注文データ管理システム及びメニューブック
【課題】より安価に客層情報を取得し利用することができる。
【解決手段】接客係用メニューブック600は、商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、商品を注文する客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有する。注文入力端末200は、接客係用メニューブック600が有するメニューコードと客層コードとを読み取る読取部と、読み取ったメニューコードが示す商品を一意に特定する情報と読み取った客層コードが示す商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを送信する送信部を有する。ホストサーバ100は、商品を一意に特定する情報と商品を注文する客の客層を一意に特定する情報を受信する受信部と、受信部が受信した商品を一意に特定する情報と商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを関連付けて記憶する記憶部と、記憶部が記憶する情報に基づいて、客層毎の注文情報を解析する解析部を有する。
【解決手段】接客係用メニューブック600は、商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、商品を注文する客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有する。注文入力端末200は、接客係用メニューブック600が有するメニューコードと客層コードとを読み取る読取部と、読み取ったメニューコードが示す商品を一意に特定する情報と読み取った客層コードが示す商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを送信する送信部を有する。ホストサーバ100は、商品を一意に特定する情報と商品を注文する客の客層を一意に特定する情報を受信する受信部と、受信部が受信した商品を一意に特定する情報と商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを関連付けて記憶する記憶部と、記憶部が記憶する情報に基づいて、客層毎の注文情報を解析する解析部を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店における注文の際に利用される注文データ管理システム及びメニューブックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店等において、お客が注文したメニュー等を入力するための注文入力端末を有する注文データ管理システムが普及している。そして、注文入力端末として、注文内容を確認するための表示部や、注文内容を入力するための入力キーを備えているものが知られている。また、注文入力端末の表示部に客層を示す情報を入力する入力キーを設けて、入力された客層に応じて表示するメニューを変えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−6748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の注文入力端末は、上述したように表示部や入力キーを備えていたため、大型で高価であり、客層情報を取得し、店舗運営に利用する場合、例えば前記特許文献1のような大きな表示部を有する高価な注文入力端末を用いらなければならず、このことが飲食店の注文データ管理システム全体の価格を大きく押し上げていた。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、より安価に客層情報を取得し利用することができる注文データ管理システム及びメニューブックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードとを有するメニューブックと、前記メニューブックが有する前記メニューコードと客層コードとを読み取る読取部と、該読み取ったメニューコードが示す前記商品を一意に特定する情報と該読み取った客層コードが示す前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを送信する送信部とを有する注文入力端末と、前記注文入力端末が送信する、前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを受信する受信部と、受信部が受信した前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記客層毎の注文情報を解析する解析部とを有する管理装置と、を有することを特徴とする注文データ管理システムである。
【0007】
これにより、メニューブックが客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有しているため、注文入力端末によりメニューブックが有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができる。そのため、従来のように注文入力端末に予め客層キーを設けることなく客層を特定する情報を入力することができるので、安価に客層情報を取得するシステムを導入することができる。さらに、商品を注文したお客の客層と、注文された商品とを関連付けて記憶することができ、記憶した情報に基づいて、客層毎の注文数等の注文情報を解析することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、注文入力端末が有する読取部により読み取られる情報を有するメニューブックであって、前記注文入力端末に設けられた読取部で読み取ることができ、商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、前記読取部で読み取ることができ、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードと、を有することを特徴とするメニューブックである。
【0009】
これにより、メニューブックが客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有しているため、注文入力端末によりメニューブックが有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができる。そのため、注文入力端末自体に客層キーを設ける必要がないので、客層を示すメカ的なキーを設けた場合のように、注文入力端末自体が大きくなりコストが大きくなることはなく、また、注文入力端末の表示部に客層キーを設けた場合のように、様々な客層を表示できるようにプログラムを作成しなければならないのでプログラムが複雑になりその分コストが大きくなるということはない。つまり、注文入力端末に表示部や固定のキーが無くても、該注文入力端末に設けられた読取部により客層コードを読み取ることで客層情報を得ることができるので、安価に客層情報を取得するシステムを導入することができるようになる。
【0010】
また、本発明のメニューブックは、前記読取部で読み取ることができ、前記客層コードの近傍に配置され、前記商品を注文する客が位置するテーブルを一意に特定するための情報を入力するための位置入力コードを有することを特徴とする。
【0011】
これにより、通常、例えば店員がオーダーを取る際に、料理を運ぶ位置を特定するためのテーブルの位置を特定する情報を入力するので、位置入力コードの近傍に客層コードが設けられていることにより客層コードの入力忘れを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メニューブックが客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有しているため、注文入力端末によりメニューブックが有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができるので、より安価に客層情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態における飲食店の店内図の一例である。
【図2】本発明の一実施形態における飲食店の注文処理システムの構成図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるホストサーバのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における注文入力端末のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるメニューファイルの一例である。
【図6】本発明の一実施形態における客層ファイルの一例である。
【図7】本発明の一実施形態におけるオーダーファイルの一例である。
【図8】本発明の一実施形態における接客係用メニューブックの記載例である。
【図9】本発明の一実施形態における注文処理手順を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における客層とメニューの注文数の相関を示す分析画面の例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態における飲食店の店内図の一例である。本実施形態における飲食店は、POS端末400と、キッチンプリンタ500と、クレイドル700と、飲食エリア900と、客用メニューブック置場1000と、料理載置台1100と、を備える。また該飲食店には、店員である接客係300a及び300bと調理作業者(不図示)が居るものとする。
【0015】
接客係300a及び300bは、紙製の接客係用メニューブック600(図2、図8)を携帯し、料理載置台1100前で待機するものとする。また、キッチンプリンタ500は、料理載置台1100に配置されるものとする。さらに、クレイドル700と客用メニューブック置場1000は、料理載置台1100の近傍に配置され、客用メニューブックを備えるものとする。このように配置すれば、出入口にいるお客を接客係300が飲食エリア900のいずれかのテーブルに案内する際に、接客係が紙製の客用メニューブックを取り易くなる。なお、料理載置台1100は、厨房から出された料理を接客係が受け取るための台である。
【0016】
次に、飲食店の注文処理システムの構成を説明する。図2は、本発明の一実施形態における飲食店の注文処理システムの構成図である。本システムは、ホストサーバ(管理装置)100と、複数の注文入力端末200と、代金精算を行うPOS(Point of sale)端末400と、キッチンプリンタ500と、クレイドル(接続装置)700と、LAN800と、接客係用メニューブック600(メニューブック)と、を備える。
【0017】
ホストサーバ(管理装置)100は、お客からの注文データを処理するとともに、図5、図6、図7に示す各種ファイル等をデータベースとしてHDD(ハードディスク、記憶部)に保持するコンピュータであり、例えば飲食店内の事務室(不図示)などに設置される。ホストサーバ100にはLAN(Local Area Network)又はその他の通信規格(例えば、ZigBee(登録商標)と呼ばれる規格)による通信機能が備わっており、ホストサーバ100は飲食店内に敷設されたLAN800を介して、POS端末400及びキッチンプリンタ500と通信可能に接続されている。例えば、ホストサーバ100は、会計を指示する信号をPOS端末400から受信した場合、POS端末400に会計情報(請求書)を印刷させる。
【0018】
LAN800の通信方式には、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が利用されており、数10〜100[Mbps]のデータ転送速度で各装置間の通信を行えるようになっている。なお、ホストサーバ100はインターネットなどの外部ネットワークと通信可能としてもよく、例えば、飲食店チェーンの本社に設置されたデータ管理サーバ(不図示)が、外部ネットワークを介して各店のホストサーバ100から全店の売上情報を収集し管理するようにしてもよい。
【0019】
接客係用メニューブック600は、接客係300が携帯するメニューコードブックであり、メニュー名称(品名)や、各種情報を記憶するドットコードが印刷されている。ドットコードは、目に見えにくい極小のドット(点)で構成されており、ドットコードに含まれている情報は赤外線等を用いて読み取ることができる。また、ドットコードをメニューブックに目に見えないインクを用いて印刷することで、メニューブックのレイアウトをドットコードの制約を受けずに決定することができる。本実施形態では、ドットコードは、注文入力端末200のコードリーダ(読取部)により読み取られる。接客係用メニューブック600の詳細については、図8で後述する。
【0020】
注文入力端末200は、お客が注文したメニューのメニューコード等を入力して注文データとしてホストサーバ100へ送信する携帯型の端末装置であり、ペン型の外観形状を有している。以下、注文入力端末200は、接客係300に携帯され、接客係300によって操作されるものとする。
【0021】
注文入力端末200のペン型の先端には、接客係用メニューブック600に記載されたコードを読み取るためのコードリーダ(読取部)が備えられている。メニューの入力は、このコードリーダで接客係用メニューブック600上のコードを赤外線等で読み取らせることによって行われる。注文入力端末200により入力され送信された注文データは、アンテナ401を介してPOS端末400に受信され、LAN800を通ってホストサーバ100へ送信される。
【0022】
また、注文入力端末200は、各メニューのメニュー名称や、メニューに関する調理方法や食材などを説明したメニュー情報を音声により報知するための音声データを保持している。注文入力端末200にメニューコード等が入力されると、該当するメニュー名称やメニュー情報が音声にて報知(音声出力)される。なお、非使用時には、注文入力装置200はクレイドル700に装着されている。
【0023】
クレイドル700は、装着された注文入力端末200をUSB(Universal Serial Bus)によりPOS端末400に通信可能に接続させて、当該装着された注文入力端末200内の上記音声データをホストサーバ100からPOS端末400経由で更新可能にする接続装置である。
【0024】
クレイドル700の外観(不図示)は、クレイドル700の上面には、注文入力端末200を装着するための装着口が、例えば縦4列、横10列の合計40個設けられている。装着口の奥には、USBコネクタと充電用端子が設けられている。側面には、POS端末400と接続するためのUSB端子が設けられており、内蔵されたUSBハブによりこのUSB端子と上記のUSBコネクタ間が分岐されて接続されている。また、側面から出ているACケーブルは、外部のAC電源に接続されて、クレイドル700内蔵の充電回路により、上記の充電用端子から注文入力端末200を充電できるようになっている。
【0025】
キッチンプリンタ500は、飲食店の厨房内あるいはその近傍に設置され、注文されたメニュー内容を調理指示伝票として印刷し、さらにお客のテーブルに置くための注文伝票を印刷するためのプリンタである。このキッチンプリンタ500には、LAN800により通信される機能が備えられており、これによりホストサーバ100と注文入力端末200の間で通信を行うことが可能になっている。
【0026】
注文されたメニューを指示する注文データは、注文入力端末200からホストサーバ100へ送られて処理され、ホストサーバ100からLAN800を通ってキッチンプリンタ500へ送信されてくる。印刷された調理指示伝票は厨房の調理作業者へ渡され、注文されたメニューの料理が調理される。
【0027】
なお、キッチンプリンタ500には操作部(不図示)が設けられており、調理作業者(不図示)が操作部を操作することによって、在庫がなくなったメニューをホストサーバ100に通知することができるようになっている。通知を受けたホストサーバ100では、そのメニューコードに従ってメニューファイル(図5)の更新を行う。
【0028】
POS端末(レジ)400は、接客係300によって操作され、会計を指示する信号をホストサーバ100に送信し、ホストサーバ100から受信した会計情報(請求書)を印刷する。この会計情報には、テーブル番号も印刷されている。POS端末400には、USB通信を行うためのUSBポート(不図示)が備えられており、このUSBポートとクレイドル700のUSB端子(不図示)とをUSBケーブルで接続できるようになっている。これにより、POS端末400は、クレイドル700とホストサーバ100及びキッチンプリンタ500とのデータ送受信を中継する。
【0029】
次に、ホストサーバ100の構成について説明する。図3は、本実施形態におけるホストサーバ100の構成を示したブロック図である。図示する例では、ホストサーバ100は、CPU101(解析部)と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD104(記憶部)と、表示部105とを備える。
【0030】
CPU201は、ホストサーバ100の各部を制御する中央処理装置であり、ROM102から所定のプログラムをロードして実行する。ROM102は、CPU101が実行する各種のプログラムを格納している記憶部である。RAM103は、CPU101が動作時に呼び出し、使用するデータを一時的に記憶する。HDD104は、メニューファイル(図5)と、客層ファイル(図6)と、オーダーファイルファイル(図7)等を記憶する。
【0031】
次に、注文入力端末の構成を説明する。図4は、本発明の一実施形態における注文入力端末のブロック図である。CPU201は、注文入力端末200の各部を制御する中央処理装置であり、ROM202から所定のプログラムをロードして実行する。ROM202は、CPU201が実行する各種のプログラムを格納している記憶部である。
【0032】
RAM203は、メニューファイル(図5)や音声ファイル、音声データ等を格納するファイル記憶エリアと、CPU201が動作時に呼び出し、使用するデータを一時的に記憶する一時記憶エリアとを有した記憶部である。一時記憶エリアには、担当者となった店員の識別番号を示す店員コード(担当者コード)、テーブルの識別番号を示すテーブル番号、メニューコード、当該読み取ったメニューコードに該当するメニューの調理方法(調理指示情報)、注文数(数量)などを含む一時記憶ファイルが記憶される。このほか、例えば注文入力端末200の識別番号が一時記憶されてもよい。
【0033】
コードリーダ204は、接客係用メニューブック600(図8)に印刷されているメニューコードやファンクションキーなどの各種コードを赤外線により読み取る赤外線式読取部であり、注文入力端末200のペン先端部分に設けられている。コードリーダ204を接客係用メニューブック600のメニュー名称やファンクションキーの部分に当てる、あるいはその部分をなぞることによって、当該箇所に印刷されているコードの入力が行われる。店員コード(担当者コード)又は接客係300が携帯する不図示のカードからテーブル番号を読み取ることにより、これをリセット信号として、CPU201はRAM203(一時記憶エリアにある、例えば直前のお客が使用した際の注文データ等)の全部又は一部を消去することができる。
【0034】
音声合成回路205は、RAM203から読み出された音声ファイルの音声データから音声波形を合成してスピーカ206へ出力するデジタル回路である。コードリーダ204が確認コード(図8)を読み取ると、コードリーダ204から入力されたメニューに関する音声データが音声合成回路205によって音声出力されて、スピーカ206からメニューの注文情報(案内情報)が音声出力される。
【0035】
無線通信部207は、アンテナ401を有するPOS端末400との間で注文データの無線通信を行う、通信装置である。バッテリー209は、注文入力端末200の各部へ電力を供給する充電式の内蔵電池であり、クレイドル700への装着時に充電が行われる。バッテリー209の電池残量は、LED(Light Emitting Diode)インジケータ210に表示されるようになっている。
【0036】
次に、各種ファイルの構成を説明する。図5は、本発明の一実施形態におけるメニューファイルのデータ構造を示した概略図である。メニューファイルは、ホストサーバ100と注文入力端末200で同一の内容のものが記憶される。メニューファイルは、表形式のデータベースであり、「メニューコード」と、「名称」と、「価格」とのデータ項目を有し、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0037】
データ項目「メニューコード」は、メニューを一意に特定する識別番号を記憶する。データ項目「名称」は、メニューの名称を記憶する。データ項目「価格」は、メニューの価格を記憶する。図示する例では、行501のデータ項目「メニューコード」に記憶されている値が「1」であり、データ項目「名称」に記憶されている値が「おでん盛り合わせ」であり、データ項目「価格」に記憶されている値が「899」である。これは、メニューコード「1」で一意に特定されるメニューの名称は「おでん盛り合わせ」であり、価格は「899」円であることを示している。なお、他の行については図示するとおりである。
【0038】
図6は、本実施形態における客層ファイルのデータ構造を示した概略図である。客層ファイルは、表形式のデータベースであり、「客層種別」と、「客層コード」とのデータ項目を有し、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0039】
データ項目「客層種別」は、メニューを注文した客層を示す情報を記憶する。データ項目「客層コード」は、客層種別を一意に特定する番号を記憶する。図示する例では、行601のデータ項目「客層種別」に記憶されている値が「男若年層」であり、データ項目「客層コード」に記憶されている値が「1」である。これは、客層種別「男若年層」を一意に特定する「客層コード」は「1」であることを示している。なお、他の行については図示するとおりである。
【0040】
図7は、本発明の一実施形態におけるオーダーファイルのデータ構造を示した概略図である。オーダーファイル(注文管理ファイル)は、注文入力端末200から送信された注文データを含むデータファイルであり、ホストサーバ100のHDD104に記憶される。オーダーファイルは、表形式のデータベースであり、「注文番号」と、「テーブル番号」と、「メニューコード」と、「時間」と、「客層コード」と、「数量」と、「状態」等のデータ項目を有し、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0041】
データ項目「注文番号」は、お客から注文された一回の注文を一意に特定するための識別番号を記憶する。データ項目「テーブル番号」は、注文したお客が使用しているテーブルを一意に特定するための識別番号を記憶する。つまり、このテーブル番号によりお客を特定することができる。データ項目「メニューコード」は、お客が注文したメニューを特定する識別番号を記憶する。データ項目「時間」は、注文を受け付けた時間を記憶する。データ項目「客層コード」は、注文したお客の客層を特定する客層コードを記憶する。データ項目「数量」は、注文数を記憶する。データ項目「状態」は、注文されたメニューが「調理中」であるか、「飲食中」であるか、「清算済」であるかを示す情報を記憶する。そして、図7では、同じテーブル番号「2」で特定されるテーブル(お客)から、メニューコード「5」で特定されるメニューと、メニューコード「15」で特定されるメニューとが、時間をずらして注文されたことを示している。
【0042】
本実施形態では、ホストサーバ100が注文を受信し、キッチンプリンタ500に調理指示情報を通知すると、ホストサーバ100は「状態」を「調理中」と更新する。また、料理が出来上がったことが調理作業者等によってキッチンプリンタ500に入力された場合、キッチンプリンタ500は、ホストサーバ100に信号を出力する。ホストサーバ100は、この信号を受信すると「状態」を「飲食中」に更新する。さらに、POS端末400が代金の清算を終了した場合、POS端末400は、ホストサーバ100に信号を出力する。ホストサーバ100は、この信号を受信すると「状態」を「清算済」に更新する。
【0043】
なお、オーダーファイルは、この他に、店員コード(担当者となった店員の識別番号)や、注文入力端末の識別番号などのデータ項目を含んでいてもよい。
【0044】
次に、接客係用メニューブックについて説明する。図8は、本発明の一実施形態における接客係用メニューブックの記載例である。接客係用メニューブックには、メニューエリア部に各種のメニュー名称とその値段が記載されている。また、メニュー名称の近傍には、このメニューを一意に特定することができるメニューコードを所定の方式でコード化した、赤外線で読み取り可能なドットコードが印刷されている。店員が注文入力端末200のペン先端部(コードリーダ204)をメニュー名称の近傍に印刷されているドットコードに触れさせると、注文入力端末200はドットコードに含まれているメニューコードを読み取る。これにより、接客係300は、注文入力端末200にメニューコードを入力することができる。
【0045】
また接客係用メニューブックのファンクションキーエリア部に、0〜9の数字と、「確定」と、「キャンセル」と、「送信」と、一時記憶されたメニューを音声出力させるための「確認」と、客層を入力するための「男若年層」や、「男中年層」や、「男老年層」や、「女若年層」や、「女中年層」や、「女老年層」などの文字が印刷されている。これらの文字が印刷されている部分にも、各文字の意味を特定する情報を所定の方式でコード化した、赤外線で読み取り可能なドットコードが印刷されている。例えば、「男若年層」や、「男中年層」や、「男老年層」や、「女若年層」や、「女中年層」や、「女老年層」が印刷されている部分には、各客層を一意に特定する客層コードを示すドットコードが印刷されている。
【0046】
本実施形態では、接客係300は、お客の注文内容を注文入力端末200に入力する際には、入力する内容を含むドットコードを注文入力端末200のコードリーダ204に読み取らせる。これにより、注文入力端末200は、ドットコードに含まれているメニューコードや各文字の意味を特定する情報を読み取ることができる。なお、接客係用メニューブックは、接客係がポケットに入れて常時携帯し易いよう、お客が使う客用メニューブックよりサイズを小型にしてもよい。なお、客用メニューブックは、接客係用メニューブックにおけるファンクションキーエリアが無く、また、メニューエリアにおける各メニューがコード化されたドットコードは付されてなく、単に各メニューが印字されたものである。
【0047】
次に、本発明の一実施形態における注文処理システムの注文処理手順を説明する。図9は、本発明の一実施形態における注文処理手順を説明するフローチャートである。まず、飲食店にお客が来店すると、接客係300は客用メニューブック置場1000から、客用メニューブックを取り出す(ステップS1)。
【0048】
接客係300は来店客をテーブルに案内し、前記客用メニューブックを当該お客に渡す(ステップS2)。
【0049】
接客係300は、来店客の客層および案内したテーブル番号に応じて、注文入力端末200のコードリーダ204に、接客係用メニューブック600のファンクションキーエリアの数字部分に印刷されている数を示すドットコード(位置入力コード)と、「テーブル番号」を示すドットコード(位置入力コード)と、「客層」を示すドットコード(「男若年層」、「男中年層」、「男老年層」、「女若年層」、「女中年層」、「女老年層」のいずれか1つを示すドットコード)とを読み取らせることにより、来店客を案内したテーブルのテーブル番号と、来店客の客層を示す客層コードとを注文入力端末200に入力する。注文入力端末200は、RAM203の一時記憶エリアのデータを消去した後に、コードリーダ204が読み取ったドットコードで特定される、テーブル番号と、客層コードとを一時記憶エリアに記憶させる(ステップS3)。なお、各テーブルのテーブル番号は予め決まっており、店員はこのテーブル番号を覚えているため、店員はテーブル番号を入力することができる。また、店員は、お客を見て性別および年齢層を判断し、この判断に合致する客層コードを入力する。
【0050】
お客は、客用メニューブックを見て、注文したいメニューを接客係300に伝える。接客係300は、接客用メニューブック600の当該メニュー名称の近傍に印刷されているメニューコードを示すドットコードと、ファンクションキーエリアの数字部分に印刷されている数を示すドットコードとを注文入力端末200のコードリーダ204でなぞって、注文入力端末200に入力する。注文入力端末200は、コードリーダ204が読み取ったドットコードを解釈し、入力されたメニューコードと、数量と、現在の時刻(注文時刻)とを関連付けてRAM203に記憶させる。例えば、接客係300は、おでん盛り合わせ1人前の注文を受けた場合、接客用メニューブック600に印刷されている「おでん盛り合わせ」のメニューコードを示すドットコードが印刷されている部分と、ファンクションキーエリアの数字「1」を示すドットコードが印刷されている部分と、「確定」を示すドットコードが印刷されている部分とを順に注文入力端末200のコードリーダ204に読み取らせる(ステップS4)。
【0051】
接客係300は、お客が注文したメニューを全て注文入力端末200に入力し終わった後、接客係用メニューブック600のファンクションキーエリアの「確認」を示すドットコードが印字されている部分を注文入力端末200のコードリーダ204でなぞり、「確認」を示すコードを注文入力端末200に入力する。注文入力端末200は、コードリーダ204が読み取ったコードが確認コード(「確認」)でない場合(ステップS5−NO)、注文入力端末200は、ステップS4の処理に戻る(ステップS5)。
【0052】
注文入力端末200は、コードリーダ204が読み取ったコードが確認コードである場合(ステップS5−YES)、すべての注文が入力されたと判定し、RAM203に一時記憶したメニュー名称と数量とを説明する音声をスピーカ206に出力される。なお、必要に応じ、メニューの変更入力を行うことができるように注文入力端末200を構成してもよい(ステップS6)。
【0053】
接客係300は、お客が注文したメニューが全て入力されたことを確認し、接客係用メニューブックのファンクションキーエリアの「送信」を示すドットコードが印刷されている部分をコードリーダ204に読み取らせる。コードリーダ204が「送信」を示すドットコードを読み取った場合、注文入力端末200は、この注文を行ったお客を一意に特定する注文番号を生成し、生成した注文番号と、RAM203に記憶しているテーブル番号と、客層コードと、メニューコードと、数量と、注文時刻とをホストサーバ100に送信する。その後、注文入力端末200は、RAM203に記憶しているデータの全部又は一部を消去する(ステップS7)。
【0054】
ホストサーバ100は、注文入力端末200から送信される注文番号と、テーブル番号と、客層コードと、メニューコードと、数量と、注文時刻とを受信し、受信した各情報と、状態「調理中」とを関連付けてオーダーファイルに記憶する(ステップS8)。
【0055】
次に、ホストサーバ100は、キッチンプリンタ500に当該注文データを送信して、調理指示伝票と注文伝票を印字させる(ステップS9)。
【0056】
厨房では、調理作業者が調理指示伝票に基づいて調理を行い、料理が出来たら料理載置台1100に料理を載せ、料理が出来上がったことをキッチンプリンタ500に入力する。これによりキッチンプリンタ500は、ホストサーバ100に信号を出力する。ホストサーバ100は、この信号を受信し、オーダーファイルの「状態」を「飲食中」に更新する。また、料理が料理載置台1100に載せられると、接客係300はテーブル番号を確認し、その料理を該当するテーブルに配膳する。また接客係300は、該当する注文伝票をテーブルに備えてもよい(ステップS10)。
【0057】
お客が飲食終了した後、POS端末(レジ)400は、接客係300によって操作され、注文伝票に印刷された注文番号が入力されると、会計を指示する信号をホストサーバ100に送信し、ホストサーバ100から受信した会計情報(請求書)を印刷する。接客係300は、会計情報に基づいて代金の精算を行う(ステップS11)。
【0058】
なお、クレイドル700に装着された注文入力端末200に対しては、バッテリー209への充電が行われるとともに、ホストサーバ100からUSBを介してRAM203内の音声データやメニューファイル、音声ファイルの更新が行われる。充電とデータの更新がされた注文入力端末200は、再び次のお客に利用される。
【0059】
上述した処理により、ホストサーバ100のHDD104に記憶されているオーダーファイルには、注文されたメニューを一意に特定する「メニューコード」と、このメニューを注文したお客の客層を一意に特定する「客層コード」とを関連付けた客層情報が蓄積される。
【0060】
次に、ホストサーバ100に蓄積された客層情報を用いた分析方法の例について説明する。ホストサーバ100のCPU101は、HDD104に記憶されているメニューファイルと、客層ファイルと、オーダーファイルとを読み出し、例えば、客層毎に注文されたメニューの数を算出し、客層と注文されたメニュー数との相関を示す分析画面を表示部105に表示させる。
【0061】
具体的には、ホストサーバ100のCPU101は、オーダーファイルに記憶されている「客層コード」と「メニューコード」との組み合わせ毎に注文数を集計することにより、各客層のお客が注文した数をメニュー毎に特定する。また、CPU101は、メニューファイルに記憶されている情報を読み出し、各メニューコードが一意に特定するメニューの「名称」を特定する。また、CPU101は、客層ファイルに記憶されている情報を読み出し、各客層コードが一意に特定する「客層種別」を特定する。そして、「客層種別」とメニューの「名称」毎に、各客層のお客が注文した数をメニュー毎に分析画面として表示部105に表示させる。
【0062】
図10は、本実施形態におけるホストサーバ100の表示部105が表示する、客層とメニューの注文数(注文情報)の相関を示す分析画面の例を示した概略図である。分析画面は、客層とメニューの注文数を表形式で表示する。図示する例では、行に客層を表示し、列にメニュー名を表示しており、客層とメニュー名とが交わる欄に、各客層のお客が各メニューを注文した数を表示している。例えば、行「男若年層」と列「おでん盛り合わせ」とが交わる欄には「1」が表示されている。これは、客層「男若年層」のお客は、「おでん盛り合わせ」を1つ注文したことを示している。他の欄については図示するとおりである。また、各客層において、注文数が一番多い欄は網掛け表示となっている。これは、各客層のお客に一番多く注文されているメニューを一目で把握できるようにするためである。
【0063】
なお、オーダーファイルには注文時刻も記憶されているため、例えば、一週間や一ヶ月など一定の期間毎に、どの客層のお客がどのようなメニューを注文しているのかを分析画面として表示部105に表示させることも可能である。そして、例えば、一定の客層があるメニューを多く注文していることが分かった場合には、そのメニューに類似するメニューを新規に取り入れる等、店舗運営に利用することができる。
【0064】
上述したとおり、本発明によれば、接客係用メニューブック600は、客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有している。そのため、注文入力端末200により接客係用メニューブック600が有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができるので、より安価に客層情報を取得することができる。
【0065】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0066】
例えば、本実施形態では、一人で来店し注文するお客の客層を入力するようにしたが、これに限らない。お客がグループで来店し、1つのデーブルに座って注文を行うような場合、グループを代表するお客の客層コードを入力してから、各お客の注文を受けるようにしてもよい。この場合、厳密な意味での客層毎の客層情報を得ることはできないが、ある程度の傾向を示した客層情報を得ることができる。また、グループでお客が来店した場合でも、正確な客層情報を得る運用をする場合には、図9に示したフローチャートのステップS4におけるメニューコードの読み取りの後に客層コードを読み取るようにする。つまり、お客毎にメニューコードと客層コードとを読み取るようにする。これにより、正確な客層情報を得ることができるようになる。
【0067】
また、本実施形態では、接客係が注文入力端末を操作する例について説明したが、これに限らない。例えば、お客が前記実施形態における接客係用メニューブックと注文入力端末とを操作して注文を行う方式、いわゆるセルフオーダー方式に利用してもよい。つまり、初めに客層コードとテーブル番号を入力してから各メニューの注文を注文入力端末に入力することを説明する説明書きをメニューブックに記載することで、お客はそれぞれの情報を入力してから注文を入力することがわかり、お客自身が注文入力するセルフオーダーにおいても利用することができる。
【0068】
また、本実施形態では、客層の種類として、「男若年層」、「男中年層」、「男老年層」、「女若年層」、「女中年層」、「女老年層」を用いる例について説明したが、これに限らない。例えば、具体的な年代毎(10代、20代・・・)に客層を分類するようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、メニューブックにはドットコードが印刷されている例を用いて説明したが、これに限らない。例えば、ドットコードの代わりに一次元バーコードや、二次元バーコードや、ICチップや、画像に組み込んだ電子透かし等、メニューや客層等の情報を特定することができるものがメニューブックに付されていれば、どのような形態でも良い。
【0070】
また、本実施形態では、図10にて各客層毎における各メニューの注文数の相関を示す分析画面を表示する例を示したが、各メニューに限らず、各メニューの分類を示す各分類と各客層毎の注文数の相関を示すようにしても良い。
【0071】
また、全ての読み取られたメニューコードと客層コードとを管理装置へ送信するのではなく、特に販売の動向を注視したいメニューを特定し、該特定されたメニューコードが読み取られたときに、客層コードと共に管理装置へ送信するようにしても良い。あるいは、注文入力端末からは全ての読み取られたメニューコードと客層コードとを管理装置へ送信するが、管理装置にて注文数を比較する際に、特定のメニューコードだけを選択して図10のように表示させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0072】
100・・・ホストサーバ、101,201・・・CPU、102,202・・・ROM、103,203・・・RAM、104・・・HDD、105・・・表示部、200・・・注文入力端末、204・・・コードリーダ、205・・・音声合成回路、206・・・スピーカ、207・・・無線通信部、208・・・USB I/F、209・・・バッテリー、210・・・LEDインジケータ、300・・・接客係、400・・・POS端末、401・・・アンテナ、500・・・キッチンプリンタ、600・・・接客係用メニューブック、700・・・クレイドル、800・・・LAN、900・・・飲食エリア、901〜904・・・テーブル、1000・・・客用メニューブック置場、1100・・・料理載置台
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店における注文の際に利用される注文データ管理システム及びメニューブックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店等において、お客が注文したメニュー等を入力するための注文入力端末を有する注文データ管理システムが普及している。そして、注文入力端末として、注文内容を確認するための表示部や、注文内容を入力するための入力キーを備えているものが知られている。また、注文入力端末の表示部に客層を示す情報を入力する入力キーを設けて、入力された客層に応じて表示するメニューを変えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−6748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の注文入力端末は、上述したように表示部や入力キーを備えていたため、大型で高価であり、客層情報を取得し、店舗運営に利用する場合、例えば前記特許文献1のような大きな表示部を有する高価な注文入力端末を用いらなければならず、このことが飲食店の注文データ管理システム全体の価格を大きく押し上げていた。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、より安価に客層情報を取得し利用することができる注文データ管理システム及びメニューブックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードとを有するメニューブックと、前記メニューブックが有する前記メニューコードと客層コードとを読み取る読取部と、該読み取ったメニューコードが示す前記商品を一意に特定する情報と該読み取った客層コードが示す前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを送信する送信部とを有する注文入力端末と、前記注文入力端末が送信する、前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを受信する受信部と、受信部が受信した前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記客層毎の注文情報を解析する解析部とを有する管理装置と、を有することを特徴とする注文データ管理システムである。
【0007】
これにより、メニューブックが客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有しているため、注文入力端末によりメニューブックが有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができる。そのため、従来のように注文入力端末に予め客層キーを設けることなく客層を特定する情報を入力することができるので、安価に客層情報を取得するシステムを導入することができる。さらに、商品を注文したお客の客層と、注文された商品とを関連付けて記憶することができ、記憶した情報に基づいて、客層毎の注文数等の注文情報を解析することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、注文入力端末が有する読取部により読み取られる情報を有するメニューブックであって、前記注文入力端末に設けられた読取部で読み取ることができ、商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、前記読取部で読み取ることができ、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードと、を有することを特徴とするメニューブックである。
【0009】
これにより、メニューブックが客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有しているため、注文入力端末によりメニューブックが有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができる。そのため、注文入力端末自体に客層キーを設ける必要がないので、客層を示すメカ的なキーを設けた場合のように、注文入力端末自体が大きくなりコストが大きくなることはなく、また、注文入力端末の表示部に客層キーを設けた場合のように、様々な客層を表示できるようにプログラムを作成しなければならないのでプログラムが複雑になりその分コストが大きくなるということはない。つまり、注文入力端末に表示部や固定のキーが無くても、該注文入力端末に設けられた読取部により客層コードを読み取ることで客層情報を得ることができるので、安価に客層情報を取得するシステムを導入することができるようになる。
【0010】
また、本発明のメニューブックは、前記読取部で読み取ることができ、前記客層コードの近傍に配置され、前記商品を注文する客が位置するテーブルを一意に特定するための情報を入力するための位置入力コードを有することを特徴とする。
【0011】
これにより、通常、例えば店員がオーダーを取る際に、料理を運ぶ位置を特定するためのテーブルの位置を特定する情報を入力するので、位置入力コードの近傍に客層コードが設けられていることにより客層コードの入力忘れを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、メニューブックが客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有しているため、注文入力端末によりメニューブックが有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができるので、より安価に客層情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態における飲食店の店内図の一例である。
【図2】本発明の一実施形態における飲食店の注文処理システムの構成図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるホストサーバのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における注文入力端末のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるメニューファイルの一例である。
【図6】本発明の一実施形態における客層ファイルの一例である。
【図7】本発明の一実施形態におけるオーダーファイルの一例である。
【図8】本発明の一実施形態における接客係用メニューブックの記載例である。
【図9】本発明の一実施形態における注文処理手順を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における客層とメニューの注文数の相関を示す分析画面の例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態における飲食店の店内図の一例である。本実施形態における飲食店は、POS端末400と、キッチンプリンタ500と、クレイドル700と、飲食エリア900と、客用メニューブック置場1000と、料理載置台1100と、を備える。また該飲食店には、店員である接客係300a及び300bと調理作業者(不図示)が居るものとする。
【0015】
接客係300a及び300bは、紙製の接客係用メニューブック600(図2、図8)を携帯し、料理載置台1100前で待機するものとする。また、キッチンプリンタ500は、料理載置台1100に配置されるものとする。さらに、クレイドル700と客用メニューブック置場1000は、料理載置台1100の近傍に配置され、客用メニューブックを備えるものとする。このように配置すれば、出入口にいるお客を接客係300が飲食エリア900のいずれかのテーブルに案内する際に、接客係が紙製の客用メニューブックを取り易くなる。なお、料理載置台1100は、厨房から出された料理を接客係が受け取るための台である。
【0016】
次に、飲食店の注文処理システムの構成を説明する。図2は、本発明の一実施形態における飲食店の注文処理システムの構成図である。本システムは、ホストサーバ(管理装置)100と、複数の注文入力端末200と、代金精算を行うPOS(Point of sale)端末400と、キッチンプリンタ500と、クレイドル(接続装置)700と、LAN800と、接客係用メニューブック600(メニューブック)と、を備える。
【0017】
ホストサーバ(管理装置)100は、お客からの注文データを処理するとともに、図5、図6、図7に示す各種ファイル等をデータベースとしてHDD(ハードディスク、記憶部)に保持するコンピュータであり、例えば飲食店内の事務室(不図示)などに設置される。ホストサーバ100にはLAN(Local Area Network)又はその他の通信規格(例えば、ZigBee(登録商標)と呼ばれる規格)による通信機能が備わっており、ホストサーバ100は飲食店内に敷設されたLAN800を介して、POS端末400及びキッチンプリンタ500と通信可能に接続されている。例えば、ホストサーバ100は、会計を指示する信号をPOS端末400から受信した場合、POS端末400に会計情報(請求書)を印刷させる。
【0018】
LAN800の通信方式には、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が利用されており、数10〜100[Mbps]のデータ転送速度で各装置間の通信を行えるようになっている。なお、ホストサーバ100はインターネットなどの外部ネットワークと通信可能としてもよく、例えば、飲食店チェーンの本社に設置されたデータ管理サーバ(不図示)が、外部ネットワークを介して各店のホストサーバ100から全店の売上情報を収集し管理するようにしてもよい。
【0019】
接客係用メニューブック600は、接客係300が携帯するメニューコードブックであり、メニュー名称(品名)や、各種情報を記憶するドットコードが印刷されている。ドットコードは、目に見えにくい極小のドット(点)で構成されており、ドットコードに含まれている情報は赤外線等を用いて読み取ることができる。また、ドットコードをメニューブックに目に見えないインクを用いて印刷することで、メニューブックのレイアウトをドットコードの制約を受けずに決定することができる。本実施形態では、ドットコードは、注文入力端末200のコードリーダ(読取部)により読み取られる。接客係用メニューブック600の詳細については、図8で後述する。
【0020】
注文入力端末200は、お客が注文したメニューのメニューコード等を入力して注文データとしてホストサーバ100へ送信する携帯型の端末装置であり、ペン型の外観形状を有している。以下、注文入力端末200は、接客係300に携帯され、接客係300によって操作されるものとする。
【0021】
注文入力端末200のペン型の先端には、接客係用メニューブック600に記載されたコードを読み取るためのコードリーダ(読取部)が備えられている。メニューの入力は、このコードリーダで接客係用メニューブック600上のコードを赤外線等で読み取らせることによって行われる。注文入力端末200により入力され送信された注文データは、アンテナ401を介してPOS端末400に受信され、LAN800を通ってホストサーバ100へ送信される。
【0022】
また、注文入力端末200は、各メニューのメニュー名称や、メニューに関する調理方法や食材などを説明したメニュー情報を音声により報知するための音声データを保持している。注文入力端末200にメニューコード等が入力されると、該当するメニュー名称やメニュー情報が音声にて報知(音声出力)される。なお、非使用時には、注文入力装置200はクレイドル700に装着されている。
【0023】
クレイドル700は、装着された注文入力端末200をUSB(Universal Serial Bus)によりPOS端末400に通信可能に接続させて、当該装着された注文入力端末200内の上記音声データをホストサーバ100からPOS端末400経由で更新可能にする接続装置である。
【0024】
クレイドル700の外観(不図示)は、クレイドル700の上面には、注文入力端末200を装着するための装着口が、例えば縦4列、横10列の合計40個設けられている。装着口の奥には、USBコネクタと充電用端子が設けられている。側面には、POS端末400と接続するためのUSB端子が設けられており、内蔵されたUSBハブによりこのUSB端子と上記のUSBコネクタ間が分岐されて接続されている。また、側面から出ているACケーブルは、外部のAC電源に接続されて、クレイドル700内蔵の充電回路により、上記の充電用端子から注文入力端末200を充電できるようになっている。
【0025】
キッチンプリンタ500は、飲食店の厨房内あるいはその近傍に設置され、注文されたメニュー内容を調理指示伝票として印刷し、さらにお客のテーブルに置くための注文伝票を印刷するためのプリンタである。このキッチンプリンタ500には、LAN800により通信される機能が備えられており、これによりホストサーバ100と注文入力端末200の間で通信を行うことが可能になっている。
【0026】
注文されたメニューを指示する注文データは、注文入力端末200からホストサーバ100へ送られて処理され、ホストサーバ100からLAN800を通ってキッチンプリンタ500へ送信されてくる。印刷された調理指示伝票は厨房の調理作業者へ渡され、注文されたメニューの料理が調理される。
【0027】
なお、キッチンプリンタ500には操作部(不図示)が設けられており、調理作業者(不図示)が操作部を操作することによって、在庫がなくなったメニューをホストサーバ100に通知することができるようになっている。通知を受けたホストサーバ100では、そのメニューコードに従ってメニューファイル(図5)の更新を行う。
【0028】
POS端末(レジ)400は、接客係300によって操作され、会計を指示する信号をホストサーバ100に送信し、ホストサーバ100から受信した会計情報(請求書)を印刷する。この会計情報には、テーブル番号も印刷されている。POS端末400には、USB通信を行うためのUSBポート(不図示)が備えられており、このUSBポートとクレイドル700のUSB端子(不図示)とをUSBケーブルで接続できるようになっている。これにより、POS端末400は、クレイドル700とホストサーバ100及びキッチンプリンタ500とのデータ送受信を中継する。
【0029】
次に、ホストサーバ100の構成について説明する。図3は、本実施形態におけるホストサーバ100の構成を示したブロック図である。図示する例では、ホストサーバ100は、CPU101(解析部)と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD104(記憶部)と、表示部105とを備える。
【0030】
CPU201は、ホストサーバ100の各部を制御する中央処理装置であり、ROM102から所定のプログラムをロードして実行する。ROM102は、CPU101が実行する各種のプログラムを格納している記憶部である。RAM103は、CPU101が動作時に呼び出し、使用するデータを一時的に記憶する。HDD104は、メニューファイル(図5)と、客層ファイル(図6)と、オーダーファイルファイル(図7)等を記憶する。
【0031】
次に、注文入力端末の構成を説明する。図4は、本発明の一実施形態における注文入力端末のブロック図である。CPU201は、注文入力端末200の各部を制御する中央処理装置であり、ROM202から所定のプログラムをロードして実行する。ROM202は、CPU201が実行する各種のプログラムを格納している記憶部である。
【0032】
RAM203は、メニューファイル(図5)や音声ファイル、音声データ等を格納するファイル記憶エリアと、CPU201が動作時に呼び出し、使用するデータを一時的に記憶する一時記憶エリアとを有した記憶部である。一時記憶エリアには、担当者となった店員の識別番号を示す店員コード(担当者コード)、テーブルの識別番号を示すテーブル番号、メニューコード、当該読み取ったメニューコードに該当するメニューの調理方法(調理指示情報)、注文数(数量)などを含む一時記憶ファイルが記憶される。このほか、例えば注文入力端末200の識別番号が一時記憶されてもよい。
【0033】
コードリーダ204は、接客係用メニューブック600(図8)に印刷されているメニューコードやファンクションキーなどの各種コードを赤外線により読み取る赤外線式読取部であり、注文入力端末200のペン先端部分に設けられている。コードリーダ204を接客係用メニューブック600のメニュー名称やファンクションキーの部分に当てる、あるいはその部分をなぞることによって、当該箇所に印刷されているコードの入力が行われる。店員コード(担当者コード)又は接客係300が携帯する不図示のカードからテーブル番号を読み取ることにより、これをリセット信号として、CPU201はRAM203(一時記憶エリアにある、例えば直前のお客が使用した際の注文データ等)の全部又は一部を消去することができる。
【0034】
音声合成回路205は、RAM203から読み出された音声ファイルの音声データから音声波形を合成してスピーカ206へ出力するデジタル回路である。コードリーダ204が確認コード(図8)を読み取ると、コードリーダ204から入力されたメニューに関する音声データが音声合成回路205によって音声出力されて、スピーカ206からメニューの注文情報(案内情報)が音声出力される。
【0035】
無線通信部207は、アンテナ401を有するPOS端末400との間で注文データの無線通信を行う、通信装置である。バッテリー209は、注文入力端末200の各部へ電力を供給する充電式の内蔵電池であり、クレイドル700への装着時に充電が行われる。バッテリー209の電池残量は、LED(Light Emitting Diode)インジケータ210に表示されるようになっている。
【0036】
次に、各種ファイルの構成を説明する。図5は、本発明の一実施形態におけるメニューファイルのデータ構造を示した概略図である。メニューファイルは、ホストサーバ100と注文入力端末200で同一の内容のものが記憶される。メニューファイルは、表形式のデータベースであり、「メニューコード」と、「名称」と、「価格」とのデータ項目を有し、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0037】
データ項目「メニューコード」は、メニューを一意に特定する識別番号を記憶する。データ項目「名称」は、メニューの名称を記憶する。データ項目「価格」は、メニューの価格を記憶する。図示する例では、行501のデータ項目「メニューコード」に記憶されている値が「1」であり、データ項目「名称」に記憶されている値が「おでん盛り合わせ」であり、データ項目「価格」に記憶されている値が「899」である。これは、メニューコード「1」で一意に特定されるメニューの名称は「おでん盛り合わせ」であり、価格は「899」円であることを示している。なお、他の行については図示するとおりである。
【0038】
図6は、本実施形態における客層ファイルのデータ構造を示した概略図である。客層ファイルは、表形式のデータベースであり、「客層種別」と、「客層コード」とのデータ項目を有し、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0039】
データ項目「客層種別」は、メニューを注文した客層を示す情報を記憶する。データ項目「客層コード」は、客層種別を一意に特定する番号を記憶する。図示する例では、行601のデータ項目「客層種別」に記憶されている値が「男若年層」であり、データ項目「客層コード」に記憶されている値が「1」である。これは、客層種別「男若年層」を一意に特定する「客層コード」は「1」であることを示している。なお、他の行については図示するとおりである。
【0040】
図7は、本発明の一実施形態におけるオーダーファイルのデータ構造を示した概略図である。オーダーファイル(注文管理ファイル)は、注文入力端末200から送信された注文データを含むデータファイルであり、ホストサーバ100のHDD104に記憶される。オーダーファイルは、表形式のデータベースであり、「注文番号」と、「テーブル番号」と、「メニューコード」と、「時間」と、「客層コード」と、「数量」と、「状態」等のデータ項目を有し、各データ項目のデータを行毎に関連付けて記憶する。
【0041】
データ項目「注文番号」は、お客から注文された一回の注文を一意に特定するための識別番号を記憶する。データ項目「テーブル番号」は、注文したお客が使用しているテーブルを一意に特定するための識別番号を記憶する。つまり、このテーブル番号によりお客を特定することができる。データ項目「メニューコード」は、お客が注文したメニューを特定する識別番号を記憶する。データ項目「時間」は、注文を受け付けた時間を記憶する。データ項目「客層コード」は、注文したお客の客層を特定する客層コードを記憶する。データ項目「数量」は、注文数を記憶する。データ項目「状態」は、注文されたメニューが「調理中」であるか、「飲食中」であるか、「清算済」であるかを示す情報を記憶する。そして、図7では、同じテーブル番号「2」で特定されるテーブル(お客)から、メニューコード「5」で特定されるメニューと、メニューコード「15」で特定されるメニューとが、時間をずらして注文されたことを示している。
【0042】
本実施形態では、ホストサーバ100が注文を受信し、キッチンプリンタ500に調理指示情報を通知すると、ホストサーバ100は「状態」を「調理中」と更新する。また、料理が出来上がったことが調理作業者等によってキッチンプリンタ500に入力された場合、キッチンプリンタ500は、ホストサーバ100に信号を出力する。ホストサーバ100は、この信号を受信すると「状態」を「飲食中」に更新する。さらに、POS端末400が代金の清算を終了した場合、POS端末400は、ホストサーバ100に信号を出力する。ホストサーバ100は、この信号を受信すると「状態」を「清算済」に更新する。
【0043】
なお、オーダーファイルは、この他に、店員コード(担当者となった店員の識別番号)や、注文入力端末の識別番号などのデータ項目を含んでいてもよい。
【0044】
次に、接客係用メニューブックについて説明する。図8は、本発明の一実施形態における接客係用メニューブックの記載例である。接客係用メニューブックには、メニューエリア部に各種のメニュー名称とその値段が記載されている。また、メニュー名称の近傍には、このメニューを一意に特定することができるメニューコードを所定の方式でコード化した、赤外線で読み取り可能なドットコードが印刷されている。店員が注文入力端末200のペン先端部(コードリーダ204)をメニュー名称の近傍に印刷されているドットコードに触れさせると、注文入力端末200はドットコードに含まれているメニューコードを読み取る。これにより、接客係300は、注文入力端末200にメニューコードを入力することができる。
【0045】
また接客係用メニューブックのファンクションキーエリア部に、0〜9の数字と、「確定」と、「キャンセル」と、「送信」と、一時記憶されたメニューを音声出力させるための「確認」と、客層を入力するための「男若年層」や、「男中年層」や、「男老年層」や、「女若年層」や、「女中年層」や、「女老年層」などの文字が印刷されている。これらの文字が印刷されている部分にも、各文字の意味を特定する情報を所定の方式でコード化した、赤外線で読み取り可能なドットコードが印刷されている。例えば、「男若年層」や、「男中年層」や、「男老年層」や、「女若年層」や、「女中年層」や、「女老年層」が印刷されている部分には、各客層を一意に特定する客層コードを示すドットコードが印刷されている。
【0046】
本実施形態では、接客係300は、お客の注文内容を注文入力端末200に入力する際には、入力する内容を含むドットコードを注文入力端末200のコードリーダ204に読み取らせる。これにより、注文入力端末200は、ドットコードに含まれているメニューコードや各文字の意味を特定する情報を読み取ることができる。なお、接客係用メニューブックは、接客係がポケットに入れて常時携帯し易いよう、お客が使う客用メニューブックよりサイズを小型にしてもよい。なお、客用メニューブックは、接客係用メニューブックにおけるファンクションキーエリアが無く、また、メニューエリアにおける各メニューがコード化されたドットコードは付されてなく、単に各メニューが印字されたものである。
【0047】
次に、本発明の一実施形態における注文処理システムの注文処理手順を説明する。図9は、本発明の一実施形態における注文処理手順を説明するフローチャートである。まず、飲食店にお客が来店すると、接客係300は客用メニューブック置場1000から、客用メニューブックを取り出す(ステップS1)。
【0048】
接客係300は来店客をテーブルに案内し、前記客用メニューブックを当該お客に渡す(ステップS2)。
【0049】
接客係300は、来店客の客層および案内したテーブル番号に応じて、注文入力端末200のコードリーダ204に、接客係用メニューブック600のファンクションキーエリアの数字部分に印刷されている数を示すドットコード(位置入力コード)と、「テーブル番号」を示すドットコード(位置入力コード)と、「客層」を示すドットコード(「男若年層」、「男中年層」、「男老年層」、「女若年層」、「女中年層」、「女老年層」のいずれか1つを示すドットコード)とを読み取らせることにより、来店客を案内したテーブルのテーブル番号と、来店客の客層を示す客層コードとを注文入力端末200に入力する。注文入力端末200は、RAM203の一時記憶エリアのデータを消去した後に、コードリーダ204が読み取ったドットコードで特定される、テーブル番号と、客層コードとを一時記憶エリアに記憶させる(ステップS3)。なお、各テーブルのテーブル番号は予め決まっており、店員はこのテーブル番号を覚えているため、店員はテーブル番号を入力することができる。また、店員は、お客を見て性別および年齢層を判断し、この判断に合致する客層コードを入力する。
【0050】
お客は、客用メニューブックを見て、注文したいメニューを接客係300に伝える。接客係300は、接客用メニューブック600の当該メニュー名称の近傍に印刷されているメニューコードを示すドットコードと、ファンクションキーエリアの数字部分に印刷されている数を示すドットコードとを注文入力端末200のコードリーダ204でなぞって、注文入力端末200に入力する。注文入力端末200は、コードリーダ204が読み取ったドットコードを解釈し、入力されたメニューコードと、数量と、現在の時刻(注文時刻)とを関連付けてRAM203に記憶させる。例えば、接客係300は、おでん盛り合わせ1人前の注文を受けた場合、接客用メニューブック600に印刷されている「おでん盛り合わせ」のメニューコードを示すドットコードが印刷されている部分と、ファンクションキーエリアの数字「1」を示すドットコードが印刷されている部分と、「確定」を示すドットコードが印刷されている部分とを順に注文入力端末200のコードリーダ204に読み取らせる(ステップS4)。
【0051】
接客係300は、お客が注文したメニューを全て注文入力端末200に入力し終わった後、接客係用メニューブック600のファンクションキーエリアの「確認」を示すドットコードが印字されている部分を注文入力端末200のコードリーダ204でなぞり、「確認」を示すコードを注文入力端末200に入力する。注文入力端末200は、コードリーダ204が読み取ったコードが確認コード(「確認」)でない場合(ステップS5−NO)、注文入力端末200は、ステップS4の処理に戻る(ステップS5)。
【0052】
注文入力端末200は、コードリーダ204が読み取ったコードが確認コードである場合(ステップS5−YES)、すべての注文が入力されたと判定し、RAM203に一時記憶したメニュー名称と数量とを説明する音声をスピーカ206に出力される。なお、必要に応じ、メニューの変更入力を行うことができるように注文入力端末200を構成してもよい(ステップS6)。
【0053】
接客係300は、お客が注文したメニューが全て入力されたことを確認し、接客係用メニューブックのファンクションキーエリアの「送信」を示すドットコードが印刷されている部分をコードリーダ204に読み取らせる。コードリーダ204が「送信」を示すドットコードを読み取った場合、注文入力端末200は、この注文を行ったお客を一意に特定する注文番号を生成し、生成した注文番号と、RAM203に記憶しているテーブル番号と、客層コードと、メニューコードと、数量と、注文時刻とをホストサーバ100に送信する。その後、注文入力端末200は、RAM203に記憶しているデータの全部又は一部を消去する(ステップS7)。
【0054】
ホストサーバ100は、注文入力端末200から送信される注文番号と、テーブル番号と、客層コードと、メニューコードと、数量と、注文時刻とを受信し、受信した各情報と、状態「調理中」とを関連付けてオーダーファイルに記憶する(ステップS8)。
【0055】
次に、ホストサーバ100は、キッチンプリンタ500に当該注文データを送信して、調理指示伝票と注文伝票を印字させる(ステップS9)。
【0056】
厨房では、調理作業者が調理指示伝票に基づいて調理を行い、料理が出来たら料理載置台1100に料理を載せ、料理が出来上がったことをキッチンプリンタ500に入力する。これによりキッチンプリンタ500は、ホストサーバ100に信号を出力する。ホストサーバ100は、この信号を受信し、オーダーファイルの「状態」を「飲食中」に更新する。また、料理が料理載置台1100に載せられると、接客係300はテーブル番号を確認し、その料理を該当するテーブルに配膳する。また接客係300は、該当する注文伝票をテーブルに備えてもよい(ステップS10)。
【0057】
お客が飲食終了した後、POS端末(レジ)400は、接客係300によって操作され、注文伝票に印刷された注文番号が入力されると、会計を指示する信号をホストサーバ100に送信し、ホストサーバ100から受信した会計情報(請求書)を印刷する。接客係300は、会計情報に基づいて代金の精算を行う(ステップS11)。
【0058】
なお、クレイドル700に装着された注文入力端末200に対しては、バッテリー209への充電が行われるとともに、ホストサーバ100からUSBを介してRAM203内の音声データやメニューファイル、音声ファイルの更新が行われる。充電とデータの更新がされた注文入力端末200は、再び次のお客に利用される。
【0059】
上述した処理により、ホストサーバ100のHDD104に記憶されているオーダーファイルには、注文されたメニューを一意に特定する「メニューコード」と、このメニューを注文したお客の客層を一意に特定する「客層コード」とを関連付けた客層情報が蓄積される。
【0060】
次に、ホストサーバ100に蓄積された客層情報を用いた分析方法の例について説明する。ホストサーバ100のCPU101は、HDD104に記憶されているメニューファイルと、客層ファイルと、オーダーファイルとを読み出し、例えば、客層毎に注文されたメニューの数を算出し、客層と注文されたメニュー数との相関を示す分析画面を表示部105に表示させる。
【0061】
具体的には、ホストサーバ100のCPU101は、オーダーファイルに記憶されている「客層コード」と「メニューコード」との組み合わせ毎に注文数を集計することにより、各客層のお客が注文した数をメニュー毎に特定する。また、CPU101は、メニューファイルに記憶されている情報を読み出し、各メニューコードが一意に特定するメニューの「名称」を特定する。また、CPU101は、客層ファイルに記憶されている情報を読み出し、各客層コードが一意に特定する「客層種別」を特定する。そして、「客層種別」とメニューの「名称」毎に、各客層のお客が注文した数をメニュー毎に分析画面として表示部105に表示させる。
【0062】
図10は、本実施形態におけるホストサーバ100の表示部105が表示する、客層とメニューの注文数(注文情報)の相関を示す分析画面の例を示した概略図である。分析画面は、客層とメニューの注文数を表形式で表示する。図示する例では、行に客層を表示し、列にメニュー名を表示しており、客層とメニュー名とが交わる欄に、各客層のお客が各メニューを注文した数を表示している。例えば、行「男若年層」と列「おでん盛り合わせ」とが交わる欄には「1」が表示されている。これは、客層「男若年層」のお客は、「おでん盛り合わせ」を1つ注文したことを示している。他の欄については図示するとおりである。また、各客層において、注文数が一番多い欄は網掛け表示となっている。これは、各客層のお客に一番多く注文されているメニューを一目で把握できるようにするためである。
【0063】
なお、オーダーファイルには注文時刻も記憶されているため、例えば、一週間や一ヶ月など一定の期間毎に、どの客層のお客がどのようなメニューを注文しているのかを分析画面として表示部105に表示させることも可能である。そして、例えば、一定の客層があるメニューを多く注文していることが分かった場合には、そのメニューに類似するメニューを新規に取り入れる等、店舗運営に利用することができる。
【0064】
上述したとおり、本発明によれば、接客係用メニューブック600は、客層を一意に特定する情報を示す客層コードを有している。そのため、注文入力端末200により接客係用メニューブック600が有するメニューコードを読み取り、商品の注文を行う際に、客層を特定する客層コードも読み取ることができるので、より安価に客層情報を取得することができる。
【0065】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0066】
例えば、本実施形態では、一人で来店し注文するお客の客層を入力するようにしたが、これに限らない。お客がグループで来店し、1つのデーブルに座って注文を行うような場合、グループを代表するお客の客層コードを入力してから、各お客の注文を受けるようにしてもよい。この場合、厳密な意味での客層毎の客層情報を得ることはできないが、ある程度の傾向を示した客層情報を得ることができる。また、グループでお客が来店した場合でも、正確な客層情報を得る運用をする場合には、図9に示したフローチャートのステップS4におけるメニューコードの読み取りの後に客層コードを読み取るようにする。つまり、お客毎にメニューコードと客層コードとを読み取るようにする。これにより、正確な客層情報を得ることができるようになる。
【0067】
また、本実施形態では、接客係が注文入力端末を操作する例について説明したが、これに限らない。例えば、お客が前記実施形態における接客係用メニューブックと注文入力端末とを操作して注文を行う方式、いわゆるセルフオーダー方式に利用してもよい。つまり、初めに客層コードとテーブル番号を入力してから各メニューの注文を注文入力端末に入力することを説明する説明書きをメニューブックに記載することで、お客はそれぞれの情報を入力してから注文を入力することがわかり、お客自身が注文入力するセルフオーダーにおいても利用することができる。
【0068】
また、本実施形態では、客層の種類として、「男若年層」、「男中年層」、「男老年層」、「女若年層」、「女中年層」、「女老年層」を用いる例について説明したが、これに限らない。例えば、具体的な年代毎(10代、20代・・・)に客層を分類するようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、メニューブックにはドットコードが印刷されている例を用いて説明したが、これに限らない。例えば、ドットコードの代わりに一次元バーコードや、二次元バーコードや、ICチップや、画像に組み込んだ電子透かし等、メニューや客層等の情報を特定することができるものがメニューブックに付されていれば、どのような形態でも良い。
【0070】
また、本実施形態では、図10にて各客層毎における各メニューの注文数の相関を示す分析画面を表示する例を示したが、各メニューに限らず、各メニューの分類を示す各分類と各客層毎の注文数の相関を示すようにしても良い。
【0071】
また、全ての読み取られたメニューコードと客層コードとを管理装置へ送信するのではなく、特に販売の動向を注視したいメニューを特定し、該特定されたメニューコードが読み取られたときに、客層コードと共に管理装置へ送信するようにしても良い。あるいは、注文入力端末からは全ての読み取られたメニューコードと客層コードとを管理装置へ送信するが、管理装置にて注文数を比較する際に、特定のメニューコードだけを選択して図10のように表示させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0072】
100・・・ホストサーバ、101,201・・・CPU、102,202・・・ROM、103,203・・・RAM、104・・・HDD、105・・・表示部、200・・・注文入力端末、204・・・コードリーダ、205・・・音声合成回路、206・・・スピーカ、207・・・無線通信部、208・・・USB I/F、209・・・バッテリー、210・・・LEDインジケータ、300・・・接客係、400・・・POS端末、401・・・アンテナ、500・・・キッチンプリンタ、600・・・接客係用メニューブック、700・・・クレイドル、800・・・LAN、900・・・飲食エリア、901〜904・・・テーブル、1000・・・客用メニューブック置場、1100・・・料理載置台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードとを有するメニューブックと、
前記メニューブックが有する前記メニューコードと客層コードとを読み取る読取部と、該読み取ったメニューコードが示す前記商品を一意に特定する情報と該読み取った客層コードが示す前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを送信する送信部とを有する注文入力端末と、
前記注文入力端末が送信する、前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを受信する受信部と、受信部が受信した前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記客層毎の注文情報を解析する解析部とを有する管理装置と、
を有することを特徴とする注文データ管理システム。
【請求項2】
注文入力端末が有する読取部により読み取られる情報を有するメニューブックであって、
前記注文入力端末に設けられた読取部で読み取ることができ、商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、
前記読取部で読み取ることができ、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードと、
を有することを特徴とするメニューブック。
【請求項3】
前記読取部で読み取ることができ、前記客層コードの近傍に配置され、前記商品を注文する客が位置するテーブルを一意に特定するための情報を入力するための位置入力コード
を有することを特徴とする請求項2に記載のメニューブック。
【請求項1】
商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードとを有するメニューブックと、
前記メニューブックが有する前記メニューコードと客層コードとを読み取る読取部と、該読み取ったメニューコードが示す前記商品を一意に特定する情報と該読み取った客層コードが示す前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを送信する送信部とを有する注文入力端末と、
前記注文入力端末が送信する、前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを受信する受信部と、受信部が受信した前記商品を一意に特定する情報と前記商品を注文する客の客層を一意に特定する情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記客層毎の注文情報を解析する解析部とを有する管理装置と、
を有することを特徴とする注文データ管理システム。
【請求項2】
注文入力端末が有する読取部により読み取られる情報を有するメニューブックであって、
前記注文入力端末に設けられた読取部で読み取ることができ、商品毎に設けられ、該商品を一意に特定する情報を示すメニューコードと、
前記読取部で読み取ることができ、前記商品を注文する客の客層毎に設けられ、該客層を一意に特定する情報を示す客層コードと、
を有することを特徴とするメニューブック。
【請求項3】
前記読取部で読み取ることができ、前記客層コードの近傍に配置され、前記商品を注文する客が位置するテーブルを一意に特定するための情報を入力するための位置入力コード
を有することを特徴とする請求項2に記載のメニューブック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−227645(P2011−227645A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95848(P2010−95848)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
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