説明

注文端末及びコンピュータプログラム

【課題】顧客に提供可能なメニュー品目が迷い筋のメニュー品目であるかどうか分析できるようにする。
【解決手段】表示部に表示されているメニュー選択画面から操作部の操作に応じて選択された一のメニュー品目についての詳細画面を表示部に表示させ(図5(c))、顧客に対して選択したメニュー品目についての詳細情報を提供して(図5(d))そのメニュー品目を注文するかどうかを考える一助とし、最終的に表示部に詳細画面を表示させたメニュー品目が注文されなかった場合には、表示部に詳細画面が表示されてから他の画面への切替え指示がなされるまでの迷い時間のログ情報を当該メニュー品目に対応させて記憶部に記憶させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文を受け付ける注文端末及び注文端末にインストールされて使用されるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レストランや居酒屋等の飲食店では、オーダーエントリーシステムが普及している。オーダーエントリーシステムでは、顧客からの注文を受ける方式として、接客係の店員が所持するハンディーターミナルに顧客の注文を入力し、これをオーダーステーションに無線送信する方式が一般的に用いられている。これに対して、近年、店舗内の各テーブルに注文端末を設置し、注文端末を用いて顧客自らが注文情報を入力し得るようなシステムも採用され始めている。このような注文端末については、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−109125公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オーダーエントリーシステムでは、顧客からの注文を注文データとして扱うことができるため、その注文数等の管理が容易である。このため、売れ行きが良いいわゆる売れ筋のメニュー品目と売れ行きが悪いいわゆる死に筋のメニュー品目との分析等は、オーダーエントリーシステムが得意とするところである。
【0005】
これに対して、飲食店で提供するメニュー品目には、売れ筋及び死に筋以外に、注文には至らないが顧客が興味を持つメニュー品目、いわば迷い筋のメニュー品目があるのではないかという仮説を立てることができる。このような迷い筋のメニュー品目は、顧客が興味を持つ以上、ちょっとした工夫次第で売れ筋のメニュー品目に転換する可能性を秘めているといえよう。ところが、そもそも迷い筋のメニュー品目という考え方事態、市民権を持つに至っているほど普及した考え方ではない。ましては、従来のオーダーエントリーシステムでは、そのような迷い筋のメニュー品目は殆どが死に筋であると分析されるであろう。
【0006】
そこで、本出願の発明者は、迷い筋のメニュー品目について何らかの分析ができないかを考えたところ、ハンディーターミナルで注文を受け付ける場合には、分析が困難であるとの結論に至った。ハンディーターミナルでの注文の受け付けは、注文すべきメニュー品目が確定した後に行なわれるのが通常だからである。これに対して、前述した注文端末は、顧客が能動的に注文情報を入力するという性質上、顧客が注文しようかどうか迷っている間、顧客は注文端末を操作し得る状態にある。このため、注文端末においてであれば、顧客に提供可能なメニュー品目が迷い筋のメニュー品目であるかどうかの分析をし得るのではないかと期待が持てる。
【0007】
本発明の目的は、顧客に提供可能なメニュー品目が迷い筋のメニュー品目であるかどうか分析できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の注文端末は、情報処理を実行する情報処理部と、情報を入力するための操作部と、情報を表示するための表示部と、を具備し、記憶部にアクセスして当該記憶部に記憶されているメニュー選択を支援するためのメニューデータを取得し、取得したメニューデータに基づくメニュー選択画面を前記表示部に表示させる処理と、前記表示されているメニュー選択画面から前記操作部の操作に応じて一のメニュー品目を詳細表示目的のために選択する処理と、記憶部にアクセスして当該記憶部に記憶されている個々のメニュー品目についての詳細データのうちから前記詳細表示目的のために選択された一のメニュー品目についての詳細データを取得し、取得した詳細データに基づく詳細画面を前記表示部に表示させる処理と、前記操作部の操作に応じて前記表示部に表示されている詳細画面を他の画面に切り替える処理と、前記表示部に詳細画面が表示されてから前記他の画面への切替え操作がなされるまでの時間を迷い時間として計測する処理と、前記操作部の操作に応じてメニュー品目を注文する処理と、前記表示部に詳細画面を表示させたメニュー品目について前記注文する処理が実行されなかった場合には、当該メニュー品目に対応させて前記迷い時間のログ情報を記憶部に記憶させる処理と、を前記情報処理部に実行させるようにした。
【0009】
本発明は、また、情報処理を実行する情報処理部と、情報を入力するための操作部と、情報を表示するための表示部と、を具備するコンピュータ構成の注文端末にインストールされ、当該注文端末に上記各処理を実行させるコンピュータプログラムについて規定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示部に詳細画面を表示させたメニュー品目について注文する処理が実行されなかった場合には、表示部に詳細画面が表示されてから他の画面に切替えられるまでの迷い時間のログ情報を当該メニュー品目に対応させて記憶部に記憶させるようにしたので、記憶部に記憶させたログ情報に基づいて、顧客に提供可能なメニュー品目が迷い筋のメニュー品目であるかどうかを分析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の注文端末及びコンピュータプログラムの実施の一形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
【0012】
(システム構成例)
図1は、オーダーエントリーシステムのシステム構成例を示す模式図である。オーダーエントリーシステムは、ホール101、厨房201、チェックアウトカウンタ301及びバックヤード401を備えた店舗で使用される。
【0013】
ホール101には、注文データ管理装置としてのオーダーステーション111、カスタマチェックプリンタ121及び無線通信ユニット131が設置されており、ネットワーク501を介して通信自在に接続されている。また、ホール101では、複数個のハンディーターミナル141が使用され、図示しない各テーブルにはそれぞれ注文端末151が設置されている。ハンディーターミナル141は、表示器142及び入力キー143を有し、入力キー143による入力によって顧客からメニューについての注文を受け付け、受け付けた注文を注文データとして無線送信する。注文端末151は、上部ほどやや後方に向けて傾斜する前面パネル152を有し、この前面パネル152の略全面に液晶表示パネルを有するLCD153を備えている。LCD153は、その液晶表示パネルに情報を表示する表示部として機能する。そして、LCD153における液晶表示パネルの表示面上には、情報を入力するための操作部としてのタッチパネル154が積層配置されている。そこで、注文端末151は、タッチパネル154での入力によって顧客からメニューについての注文を受け付け、受け付けた注文を注文データとして無線送信する。ハンディーターミナル141及び注文端末151が無線送信する注文データは、ハンディーターミナル141においては入力キー143により入力され、注文端末151においてはタッチパネル154により入力された個々のメニューを含むように作成される伝文形式のデータである。無線通信ユニット131は、ハンディーターミナル141及び注文端末151との間で無線通信を実行し、例えば、無線送信された注文データを受信し、ネットワーク501を介してオーダーステーション111に送信出力する。
【0014】
オーダーステーション111は、代表的には二つの役割を有している。一つは、ハンディーターミナル141又は注文端末151から無線送信された注文データを記憶保存し、注文データから印字出力用の送信伝文を作成し、ネットワーク501を介してカスタマチェックプリンタ121及び厨房201に設置されている後述するキッチンプリンタ211に送信出力するという役割である。もう一つは、ハンディーターミナル141又は注文端末151から無線送信された注文データを記憶保存し、注文データから会計用の送信伝文を作成し、ネットワーク501を介してチェックアウトカウンタ301に設置されている後述する電子式キャッシュレジスタ311に送信出力するという役割である。
【0015】
カスタマチェックプリンタ121は、オーダーステーション111からネットワーク501を介して送信伝文を受信し、送信伝文に応じた内容の伝票を印字発行する。このようなカスタマチェックプリンタ121は、構造的にはキッチンプリンタ211と同一である。
【0016】
厨房201には、二つのキッチンプリンタ211が設置されている。一つのキッチンプリンタ211は、例えば調理場に設置され、もう一つのキッチンプリンタ211は、例えばドリンクカウンタに設置されている。キッチンプリンタ211は、立方体状のハウジング212の上面に操作表示部213、正面に伝票発行口214が設けられて構成されている。操作表示部213は、表示器215と各種の操作ボタン216を有する。伝票発行口214は、ハウジング212の内部に納められた図示しないプリンタに連絡し、プリンタによって印字された伝票を発行する。
【0017】
チェックアウトカウンタ301には、電子式キャッシュレジスタ311が設置されている。電子式キャッシュレジスタ311は、ネットワーク501を介して、オーダーステーション111が送信出力した注文データに基づく会計用の送信伝文を受信する。この場合の送信伝文は、注文されたメニューコードとその単価とメニューコード毎の注文個数とを含んでいる。そこで、電子式キャッシュレジスタ311は、受信した送信伝文に基づいてサービスチャージ、テーブルチャージ、消費税等を含む決済金額を計算し、会計処理を実行する。
【0018】
バックヤード401には、サーバ411が配備されている。サーバ411は、ネットワーク501を介して各種機器と通信を確立して各種データを集めたり、各種機器に必要なコンピュータプログラムやデータを配信したりする。
【0019】
(オーダー処理の概要)
以上のようなシステム構成の下、ホール101にいる給仕係(ウエイター、ウエイトレス、ボーイ等)は、顧客から注文を聞くと、ハンディーターミナル141の入力キー143によって注文を入力し、受け付ける。そして、同様に入力キー143での操作によって注文を確定する。ハンディーターミナル141は、注文が確定すると、入力された注文を注文データとして無線送信する。また、注文端末151は、顧客の操作によってタッチパネル154での操作によって注文の入力を受け付ける。同様に、タッチパネル154での操作によって注文を確定する。注文端末151は、注文が確定すると、入力された注文を注文データとして無線送信する。ハンディーターミナル141又は注文端末151が無線送信した注文データは、無線通信ユニット131に受信され、ネットワーク501を介してオーダーステーション111に送信出力される。
【0020】
オーダーステーション111は、ハンディーターミナル141又は注文端末151から無線送信された注文データを図示しない記憶領域に記憶保存し、注文データから印字出力用の送信伝文と会計用の送信伝文とを作成する。そして、ネットワーク501を介して、作成した印字出力用の送信伝文をカスタマチェックプリンタ121及びキッチンプリンタ211に送信出力し、作成した会計用の送信伝文を電子式キャッシュレジスタ311に送信出力する。
【0021】
キッチンプリンタ211は、受信した送信伝文に従い、注文伝票を印字し、伝票発行口214より発行する。調理場の調理人やドリンクカウンタの調理人(又は給仕係)は、キッチンプリンタ211から発行された注文伝票を見て、調理やドリンク類の作成を行なう。
【0022】
カスタマチェックプリンタ121は、受信した送信伝文に従い、伝票を印字発行する。この伝票は、顧客が注文した料理を全て提供した後に顧客に渡す伝票である。
【0023】
顧客は、帰り際にチェックアウトカウンタ301まで伝票を持ち寄り、チェックアウトカウンタ301で会計処理をしてもらう。会計処理は、電子式キャッシュレジスタ311によって行われる。
【0024】
(注文端末151)
図2は、注文端末151のハードウェア構成を示すブロック図である。注文端末151は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ155を主体に構成されている。マイクロコンピュータ155は、各部を集中的に制御するCPU156に固定データを格納するROM157と可変データを書き換え自在に記憶する記憶部としてのRAM158とがシステムバス159を介して接続されて構成されている。
【0025】
図2中、RAM158は単一の構成物として示しているが、実際には複数個のチップから構成されていても良い。単一のチップによって構成されているRAM158は、バッテリにバックアップされている必要がある。複数個のチップによって構成されているRAM158の場合、少なくとも一つのチップはバッテリにバックアップされているか、不揮発性メモリから構成され、電力の供給を受けることなく記憶データの保存が可能となっている。RAM158のバッテリバックアップ領域又は不揮発性メモリ領域には、CPU156に解釈されて実行されるコンピュータプログラムCPが記憶されている。そして、RAM158の他の記憶領域は、コンピュータプログラムCPの実行に際してワークエリア等として利用される。
【0026】
なお、コンピュータプログラムCPは、RAM158のバッテリバックアップ領域又は不揮発性メモリ領域に記憶されるばかりでなく、他の一例として、ROM157や、図示しないハードディスクドライブ(HDD)が設けられる場合にはこのHDDに記憶されていても良い。
【0027】
CPU156には、無線通信部160もシステムバス159を介して接続されている。無線通信部160は、注文端末151を無線通信ユニット131との間の無線通信を実現させ、注文端末151と各種機器との間のネットワーク501を介したデータ通信を実現させる。
【0028】
図3は、RAM158が記憶保存する各種のデータと表示部に表示される各種画像との関係を示す模式図である。まず、注文端末151は、カテゴリー選択画面A、メニュー選択画面B、詳細画面C及びアンケート画面DをLCD153に表示する。そこで、それらのカテゴリー選択画面A、メニュー選択画面B、詳細画面C及びアンケート画面DをLCD153に表示するためのデータとして、注文端末151は、RAM158のバッテリバックアップ領域又は不揮発性メモリ領域に、表示フレームデータ171、フォームデータ172、メニューデータ173、詳細データ174及びアンケートデータ175を記憶保存している。
【0029】
表示フレームデータ171は、カテゴリー選択画面A、メニュー選択画面B、詳細画面C及びアンケート画面D中のフレーム、つまり、それらの各画面中に表示すべきデータの位置等を定義する。
【0030】
フォームデータ172は、カテゴリー選択画面A、メニュー選択画面B、詳細画面C及びアンケート画面Dに表示するフォームについてのデータである。各画面には、フォームデータ172に基づいて、メッセージ181、戻るボタン182、注文ボタン183及びキャンセルボタン184が表示される。
【0031】
メニューデータ173は、メニュー選択を支援するためのデータである。つまり、メニューデータ173は、カテゴリー選択画面Aを表示するためのデータとしてカテゴリー画像データ173aとカテゴリーテキストデータ173bとを含み、メニュー選択画面Bを表示するためのデータとしてメニュー品目画像データ173cとメニュー品目テキストデータ173dと選択ボタン画像データ173eとを含んでいる。
【0032】
カテゴリー選択画面Aは、個々のメニュー品目をカテゴライズした画面である。個々のメニュー品目は、一例として、「定食」、「洋食」、「和食」、「中華」、「おつまみ」、「お子様向け」、「お酒」、「デザート」及び「ドリンク」の9種類にカテゴライズされている。それぞれのカテゴリーは、代表写真A1とその名称表示A2とによって示されている。そこで、カテゴリー画像データ173aは、代表写真A1の基礎となる全てのカテゴリーの代表写真付きマトリクス画像データによって構成されている。また、カテゴリーテキストデータ173bは、名称表示A2の基礎となるテキストデータによって構成されている。そして、カテゴリー選択画面A中、フォームデータ172を基礎として生成されるメッセージ181には、一例として、「お好みのメニュー項目を軽く触れてください。」という表示がなされる。
【0033】
このようなカテゴリー選択画面Aは、表示フレームデータ171に従いフォームデータ172とカテゴリー画像データ173aとカテゴリーテキストデータ173bとが合成されることによって生成される。
【0034】
メニュー選択画面Bは、カテゴリー毎にまとめた個々のメニュー品目についての画面である。それぞれのメニュー品目は、メニュー写真B1とその名称表示B2と選択ボタンB3とによって示されている。そこで、メニュー品目画像データ173cは、個々のメニュー品目の写真付きマトリクス画像データによって構成されている。また、メニュー品目テキストデータ173dは、名称表示B2の基礎となるテキストデータによって構成されている。また、選択ボタン画像データ173eは、メニュー品目画像データ173cに重畳表示される選択ボタンB3の画像データによって構成されている。この選択ボタンB3の画像データには、「詳細」という文字が含まれている。そして、メニュー選択画面B中、フォームデータ172を基礎として生成されるメッセージ181には、一例として、「注文なさりたいお好みのメニュー品目を軽く触れてください。メニュー品目の詳細を知りたいお客様は「詳細」ボタンに軽く触れてください。「戻る」ボタンに軽く触れると前画面に戻ることができます。」という表示がなされる。
【0035】
メニュー選択画面Bは、顧客が選択したメニュー品目の一覧を表示する一覧表B4も含まれている。この一覧表B4は、フォームデータ172に基づいて生成され、マイクロコンピュータ155での情報処理により、顧客が選択したメニュー品目が順番に表示される。一覧表B4に対応させて表示されるメッセージ181には、一例として、「「注文」ボタンに軽く触れると一覧表示されているメニューを注文することができます。キャンセルをする場合には「キャンセル」ボタンに軽く触れてください。」という表示がなされる。
【0036】
このようなメニュー選択画面Bは、表示フレームデータ171に従いフォームデータ172とメニュー品目画像データ173cとメニュー品目テキストデータ173dと選択ボタン画像データ173eとが合成されることによって生成される。
【0037】
詳細データ174は、個々のメニュー品目についての詳細を説明するためのデータである。詳細データ174は、詳細画面Cを表示するためのデータとして、詳細画像データ174aと詳細テキストデータ174bとを含んでいる。
【0038】
詳細画面Cは、メニュー選択画面Bに表示されている個々のメニュー品目についての詳細情報を示すための画面である。メニュー選択画面B中の個々のメニュー品目に表示される選択ボタンB3のタッチ指定によって対応するメニュー品目についての詳細画面Cが表示される。この詳細画面Cに表示される詳細情報には、対応するメニュー品目についてのメニュー写真C1、その名称表示C2、その金額表示C3、アレルギー情報C4及びコメントC5が含まれている。そこで、詳細画像データ174aは、個々のメニュー品目の写真画像データによって構成されている。また、詳細テキストデータ174bは、名称表示C2、金額表示C3、アレルギー情報C4及びコメントC5の基礎となるテキストデータによって構成されている。そして、詳細画面C中、フォームデータ172を基礎として生成されるメッセージ181には、一例として、「注文される場合にはメニューの画像を軽く触れてください。「戻る」ボタンに軽く触れると前画面に戻ることができます。」という表示がなされる。
【0039】
このような詳細画面Cは、表示フレームデータ171に従いフォームデータ172と詳細画像データ174aと詳細テキストデータ174bとが合成されることによって生成される。
【0040】
アンケートデータ175は、アンケート画像を表示してアンケート画面Dを生成するためのデータであり、アンケートテキストデータ175aと選択ボタン画像データ175bとを含んでいる。
【0041】
アンケート画面Dは、「アンケート」というタイトル表示D1の下、「金額が高い」、「量が少ない」、「量が多い」及び「美味しくなさそう」というアンケート項目D2に対応させて選択ボタンD3を含み、「アンケート送信」と表示された回答ボタンD4を含んだ画面構成を有している。そこで、アンケートテキストデータ175aは、タイトル表示D1、アンケート項目D2及び回答ボタンD4中の「アンケート送信」という文字の基礎となるテキストデータによって構成されており、選択ボタン画像データ175bは、選択ボタンD3及び回答ボタンD4の画像データによって構成されている。そして、アンケート画面D中、フォームデータ172を基礎として生成されるメッセージ181には、一例として、「アンケートにご協力をお願いいたします。先ほど詳細情報を閲覧されていたメニューを注文しない理由を教えてください。該当する理由に対応する選択ボタンに軽く触れた後、「アンケート送信」ボタンに軽く触れてください。」という表示がなされる。
【0042】
このようなアンケート画面Dは、表示フレームデータ171に従いアンケートテキストデータ175aと選択ボタン画像データ175bとが合成されることによって生成される。
【0043】
ここで、注文端末151は、カテゴリー選択画面A、メニュー選択画面B、詳細画面C及びアンケート画面Dの全てに共通して、各表示項目とその座標情報とを対応付けて管理している。これにより、注文端末151のマイクロコンピュータ155は、タッチパネル154からタッチ位置の座標情報を取得することで、どの項目が選択指定されたのかを認識することができる。
【0044】
図4は、注文端末151での注文処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す注文処理は、RAM158のバッテリバックアップ領域又は不揮発性メモリ領域に記憶されているコンピュータプログラムCPに従ったCPU156の情報処理によって実行される。図5は、注文端末151での注文操作に応じて遷移する画面表示例を示す模式図である。図4に示すフローチャートと図5に示す画面表示の遷移とを併せて参照しながら、注文端末151での注文処理について説明する。
【0045】
まず、注文端末151のLCD153は、当初、パワーセーブ表示状態となっている(図5(a)参照)。この状態でLCD153の画面をタッチすると(ステップS101のY)、LCD153へのカテゴリー表示がなされる(ステップS102)。つまり、CPU156がRAM158にアクセスし、RAM158に記憶されている表示フレームデータ171、フォームデータ172及びメニューデータ173を取得し、取得したメニューデータ173(カテゴリー画像データ173a及びカテゴリーテキストデータ173b)に基づくカテゴリー選択画面AをLCD153に表示させる処理を実行する。これにより、LCD153にはカテゴリー選択画面Aが表示される(図5(b)参照)。
【0046】
そこで、顧客がタッチパネル154でのタッチ指定によって所望のカテゴリーを選択すると(ステップS103のY)、対応するカテゴリーのメニュー表示がなされる(ステップS104)。つまり、CPU156がRAM158にアクセスして既に取得しているメニューデータ173(メニュー品目画像データ173c、メニュー品目テキストデータ173d及び選択ボタン画像データ173e)に基づくメニュー選択画面BをLCD153に表示させる処理を実行する。これにより、LCD153にはメニュー選択画面Bが表示される(図5(c)参照)。
【0047】
メニュー選択画面B上では、所望のメニュー品目を注文目的で選択することができる。つまり、注文目的でのメニュー品目の選択は、メニュー選択画面Bに表示される所望のメニュー品目のメニュー写真B1を、タッチパネル154によってタッチ指定することによってなされる。こうして顧客が所望のメニュー品目を注文目的のために選択すると(ステップS105のY)、選択されたメニュー品目が注文ファイル(図示せず)に登録される(ステップS106)。注文ファイルというのは、RAM158のワークエリアを利用して生成されるファイルであり、メニュー選択画面B上でメニュー品目が選択指定されると、そのメニュー品目のメニュー番号を登録するために用いられる。
【0048】
そして、CPU156は、注文の有無(ステップS107)とキャンセルの有無(ステップS108)とを判定し、いずれのイベントも発生しなければステップS105のメニュー品目選択の有無判定にリターンする。これにより、顧客は、メニュー選択画面B上でのタッチパネル154によるタッチ指定によって次々と所望のメニュー品目を選択していくことができる。
【0049】
CPU156は、図5(c)に示すメニュー選択画面B中の注文ボタン183がタッチ指定されるとステップS107で注文ありの判定を実行し、図5(c)に示すメニュー選択画面B中のキャンセルボタン184がタッチ指定されるとステップS108でキャンセルありの判定を実行する。そして、CPU156は、ステップS108でキャンセルありの判定をした場合(ステップS108のY)、メモリクリア等を含むキャンセル処理(ステップS109)を実行した後、処理を終了する。これに対して、CPU156は、ステップS107で注文ありを判定した場合(ステップS107のY)、無線通信部160を駆動制御し、ステップS106で注文ファイルに登録したメニュー番号(識別データ)を注文データとして無線送信させる(ステップS110)。これにより、前述したように、注文データが無線通信ユニット131に受信され、ネットワーク501を介して上位機としてのオーダーステーション111に送信出力されることで、注文の受け付けがなされる。
【0050】
以上説明した注文処理に際して、顧客は、メニュー選択画面Bに表示されている個々のメニュー品目についてその詳細情報を閲覧することができる。このような詳細情報の閲覧は、メニュー選択画面B上で所望のメニュー品目を詳細表示目的のために選択することから始まる。つまり、メニュー選択画面Bに表示されている個々のメニュー品目に対応付けて表示されている選択ボタンB3をタッチパネル154でタッチ指定すると、CPU156は、ステップS111で詳細選択を判定する(ステップS111のY)。そして、CPU156は、選択されたメニュー品目についての詳細情報をLCD153に表示する。つまり、CPU156は、RAM158にアクセスし、RAM158に記憶されている表示フレームデータ171、フォームデータ172及び詳細データ174を取得し、取得した詳細データ174(詳細画像データ174a及び詳細テキストデータ174b)に基づく詳細画面CをLCD153に表示させる処理を実行する。これにより、LCD153には詳細画面Cが表示される(図5(d)参照)。
【0051】
CPU156は、選択されたメニュー品目についての詳細情報をLCD153に表示する処理(ステップS113)を実行すると、そのタイマ機能を利用してタイマカウント処理を開始する(ステップS114)。
【0052】
そして、CPU156は、詳細情報を表示させたメニュー品目が注文目的のために選択されたかどうかを判定する(ステップS115)。つまり、詳細画面Cでは、メニュー写真C1の部分をタッチパネル154によってタッチ指定することで、表示されているメニュー品目を注文目的のために選択することが可能となっている。そこで、そのメニュー品目が注文目的のために選択指定されると(ステップS115のY)、CPU156はステップS114でカウントを開始したタイマのタイマクリアをした後(ステップS114−1)、ステップS106の処理に移行し、選択されたメニュー品目を注文ファイル(図示せず)に登録する処理を実行する(ステップS106)。
【0053】
また、メニュー選択画面B上には、戻るボタン182が表示されている。メニュー選択画面Bにおいて、注文目的のためのメニュー品目の選択が判定されず(ステップS105のN)、詳細表示目的のためのメニュー品目の選択も判定されない場合(ステップS111のN)、CPU156は、戻るボタン182の選択指定による戻る指定の有無について判定する(ステップS112)。この際、CPU156は、戻るボタン182が選択指定されて戻る指定ありと判定すると(ステップS112のY)、ステップS102のカテゴリー表示処理にリターンする。これにより、LCD153にはカテゴリー選択画面Aが表示される(図5(b)参照)。
【0054】
図5(d)に示す詳細画面Cの説明に戻る。前述したように、詳細画面CにおいてCPU156は、詳細情報を表示させたメニュー品目が注文目的のために選択されたかどうかを判定する(ステップS115)。この際、顧客は、詳細画面Cに表示されている戻るボタン182をタッチ指定することができる。つまり、図5(c)に示すメニュー選択画面Bを閲覧していて、あるメニュー品目について詳細情報を知りたくなり、その詳細画面Cを出したものの(ステップS111のY)、注文に至るまでの動機付けが得られないことがある。この場合、顧客は、詳細画面Cに表示されている戻るボタン182をタッチ指定することで、画面表示を再びメニュー選択画面Bに戻すことができる。
【0055】
この際、CPU156は、ステップS116で戻る指定ありを判定し(ステップS116のY)、ステップS114で開始したタイマカウントを停止してログ情報として保存し(ステップS117)、ステップS114でカウントを開始したタイマのタイマクリアを実行する(ステップS114−2)。ステップS117でのログ情報としての保存は、RAM158のコンピュータプログラムCPに組み込まれている後述する迷い筋解析用ファイルLFへのデータ記録によって実現する。
【0056】
その後、CPU156は、LCD153にアンケート表示をする処理を実行し(ステップS118)、アンケート入力を判定したら(ステップS119のY)、アンケート結果をログ情報として保存し(ステップS120)、LCD153にメニュー選択画面B(図5(c)参照)を表示させる処理(ステップS104)にリターンする。ステップS118でのLCD153にアンケート表示をする処理が実行された結果、LCD153には、図5(e)に示すようなアンケート画面Dが表示される。このアンケート画面Dによって、顧客は、「金額が高い」、「量が少ない」、「量が多い」及び「美味しくなさそう」というアンケート項目D2から、これらのアンケート項目D2に対応させて表示されている選択ボタンD3のタッチ指定によって所望の回答を選択することができ、選択した回答を「アンケート送信」と表示された回答ボタンD4のタッチ指定によって送信することができる。つまり、CPU156は、回答ボタンD4がタッチ指定されることでアンケート入力ありを判定(ステップS119のY)することになる。その後に実行されるアンケート結果をログ情報として保存する処理(ステップS120)は、後述する迷い筋解析用ファイルLFに対するアンケート結果のデータ記録によって実現する。
【0057】
図6は、注文端末151が有する迷い筋解析用ファイルLFを示す模式図である。迷い筋解析用ファイルLFは、メニュー番号に対応させて、詳細情報選択時刻と戻る指定時刻と迷い時間とアンケート結果とをログ情報として記録可能なデータ構造を有している。CPU156は、ステップS117のログ情報記録処理として、ステップS111で詳細選択を判定したメニュー品目のメニュー番号を迷い筋解析用ファイルLFのメニュー番号に記録する。そして、CPU156は、ステップS114のタイマカウント開始処理を実行した時刻をRAM158のワークエリアに一時記憶しており、ステップS117においてその一時記憶している時刻を迷い筋解析用ファイルLF中の詳細情報選択時刻としてログ記録する。同様に、CPU156は、ステップS116で戻る指定を判定した時刻をRAM158のワークエリアに一時記憶しており、ステップS117においてその一時記憶している時刻を迷い筋解析用ファイルLF中の戻る指定時刻としてログ記録する。このような詳細情報選択時刻と戻る指定時刻との間の時間が迷い時間となるので、CPU156は、算出した迷い時間を迷い筋解析用ファイルLF中の迷い時間としてログ記録する。更に、CPU156は、ステップS120において、取得したアンケート結果を迷い筋解析用ファイルLF中のアンケート結果としてログ記録する。
【0058】
こうして、注文端末151は、図5(c)に示すメニュー選択画面Bを閲覧していて、あるメニュー品目について詳細情報を知りたくなり、その詳細画面Cを出したものの(ステップS111のY)、注文に至るまでの動機付けが得られずに詳細画面C中の戻るボタン182がタッチ指定されたメニュー品目について、迷い時間及びアンケート結果をログ記録として保存することができる。つまり、そのようなメニュー品目は、メニュー選択画面Bから選択されて詳細画面Cが表示されている以上、顧客に興味を持たれたメニュー品目であることは間違いない。このため、注文目的で選択されはしなかったとしても、顧客が興味を持った以上、ちょっとした工夫次第で売れ筋のメニュー品目に転換する可能性を秘めていると考えることができる。本実施の形態では、そのようなメニュー品目を迷い筋のメニュー品目であると観念し、迷い時間及びアンケート結果をログ記録する。したがって、ログ情報から様々な分析が可能となる。例えば、迷い時間が短ければ死に筋の傾向が強く、迷い時間が長くなるほど死に筋の傾向が弱まることが分かる。また、アンケート結果から、金額をもう少し安くしたり、量を加減したり、詳細画面Cに表示するメニュー写真C1を工夫したりすれば売れ筋に転換する可能性がある、というようなことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の一形態として、オーダーエントリーシステムのシステム構成例を示す模式図である。
【図2】注文端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】RAMが記憶保存する各種のデータと表示部に表示される各種画像との関係を示す模式図である。
【図4】注文端末での注文処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】注文端末での注文操作に応じて遷移する画面表示例を示す模式図である。
【図6】注文端末が有する迷い筋解析用ファイルを示す模式図である。
【符号の説明】
【0060】
153 LCD(表示部)、154 タッチパネル(操作部)、156 CPU(情報処理部)、158 RAM(記憶部)、173 メニューデータ、174 詳細データ、175 アンケートデータ、B メニュー選択画面、C 詳細画面、D アンケート画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理を実行する情報処理部と、
情報を表示するための表示部と、
情報を入力するための操作部と、
記憶部にアクセスし、当該記憶部に記憶されているメニュー選択を支援するためのメニューデータを取得し、取得したメニューデータに基づくメニュー選択画面を前記表示部に表示させる処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
前記表示されているメニュー選択画面から前記操作部の操作に応じて一のメニュー品目を詳細表示目的のために選択する処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
記憶部にアクセスし、当該記憶部に記憶されている個々のメニュー品目についての詳細データのうちから前記詳細表示目的のために選択された一のメニュー品目についての詳細データを取得し、取得した詳細データに基づく詳細画面を前記表示部に表示させる処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
前記操作部の操作に応じて前記表示部に表示されている詳細画面を他の画面に切り替える処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
前記表示部に詳細画面が表示されてから前記他の画面への切替え操作がなされるまでの時間を迷い時間として計測する処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
前記操作部の操作に応じてメニュー品目を注文する処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
前記表示部に詳細画面を表示させたメニュー品目について前記注文する処理が実行されなかった場合には、当該メニュー品目に対応させて前記迷い時間のログ情報を記憶部に記憶させる処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
を具備する注文端末。
【請求項2】
前記メニュー品目を注文する処理は、
前記表示されているメニュー選択画面から前記操作部の操作に応じて一のメニュー品目を注文目的のために選択する処理と、
当該注文目的のために選択された一又は二以上のメニュー品目の識別データを前記操作部の操作に応じて上位機に送信する処理と、
を含む請求項1記載の注文端末。
【請求項3】
前記メニュー品目を注文する処理は、前記表示部に表示されている詳細画面から前記操作部の操作に応じて当該詳細画面に対応するメニュー品目を注文目的のために選択する処理を含む、請求項2記載の注文端末。
【請求項4】
前記表示部に詳細画面を表示させたメニュー品目について前記注文する処理が実行されなかった場合には、記憶部にアクセスし、当該記憶部に記憶されているメニュー品目を注文しなかった理由の選択肢を含むアンケートデータを取得し、取得したアンケートデータに基づいてアンケート画面を前記表示部に表示させる処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
前記表示されているアンケート画面から前記操作部の操作に応じて前記メニュー品目を注文しなかった理由の選択肢から一又は二以上の選択肢を選択する処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
当該メニュー品目に対応させて前記選択された選択肢のログ情報を記憶部に記憶させる処理を前記情報処理部に実行させる手段と、
を具備する請求項1ないし3のいずれか一記載の注文端末。
【請求項5】
情報処理を実行する情報処理部と、情報を入力するための操作部と、情報を表示するための表示部と、を具備するコンピュータ構成の注文端末にインストールされ、当該注文端末に、
記憶部にアクセスし、当該記憶部に記憶されているメニュー選択を支援するためのメニューデータを取得し、取得したメニューデータに基づくメニュー選択画面を前記表示部に表示させる処理を前記情報処理部に実行させる機能と、
前記表示されているメニュー選択画面から前記操作部の操作に応じて一のメニュー品目を詳細表示目的のために選択する処理を前記情報処理部に実行させる機能と、
記憶部にアクセスし、当該記憶部に記憶されている個々のメニュー品目についての詳細データのうちから前記詳細表示目的のために選択された一のメニュー品目についての詳細データを取得し、取得した詳細データに基づく詳細画面を前記表示部に表示させる処理を前記情報処理部に実行させる機能と、
前記操作部の操作に応じて前記表示部に表示されている詳細画面を他の画面に切り替える処理を前記情報処理部に実行させる機能と、
前記表示部に詳細画面が表示されてから前記他の画面への切替え操作がなされるまでの時間を迷い時間として計測する処理を前記情報処理部に実行させる機能と、
前記操作部の操作に応じてメニュー品目を注文する処理を前記情報処理部に実行させる機能と、
前記表示部に詳細画面を表示させたメニュー品目について前記注文する処理が実行されなかった場合には、当該メニュー品目に対応させて前記迷い時間のログ情報を記憶部に記憶させる処理を前記情報処理部に実行させる機能と、
を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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