説明

洗剤組成物を製造するためのプロセス

洗剤組成物を製造するためのプロセスであって、洗剤組成物が、
a)組成物の重さの約0.1%〜約50%の粒子形態のポリマーであって、
i)カルボン酸モノマー、
ii)前記ポリマーの重さの約5%超のスルホン酸モノマー、及び
iii)任意選択的に非イオン性モノマーを含むポリマー、並びに
b)前記組成物の重さの約0.01%〜約10%の疎水性シリカ
を含み、
前記プロセスが、
a)ポリマーを前記疎水性シリカとプレミックスして、ポリマー/シリカプレミックスを得る工程、及び
b)ポリマー/シリカプレミックスを任意の追加的な洗剤成分と混合する工程
を含む、プロセス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗剤の分野に属し、特に、カルボキシル化/スルホン化ポリマーを含む洗剤組成物を製造するためのプロセスに関する。本発明はまた、このプロセスにより入手可能な洗剤組成物に関する。この組成物は自動食器洗浄に特に好適である。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄におけるカルボキシル化/スルホン化ポリマーの使用は既知である(ドイツ特許第102 33 834号、米国特許第5,547,612号)。これらのポリマーは洗浄に役立ち、同時に抗被膜化及び抗斑点効果を、特にガラス器具に提供する。自動食器洗浄における液体形態でのこの種のポリマーの使用の例は欧州特許第1,404,790 B1号に見ることができ、これはカルボキシル化/スルホン化ポリマーを含む水性液体機械洗浄製品に関する。
【0003】
米国特許出願公開第2004/0116319号は、液体形態のカルボキシル化/スルホン化ポリマーに関連する問題を論じている。液体形態のこのポリマーは、大きな困難を伴ってのみ加工することができるが、これは対応する溶液がかなり粘着性であり、均質で流動可能な混合物の形成を阻害するからである。加えて、ポリマーが液体送達形態から中に組み込まれている粒子状製品は集塊する傾向を有し、それゆえに、消費者による受入れを低下させるが、その一方で、錠剤化製品は、後硬化及び不良な溶解特性などの問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ特許第102 33 834号
【特許文献2】米国特許第5,547,612号
【特許文献3】欧州特許第1,404,790 B1号
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0116319号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
米国特許出願公開第2004/0116319号は、集塊、後硬化又は不良な溶解特性などの製品問題を生じさせることなくカルボキシル化/スルホン化ポリマーを含む固体機械洗浄剤を提供することについての問題に取り組んでいる。この問題は、ポリマーの重さの少なくとも50%が200μmを超える粒径を有する粒子形態のカルボキシル化/スルホン化ポリマーの使用により解決されると言われている。カルボキシル化/スルホン化ポリマーは、特に製造工場条件下では、物理的に不安定である。このポリマーは、たとえこれらが米国特許出願公開第2004/0116319号において提案されている粒径を有する場合であっても、加工が非常に困難な非流動のり様物質を形成し得る。それゆえに、本発明の目的の1つは、カルボキシル化/スルホン化ポリマーに関連する工場内加工性及び保管の問題を克服することである。米国特許出願公開第2004/0116319号は、洗剤製品におけるカルボキシル化/スルホン化ポリマーの安定性に関する。本発明は、バルクで保管されている時及び洗剤製造プロセスで原料として使用される時のカルボキシル化/スルホン化ポリマーの安定性に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様により、洗剤組成物、好ましくは自動食器洗浄洗剤組成物を製造するためのプロセスが提供される。この洗剤組成物は、粒子形態のカルボキシル化/スルホン化ポリマーを含む。カルボキシル化/スルホン化ポリマーは自動食器洗浄組成物中で使用されて、洗浄を改善し、また抗被膜化及び抗斑点効果を、特にガラス、プラスチック及び金属基材にもたらす。この種のポリマーは不良な物理的安定性を有することが分かっており、結果としてこれらは保管、取り扱い及び加工が困難である。このポリマーは自由流動特性を容易に失い、のり様物質になる。ポリマーの安定性は、製造工場で見られる高温及び高湿度条件により悪影響を受ける。
【0007】
このポリマーへの疎水性シリカの添加が、このポリマーがその自由流動特性を維持する助けとなり、取り扱い及び加工を容易にすることが今では判明している。それゆえに、本発明のプロセスにより、カルボキシル化/スルホン化ポリマーは疎水性シリカと混合されて、洗剤成分の残りと後に混合することができるプレミックスを形成する。驚くべきことに、最終製品中のシリカは、食器洗浄作業中、食器洗浄機又は洗浄された物品のいずれにも付着しない。食器洗浄において見られる問題の1つは、不溶性物質が食器洗浄機又は洗浄された物品上に残留物を形成し得ることである。この理由のために、洗濯洗剤に使用することができる加工助剤は、自動食器洗浄洗剤には通常、好適ではない。
【0008】
シリカが「疎水性」であるかどうかを判定する単純な方法は、シリカを水にかき混ぜることである。例えば、約20℃の温度の200mLの純水が入ったビーカーに0.5gのシリカを加え、混合物を激しく撹拌して(約100rpm、直径3cmのインペラを使用)、シリカが水中に分散せず、むしろ表面に浮く場合に、このシリカは「疎水性」であると言うことができる。
【0009】
本発明の第2の態様により、本発明のプロセスにより得ることが可能な、好ましくは得られる洗剤組成物、好ましくは自動食器洗浄洗剤組成物が提供される。本発明の洗剤組成物は、
a)組成物の重さの約0.1%〜約50%の、好ましくは1%〜約20%の、より好ましくは2%〜10%の粒子形態のポリマーであって、
i)カルボン酸モノマー、
ii)ポリマーの重さの約5%超の、好ましくは約10%〜約60%の、より好ましくは約15%〜約35%の1つ以上のスルホン酸モノマー、及び
iii)任意選択的に非イオン性モノマー
を含むポリマー、並びに、
b)組成物の重さの約0.001%〜約10%、好ましくは0.01%〜約5%の疎水性シリカ
を含む。
【0010】
好ましい実施形態では、ポリマーは、約400μm〜約1200μm、より好ましくは約500μm〜約1000μm、特に約700μm〜約900μmの重量幾何平均粒径を有する。好ましくは、ポリマーは低濃度の微粉及び粗大粒子を有し、特にポリマーの重さの10%未満が約1400μmよりも大きく、より好ましくは約1200μmよりも大きく、又は約400μmよりも小さく、より好ましくは約200μmよりも小さい。これらの平均粒径及び粒径分布は、ポリマー/シリカプレミックスの安定性に更に貢献する。特に好ましい実施形態では、安定性の観点から、ポリマーは、約700μm〜約1000μmの重量幾何平均粒径を有し、ポリマーの重さの約3%未満が約1180μmよりも大きく、ポリマーの重さの約5%未満が約200μmよりも小さい。重量幾何平均粒径は、レーザー回折に基づくマルバーン(Malvern)粒径分析計を使用して測定することができる。
【0011】
別の実施形態では、ポリマーの重さの50%超が、約200μmよりも小さい、好ましくは約180μmよりも小さい粒径を有する。これは、ポリマー粒子をふるいにかけることにより判定することができる。驚くべきことに、このような小粒子でさえ、シリカと組み合わせると流動可能である。
【0012】
ポリマーは、粒径が測定される前に集塊するのを避けるために、例えば、密封した容器の中で、湿度から保護され続けるべきである。
【0013】
好ましい実施形態では、シリカは、約1μm〜約100μmの、より好ましくは約2μm〜約50μmの、重量幾何平均粒径を有する。シリカ粒径は、例えば、ASTM c 690−1992により測定することができる。この粒径も、ポリマー/シリカプレミックスの安定性に対して貢献する。
【0014】
更なる効果は、ポリマーが比較的大きな重量幾何平均粒径及び狭い粒径分布を有し、シリカが小さな平均粒径を有する時に、達成される。特に良好な組み合わせは、ポリマーが約700μm〜約1000μmの重量幾何平均粒径を有し、ポリマーの重さの約3%未満が約1180μmよりも大きく、ポリマーの重さの約5%未満が約200μmよりも小さく、シリカが約10μm〜約40μmの重量幾何平均粒径を有するものである。これが好ましいのは安定性の観点からだけではなく、これにより必要とされるシリカの量を最小化することもできるからである。
【0015】
好ましい実施形態では、ポリマー及びシリカは、約90:1〜約10:1、より好ましくは約60:1〜約30:1の重量比で混合される。このような少量のシリカがポリマーの安定性にこのような影響を及ぼすことは驚くべきことである。
【0016】
好ましい実施形態では、洗剤組成物は水溶性パウチ、好ましくは多区画に仕切られたパウチの形態である。多区画に仕切られたパウチは、化学的分離に関して大きな融通性を提供する。異なる化学的性質が、別々の区画に配置されることができ、それにより、不相溶成分又は物理形態が異なる成分の分離、例えば、液体及び固体成分の分離を可能にする。
【0017】
好ましい実施形態では、洗剤組成物は、粉末を収容するパウチの区画内のポリマー及びシリカを収容する多区画に仕切られたパウチの形態である。好ましくは、パウチはまた、グリース洗浄及び仕上げ効果をもたらすことができる液体界面活性剤組成物を含む液体区画を有する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、粒子形態のカルボキシル化/スルホン化ポリマーを含む洗剤組成物を製造するためのプロセス、及びこのポリマーを含む組成物を想定している。本発明のプロセスは、洗剤組成物の製造時にポリマーに関連する物理的安定性の問題を克服する。本発明はまた、ポリマー及び疎水性シリカが非常に特有の粒径を有するプロセス及び組成物を提供する。これらの実施形態は、安定性の観点から、及び使用されるシリカの量を最小化することから好ましい。
【0019】
本発明の洗剤組成物は固体形態であり、例えば、ルースパウダー、錠剤、又は粉末を収容するパウチの形態であることができ、少なくとも1つの区画がポリマーを収容する、多区画に仕切られたパウチが挙げられる。
【0020】
スルホン化/カルボキシル化ポリマー
発明のプロセス及び組成物に好適なスルホン化/カルボキシル化ポリマーは、組成物の重さの約0.1%〜約50%、好ましくは1%〜約20%、より好ましくは2%〜10%の任意の好適な量で使用される。
【0021】
本明細書に記載される好適なスルホン化/カルボキシル化ポリマーは、約100,000Da以下、又は約75,000Da以下、又は約50,000Da以下、又は約3,000Da〜約50,000Da、好ましくは約5,000Da〜約45,000Daの重量平均分子量を有し得る。
【0022】
本明細書に記載されるように、スルホン化/カルボキシル化ポリマーは、(a)一般式(I):
【0023】
【化1】

(式中、R1〜R4は、独立に、水素、メチル、カルボン酸基又はCH2COOHであり、式中、カルボン酸基は中和することができる)を有する少なくとも1つのカルボン酸モノマーから誘導される少なくとも1つの構造ユニット、(b)任意選択的に、式(II):
【0024】
【化2】

(式中、R5は水素、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、Xは芳香族であるか(Xが芳香族である時、R5は水素又はメチルである)又はXは一般式(III):
【0025】
【化3】

(式中、R6は(R5とは独立に)水素、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、YはO又はNである)を有するかのいずれかである)を有する少なくとも1つの非イオン性モノマーから誘導される1つ以上の構造ユニット、及び一般式(IV):
【0026】
【化4】

(式中、R7は少なくとも1つのsp2結合を含む基であり、AはO、N、P、S、又はアミド若しくはエステル連鎖であり、Bは単環式若しくは多環式芳香族基若しくは脂肪族基であり、各tは独立に0又は1であり、M+はカチオンである)を有する少なくとも1つのスルホン酸モノマーから誘導される少なくとも1つの構造ユニットを含み得る。1つの態様では、R7は、C2〜C6アルケンである。別の態様では、R7は、エタン、ブテン、又はプロペンである。
【0027】
好ましいカルボン酸モノマーには、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、又はアクリル酸のエトキシレートエステルのうちの1つ以上が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。好ましいスルホン化モノマーには、(メタ)アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸、フェニル(メタ)アリルエーテルスルホン酸ナトリウム、又は2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸のうちの1つ以上が挙げられる。好ましい非イオン性モノマーには、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、スチレン、又はα−メチルスチレンのうちの1つ以上が挙げられる。
【0028】
好ましくは、ポリマーは以下の濃度のモノマーを含む:ポリマーの重さの約40%〜約90%の、好ましくは約60%〜約90%の、1つ以上のカルボン酸モノマー;ポリマーの重さの約5%〜約50%の、好ましくは約10%〜約40%の、1つ以上のスルホン酸モノマー;及び任意選択的にポリマーの重さの約1%〜約30%の、好ましくは約2%〜約20%の、1つ以上の非イオン性モノマー。特に好ましいポリマーは、ポリマーの重さの約70%〜約80%の少なくとも1つのカルボン酸モノマーと、ポリマーの重さの約20%〜約30%の少なくとも1つのスルホン酸モノマーとを含む。
【0029】
カルボン酸は好ましくは(メタ)アクリル酸である。スルホン酸モノマーは、好ましくは以下のうちの1つである:2−アクリルアミドメチル−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸(allysulfonic acid)、メタリルスルホン酸(methallysulfonic acid)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメチルアクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及びこれらの水溶性塩。不飽和スルホン酸モノマーは、最も好ましくは2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0030】
好ましい市販のポリマーには、アルコケミカル(Alco Chemical)により供給されるアルコスパース(Alcosperse)240、アクアトリート(Aquatreat)AR 540及びアクアトリートMPS;ローム&ハース(Rohm & Haas)により供給されるアキュマー(Acumer)3100、アキュマー2000、アキュゾール(Acusol)587G及びアキュゾール588G;BFグッドリッチ(BF Goodrich)により供給されるグッドリッチ(Goodrich)K−798、K−775及びK−797;並びに、ISPテクノロジーズ社(ISP technologies Inc.)により供給されるACP 1042が挙げられる。特に好ましいポリマーは、ローム&ハースにより供給されるアキュゾール587G及びアキュゾール588Gである。
【0031】
ポリマーにおいて、全ての又は一部のカルボン酸基又はスルホン酸基は、中和された形態で存在することができ、すなわち、全ての又は一部の酸性基中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の酸性水素原子は、金属イオンで、好ましくはアルカリ金属イオンで、特にナトリウムイオンで、置換することができる。
【0032】
疎水性シリカ
本発明の組成物はまた、組成物の重さの約0.001%〜10%の、好ましくは約0.05%〜約5%の、より好ましくは約0.1%〜2%の、特に約0.3%〜1%の、疎水性シリカを含む。このような物質は、極めて微細粒径の二酸化ケイ素であり、その表面は化学的に改質されて、圧倒的に疎水性にされている。非晶質合成シリカは、熱又は発熱性又は湿式プロセスを使用して製造することができる。熱プロセスはヒュームドシリカをもたらし、湿式プロセスは沈殿シリカ又はシリカゲルのいずれかをもたらす。シリカは、例えば、1つ以上の有機ケイ素化合物を使用して二酸化ケイ素表面上にシリコーン基を生成する表面処理によって、疎水性にすることができる。個々の粒子は、典型的には約0.01μm〜約100μmの、好ましくは約10μm〜約40μmの範囲の直径、及び約0.1μm〜約40μmの、好ましくは約1μm〜20μmの重量幾何平均粒径(ASTM C 690−1992に従ってマルチサイザー(Multisizer)100μmを使用して測定される)を有する。
【0033】
本明細書で有用な疎水性シリカ物質は、デグサ社(Degussa Corporation)からアエロジル(Aerosil)(登録商標)及びサイパーナット(Sipernat)(登録商標)の名称で市販されている。これらの物質はデグサ技術報告色素(Degussa Technical Bulletin Pigments)第11号(1982年10月発行)、第6号(1986年8月発行)、及び第32号(1982年4月発行)、並びに、表題「沈殿シリカとケイ酸塩(Precipitated Silicas and Silicates)」の報告(1984年7月発行)に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。好適な物質の例には、サイパーナット(登録商標)D10、D11及びD17、クソ(Quso)(登録商標)WR55及びWR83、並びにアエロジル(登録商標)R972、R974、R805、及びR202が挙げられる。好ましい物質はアエロジル(登録商標)R972及びサイパーナット(登録商標)D10であり、サイパーナット(登録商標)D10が特に好ましい。
【0034】
方法
本発明のプロセスは一般に、粒子形態のカルボキシル化/スルホン化ポリマーを、好ましくは攪拌手段を備える混合チャンバの中に導入し、シリカを添加することにより開始される。非常に厳格な混合条件なしにポリマーをシリカと混合することで十分である。ポリマーの総被覆又はコーティングは必要ではなく、それゆえに、特別な装置又は高額な運転コストを必要としない非常に単純な混合工程により加工性効果が得られる。混合は例えば、低剪断力ミキサー又は回転ドラム内で行うことができる。次に、疎水性シリカを稼動中のドラム又はミキサーに加えることができる。疎水性シリカはポリマーの表面に付着し、ポリマーを自由流動させる。本発明は、バッチ式又は連続式プロセスとして実施できる。
【0035】
混合は好ましくは室温で、すなわち約25℃で、行われる。
【0036】
いったんポリマー/シリカプレミックスが形成されたら、粉末成分の残りと混合することができる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、洗剤組成物は、多相1回用量製品、好ましくは射出成形、真空成形又は熱成形され多区画に仕切られた水溶性パウチであり、相の少なくとも1つはポリマー/シリカミックスを含む。1回用量手法のための好ましい製造方法が、PCT国際公開特許WO 02/42408号に記載されている。本発明の組成物と適合性があり、食器洗浄機又は洗濯機の主洗浄サイクル内に組成物を放出できるいかなる水溶性フィルム形成ポリマーも、被覆材料として使用されてよい。
【0038】
最も好ましいパウチ材料は、米国インディアナ州ゲーリー(Gary)のクリス−クラフトインダストリアルプロダクツ(Chris-Craft Industrial Products)より販売されている商品照会名モノゾル(Monosol)M8630として既知のPVAフィルム、並びに相当する溶解性及び変形性のPVAフィルムである。本明細書で用いるのに好適な他のフィルムとしては、アイセロ(Aicello)から供給される商品照会名PTフィルム(PT film)若しくはK−シリーズのフィルムとして、又はクラレ(Kuraray)から供給されるVF−HPフィルム(VF-HP film)として既知のフィルムが挙げられる。
【0039】
カルボキシル化/スルホン化ポリマーを収容する単一区画パウチは、第1のフィルム片を鋳型内に設置し、このフィルムを真空手段により引き込んでポケットを形成し、形成されたポケットをポリマー/シリカミックスを含む粉末組成物で充填し、形成されたポケットに別のフィルム片で閉じて密封することにより、製造することができる。
【0040】
カルボキシル化/スルホン化ポリマーを収容する多区画に仕切られたパウチは、第1のフィルム片を鋳型内に設置し、このフィルムを真空手段により引き込んでポケットを形成し、このフィルムをピンで刺し、粉末組成物を投入して詰め、第2のフィルム片を第1のポケット上に設置して新しいポケットを形成し、この新しいポケットを第2の組成物で、例えば、液体組成物で充填し、1枚のフィルム片をこの第2の充填されたポケット上に設置し、3枚のフィルムを合わせて密封して二区画に仕切られたパウチを形成することにより、製造することができる。別の方法としては、パウチ、及び特に成分の1つ(最初に形成される区画)を、射出成形により製造することができる。
【0041】
好ましい実施形態では、洗剤組成物は非イオン性界面活性剤を、好ましくは組成物の重さの約0.1%〜約10%、より好ましくは組成物の重さの約0.5%〜約3%の濃度で含む。通常、非イオン性界面活性剤は、ポリマー/シリカプレミックスの添加に先行して又はその後に、粉末組成物上に噴霧される。任意選択的に組成物の重さの約0.5%〜約3%の非イオン性界面活性剤を含む固体組成物を収容する区画と、任意選択的に組成物の重さの約5%〜約90%の、より好ましくは約20%〜約80%の、特に約30%〜約70%の非イオン性界面活性剤を含む液体組成物を収容する区画とを有する、多区画に仕切られたパウチが本明細書では好ましい。
【0042】
洗剤組成物
本明細書の組成物は、洗浄力強化(built)されても強化されなくてもいいが、一般に洗浄力強化されており、漂白剤、界面活性剤、アルカリ性供給源、酵素、増粘剤(液体、ペースト、クリーム又はゲル組成物の場合)、防食剤(例えば、ケイ酸ナトリウム)、並びに崩壊剤及び結合剤(粉末、粒剤、又は錠剤の場合)から選択され得る1つ以上の洗剤活性成分を含むことができる。非常に好ましい洗剤成分には、ビルダー化合物、アルカリ性供給源、界面活性剤、酵素、及び漂白剤が挙げられる。
【0043】
界面活性剤
本明細書に用いるのに好適な界面活性剤は、好ましくは、単独で又は他の成分(すなわち、泡抑制剤)と組み合わせて低起泡性である。本明細書で好適な界面活性剤には、アルキル、アルケニル、又はアシル部分がC5〜C20、好ましくはC10〜C18の直鎖又は分枝鎖である、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルグリセリルスルホネート、アルキル及びアルケニルスルホネート、アルキルエトキシカルボキシレート、N−アシルサルコシネート、N−アシルタウレート、並びにアルキルサクシネート及びスルホサクシネートなどのアニオン性界面活性剤;塩素エステル(米国特許出願第4228042号、米国特許出願第4239660号、及び米国特許出願第4260529号)及び残りのN位がメチル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基で置換されている、モノC6〜C16N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤などのカチオン性界面活性剤;非イオン性アルコキシル化界面活性剤(特に、C6〜C18の第一級アルコールから誘導されるエトキシレート)、エトキシル化−プロポキシル化アルコール(例えば、BASFポリ−タージェント(Poly-Tergent)(登録商標)SLF18)、エポキシ末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール(例えば、BASFポリ−タージェント(登録商標)SLF18B、PCT国際公開特許WO 94/22800 A号参照)、エーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにミシガン州ワイアンドット(Wyandotte)のBASF−ワイアンドット社(BASF-Wyandotte Corp.)によるプルロニック(PLURONIC)(登録商標)、リバースド・プルロニック(REVERSED PLURONIC)(登録商標)及びテトロニック(TETRONIC)(登録商標)などのブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー化合物を含む、低曇点及び高曇点の非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物;C12〜C20アルキルアミンオキシド(本明細書で使用するのに好ましいアミンオキシドには、C12ラウリルジメチルアミンオキシド、C14及びC16ヘキサデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる)、及びミラノール(Miranol)(商標)C2Mなどのアルキル両性カルボン酸界面活性剤などの両性界面活性剤;並びにベタイン及びスルタインなどの双極性界面活性剤;並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書で好適な界面活性剤は、例えば、米国特許第3,929,678 A号、同第4,259,217 A号、欧州特許第0414549 A号、PCT国際公開特許WO 93/08876 A号、及びPCT国際公開特許WO 93/08874 A号に開示されている。界面活性剤は、典型的には、組成物の重さの約0.2%〜約30%、より好ましくは約0.5%〜約10%、最も好ましくは約1%〜約5%の濃度で存在する。本明細書に使用するのに好ましい界面活性剤は、低発泡性であり、これには、低曇点の非イオン性界面活性剤、及び高発泡性の界面活性剤と、その泡抑制剤としての役割を果す低曇点の非イオン性界面活性剤との混合物が挙げられる。
【0044】
ビルダー
本明細書で使用するのに好適なビルダーとしては、クエン酸塩、炭酸塩、及びポリリン酸塩、例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム、並びにトリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムとの混合塩などの、水溶性ビルダー;並びに結晶性層状ケイ酸塩(欧州特許第0164514 A号並びに同第0293640 A号)及びゼオライトA、B、P、X、HS及びMAPを含むアルミノケイ酸塩などの、部分的水溶性又は不溶性ビルダーが挙げられる。ビルダーは、典型的には、組成物の重さの約1%〜約80%、好ましくは約10%〜約70%、最も好ましくは約20%〜約60%の濃度で存在する。
【0045】
SiO2:Na2Oの比が1.8〜3.0、好ましくは1.8〜2.4、最も好ましくは2.0である非晶性ケイ酸ナトリウムもまた、本明細書において使用することができるが、長期保存安定性の観点から非常に好ましいのは、約22%未満、好ましくは約15%未満の総(非晶性及び結晶性)ケイ酸塩を含有する組成物である。
【0046】
酵素
本明細書に好適な酵素には、ケアザイム(Carezyme)及びセルザイム(Celluzyme)(ノボ・ノルディスクA/S(Novo Nordisk A/S))などの細菌性及び真菌性のセルラーゼ;ペルオキシダーゼ;アマノ−P(Amano-P)(天野薬品(Amano Pharmaceutical Co.))、M1リパーゼ(M1 Lipase)(登録商標)及びリポマックス(Lipomax)(登録商標)(ヒスト・ブロカデス(Gist-Brocades))並びにリポラーゼ(Lipolase)(登録商標)及びリポラーゼウルトラ(Lipolase Ultra)(登録商標)(ノボ)などのリパーゼ;クチナーゼ;エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、デュラザイム(Durazym)(登録商標)及びサビナーゼ(Savinase)(登録商標)(ノボ)並びにマキサターゼ(Maxatase)(登録商標)、マキサカル(Maxacal)(登録商標)、プロペラーゼ(Properase)(登録商標)及びマキサペム(Maxapem)(登録商標)(ヒスト・ブロカデス(Gist-Brocades))などのプロテアーゼ;プラフェクトOxAm(Purafect Ox Am)(登録商標)(ジェネンコア(Genencor))及びターマミル(Termamyl)(登録商標)、バン(Ban)(登録商標)、フンガミル(Fungamyl)(登録商標)、デュラミル(Duramyl)(登録商標)及びナタラーゼ(Natalase)(登録商標)(ノボ)などのα及びβアミラーゼ;ペクチナーゼ;並びにこれらの混合物が挙げられる。酵素は、本明細書では、好ましくは、プリル、粒状物、又は共粒状物として、典型的には、組成物の重さの約0.0001%〜約2%の範囲の純酵素濃度で添加される。
【0047】
漂白剤
本明細書に好適な漂白剤には、塩素漂白剤及び酸素漂白剤が挙げられ、特に無機過水和物塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物、並びに制御された放出速度を提供するために任意選択的にコーティングされた過炭酸ナトリウム(例えば、硫酸塩/炭酸塩コーティングについては英国特許第1466799 A号を参照のこと)、予備形成有機ペルオキシ酸及び有機ペルオキシ酸漂白剤前駆体とのこれらの混合物、並びに/又は遷移金属含有漂白触媒(特にマンガン又はコバルト)が挙げられる。無機過水和物塩は、典型的には、組成物の重さの約1%〜約40%、好ましくは約2%〜約30%、より好ましくは約5%〜約25%の範囲の濃度で組み込まれる。本明細書で使用するのに好ましいペルオキシ酸漂白剤前駆体としては、過安息香酸及び置換型過安息香酸の前駆体;カチオン性ペルオキシ酸前駆体;過酢酸前駆体、例えばTAED、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びペンタアセチルグルコース;過ノナン酸前駆体、例えば、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(イソ−NOBS)及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(NOBS);アミド置換型アルキルペルオキシ酸前駆体(欧州特許第0170386 A号);並びにベンゾオキサジンペルオキシ酸前駆体(欧州特許第0332294 A号及び同第0482807 A号)が挙げられる。漂白剤前駆体は、典型的には、組成物の重さの約0.5%〜約25%、好ましくは約1%〜約10%の範囲の濃度で組み込まれ、一方、予備成形された有機ペルオキシ酸自体は、典型的には、組成物の重さの0.5%〜25%、より好ましくは1%〜10%の範囲の濃度で組み込まれる。本明細書で使用するのに好ましい漂白触媒としては、トリアザシクロノナンのマンガン錯体及び関連する錯体(米国特許第4246612 A号、同第5227084 A号);ビスピリジルアミンのCo、Cu、Mn、及びFe錯体、並びに関連する錯体(米国特許第5114611 A号);並びにペンタミンアセテートのコバルト(III)錯体及び関連する錯体(米国特許第4810410 A号)が挙げられる。
【0048】
低曇点の非イオン性界面活性剤、及び泡抑制剤
本明細書で使用するのに好適な泡抑制剤は、低曇点を有する非イオン性界面活性剤を含む。本明細書で使用する時、「曇点」とは、温度が上昇するにつれて界面活性剤の溶解性が低下する結果となる非イオン性界面活性剤の周知の特性であり、第2相の出現が観察できる温度を、「曇点」と呼ぶ(カーク・オスマー(Kirk Othmer)、360〜362頁を参照のこと)。本明細書で使用する時、「低曇点」の非イオン性界面活性剤は、30℃未満、好ましくは約20℃未満、更により好ましくは約10℃未満、最も好ましくは約7.5℃未満の曇点を有する非イオン性界面活性剤系成分と定義される。典型的な低曇点の非イオン性界面活性剤としては、非イオン性アルコキシル化界面活性剤、特に一級アルコールに由来するエトキシレート、及びポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン(PO/EO/PO)リバースブロックポリマーが挙げられる。また、このような低曇点の非イオン性界面活性剤には、例えば、エトキシル化−プロポキシル化アルコール(例えば、BASFのポリ−タージェント(Poly-Tergent)(登録商標)SLF18)及びエポキシ末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール(例えば、米国特許出願第5,576,281 A号に記載されるようなBASFのポリ・タージェント(Poly-Tergent)(登録商標)SLF18Bシリーズの非イオン性物質)が挙げられる。
【0049】
好ましい低曇点界面活性剤は、次式を有するエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)泡抑制剤である:
【0050】
【化5】

式中、R1は平均約7〜約12個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、R2は約1〜約4個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、R3は約1〜約4個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、xは約1〜約6の整数であり、yは約4〜約15の整数であり、zは約4〜約25の整数である。
【0051】
その他の低曇点の非イオン性界面活性剤は、次式を有するエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化物)である:
IO(RIIO)nCH(CH3)ORIII
式中、RIは、約7〜約12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカルからなる群から選択され、RIIは同一又は異なっていてよく、どの所与の分子においても分枝鎖又は直鎖C2〜C7アルキレンからなる群から独立して選択され、nは1〜約30の数であり、RIIIは、
(i)1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8員の置換型又は非置換型複素環、及び
(ii)約1個〜約30個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環状又は非環式、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカル
からなる群から選択されるが、
(b)ただし、R2が(ii)であると仮定すれば、(A)R1のうち少なくとも1つがC2〜C3アルキレン以外のものであるか、又は(B)R2が6〜30個の炭素原子を有するかのいずれかであり、またR2が8〜18個の炭素原子を有すると仮定すれば、RがC1〜C5アルキル以外のものである。
【0052】
本明細書で好適な他の成分には、組成物の重さの約0.1%〜約30%、好ましくは約0.5%〜約15%、最も好ましくは約1%〜約10%の濃度の、分散性、再付着防止性、汚れ放出性、又はその他の洗浄性を有する有機ポリマーが挙げられる。本明細書で好ましい再付着防止ポリマーには、アクリル酸含有ポリマー、例えば、ソカラン(SOKALAN)PA30、PA20、PA15、PA10、及びソカランCP10(BASF社(BASF GmbH))、アキュゾール(Acusol)45N、480N、460N(ローム&ハース(Rohm and Haas))、アクリル酸/マレイン酸ポリマー、例えばソカランCP5、並びにアクリル/メタクリルポリマーが挙げられる。本明細書で好ましい汚れ放出ポリマーには、アルキルセルロース及びヒドロキシアルキルセルロース(米国特許第4,000,093 A号)、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、及びこれらのポリマー、並びにエチレングリコール、プロピレングリコール、及びこれらの混合物のテレフタレートエステルをベースとする非イオン性及びアニオン性ポリマーが挙げられる。
【0053】
重金属イオン封鎖剤及び結晶成長阻害剤、例えば、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)、エチレンジホスホネート、ヒドロキシ−エチレン−1,1−ジホスホネート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミノテトラアセテート、エチレンジアミン−N,N’−ジサクシネートは、それらの塩及び遊離酸の形態で、一般に、組成物の重さの約0.005%〜約20%、好ましくは約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.25%〜約7.5%、及び最も好ましくは約0.5%〜約5%の濃度で本明細書で使用するのに適している。
【0054】
本明細書の組成物は、腐食防止剤、例えば、組成物の重さの約0.05%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約5%の濃度の有機銀コーティング剤(特に、ドイツ、ザルツベルゲン(Salzbergen)のヴィンターシャル(Wintershall)から販売されているヴィノグ(Winog)70のようなパラフィン)、窒素含有腐食防止化合物(例えば、ベンゾトリアゾール及びベンズイマダゾール(benzimadazole)、英国特許第1137741 A号参照)、及び組成物の重さの約0.005%〜約5%、好ましくは約0.01%〜約1%、より好ましくは約0.02%〜約0.4%の濃度のマンガン(II)化合物、特に有機配位子のマンガン(II)塩を含有することができる。
【0055】
パウチ構成に関して、好ましい実施形態において、パウチは多区画に仕切られたパウチであり、好ましくは二区画に仕切られたパウチであり、固形形態の組成物を収容する第1区画及び液体形態の組成物を収容する第二区画を含む。好ましくは、固体組成物と液体組成物との重量比は、約1:50〜約50:1、好ましくは約2:1〜約30:1である。好ましくは、パウチの総重量は、約10〜約30グラム、より好ましくは約15〜約22グラムである。好ましくは、固体区画はカルボキシル化/スルホン化ポリマーを収容する。固体区画は、更に少量の非イオン性界面活性剤(固体組成物の重さの約0.001%〜約2%)を収容してもよい。液体区画は、任意選択的に液体界面活性剤及び好ましくは香料を含む。
【0056】
好ましい構成において、パウチは、重ねておかれる方法で配置される2つ以上の区画を有し、好ましくは固体及び液体区画は、同じ設置面積を有する。この手法は、液体区画が固体区画に重ねておかれる場合に特に好適である。液体区画は、周囲環境から水分ピックアップを受けないように固体区画を保護できる。
【0057】
水ピックアップは、液体区画を固体区画の上部に配置することにより最小限に抑えられる。水分ピックアップはまた、被覆材料上に水分移動バリアを有することにより減らすことができる。好ましくは、水分移動バリアは、被覆材料の透過性を減少させる物質を含む。前記物質は、貯蔵中保護を提供するが、洗浄工程中には保護された成分を放出する。
【実施例】
【0058】
実施例で使用する略語
実施例では、略された成分の識別表示は、次の意味を有する。
【0059】
【表1】

【0060】
以下の実施例において、全ての濃度は重さによるパーセント(%)として引用される。
【0061】
(実施例1〜4)
アキュゾール(Acusol)588Gとサイパーナット(Sipernat)D10とを重量比46:1で混合する。このプレミックスは優れた流動及び取り扱い特性を有する。このプレミックスを粒子形態の成分の残りと混合する。界面活性剤を得られた混合物上に噴射する。
【0062】
実施例1〜4の組成物を二区画に仕切られた層状PVA方形基材パウチに導入する。二区画に仕切られたパウチを、クリス−クラフトインダストリアルプロダクツ(Chris-Craft Industrial Products)によって供給されるようなモノゾル(Monosol)M8630から製造する。17.2gの粒子状組成物及び4gの液体組成物をパウチの2個の異なる区画に入れる。2kgの負荷の元でのパウチ寸法を以下に示す:長さ3.7cm、幅3.4cm及び高さ1.5cm。それゆえに長手方向/横断方向の縦横比は1.5:3.2又は1:2.47である。このパウチは、2つのエンドレス表面プロセスを使用して製造され、両方の表面はPCT国際公開特許WO 02/42408に記載されているように連続的に水平に移動する。このプロセスにより、パウチの第1ウェブは、第1エンドレス表面上に取り付けられた開放パウチの第1移動ウェブを形成して充填し、開放パウチの第1ウェブを、それと同時に移動する、充填し密封したパウチの第2ウェブで封止することにより、準備される。
【0063】
【表2】

【0064】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤組成物を製造するためのプロセスであって、前記洗剤組成物が、
a)前記組成物の重さの約0.1%〜約50%の粒子形態のポリマーであって、
i)カルボン酸モノマー、
ii)前記ポリマーの重さの約5%超の1つ以上のスルホン酸モノマー、及び
iii)任意選択的に非イオン性モノマー
を含むポリマー、並びに
b)前記組成物の重さの約0.01%〜約10%の疎水性シリカ
を含み、
前記プロセスが
a)前記ポリマーを前記疎水性シリカと混合して、ポリマー/シリカプレミックスを得る工程、及び
b)前記ポリマー/シリカプレミックスを任意の追加的な洗剤成分と混合する工程
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記ポリマーが、約400μm〜約1200μmの重量幾何平均粒径を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記ポリマーが、約700μm〜約1000μmの重量幾何平均粒径を有し、前記ポリマーの重さの約3%未満が約1180μmよりも大きく、前記ポリマーの重さの約5%未満が約200μmよりも小さい、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記ポリマーの重さの50%超が、約200μmよりも小さい粒径を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記シリカが、約0.1μm〜約100μm、好ましくは約1μm〜約40μmの、重量幾何平均粒径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ポリマー及び前記シリカが、約90:1〜約10:1、好ましくは約60:1〜約30:1の重量比である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記洗剤組成物が、前記組成物の重さの約0.1%〜約10%の界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセスにより入手可能である、洗剤組成物、好ましくは自動食器洗浄洗剤組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の洗剤組成物を収容する水溶性パウチの形態の、自動食器洗浄製品。
【請求項10】
前記水溶性パウチが二区画に仕切られた固体/液体パウチであり、前記固体区画が請求項8に記載の洗剤組成物を収容し、前記液体区画が非イオン性界面活性剤を収容する、請求項9に記載の自動食器洗浄製品。

【公表番号】特表2010−536948(P2010−536948A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520676(P2010−520676)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【国際出願番号】PCT/IB2008/053289
【国際公開番号】WO2009/022318
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】