説明

注文処理システム

【課題】迅速かつ確実に追加注文することができる注文処理システムであって、飲食店側にとっては導入費用が安く、さらにその後のメンテナンスも容易で、悪用されることのない安全なシステムを提供する。
【解決手段】飲食店側に設置された店舗制御装置と携帯電話がインターネットを介して注文サーバと接続されている注文処理システムにおいて、新規注文の入力に伴う伝票番号の発行時に乱数を発生させ、前記乱数をログインコードとして前記伝票番号と対応付けてコード対応ファイルに記憶する手段と、ログインコードを含むURL情報を生成して2次元バーコードとして伝票に印刷する手段と、ログインコードを前記注文サーバへ送信する手段を備え、前記携帯電話は、印刷された前記2次元バーコードを読み取る手段と、読み取ったURL情報を基に前記注文サーバにアクセスする手段と、注文を入力するための注文入力画面を受信する手段などを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店において客から受けた注文を管理する注文処理システム、中でも携帯電話で注文情報の入力を行う注文処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店では、客の注文を正確かつ迅速に厨房に伝達するため、店の接客担当スタッフに注文入力用のハンディターミナルを持たせ、このハンディターミナルから送られた注文情報を、POSコントローラなどの店舗制御装置を介して厨房に設置したキッチンプリンタやキッチンモニターに送信して調理指示を行うというシステムが増えつつある。この場合、店の接客担当スタッフは、客がテーブルに着くとメニューを手渡した後、一旦テーブルから離れ、客の注文が決まった後に、その注文を受けるためにハンディターミナルを携帯して再度テーブルに行く。そして、客の注文を受けると、携帯したハンディターミナルに客のテーブル番号や人数などの情報とともに、注文を受けた商品とその数量を入力する。入力された注文情報は、ハンディターミナルに一時的に記憶された後、転送等のキー入力によって、POSコントローラなどの店舗制御装置に転送されて、キッチンプリンタやキッチンモニターの出力装置から、注文情報の内容を伝票として印刷もしくは表示され、調理人はこの出力された注文情報を基に調理を開始する。そして、その後、客が追加注文をしたい場合は、客が手を上げたり、呼び出し用のブザーを押すなどして接客担当スタッフを呼んで追加注文の内容を告げ、接客担当スタッフは客から聞いた追加注文の内容をハンディターミナルに入力して、追加注文を処理する。
【0003】
しかし、この接客担当スタッフが注文情報を入力するシステムにおいては、例えば、店が混雑しているために接客担当スタッフが忙しくテーブルまで追加注文を聞きに行けない場合や、客のテーブルと接客担当スタッフが互いに見にくい位置関係にあるために接客担当スタッフに気づいてもらえないような場合に、客は追加注文ができないために待たされてしまうことがしばしば発生し、客が追加注文をするのを諦めてしまったり、店とトラブルになってしまうこともあった。
【0004】
そこで、客が利用するテーブル上に注文情報入力装置を設置して、接客担当スタッフを通さなくても、客が自らテーブル上の注文情報入力装置を操作して自分の注文を入力して、その注文情報を有線又は無線によって店舗制御装置に送信し、キッチンプリンタやキッチンモニターの出力装置から、注文情報の内容を伝票として印刷もしくは表示するシステムも提供されている。そして、客が追加注文をしたい場合も、テーブルに設置されている注文情報入力装置に追加注文の内容を直接入力して、その注文情報を店舗制御装置へ送信することによって追加注文を処理する。
【0005】
この場合は客が自ら注文できるため、追加注文するのを待たされてしまうということはなくなるものの、客のテーブル毎に注文情報入力装置を設置しなければならないために、システム全体の導入費用が高くなる。また、すべての客が注文情報入力装置を容易に操作できるわけではないため、このような入力操作に不慣れな客に接客担当スタッフがつきっきりでその操作説明を行ったり、説明を行っても理解が困難な客の代わりに注文情報入力装置の操作を行って追加注文情報などを入力したりして、逆に接客担当スタッフの作業が増えてしまう場合もあった。
【0006】
そこで、よりコンパクトで、かつ操作の容易なセルフ・オーダーエントリー・システムとして、接客担当者が使用する第1の注文情報入力装置と、携帯移動が可能な、客が自ら操作し注文情報の入力が可能な第2の注文情報入力装置を併用し、前記第2の注文情報入力装置には、利用する1組の客ごとに、その客の識別情報である識別IDを設定することを特徴とする注文処理システムが提供されている。(特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−164081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、客が自ら注文できる注文情報入力装置は携帯移動が可能なコンパクトなものとなったものの、接客担当スタッフによる設定操作が必要であるという問題があった。具体的には、接客担当者は、一組の客の識別IDが確定したら、注文データ入力装置に対して、通常、客が行わないような特殊な操作を行って識別ID登録モードに切り替えた上で、設定された識別IDを入力しなければならない。
また、携帯移動が可能でコンパクトなものになったとはいえ、この注文情報入力装置は店側が何台も準備しなければならないために、その導入費用がかかることや導入後も故障や破損した際などに修理しなければならないなどの手間がかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の課題は、飲食店の客の追加注文時に、客が自分の携帯電話を操作して迅速かつ確実に追加注文することができる注文処理システムであって、飲食店側にとっては導入費用が安く、さらにその後のメンテナンスも容易で、悪用されることのない安全なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明では、飲食店側に設置された店舗制御装置と飲食店の客が所持する携帯電話がインターネットを介して注文サーバと接続されている注文処理システムにおいて、前記店舗制御装置は、新規注文の入力に伴う伝票番号の発行時に乱数を発生させ、前記乱数をログインコードとして前記伝票番号と対応付けてコード対応ファイルに記憶するコード対応記憶手段と、前記コード対応記憶手段によって記憶されたログインコードを含むURL情報を生成して2次元バーコードとして伝票に印刷する伝票印刷手段と、前記コード対応記憶手段によって記憶されたログインコードを前記注文サーバへ送信するログインコード送信手段を備え、前記携帯電話は、前記伝票印刷手段によって印刷された前記2次元バーコードを読み取る2次元バーコード読み取り手段と、前記2次元バーコード読み取り手段によって読み取ったURL情報を基に前記注文サーバにアクセスするサーバアクセス手段と、前記注文サーバから前記飲食店への注文を入力するための注文入力画面を受信する注文入力画面受信手段と、前記注文入力画面受信手段によって受信した注文画面に入力した注文情報を前記注文サーバへ送信する注文情報送信手段を備え、前記注文サーバは、前記ログインコード送信手段によって前記店舗制御装置から送信されたログインコードをログインコードファイルに記憶するログインコード記憶手段と、前記ログインコード記憶手段によって記憶されているログインコードと照合することによって、前記サーバアクセス手段によって前記携帯電話から送信されたログインコードが正当かどうかを判断するログインコード判断手段と、前記ログインコード判断手段によって前記ログインコードが正当であると判断した場合に前記携帯電話からのログインを許可するログイン許可手段と、前記注文情報送信手段によって前記携帯電話から送信された注文情報を受信する注文情報受信手段と、前記ログインコード判断手段によって正当であると判断したログインコード及び前記注文情報受信手段によって受信した注文情報を前記店舗制御装置へ送信するログインコード等送信手段を備え、前記店舗制御装置は、前記ログインコード等送信手段によって送信されたログインコード及び注文情報を受信するログインコード等受信手段と、前記コード対応記憶手段によって記憶したコード対応ファイルを検索して前記ログインコード等受信手段によって受信したログインコードと対応付けられている伝票番号を取得する伝票番号取得手段と、前記伝票番号取得手段によって取得した伝票番号と前記ログインコード等受信手段によって受信した注文情報を注文情報ファイルに記憶する注文情報記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
しかも、本注文処理システムは、以下のような特徴を併せ持つものである。
即ち、前記店舗制御装置は、会計処理が完了した伝票番号を取得する完了伝票番号取得手段と、前記完了伝票番号取得手段によって取得した会計処理が完了した伝票番号に対応付けられているログインコードを注文サーバへ送信する完了ログインコード送信手段を備え、前記注文サーバは、前記完了ログインコード送信手段によって送信されたログインコードを前記ログインコードファイルから削除する完了ログインコード削除手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記店舗制御装置は、前記ログインコードの有効時間を入力する有効時間入力手段と、前記有効時間入力手段によって入力された有効時間のデータを注文サーバへ送信する有効時間送信手段と、前記ログインコード送信手段によって送信する際に、併せてログインコードの発行日時の情報を前記注文サーバへ送信するコード発行日時送信手段を備え、前記注文サーバは、前記有効時間送信手段によって送信された有効時間のデータを基にログインコードの有効時間を設定する有効時間設定手段と、前記コード発行日時送信手段によって前記店舗制御装置から送信されたログインコードの発行日時の情報をログインコードファイルに記憶するコード発行日時記憶手段と、前記ログインコードファイルに記憶されているログインコードから前記有効時間設定手段によって設定された有効時間を経過しているログインコードを削除する経過ログインコード削除手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、前記携帯電話は、前記伝票番号によって受け付けられた全ての注文情報の参照要求を前記注文サーバへ送信する第1の参照要求送信手段を備え、前記注文サーバは、前記第1の参照要求送信手段によって送信された参照要求を前記店舗制御装置へ送信する第2の参照要求送信手段を備え、前記店舗制御装置は、前記第2の参照要求送信手段によって送信された参照要求を受信すると注文情報ファイルに記憶されている前記伝票番号に係る注文情報を検索する注文情報検索手段と、前記注文情報検索手段によって検索された前記伝票番号に係る全ての注文情報を前記注文サーバへ送信する第1の参照情報送信手段を備え、前記注文サーバは、前記第1の参照情報送信手段によって送信された注文情報を前記携帯電話へ送信する第2の参照情報送信手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1に、本発明の注文処理システムによれば、客は追加注文する際に、使い慣れた自分の携帯電話を使用して、接客担当スタッフを介さずに注文情報の入力を自ら行えるようなるため、注文決定後に迅速かつ確実に受注処理を行うことが可能となる。つまり、客は注文を即座に調理人に伝達できるので時間が短縮されるだけでなく、接客担当スタッフによる誤りが発生することがなくなるので円滑な注文の受付が可能となる。そのため、追加注文の多い飲食店における待たされる不快感や注文ミスやロスが無くなり、売上の増加に繋がる。
第2に、追加注文は客の携帯電話を使用するために、店側にとっては導入費用が安く済むだけでなく、故障、破損、保守などのランニング費用も少なくすむ。また、注文情報入力装置をテーブル毎に設置する必要がないことから、店内の自由なレイアウトに制限が加わるというようなこともない。
第3に、追加注文は、飲食店のスタッフを介さずに客が自ら行うため、接客担当スタッフは、追加注文をとる、注文情報入力装置の説明をする、特殊な設定操作をするなどの業務から解放されるため、店側は今までよりも少数のスタッフで飲食店を運営することが可能となる。
第4に、一度会計を済ませた後や予め設定した有効時間の経過後は、同じ伝票番号を基にしたログインコードではシステムにログインできないようになっているので、店は悪用されることなく、安心して本システムを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の全体のシステム構成を示した説明図である。
【図2】2次元バーコードが付いた伝票の具体例である。
【図3】携帯電話の表示画面に表示された注文入力画面の具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本実施例の全体のシステム構成を示した説明図であり、飲食店の客が所持する携帯電話3、飲食店側に設置された店舗制御装置5が、インターネット2を介して注文サーバ1と接続されている。
そして、飲食店の内部においては、注文情報に基づいて注文処理や会計処理などを行うことができる店舗制御装置5、インターネット2を介して店舗制御装置5と注文サーバ1との通信を可能にするルータ4、接客担当スタッフが注文情報を入力するハンディターミナル6、飲食店の天井などに設置されて店舗制御装置5とハンディターミナル6との無線通信を可能とするアクセスポイント7、レジでレシートなどを印刷するレジプリンタ8、注文情報を伝票や表示によって厨房に伝えるためのキッチンプリンタ9及びキッチンモニター10が、有線又は無線によりLAN(ローカルエリアネットワーク)接続されている。
なお、図1に示したシステム構成においては、注文サーバ1、店舗制御装置5、携帯電話3、アクセスポイント7、ハンディターミナル6、レジプリンタ8、キッチンプリンタ9、キッチンモニター10は、いずれも1つとして示されているが、これらは各々複数あってもよい。
【0018】
注文サーバ1は、CPU・ROM・RAMを含んだ中央処理部、携帯電話3や店舗制御装置5とデータの送受信を行う通信制御部、ログインコード及びログインコードの発行日時の情報を含むログインコードファイル、商品のカテゴリ、名称、単価、品切れの情報を含むメニューデータファイル、ログインコードの有効時間の情報を含む有効時間設定ファイルなどを記憶するデータ記憶部、プログラムを記憶するプログラム記憶部などを備えている。そして、注文サーバ1のプログラム記憶部は、注文処理を行う注文処理プログラム、データ記憶部に記憶されたメニューデータファイルの変更を行うメニューデータファイル変更プログラム及びログインコードファイルの変更を行うログインコードファイル変更プログラム、並びにプログラム記憶部に記憶されたプログラムの変更を行うプログラム変更プログラムなどを記憶している。
【0019】
店舗制御装置5は、店舗内に設置されたPOS(販売時点情報管理)のコントローラなどであり、CPU・ROM・RAMを含んだ中央処理部、データの送受信を行う通信制御部、伝票番号及びログインコードの情報を含むコード対応ファイル、商品のカテゴリ、名称、単価、品切れの情報を含むメニューデータファイル、伝票番号毎の注文内容や注文金額などの情報を含む注文情報ファイルなどを記憶するデータ記憶部、プログラムを記憶するプログラム記憶部などを備えている。そして、店舗制御装置5のプログラム記憶部は、注文処理を行う注文処理プログラム、データ記憶部に記憶されたメニューデータファイルの変更を行うメニューデータファイル変更プログラム、コード対応ファイルの変更を行うコード対応ファイル変更プログラム、及び注文情報ファイルの変更を行う注文情報ファイル変更プログラム、テキストデータから2次元バーコードを生成する2次元バーコード生成プログラム並びにプログラム記憶部に記憶されたプログラムの変更を行うプログラム変更プログラムなどを記憶している。
【0020】
ハンディターミナル6は、液晶などの表示画面と、複数の固定キーにより構成され、客から注文されたメニューの入力は、接客担当スタッフが、ハンディターミナル6の固定キーに割り付けられたメニューキーを押下することや、テンキーから注文を受けたメニューの番号を入力すること、又は表示画面上にメニュー一覧を表示し、該当のメニューが表示されている部分をタッチすることなどによって行う。
【0021】
携帯電話3は、2次元バーコードを撮影及び認識して2次元バーコードに記載されているURLにアクセスが可能な一般的なカメラ付き携帯電話である。制御部は、携帯電話3全体を制御するとともに、2次元バーコード読み取り機能を有し、キー操作に基づいて、内蔵カメラによる2次元バーコードの撮影、撮影した画像情報の表示、2次元バーコード情報の認識、その認識した内容に基づいてインターネット2に接続して当該2次元バーコードに記載されているURLを有するサイトにアクセスするなどの実行を制御する。
【0022】
まず、メニューデータファイルに関する本実施例に係る注文処理システムの動作について説明する。飲食店において提供される商品のカテゴリ、名称、単価などから構成されるメニューデータファイルは、注文サーバ1用及び店舗制御装置5用の2種類があり、これらが商品コードによって同期がとれていることが前提となっている。先ず、店舗制御装置5でメニューデータファイルを作成して店舗制御装置5のデータ記憶部に記憶した後、当該メニューデータファイルをインターネット2を介して注文サーバ1の通信制御部に送信する。注文サーバ1は、通信制御部によってメニューデータファイルを受信すると、受信したメニューデータファイルをデータ記憶部に記憶する。
新商品が追加されるなどメニューデータファイルの変更が発生した場合は、店舗制御装置5で変更後のメニューデータファイルを作成し、データ記憶部に記憶されている変更前のメニューデータファイルを変更後のメニューデータファイルに書き換える。さらに、変更後のメニューデータファイルを注文サーバ1へ送信して、注文サーバ1内のデータ記憶部に記憶されている変更前のメニューデータファイルを変更後のメニューデータファイルに書き換える。
【0023】
次に、ログインコードに関する本実施例に係る注文処理システムの動作について説明する。飲食店に客が来店すると、接客担当スタッフが席へ案内する。接客担当スタッフは、メニューブックを客に手渡した後、一旦、客のテーブルから離れ、客の最初の注文が決まった頃を見計らって、再び客のテーブルへハンディターミナル6を携帯して行き、客から注文を聞き取って新規注文情報の入力を行う。この最初の新規注文については、接客担当スタッフが自ら操作してハンディターミナル6で入力する。ここでは、客が着席したテーブル番号、人数、最初の注文内容についての入力を行い、その入力情報はアクセスポイント7を経由して店舗制御装置5へ送信される。
新規注文情報を受信した店舗制御装置5は、当該注文に関するユニークな伝票番号を発行し、当該伝票番号と共に注文情報を注文情報ファイルに記憶する。次に、中央処理部によって乱数を発生させる。そして、発生させた乱数と伝票番号を対応付けて、データ記憶部のコード対応ファイルに記憶する。本実施例においては、この発生させた乱数をログインコードとして使用する。続いて、当該ログインコードを含むURL情報を生成する。このURL情報は、注文サーバ1によってインターネット上に公開されているシステムへのアクセスを可能とするものである。さらに、2次元バーコード生成プログラムによって、当該URL情報を内容とする2次元バーコードを生成する。そして、この2次元バーコードが付いた伝票をキッチンプリンタ9から印刷する。図2は、2次元バーコードが付いた伝票の具体例である。
例えば、2次元バーコードに含まれるURL情報の具体例の一つは、「http://www.○○○.com/login.aspx?cid=9061&sid=0008&mid=5755−5328−7530−2532」である。ここで、「cid=9061」は会社コード、「sid=0008」は店舗コード、「mid=5755−5328−7530−2532」はログインコードを示している。このように、このURL情報の中には、伝票番号と対応付けられているログインコードが含まれている。
また、この2次元バーコードに含まれるログインコードの情報は、ログインコードの作成時に、対応付けられている伝票番号と一緒に店舗制御装置5のデータ記憶部のコード対応ファイルに記憶される。そして、ログインコードの情報は、注文サーバ1へも送信されて、注文サーバ1のデータ記憶部のログインコードファイルに記憶される。
【0024】
そして、客が追加注文をしたい場合は、自分の携帯電話3を操作して、前記注文伝票に印刷された2次元バーコードを読み取る。そして、読み取った後のログインコードを含むURL情報を利用して、インターネット2を介して注文サーバ1にアクセスする。アクセスされた注文サーバ1は、携帯電話3から送信されたURL情報に含まれるログインコードが注文サーバ1のログインコードファイルに記憶されているかどうかによって、その正当性のチェックを行い、当該ログインコードがログインコードファイルに記憶されていて、正当であることが確認された場合のみ、前記携帯電話3からのシステムへのログインを許可する。
【0025】
また、ログインコードに有効時間が設けられていても良い。この場合、ログインコードの有効時間(例えば4時間など)を店舗制御装置5で入力して、その入力情報を注文サーバ1へ送信する。そして、ログインコードの有効時間の情報を受信した注文サーバ1は、データ記憶部の有効時間設定ファイルに受信したログインコードの有効時間を記憶する。
ところで、ログインコードの作成時にログインコードの情報は注文サーバ1へ送信され、注文サーバ1のデータ記憶部のログインコードファイルに記憶されるが、店舗制御装置5は注文サーバ1への送信の際に当該ログインコードの発行日時の情報も併せて送信し、ログインコードの情報と一緒に注文サーバ1のデータ記憶部のログインコードファイルに記憶する。そして、注文サーバ1の中央処理部は、ログインコードファイル中のログインコードの発行日時の情報を定期的に検索して、有効時間が経過したログインコードがログインコードファイル内に存在している場合は該当するログインコードをログインコードファイルから削除する。このように、店舗制御装置5が故障した場合でも、注文サーバ1にログインコードが存在しているためにシステムにログイン出来てしまうようなことを防ぐことができる。
【0026】
次に、注文処理プログラムに基づく本実施例に係る注文処理システムの動作について説明する。まず、客の携帯電話3から注文サーバ1にアクセスし、注文処理システムにログインした後の注文入力処理について説明する。図3は、携帯電話3の表示画面に表示された注文入力画面の具体例である。
本実施例に係る注文処理システムにログインすると、まず注文処理・参照要求処理などの処理メニューにおける選択が求められる。そして、処理メニューから注文処理を選択すると、注文情報を入力することができる注文入力画面が注文サーバ1から携帯電話3へ送信される。注文入力画面を受信した携帯電話3は、それを表示画面に表示する。携帯電話3の表示画面には、まず、ドリンク・ランチ・軽食・パスタといったカテゴリ選択の画面が表れる。そこで、客は注文したい商品のカテゴリを選択する。
例えば、「軽食」のカテゴリを選択した後に「次へ」を入力すると、次に、トースト・シナモントースト・ジャムトーストといった商品選択の画面が表れる。そこで、客は注文したい商品を選択する。そして、商品「ジャムトースト」を選択した後に「次へ」を入力すると、数量選択画面へと遷移する。ここで客は、注文したい数量をテンキーを使用して入力する。そして、1つの商品の注文が終了したら、「注文送信」を入力して、注文情報を注文サーバ1へ送信する。
【0027】
ただし、注文情報の入力は、1つの商品の注文毎に注文情報を注文サーバ1へ送信する場合に限られるわけではなく、1つの商品の注文終了後、続いて次の商品の注文を入力できるようになっていても良い。この場合、最後の注文画面で全ての回答が入力された後、「確認」と表示された項目がキー操作によって選択されると、次画面に進んで全ての注文内容が一覧表示され、客が注文内容を確認した後に「注文送信」と表示された項目をキー操作によって選択することによって、それまでに入力した注文情報を注文サーバ1へ送信する。
本実施例に係る注文処理システムに用いられる携帯電話3においては、表示画面の入力領域をキー操作又はカーソル移動により選択することにより、表示画面にその選択された内容が表示されるように構成されている。そして、操作は、主として数字を入力するテンキーと、入力領域の選択部を上下左右に移動させるカーソルキーなどによって、メニューを選択したり、数量を入力したりする。
【0028】
なお、メニューの入力方法は、上記の方法に限られるものではなく、例えば、商品コードを直接入力することによって、商品を選択する場合であっても良い。
【0029】
注文情報を注文サーバ1へ送信すると、受信した注文サーバ1は、メニューデータファイルを検索して、当該注文情報の中に品切れしている商品がないかどうかを判断する。そして、品切れしていた場合は、品切れ情報を携帯電話3へ送信する。なお、品切れ情報は、商品の品切れが発生した場合に、店舗制御装置5のデータ記憶部のメニューデータファイルに記憶されると共に、注文サーバ1へ送信され、注文サーバ1のデータ記憶部のメニューデータファイルに記憶されているものとする。
そして、注文情報を受信した注文サーバ1は、ログインコードと共に当該注文情報を店舗制御装置5へ送信する。店舗制御装置5は、ログインコード及び注文情報を受信すると、コード対応ファイルを検索して、当該ログインコードに対応付けられている伝票番号を取得して、当該伝票番号及び注文情報を注文情報ファイルに記憶する。
なお、接客担当スタッフが操作するハンディターミナル6と、客が操作する携帯電話3で入力できるメニューには違いがあり、携帯電話3では入力できるメニューが限定可能となっていても良い。
【0030】
また、携帯電話3では、注文情報の入力の他に、自分の注文したメニューと金額をすべて参照要求することが可能となっている。この場合、客は携帯電話3で、追加注文する場合と同様に、伝票に印刷された2次元バーコードを読み取って、2次元バーコードに含まれているURL情報を基に注文サーバ1にシステムにログインした後、処理メニューから注文情報の参照要求を選択して、注文情報の参照要求を注文サーバ1へ送信する。
注文サーバ1は、この参照要求を受信するとログインコードの情報と共に店舗制御装置5へ参照要求を送信する。店舗制御装置5は、コード対応ファイルを検索して、受信したログインコードに対応付けられている伝票番号を取得し、当該伝票番号に係る注文内容及び金額の情報、即ち参照情報を注文情報ファイルから抽出して、注文サーバ1へ送信する。注文サーバ1は、当該参照情報を参照要求した客の携帯電話3へ送信する。そして、客は、受信した携帯電話3で、自分が注文した内容及び金額の情報を参照する。
【0031】
追加注文する商品の入力は、携帯電話3の表示画面上に表示されたメニュー内容から選択する場合、あるいは直接に商品コードを携帯電話3のテンキーなどを使って入力する場合の他、商品コードなどがメニューブックに2次元バーコードとして印刷されたものを携帯電話3の2次元バーコード読み取り手段によって読み取って入力しても良い。
この場合、メニューブックには、各商品毎に携帯電話3の2次元バーコード読み取り手段により読み取ることができる2次元バーコードが予め印刷されており、この2次元バーコードの情報は、会社コード、店舗コード、商品コードから構成されている。また、本実施例におけるメニューブックに印刷される2次元バーコードは、各テーブル共通であり、同一店舗におけるメニューブックは同じものを使用する。
【0032】
そして、2次元バーコード読み取り手段により読み取られたURL情報は、注文サーバ1へ送信され、注文サーバ1のデータ記憶部に記憶されているメニューデータファイルから該当する商品が検索される。この際、2次元バーコードには、商品コードのデータが含まれているので、メニューデータファイルから、その商品コードと同じ商品コードが検索される。
ここで、メニューデータファイルに該当する商品コードが存在しない場合には、入力エラーとして中央処理部からの命令でエラー表示がされる。これにより、当該商品については、注文が受けられないことが予め明らかとなり、後に客と飲食店の間に無用のトラブルが生ずるのが防止される。
そして、メニューデータファイルに該当する商品コードが存在し、2次元バーコードの商品コードと同一の商品コードがメニューデータファイルから検索されると、その商品コードに対応する商品情報、すなわち、当該商品コード、単価、商品名などが中央処理部の命令により、メニューデータファイルから呼び出され、客からの注文入力を受け付ける。
【0033】
次に注文情報は、店舗制御装置5へ送信され、その中央処理部からの命令によって商品名とテーブル番号などがキッチンモニター10に表示され、キッチンプリンタ9によって伝票に印刷されるという受注処理がなされる。従って、調理人はキッチンモニター10に表示された商品名を見て調理を開始し、調理後、接客担当スタッフはキッチンプリンタ9により印刷された伝票を持って、当該客のテーブルに料理を運んで行く。
【0034】
次に、注文情報ファイルに関する動作について説明する。店舗制御装置5は、通信制御部によって注文サーバ1から注文情報を受信すると、その受信した注文情報を注文情報ファイルに記憶する。そして、当該伝票番号に係る全ての商品コードについて、メニューデーターファイルから対応する商品の単価を呼び出した後、入力された数量を基に当該伝票番号に係る合計金額を計算して記憶する。これらの情報を基に、客の会計時に、スタッフが店舗制御装置5で所定の操作を行うことによって会計処理を行ない、レシートなどをレジプリンタ8で印刷する。
また、店舗制御装置5は、客の会計が終了すると、会計が終了した伝票番号を取得し、取得した会計処理が完了した伝票番号に対応付けられているログインコードを注文サーバ1へ送信する。そして、注文サーバ1は、ログインコードファイルを検索して、店舗制御装置5から送信されたログインコードをログインコードファイルから削除する。これにより、客が会計を終了した後に、携帯電話3に記憶されていたURL情報を誤って注文サーバ1へ送信して、会計処理が終了した伝票番号に係るログインコードでログインしようとしてもエラー処理が行なわれ、ログインができなくなる。
【0035】
なお、本発明の目的は、上記の実施例1の機能を実現するソフトウェアのプログラムをシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータが記憶媒体に記録されたソフトウェアのプログラムを読出し実行することによっても達成される。
【0036】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、当該プログラムやそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0037】
ソフトウェアのプログラムを記録するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性の記憶部カード,ROMなどを用いることができる。
【0038】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、システム又は装置のコンピュータに挿入された機能拡張用のボードやコンピュータに接続された機能拡張用のユニットに備えられた記憶部に書込まれた後、当該プログラムの指示に基づき、その機能拡張用のボードやユニットに備えられたCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって上記の機能が実現される場合も含まれるものとする。
【符号の説明】
【0039】
1 注文サーバ
2 インターネット
3 携帯電話
4 ルータ
5 店舗制御装置
6 ハンディターミナル
7 アクセスポイント
8 レジプリンタ
9 キッチンプリンタ
10 キッチンモニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店側に設置された店舗制御装置と飲食店の客が所持する携帯電話がインターネットを介して注文サーバと接続されている注文処理システムにおいて、
前記店舗制御装置は、
新規注文の入力に伴う伝票番号の発行時に乱数を発生させ、前記乱数をログインコードとして前記伝票番号と対応付けてコード対応ファイルに記憶するコード対応記憶手段と、
前記コード対応記憶手段によって記憶されたログインコードを含むURL情報を生成して2次元バーコードとして伝票に印刷する伝票印刷手段と、
前記コード対応記憶手段によって記憶されたログインコードを前記注文サーバへ送信するログインコード送信手段を備え、
前記携帯電話は、
前記伝票印刷手段によって印刷された前記2次元バーコードを読み取る2次元バーコード読み取り手段と、
前記2次元バーコード読み取り手段によって読み取ったURL情報を基に前記注文サーバにアクセスするサーバアクセス手段と、
前記注文サーバから前記飲食店への注文を入力するための注文入力画面を受信する注文入力画面受信手段と、
前記注文入力画面受信手段によって受信した注文画面に入力した注文情報を前記注文サーバへ送信する注文情報送信手段を備え、
前記注文サーバは、
前記ログインコード送信手段によって前記店舗制御装置から送信されたログインコードをログインコードファイルに記憶するログインコード記憶手段と、
前記ログインコード記憶手段によって記憶されているログインコードと照合することによって、前記サーバアクセス手段によって前記携帯電話から送信されたログインコードが正当かどうかを判断するログインコード判断手段と、
前記ログインコード判断手段によって前記ログインコードが正当であると判断した場合に前記携帯電話からのログインを許可するログイン許可手段と、
前記注文情報送信手段によって前記携帯電話から送信された注文情報を受信する注文情報受信手段と、
前記ログインコード判断手段によって正当であると判断したログインコード及び前記注文情報受信手段によって受信した注文情報を前記店舗制御装置へ送信するログインコード等送信手段を備え、
前記店舗制御装置は、
前記ログインコード等送信手段によって送信されたログインコード及び注文情報を受信するログインコード等受信手段と、
前記コード対応記憶手段によって記憶したコード対応ファイルを検索して前記ログインコード等受信手段によって受信したログインコードと対応付けられている伝票番号を取得する伝票番号取得手段と、
前記伝票番号取得手段によって取得した伝票番号と前記ログインコード等受信手段によって受信した注文情報を注文情報ファイルに記憶する注文情報記憶手段
を備えたことを特徴とする注文処理システム。
【請求項2】
前記店舗制御装置は、
会計処理が完了した伝票番号を取得する完了伝票番号取得手段と、
前記完了伝票番号取得手段によって取得した会計処理が完了した伝票番号に対応付けられているログインコードを注文サーバへ送信する完了ログインコード送信手段を備え、
前記注文サーバは、
前記完了ログインコード送信手段によって送信されたログインコードを前記ログインコードファイルから削除する完了ログインコード削除手段
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の注文処理システム。
【請求項3】
前記店舗制御装置は、
前記ログインコードの有効時間を入力する有効時間入力手段と、
前記有効時間入力手段によって入力された有効時間のデータを注文サーバへ送信する有効時間送信手段と、
前記ログインコード送信手段によって送信する際に、併せてログインコードの発行日時の情報を前記注文サーバへ送信するコード発行日時送信手段を備え、
前記注文サーバは、
前記有効時間送信手段によって送信された有効時間のデータを基にログインコードの有効時間を設定する有効時間設定手段と、
前記コード発行日時送信手段によって前記店舗制御装置から送信されたログインコードの発行日時の情報をログインコードファイルに記憶するコード発行日時記憶手段と、
前記ログインコードファイルに記憶されているログインコードから前記有効時間設定手段によって設定された有効時間を経過しているログインコードを削除する経過ログインコード削除手段
を備えたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の注文処理システム。
【請求項4】
前記携帯電話は、
前記伝票番号によって受け付けられた全ての注文情報の参照要求を前記注文サーバへ送信する第1の参照要求送信手段を備え、
前記注文サーバは、
前記第1の参照要求送信手段によって送信された参照要求を前記店舗制御装置へ送信する第2の参照要求送信手段を備え、
前記店舗制御装置は、
前記第2の参照要求送信手段によって送信された参照要求を受信すると注文情報ファイルに記憶されている前記伝票番号に係る注文情報を検索する注文情報検索手段と、
前記注文情報検索手段によって検索された前記伝票番号に係る全ての注文情報を前記注文サーバへ送信する第1の参照情報送信手段を備え、
前記注文サーバは、
前記第1の参照情報送信手段によって送信された注文情報を前記携帯電話へ送信する第2の参照情報送信手段
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の注文処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−53850(P2011−53850A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201165(P2009−201165)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(502394999)エスパー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】