説明

洗剤組成物

【課題】陰イオン界面活性剤を含有する洗剤組成物において、洗濯時に泡が持続して発生し、洗浄性にも優れた洗剤組成物、特に、ドラム式洗濯機を用いた洗濯や手洗い洗濯のような泡の発生が消費者に心理的な影響を与える洗濯においても、洗浄性に優れ、且つ洗濯時の充実感を得ることができる洗剤組成物を提供すること。
【解決手段】第1の陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤1〜15重量%とを含有し、平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/L以上であり、溶解率(10℃)が80%以上である洗剤粒子[(A)成分]と、第2の陰イオン界面活性剤50重量%以上を含有し、溶解率(10℃)が80%未満である粒子[(B)成分]とを含有してなり、両成分の平均粒径の比率[(A)/(B)]が1/5〜1/1である、洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陰イオン界面活性剤を含有する洗剤組成物に関する。更に詳しくは、洗濯・乾燥一体型洗濯機、特にドラム式洗濯機や、手洗い洗濯においても快適に使用し得る洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料等の洗濯時に発生する泡の量は、洗濯を行う消費者にとっては、洗濯が充分にされているという充実を生じさせる要因となるものであり、経済性及び泡立ち(速泡性)等の観点から陰イオン界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートが主体の洗剤が多く製造・販売されている(特許文献1、2)。
【0003】
一方、近年、洗濯行為をより簡便にしたい傾向が強く見られ、衣類の乾燥までできる洗濯・乾燥一体型洗濯機が普及している。例えば、ドラム式洗濯機は、少量の水で、また温水が使用できるので効率的に洗濯できるという利点があり、家庭で使用される機会が増えているが、多量の泡が発生する洗剤組成物を使用すると、その泡を感知して洗濯機が停止してしまうというデメリットがある。
そのため、速泡性を重視した従来の洗剤組成物をドラム式洗濯機にそのまま使用すると十分な洗濯ができない可能性もあり、「泡立ち」を抑えるような組成設計がなされた洗剤を別途使用する必要がある。
【0004】
しかしながら、ドラム式洗濯機は、フロントドアから槽内が見えるタイプが多く、「泡立ち」を抑えた洗剤組成物を使用した場合、発生する泡が、洗濯中又は洗濯の終了時には少なくなる傾向があるために、洗浄性に優れるにもかかわらず、使用者が「洗剤が不足している」と感じて必要以上に洗剤を使用してしまうことがある。
【0005】
また、このような洗剤組成物を手洗い洗濯に使用した場合にも、洗濯時に泡が持続し難く、この泡が洗濯の際または終了時まで持続しない場合は、洗濯時の充実感を得るために、消費者が必要以上に洗剤を使用してしまう原因となりうることがわかってきた。
【特許文献1】特許第3123757号
【特許文献2】特許第3249815号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、陰イオン界面活性剤を含有する洗剤組成物において、洗濯時に泡が持続して発生し、洗浄性にも優れた洗剤組成物を提供することにある。特に、ドラム式洗濯機を用いた洗濯や手洗い洗濯のような泡の発生が消費者に心理的な影響を与える洗濯においても、洗浄性に優れ、且つ洗濯時の充実感を得ることができる洗剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明の要旨は、第1の陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤1〜15重量%とを含有し、平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/L以上であり、溶解率(10℃)が80%以上である洗剤粒子[(A)成分]と、第2の陰イオン界面活性剤50重量%以上を含有し、溶解率(10℃)が80%未満である粒子[(B)成分]とを含有してなり、両成分の平均粒径の比率[(A)/(B)]が1/5〜1/1である、洗剤組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の洗剤組成物は、洗濯時に泡が持続して発生し、且つ洗浄性にも優れたものであるため、かかる洗剤組成物を用いることで充実感のある洗濯ができることから、消費者への心理的な効果、また、洗剤量をより適正に抑えることで経済性に優れ、且つ手洗い洗濯もし易く、更には衣料から汚れを効率よく除去できるという実用的な効果が発現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の洗剤組成物は、前記のように、第1の陰イオン界面活性剤を含有する洗剤粒子[(A)成分]と、第2の陰イオン界面活性剤を含有する顆粒[(B)成分]とを含有してなり、該(A)成分と、(B)成分との平均粒径の比[(A)/(B)]が1/5〜1/1であることに一つの大きな特徴がある。
【0010】
かかる特徴を有することで、洗濯時に泡が持続して発生するという効果が発現され、しかも、溶け残りが少なく、洗浄性にも優れるという効果が発現される。特に、本発明の洗剤組成物においては、経時的に泡が発生して増加するため、例えば、手洗い洗濯においては揉むほどに泡がでる状態になり得る。
従って、本発明の洗剤組成物は、手洗い洗濯用の洗剤組成物として特に好適なものである。
【0011】
前記平均粒径の比[(A)/(B)]としては、(B)成分が洗濯中にできるだけ溶けてなくなり、濯ぎ性悪化に影響を及ぼさないという観点から、1/4〜1/1が好ましく、1/4〜1/2がより好ましい。
【0012】
なお、前記のように洗濯時に泡が持続して発生しながら、洗浄性にも優れる機構について、明確ではないが、本発明の洗剤組成物を水に添加した場合、(A)成分が洗濯時の初期に速やかに溶解することで十分な洗浄力が発揮されるとともに、(B)成分が徐々に溶解していくことで、陰イオン界面活性剤に由来する泡が経時的に持続して発生されることが考えられる。
【0013】
また近年の洗濯機には、洗剤投入口(ディスペンサー)が付属されており、予約洗濯などがスムーズにできるように設計されているディスペンサーを使用する消費者は増加する傾向にあると思われるが、ディスペンサー内での溶け残りの発生は、おおいに使用者を不快にするものである。
これに対して、本発明では、溶解性が大きく異なる2種類の粒子を用いたことで、ディスペンサー内での溶け残りの発生を抑制し、溶解性や分散性を向上することができるので、洗濯機付属のディスペンサーへの溶け残りに対する精神的な負荷が軽減されるという利点がある。この理由としては(B)成分を用いない場合は、(A)成分の一部が水に触れて界面活性剤や無機塩からなるペースト連続層を形成し、溶解性や分散性に劣るところ、洗剤組成物の中に(B)成分を配合することにより、不連続な状態にできることから、溶解性(分散性)が向上したものと予想される。
【0014】
また、本発明においては、(A)成分と(B)成分の両方が陰イオン界面活性剤を含有している点にも一つの大きな特徴がある。
かかる特徴を有することで、高い硬度を有する水を使用した洗濯においても充分な洗浄力を発揮するという利点がある。
【0015】
ここで、(A)成分、(B)成分に含有される陰イオン界面活性剤としては、同一又は異なっていてもよいが、一般に洗剤に使用されている公知のものであれば何でも、一種類以上使用することができる。特に、溶解性・製造時のハンドリング性の点より、(A)成分にはアルキルベンゼンスルホネート(LAS)、(B)成分には硫酸アルキル塩を用いることが最も好ましい。
【0016】
以下に、本発明について更に詳しく説明する。
【0017】
1.(A)成分
本発明に用いられる(A)成分は、第1の陰イオン界面活性剤を含有し、かつその溶解性に優れた洗剤粒子である。
【0018】
(A)成分中の第1の陰イオン界面活性剤の含有量としては、溶解性・洗浄性・泡立ちの観点から、1〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましく、10〜20重量%が更に好ましい。
【0019】
(A)成分の溶解性としては、以下の方法で算出される洗剤粒子の溶解率(10℃)が80%以上である性質をいう。
【0020】
10℃に調整した71.2mgCaCO/Lに相当する1Lの硬水(Ca/Mgのモル比7/3)を1Lビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1Lガラスビーカー)の中に満たし、10℃の水温をウオーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン丸型細型)にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(800r/min)で攪拌する。1.0000±0.0010gとなるように縮分・秤量した洗剤粒子を攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー中の洗剤粒子分散液を重量既知のJIS Z 8801(ASTM No.200に相当)規定の目開き74μmの標準篩(直径100mm)で濾過し、篩上に残留した含水状態の洗剤粒子を篩と共に重量既知の開放容器に回収する。尚、濾過開始から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。回収した洗剤粒子の溶残物を105℃に加熱した電気乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持して冷却する。冷却後、乾燥した洗剤粒子の溶残物と篩と回収容器の合計の重量を測定し、篩上に残留した洗剤粒子の溶残物の乾燥重量を求める。そして、次式によって洗剤粒子の溶解率(%)を算出する。尚、重量の測定は精密天秤を用いて行うこととする。
溶解率(%)={1−(T/S)}×100
S : 洗剤粒子の投入重量(g)
T : 上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したときに、篩上に残存する洗剤粒子の溶残物の乾燥重量(g)
【0021】
前記溶解率は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
【0022】
(A)成分の例としては、特許第3123757号、特許第3249815号に記載の高速溶解性洗剤粒子、もしくは乾式中和されて得られる高速溶解洗剤粒子等が挙げられる。ここで、乾式中和では複雑な設備を必要とせず、界面活性剤をそのまま添加できるという点で、(A)粒子には乾式中和で調製される高速溶解洗剤粒子を用いた方が経済的に好ましい。
【0023】
また、(A)成分が、無機塩主体の中空粒子に対し、陰イオン界面活性剤もしくは非イオン界面活性剤又はその混合物を担持させ、更に必要により微粒子の硬度捕捉剤を粒子表面の改質助剤として用いた洗剤粒子である場合、この(A)成分が速やかに溶解して水中のCaイオンを捕捉することができる。従って、その後に(B)成分から徐々に陰イオン界面活性剤が放出したとしても、水の硬度に影響されずに十分に優れた洗浄効果を発現することができるという利点がある。
【0024】
(A)成分の平均粒径は、溶解性・洗浄性の観点から、180〜400μmが好ましく、200〜350μmがより好ましい。
なお、平均粒径は、JIS Z 8801の標準篩を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率から測定することができる。
【0025】
また、(A)成分の嵩密度は、コンパクト化の点から、500g/L以上が好ましく、600g/L以上がより好ましく、また、溶解性の点から1000g/L以下が好ましく、900g/L以下がより好ましい。尚、嵩密度は、JIS K 3362により規定された方法で測定することができる。
【0026】
本発明の洗剤組成物中における(A)成分の含有量としては、洗浄性の観点から、80〜99重量%が好ましく、90〜99重量%がより好ましい。
【0027】
また、ハンドリング性の観点から、(A)成分は実質的に硫酸アルキル塩を含有しないことが好ましい。
【0028】
2.(B)成分
本発明に用いられる(B)成分は、第2の陰イオン界面活性剤を含有する粒子(顆粒)である。
【0029】
ここで、(B)成分は顆粒である点に、一つの大きな特徴がある。かかる顆粒であることで、洗剤組成物を溶解させる際に、(B)成分が徐々に溶解することで、陰イオン界面活性剤由来の泡が経時的に発生するという利点がある。またケーキングを防止するという利点もある。
【0030】
ここで、顆粒とは、パウダー状のものを凝集させたものや造粒したもの等を指し、且つ前述の測定方法と同じ測定方法による溶解率(10℃)が80%未満のものをいう。前記溶解率(10℃)は、泡立ちコントロール剤の点から、70%未満が好ましく、60%未満がより好ましい。また、洗浄性の観点から、20%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。
【0031】
(B)成分の平均粒径は、溶解性・洗浄性の観点から、500〜1200μmが好ましく、500〜1000μmがより好ましい。
なお、平均粒径は、JIS Z 8801の標準篩を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率から測定することができる。
【0032】
(B)成分中における第2の陰イオン界面活性剤の含有量は、起泡性・洗浄性の観点から、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%が更に好ましい。
【0033】
(B)成分としては、例えば、薄膜乾燥法、乾式造粒法等により得られる顆粒が好ましい。
【0034】
中でも、陰イオン界面活性剤、水溶性無機塩及び/又は水不溶性無機塩、バインダーを含有する造粒物がより好ましい。
【0035】
(B)成分の製造方法としては、例えば、(1)粘度を考慮して、水分含有量60〜70重量%の低濃度スラリーを噴霧乾燥させる方法(特開昭55−69698号公報、特開昭53−39307号公報)、(2)アルキル硫酸塩のスラリーの粘度の極小値を利用して固形分濃度60〜80重量%の高濃度スラリーを噴霧乾燥させる方法(特開昭54−106428号公報)、(3)水分含有量20〜35重量%の高濃度洗剤ペースト原料を真空薄膜乾燥機を用いて乾燥させる方法(特開平2−222498号公報)等が挙げられる。
【0036】
洗剤組成物中における(B)成分の量としては、泡立ち性・洗浄性の観点から、1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
【0037】
また、本発明の洗剤組成物中の(A)成分と(B)成分の重量比〔(A)/(B)〕は、洗浄性の観点から、100/0.1〜100/30が好ましく、100/3〜100/10がより好ましい。
【0038】
本発明の洗剤組成物は、例えば、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤、粉末活性剤等)等の他の成分を更に含有してもよい。この他の成分の含有量としては、洗浄力・嗜好性・洗濯時間の短縮の観点から、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
【0039】
本発明の洗剤組成物は、前記(A)成分、(B)成分及び他の成分を適宜混合して製造することができる。
【0040】
かかる物性を有する本発明の洗剤組成物は、衣料用洗剤、自動食器洗浄機用洗剤、手洗い洗濯用洗剤、ドラム式洗濯用洗剤等として好適に使用することができ、中でも手洗い洗濯用洗剤として使用することでもみ洗いし易く、消費者に満足を与えるという利点がある。
【実施例】
【0041】
(A)成分の製造例
表1に記載の組成比率を有する界面活性剤組成物(成分:AS、ノニオン、石鹸)以外の成分を含むスラリーを280〜300℃に調整した噴霧乾燥器内に噴霧して、噴霧乾燥粒子を得た。次いで、該噴霧乾燥粒子にノニオンを添加した後、酸前駆体(LAS−S)を添加して乾式中和を行った後、無機物で表面改質を行い、(A)成分の洗剤粒子を製造した。
【0042】
(B)成分の製造例
水分含有量20〜35重量%の高濃度洗剤ペースト原料を真空薄膜乾燥機を用いて乾燥させる方法(特開平2−222498号公報)を用いて、表1に記載の組成を有するB)成分の粒子を製造した。
【0043】
なお、表1中、各原料としては、以下のものを使用した。
LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na「テイカパワー(ソフト)」(Tayca(株)製)
ノニオン:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO=6.0)C12〜C14(株)日本触媒製
石鹸:C12〜C18飽和脂肪酸塩(花王(株)製)
硫酸ナトリウム:「無水中性芒硝」(四国化成(株)製)
炭酸ナトリウム:「デンス灰」(平均粒径:290μm、セントラル硝子(株)製)
塩化ナトリウム:「焼き塩S」(日本製塩(株)製)
ゼオライト:「トヨビルダー」(4A型、平均粒径:3.5μm)、東ソー製)
ポリマー:「アクアリック」((株)日本触媒製)
ポリエチレングリコール(PEG):「PEG13000」(重量平均分子量:13000、三井化学(株)製)
シリケート:特開平9−132794号公報記載の調製例2を平均粒径8μmに粉砕したもの
トリポリリン酸ナトリウム:「STPP」(Jiangsu ChengXing製)

アルキル硫酸ナトリウム「エマール10G(E−10G)」(花王(株)製)
なお、かぎ括弧内の用語は商品名を示す。
【0044】
実施例1〜4、比較例1、2
前記のようにして得られた(A)成分と(B)成分を表1に記載の比率で混合して洗剤組成物を得た。
得られた洗剤組成物を手洗いとドラム式洗濯機での洗濯に使用した場合の泡立ち性について以下の条件に基づいて評価した。手洗い洗濯の泡立ち性の結果については表1に示す。
【0045】
手洗い 泡立ち評価条件
手洗い 4分(1分/汚染布1枚×4枚)×2人 → 脱水1分→濯ぎ3回
浴比 肌着2枚+湿式エリモデル汚染布、泥汚染布 (汚染布各2枚/台布1枚)×2枚
硬度 5°DH
水温 25℃
泡立ちの測定は、8分後に行った。2人がもみ洗いして終わる時点。
【0046】
なお、手洗いの泡立ちについて以下の基準に基づいて評価した。
○:4cm以上(豊な泡立ち)
△:2〜4cm程度
×:2cm未満
【0047】
【表1】

【0048】
ドラム式洗濯機 泡立ち評価条件
洗濯機種;「SIEMENS XLM800」、SIEMENS(シーメンス)製
設定; 「Easy−care」「cold」「spin speed 800」
洗剤; ディスペンサー部分から 40g 投入
水温; 25℃
硬度; 5°DH
布 ; 肌着(綿)2kg、Yシャツ1kg
汚れ; なし
ただし、泡立ちの測定は、すすぎ工程開始時点(洗濯開始から約50分の時点)で行った。泡が溢れ出したらその時点で終了。
【0049】
その結果、実施例1〜4で得られた洗剤組成物は、泡が半分程度で納まるか、又は泡一面になるものの、泡が溢れなかったことから、ドラム式洗濯機での洗濯では泡立ちの優れたものであった。
【0050】
以上の結果より、実施例1〜4で得られた洗剤組成物は、比較例1、2のものに比べて、手洗い、ドラム式洗濯機での洗濯のいずれでも泡立ちの優れたものであることがわかる。
また、実施例1〜4での泡立ち(手洗い、ドラム式洗濯のいずれでも)は、洗濯を行なっている間、持続されていた。
また、実施例1〜4における手洗い洗濯では、洗濯後の泥汚染布から、きれいに泥が除去されていた。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の洗剤粒子群は、衣料用洗剤、自動食器洗浄機用洗剤、手洗い洗濯用洗剤、ドラム式洗濯用洗剤等に好適に使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤1〜15重量%とを含有し、平均粒径が150〜500μm、嵩密度が500g/L以上であり、溶解率(10℃)が80%以上である洗剤粒子[(A)成分]と、第2の陰イオン界面活性剤50重量%以上を含有し、溶解率(10℃)が80%未満である粒子[(B)成分]とを含有してなり、両成分の平均粒径の比率[(A)/(B)]が1/5〜1/1である、洗剤組成物。
【請求項2】
(B)成分の平均粒径が500〜1000μmである請求項1記載の洗剤組成物。
【請求項3】
(A)成分が実質的に硫酸アルキル塩を含まない、請求項1又は2記載の洗剤組成物。
【請求項4】
第1の陰イオン界面活性剤の含有量が、(A)成分中の1〜30重量%である請求項1〜3いずれか記載の洗剤組成物。
【請求項5】
(A)成分/(B)成分の含有量の比率が、100/0.1〜100/30(重量比)である請求項1〜4いずれか記載の洗剤組成物。
【請求項6】
手洗い洗濯用である請求項1〜5いずれか記載の洗剤組成物。

【公開番号】特開2006−56985(P2006−56985A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239952(P2004−239952)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】