpKa値を有する傾向にある。例えば、ソルビン酸のpKaは4.76であり、亜硫酸のpKaは1.88である。これはつまり、pH4.76では、ソルビン酸50%、ソルビン酸イオン50%となることを意味する。これより高いpHでは、ソルビン酸塩が多くなり、未解離の酸が少なくなる。例えば、pH6.5では、ソルビン酸2%、ソルビン酸塩98%となるであろう。
【0025】
本発明の防腐システムおよび香味システムでは、弱酸性防腐剤の適切な選択と濃度は、弱酸のpKaおよび最終製品のpHに依存するであろう。茶系飲料のpHが3.0pH未満であれば、桂皮酸と安息香酸との組合せが好ましい。一方、茶系飲料のpHが3.4pH未満であれば、桂皮酸とソルビン酸との組合せが好ましい。
【0026】
防腐システムおよび香味システムの安定性は、飲料のpHをpH4.5未満に保つことが可能かどうかにかかっている。一般的に言えば、茶系飲料のpHを調整し維持するためには、当技術分野における既知の手段を用いることができる。
【0027】
テアニンおよびカフェインの含有量
本発明による製品は、テアニン300ppm〜3000ppm、およびカフェイン200ppm〜2000ppmを含有している。さらに、テアニン対カフェインの比は5:1〜1:15である。
【0028】
そのような組成物を個人に投与すると、その個人の集中力や注意集中力および/または機敏性に顕著な改善結果をもたらすことができることを見出した。これは、投与前に精神的および/または肉体的に疲労していない個人においても当てはまる。したがって、精神的および/または肉体的に疲労した個人のストレスを軽減することで知られる補助物質(アミノ酸のアルギニンなど)を組成物に任意で含めることもできるが、最良の実施形態では、実質的にそのような物質は本組成物に含めていない。特に、本組成物は、好ましくは100ppm未満であり、より好ましくは50ppm未満であり、さらにより好ましくは10ppm未満であり、最適には1ppmであるアルギニンを含む。
【0029】
テアニン対カフェインの比は、好ましくは4:1〜1:1.5であり、より好ましくは3:1〜1:1である。
【0030】
テアニンの濃度は400〜2000ppmにすることができ、好ましくは600〜1500ppmにすることができる。カフェインの濃度は300〜1500ppmにすることができ、好ましくは400〜1000ppmにすることができる。
【0031】
テアニンとカフェインの相対濃度は重要である。しかし、本発明の利点を実現するには、一定量のテアニンとカフェインが個人の消費に送達されることが重要である。この点から、(a)テアニン40〜500mg、(b)カフェイン30〜400mgをヒトに口を経由して送達することができ、質量が500g未満の組成物が適している。組成物は、テアニン80〜400mgを送達することが好ましく、カフェイン60〜300mgを送達することが望ましい。
【実施例】
【0032】
(実施例)
(実施例1)
飲料
プラセボ飲料は、茶の固形物を調製物から除いたこと除けば、市販の無糖タイプの茶系飲料(リプトン(商標)ピーチライトアイスティー)と同じ組成物で作製した。次に、テアニン(99%がL-テアニンで、太陽化学株式会社より入手可能であるサンテアニン(商標))および/またはカフェイン(医薬品グレード)を不活性プラセボに添加し、(1試飲250mlあたり)カフェイン150mg、テアニン250mg、またはカフェイン150mgおよびテアニン250mgを含む3種類の試験飲料を生成した。これらの量はそれぞれ、カフェイン約600ppm、テアニン約1000ppm、またはカフェイン約600ppmおよびテアニン約1000ppmの濃度に相当する。
【0033】
単語認識
1グループが単語認識テストに参加した。テストは4日間にわたり行われ、各日とも上記に記載の飲料のいずれか1つが各日種類を違えて提供された。1シリーズ15単語を各被験者に見せ、1回に1単語ずつコンピューター画面に提示した。約20分後、このシリーズの単語に新たな15単語をランダムに混ぜたものを被験者に再び示した。被験者はキーボードのボタン「はい」または「いいえ」のどちらかを押して、初回のリストで見た単語はどれかを指摘しなければならなかった。テストは、飲料を摂取する前(t=0)、および摂取後30分、90分に行った。時間=0と比べた場合の全被験者における平均反応時間(Δt)を表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
多量のテアニンおよびカフェインを約1.7:1の比で組み合わせると、それぞれを単独で用いた場合に比べて驚くべき相乗効果をもたらすことがわかる。
【0036】
鋭敏性
鋭敏性は、ボンド-レーダー気分調査票を用いて測定した。調査票は、機敏な-緩慢な、冷静な-興奮した、などの1組の反意語の1単語が片側に固定された、16の視覚アナログ尺度で構成されている。項目ごとのスコアは公式を用いて合計し、3つの気分因子、即ち鋭敏性、冷静さおよび満足に関するスコアを作製する。テストは、飲料の摂取前(時間=0)、および摂取後30分、90分に行った。t=0と比べた場合の全被験者におけるスコアの差の平均(Δs)を表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
ここでもまた、高濃度のテアニンおよびカフェインを約1.7:1の比で組み合わせると、驚くべき相乗効果が生まれることがわかる。
【0039】
(実施例2)
飲料
プラセボ飲料は、茶の固形物を調製物から除いたこと除けば、市販の無糖タイプの茶系飲料(リプトン(商標)ピーチライトアイスティー)と同じ組成物で作製した。次に、テアニン(99%がL-テアニンで、太陽化学株式会社より入手可能であるサンテアニン(商標))および/またはカフェイン(医薬品グレード)を不活性プラセボに添加し、(1試飲250mlあたり)カフェイン50mg、テアニン50mg、カフェイン50mgおよびテアニン50mg、カフェイン250mg、テアニン250mg、またはテアニン250mgおよびカフェイン250mgを含む3種類の試験飲料を生成した。これらの量はそれぞれ、カフェイン約200ppm、テアニン約200ppm、カフェイン約200ppmおよびテアニン約200ppm、カフェイン約1000ppm、テアニン約1000ppm、カフェイン約1000ppmおよびテアニン約1000ppmの濃度に相当する。
【0040】
飲料ごとに、単純反応時間、選択反応時間、および迅速視覚情報処理に対する効果についてテストした。
【0041】
単純反応時間(Simple Reaction Time: SRT)
被験者は、アステリスクがコンピューター画面に現れるたびにスペースキーを押す。その出現間隔はランダムである。全被験者におけるドリンク摂取直前の反応時間に対し、ドリンク摂取後48分の反応時間の変化の平均(ΔSRT)を飲料ごとに計算した。
【0042】
選択反応時間(Choice Reaction Time: CRT)
バラバラの一連の文字(GかBのいずれか)が、赤または緑のフォントでコンピューター画面に現れる。被験者は赤いBにのみ反応しなければならない(スペースキーを押して)。全被験者におけるドリンク摂取直前の反応時間に対し、ドリンク摂取後38分の反応時間の変化の平均(ΔCRT)を飲料ごとに計算した。
【0043】
迅速視覚情報処理(Rapid visual information processing: RVIP)
飲料の摂取から43分後、各被験者は次々に示される数字を観察し、3つの連続する奇数または偶数を選ぶ。数字は1分あたり100個の割合で提示され、課題時間は5分で、60秒ごとに8個の正解が含まれている。全被験者における正答回数(RVIP)の平均を飲料ごとに計算した。
【0044】
結果
上記に記載の3試験の結果を表3に示す。
【0045】
【表3】

【0046】
図に示したように、テアニン対カフェインの比が1:1では、プラセボに比べて、低レベル(50mg)、高レベル(250mg)のいずれにおいてもSRTが有意に改善するのに対し、高レベル(250mg)のテアニンおよびカフェインを含む飲料のみが、3つの全指標(SRT、CRT、およびRVIP)において有意な改善を示している。
【0047】
(実施例3)
飲料
プラセボおよび2種類の試験飲料は、表4に示す調製に従って作製した。2種類の試験飲料は1試飲あたり(250ml)、カフェイン50mg、またはカフェイン50mgおよびテアニン100mgを含有した。
【0048】
【表4】

【0049】
飲料ごとに、単語認識および注意の切り替えに対する効果についてテストした。
【0050】
単語認識
27名それぞれに対し、15単語を1回に1単語、1秒ごとにコンピューター画面に提示した。約20分後、これら最初の単語(古い単語)に不正解の単語(新しい単語)を加えたものを、1回に1単語ずつ順不同で提示した。参加者は1単語ごとに、それが最初のリストにあったか否かを所定のキーをできるだけ早く押して示さなければならなかった。画像の提示時間は30秒であり、認識テスト時間は1分であった。テストは、各飲料を摂取する前(t=0)、および摂取後60分、90分に行った。時間=0と比べた場合の全被験者における正しい反応回数の平均(Δw)を表5に示す。
【0051】
【表5】

【0052】
図に示したように、テアニンおよびカフェインの両方を含む飲料のみが、プラセボに対して有意な改善を示した。
【0053】
注意の切り替え
27名が持続的注意力および実行機能を測定する課題に参加した。参加者に対し、1つの文字と1つの数字が赤か紫で画面上に同時に提示された。それらが赤であった場合、被験者は文字に注意して、それが母音であるときのみスペースキーを押した。紫であった場合、被験者はその数字が偶数であるときのみ、同様の反応をした。色は4回ごとに変わった。テスト時間は5分であった。時間=0と比べた場合の正しい反応の平均反応時間(Δt)、および時間=0と比べた場合の正しい反応回数(Δn)を表6および7に示す。
【0054】
【表6】

【0055】
【表7】

【0056】
図に示したように、摂取後60分では、テアニンおよびカフェインの両方を含む飲料のみがプラセボに対して有意な改善を示した。しかし、90分後では、カフェインを含む飲料のみがプラセボに対し有意な改善を示したが、これは正しい反応回数に関してのみのことであり、反応時間についてではなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直接消費に適し、ヒトの口を経由してその機能的利点を送達する組成物であって、
(a)テアニン300〜3000ppmと、
(b)カフェイン200〜2000ppmと
を含み、テアニン対カフェインの比が5:1〜1:15である組成物。
【請求項2】
飲料であり、好ましくは茶系飲料である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
テアニンの量が400〜2000ppmである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
テアニンの量が600〜1500ppmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
カフェインの量が300〜1500ppmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
カフェインの量が400〜1000ppmである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
テアニン対カフェインの比が4:1〜1:1.5である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
テアニン対カフェインの比が3:1〜1:1である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
口を経由してヒトに、(a)テアニン40〜500mg、(b)カフェイン30〜400mgを送達することができ、質量が500g未満である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
集中力、注意集中力および/または鋭敏性に顕著な改善をもたらすための、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を個人に経口投与することを含む、個人の集中力、注意集中力および/または鋭敏性を改善する方法。
【請求項12】
口を経由してヒトに、a)テアニン40〜500mg、(b)カフェイン30〜400mgを送達することができ、質量が500g未満である飲料。
【請求項13】
茶系飲料である、請求項12に記載の飲料。

【公開番号】特開2010−63471(P2010−63471A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295410(P2009−295410)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【分割の表示】特願2005−355338(P2005−355338)の分割
【原出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】