洗浄および吸引の装置および方法
洗浄および/または吸引デバイスならびに方法は、単独で、連続的に、または同時に、吸引および洗浄するように構成されてもよい。デバイスおよび方法は、取外し可能なヘッドを伴い、洗浄および吸引機能の部分的または完全な分離のために適合される、基部を提供してもよい。デバイスおよび方法は、鼻および鼻腔を吸引および/または洗浄するように構成することができる。デバイスおよび方法は、手動および/または自動で制御されてもよい。デバイスおよび方法は、吸引および洗浄のための、取外し可能、および/または交換可能、および/または補充可能、ならびに容易に清浄可能な貯留部を含んでもよい。デバイスのヘッドおよび/または吸引物貯留部は、デバイスおよび方法の使用後に、診断デバイス、すなわち、検査デバイスおよび/または容器を備えてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、同時係属の米国特許出願第11/936,042号(名称「Irrigation and Aspiration Device and Method」、2007年11月6日出願)の一部継続出願であって、この出願は、米国仮特許出願第60/857,457号(2006年11月6日出願)および米国仮特許出願第60/944,079号(2007年6月14日出願)の優先権の利益を主張し、これらの出願のすべては、その全体が本明細書に参照として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医学分野に関し、より具体的には、鼻腔、すなわち、医療機関および家庭で実施されるような、鼻吸引および洗浄に関する。具体的には、本発明の装置および方法は、1つ以上のノズルまたはカテーテルを通して同時に吸引および洗浄することを可能にし得る。両方の動作は、1つ以上のスイッチによって、別個にまたは同時に制御されてもよい。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
鼻および副鼻腔の詰まりは、小児および成人において多く見られる問題である。年間、約1億人のアメリカ人において、ウイルス性疾患および環境アレルギーが、鼻詰まり、鼻漏、および閉塞の原因となる、鼻炎(すなわち、鼻の炎症)を含む無数の症状を引き起こす。ひいてはこれが、副鼻腔炎、またはより一般的には、乳児の不眠および食欲不振、ならびに成人の一般的な不快感および倦怠感の原因となる、刺激、疼痛、および鼻腔の閉塞を引き起こし得る。
【0004】
多くの潜在的な状態についての診断は、どんなによくても冗長なプロセスである。粘液および/または鼻組織のサンプルを採取し、バイアルまたは検体容器に入れなければならない。通常、次いで、サンプルが分析のために研究室に送られ、結果が戻って来て治療計画を指示できるまでに数時間またはそれ以上かかる可能性がある。
【0005】
鼻および副鼻腔の詰まりに対応するための現在のストラテジーは、鬱血除去薬および抗ヒスタミン薬等の経口的および経鼻的に投与される数種類の市販の治療薬、ならびにステロイドおよび抗生物質等の処方薬を含む。これらの解決法は、ある程度の緩和をもたらすが、深刻な欠点を伴う:それらは高価であり、結果は様々であり、副作用は、反跳性の鼻詰まり、高血圧、習慣形成、および医薬的相互作用の可能性を含む。小児科において、安全かつ効果的であることが証明されている市販の溶液は存在しない。鼻をかむことによって鼻詰まりの部分的な緩和がもたらされるが、最終的には成人にとって刺激となる可能性があり、小児または乳児にとっては困難もしくは不可能である可能性がある。
【0006】
これらの理由から、医師は、昔からの治療法である生理食塩水による洗浄にますます頼ってきた。最近、いくつかの医師協会が、彼らの診療ガイドラインにおける補助療法として生理食塩水による洗浄を指定しており、鼻および副鼻腔の洗浄は、特に小児科において、今や一般的に処方されている。ところが、生理食塩水療法における関心が高まっているにもかかわらず、それを行うための適切なシステムが現在のところ存在しない。
【0007】
鼻吸込が、単独で、または生理食塩水による洗浄後の鼻吸込が、鼻炎の症状および兆候を緩和する効果的な方法であることが示されている。鼻吸込は、薬剤の副作用、および鼻をかむことによる刺激またはその不可能性を回避することができる。乳児の鼻吸込のために、手動吸引機が長い間使用されてきている。しかしながら、それらは十分な空気流も十分な排出時間も提供しない。結果的に、それらの有効性は可変的であり、使用しにくく、またもどかしい可能性がある。副鼻腔炎に罹患する成人用に設計される典型的な副鼻腔洗浄器は、苦痛を伴う排出または鼻をかむという問題を回避しない。
【0008】
さらに、乳児は絶対に鼻で呼吸するので、ウイルス性呼吸器感染症からの鼻詰まりは、乳児の睡眠および摂食に支障を来たす。これは、栄養不足および不穏状態を引き起こし、小児の健康および家族の機能の両方の妨げとなり得る。さらに悪いことには、乳児のウイルス症候群の一環としての鼻詰まりが解決されないと、酸素補給、頻繁な吸込、および非経口栄養のための緊急来院または入院につながる能性がある。
【0009】
鼻詰まりを解決するためにいくつかのストラテジーが用いられる。いくつかの研究によって、症状の緩和において風邪薬が無益であることが実証されており、ほとんどの親は、鼻洗浄および吸込が最良の選択肢であることを学習する。日常的な鼻洗浄は、慢性鼻副鼻腔炎に罹患する成人、およびアレルギー性鼻炎に罹患する小児の症状を改善する。また、いくつかの研究によって、生理食塩水による洗浄が鼻の繊毛運動を改善することが示されている。生理食塩水が粘膜下および外膜の空間から流体を引き出し、気道浮腫を減少させて粘液を軟化し、より容易な吸込を可能にすると考えられる。また、生理食塩水は、細胞膜中のチャネルを刺激し、それが細胞の機能を改善すると考えられる。
【0010】
生理食塩水による洗浄および吸込のそのような組み合わせは、特に、細気管支炎に罹患する乳児に有益であると証明されている。鼻吸込を評価するほとんどの研究は、病院の中心にある「壁に固定された」吸込を使用しており、中には鼻咽頭深部の吸込までも使用した研究もあったが、それらはいずれも診療所または家庭で日常的に使用可能ではない。研究により、適切な吸込が、噴霧療法、酸素補給、および入院等のさらなる介入の必要性を低減することが実証された。
【0011】
病院の壁の吸込とは対照的に、家庭での使用には手動の鼻吸引器が使用可能である。それらの最大陰圧および流量は略十分であるが、それらの流量は制御されておらず、鼻孔を密封した状態に維持することが困難であり、非常に短時間であり、鼻から繰り返し出し入れする動きを必要とする。両方のパラメータがそれらの不完全な品質に寄与しており、より高い圧力が最適であることが示され(例えば、80〜100mmHg)、動作時間が短いために何度も繰り返し試みる必要があるので扱いにくい。
【0012】
典型的なバルブ吸込シリンジは、ある程度の吸込を提供するが、短時間かつ制御不能な圧力がそれらの有用性を制限し得る。また、細長い柄が、粘膜損傷の可能性および鼻孔(鼻道)における不十分な密封をもたらす。手動吸引器の中には、改良されたシールおよび安全性を有する、より優れた鼻用先端部を開発することによって、その問題を回避したものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、ノズルが改良されたシールを提供し、ノズルを通して同時に吸引および洗浄することが可能である、改良されたデバイスおよび方法の必要性が依然として存在する。診断機能を提供することが可能な改良されたデバイスおよび方法であって、吸引および洗浄の両方の動作が単一の洗浄制御部(すなわち、スイッチ)で操作者によって制御されるので、デバイスおよび方法は、成人および乳児を含む小児の両方により迅速なさらなる使い易さを提供するデバイスおよび方法の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、開放部、開口部、腔、管腔、血管、または襞を含む身体の洗浄および/または吸引を提供するための改良されたデバイスおよび方法を提供する。
【0015】
本発明の一側面は、流体の送達および/または除去のためのデバイスを提供する。デバイスは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される、洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部とを備える。障壁手段は、吸引された液体を吸引物貯留部内で保持し、吸引物貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合されてもよい。少なくとも1つのノズルは、筐体から延在してもよく、ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔とを含み、洗浄剤管腔は、洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、吸引物管腔は、吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される。ポンプ手段は、洗浄剤貯留部から洗浄剤管腔を通って洗浄剤ポートの外へ洗浄液を放出するように適合されてもよい。インタフェース領域が含まれてもよく、インタフェース領域は、少なくとも1つの非流体流構成要素と、少なくとも1つのガス流構成要素とを備える。
【0016】
いくつかの実施形態において、障壁手段は、筐体内および/または吸引物貯留部内にあってもよい。障壁手段は、疎水性フィルタ、発泡体、スポンジ、フィルタなしの構成、入り組んだチャネル、および綿のうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、筐体は、可撓性部分を含んでもよく、可撓性部分は、洗浄剤貯留部に直接的または間接的に圧力を印加し、洗浄剤貯留部から洗浄液を放出するよう、圧搾または押圧されるように適合される。
【0018】
いくつかの実施形態において、診断手段が、吸引された流体を検査するために含まれてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、本体が含まれてもよく、本体は、筐体に解放可能に連結され、本体は、流体を吸引物ポートに引き込み、吸引物管腔を通して吸引物貯留部に引き込むように適合される、ポンプ手段を含む。本体は、洗浄および吸引の両方を操作するように適合される制御部をさらに備えてもよい。本体はまた、電源を含んでもよい。
【0020】
本体はまた、インタフェース領域を含んでもよく、インタフェース領域は、本体を筐体に連結するように適合される。少なくとも1つの非流体流構成要素は、本体から洗浄貯留部に力を印加して、洗浄貯留部から洗浄液を放出するためのベローズを備えてもよい。少なくとも1つのガス流構成要素は、吸引貯留部から本体の中へガスが流れることを可能にするための通路を備えてもよい。
【0021】
本発明の別の側面は、流体の送達および除去のための手持ち式のデバイスを提供する。手持ち式のデバイスは、取外し可能および交換可能なヘッドを備える。ヘッドは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される、洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部と、吸引された液体を吸引物貯留部内で保持し、吸引物貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合される、障壁手段と、筐体から延在する少なくとも1つのノズルと、筐体に解放可能に連結される本体であって、吸引物貯留部に流体を引き込むように適合されるポンプ手段を含む、本体と、洗浄剤貯留部から洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段と、少なくとも1つの非流体流構成要素と、少なくとも1つのガス流構成要素とを備えるインタフェース領域であって、ヘッドを本体に連結する、インタフェース領域とを備える。
【0022】
いくつかの実施形態において、ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔とを含んでもよく、洗浄剤管腔は、洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、吸引物管腔は、吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される。
【0023】
いくつかの実施形態において、本体は、流体を吸引物ポートに引き込み、吸引物管腔を通して吸引物貯留部に引き込むように適合され、かつ、洗浄剤貯留部から洗浄剤管腔を通って洗浄剤ポートの外へ洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、ノズルは、開口部内に挿入され、ノズルと開口部との間のシールを画定するように適合されてもよく、デバイスは、洗浄管および洗浄ポートを通って洗浄液を開口部の中へ放出するように適合され、デバイスは、開口部から吸引ポートを通って、吸引管を通り、吸引貯留部内に流体を引き込むように適合される。
【0025】
いくつかの実施形態において、インタフェース領域は、ヘッドと本体との間にシールを備えてもよく、シールは本体に作用させられる力がヘッドに伝達されることを可能にするように適合され、シールは、本体からの吸引圧が、吸引貯留部からガスを引き出し、本体内に引き込むことを可能にするように適合される。
【0026】
いくつかの実施形態において、本体に作用させられる力は、制御手段に作用させられる力を含んでもよく、制御手段に作用させられる力は、シールを通ってヘッド内の洗浄貯留部の中へ伝達される。制御手段に作用させられる力は、吸引圧を活性化して、吸引貯留部からガスを引き出し、本体内に引き込むように適合されてもよい。
【0027】
本発明のさらに別の側面は、流体の送達および/または除去のための方法を提供する。方法は、手持ち式のデバイスを手供するステップを備えてもよく、デバイスは、取外し可能および交換可能なヘッドを備える。ヘッドは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部と、洗浄液を収容するように適合される洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部と、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、筐体から延在する少なくとも1つのノズルとを備えてもよい。
【0028】
デバイスは、吸引された液体を吸引物貯留部内で保持し、吸引物貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合される、障壁手段と、流体の送達および/または除去を制御するための制御手段と、筐体に解放可能に連結されるように適合される本体であって、吸引物貯留部に流体を引き込むように適合されるポンプ手段を含む、本体と、洗浄剤貯留部から洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段と、ヘッドと本体との間のインタフェース領域であって、少なくとも1つのガス流構成要素とを備えるインタフェース領域とをさらに備えてもよい。
【0029】
ステップは、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するために制御手段を使用して、および/または、吸引圧を活性化し、開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために制御手段を使用して、ノズルで開口部を密封するようにノズルを患者の開口部に配置することをさらに含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、洗浄液を放出するために制御手段を使用すること、ならびに、吸引圧を活性化して、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するため、および開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために、同じ制御手段を使用することをさらに含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法はまた、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するように、制御手段の第1の部分に第1の力を印加すること、および/または、吸引圧を活性化して、開口部からノズルを通して流体を引き出し、吸引貯留部に引き込むように、制御手段の第2の部分に第2の力を印加することを含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、方法は、吸引された流体を検査し、吸引された流体の検査を行うための診断手段を手持ち式のデバイス内に提供することを含んでもよい。
【0033】
本発明のさらに別の側面において、デバイスのキットが、洗浄および吸引システムとして提供されてもよい。キットは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される、洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部と、筐体から延在する少なくとも1つのノズルであって、ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔とを含み、洗浄剤管腔は、洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、吸引物管腔は、吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される、ノズルと、を備えてもよい。キットはまた、筐体に解放可能に連結される本体であって、本体は、流体を吸引物ポートに引き込み、吸引物管腔を通して吸引物貯留部に引き込むように適合される、ポンプ手段を含む、本体と、洗浄剤貯留部から洗浄剤ポートの外へ洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段と、吸引された流体を引き出すように適合されるポンプ手段を操作するため、および洗浄液を放出するように適合されるポンプ手段を操作するための制御手段とを備えてもよい。キットはまた、洗浄および吸引システムの操作ならびに使用を記載する使用説明書を備えてもよく、指示は、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するために制御手段を使用して、または吸引圧を活性化して、開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために制御手段を使用して、ノズルで開口部を密封するようにノズルを開口部に配置する操作を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、指示は、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するために制御手段を使用すること、および、吸引圧を活性化して、開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために、制御手段を使用することをさらに含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、指示は、制御手段を使用して、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するように制御手段の第1の部分に第1の力を印加すること、および、同じように制御手段を使用して、吸引圧を活性化し、開口部からノズルを通して流体を引き出し、吸引貯留部に引き込むように制御手段の第2の部分に第2の力を印加することをさらに含んでもよい。
【0036】
本発明の一側面は、手持ち式の検査デバイスを提供する。デバイスは、手持ち式の筐体であって、筐体は、ヘッドおよび基部を含み、ヘッドおよび基部は、インタフェース領域で相互に解放可能に連結されるように適合される、筐体と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部と、吸引物貯留部に流体を引き込むように適合される、筐体内のポンプ手段と、吸引された流体を検査するための筐体内の診断手段であって、吸引された流体の検査の結果の指標を提供するように適合される、診断手段とを備える。
【0037】
本発明の一側面は、身体開口部の洗浄および吸引のためのシステムを提供する。システムは、ヘッドであって、所定量の洗浄液を洗浄貯留部に収容するように適合される、ヘッドであって、所定量の吸引された流体を収容するように適合される吸引貯留部を収容する、ヘッドと、本体であって、ヘッドに解放可能に連結され、吸引貯留部に流体を引き込むためのポンプ手段を収容する、本体と、を備えてもよく、システムは、約200cc〜約400ccの体積を画定し、携帯可能であり、かつユーザの手に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成され、システムは、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じるように適合される。
【0038】
いくつかの実施形態において、システムは、約1秒〜約30分の期間に、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じるようにさらに適合されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、システムは、約5ワット〜約15ワットの電力消費量で、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じるようにさらに適合されてもよい。電源は、約100mAh〜約1000mAhの電気容量を備えてもよい。
【0040】
本発明の一側面は、開口部の洗浄および/または吸引のためのシステムを提供する。システムは、洗浄機能、吸引機能、およびユーザ制御部を備える。
【0041】
洗浄機能は、洗浄力および洗浄貯留部を備え、前記洗浄貯留部は、洗浄液を収容するように適合され、前記洗浄力は、前記洗浄機能へのユーザ入力によって開始され、前記洗浄力は、前記洗浄貯留部から前記開口部の中へ洗浄液を放出するように前記洗浄貯留部に作用する。
【0042】
吸引機能は、吸引圧および吸引貯留部を備え、吸引貯留部は、吸引された流体を捕捉するように適合され、吸引貯留部は、吸引された液体を吸引貯留部内で保持し、吸引貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合される。
【0043】
ユーザ制御部は、洗浄機能および吸引機能のうちの少なくとも1つに対する制御機能を提供するように適合され、洗浄機能は、断続的に、または吸引機能の動作と同時に動作可能である。
【0044】
洗浄機能は、吸引機能と相互作用することなく動作可能であり、吸引機能は、洗浄機能と相互作用することなく動作可能である。
【0045】
本発明の他の特徴および利点を、以下の明細書および添付の図面において記載する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、頭部断面の解剖学的側面図であり、鼻腔および副鼻腔を示している。
【図2】図2は、顔の解剖学的前面図であり、鼻腔と連通する4つの副鼻腔を示している。
【図3】図3は、洗浄および吸引のために適合されるデバイスの変形例の斜視図である。
【図4】図4は、図3に示される洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図5】図5Aは、図1に示されるような頭部断面の解剖学的側面図であり、洗浄および吸引機能の両方、ならびにデバイスが鼻孔との密封を維持しながら関節運動または屈曲する能力を提供する、図3に示されるような洗浄および吸引デバイスの変形例を示している。図5Bは、鼻孔との密封を提供するデバイスの可撓性先端部の変形例の解剖学的下側図の拡大図であり、洗浄および吸引チャネルが可撓性先端部を通って鼻腔内に延在し、同時に洗浄および吸引する能力を提供する。
【図6】図6は、洗浄および吸引のために適合される図3に示されるようなデバイスの変形例の分解図である
【図7】図7Aは、使用説明書とともに、図3に示されるような洗浄および吸引デバイスが梱包されたキットの変形例の平面図である。図7Bは、7Aに示されるものと同様の代替キットの平面図であり、代替キットには、使用説明書とともに追加の洗浄剤が梱包されている。
【図8】図8Aは、洗浄および吸引デバイスのヘッドと本体の間に含まれてもよいシールの変形例の斜視図である。図8Bは、デバイスの本体からヘッドが取り外され、本体上に配置された図8Aのシールを示し、またインタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の斜視図である。図8Cは、図8Bと同様の斜視図であるが、シールおよび本体が分解された構成で示されており、シールと相互作用し、インタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示している。
【図9】図9は、ユーザの手の中にある洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図10】図10Aは、デバイスの本体からヘッドが取り外された状態を示し、インタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。図10Bは、インタフェース領域の少なくとも一部を備えるシールおよびヘッドの特徴を示す、ヘッドの背面図および基部の正面図である。
【図11】図11Aは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の分解図であり、洗浄貯留部および吸引貯留部の両方を備えるヘッドを示している。図11Bは、可撓性先端部の近位部分の拡大図であり、洗浄チャネルおよび吸引チャネルを示している。
【図12】図12は、図11Aに示されるような洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の追加の分解図である。
【図13】図13Aおよび13Bは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の背面図および側面図であり、羽根および/またはバッフルを含む障壁手段を含むヘッドを示している。
【図14】図14は、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の側面図であり、洗浄液を放出するためにヘッドが圧搾されることを可能にする可撓性領域を含むヘッドを示している。
【図15】図15Aは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の斜視図であり、取外し可能もしくは交換可能、または再利用可能もしくは使い捨ての洗浄および/または吸引貯留部を備えるヘッドを示している。図15Bは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの代替変形例を示す部分透視側面図であり、ヘッドと一体化された可撓性先端部および/またはヘッドのシェルを示している。図15Cは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの代替変形例の斜視図であり、代替の形状および構成を備え、洗浄および/または吸引貯留部とともに取外し可能もしくは交換可能、または再利用可能もしくは使い捨てであるヘッドを示している。図15Dは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの代替変形例の斜視図であり、ヘッドと可撓性先端部が組み合わされた構成を含む代替の形状および構成を備え、洗浄および/または吸引貯留部とともに取外し可能もしくは交換可能、または再利用可能もしくは使い捨てである、ヘッドを示している。
【図16】図16は、キャップを取り外した状態の可撓性先端部の変形例の側面図である。
【図17】図17は、図16に示されるような可撓性先端部の変形例の正面図である。
【図18】図18は、窪んで偏心した洗浄および吸引ポートを有する可撓性先端部を示す、可撓性先端部の変形例の斜視図である。
【図19】図19は、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の断面の側面図であり、洗浄貯留部および吸引貯留部の両方、ならびに洗浄流チャネルおよび吸引流チャネルを含むヘッドを示しており、この構成は、単一の先端部またはノズルから同時に洗浄および吸引を可能にする一方で、洗浄液および吸引液の完全な分離を提供するように適合される。
【図20】図20は、図19に示されるような洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の断面の側面図であり、複数の洗浄および吸引ポートを含む可撓性先端部を示している。
【図21】図21は、洗浄および吸引デバイスを洗浄剤で充填するための種々の方法を示す、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の側面図である。
【図22】図22A〜22Cは、診断手段のための代替構成を含む洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例を示す部分切り取り概略図である。
【図23】図23は、デバイスの基部に担持される電源を示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り斜視図である。
【図24】図24は、デバイスが充電式電源を組み込む場合に、洗浄および吸引デバイスを充電するように適合される電源充電器の変形例の斜視図である。
【図25】図25は、ユーザに洗浄機能および吸引機能のいずれかまたは両方の制御を提供するように適合される制御部の変形例を示す、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の斜視図である。
【図26】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図27】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図28】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図29】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図30】図30は、洗浄および吸引デバイスの変形例とともに使用するために適合されるポンプおよびモータの変形例の分解図である。
【図31】図31は、図30に示されるようなポンプの断面図である。
【図32】図32は、図30に示されるようなポンプおよびモータの代替変形例の分解図である。
【図33】図33は、ユーザに洗浄機能の制御を提供するように適合される制御部の変形例を示す、図25に示されるヘッドと同様の洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の斜視図である。
【図34】図34Aは、洗浄機能の直接的または間接的なユーザ制御を提供するように適合される制御部の変形例を示し、インタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示す、図33に示される洗浄および吸引デバイスのヘッドの部分切り取り側面分解図である。図34Bは、洗浄機能のユーザ制御部からの力の伝達を提供するように適合される制御部の変形例を示す、図34Aに示される洗浄および吸引デバイスのヘッドの斜視図である。
【図35】図35Aおよび35Bは、種々の構成にある洗浄および吸引デバイスの変形例の概略図である。
【図36】図36は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分透視図である。
【図37】図37は、洗浄および吸引デバイスの吸引構成要素の変形例の切り取り図である。
【図38】図38は、洗浄および吸引デバイスの変形例の切り取り図である。
【図39】図39は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り図および部分概略図である。
【図40】図40は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り図および部分概略図である。
【図41】図41は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り図、部分透視図、および部分概略図である。
【図42】図42は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図43】図43は、遠隔構成要素を有する洗浄および吸引デバイスの変形例の概略図である。
【図44】図44は、二重ノズルを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の斜視図である。
【図45】図45は、患者の鼻腔および副鼻腔の断面における略上側からの解剖学的図であり、二重先端部を備え、鼻腔および副鼻腔を通して一方の先端部から洗浄し、他方の先端部から吸引している洗浄および吸引デバイスの変形例の使用を示している。
【図46】図46は、圧力発生および制御放出のためのトリガまたはハンドルを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図47】図47は、圧力発生および制御放出のための圧縮ガスを貯蔵するためのキャニスタを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図48】図48A〜49Bは、圧力発生および制御放出のためのベローズを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図49】図48A〜49Bは、圧力発生および制御放出のためのベローズを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本明細書の開示は、当業者が本発明を実施できるように詳細かつ正確であるが、本明細書に開示される物理的な実施形態は、他の特定の構造において具現化され得る本発明を単に例示しているに過ぎない。鼻腔および副鼻腔内に緩和をもたらすための鼻孔における使用に関連して好ましい実施形態を記載してきたが、特許請求の範囲によって規定される本発明から逸脱することなく詳細が変更され得る。さらに、本発明の特徴を具現化するデバイスおよび方法はまた、洗浄および吸引のいずれかまたは両方が有益であり得るいかなる部位または腔における使用のためにも適合可能であることを理解されたい。
【0048】
部位または腔を洗浄および/または吸引するために医師または操作者によって操作される洗浄および吸引デバイスを指す場合、用語「近位の」および「遠位の」は、デバイスが使用される際の操作者に対するデバイスの関係および配向を説明するために使用されてもよい。したがって、用語「近位の」は、使用中のデバイスの関係または配向が操作者に向かって(すなわち、デバイスのハンドルまたは基部の端部に)配置されることを説明するために使用され、用語「遠位の」は、使用中のデバイスの関係または配向が操作者から離れて(すなわち、ヘッドおよびノズルまたはカテーテル等、デバイスの他方の端部に)配置されることを説明するために使用される。
【0049】
吸引および吸引物という用語は、要素(例えば、吸引貯留部40および吸引物貯留部40)、ならびに/または機能性についての記述語として使用される場合、本明細書において交換可能に使用される。洗浄および洗浄剤という用語は、要素および/または機能性についての記述語として使用される場合、本明細書において交換可能に使用される。噴霧することおよび噴霧という用語は、要素および/または機能性についての記述語として使用される場合、本明細書において交換可能に使用される。
【0050】
本明細書に単数形として記載されるいずれの要素も、複数形になってもよい(すなわち、「1つの」と記載される全てのものが1つ以上であってもよい)。属の要素のいずれの種の要素も、その属のいかなる他の種の要素の特性または要素も有することができる。記載される構成、要素、または完全なアセンブリ、ならびに本発明を実行するための方法およびそれらの要素、そして本発明の側面の変形例は、いずれの組み合わせで互いと組み合わせられてもよく、また修正されてもよい。
【0051】
(I.鼻腔の解剖学的形態)
該デバイスおよび方法は、特に、鼻および副鼻腔の詰まり、ならびに考えられる様々な原因による関連症状を治療するために非常に好適である。この理由から、この関連において、該デバイスおよび方法について記載する。尚、開示されるデバイスおよび方法は、必ずしも鼻に関連しない身体の他の場所の他の症状の治療における使用にも適用可能であることを理解されたい。
【0052】
鼻は、呼吸器系において空気の経路のための開放部としての機能を果たす。図1および2に見られるように、鼻の上半分には骨支持が認められるのに対して、鼻翼を含む下半分の大半は軟骨である。部分的に骨性および軟骨性である鼻中隔が、鼻の穴を2つの鼻腔に分割する。鼻腔と連通する4つの副鼻腔である上顎洞、篩骨洞、前頭洞、および蝶形骨洞がある。
【0053】
鼻毛が成長する鼻孔内の領域は、前庭と称される。鼻腔のさらに奥は甲介である。鼻甲介は、鼻腔の壁にある棚状の突起である。これらの一番下の下鼻甲介には粘液腺が見られる。甲介の表面上には、粘液を外鼻孔に向けて移動させるために連続して波状に動く繊毛がある。鼻腔の一番上の部分は、嗅覚器が位置する領域である。
【0054】
鼻腔の機能は、吸い込まれた空気を清浄化すること、加熱すること、および湿潤させることを含む。吸入された空気は、主に中鼻道(下鼻甲介の上)を通過し、そこで60〜70パーセントの粉塵が除去され、空気が25〜35℃の温度および35〜80パーセントの湿度に変換される。
【0055】
鼻腔は粘膜に覆われている。上鼻甲介には嗅覚受容細胞が位置し、表面粘膜には多数の嗅繊毛が位置する。匂いの源となる微粒子が粘膜に溶解して繊毛を刺激し、それらを電気信号に変換する。信号は嗅球を通り、大脳新皮質の嗅覚中枢に到達し、匂いの知覚をもたらす。
【0056】
副鼻腔は、それらに通じる開口によって鼻腔とつながっているので、鼻腔から感染が広がり、副鼻腔の粘膜の炎症および腫脹(副鼻腔炎)、ならびに局部疼痛をもたらし得る。いくつかの副鼻腔に炎症が起こることもあり(全副鼻腔炎)、粘膜の腫脹が、鼻腔に通じる副鼻腔の1つ以上の開放部を閉塞させ得る。
【0057】
鼻および喉にいくらかの粘膜が存在することは普通だが、量が増加すると快適な呼吸の妨げとなる可能性があり、鼻をかむかまたは喉から痰を喀出する試みによって除去することができる。
【0058】
細菌感染の場合、既に閉塞している副鼻腔内に細菌が捕捉され、湿った、栄養分に富んだ環境で繁殖する。これらの場合、二次感染を治療するために抗生物質が効果的に使用されてもよいが、通常、元の原因の役には立たない。
【0059】
(II.洗浄および/または吸引デバイスの概要)
図3および4は、生物学的組織または流体の洗浄および/または吸引のための清浄デバイス2またはシステムを示す。デバイス2は、鼻前庭、鼻腔、口および/もしくは喉、耳、目、皮膚の襞、へそ、創傷、またはそれらの組み合わせ等の、腔または管腔または血管または襞を含む身体開口部の中あるいは上において使用することができる。デバイス2は、鼻孔、口(喉、食道、胃、および肺へのアクセスを含む)、外耳道、目、へそ、直腸、尿道、膣、または脂質もしくは脂肪の襞等の、腔または管腔または血管または襞を含む身体の自然開口部、創傷、手術器具(例えば、手術用ポート)、あるいはこれらの組み合わせに挿入することができる(全て、非限定的な例である)。
【0060】
例えば、デバイス2は、単独で、組み合わせて、連続して、または同時に鼻吸引および/または鼻洗浄を行うように構成することができる(図5を参照)。吸引は、吸込、すなわち、例えば、ポンプおよび/またはベンチュリ効果による真空圧または陰圧の生成を含んでもよい。デバイス2は、洗浄および吸引を1つずつおよび/または同時に行うように構成することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2はまた、洗浄機能と吸引機能とを分離(洗浄液と吸引液との分離を含む)するように構成されてもよい。洗浄作動は、吸引作動とは別個に制御されてもよい。洗浄剤の流れは、吸引物の流れと完全にまたは部分的に分離されてもよい。
【0061】
デバイス2は、様々な望ましい技術的特徴を備えている。図6に見られるように、デバイス2は、ヘッド14に取外し可能に取り付けられた本体4を含んでもよい。本体4およびヘッド14は両方とも、単回使用、再利用可能、交換可能、および/または使い捨てであってもよい。本体4およびヘッド14は、清潔ではあるが滅菌されずに、または滅菌されて、ユーザに提供されてもよい。本体4は、ケース5を備え、ケースの中および/または上に電源6、ポンプ8、モータ9、およびユーザ制御部10が示される。ポンプ8および/またはモータ9は、低い最大真空圧で持続的に高い流量を提供するように最適化されてもよい。シェル16、可撓性先端部18、キャップ20、診断手段22、障壁手段24、洗浄剤貯留部30、および吸引物貯留部40を含む、ヘッド14が示される。洗浄剤貯留部30および吸引物貯留部40を使い捨ておよび/または再利用可能なヘッド14に組み合わせることは、潜在的に汚染された流体の隔離を提供するのに役立つ。洗浄液32は、ヘッド14内に含有されてもよく、本体4に一切進入しなくてもよいか、または本体4およびヘッド14の両方に含有されてもよいか、または本体4のみに含有されてもよい。障壁24は、汚染された吸引物質42、すなわち流体が、本体4に進入するのを防止することができる。望ましい技術的特徴の各々については、後により詳細に記載する。
【0062】
デバイス2は、例えば、最長1秒、または1分、または0.5時間、または1時間、または2時間、または大体その程度の連続使用期間中に、流量制限を伴わずに、または最低限の流量制限を伴って、最大出力で、例えば、最大約20,000cc/分(1,220in3/分)、またはより狭い範囲では15,000cc/分(915in3/分)、またはより狭い範囲では10,000cc/分(610in3/分)、またはより狭い範囲では5,000cc/分(305in3/分)、または大体その程度の空気を吸引するように構成することができる。
【0063】
デバイス2は、例えば、最長0.5時間、または1時間、または2時間、または大体その程度の連続使用期間中に、流量制限を伴わずに、または最低限の流量制限を伴って、最大出力で、例えば、最大約200mmHg(3.86psi)、またはより狭い範囲では約120mmHg(2.32psi)、またはより狭い範囲では約80mmHg(1.55psi)、またはより狭い範囲では約50mmHg(0.966psi)、または大体その程度の吸引吸込を生じるように構成することができる。デバイス2は、例えば、使用可能な真空を100mmHgに制限するための安全機能として、真空制御弁128を含んでもよい。
【0064】
デバイス2は、流量制限を伴わずに、または最低限の流量制限を伴って、最大出力で、最大約3cc/分(0.183in3/分)、またはより狭い範囲では約1.5cc/分(0.092in3/分)、またはより狭い範囲では約0.5cc/分(0.031in3/分)、または大体その程度、洗浄剤32で洗浄するための自動洗浄のために構成することができる。
【0065】
デバイス2は、例えば、ピストンまたはプランジャまたはシリンジまたはポンプ11のストローク毎に、直接的または間接的のいずれかの押下または起動当たり、最大約1.0cc、またはより狭い範囲では0.5cc、またはより狭い範囲では0.25cc、または大体その程度を洗浄するための手動洗浄のために構成することができる。
【0066】
デバイス2は、最大出力で、約15ワット、またはより狭い範囲では約10ワット、またはより狭い範囲では約5ワット、または大体その程度を使用するように構成することができる。使用されるワット数は、通常、真空引きの量、すなわち、吸引中の空気の流れに対する制限の量に依存する。
【0067】
デバイス2は、最大出力で、約40db、またはより狭い範囲では約30db、またはより狭い範囲では約20db、または大体その程度のノイズレベルを発生させるように構成することができる。発生させられるノイズレベルの量は、通常、真空引きの量、すなわち、吸引中の空気の流れに対する制限の量に依存する。
【0068】
デバイス2は、携帯可能に構成することができる。例えば、デバイス2は、いずれの外部デバイス(例えば、壁もしくは床に取り付けられたコンセントまたは電源、圧力源、洗浄剤源、あるいは吸引物貯留部)にも取り付けられなくてもよい。デバイス2は、例えば、壁真空ポンプまたは携帯型真空ポンプに接続されるように構成することができる。
【0069】
デバイス2は、人間工学的および手持ち式に構成することができる。例えば、デバイス2は、約5.0kg(11lbs.)、またはより狭い範囲では約2.0kg(4.4lbs.)、またはより狭い範囲では約1.0kg(2.2lbs.)、例えば約0.45kg(1.0lbs.)、または大体それくらいの重量であってもよい。
【0070】
デバイス2は、例えば、約40cm(16in.)未満、より狭い範囲では約30cm(12in.)未満、さらにより狭い範囲では約25cm(10in.)未満の最大全高を有することができ、約21.5cm(8.5in.)および大体その程度の高さを含んでもよい。デバイス2は、例えば、約41cm(16in.)未満、より狭い範囲では約30cm(12in.)、さらにより狭い範囲では約25cm(10in.)未満の最大全幅を有することができ、約5cm(2in.)、または大体その程度の幅を含んでもよい。デバイス2は、例えば、約20cm(8in.)未満、より狭い範囲では約15cm(6in.)未満、さらにより狭い範囲では約10cm(4in.)未満の全体的な最大直径を有することができ、約9cm(3.5in.)、または大体その程度の幅を含んでもよい。
【0071】
デバイス2は、全体積を有することができる。例えば、デバイス2は、約400cc(24.5in3)、より狭い範囲では約300cc(18.3in3)、より狭い範囲では約200cc(12.2in3)、または大体その程度の体積を有することができる。
【0072】
デバイス2は、流体、例えば、水、生理食塩水、治療薬、生薬、ワクチン、診断薬、消毒薬、粉末を、任意の組み合わせで送達するために使用することができる。デバイス2は、上述した体腔または身体開口部領域のうちのいずれかに流体を送達するために使用することができる。
【0073】
(III.システムキット)
図7Aが示すように、すぐ上で説明した清浄デバイス2は、複数の部品からなる機能的キット(単数または複数)50における使用のために統合することができる。種々の構成要素は、必ずしも縮尺通りに表示されていないことを理解されたい。
【0074】
キット50は、種々の形態を採ることができる。図示した実施形態において、キット50は、個別パッケージ51、52、53、および54の集合を含む。パッケージの各々または1つ以上は、清潔なまたは滅菌された、梱包されたまたは袋入りのアセンブリを含んでもよい。パッケージのうちの1つ以上は、例えば、内容物を保持する、例えば、型抜きしたダンボール、プラスチックシート、または熱成形プラスチック材料でできた、内側トレーまたはカードを含んでもよい。キット50はまた、好ましくは、パッケージの内容物を使用して所望の手順を実行するための説明書または指示書58を含む。図7Aに示されるキットの内容物を使用する手順については、後により詳細に記載する。
【0075】
当然のことながら、使用説明書58は異なり得る。使用説明書58は、パッケージのうちの1つ以上に物理的に存在することができるが、別個に供給されてもよい。使用説明書58は、別個の取扱説明書、または録画もしくは録音で具現化することができる。使用説明書58はまた、インターネットのウェブページから入手可能であってもよい。
【0076】
(A.構成要素のパッケージ)
パッケージの構成および内容は異なり得る。例えば、図7Aに示されるように、キット50は、51、52、53、および54、ならびに説明書58を含む。これらのパッケージのうち51および52の2つが、記載されるような清浄デバイス2の主な構成要素を提供し、本体4はパッケージ51に、ヘッド14はパッケージ52に入っている。残りのパッケージ53および54は、含まれてもまたは含まれなくてもよく、デバイス2と関連して使用される付属構成要素(複数可)、例えば、パッケージ53内の洗浄液の容器56、およびパッケージ54内の充電器基部62に提供する。パッケージ52において、デバイス2のヘッド14に予め洗浄液32が充填されていてもよい。
【0077】
キット60(図7Bを参照)は、キット50の構成要素として含まれてもよいか、または独立したキットであってもよい。キット60は、所定の量の洗浄剤容器56を含んでもよく、例えば、キット60は、10個の洗浄剤容器56を含むように示されているが、これよりも多いかまたは少ない容器が含まれてもよい。使用説明書58はまた、洗浄剤貯留部30に洗浄剤32を補充するために、どのようにデバイス2および/または洗浄剤容器56を使用するかをユーザに指示するために提供されてもよい。可撓性先端部18の供給品も、キット内に提供されてもよい。
【0078】
キットの追加の構成もまた可能であることを理解されたい。例えば、キット(単数または複数)は、吸引された流体を検査するように適合される診断デバイスを対象とする追加の構成要素を包含してもよい。さらに、キット(単数または複数)は、非限定的な例として、非充電式デバイス、非電池式デバイス、および/または手動デバイスを含むデバイス2の変形例を包含してもよい。
【0079】
(IV.洗浄および吸引のための望ましい技術的特徴)
清浄デバイス2は、洗浄および吸引機能を含む、その普遍性を高めるための種々の技術的特徴を組み込むことができる。
【0080】
(A.手持ち)
(1.本体)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、ヘッド14に解放可能に連結された、再利用可能および/または使い捨ての人間工学的な本体4(例えば、ハンドル)を備えることができ、デバイス2は、ユーザが片手(右手または左手のいずれか)で使用および制御し易いように適合される。
【0081】
図6に見られるように、本体4は、電池および/または圧縮ガスの源等の、充電式または非充電式の電源6を包み込むことができる。本体4はまた、例えば、電源コード(図示せず)を介して外部電源に接続されてもよい。本体4は、例えば、壁の真空ポンプまたは携帯用真空ポンプ等の真空源に接続されるように構成することができる。本体4は、洗浄および/または吸引のための流体制御システムを有することができる。流体制御システムは、1つ以上のポンプ8および11を有することができる。流体制御システムは、駆動モータ9を有することができる。ポンプ8および/または11のためのいずれの手段も、手動で操作することができるか(例えば、圧搾、押すこと、および/もしくはトリガによる操作)、または自動で操作することができる(例えば、ACもしくはDC電動、圧縮ガス、保存エネルギー、ベンチュリポート)。いずれのポンプ8および/または11も、非限定的な例として、シリンジ、可撓性もしくは圧縮可能な構成要素、ピストンポンプ、ブロワ、タービン、送風機、リニアポンプ、回転翼ポンプ、遠心力ポンプ、往復ポンプ、ダイヤフラムポンプ、またはそれらの組み合わせであってもよいか、あるいはそれを有することができる。モータ9は、ポンプの一部であるかまたは別個の構成要素であってもよい。
【0082】
外ケース5および本体4の内側部分は、プラスチック、例えば、ABS、ポリカーボネート、またはそれらの組み合わせから作製することができる。外ケース5および本体4の内側部分は、射出成形によって、例えば、半片を射出成形して組み立てることによって作製することができる。図6に見られるように、外ケース5は、2つの半片を含むように示されるが、これよりも多いかまたは少ない部品が使用されてもよいことを理解されたい。
【0083】
本体4(および/またはヘッド14)は、本体4(および/またはヘッド14)の内側または外側に取付リングまたはシール66を有することができる。シール66は、インタフェース領域13の構成要素として、本体4とヘッド14との間に液密継手を提供するように構成することができる。図8A〜8Cに見られるように、シール66は、ベローズ68および経路70を含んでもよい。ベローズ68は、基部のポンプ11とヘッド14の洗浄剤貯留部30との間に液密継手を提供する。経路70は、吸引物貯留部40から障壁24を通る基部4のポンプ8までの流体、すなわち、空気の流れを可能にする。シール66は、洗浄および吸引システムならびに機能の分離を提供するように適合されてもよい。シール66は、基部4に作用させられる洗浄力がヘッドに伝達されるように適合されてもよく、シールは、基部4からの吸引圧が吸引貯留部40からガスを抜いて基部4に引き込むことを可能にするように適合されてもよい。
【0084】
図8Cに見られるように、ポンプ11の構成要素188は、直接的または間接的な力をベローズ68に印加するように構成されてもよい。この力は、次いで、洗浄剤貯留部30から洗浄剤を駆出するために、ヘッド14に並進させられてもよい。
【0085】
図9に見られるように、本体4は、片手で人間工学的に保持されるように構成することができる。本体4は、把時されたときに掌74および指76に適合する輪郭を有することができる。本体4は、グリップパッド78を含んでもよい。グリップパッド78は、軟質ゴム、金属、軟質プラスチック、または他の既知の材料を含んでもよく、本体4に取り付けられてもよいか、および/または一体化されてもよい。グリップパッド78は、スムーズであってもよく、それらは隆起もしくは粗面、またはそれらの組み合わせを有してもよい。グリップパッド78は、本体4の周囲に人間工学的に位置することができ、パッド78は、使用中に、ユーザ(例えば、ユーザの掌)が本体4に自然に圧力を印加する場所の全てまたはいくらかに位置するように構成することができる。
【0086】
本体4(および/またはヘッド14)は、種々の色を有することができ、透明、半透明、および/または不透明の材料であってもよい。本体4(および/またはヘッド14)はまた、例えば、操作目的のために、およびまたは/ユーザおよび/もしくは患者の楽しみのために、ライト等の表示形態を組み込んでもよい。本体4(および/またはヘッド14)は、ヘッド14の本体4への必要な噛み合わせのための「キー」または嵌合要素15を組み込んでもよい。コネクタ12(後に記載する)がこの特徴を提供してもよい。例えば、診断、状態、または指示の目的で、本体4はヘッド14と通信してもよく、ヘッド14は本体4と通信してもよい(例えば、本体4とヘッド14との間の電気通信)。
【0087】
デバイス2の(例えば、ポンプ、モータ、往復ソレノイド、圧電変換器等の可動部による)いかなる振動または動揺も抑制することができる。可動部は、軟質ゴムワッシャー等の緩衝器を使用して本体4またはヘッド14に取り付けることができる。過剰な圧力およびポンプの排気は、例えば、排出導管166に制限プレートを使用して抑えることができる。デバイス2の壁(例えば、ケース5およびシェル16)は厚くすることができ、層状および/または積層材料で作製することができる。デバイス2の壁は、さもなければ防音であってもよい。例えば、全ての支持力の和がいずれの所与の瞬間においてもゼロになるように、および/またはデバイス2が能動的な雑音消去を有することができるように、デバイス2の可動部は動的に平衡を保つことができる。モータ(例えば、ポンプの中にあるかまたはポンプに連結された)は平衡錘を有することができる。複数のモータは、動的力に対抗するように構成することができる。
【0088】
充填された洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40と、(後に記載するような)内蔵電源6を合わせると、デバイス2は、約5.0kg(11lbs.)、より狭い範囲では約2.0kg(4.4lbs.)、より狭い範囲では約1.0kg(2.2lbs.)、例えば約0.45kg(1.0lbs.)、または大体その程度の重量であってもよい。例えば、ユーザが、いつ洗浄剤32を交換/補充するか、および/もしくは吸引物42を空にするかを同定できるように、ならびに/またはデバイス2の清潔さおよび/もしくは動作を確認できるように、洗浄剤30および/または吸引物貯留部40は、半透明および/または透明であってもよい。
【0089】
(2.ヘッド)
1つの望ましい技術的特徴によれば、ヘッド14は、本体4に取外し可能に取り付けることができるか(図10Aおよび10Bを参照)、または一体化することができる。ヘッド14は、本体4に対して様々な角度で配置することができ、本体4に対して自由に関節運動および/または屈曲および/または枢動するように適合されてもよい。本体4へのヘッド14の接続は、ヘッド14が枢動してヘッド14の周辺から並進できるように、柔軟および可撓性であってもよい(これは、例示目的のために記載されているに過ぎず、複数の機械的解決が存在する)。ヘッド14は、(1つ以上の)コネクタ(複数可)12で本体4に取外し可能に取り付けることができる。ヘッド14は、コネクタ12がヘッド14を所定の位置に収めるまで本体4に押し付けられてもよい。コネクタ12は、非限定的な例として、ねじ、スナップ、圧入コネクタ、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0090】
洗浄および/または吸引システム、方法、ならびに機能は、本体4とヘッド14との間、および/または本体4およびヘッド14の部分を含む、インタフェース領域13を有してもよいかまたは含んでもよい。インタフェース領域は、例えば、ポンプを貯留部に、および/または真空圧を貯留部に、直接的または間接的に接続してもよい。インタフェース領域13は、洗浄および吸引システム、方法、ならびに機能の分離を提供するように適合されてもよい。
【0091】
インタフェース領域13は、例えば、力180が伝達され得る、洗浄剤の栓28および/もしくはベローズ68および/もしくは洗浄孔190等の非流体流領域または構成要素(複数可)を含むことができ、インタフェース領域13は、例えば、ガスが伝達され得る、経路70および/または吸引孔192等のガス流領域または構成要素(複数可)を含むことができる。インタフェース領域13は、例えば、いかなる汚染された流体による本体4の潜在的な汚染をも取り除くために、洗浄剤貯留部30および吸引物貯留部40がヘッド14内に格納されることを可能にするように、本体4からヘッド14が取り外されることを可能にすることができる。洗浄および/または吸引機能の部品(複数可)は、ヘッド14とともに取り外されてもよく、洗浄および/または吸引機能の残りの部分は、後に記載するように、本体4に取り付けられたままであってもよいか、または一体化されてもよい。インタフェース領域13はまた、ヘッド14と本体4の間の回転および並進を可能にし得る。
【0092】
図11A〜12に見られるように、ヘッド14は、シェル16および背部26を備えてもよい。可撓性ノズルまたはカテーテルまたは先端部18は、シェル16から遠位に突出してもよく、デバイス2が使用されていないときに、および/または診断目的のために、可撓性先端部18にまたはその中にまたはその上に配置されるキャップ20を含んでもよい。キャップ20は、パッケージから出して破ることのできる封を含んでもよく、最初の使用でその封は破られる。次いで、キャップ20は、可撓性先端部18の上または中に再度配置されてもよい。洗浄剤貯留部30および吸引貯留部40がシェル16内に示され、両方とも可撓性先端部18と流体連通していてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態において、障壁手段24は、ヘッド14および/または本体4に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、障壁手段24は、背部26の窪み27に隣接してまたはその中に配置されてもよい。例えば、障壁24は、疎水性フィルタ等のフィルタ、発泡体、スポンジ、または球形もしくは他の望ましい形状の綿等の他の材料、あるいは任意の組み合わせを含んでもよい。
【0094】
障壁手段24は、ヘッド14および背部26内における最適な使用のために適合される形状を有してもよい。そら豆型等の形状は、ヘッド14内の表面積の有効な使用を提供し、したがって、障壁手段が提供する抵抗の量を減少させるが、例えば、円形、四角形、三角形、変形可能、バッフル付き、不揃い等の他の直線的および非直線的な形状も可能である。いくつかの実施形態において、障壁手段24は、10ミクロンのフィルタ、より狭い範囲では8ミクロンフィルタ、より狭い範囲では約5ミクロンのフィルタ、または大体その程度を備えてもよい。障壁手段24は、ガス(すなわち、空気)は吸引物貯留部40から外に通過できるが、液体(すなわち、吸引液42)は吸引物貯留から外に通過できないように構成されてもよい。障壁手段は、使い捨てのヘッド14と本体4の間の吸引液42の分離を維持する。
【0095】
いくつかの実施形態において、障壁手段24は、本体14に進入することによってもたらされる吸引された流体42の抵抗を増加させるように、ヘッド14または本体4内に、羽根および/またはバッフルおよび/または細長い区画を含んでもよいかまたは備えてもよい(図13Aおよび13Bを参照)。羽根および/またはバッフルおよび/または細長い区画はまた、前述したような材料のうちのいずれかと組み合わされてもよい。
【0096】
洗浄剤の栓28は、背部26および/または洗浄剤貯留部30に隣接して、またはその中に配置されてもよい。前述したように、ヘッド14(および/または本体4)は、本体4とヘッド14との間に液密継手を提供するためのシール66を含むことができる。シール66内のベローズ68は、栓28と相互作用して、基部4内のポンプ11が洗浄剤貯留部30に圧力180を提供して、洗浄剤液32を放出または駆出することを可能にする。
【0097】
本体4と同じように、上述したヘッド14の構成要素は、不透明、透明および/または半透明であってもよく、また種々の色を有してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、洗浄剤32は種々の方法で駆出されてもい。例えば、いくつかの実施形態において、洗浄剤32は、ラックアンドピニオン構成を用いて駆出されてもよく、機械的利点を提供する。他の実施形態において、洗浄剤32は、直接的なリンケージを用いて駆出されてもよい。また他の実施形態において、ヘッド14の一部は、ユーザが洗浄貯留部30を圧搾して洗浄剤32を放出できるようにするための1つ以上の変形可能または可撓性セクション72を含んでもよい(図14を参照)。可撓性セクション72に圧力を印加して所望の洗浄圧を生じさせるために、ユーザは、図示するように、指または親指77を使用してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、洗浄剤貯留部30が空である時、および/または吸引物貯留部40が満杯である時、さもなければ、空にするまたは清浄する必要のあるときに、ヘッド14全体を本体4から取り外し、洗浄剤貯留部30により多くの洗浄剤32を収容する新しいヘッド14と交換することができる。
【0100】
図15A〜15Dは、ヘッド14の代替実施形態を示す。図15Aは、ヘッド14が、ヘッド14に取外し可能に取り付けられるように構成される洗浄貯留部カートリッジ30および/または吸引カートリッジ40を含む実施形態を示す。ヘッド14および/または洗浄貯留部カートリッジ30および/または吸引カートリッジ40は、ヘッドまたはカートリッジ上でそれらに取外し可能に取り付けることができるポート、フック、ラッチ、ペグ、またはそれらの組み合わせを有することができる。洗浄剤カートリッジ30が取り付けられていない時、カートリッジ容器が、洗浄剤カートリッジ30の構成と実質的に等しい空隙を画定する。
【0101】
洗浄剤貯留部カートリッジ30は、ヘッド14に係合することができる1つ以上のポート(図示せず)を有することができる。洗浄剤カートリッジ30がヘッド14内にないときに、例えば、接着されたアルミ箔によって、洗浄剤貯留部カートリッジ30上のポートが閉鎖されるかまたは覆われてもよい。例えば、ヘッド14は、(例えば、箔片またはシールを通って)洗浄剤貯留部カートリッジ30に貫通して洗浄剤貯留部カートリッジ30の内部と流体連通し、洗浄剤貯留部カートリッジ30を加圧するかもしくは減圧する、および/または洗浄剤貯留部カートリッジ30から洗浄剤を抜き取るように構成される、1つ以上の牙部または管を有することができる。
【0102】
第1の洗浄剤貯留部カートリッジ30が空であるときに、例えば、第1の洗浄剤貯留部カートリッジ30をヘッド14から取り外し、第2の洗浄剤貯留部カートリッジ30と交換することができる。
【0103】
図15Bは、可撓性先端部18がヘッド14および/またはヘッドのシェル16と一体化されてもよい、ヘッド14の実施形態を示す。シェルの一部である可撓性領域17は、先端部18と連結されてもよく、先端部18が屈曲することを可能にする。
【0104】
図15Cは、ヘッドが洗浄貯留部30および吸引貯留部40を隣り合わせに含むヘッド14の実施形態を示す。ヘッドは、カートリッジの構成により近い形状因子を備える。
【0105】
図15Dは、ヘッドが吸引貯留部40内に配置された洗浄貯留部30を含む、ヘッド14の実施形態を示す。ヘッド14は、単一ヘッド14および可撓性先端部18を含む形状因子を備える。
【0106】
洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40は、例えば、上述したようにカートリッジの形態等で、清浄または交換のために取り外すことができる。吸引物貯留部40は、取り外されてもよく、また後により詳細に記載するように、診断目的のために密封されてもよい。検査のための吸引液42へのアクセスを可能にするように、吸引物貯留部またはカートリッジ40へのアクセスが提供されてもよい。
【0107】
ヘッド14および/または洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40および/またはデバイス2は、例えば、手でおよび/または食器洗浄機の中で、洗うことができる。本体4および/またはデバイス2は、防水であってもよい。
【0108】
ヘッド14および/または洗浄剤30および/または吸引物貯留部40は、洗浄可能であってもよく、例えば、食器洗浄機使用可能(例えば、実質的に目立つ変形、劣化、または他の損傷なしに、少なくとも約50℃、またはより狭い範囲では少なくとも約75℃で、約15分間耐える能力、ならびに、水および典型的な食器洗浄機用洗剤への同様に長時間の暴露による実質的な劣化または他の実質的な損傷がないこと)であってもよい。
【0109】
(a.可撓性先端部)
可撓性先端部18(すなわち、ノズルまたはカテーテル)は、ヘッド14と一体化してもよいか、または図示するように、別個の取外し可能なおよび/もしくは交換可能なおよび/もしくは使い捨ての構成要素であってもよい。可撓性先端部18は、生体開口部または洗浄されるおよび/もしくは吸引される表面に隣接して設置されるか、またはそこに全体的にもしくは部分的に挿入されるように、望ましくサイズ決定および構成される。例えば、可撓性先端部18は、鼻孔内に全体的または部分的に適合するように構成することができ(図5Aを参照)、その可撓性は、デバイス2の運動および/または患者の運動を可能にする。可撓性先端部18は、先の尖った円錐状、丸みを帯びた円錐状、乳頭状、球根状、キノコの傘状、もしくはくびれた構成、またはそれらの組み合わせを有することができる。可撓性先端部18は、図示する可撓性の柄80および/またはOリング86等の密封手段を含んでもよい。
【0110】
例示的な実施形態において、図16は、球根状またはキノコの傘状の部分82を含むように可撓性先端部18の遠位部を構成することができることを示す。可撓性先端部18の遠位部は、膨らんでいてもよいか、またはくびれていてもよい。可撓性先端部18は、例えば、先端部18が身体の自然開口部に過剰に挿入されることを防止するために、遠位端部84の近位でより大きな半径を有することができる。
【0111】
図5Bに見られるように、先端部18は、洗浄および/または吸引部位(例えば、鼻孔)と陽圧密封を形成するように構成することができる。遠位撓性部82は、鼻孔との一時的な密封を提供し、洗浄(矢印32で表示)および吸引(矢印42で表示)の両方が、それぞれの洗浄チャネル36および吸引チャネル46を通して行われることを可能にする。
【0112】
先端部18は、玉継ぎ手と類似して、および/または入れ子式の管と同様に、洗浄および/または吸引部位を密封することができる。可撓性先端部18は、ヘッド14の縦軸の周囲で回転対称であってもよい。回転整列はシールの機能性と切り離すことができ、例えば、ユーザに1度以上の自由度を許容する。
【0113】
可撓性先端部18、および/またはヘッド14の全てもしくはいくらかは、シリコーンゴムもしくは発泡体等の柔軟な材料および/または薬剤および/または潤滑剤で作製するおよび/または覆うもしくはコーティングすることができる。可撓性先端部18、および/またはヘッド14の全てもしくはいくらか、すなわち、患者に接触する可能性のある構成要素は、取外し可能および/または交換可能および/または使い捨てであってもよい。可撓性先端部18は、例えば、異なる形状の鼻孔を密封することを許容するように、柔軟であってもよく、密封性を高めるための潤滑剤を含んでもよい。可撓性先端部18は、吸引の陰圧に対して変形しないよう、十分に剛性であってもよい。
【0114】
図17および18は、可撓性先端部18が、流体経路のための遠位端または面84を含むことを示す(例えば、洗浄および吸引のいずれかまたは両方のため)。遠位面84は、洗浄ポート34および吸引ポート44の両方を備えるように示される。吸引ポート44および洗浄ポート34は、可撓性先端部18の外側表面にあってもよいか、ならびに/または、吸引ポート44および/もしくは洗浄ポート34は、可撓性先端部18内に窪んでいてもよいことを理解されたい。また、代替実施形態において、可撓性先端部18は、1つ以上の洗浄ポート34および/または吸引ポート44を有することができることも理解されたい。
【0115】
図示するように、洗浄ポート34は、吸引ポート44に隣接して位置してもよい(図17を参照)。洗浄ポート34は、吸引ポート44によって完全にまたは部分的に囲まれてもよい(図18を参照)。吸引ポート44は、洗浄ポート34によって完全にまたは部分的に囲まれてもよい。
【0116】
(b.洗浄および洗浄剤貯留部)
図19に見られるように、洗浄剤貯留部30は、洗浄チャネル36を介して洗浄剤ポート34と直接流体連通しているように示される。代替実施形態において、ヘッド14は、1つ以上の洗浄ポート34を有することができる(図20を参照)。洗浄ポート34は、洗浄液32を分注するか、またはそうでなければ発射するように構成することができる。洗浄ポート34は、例えば、洗浄液32(例えば、液体状態にある)を噴霧するガスと混合することによって、および/または、洗浄液32に噴霧器88を通過させることによって、噴霧化された構成の洗浄液を分注するか、またはそうでなければ発射するように構成することができる。洗浄液32は、患者にさらなる快適性を提供するように、体温またはその付近の温度で洗浄液32を提供するために加熱する(例えば、電源6を介して電気的に加熱する)されてもよい。
【0117】
可撓性先端部18は、撓性の柄80を含むように示される。柄80(および可撓性先端部18)は、洗浄チャネル36を備えてもよい。洗浄チャネル36はまた、洗浄剤貯留部30の構成要素であってもよいか、または別個の構成要素であってもよいか、またはいずれの組み合わせであってもよい。可撓性先端部の柄80は、洗浄剤貯留部ポート35を介して洗浄剤貯留部30と流体連通するように配置されてもよい。
【0118】
洗浄チャネル36は、洗浄チャネルの直径38を有することができる。洗浄チャネルの直径38は、洗浄チャネル36の最小内径であってもよい。洗浄チャネルの直径38は、約1cm(0.4in.)未満、より狭い範囲では約2mm(0.8in.)未満、例えば、約0.7mm(0.03in.)、または大体その程度であってもよい。
【0119】
洗浄チャネル36は、洗浄チャネルのライニング136を有することができる。洗浄チャネルのライニング136は、能動的(例えば、電気活性ポリマースキン等、可動であってもよい)または受動的(例えば、チャネルのライニング136の形状によって)に、洗浄剤32が流出する流れを集中させることができる。洗浄チャネルのライニング136は、洗浄チャネル36にベンチュリ138を形成することができる。洗浄チャネルのライニング136は、洗浄チャネル36と一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けることができる。
【0120】
使用において、ポンプ11およびユーザ制御部10(後により詳細に記載される)等を介して、洗浄剤貯留部30に隣接する、および/または連結される可撓性洗浄プラグ28に力が印加されてもよい。その力が洗浄剤の圧力39を生じさせ、洗浄剤32が、洗浄チャネル36を通って洗浄ポート34から出て、所望の鼻腔内に流れるようにする。
【0121】
洗浄剤貯留部30は、多様な形状を備えてもよく、ヘッド14および/または本体4に一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けることができる。洗浄剤貯留部30は、洗浄剤32を保持することができる。洗浄剤貯留部30は、交換可能なカートリッジまたはアンプルであってもよい。洗浄剤貯留部30は、圧縮ガスおよび洗浄剤32を含むことができる。洗浄剤貯留部30は、取外し可能、使い捨て、交換可能、再利用可能、またはそれらの組み合わせであってもよい。洗浄剤貯留部30は、洗浄剤32で予め充填されてもよいか、または洗浄剤32の全てもしくは構成成分(例えば、水)を加える準備ができていてもよい。洗浄剤貯留部30は、複数の副貯留部に分割することができる。例えば、一方の副貯留部は塩を有することができ、別の洗浄剤貯留部は水を有することができる。洗浄剤が分注されると、副貯留部の内容物が混合することができる(例えば、生理食塩水を作製する)。
【0122】
洗浄剤貯留部30は、吸引物貯留部40と同じ体積、それよりも大きい体積、またはそれよりも小さい体積であってもよい。例えば、吸引物貯留部40の体積は、洗浄剤貯留部30の体積よりも約100倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約20倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約7倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約3倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約1.5倍以下の大きさであり得、例えば、吸引物貯留部40の体積は、洗浄剤貯留部30の体積の約1.25倍であってもよい。洗浄剤貯留部30の体積は、例えば、約10mL、またはより狭い範囲では約5mL、またはより狭い範囲では約3mL、または大体その程度であってもよい。
【0123】
洗浄剤貯留部30は、第1の色(例えば、青)であってもよく、吸引物貯留部40は、第1または第2の色(例えば、黄色または赤)であってもよい。洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40は、透明、半透明、または不透明であってもよい。洗浄剤貯留部30は、吸引物貯留部40とは異なる構成でヘッド14内に設置されてもよい。例えば、洗浄剤貯留部30、吸引物貯留部40、およびヘッド14の残りの部分は、吸引物貯留部30の代わりに洗浄剤貯留部30をヘッド14に挿入すること、および/またはその逆ができないように構成することができる。
【0124】
洗浄液または洗浄剤32は、水、生理食塩水、亜鉛溶液(例えば、硫酸亜鉛溶液)、アルコール、麻酔薬、鎮痛薬、解熱薬、非ステロイド性抗炎症薬等の抗炎症薬(例えば、イブプロフェン、アスピリン、サリチル酸、COX02阻害剤、COX−3阻害剤)、アセトアミノフェン、ワクチン(例えば、弱毒化生インフルエンザワクチン、FLUMIST(R))、抗ヒスタミン剤(例えば、塩酸アゼラスチン)、コルチコステロイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン)、局所充血除去剤(塩酸オキシメタゾリン)、ビタミン(例えば、ビタミンC、アスコルビン酸)、ニコチン、他の治療または診断用薬、またはそれらの組み合わせを有することができるか、またはそれであり得る。
【0125】
洗浄剤32は、噴霧ガスおよび/または噴霧器88と組み合わせることができる。先端部18は、洗浄剤32を噴霧するように構成されてもよい。噴霧ガスは、空気、二酸化炭素、酸素、窒素、亜酸化窒素、別の麻酔薬、またはそれらの組み合わせを有することができるか、またはそれであり得る。
【0126】
噴霧された洗浄剤32は、先端部18から出るときに、約0.1マイクロメータ(0.004mil)〜約100マイクロメータ(4mil)の直径を有する粒子を含むことができる。噴霧された洗浄剤32の粒子は、高移動度を有することができ、標的部位、組織、および流体を実質的に均一に被覆および/または付着し、それらと相互作用することができる。
【0127】
ヘッド14(例えば、および/または制御部10および/またはポンプ11)は、洗浄剤32の種々の流れ特性を提供するように構成されてもよい。例えば、デバイス2は、大量の流水(例えば、途切れのないもしくは非中空の流れ、またはシャワー状もしくは実質的に円柱形の流れ)、および/または噴霧、および/または円錐(例えば、中空または非中空の円錐形の流れ)の洗浄特性を呈するように構成することができる。流れ特性は、自動または手動で調整することができる。洗浄特性を変更するために、可撓性先端部18またはヘッド14を異なる構成の先端部18またはヘッド14と手で交換することができる。
【0128】
洗浄剤32は、噴霧ガスと混合することなく、または噴霧器88を通過することなく、1つ以上の噴霧化されていない大量の流水または絶え間ない流れまたは流れとして送達することができる。例えば、デバイス2は、噴霧ガスまたは噴霧領域または他の噴霧化要素を有さなくてもよい。
【0129】
図21は、洗浄剤32を補充できることを示す。洗浄剤貯留部30は、洗浄剤貯留部30の壁に対する洗浄剤貯留部シール140を有することができる。例えば、洗浄剤貯留部シール140はプラスチックであってもよい。洗浄剤貯留部シール140は、セルフシールであってもよいか、および/または開閉するために手動制御されてもよい。
【0130】
外部洗浄剤容器56は、新鮮な洗浄剤32を有することができる。洗浄剤容器56は、洗浄剤貯留部シール140および/または洗浄ポート34を介して洗浄剤貯留部30内に挿入されるように構成される容器注入口57を有することができる。洗浄剤容器56は、矢印で示されるように、洗浄剤貯留部シール154またはポート34内に前進させることができる。次いで、例えば、洗浄剤容器56を圧搾することによって、および/または洗浄剤容器56上の圧力解放ポート(図示せず)を開放することによって、洗浄剤容器56の内容物を洗浄剤貯留部30内に入れることができる。次いで、洗浄剤容器56中の洗浄剤32および圧縮ガスを洗浄剤貯留部30に移動させることができる。次いで、洗浄剤貯留部シール154またはポート34から洗浄剤容器56を取り外すことができ、洗浄剤貯留部シール140が閉鎖することができる。
【0131】
(c.吸引および吸引物貯留部)
上述した洗浄および吸引、ならびに洗浄貯留部30および吸引貯留部40のこれらの特徴に加えて、吸引貯留部および吸引機能は追加の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態において、吸引貯留部40は、吸引チャネル46を介して吸引ポート44と直接流体連通してもよい(図19を参照)。
【0132】
前述したように、可撓性先端部18は、柄80を含むように示される。柄80(および可撓性先端部18)は、洗浄チャネル36および/または吸引チャネル46を備えてもよい。吸引チャネル46は、吸引物貯留部40、ヘッド14の構成要素であってもよいか、または別個の構成要素であってもよいか、または任意の組み合わせであってもよい。可撓性先端部18の柄80は、吸引物貯留部ポート45を介して吸引物貯留部40と流体連通するように配置されてもよい。
【0133】
吸引チャネル46は、吸引物チャネルの直径48を有することができる。吸引物チャネルの直径48は、吸引物チャネル46の最小内径であってもよい。吸引物チャネルの直径48は、約1cm(0.4in.)未満、より狭い範囲では約5mm(0.2in.)未満、例えば、約3mm(0.12in.)、または大体その程度であってもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、吸引ポート44は、吸引チャネル46または貯留部40からの吸引物42の逆流を実質的にまたは完全に防止するように構成される、流入のための流入逆止(すなわち、一方向)弁130を有することができる。流入逆止弁130は、ボール弁、スイング弁、クラッパー弁、アンブレラ弁、二重逆止弁、ダックビル弁、またはそれらの組み合わせであってもよいか、またはそれを有することができる。流入逆止弁130は、吸引ポート44および/または吸引チャネル46および/または吸引物貯留部40に一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けられてもよい。
【0135】
吸引物貯留部40は、様々な形状を備えてもよく、デバイス2の残りの部分に一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けられてもよい。吸引物貯留部40は、吸引物42を保持することができる。吸引物貯留部40は、交換可能なカートリッジまたはアンプルであってもよい。吸引物貯留部40は、圧力、例えば、真空を備えてもよい。吸引物貯留部40は、取外し可能、使い捨て、交換可能、再利用可能、またはそれらの組み合わせであってもよい。吸引物貯留部40は、複数の副貯留部に分割することができる。いくつかの実施形態において、羽根および/またはバッフルは、粘液の流れは阻止するが、空気の流れは許容する障壁手段24を提供するために、複数の副貯留部を作製するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の副貯留部は、診断手段22に所望の粘液サンプルを提供するように使用されてもよい。
【0136】
使用において、制御部10(後により詳細に記載する)を介して吸引貯留部40に圧力(すなわち、真空)が印加される。真空は、吸引物に対して陰圧を生じ、矢印で示されるように、吸引物42が、治療領域から吸引ポート44を通って、吸引チャネル46を通り、吸引貯留部40内に流れ込み、そこに集まる。前述したように、障壁24は、ガス交換(すなわち、空気)の経路は許容するが、液体(例えば、洗浄液および粘液)の経路は除外するように構成され、本体4からの吸引物42の分離を維持する。
【0137】
(d.診断)
伝染病管理への関心が高まるにつれて、手を触れずに検体を収集および分析する能力がこれまで以上に重要となる。デバイス2は、この重要な機能を提供するように適合されてもよい。例えば、ヘッド14および/または本体4に埋め込まれた診断手段22(例えば、検出プラットフォーム)への鼻検体の送達は、以下を含むがこれらに限定されない様々なプラットフォームを組み込んでもよい。
1)呼吸器ウイルス検出(例えば、RSV、インフルエンザ)のために現在一般的に使用されているような、側方流動免疫クロマトグラフィーアッセイ
2)接触点を介してヘッド14に提供される電源6等の電力源に曝露されると、例えば、それら自体が、例えば、ウイルス、細菌、および真菌における遺伝物質の標識となり得る生体分子マーカーをその場で生成する、電気化学的検出用マイクロアレイチップ。それはまた、アッセイからおよび/またはアッセイ上で直接読むことができる電気信号を発生させるための酵素反応を使用することにも関与してもよい。代替として、ヘッド14における生体識別のために、適切な電気的/測光仕様の別個のリーダードックが使用されてもよい。リーダードックは、独立したデバイスを備えることができるか、または、例えば、充電基部62内に組み込まれてもよい。
3)分子ビームによる蛍光プローブ技術を用いたリアルタイム検出を組み込んだ核酸配列ベース増幅(NASBA)と組み合わせたマイクロ流体tmRNA精製。これは、チップに含浸させてもよく、電源が必要な場合は、例えば、接点を介して、電源6がヘッド14に電力を提供してもよい。さらに、例えば、ヘッド14または本体4上の別個の「ラボ起動」ボタンによって起動する接点がヘッド14に存在してもよい。
4)「バイオセンサ」技術はまた、ヘッド14内に埋め込まれてもよいか、標的生体に対する1つまたは数個の抗体で被覆された遺伝子プレートを備えてもよい。試薬、および生体を収容する検体と組み合わされ、次いで光に曝露されると、生体を検出するための外的な源が必要ないように、可視的な色の変化をもたらす。
5)例えば、チップおよび/もしくはストリップおよび/もしくは遺伝子プレート上に、ならびに/または化学物質を用いて、生体検出または化学分析を提供する他の既知のまたはさらに開発されたバイオアッセイが、研究室における手を触れない検体操作のためにヘッド14および/または本体4に設置されてもよい。
【0138】
これらの検体の上記検出プラットフォームへの送達は、望ましくは手による操作を必要とせず、代わりに、次いで、適切な送達のための正確な位置で検査プラットフォームと連通してもよい感圧トラップ/ポータル内に検体を誘導するための圧力手段、例えばデバイスのポンプを用いて、必要とされる正確な量で送達されてもよい。これらの動作またはプロセスは、例えば、ヘッドが特定の位置にある場合、および/またはノズルが完全に閉塞した場合にのみ起こってもよい。
【0139】
代替として、収集チャンバが穏やかに撹拌され、それによって小さなチャンバ内が検査プラットフォームに提示されるべき所定の必要なアリコートで充填される手動手段によって、検査プラットフォームに検体を送達することができる。この最終送達は、ヘッド14の側面上の可撓性部分、例えば「ブリスター」、および/またはばね負荷ピストン、および/またはボタンを押し下げるかまたは押し出すことによって開始されてもよく、次いで、それまで閉鎖されていたアリコートチャンバから検査プラットフォームへの流体連通を開放し、手を触れないピペット操作を提供する。
【0140】
代替として、検体は、単純に、収集チャンバの残りの部分に開放される所定の小さなチャンバ内を充填することもできる。検査プラットフォームの一部は、この小さなチャンバ内に延在してもよいが、検査プラットフォームの残りの部分は、例えば、ポリプロピレンの壁によって密封および分離されてもよい。次いで、検体は、ウィッキング、例えば、側方流動免疫クロマトグラフィー、毛細管現象、例えばマイクロ流体の毛細管現象、電荷、および/または非限定的な例として、ブリスターの破壊点による分離壁の開放、膜、もしくはシールによって、検査プラットフォームの残り部分に移動してもよい。
【0141】
診断手段22を含むデバイス2は、病院および診療所での使用、ならびに家庭での自己診断に非常に適している。診断手段22を含むデバイス2は、医療においてあらゆる種類の微生物を検出するために、戦争において兵器化された細菌、物質、およびウイルスのために、救急サービスにおいて、空港等の混雑した旅行の現場において感染した旅行者を検出するために、ならびに学校および保育所で感染した生徒を特定するために使用されてもよい。診断手段22を含むデバイス2はまた、採取した検体から代謝パネル、グルコース、インスリンレベル、薬物レベル、b型ナトリウム利尿ペプチド、d−二量体、およびCRP等の臨床値を検出する検査プラットフォームを収容してもよい。
【0142】
使用(すなわち、吸引)後、ヘッド14および/または吸引物貯留部40は、洗浄剤および粘液(すなわち、吸引液42)等の汚染された流体を含有してもよい。次いで、洗浄剤貯留部30および/もしくは吸引物貯留部40、ならびに/またはヘッド14全体、またはヘッド14もしくは本体4の他の構成要素が、例えば、損傷、障害、疾患、症候群、感染症および/もしくはウイルス等の疾病または病状について、汚染された液体を検査および/または評価するための診断デバイスとして、使用されてもよいか、ならびに/あるいは使用のために取り外されてもよい。取り外す場合は、取り外された構成要素(複数可)は、二次汚染を避けるために密封されてもよい。実験者が検査される流体42にアクセスすることを可能にするためのアクセスが提供されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、ヘッド14および/または吸引物貯留部40は、例えば、非限定的な例として、前述したような、またはあらゆる組み合わせの、診断手段22を含んでもよい(図22A〜22Cを参照)。診断手段は、ヘッド14、もしくは吸引物貯留部40、もしくは本体4に埋め込まれてもよいか、またはさらなる検査および/もしくは評価のための取外し可能な構成要素であってもよい。診断手段22は、即時に結果を提供してもよいか、またはヘッド14および/もしくは診断手段22が、さらなる行為のために研究室に送られてもよい。
【0144】
診断手段22は、検査プラットフォームまたは分析システム90、例えば、検査紙を用いた側方流動分析システム(すなわち、免疫クロマトグラフィー)、および/もしくはマイクロ統合分析システム(すなわち、ラボチップ)等を備えてもよく、ポンプならびに弁、または流量計および粘土計センサ等の機械的な流量制御デバイスを含むマイクロ流体工学を組み込んでもよい。ラボチップは、例えば、ガラス、シリコーン、セラミック、または金属でできていてもよい。
【0145】
デバイス2および診断手段22は、吸引機能を使用して、デバイス2を用いた鼻吸引までの検査プロセスを削減することにより、手を触れない検体採取を簡素化して提供してもよく、所定量の吸引された流体サンプル42を診断手段22に提示する。一旦サンプル42(例えば、ヘッド14内にある)がデバイス2に提示されると、手動(例えば、圧力を印加する)または自動(例えば、ソレノイドで駆動させる)のいずれかによって、サンプルが診断手段22に提示されてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、流体サンプル42をチャンバ92に引き込むためにヘッド14(またはデバイス2)を振盪することによって、あるいは吸引液サンプル42をチャンバ92内に引き込む閉塞引込を引き起こすために、キャップ20または指76で可撓性先端部18に蓋をして吸引機能を再び作動させることによって、サンプル42がサンプル収集ウェルまたは毛細管またはチャンバ92内に引き込まれてもよい。一旦サンプルがチャンバ92内に入ると、分析システム90による検査のために使用可能であってもよい。チャンバは、分析システム90に所定量の流体サンプル42を提供してもよい。
【0146】
一旦チャンバ92内に入ると、次いで、所定量のサンプル42が分析システム90に自動的に提示されてもよいか、または、サンプルが分析システム90の中および/または上に進入できるようにするために、例えば、ブリスター94を手動で押し上げること、もしくはボタンを押すこと、もしくはヘッド14の側面上のスイッチの運動等の動作が必要であってもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、診断手段22と流体連通する1つ以上のチャンバが存在してもよく、その構成およびサンプル収集チャンバ92との連通により、所定の検査サンプルサイズの引き込みが可能となる。検査サンプルは、次いで分析システム90に送達されるアリコートを形成するように、チャンバのうちの1つ以上からの試薬と組み合わせてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、診断手段22は、次いで、検査(複数可)の結果(複数可)を表示および/または提示してもよい。例えば、結果は、診断手段22および/もしくはヘッド14の上またはその中のインジケータ95の色の変化として表示されてもよいか、あるいは試験紙片96が、診断手段から除去されてもよいか、または、例えば、ヘッド14および/もしくは吸引貯留部40の中で可視であってもよい。診断手段22に電力を提供するために電気接点97が含まれてもよい。
【0149】
診断手段22は、A型およびB型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、アデノウイルス、レジオネラ、CNV、EBV、A群β溶血性連鎖球菌感染症、肺炎球菌、髄膜炎菌、マイコプラズマ、黄色ブドウ球菌、マラリア、HIV、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、天然痘、炭疽菌、ボツリヌス毒素、リシン、エボラ、狂犬病、ブルセラ症、(疫病)ペスト菌、コクシエラ・バーネッティ(Q熱)、T2マイコトキシン、フランシセラ・ツラレンシス(野兎病)、ウイルス性ウマ脳炎、ウイルス性出血熱、およびバークホルデリア・マレイ(鼻疽)を含むが、これらに限定されない微生物学的検査に適応してもよい。
【0150】
診断手段22は、アンフェタミン、コカイン、オピエート、フェンシクリジン、テトラヒドロカンナビノール、アセトアミノフェン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、メタドン、プロポキシフェン、三環系抗うつ薬、カルシウムチャネル遮断薬、エチルアルコール、エチレングリコール、ケトン、グルコース、血糖降下薬、サイトカイン、インターロイキン、インスリン、ヘモグロビンA1C、電解質、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(妊娠検査)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、T3血液検査、T4血液検査、C反応性タンパク質(CRP)、および赤血球沈降速度(ESR)を含むが、これらに限定されない毒性検査および/または化学的検査に適応してもよい。
【0151】
診断手段22は、例えば、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応検査ならびに/または、ウイルス、細菌、および癌に対する免疫アッセイを含んでもよい。
【0152】
(B.電源)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、電源6を有することができる。図23は、コンパートメント、例えば、本体4内の電源コンパートメント内に、電源6を完全にまたは部分的に格納できることを示す。電源6は、非限定的な例として、電気的な電源(例えば、電池もしくはコンデンサ)、および/または機械的な電源(例えば、エネルギー保存のための弾み車もしくはばね)、および/または圧縮ガス(例えば、圧縮ガスのキャニスタ)を備えてもよい。いくつかの実施形態において、電源6は、充電式電源である。充電式電源は、取り外し不可能であってもよいか(すなわち、デバイス2が電源充電器62の上もしくは中に設置される)、または充電式電源は、充電および/もしくは交換するために取り外されてもよい。
【0153】
充電器62および/または基部4は、例えば、充電のためにデバイス2を電気的および/または機械的に充電器と連結できるように、直接的な、または密封された、または誘導性の連結領域98、99をそれぞれ含んでもよい(図23および24を参照)。充電器62はまた、充電式デバイスであってもよいか、および/または充電器は、外的電力供給源(例えば、120VACの壁コンセント)に連結されてもよい。充電器62は、非限定的な例として、電源が入っていること、充電中であること、および充電済であること等の表示を提供するために、照明源またはライト100(例えば、LED)を含んでもよく、表面、例えば、机もしくはカウンターの上に設置されてもよいか、または壁に取り付けられてもよい。前述したように、充電器62は、診断手段22の一部として、ヘッド14における生体識別のために使用されてもよい適切な電気的/測光仕様のリーダードックを組み込んでもよい。代替として、リーダードックは、独立したデバイスを備えてもよいか、および/または充電器62から電力を取ってもよい。
【0154】
代替実施形態において、電源6は、1つ以上の非充電式の電気セル(例えば、1つ以上の電池)、例えば、非限定的な例として、直列の単三アルカリ電池4つを含んでもよい。
【0155】
いくつかの実施形態において、電源6は、リチウムイオン電源を含んでもよく、約7.4ボルトで、約100mAh、または約500mAh、または約750mAh、または約1000mAh、または大体その程度を供給するように構成されてもよいが、当業者は、電源6は、幅広い電圧および電気容量を供給するように構成されてもよいことを理解されたい。電源6は、望ましくは、多くのまたはほとんどの用途のために、例えば、5分、もしくは15分、もしくは30分、もしくは1時間、もしくは1日、もしくは1週間、もしくは1ヶ月、もしくは1年に1回よりも低い頻度の充電および/または電源交換での操作を可能にするために十分な電気容量を保有する。電源6はまた、外部電力供給源(例えば、120VACの壁の電気コンセント)に接続するように構成することができる。
【0156】
電源コンパートメントは、電源コンパートメントのドア(図示せず)を通って本体4の外側からアクセス可能であってもよい。電源コンパートメントのドアは、本体4に取外し可能に取り付けることができる。電源コンパートメントのドアは、本体4に蝶番で取り付けることができる。
【0157】
電源6は、非限定的な例として、電源が入っていること、電力供給容量、ならびに洗浄および/または吸引機能が作動しているか等の表示を提供するために、照明源またはライト102(例えば、LED)に電気的に連結されてもよい。
【0158】
(C.デバイス制御部)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、複数の機能を提供するように構成することができる制御部10を有することができる(図25を参照)。制御部は、ボタン、スイッチ、トリガ、レバー、電気回路、これらのうちのいずれかの間の相互作用を含んでもよく、非限定的な例として、マイクロプロセッサ制御部110を含んでもよい。制御部10は、ユーザ誘導型のおよび/または自動的なデバイス2の作動を可能にすることができる。例えば、デバイス2は、洗浄および/または吸引される領域、例えば、鼻孔との接触によって作動されてもよい。制御部10は、非限定的な例として、二重機能スイッチ、または1つ以上の多機能スイッチ、または1つ以上の単機能スイッチ、またはこれらの組み合わせに連結することができる。スイッチ(複数可)112は、ボタン、ロッカー、トグル、トリガ、または他の既知の構成および組み合わせを備えてもよく、本体4および/もしくはヘッド14、またはそれらの組み合わせに取り付けられてもよいか、または一体化されてもよい。
【0159】
制御部10は、直接的または間接的のいずれかで、手動(例えば、ユーザ誘導型)または自動で(例えば、電気的に、空気圧によって、保存エネルギー)、洗浄および/または吸引機能を作動させる、および/または電力を供給する、および/または他の方法で制御することができる。制御部10は、洗浄および/または吸引の可変制御を提供するように適合されてもよく、洗浄および/または吸引に調整可能な遅延等の遅延を提供する能力を含んでもよい。スイッチ112を含む制御部10は、単純であってもよく、直感的に使うことができる。
【0160】
制御部10(または他の要素)は、電子機器(例えば、ポンプ8、モータ9、および/もしくはマイクロプロセッサ110)、弁、手動ポンプ、またはそれらの任意の組み合わせを起動するために、電源6から電力を伝送するために使用することができる。制御部10は、1つ以上のボタン112から入力を受信するように構成することができる。
【0161】
図26〜29は、デバイス2の使用法の例示的な実施形態を示す。図に見られるように、制御部10は、第1の入力、例えば、ボタン112の押圧による並進114をもたらすことができる。制御部10は、第2の入力、例えば、第1の入力とは異なるスイッチ112の押圧による並進116をもたらすことができる。第1の入力は、洗浄、例えば、洗浄剤がヘッド14から手動で放出されたかどうか、ならびに/または洗浄流の頻度および/もしくは体積を制御することができる。第2の入力は、吸引、例えば、吸引がオンもしくはオフであるかどうか、および/または圧力の強度、および/または吸引の流速を制御することができる。
【0162】
代替実施形態において、制御部10は、第1の入力、例えば、ボタン112の押圧による並進114を受けることができる。制御部10は、第2の入力、例えば、第1の入力とは異なるボタン112の押圧による並進116を受けることができる。第1の入力は、洗浄、例えば、洗浄剤がヘッド14から自動的に放出されたかどうか(すなわち、オンもしくはオフ)、および/または圧力の強度、および/または洗浄剤の流速、および/または洗浄剤の流れの頻度を制御することができる。第2の入力は、吸引、例えば、吸引がオンもしくはオフであるかどうか、および/または圧力の強度、および/または吸引の流速を制御することができる。
【0163】
図26は、ユーザが、片手で人間工学的に本体4を保持できることを示す。ユーザは、指76または親指77を、例えば、ボタン112上に載置することができ、1本の指(すなわち、指76または親指77)によるボタン112の操作を可能にする。掌74および/または他の指76は、グリップパッド78上に実質的にまたは完全に載置することができる。
【0164】
例として、図27は、矢印114で示されるように、親指77が、ボタン112の第1の部分を押圧することができることを示す。ボタンの押圧114は、押圧116によって制御されない、洗浄および/または吸引の一方を制御することができる。図示するように、例えば、ボタン112を押圧することにより、デバイス2を作動させて、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達をもたらす圧力を形成することができる。ボタン112の押圧114を解除することにより、加圧された流体の送達を停止することができる。ボタン112が押圧される114内側への距離は、吸引もしくは洗浄の圧力および/または体積と直接的または間接的に相関し得る。
【0165】
例として、図28は、矢印116で示されるように、親指77がボタン112の第2の部分を押圧することができることを示す。ボタン112の押圧116は、洗浄および/または吸引を制御することができる。図示するように、例えば、ボタン112を押圧することにより、デバイス2を作動させて、矢印120で示されるように、吸引物の流れ120をもたらす吸込を形成することができる。ボタン112の押圧116を解除することにより、吸込および吸引物の流れを停止させることができる。スイッチ112が押圧される116内側への距離は、吸引もしくは洗浄の圧力および/または体積と直接的または間接的に相関してもよい。
【0166】
例として、図29は、ボタン112の第1の部分および第2の部分を同時に押下するために、矢印114および矢印116で示されるように、親指77が、ボタン112の第1の部分および第2の部分の両方を押圧することができることを示す。ボタン112の第1の部分の押圧114およびボタン112の第2の部分の押圧116を同時に行うことにより、デバイス2を作動させて、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達を形成し、同時に、吸引物の流れ120を引き起こす吸込をもたらすことができる。
【0167】
代替として、114および116の間、または116および114の間を前後に揺動することによって、親指77は、ボタン112の第1の部分と第2の部分を交互に押圧することができる。揺動運動によりボタン112の第1の部分を押圧114し、ボタン112の第2の部分の押圧116することにより、デバイス2を作動させて、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達を形成し、次いで、段階的に吸引物の流れ120を引き起こす吸込をもたらすことができる。
【0168】
図25に示される例示的な実施形態において、ボタン112は、例えばポンプ8を介して、吸引チャネル46内の圧力(すなわち、吸引圧)を制御するように構成される第1のスイッチ122を備えることができる。第1のスイッチ122は、吸引がオンもしくはオフであるかどうか、および/または圧力の強度、および/または吸引の流速を含む吸引機能の制御のために適合される可変スイッチを備えてもよい。ボタン112は、洗浄剤貯留部30および洗浄チャネル36に、直接的または間接的のいずれかで圧力を送達するために第2のポンプ11を手動で作動させるように構成される、第2のスイッチ124を有することができる。第2のスイッチ124は、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達をもたらすために、(例えば、押圧により)ボタン124からポンプ11に運動を伝達するように適合される1つ以上の要素176、178を備えてもよい。ボタン112に関連して前述したように、例えば、洗浄および/またはは吸引機能の個別または同時の制御ならびに操作を提供するために、第1のスイッチ122は、第1の指(例えば、親指77)によって起動することができ、第2のスイッチ124もまた、第1の指(例えば、親指77)または第2の指(例えば、人差し指76)によって作動させることができる。
【0169】
1つ以上のボタンは、1本の指(すなわち、指77または親指78)で吸引(すなわち、吸込)および洗浄を制御することができることを理解されたい。ボタン112は、複数の入力信号(例えば、ユーザから)を受信するように構成することができる。ボタン112は、1度、2度、またはそれ以上の自由度を有することができる。例えば、ボタン112は、押圧による並進、および/もしくは摺動による並進、またはそれらの組み合わせを受けることができる。制御部10は、複数の入力信号(例えば、押圧および摺動による)を介して、吸引および洗浄を別個に制御(例えば、非限定的な例として、バイナリ/2状態制御(オン/オフ)、および/または徐々に増加もしくは減少させるための電力量の可変制御)するように構成することができる。例えば、ある入力信号(例えば、押圧または摺動または両方)は、吸引を制御することができ、別の入力信号(例えば、押圧または摺動または両方)は、洗浄を制御することができる。摺動は、本体4および/またはヘッド14の縦軸に沿っていてもよい。非限定的な例として、押圧は、摺動に対して直角であってもよい。
【0170】
ボタン112は、二機能性であってもよい。ボタン112は、洗浄および/または吸引の可変制御を提供するための可変速度スイッチを包み込むことができるロッカープラットフォームを有することができる。可変速度スイッチは、プラットフォームに沿って可変速度スイッチを摺動させることによって、オフ設定から最大速度(および/または、オン/オフ)設定に移動させることができる。プラットフォームは、デバイス2のケース5と面一になるか、内側にあるか、または外側にあってもよい。プラットフォームは、第1の端部で蝶番によって連結され、第2の端部で自由になってもよい。プラットフォームは、例えば、平衡ばねの上で、デバイス2の残りの部分に向かって弾性的に押圧され得る。プラットフォームを押圧することにより、洗浄および/または吸引を手動で作動させるか、またはそれらの自動的な起動を有効にできる。
【0171】
(D.ポンプ)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、圧力を提供するように構成することができる1つ以上のポンプ8および11を有することができる。第1のポンプ8は、第2のポンプ11と異なるかもしくは同じ流量および/または圧力を生じさせることができる。
【0172】
いくつかの実施形態において、ポンプ8は、例えば、ピストンポンプ、回転翼ポンプ、リニアポンプ、および/または、図30〜32に示されるような二重ダイヤフラムポンプ8等のダイヤフラムポンプ(すなわち、膜ポンプ、容積型ポンプ)であってもよい。ポンプ8は、少なくとも2つの反対向きの振動シャフト、ロッド、または膜を有してもよい。他の実施形態において、ポンプ8は、圧縮ガスを制御可能に保存および解放するように構成することができる圧縮ガス(例えば、空気、二酸化炭素、窒素)キャニスタ210であってもよいか、またはそれを有することができる。
【0173】
ポンプ8は、モータ9を介して直接的または間接的に、制御部10と接続されるか、または相互作用することができる。モータ9は、許容可能な電流引き込みで所望のrpmの平衡を保つように選択されてもよい。前述したように、制御部10は、洗浄剤の送達圧力および/または吸引物の吸込圧力を制御するためにモータの速度を調整および/または変化させるように構成される、マイクロプロセッサ110を含んでもよい。ポンプ8によって発生する吸引物の吸込圧力は、例えば、最大約200mmHg(3.86psi)、またはより狭い範囲では約120mmHg(2.32psi)、またはより狭い範囲では約80mmHg(1.55psi)、またはより狭い範囲では約50mmHg(0.966psi)、または大体その程度であってもよい。制御部10は、ボタン112から1つ以上の入力を受信することができる。マイクロプロセッサ110は、ボタンの位置を分析してモータの速度を制御することができる。前述したように、ポンプ8および/または制御部10は、吸引物吸込圧力を、例えば約100mmHgに制限するために、弁128または制御アルゴリズムを組み込んでもよい。
【0174】
ポンプ8は、非限定的な例として、二つ折りのダイヤフラムを有することができる。ポンプ8は、手動および/または電動であってもよい。ポンプ8は、ACまたはDC駆動モータ9に取り付けることができる。ポンプ8は、電源6によって駆動されるモータ9によって駆動することができる。ポンプ8は、1つ以上の送風機、タービン、ファン、ダイアフラム、ベローズ、またはそれらの組み合わせを有することができる。
【0175】
ポンプ8の例示的な実施形態は、図30および31に見ることができる。ポンプシャーシ150は、2つの反対向きの振動ダイヤフラムを収容する。分かり易くするために、ポンプ8の片側(すなわち、左側)の構成が描写され、他方(すなわち、右側)は鏡像になっている。二重ダイヤフラムポンプの両方の側が鏡像である必要はないことを理解されたい。ポンプシャーシ150の内側にはスローピン152があり、ダイヤフラムアーム154Lがスローピン152に回転可能に連結される。ダイヤフラムアーム154Lは、最適なダイヤフラムアームの高さHを備える。ダイヤフラムアームの高さHは、ダイヤフラムアームのスローピンの軸穴153の中心からダイヤフラム156Lの上面まで測定されるように示され、約4〜8mm、またはより狭い範囲では約5〜7mm、またはより狭い範囲では約6.5mm、または大体その程度の長さを含んでもよい。ダイヤフラムアームの高さが低いほど、ダイヤフラム156Lの望ましくない「揺れ」が大きくなり、ダイヤフラムアームの高さが高いほど、ポンプのサイズが増加する。ダイヤフラムアームの高さは、可能な限り有利に削減されてもよく、ダイヤフラムアームの高さの削減の限界は、ダイヤフラムの直径D、およびストローク当たりにダイヤフラムがどの程度揺れるかと直接関係している。
【0176】
有利には、ダイヤフラム156Lはまた、揺動運動に最も効果的に対応するように、また、各ストローク毎に大部分の空気を押し出し、大部分の空気を引き込むように、直径Dおよび略「M字形」または略「S字形」の断面形状を用いて最適化されてもよい(図31を参照)。ダイヤフラム156Lは、ダイヤフラムアーム154Lとダイヤフラムプレート158Lとの間に挟まれてもよい。ダイヤフラム156Lは、最適化された直径Dを備え、約20〜40mm、またはより狭い範囲では約25〜35mm、またはより狭い範囲では約30mm、またはその程度の直径を含んでもよく、直径D156Lは、ストローク毎に最適化された流れを提供する。最適化されたDは、ポンプが基部4内に嵌合することを可能にし、所望の流れ要件を提供する一方で、可能な限りの最低RPMでポンプが動作することを可能にする。ダイヤフラムプレート158Lは、ダイヤフラム156Lの剛性の中心領域を提供する。ダイヤフラムプレート158Lはまた、各ストローク毎に全ての空気が押し出され、かつ押し込まれることを確実にするように補助することによって、効率を向上させる。ダイヤフラムプレート158Lなしでは、ダイヤフラム156Lは、伸長および/または屈曲するのみである可能性がある。
【0177】
ダイヤフラムチャンバ161Lは、ダイヤフラム156Lの上にまたはそれに隣接して設置されてもよく、取り込み用一方向アンブレラ弁159Lおよび排出用一方向アンブレラ弁163Lが、ダイヤフラムチャンバ161Lのそれぞれの側に配置される。一方向アンブレラ弁およびダイヤフラムチャンバの使用は、ポンプ8の厚みを最小に抑えるのに役立つ。マニホールドガスケット165Lおよびポンプマニホールド164Lは、シャーシ150に取り付けられてもよく、排出ホース166Lおよび/または取り込みホース170Lは、マニホールド164Lに取り付けられてもよい。この場合もやはり、この構成または同様の構成がポンプ8の外側に繰り返される。次いで、取り込みホース172は、本体4を通って吸引孔192に延在してもよい。スローピン152は、反対向きの振動ダイヤフラムの振動運動を提供するように、モータ9に連結されてもよい。
【0178】
スローが高い大きなダイヤフラムは、小さい体積で所望の高い流量をもたらす。画定された基部4内の空間の物理的限界のために、ダイヤフラムの直径を増加させる能力は限られる可能性がある。小さい体積で所望の高い流量をもたらすために、高さHを有するダイヤフラムアーム154Lとダイヤフラムプレート158Lとの間に挟まれた直径Dを有するダイヤフラム156Lの構成は、高レベルの振動またはスローを伴う向上された高レベルの流量を提供するように最適化されてもよい。直径Dと高さHとの間の関係は、D/Hの比率として表されてもよく、比率は、約2/1〜約10/1、より狭い範囲では約4/1〜約6/1、より狭い範囲では約5/1、またはその程度であってもよい。そのようなデバイスの性能の向上は、従来のデバイスにおいて不可能であった。
【0179】
いくつかの実施形態において、記載したような二重ダイヤフラム構成を使用し、ポンプ8のrpmを流れ要件を満足させるのに辛うじて足りるだけ増加させ、前述したように、ストローク当たりの流量を増加させることを可能にするために、異なる形状および直径の特有のダイヤフラムを含むことにより、排除される量が最大化されてもよい。
【0180】
ポンプ8は、全容量を有することができる。例えば、ポンプ8は、約100cc(6.1in3)、より狭い範囲では約75cc(4.6in3)、より狭い範囲では約50cc(3.05in3)、またはその程度の容量を有することができる。
【0181】
図32は、ポンプ8の代替実施形態を示す。代替実施形態は、ダイヤフラムチャンバ160Lが平弁162Lと接合することを除いて、図30および31に示されるポンプ8に類似する。
【0182】
ポンプ11の例示的な実施形態は、図33および34に見ることができる。ポンプ11は、ボタン112および/またはスイッチ124を介して、直接的または間接的に制御部10と接続または接合していてもよい。第1の枢動アーム177および第2の枢動アーム178等の1つ以上の枢動アームは、例えば、洗浄ベローズ68を通して、直接的または間接的のいずれかで洗浄貯留部30に力180を印加するよう、枢動運動するように誘導されてもよい。取付プレート182は、第1の枢動アーム177に第1の枢着点184を、そして第2の枢動アーム178に第2の枢着点186を提供することができる。いくつかの実施形態において、第2の枢動アーム178の非枢動端部188は、洗浄孔190を通って取付プレート182内に部分的または完全に延在することができる(図8Cも参照のこと)。第2の枢動アーム178の非枢動端部188によって、インタフェース領域13を通ってベローズ68上で下向きの運動114を力180に変換するために、ユーザによってボタン112が押圧されるかまたは押されるか114してもよい。見て分かるように、吸引孔192は、インタフェース領域13を通過してヘッド14から基部4に延在するように、吸引真空49のための経路を提供する。
【0183】
(E.フロー図)
1つの望ましい技術的特徴によれば、図35Aおよび35Bは、デバイス2が、洗浄および吸引システムならびに機能の部分的なまたは完全な分離を提供するように適合されてもよいことを示す。図に見られるように、洗浄剤および吸引物の両方の流れは、互いから分離して維持されてもよく、二次汚染が回避され得るデバイスを提供する。前述したように、洗浄および/または吸引システムならびに機能は、本体4とヘッド14との間にインタフェース領域13を有してもよい。インタフェース領域は、例えば、ポンプ11を洗浄貯留部30および/または真空圧49、吸引貯留部40に直接的または間接的に接続してもよい。インタフェース領域13は、洗浄および吸引システムならびに機能の完全または部分的な分離を提供するように適合されてもよい。
【0184】
いくつかの実施形態において、洗浄剤32は、制御部10およびポンプ11を介して洗浄剤貯留部30に直接的または間接的のいずれかで印加される機械的圧力180によって、洗浄剤貯留部30から放出されてもよい(図35Aを参照)。他の実施形態において、洗浄剤32は、ユーザによる圧搾で洗浄剤貯留部30に印加される機械的圧力180によって、洗浄剤貯留部30から放出されてもよい(図35Bを参照)。ポンプ11は、含まれてもまたは含まれなくてもよい。洗浄剤32は、洗浄剤貯留部30から流出し、洗浄チャネル36を通って洗浄ポート34から出る。同時に、または前に、または後に、または任意の組み合わせのいずれかで、ポンプ8は、治療領域から吸引物貯留部40に空気および吸引物42を引き込むための吸引真空圧49を生じるように活性化されてもよい(例えば、制御部10およびモータ9を介して)。得られた真空49は、矢印で示されるように、吸引ポート44を通って吸引物貯留部40内に吸引物の流れ120を引き込むことができる。障壁24は、汚染された吸引物質42、すなわち、流体が、本体4に進入するのを防止してもよい。
【0185】
図35Aは、デバイス2が第1のポンプ8および第2のポンプ11を有することができることを示す。第1のポンプ8および/または第2のポンプ11は、手動または自動(例えば、電気モータによって駆動される)であってもよい。例えば、図示するように、第1のポンプ8が自動であり、第2のポンプ11が手動であってもよい。第1のポンプ8は、吸引物取り込みホース172に吸引物吸込圧を提供することができる。第1のポンプ8からの外向きの圧力は、排出ホース166および/または排出ポート168を通って排出されてもよい。
【0186】
第2のポンプ11は、洗浄貯留部30および/または洗浄チャネル36内の洗浄剤32を加圧することができる。第2のポンプ11は、矢印で示されるように、例えば、手によって(例えば、ボタン上の親指で)力180を生じるようにポンピングされてもよい。第2のポンプ11は、デバイス2の本体4のボタン112上の親指77によって作動されてもよい。洗浄剤32は、非噴霧流またはスプレーとして洗浄ポート34から送達されてもよいか、または洗浄剤32は、可撓性先端部18を通過または出るときに噴霧化されてもよい。
【0187】
ボタン112は、吸引は生じるが、洗浄は生じないように構成される位置にあってもよい。ボタン112は、洗浄は生じるが、吸引は生じないように構成される位置にあってもよい。ボタン112は、吸引および洗浄を生じるように構成される位置にあってもよい。矢印で示されるように、ポンプ8からの排出圧の全てまたは一部は、排出流170としてデバイス2から出ることができる。
【0188】
洗浄および吸引機能の分離は、洗浄剤貯留部30からの洗浄剤32が、ヘッド14、より具体的には、吸引物チャネル46および吸引物貯留部40内の真空圧49の印加のみによって流れることを防止するように、デバイス2が構成されることを可能にする。
【0189】
(V.追加の実施形態)
(A.バルブの設計)
図36は、吸引貯留部256が、エラストマーバルブ314等の弾性容器であってもよいことを示す。吸引貯留部256は、排出導管340を有することができる。排出導管340は、吸引貯留部256と流体連通していてもよい。排出導管340は、排出弁342および排出ポート344を有することができる。排出弁342は、吸引貯留部256から離れて流れるように構成される逆止弁であってもよい。
【0190】
ノズル259は、吸引貯留部256に一体化されてもよいか、または取外し可能に取り付けられてもよい。吸引ポート260、ノズル259、または吸引貯留部256は、吸引弁346を有することができる。吸引弁347は、例えば、アンブレラ逆止弁347等の逆止弁であってもよい。
【0191】
洗浄構成要素320は、洗浄トリガ348を有することができる。洗浄トリガ348は、1本の指で操作することができる。洗浄トリガ348が引かれるかまたは圧搾されると、洗浄構成要素320は洗浄剤257を分注することができる。
【0192】
吸引貯留部256が圧搾されると、吸引弁347が閉鎖することができ、排出弁342が開放することができる。吸引貯留部256中の吸引物258は、排出導管340および排出ポート344から押し出すことができる。排出弁342は、ダックビル弁であってもよい。以前に圧搾した吸引貯留部256を弛緩させると、排出弁342が閉鎖することができ、吸引弁347が開放することができる。次いで、吸込が吸引ポート260で生じることができ、吸引物258が吸引貯留部256に引き込まれ得る。
【0193】
図37は、吸引弁347がダックビル弁であってもよいことを示す(洗浄構成要素320は図示されない)。吸引構成要素322および/またはデバイスは、基部350を有することができる。基部350は、例えば、デバイス2が平坦な表面(例えば、テーブル)に立つことを可能にし、吸引260および他のポートをその平坦な表面から離した状態に維持するように構成することができる。
【0194】
図38は、吸引貯留部256が弾性の真空バルブ364内にあってもよいことを示す。真空バルブ364は、エラストマーであってもよい。吸引貯留部256は、例えば、洗浄−吸引ポート366を介して、洗浄剤貯留部254と流体連通していてもよい。洗浄−吸引ポート366は、吸引物貯留部256の吸引液レベルから離れるように構成される。
【0195】
洗浄−吸引弁368は、吸引貯留部256および洗浄剤貯留部254と流体連通していてもよい。洗浄−吸引弁368は、逆止弁であってもよい。洗浄−吸引弁368は、吸引貯留部256から洗浄剤貯留部254への流れのみを許容し、洗浄剤貯留部254から吸引貯留部256への流れを防止する弁であってもよい。
【0196】
吸引弁346は、吸引貯留部56への流れを許容する一方向逆止弁であってもよい。
【0197】
洗浄剤貯留部254は、洗浄剤容器370の中にあってもよい。洗浄剤容器370は剛性であってもよく、例えばプラスチックボトルであってもよい。洗浄剤容器370は、取り付け可能な貯留部の接合部372においてデバイスの残りの部分に一体化するか、または取外し可能に取り付け可能であってもよい。噴霧流体貯留部374は、洗浄剤257のレベルより上の、洗浄剤貯留部254の頂上部にあってもよい。
【0198】
基部350は、貯留部容器から延在することができる。基部350は、デバイス2の残りの部分の最も幅の広い部分よりも幅広くてもよい。
【0199】
真空バルブ364を圧搾することにより、噴霧ポート246から洗浄剤257を噴霧および駆出することができる。例えば、真空バルブ364が圧搾されると、洗浄−吸引弁363が開放することができ、洗浄−吸引ポート366を介して洗浄剤貯留部254を圧搾することができる。洗浄剤貯留部254内の圧力の増加により、洗浄チャネル224を通して洗浄剤257を流すことができる。洗浄剤貯留部254内の圧力の増加はまた、噴霧チャネル220を通して洗浄剤貯留部254(例えば、洗浄剤257の上)内のガスを押し進めることができる。
【0200】
以前に圧搾した洗浄−吸引弁368を弛緩させると、吸引物258を吸引貯留部256内に吸い込むことができる。例えば、洗浄−吸引弁368が閉鎖することができる。吸引ポート260の吸引シール294を解放することにより、吸引貯留部256内の陰圧が吸引物258を引き込むことができる。
【0201】
図39は、吸引260および/または洗浄248および/または噴霧ポート246に被嵌するように、1つ以上のカバー375を構成することができることを示す。
【0202】
デバイス2は、手動または自動で制御可能な二重排出弁376を有することができる。二重排出弁376は、受動的または能動的であってもよい。二重排出弁376は、吸引貯留部256および/または洗浄剤貯留部254から排出導管340への過剰な流圧を調整することができる。矢印で示されるように、過剰な流圧は、排出流として排出導管340を出ることができる。
【0203】
洗浄弁378は、洗浄剤貯留部254から洗浄ポート248への流れを調整することができる。洗浄弁378は、超過圧力で洗浄剤257が洗浄ポート248から出るのを防止するように構成することができる。洗浄剤257の流れの速度は、超過速度でデバイス2を出るのを防止することができる。
【0204】
図40および41は、吸引物貯留部256が洗浄剤貯留部の内壁380内にあってもよいことを示す。洗浄剤貯留部254は、洗浄剤貯留部の内壁380と洗浄剤貯留部の外壁382との間にあってもよい。内側の洗浄剤貯留部壁380および外側の洗浄剤貯留部壁382は、剛性、弾性、または変形可能であってもよい。
【0205】
デバイス2は、デバイス2の外部表面上に噴霧取り込みポート384を有することができる。噴霧取り込みポート384は、噴霧流体貯留部374と流体連通していてもよい。噴霧取り込みポート384は、噴霧取り込みポート384から噴霧流体貯留部374への一方向の流れを可能にするように構成される逆止弁を有することができる。
【0206】
噴霧弁386は、洗浄剤貯留部254から噴霧チャネル220への間の流れを調整することができる。噴霧チャネル220は、洗浄ポート248に隣接するベンチュリ385構成を有することができる。ベンチュリ385は、洗浄剤257を噴霧するか、および/または噴霧ガスの速度を増加させることができる。
【0207】
洗浄剤弁378は、洗浄剤貯留部254と洗浄剤チャネル224との間の流れを調整することができる。洗浄剤弁378は、逆止弁であってもよい。洗浄剤弁378は、洗浄剤チャネル224から洗浄剤貯留部254への流れを防止することができる。洗浄剤弁378は、洗浄剤貯留部254から洗浄剤チャネル224への実質的に自由な流れを許容することができる。例えば、約25mmHg(0.5psi)よりも大きな圧力差、より狭い範囲では約100mmHg(2psi)よりも大きな圧力差、より狭い範囲では約260mmHg(5psi)よりも大きな圧力差、より狭い範囲では、約760mmHg(14.7psi)よりも大きな圧力差よりも大きな圧力差、例えば、約1600mmHg(30psi)よりも大きな圧力差がある場合を除いて、洗浄剤弁378は、洗浄剤貯留部254から洗浄剤チャネル224への流れを制限することができる。
【0208】
洗浄剤取り込みポート388は、洗浄剤貯留部254と流体連通していてもよい。洗浄剤取り込みポート388は、洗浄剤取り込みポート388から洗浄剤貯留部254への一方向の流れを可能にするように構成される逆止弁を有することができる。洗浄剤貯留部254は、洗浄剤取り込みポート388を通して洗浄剤257を導入することによって充填することができる。
【0209】
吸引チャネル226は、弁移行帯390を有することができる。弁移行帯390は、吸引チャネル226の内壁から吸引物弁346の内壁への円滑な移行部として構成することができる。
【0210】
排出弁342は、吸引物貯留部256と排出ポート344との間の流れを調整することができる。排出ポート344は、使用中、ユーザによって(例えば、親指77等の指76で)覆われてもよく、また覆われなくてもよい。排出物は、矢印で示されるように、吸引物貯留部256から流れ、排出ポート344から出ることができる。
【0211】
図40および41に示されるデバイス2は、洗浄剤257を送達するために圧搾することができる。圧搾した構成からデバイス2を解放することにより、吸引することができる。
【0212】
図41は、混合弁392で洗浄剤257および噴霧流体を混合することができることを示す。混合弁392は、噴霧ポート246より上流にあってもよい。
【0213】
図42は、図36に示される変形例等のデバイス2が、例えば、1本以上の指76(例えば、人差し指および/または中指)で、蝶番上のトリガ245を回転508させることによって、洗浄するように作動させることができることを示す。吸引物貯留部256は、矢印で示されるように、例えば、親指77、薬指、小指および掌74で、吸引物貯留部256を圧縮すること241によって、完全にまたは部分的に空にすることができる。圧縮した吸引物貯留部256を解放することによって、吸引物258を吸引ポート260に引き込むことができる。
【0214】
図36〜42に示されるようなデバイス2の変形例は、バルブ314等のデバイス2の弾性部分の全てまたは一部を圧搾(例えば、洗浄のために)および解放(例えば、吸引のために)することにより作動させることができる。
【0215】
(B.遠隔ヘッド)
図43は、デバイス2が、リード200で本体4に連結され得るヘッド14を有することができること、ならびに/または、ヘッド14は、例えば、壁真空ポンプおよび/もしくは携帯型真空ポンプ等の別個の真空源に連結され得ることを示す。この実施形態は、デバイス2の説明において開示される特徴のいずれかおよび全てを組み込んでもよいが、この実施形態は、遠隔ヘッド14を提供するという追加の特徴を備える。
【0216】
リード200は、洗浄剤チャネル36、および/もしくは吸引物チャネル46、および/もしくは制御部10への連結部、および/もしくは壁真空源への連結部、および/もしくは携帯型真空ポンプへの連結部、またはそれらの組み合わせを担持することができる。リード200は、可撓性であってもよい。リード200は、例えば、ばね負荷式の引き込み機構で、本体4内に引き込まれ得る。リード200は、コイル状であってもよい。
【0217】
ヘッド14は、取外し可能に取り付けられた吸引物貯留部40および/または洗浄剤貯留部30を有することができる。ヘッド14は、ヘッド14および/または本体4の使用および制御において補助となるハンドル202を含んでもよい。ヘッド14および/またはハンドル202は、洗浄剤を放出するために必要な洗浄剤の圧力を生じさせるために、ポンプ204を含んでもよい。ヘッドは、洗浄剤を放出するために必要な洗浄剤の圧力を生じさせるために圧搾されてもよい。
【0218】
本体4は、あらゆる都合のよい形状を採ることができ、支持のための平坦な基部206を有してもよい。本体4は、例えば、ねじ、釘、無頭釘、ボルト、またはそれらの組み合わせにより、平坦な表面(例えば、床、テーブル、ベビーベッド)等の表面に取り付けることができる。本体4は、バラストを用いて加重することができるか、および/またはクランプを有することができる(例えば、安定させるため)。
【0219】
(C.二重先端部ノズル)
図44は、デバイス2が、1つ以上のノズル、すなわち、2つの可撓性先端部194、195として示される可撓性先端部を含むヘッド14を有することができることを示す。いくつかの実施形態は、デバイス2の説明において開示されるあらゆる特徴を組み込んでもよいが、いくつかの実施形態は、二重可撓性先端部194、195という追加の特徴を含む。
【0220】
標的部位、例えば、鼻腔および/または副鼻腔を、一方の鼻孔から他方の鼻腔へ同時または間欠的に洗浄および吸引することは、有利であり得る。二重先端部194、195は、一方の鼻孔内に洗浄剤32を放出する一方で、同時にまたは間欠的に他方の鼻孔から吸引することを可能にする(図45を参照)。
【0221】
いくつかの実施形態において、洗浄液32は、細かい霧として洗浄剤32の高容量の流れに提供されてもよい。洗浄剤32は、連続的にまたはパルス式で放出されてもよい。吸引は、連続的または間欠的であってもよい。洗浄および吸引のプロセスは、清浄サイクルのために自動または手動で時間設定されてもよい(すなわち、洗浄および吸引)。
【0222】
(D.代替圧力)
図46は、吸引および/または洗浄機能のために十分な圧力を発生させるように適合されるトリガまたはハンドル208を備えるポンプ構成を有することのできるデバイス2のいくつかの実施形態を示す。ハンドル208は、陽圧および陰圧のいずれかまたは両方を発生させるために使用されてもよい。圧力は、発生させて容器またはキャニスタ210内に保存し、例えば、制御部10を介して解放してもよいか、または圧力は、必要に応じて発生させてもよい。ハンドル208は、前述したようにポンプ8および/もしくは11等のポンプに連結されてもよいか、ならびに/あるいはハンドルは、一方向弁と組み合わせたベローズもしくはバッフルと、または、代替として、比較的一定の圧力、例えば真空を発生させるための弾み車ポンプと連結されてもよい。
【0223】
図47は、デバイス2のいくつかの実施形態は、キャニスタ210または他の圧縮ガスの供給源(例えば、空気、二酸化炭素、酸素、および/または窒素)を備えるポンプ構成を有することができることを示す。デバイス2の実施形態は、ベンチュリ効果をもたらし、それによって、吸引および/または洗浄機能のために十分な圧力を形成するために、圧縮ガスの供給を制御可能に発生させ、次いで、その圧縮ガスを制御可能に放出するように構成することができる。
【0224】
いくつかの実施形態において、圧縮ガスは、ユーザによって手動で発生させられる。例えば、即時使用するために圧力下でガスを発生させるために、またはキャニスタ210に保存するために、ハンドル208が使用されてもよい。前述したように、エラストマーバルブ314等の弾性容器が、圧縮ガスを作製および/または保存するために使用されてもよい。
【0225】
いくつかの実施形態において、圧縮ガスは、除去可能および交換可能であってもよいか、ならびに/または自動的に発生させられてもよい。例えば、キャニスタ210は、圧縮ガスの供給源を収容する取外し可能および交換可能な、スナップで取り付ける方式のキャニスタであってもよく、供給された圧縮ガスが排出されると、キャニスタ210は新しいキャニスタと交換される。充電器基部62はまた、新鮮な圧縮ガスの供給でキャニスタ210を充填する高圧ポンプを備えてもよい。
【0226】
図48A〜49Bは、吸引および/または洗浄機能のために十分な圧力を発生させるように適合されるバッフルまたはベローズ214を備えるポンプ構成を有することのできるデバイス2の代替実施形態を示す。ベローズ214は、陽圧および陰圧のいずれかまたは両方を発生させるために使用されてもよい。前述したように、圧力を発生させて容器またはキャニスタ210内に保存し、例えば、制御部10を介して解放してもよいか、または、必要に応じて圧力を発生させてもよい。ベローズ214は、前述したようにポンプ8および/もしくは11等のポンプに連結させてもよく、ならびに/またはベローズ214は、比較的一定の圧力、例えば真空を発生させるための一方向弁と組み合わせてもよい。図48Aおよび48Bは、ベローズがデバイス2に位置する実施形態を示しており、ベローズは、ユーザの手または指で容易に制御される。図49Aおよび49Bは、ベローズが、デバイス2上でその基部付近またはその上に位置する実施形態を示す。
【0227】
(VI.使用説明書)
使用説明書58は、1本以上の指(すなわち、指76または親指77)で手に保持され、制御可能なように適合されるデバイス2を含む、洗浄および吸引デバイス2の使用を指示することができる。使用説明書は、例えば、鼻腔における洗浄および/または吸引のための指示を含んでもよい。使用説明書はまた、例えば、後に記載するように、ヘッド14および/または吸引貯留部40の内容物を検査するため等の診断デバイスとしてヘッド14を使用するための指示を含んでもよい。
【0228】
図26〜29は、代表的な使用説明書58が組み込むかまたは指示することができるステップの代表的な実施形態を示す。
【0229】
(A.洗浄剤および吸引物)
指示は、洗浄および吸引手順を実行するために従うことのできる一連のステップを含んでもよい。デバイス2は、洗浄のみ、または吸引のみ、または洗浄の次に吸引、または吸引の次に洗浄、または洗浄と吸引を同時に行うために使用されてもよいことを理解されたい。指示は、デバイス2を制御する人物(ユーザもしくは患者であり得るか、またはユーザが患者であり得る)の利益のために提供されてもよい。これらのステップは、以下を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0230】
(i)洗浄および吸引デバイス2が所望の供給量の洗浄液32を含有していることを確認する。
【0231】
(ii)デバイス2が動作可能であることを確認すること、それにはボタン112を押圧して洗浄液32の流れおよび吸引吸込が使用可能であることを確認することによって、洗浄機能および吸引機能をテストすることを含んでもよい。
【0232】
(iii)鼻孔の前庭に可撓性先端部18を配置し、球根状の先端部82を鼻孔に押し付けて緩やかに密封するように内向きの力を印加する:様々な位置が用いられてもよく、例えば、乳児に使用する場合、ユーザは、乳児がユーザの足の間にくるようにベッドの上に座り、片手で乳児の頭部を低く保持し、他方の手でデバイス2を使用してもよいか、または、毛布に乳児をくるみ、おむつ交換台に乳児を乗せ、片手で頭部を保持し、他方の手でデバイス2を使用してもよいか、または頭部がユーザの脇の下にくるように乳児を抱き、乳児の腕の上方に腕を置いて他方の手でデバイスを使用してもよい。
【0233】
(iv)制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第1の部分に下向きの力114を印加して、先端部18を通して鼻腔および/または副鼻腔内に洗浄貯留部30から洗浄液を放出する。
【0234】
(v)再び制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第2の部分に下向きの力116を印加して吸引圧を生じさせ、先端部18を通して鼻腔および/または副鼻腔から洗浄液32および粘液(すなわち、吸引液42)を引き出し、吸引貯留部40内に引き込む。
【0235】
(vi)ステップ(iv)および(v)は必要に応じて繰り返されてもよく、一方で、洗浄貯留部30が洗浄液32の供給量を含有し、吸引貯留部40が追加の吸引液42のための空間を包含することを確認する。
【0236】
(vii)必要であれば、洗浄貯留部30に洗浄液32が補充されてもよい(または洗浄貯留部30が取り外され、満杯の洗浄貯留部30と交換されてもよく、吸引貯留部40が空にされてもよい(または吸引貯留部40が取り外され、空の吸引貯留部40と交換されてもよい)。
【0237】
(viii)任意で、洗浄および吸引を同時に行うために、ステップ(iv)および(v)に同時に従ってもよい。
【0238】
(ix)使用後は、洗浄貯留部30および/または吸引貯留部40が取り外されてもよいか、および/または交換されてもよいか、および/または再利用のために洗浄されてもよい。
【0239】
指示は、副鼻腔の内容物の排除および副鼻腔の完全洗浄のための洗浄および吸引手順を実行するために従うことのできる一連のステップを含んでもよい。これらのステップは、急速に移動する洗浄液が副鼻腔骨を通る時のベンチュリ効果を使用してもよく、それによって、副鼻腔の内容物(すなわち、粘液)を洗浄液で排除することができる(プレッツ置換手技に近似する)。
【0240】
これらのステップは、上述したようなステップを含んでもよく、また以下を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0241】
(i)洗浄および吸引デバイス2が所望の供給量の洗浄液32を含有していることを確認する。
【0242】
(ii)デバイス2が動作可能であることを確認すること、それにはボタン112を押圧して洗浄液32の流れおよび吸引吸込が使用可能であることを確認することによって、洗浄機能および吸引機能をテストすることを含んでもよい。
【0243】
(iii)頭を鼻吸入の位置にして患者を寝かせる。
【0244】
(iv)鼻孔の前庭に可撓性先端部18を配置し、球根状の先端部82を鼻孔に押し付けて緩やかに密封するように内向きの力を印加する。
【0245】
(v)制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第1の部分に下向きの力114を印加して、先端部18を通して鼻の一方の側に洗浄貯留部30から洗浄液を放出して鼻腔を充填する。
【0246】
(vi)同時に、またはその直後に、再び制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第2の部分に下向きの力116を印加して吸引圧を生じさせ、生理食塩水で洗浄される鼻孔を間欠的に塞ぎながら鼻の他方の側に吸込を印加し、排出に満足するまで一度に約3〜5秒間吸込を印加する。吸込を印加する間、患者に「ク、ク、ク、ク」と言わせると、それによって蓋谷が閉じ、より閉鎖された循環が可能になるため、有用であるかもしれない。
【0247】
(B.汚染された流体を診断する)
指示は、汚染流体診断手順を実行するために従うことのできる一連のステップを含んでもよい。診断手順は、後述するように、診断手段22によって自動的に実行されてもよいか、または吸引物貯留部40および/もしくはヘッド14が取り外され、さらなる検査のために研究室に送られてもよいことを理解されたい。これらのステップは、以下を含むことができるが、それらに限定されない。
【0248】
(i)吸引貯留部40内の供給された吸引液42を収集するための、少なくとも吸引のためのデバイス2の使用(上記指示を参照)。
【0249】
(ii)吸引液42を診断手段22に直接提示するか、または最初に流体42をサンプルチャンバ92に引き込むことによって提示する(これは、流体サンプル42をチャンバ92に引き込むためにヘッド14(またはデバイス2)を振盪することによって、または、キャップ20または指76で可撓性先端部18に蓋をして吸引機能を再び作動させ、吸引液サンプル42をチャンバ92に引き込む閉塞された状態での引込を引き起こすことによって、達成されてもよい)。
【0250】
(iii)チャンバのサイズによって予め決定されてもよい所定量の流体42が一旦チャンバ92に入ると、検査のための診断手段22の一部として分析システム90に使用可能となってもよいか、または流体42は、次いで分析システム90に送達されるアリコートを形成するために、チャンバ92もしくは他のチャンバからの試薬と組み合わせられてもよい。
【0251】
(iv)サンプルおよび/またはアリコートが分析システム90の中および/または上に進入できるように、ブリスター94を手動で押し上げること、もしくはボタンを押すこと、もしくは、ヘッド14の側面上のスイッチの運動等の動作を行うことによって、次いで、サンプルまたはアリコートが分析システム90に提示されてもよい。
【0252】
(v)診断手段22は、次いで、検査(複数可)の結果(複数可)を表示および/または提示することができ、それは、例えば、診断手段22および/もしくはヘッド14の上または中のインジケータの色の変化として表示されてもよいか、または、試験紙片が診断手段から除去されてもよいか、または、ヘッド14および/もしくは吸引貯留部40の中で可視であってもよい。
【0253】
(vi)ヘッド14および/もしくは診断手段22は、次いで、廃棄されてもよいか、またはヘッド14および/もしくは診断手段22は、さらなる検査のために研究室に送られてもよい。
【0254】
上記は、本発明の主旨の単なる例示であると見なされるものとする。さらに、当業者は多数の修正および変更に容易に想到するため、本発明を、図示し、かつ記載した正確な構造および操作に限定することは望ましくない。これまで好ましい実施形態を記載してきたが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく詳細が変更されてもよい。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、同時係属の米国特許出願第11/936,042号(名称「Irrigation and Aspiration Device and Method」、2007年11月6日出願)の一部継続出願であって、この出願は、米国仮特許出願第60/857,457号(2006年11月6日出願)および米国仮特許出願第60/944,079号(2007年6月14日出願)の優先権の利益を主張し、これらの出願のすべては、その全体が本明細書に参照として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医学分野に関し、より具体的には、鼻腔、すなわち、医療機関および家庭で実施されるような、鼻吸引および洗浄に関する。具体的には、本発明の装置および方法は、1つ以上のノズルまたはカテーテルを通して同時に吸引および洗浄することを可能にし得る。両方の動作は、1つ以上のスイッチによって、別個にまたは同時に制御されてもよい。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
鼻および副鼻腔の詰まりは、小児および成人において多く見られる問題である。年間、約1億人のアメリカ人において、ウイルス性疾患および環境アレルギーが、鼻詰まり、鼻漏、および閉塞の原因となる、鼻炎(すなわち、鼻の炎症)を含む無数の症状を引き起こす。ひいてはこれが、副鼻腔炎、またはより一般的には、乳児の不眠および食欲不振、ならびに成人の一般的な不快感および倦怠感の原因となる、刺激、疼痛、および鼻腔の閉塞を引き起こし得る。
【0004】
多くの潜在的な状態についての診断は、どんなによくても冗長なプロセスである。粘液および/または鼻組織のサンプルを採取し、バイアルまたは検体容器に入れなければならない。通常、次いで、サンプルが分析のために研究室に送られ、結果が戻って来て治療計画を指示できるまでに数時間またはそれ以上かかる可能性がある。
【0005】
鼻および副鼻腔の詰まりに対応するための現在のストラテジーは、鬱血除去薬および抗ヒスタミン薬等の経口的および経鼻的に投与される数種類の市販の治療薬、ならびにステロイドおよび抗生物質等の処方薬を含む。これらの解決法は、ある程度の緩和をもたらすが、深刻な欠点を伴う:それらは高価であり、結果は様々であり、副作用は、反跳性の鼻詰まり、高血圧、習慣形成、および医薬的相互作用の可能性を含む。小児科において、安全かつ効果的であることが証明されている市販の溶液は存在しない。鼻をかむことによって鼻詰まりの部分的な緩和がもたらされるが、最終的には成人にとって刺激となる可能性があり、小児または乳児にとっては困難もしくは不可能である可能性がある。
【0006】
これらの理由から、医師は、昔からの治療法である生理食塩水による洗浄にますます頼ってきた。最近、いくつかの医師協会が、彼らの診療ガイドラインにおける補助療法として生理食塩水による洗浄を指定しており、鼻および副鼻腔の洗浄は、特に小児科において、今や一般的に処方されている。ところが、生理食塩水療法における関心が高まっているにもかかわらず、それを行うための適切なシステムが現在のところ存在しない。
【0007】
鼻吸込が、単独で、または生理食塩水による洗浄後の鼻吸込が、鼻炎の症状および兆候を緩和する効果的な方法であることが示されている。鼻吸込は、薬剤の副作用、および鼻をかむことによる刺激またはその不可能性を回避することができる。乳児の鼻吸込のために、手動吸引機が長い間使用されてきている。しかしながら、それらは十分な空気流も十分な排出時間も提供しない。結果的に、それらの有効性は可変的であり、使用しにくく、またもどかしい可能性がある。副鼻腔炎に罹患する成人用に設計される典型的な副鼻腔洗浄器は、苦痛を伴う排出または鼻をかむという問題を回避しない。
【0008】
さらに、乳児は絶対に鼻で呼吸するので、ウイルス性呼吸器感染症からの鼻詰まりは、乳児の睡眠および摂食に支障を来たす。これは、栄養不足および不穏状態を引き起こし、小児の健康および家族の機能の両方の妨げとなり得る。さらに悪いことには、乳児のウイルス症候群の一環としての鼻詰まりが解決されないと、酸素補給、頻繁な吸込、および非経口栄養のための緊急来院または入院につながる能性がある。
【0009】
鼻詰まりを解決するためにいくつかのストラテジーが用いられる。いくつかの研究によって、症状の緩和において風邪薬が無益であることが実証されており、ほとんどの親は、鼻洗浄および吸込が最良の選択肢であることを学習する。日常的な鼻洗浄は、慢性鼻副鼻腔炎に罹患する成人、およびアレルギー性鼻炎に罹患する小児の症状を改善する。また、いくつかの研究によって、生理食塩水による洗浄が鼻の繊毛運動を改善することが示されている。生理食塩水が粘膜下および外膜の空間から流体を引き出し、気道浮腫を減少させて粘液を軟化し、より容易な吸込を可能にすると考えられる。また、生理食塩水は、細胞膜中のチャネルを刺激し、それが細胞の機能を改善すると考えられる。
【0010】
生理食塩水による洗浄および吸込のそのような組み合わせは、特に、細気管支炎に罹患する乳児に有益であると証明されている。鼻吸込を評価するほとんどの研究は、病院の中心にある「壁に固定された」吸込を使用しており、中には鼻咽頭深部の吸込までも使用した研究もあったが、それらはいずれも診療所または家庭で日常的に使用可能ではない。研究により、適切な吸込が、噴霧療法、酸素補給、および入院等のさらなる介入の必要性を低減することが実証された。
【0011】
病院の壁の吸込とは対照的に、家庭での使用には手動の鼻吸引器が使用可能である。それらの最大陰圧および流量は略十分であるが、それらの流量は制御されておらず、鼻孔を密封した状態に維持することが困難であり、非常に短時間であり、鼻から繰り返し出し入れする動きを必要とする。両方のパラメータがそれらの不完全な品質に寄与しており、より高い圧力が最適であることが示され(例えば、80〜100mmHg)、動作時間が短いために何度も繰り返し試みる必要があるので扱いにくい。
【0012】
典型的なバルブ吸込シリンジは、ある程度の吸込を提供するが、短時間かつ制御不能な圧力がそれらの有用性を制限し得る。また、細長い柄が、粘膜損傷の可能性および鼻孔(鼻道)における不十分な密封をもたらす。手動吸引器の中には、改良されたシールおよび安全性を有する、より優れた鼻用先端部を開発することによって、その問題を回避したものもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、ノズルが改良されたシールを提供し、ノズルを通して同時に吸引および洗浄することが可能である、改良されたデバイスおよび方法の必要性が依然として存在する。診断機能を提供することが可能な改良されたデバイスおよび方法であって、吸引および洗浄の両方の動作が単一の洗浄制御部(すなわち、スイッチ)で操作者によって制御されるので、デバイスおよび方法は、成人および乳児を含む小児の両方により迅速なさらなる使い易さを提供するデバイスおよび方法の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、開放部、開口部、腔、管腔、血管、または襞を含む身体の洗浄および/または吸引を提供するための改良されたデバイスおよび方法を提供する。
【0015】
本発明の一側面は、流体の送達および/または除去のためのデバイスを提供する。デバイスは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される、洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部とを備える。障壁手段は、吸引された液体を吸引物貯留部内で保持し、吸引物貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合されてもよい。少なくとも1つのノズルは、筐体から延在してもよく、ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔とを含み、洗浄剤管腔は、洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、吸引物管腔は、吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される。ポンプ手段は、洗浄剤貯留部から洗浄剤管腔を通って洗浄剤ポートの外へ洗浄液を放出するように適合されてもよい。インタフェース領域が含まれてもよく、インタフェース領域は、少なくとも1つの非流体流構成要素と、少なくとも1つのガス流構成要素とを備える。
【0016】
いくつかの実施形態において、障壁手段は、筐体内および/または吸引物貯留部内にあってもよい。障壁手段は、疎水性フィルタ、発泡体、スポンジ、フィルタなしの構成、入り組んだチャネル、および綿のうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、筐体は、可撓性部分を含んでもよく、可撓性部分は、洗浄剤貯留部に直接的または間接的に圧力を印加し、洗浄剤貯留部から洗浄液を放出するよう、圧搾または押圧されるように適合される。
【0018】
いくつかの実施形態において、診断手段が、吸引された流体を検査するために含まれてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、本体が含まれてもよく、本体は、筐体に解放可能に連結され、本体は、流体を吸引物ポートに引き込み、吸引物管腔を通して吸引物貯留部に引き込むように適合される、ポンプ手段を含む。本体は、洗浄および吸引の両方を操作するように適合される制御部をさらに備えてもよい。本体はまた、電源を含んでもよい。
【0020】
本体はまた、インタフェース領域を含んでもよく、インタフェース領域は、本体を筐体に連結するように適合される。少なくとも1つの非流体流構成要素は、本体から洗浄貯留部に力を印加して、洗浄貯留部から洗浄液を放出するためのベローズを備えてもよい。少なくとも1つのガス流構成要素は、吸引貯留部から本体の中へガスが流れることを可能にするための通路を備えてもよい。
【0021】
本発明の別の側面は、流体の送達および除去のための手持ち式のデバイスを提供する。手持ち式のデバイスは、取外し可能および交換可能なヘッドを備える。ヘッドは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される、洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部と、吸引された液体を吸引物貯留部内で保持し、吸引物貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合される、障壁手段と、筐体から延在する少なくとも1つのノズルと、筐体に解放可能に連結される本体であって、吸引物貯留部に流体を引き込むように適合されるポンプ手段を含む、本体と、洗浄剤貯留部から洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段と、少なくとも1つの非流体流構成要素と、少なくとも1つのガス流構成要素とを備えるインタフェース領域であって、ヘッドを本体に連結する、インタフェース領域とを備える。
【0022】
いくつかの実施形態において、ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔とを含んでもよく、洗浄剤管腔は、洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、吸引物管腔は、吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される。
【0023】
いくつかの実施形態において、本体は、流体を吸引物ポートに引き込み、吸引物管腔を通して吸引物貯留部に引き込むように適合され、かつ、洗浄剤貯留部から洗浄剤管腔を通って洗浄剤ポートの外へ洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、ノズルは、開口部内に挿入され、ノズルと開口部との間のシールを画定するように適合されてもよく、デバイスは、洗浄管および洗浄ポートを通って洗浄液を開口部の中へ放出するように適合され、デバイスは、開口部から吸引ポートを通って、吸引管を通り、吸引貯留部内に流体を引き込むように適合される。
【0025】
いくつかの実施形態において、インタフェース領域は、ヘッドと本体との間にシールを備えてもよく、シールは本体に作用させられる力がヘッドに伝達されることを可能にするように適合され、シールは、本体からの吸引圧が、吸引貯留部からガスを引き出し、本体内に引き込むことを可能にするように適合される。
【0026】
いくつかの実施形態において、本体に作用させられる力は、制御手段に作用させられる力を含んでもよく、制御手段に作用させられる力は、シールを通ってヘッド内の洗浄貯留部の中へ伝達される。制御手段に作用させられる力は、吸引圧を活性化して、吸引貯留部からガスを引き出し、本体内に引き込むように適合されてもよい。
【0027】
本発明のさらに別の側面は、流体の送達および/または除去のための方法を提供する。方法は、手持ち式のデバイスを手供するステップを備えてもよく、デバイスは、取外し可能および交換可能なヘッドを備える。ヘッドは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部と、洗浄液を収容するように適合される洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部と、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、筐体から延在する少なくとも1つのノズルとを備えてもよい。
【0028】
デバイスは、吸引された液体を吸引物貯留部内で保持し、吸引物貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合される、障壁手段と、流体の送達および/または除去を制御するための制御手段と、筐体に解放可能に連結されるように適合される本体であって、吸引物貯留部に流体を引き込むように適合されるポンプ手段を含む、本体と、洗浄剤貯留部から洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段と、ヘッドと本体との間のインタフェース領域であって、少なくとも1つのガス流構成要素とを備えるインタフェース領域とをさらに備えてもよい。
【0029】
ステップは、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するために制御手段を使用して、および/または、吸引圧を活性化し、開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために制御手段を使用して、ノズルで開口部を密封するようにノズルを患者の開口部に配置することをさらに含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、洗浄液を放出するために制御手段を使用すること、ならびに、吸引圧を活性化して、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するため、および開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために、同じ制御手段を使用することをさらに含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法はまた、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するように、制御手段の第1の部分に第1の力を印加すること、および/または、吸引圧を活性化して、開口部からノズルを通して流体を引き出し、吸引貯留部に引き込むように、制御手段の第2の部分に第2の力を印加することを含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、方法は、吸引された流体を検査し、吸引された流体の検査を行うための診断手段を手持ち式のデバイス内に提供することを含んでもよい。
【0033】
本発明のさらに別の側面において、デバイスのキットが、洗浄および吸引システムとして提供されてもよい。キットは、筐体と、筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される、洗浄剤貯留部と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部と、筐体から延在する少なくとも1つのノズルであって、ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔とを含み、洗浄剤管腔は、洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、吸引物管腔は、吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される、ノズルと、を備えてもよい。キットはまた、筐体に解放可能に連結される本体であって、本体は、流体を吸引物ポートに引き込み、吸引物管腔を通して吸引物貯留部に引き込むように適合される、ポンプ手段を含む、本体と、洗浄剤貯留部から洗浄剤ポートの外へ洗浄液を放出するように適合される、ポンプ手段と、吸引された流体を引き出すように適合されるポンプ手段を操作するため、および洗浄液を放出するように適合されるポンプ手段を操作するための制御手段とを備えてもよい。キットはまた、洗浄および吸引システムの操作ならびに使用を記載する使用説明書を備えてもよく、指示は、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するために制御手段を使用して、または吸引圧を活性化して、開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために制御手段を使用して、ノズルで開口部を密封するようにノズルを開口部に配置する操作を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、指示は、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するために制御手段を使用すること、および、吸引圧を活性化して、開口部からノズルを通して吸引貯留部内に流体を引き込むために、制御手段を使用することをさらに含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、指示は、制御手段を使用して、洗浄貯留部からノズルを通して開口部の中へ洗浄液を放出するように制御手段の第1の部分に第1の力を印加すること、および、同じように制御手段を使用して、吸引圧を活性化し、開口部からノズルを通して流体を引き出し、吸引貯留部に引き込むように制御手段の第2の部分に第2の力を印加することをさらに含んでもよい。
【0036】
本発明の一側面は、手持ち式の検査デバイスを提供する。デバイスは、手持ち式の筐体であって、筐体は、ヘッドおよび基部を含み、ヘッドおよび基部は、インタフェース領域で相互に解放可能に連結されるように適合される、筐体と、筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される、吸引物貯留部と、吸引物貯留部に流体を引き込むように適合される、筐体内のポンプ手段と、吸引された流体を検査するための筐体内の診断手段であって、吸引された流体の検査の結果の指標を提供するように適合される、診断手段とを備える。
【0037】
本発明の一側面は、身体開口部の洗浄および吸引のためのシステムを提供する。システムは、ヘッドであって、所定量の洗浄液を洗浄貯留部に収容するように適合される、ヘッドであって、所定量の吸引された流体を収容するように適合される吸引貯留部を収容する、ヘッドと、本体であって、ヘッドに解放可能に連結され、吸引貯留部に流体を引き込むためのポンプ手段を収容する、本体と、を備えてもよく、システムは、約200cc〜約400ccの体積を画定し、携帯可能であり、かつユーザの手に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成され、システムは、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じるように適合される。
【0038】
いくつかの実施形態において、システムは、約1秒〜約30分の期間に、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じるようにさらに適合されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、システムは、約5ワット〜約15ワットの電力消費量で、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じるようにさらに適合されてもよい。電源は、約100mAh〜約1000mAhの電気容量を備えてもよい。
【0040】
本発明の一側面は、開口部の洗浄および/または吸引のためのシステムを提供する。システムは、洗浄機能、吸引機能、およびユーザ制御部を備える。
【0041】
洗浄機能は、洗浄力および洗浄貯留部を備え、前記洗浄貯留部は、洗浄液を収容するように適合され、前記洗浄力は、前記洗浄機能へのユーザ入力によって開始され、前記洗浄力は、前記洗浄貯留部から前記開口部の中へ洗浄液を放出するように前記洗浄貯留部に作用する。
【0042】
吸引機能は、吸引圧および吸引貯留部を備え、吸引貯留部は、吸引された流体を捕捉するように適合され、吸引貯留部は、吸引された液体を吸引貯留部内で保持し、吸引貯留部から外にガスが通過することを可能にするように適合される。
【0043】
ユーザ制御部は、洗浄機能および吸引機能のうちの少なくとも1つに対する制御機能を提供するように適合され、洗浄機能は、断続的に、または吸引機能の動作と同時に動作可能である。
【0044】
洗浄機能は、吸引機能と相互作用することなく動作可能であり、吸引機能は、洗浄機能と相互作用することなく動作可能である。
【0045】
本発明の他の特徴および利点を、以下の明細書および添付の図面において記載する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、頭部断面の解剖学的側面図であり、鼻腔および副鼻腔を示している。
【図2】図2は、顔の解剖学的前面図であり、鼻腔と連通する4つの副鼻腔を示している。
【図3】図3は、洗浄および吸引のために適合されるデバイスの変形例の斜視図である。
【図4】図4は、図3に示される洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図5】図5Aは、図1に示されるような頭部断面の解剖学的側面図であり、洗浄および吸引機能の両方、ならびにデバイスが鼻孔との密封を維持しながら関節運動または屈曲する能力を提供する、図3に示されるような洗浄および吸引デバイスの変形例を示している。図5Bは、鼻孔との密封を提供するデバイスの可撓性先端部の変形例の解剖学的下側図の拡大図であり、洗浄および吸引チャネルが可撓性先端部を通って鼻腔内に延在し、同時に洗浄および吸引する能力を提供する。
【図6】図6は、洗浄および吸引のために適合される図3に示されるようなデバイスの変形例の分解図である
【図7】図7Aは、使用説明書とともに、図3に示されるような洗浄および吸引デバイスが梱包されたキットの変形例の平面図である。図7Bは、7Aに示されるものと同様の代替キットの平面図であり、代替キットには、使用説明書とともに追加の洗浄剤が梱包されている。
【図8】図8Aは、洗浄および吸引デバイスのヘッドと本体の間に含まれてもよいシールの変形例の斜視図である。図8Bは、デバイスの本体からヘッドが取り外され、本体上に配置された図8Aのシールを示し、またインタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の斜視図である。図8Cは、図8Bと同様の斜視図であるが、シールおよび本体が分解された構成で示されており、シールと相互作用し、インタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示している。
【図9】図9は、ユーザの手の中にある洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図10】図10Aは、デバイスの本体からヘッドが取り外された状態を示し、インタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。図10Bは、インタフェース領域の少なくとも一部を備えるシールおよびヘッドの特徴を示す、ヘッドの背面図および基部の正面図である。
【図11】図11Aは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の分解図であり、洗浄貯留部および吸引貯留部の両方を備えるヘッドを示している。図11Bは、可撓性先端部の近位部分の拡大図であり、洗浄チャネルおよび吸引チャネルを示している。
【図12】図12は、図11Aに示されるような洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の追加の分解図である。
【図13】図13Aおよび13Bは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の背面図および側面図であり、羽根および/またはバッフルを含む障壁手段を含むヘッドを示している。
【図14】図14は、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の側面図であり、洗浄液を放出するためにヘッドが圧搾されることを可能にする可撓性領域を含むヘッドを示している。
【図15】図15Aは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の斜視図であり、取外し可能もしくは交換可能、または再利用可能もしくは使い捨ての洗浄および/または吸引貯留部を備えるヘッドを示している。図15Bは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの代替変形例を示す部分透視側面図であり、ヘッドと一体化された可撓性先端部および/またはヘッドのシェルを示している。図15Cは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの代替変形例の斜視図であり、代替の形状および構成を備え、洗浄および/または吸引貯留部とともに取外し可能もしくは交換可能、または再利用可能もしくは使い捨てであるヘッドを示している。図15Dは、洗浄および吸引デバイスのヘッドの代替変形例の斜視図であり、ヘッドと可撓性先端部が組み合わされた構成を含む代替の形状および構成を備え、洗浄および/または吸引貯留部とともに取外し可能もしくは交換可能、または再利用可能もしくは使い捨てである、ヘッドを示している。
【図16】図16は、キャップを取り外した状態の可撓性先端部の変形例の側面図である。
【図17】図17は、図16に示されるような可撓性先端部の変形例の正面図である。
【図18】図18は、窪んで偏心した洗浄および吸引ポートを有する可撓性先端部を示す、可撓性先端部の変形例の斜視図である。
【図19】図19は、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の断面の側面図であり、洗浄貯留部および吸引貯留部の両方、ならびに洗浄流チャネルおよび吸引流チャネルを含むヘッドを示しており、この構成は、単一の先端部またはノズルから同時に洗浄および吸引を可能にする一方で、洗浄液および吸引液の完全な分離を提供するように適合される。
【図20】図20は、図19に示されるような洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の断面の側面図であり、複数の洗浄および吸引ポートを含む可撓性先端部を示している。
【図21】図21は、洗浄および吸引デバイスを洗浄剤で充填するための種々の方法を示す、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の側面図である。
【図22】図22A〜22Cは、診断手段のための代替構成を含む洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例を示す部分切り取り概略図である。
【図23】図23は、デバイスの基部に担持される電源を示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り斜視図である。
【図24】図24は、デバイスが充電式電源を組み込む場合に、洗浄および吸引デバイスを充電するように適合される電源充電器の変形例の斜視図である。
【図25】図25は、ユーザに洗浄機能および吸引機能のいずれかまたは両方の制御を提供するように適合される制御部の変形例を示す、洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の斜視図である。
【図26】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図27】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図28】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図29】図26〜29は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図30】図30は、洗浄および吸引デバイスの変形例とともに使用するために適合されるポンプおよびモータの変形例の分解図である。
【図31】図31は、図30に示されるようなポンプの断面図である。
【図32】図32は、図30に示されるようなポンプおよびモータの代替変形例の分解図である。
【図33】図33は、ユーザに洗浄機能の制御を提供するように適合される制御部の変形例を示す、図25に示されるヘッドと同様の洗浄および吸引デバイスのヘッドの変形例の斜視図である。
【図34】図34Aは、洗浄機能の直接的または間接的なユーザ制御を提供するように適合される制御部の変形例を示し、インタフェース領域の少なくとも一部を備える本発明の特徴を示す、図33に示される洗浄および吸引デバイスのヘッドの部分切り取り側面分解図である。図34Bは、洗浄機能のユーザ制御部からの力の伝達を提供するように適合される制御部の変形例を示す、図34Aに示される洗浄および吸引デバイスのヘッドの斜視図である。
【図35】図35Aおよび35Bは、種々の構成にある洗浄および吸引デバイスの変形例の概略図である。
【図36】図36は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分透視図である。
【図37】図37は、洗浄および吸引デバイスの吸引構成要素の変形例の切り取り図である。
【図38】図38は、洗浄および吸引デバイスの変形例の切り取り図である。
【図39】図39は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り図および部分概略図である。
【図40】図40は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り図および部分概略図である。
【図41】図41は、洗浄および吸引デバイスの変形例の部分切り取り図、部分透視図、および部分概略図である。
【図42】図42は、洗浄および吸引デバイスの変形例を使用する方法の変形例を示す。
【図43】図43は、遠隔構成要素を有する洗浄および吸引デバイスの変形例の概略図である。
【図44】図44は、二重ノズルを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の斜視図である。
【図45】図45は、患者の鼻腔および副鼻腔の断面における略上側からの解剖学的図であり、二重先端部を備え、鼻腔および副鼻腔を通して一方の先端部から洗浄し、他方の先端部から吸引している洗浄および吸引デバイスの変形例の使用を示している。
【図46】図46は、圧力発生および制御放出のためのトリガまたはハンドルを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図47】図47は、圧力発生および制御放出のための圧縮ガスを貯蔵するためのキャニスタを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図48】図48A〜49Bは、圧力発生および制御放出のためのベローズを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【図49】図48A〜49Bは、圧力発生および制御放出のためのベローズを含むデバイスを示す、洗浄および吸引デバイスの変形例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本明細書の開示は、当業者が本発明を実施できるように詳細かつ正確であるが、本明細書に開示される物理的な実施形態は、他の特定の構造において具現化され得る本発明を単に例示しているに過ぎない。鼻腔および副鼻腔内に緩和をもたらすための鼻孔における使用に関連して好ましい実施形態を記載してきたが、特許請求の範囲によって規定される本発明から逸脱することなく詳細が変更され得る。さらに、本発明の特徴を具現化するデバイスおよび方法はまた、洗浄および吸引のいずれかまたは両方が有益であり得るいかなる部位または腔における使用のためにも適合可能であることを理解されたい。
【0048】
部位または腔を洗浄および/または吸引するために医師または操作者によって操作される洗浄および吸引デバイスを指す場合、用語「近位の」および「遠位の」は、デバイスが使用される際の操作者に対するデバイスの関係および配向を説明するために使用されてもよい。したがって、用語「近位の」は、使用中のデバイスの関係または配向が操作者に向かって(すなわち、デバイスのハンドルまたは基部の端部に)配置されることを説明するために使用され、用語「遠位の」は、使用中のデバイスの関係または配向が操作者から離れて(すなわち、ヘッドおよびノズルまたはカテーテル等、デバイスの他方の端部に)配置されることを説明するために使用される。
【0049】
吸引および吸引物という用語は、要素(例えば、吸引貯留部40および吸引物貯留部40)、ならびに/または機能性についての記述語として使用される場合、本明細書において交換可能に使用される。洗浄および洗浄剤という用語は、要素および/または機能性についての記述語として使用される場合、本明細書において交換可能に使用される。噴霧することおよび噴霧という用語は、要素および/または機能性についての記述語として使用される場合、本明細書において交換可能に使用される。
【0050】
本明細書に単数形として記載されるいずれの要素も、複数形になってもよい(すなわち、「1つの」と記載される全てのものが1つ以上であってもよい)。属の要素のいずれの種の要素も、その属のいかなる他の種の要素の特性または要素も有することができる。記載される構成、要素、または完全なアセンブリ、ならびに本発明を実行するための方法およびそれらの要素、そして本発明の側面の変形例は、いずれの組み合わせで互いと組み合わせられてもよく、また修正されてもよい。
【0051】
(I.鼻腔の解剖学的形態)
該デバイスおよび方法は、特に、鼻および副鼻腔の詰まり、ならびに考えられる様々な原因による関連症状を治療するために非常に好適である。この理由から、この関連において、該デバイスおよび方法について記載する。尚、開示されるデバイスおよび方法は、必ずしも鼻に関連しない身体の他の場所の他の症状の治療における使用にも適用可能であることを理解されたい。
【0052】
鼻は、呼吸器系において空気の経路のための開放部としての機能を果たす。図1および2に見られるように、鼻の上半分には骨支持が認められるのに対して、鼻翼を含む下半分の大半は軟骨である。部分的に骨性および軟骨性である鼻中隔が、鼻の穴を2つの鼻腔に分割する。鼻腔と連通する4つの副鼻腔である上顎洞、篩骨洞、前頭洞、および蝶形骨洞がある。
【0053】
鼻毛が成長する鼻孔内の領域は、前庭と称される。鼻腔のさらに奥は甲介である。鼻甲介は、鼻腔の壁にある棚状の突起である。これらの一番下の下鼻甲介には粘液腺が見られる。甲介の表面上には、粘液を外鼻孔に向けて移動させるために連続して波状に動く繊毛がある。鼻腔の一番上の部分は、嗅覚器が位置する領域である。
【0054】
鼻腔の機能は、吸い込まれた空気を清浄化すること、加熱すること、および湿潤させることを含む。吸入された空気は、主に中鼻道(下鼻甲介の上)を通過し、そこで60〜70パーセントの粉塵が除去され、空気が25〜35℃の温度および35〜80パーセントの湿度に変換される。
【0055】
鼻腔は粘膜に覆われている。上鼻甲介には嗅覚受容細胞が位置し、表面粘膜には多数の嗅繊毛が位置する。匂いの源となる微粒子が粘膜に溶解して繊毛を刺激し、それらを電気信号に変換する。信号は嗅球を通り、大脳新皮質の嗅覚中枢に到達し、匂いの知覚をもたらす。
【0056】
副鼻腔は、それらに通じる開口によって鼻腔とつながっているので、鼻腔から感染が広がり、副鼻腔の粘膜の炎症および腫脹(副鼻腔炎)、ならびに局部疼痛をもたらし得る。いくつかの副鼻腔に炎症が起こることもあり(全副鼻腔炎)、粘膜の腫脹が、鼻腔に通じる副鼻腔の1つ以上の開放部を閉塞させ得る。
【0057】
鼻および喉にいくらかの粘膜が存在することは普通だが、量が増加すると快適な呼吸の妨げとなる可能性があり、鼻をかむかまたは喉から痰を喀出する試みによって除去することができる。
【0058】
細菌感染の場合、既に閉塞している副鼻腔内に細菌が捕捉され、湿った、栄養分に富んだ環境で繁殖する。これらの場合、二次感染を治療するために抗生物質が効果的に使用されてもよいが、通常、元の原因の役には立たない。
【0059】
(II.洗浄および/または吸引デバイスの概要)
図3および4は、生物学的組織または流体の洗浄および/または吸引のための清浄デバイス2またはシステムを示す。デバイス2は、鼻前庭、鼻腔、口および/もしくは喉、耳、目、皮膚の襞、へそ、創傷、またはそれらの組み合わせ等の、腔または管腔または血管または襞を含む身体開口部の中あるいは上において使用することができる。デバイス2は、鼻孔、口(喉、食道、胃、および肺へのアクセスを含む)、外耳道、目、へそ、直腸、尿道、膣、または脂質もしくは脂肪の襞等の、腔または管腔または血管または襞を含む身体の自然開口部、創傷、手術器具(例えば、手術用ポート)、あるいはこれらの組み合わせに挿入することができる(全て、非限定的な例である)。
【0060】
例えば、デバイス2は、単独で、組み合わせて、連続して、または同時に鼻吸引および/または鼻洗浄を行うように構成することができる(図5を参照)。吸引は、吸込、すなわち、例えば、ポンプおよび/またはベンチュリ効果による真空圧または陰圧の生成を含んでもよい。デバイス2は、洗浄および吸引を1つずつおよび/または同時に行うように構成することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2は、自動的に駆動される真空および手動で作動される洗浄を有することができ、その両方が同時に動作することができる。デバイス2はまた、洗浄機能と吸引機能とを分離(洗浄液と吸引液との分離を含む)するように構成されてもよい。洗浄作動は、吸引作動とは別個に制御されてもよい。洗浄剤の流れは、吸引物の流れと完全にまたは部分的に分離されてもよい。
【0061】
デバイス2は、様々な望ましい技術的特徴を備えている。図6に見られるように、デバイス2は、ヘッド14に取外し可能に取り付けられた本体4を含んでもよい。本体4およびヘッド14は両方とも、単回使用、再利用可能、交換可能、および/または使い捨てであってもよい。本体4およびヘッド14は、清潔ではあるが滅菌されずに、または滅菌されて、ユーザに提供されてもよい。本体4は、ケース5を備え、ケースの中および/または上に電源6、ポンプ8、モータ9、およびユーザ制御部10が示される。ポンプ8および/またはモータ9は、低い最大真空圧で持続的に高い流量を提供するように最適化されてもよい。シェル16、可撓性先端部18、キャップ20、診断手段22、障壁手段24、洗浄剤貯留部30、および吸引物貯留部40を含む、ヘッド14が示される。洗浄剤貯留部30および吸引物貯留部40を使い捨ておよび/または再利用可能なヘッド14に組み合わせることは、潜在的に汚染された流体の隔離を提供するのに役立つ。洗浄液32は、ヘッド14内に含有されてもよく、本体4に一切進入しなくてもよいか、または本体4およびヘッド14の両方に含有されてもよいか、または本体4のみに含有されてもよい。障壁24は、汚染された吸引物質42、すなわち流体が、本体4に進入するのを防止することができる。望ましい技術的特徴の各々については、後により詳細に記載する。
【0062】
デバイス2は、例えば、最長1秒、または1分、または0.5時間、または1時間、または2時間、または大体その程度の連続使用期間中に、流量制限を伴わずに、または最低限の流量制限を伴って、最大出力で、例えば、最大約20,000cc/分(1,220in3/分)、またはより狭い範囲では15,000cc/分(915in3/分)、またはより狭い範囲では10,000cc/分(610in3/分)、またはより狭い範囲では5,000cc/分(305in3/分)、または大体その程度の空気を吸引するように構成することができる。
【0063】
デバイス2は、例えば、最長0.5時間、または1時間、または2時間、または大体その程度の連続使用期間中に、流量制限を伴わずに、または最低限の流量制限を伴って、最大出力で、例えば、最大約200mmHg(3.86psi)、またはより狭い範囲では約120mmHg(2.32psi)、またはより狭い範囲では約80mmHg(1.55psi)、またはより狭い範囲では約50mmHg(0.966psi)、または大体その程度の吸引吸込を生じるように構成することができる。デバイス2は、例えば、使用可能な真空を100mmHgに制限するための安全機能として、真空制御弁128を含んでもよい。
【0064】
デバイス2は、流量制限を伴わずに、または最低限の流量制限を伴って、最大出力で、最大約3cc/分(0.183in3/分)、またはより狭い範囲では約1.5cc/分(0.092in3/分)、またはより狭い範囲では約0.5cc/分(0.031in3/分)、または大体その程度、洗浄剤32で洗浄するための自動洗浄のために構成することができる。
【0065】
デバイス2は、例えば、ピストンまたはプランジャまたはシリンジまたはポンプ11のストローク毎に、直接的または間接的のいずれかの押下または起動当たり、最大約1.0cc、またはより狭い範囲では0.5cc、またはより狭い範囲では0.25cc、または大体その程度を洗浄するための手動洗浄のために構成することができる。
【0066】
デバイス2は、最大出力で、約15ワット、またはより狭い範囲では約10ワット、またはより狭い範囲では約5ワット、または大体その程度を使用するように構成することができる。使用されるワット数は、通常、真空引きの量、すなわち、吸引中の空気の流れに対する制限の量に依存する。
【0067】
デバイス2は、最大出力で、約40db、またはより狭い範囲では約30db、またはより狭い範囲では約20db、または大体その程度のノイズレベルを発生させるように構成することができる。発生させられるノイズレベルの量は、通常、真空引きの量、すなわち、吸引中の空気の流れに対する制限の量に依存する。
【0068】
デバイス2は、携帯可能に構成することができる。例えば、デバイス2は、いずれの外部デバイス(例えば、壁もしくは床に取り付けられたコンセントまたは電源、圧力源、洗浄剤源、あるいは吸引物貯留部)にも取り付けられなくてもよい。デバイス2は、例えば、壁真空ポンプまたは携帯型真空ポンプに接続されるように構成することができる。
【0069】
デバイス2は、人間工学的および手持ち式に構成することができる。例えば、デバイス2は、約5.0kg(11lbs.)、またはより狭い範囲では約2.0kg(4.4lbs.)、またはより狭い範囲では約1.0kg(2.2lbs.)、例えば約0.45kg(1.0lbs.)、または大体それくらいの重量であってもよい。
【0070】
デバイス2は、例えば、約40cm(16in.)未満、より狭い範囲では約30cm(12in.)未満、さらにより狭い範囲では約25cm(10in.)未満の最大全高を有することができ、約21.5cm(8.5in.)および大体その程度の高さを含んでもよい。デバイス2は、例えば、約41cm(16in.)未満、より狭い範囲では約30cm(12in.)、さらにより狭い範囲では約25cm(10in.)未満の最大全幅を有することができ、約5cm(2in.)、または大体その程度の幅を含んでもよい。デバイス2は、例えば、約20cm(8in.)未満、より狭い範囲では約15cm(6in.)未満、さらにより狭い範囲では約10cm(4in.)未満の全体的な最大直径を有することができ、約9cm(3.5in.)、または大体その程度の幅を含んでもよい。
【0071】
デバイス2は、全体積を有することができる。例えば、デバイス2は、約400cc(24.5in3)、より狭い範囲では約300cc(18.3in3)、より狭い範囲では約200cc(12.2in3)、または大体その程度の体積を有することができる。
【0072】
デバイス2は、流体、例えば、水、生理食塩水、治療薬、生薬、ワクチン、診断薬、消毒薬、粉末を、任意の組み合わせで送達するために使用することができる。デバイス2は、上述した体腔または身体開口部領域のうちのいずれかに流体を送達するために使用することができる。
【0073】
(III.システムキット)
図7Aが示すように、すぐ上で説明した清浄デバイス2は、複数の部品からなる機能的キット(単数または複数)50における使用のために統合することができる。種々の構成要素は、必ずしも縮尺通りに表示されていないことを理解されたい。
【0074】
キット50は、種々の形態を採ることができる。図示した実施形態において、キット50は、個別パッケージ51、52、53、および54の集合を含む。パッケージの各々または1つ以上は、清潔なまたは滅菌された、梱包されたまたは袋入りのアセンブリを含んでもよい。パッケージのうちの1つ以上は、例えば、内容物を保持する、例えば、型抜きしたダンボール、プラスチックシート、または熱成形プラスチック材料でできた、内側トレーまたはカードを含んでもよい。キット50はまた、好ましくは、パッケージの内容物を使用して所望の手順を実行するための説明書または指示書58を含む。図7Aに示されるキットの内容物を使用する手順については、後により詳細に記載する。
【0075】
当然のことながら、使用説明書58は異なり得る。使用説明書58は、パッケージのうちの1つ以上に物理的に存在することができるが、別個に供給されてもよい。使用説明書58は、別個の取扱説明書、または録画もしくは録音で具現化することができる。使用説明書58はまた、インターネットのウェブページから入手可能であってもよい。
【0076】
(A.構成要素のパッケージ)
パッケージの構成および内容は異なり得る。例えば、図7Aに示されるように、キット50は、51、52、53、および54、ならびに説明書58を含む。これらのパッケージのうち51および52の2つが、記載されるような清浄デバイス2の主な構成要素を提供し、本体4はパッケージ51に、ヘッド14はパッケージ52に入っている。残りのパッケージ53および54は、含まれてもまたは含まれなくてもよく、デバイス2と関連して使用される付属構成要素(複数可)、例えば、パッケージ53内の洗浄液の容器56、およびパッケージ54内の充電器基部62に提供する。パッケージ52において、デバイス2のヘッド14に予め洗浄液32が充填されていてもよい。
【0077】
キット60(図7Bを参照)は、キット50の構成要素として含まれてもよいか、または独立したキットであってもよい。キット60は、所定の量の洗浄剤容器56を含んでもよく、例えば、キット60は、10個の洗浄剤容器56を含むように示されているが、これよりも多いかまたは少ない容器が含まれてもよい。使用説明書58はまた、洗浄剤貯留部30に洗浄剤32を補充するために、どのようにデバイス2および/または洗浄剤容器56を使用するかをユーザに指示するために提供されてもよい。可撓性先端部18の供給品も、キット内に提供されてもよい。
【0078】
キットの追加の構成もまた可能であることを理解されたい。例えば、キット(単数または複数)は、吸引された流体を検査するように適合される診断デバイスを対象とする追加の構成要素を包含してもよい。さらに、キット(単数または複数)は、非限定的な例として、非充電式デバイス、非電池式デバイス、および/または手動デバイスを含むデバイス2の変形例を包含してもよい。
【0079】
(IV.洗浄および吸引のための望ましい技術的特徴)
清浄デバイス2は、洗浄および吸引機能を含む、その普遍性を高めるための種々の技術的特徴を組み込むことができる。
【0080】
(A.手持ち)
(1.本体)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、ヘッド14に解放可能に連結された、再利用可能および/または使い捨ての人間工学的な本体4(例えば、ハンドル)を備えることができ、デバイス2は、ユーザが片手(右手または左手のいずれか)で使用および制御し易いように適合される。
【0081】
図6に見られるように、本体4は、電池および/または圧縮ガスの源等の、充電式または非充電式の電源6を包み込むことができる。本体4はまた、例えば、電源コード(図示せず)を介して外部電源に接続されてもよい。本体4は、例えば、壁の真空ポンプまたは携帯用真空ポンプ等の真空源に接続されるように構成することができる。本体4は、洗浄および/または吸引のための流体制御システムを有することができる。流体制御システムは、1つ以上のポンプ8および11を有することができる。流体制御システムは、駆動モータ9を有することができる。ポンプ8および/または11のためのいずれの手段も、手動で操作することができるか(例えば、圧搾、押すこと、および/もしくはトリガによる操作)、または自動で操作することができる(例えば、ACもしくはDC電動、圧縮ガス、保存エネルギー、ベンチュリポート)。いずれのポンプ8および/または11も、非限定的な例として、シリンジ、可撓性もしくは圧縮可能な構成要素、ピストンポンプ、ブロワ、タービン、送風機、リニアポンプ、回転翼ポンプ、遠心力ポンプ、往復ポンプ、ダイヤフラムポンプ、またはそれらの組み合わせであってもよいか、あるいはそれを有することができる。モータ9は、ポンプの一部であるかまたは別個の構成要素であってもよい。
【0082】
外ケース5および本体4の内側部分は、プラスチック、例えば、ABS、ポリカーボネート、またはそれらの組み合わせから作製することができる。外ケース5および本体4の内側部分は、射出成形によって、例えば、半片を射出成形して組み立てることによって作製することができる。図6に見られるように、外ケース5は、2つの半片を含むように示されるが、これよりも多いかまたは少ない部品が使用されてもよいことを理解されたい。
【0083】
本体4(および/またはヘッド14)は、本体4(および/またはヘッド14)の内側または外側に取付リングまたはシール66を有することができる。シール66は、インタフェース領域13の構成要素として、本体4とヘッド14との間に液密継手を提供するように構成することができる。図8A〜8Cに見られるように、シール66は、ベローズ68および経路70を含んでもよい。ベローズ68は、基部のポンプ11とヘッド14の洗浄剤貯留部30との間に液密継手を提供する。経路70は、吸引物貯留部40から障壁24を通る基部4のポンプ8までの流体、すなわち、空気の流れを可能にする。シール66は、洗浄および吸引システムならびに機能の分離を提供するように適合されてもよい。シール66は、基部4に作用させられる洗浄力がヘッドに伝達されるように適合されてもよく、シールは、基部4からの吸引圧が吸引貯留部40からガスを抜いて基部4に引き込むことを可能にするように適合されてもよい。
【0084】
図8Cに見られるように、ポンプ11の構成要素188は、直接的または間接的な力をベローズ68に印加するように構成されてもよい。この力は、次いで、洗浄剤貯留部30から洗浄剤を駆出するために、ヘッド14に並進させられてもよい。
【0085】
図9に見られるように、本体4は、片手で人間工学的に保持されるように構成することができる。本体4は、把時されたときに掌74および指76に適合する輪郭を有することができる。本体4は、グリップパッド78を含んでもよい。グリップパッド78は、軟質ゴム、金属、軟質プラスチック、または他の既知の材料を含んでもよく、本体4に取り付けられてもよいか、および/または一体化されてもよい。グリップパッド78は、スムーズであってもよく、それらは隆起もしくは粗面、またはそれらの組み合わせを有してもよい。グリップパッド78は、本体4の周囲に人間工学的に位置することができ、パッド78は、使用中に、ユーザ(例えば、ユーザの掌)が本体4に自然に圧力を印加する場所の全てまたはいくらかに位置するように構成することができる。
【0086】
本体4(および/またはヘッド14)は、種々の色を有することができ、透明、半透明、および/または不透明の材料であってもよい。本体4(および/またはヘッド14)はまた、例えば、操作目的のために、およびまたは/ユーザおよび/もしくは患者の楽しみのために、ライト等の表示形態を組み込んでもよい。本体4(および/またはヘッド14)は、ヘッド14の本体4への必要な噛み合わせのための「キー」または嵌合要素15を組み込んでもよい。コネクタ12(後に記載する)がこの特徴を提供してもよい。例えば、診断、状態、または指示の目的で、本体4はヘッド14と通信してもよく、ヘッド14は本体4と通信してもよい(例えば、本体4とヘッド14との間の電気通信)。
【0087】
デバイス2の(例えば、ポンプ、モータ、往復ソレノイド、圧電変換器等の可動部による)いかなる振動または動揺も抑制することができる。可動部は、軟質ゴムワッシャー等の緩衝器を使用して本体4またはヘッド14に取り付けることができる。過剰な圧力およびポンプの排気は、例えば、排出導管166に制限プレートを使用して抑えることができる。デバイス2の壁(例えば、ケース5およびシェル16)は厚くすることができ、層状および/または積層材料で作製することができる。デバイス2の壁は、さもなければ防音であってもよい。例えば、全ての支持力の和がいずれの所与の瞬間においてもゼロになるように、および/またはデバイス2が能動的な雑音消去を有することができるように、デバイス2の可動部は動的に平衡を保つことができる。モータ(例えば、ポンプの中にあるかまたはポンプに連結された)は平衡錘を有することができる。複数のモータは、動的力に対抗するように構成することができる。
【0088】
充填された洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40と、(後に記載するような)内蔵電源6を合わせると、デバイス2は、約5.0kg(11lbs.)、より狭い範囲では約2.0kg(4.4lbs.)、より狭い範囲では約1.0kg(2.2lbs.)、例えば約0.45kg(1.0lbs.)、または大体その程度の重量であってもよい。例えば、ユーザが、いつ洗浄剤32を交換/補充するか、および/もしくは吸引物42を空にするかを同定できるように、ならびに/またはデバイス2の清潔さおよび/もしくは動作を確認できるように、洗浄剤30および/または吸引物貯留部40は、半透明および/または透明であってもよい。
【0089】
(2.ヘッド)
1つの望ましい技術的特徴によれば、ヘッド14は、本体4に取外し可能に取り付けることができるか(図10Aおよび10Bを参照)、または一体化することができる。ヘッド14は、本体4に対して様々な角度で配置することができ、本体4に対して自由に関節運動および/または屈曲および/または枢動するように適合されてもよい。本体4へのヘッド14の接続は、ヘッド14が枢動してヘッド14の周辺から並進できるように、柔軟および可撓性であってもよい(これは、例示目的のために記載されているに過ぎず、複数の機械的解決が存在する)。ヘッド14は、(1つ以上の)コネクタ(複数可)12で本体4に取外し可能に取り付けることができる。ヘッド14は、コネクタ12がヘッド14を所定の位置に収めるまで本体4に押し付けられてもよい。コネクタ12は、非限定的な例として、ねじ、スナップ、圧入コネクタ、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0090】
洗浄および/または吸引システム、方法、ならびに機能は、本体4とヘッド14との間、および/または本体4およびヘッド14の部分を含む、インタフェース領域13を有してもよいかまたは含んでもよい。インタフェース領域は、例えば、ポンプを貯留部に、および/または真空圧を貯留部に、直接的または間接的に接続してもよい。インタフェース領域13は、洗浄および吸引システム、方法、ならびに機能の分離を提供するように適合されてもよい。
【0091】
インタフェース領域13は、例えば、力180が伝達され得る、洗浄剤の栓28および/もしくはベローズ68および/もしくは洗浄孔190等の非流体流領域または構成要素(複数可)を含むことができ、インタフェース領域13は、例えば、ガスが伝達され得る、経路70および/または吸引孔192等のガス流領域または構成要素(複数可)を含むことができる。インタフェース領域13は、例えば、いかなる汚染された流体による本体4の潜在的な汚染をも取り除くために、洗浄剤貯留部30および吸引物貯留部40がヘッド14内に格納されることを可能にするように、本体4からヘッド14が取り外されることを可能にすることができる。洗浄および/または吸引機能の部品(複数可)は、ヘッド14とともに取り外されてもよく、洗浄および/または吸引機能の残りの部分は、後に記載するように、本体4に取り付けられたままであってもよいか、または一体化されてもよい。インタフェース領域13はまた、ヘッド14と本体4の間の回転および並進を可能にし得る。
【0092】
図11A〜12に見られるように、ヘッド14は、シェル16および背部26を備えてもよい。可撓性ノズルまたはカテーテルまたは先端部18は、シェル16から遠位に突出してもよく、デバイス2が使用されていないときに、および/または診断目的のために、可撓性先端部18にまたはその中にまたはその上に配置されるキャップ20を含んでもよい。キャップ20は、パッケージから出して破ることのできる封を含んでもよく、最初の使用でその封は破られる。次いで、キャップ20は、可撓性先端部18の上または中に再度配置されてもよい。洗浄剤貯留部30および吸引貯留部40がシェル16内に示され、両方とも可撓性先端部18と流体連通していてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態において、障壁手段24は、ヘッド14および/または本体4に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、障壁手段24は、背部26の窪み27に隣接してまたはその中に配置されてもよい。例えば、障壁24は、疎水性フィルタ等のフィルタ、発泡体、スポンジ、または球形もしくは他の望ましい形状の綿等の他の材料、あるいは任意の組み合わせを含んでもよい。
【0094】
障壁手段24は、ヘッド14および背部26内における最適な使用のために適合される形状を有してもよい。そら豆型等の形状は、ヘッド14内の表面積の有効な使用を提供し、したがって、障壁手段が提供する抵抗の量を減少させるが、例えば、円形、四角形、三角形、変形可能、バッフル付き、不揃い等の他の直線的および非直線的な形状も可能である。いくつかの実施形態において、障壁手段24は、10ミクロンのフィルタ、より狭い範囲では8ミクロンフィルタ、より狭い範囲では約5ミクロンのフィルタ、または大体その程度を備えてもよい。障壁手段24は、ガス(すなわち、空気)は吸引物貯留部40から外に通過できるが、液体(すなわち、吸引液42)は吸引物貯留から外に通過できないように構成されてもよい。障壁手段は、使い捨てのヘッド14と本体4の間の吸引液42の分離を維持する。
【0095】
いくつかの実施形態において、障壁手段24は、本体14に進入することによってもたらされる吸引された流体42の抵抗を増加させるように、ヘッド14または本体4内に、羽根および/またはバッフルおよび/または細長い区画を含んでもよいかまたは備えてもよい(図13Aおよび13Bを参照)。羽根および/またはバッフルおよび/または細長い区画はまた、前述したような材料のうちのいずれかと組み合わされてもよい。
【0096】
洗浄剤の栓28は、背部26および/または洗浄剤貯留部30に隣接して、またはその中に配置されてもよい。前述したように、ヘッド14(および/または本体4)は、本体4とヘッド14との間に液密継手を提供するためのシール66を含むことができる。シール66内のベローズ68は、栓28と相互作用して、基部4内のポンプ11が洗浄剤貯留部30に圧力180を提供して、洗浄剤液32を放出または駆出することを可能にする。
【0097】
本体4と同じように、上述したヘッド14の構成要素は、不透明、透明および/または半透明であってもよく、また種々の色を有してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、洗浄剤32は種々の方法で駆出されてもい。例えば、いくつかの実施形態において、洗浄剤32は、ラックアンドピニオン構成を用いて駆出されてもよく、機械的利点を提供する。他の実施形態において、洗浄剤32は、直接的なリンケージを用いて駆出されてもよい。また他の実施形態において、ヘッド14の一部は、ユーザが洗浄貯留部30を圧搾して洗浄剤32を放出できるようにするための1つ以上の変形可能または可撓性セクション72を含んでもよい(図14を参照)。可撓性セクション72に圧力を印加して所望の洗浄圧を生じさせるために、ユーザは、図示するように、指または親指77を使用してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、洗浄剤貯留部30が空である時、および/または吸引物貯留部40が満杯である時、さもなければ、空にするまたは清浄する必要のあるときに、ヘッド14全体を本体4から取り外し、洗浄剤貯留部30により多くの洗浄剤32を収容する新しいヘッド14と交換することができる。
【0100】
図15A〜15Dは、ヘッド14の代替実施形態を示す。図15Aは、ヘッド14が、ヘッド14に取外し可能に取り付けられるように構成される洗浄貯留部カートリッジ30および/または吸引カートリッジ40を含む実施形態を示す。ヘッド14および/または洗浄貯留部カートリッジ30および/または吸引カートリッジ40は、ヘッドまたはカートリッジ上でそれらに取外し可能に取り付けることができるポート、フック、ラッチ、ペグ、またはそれらの組み合わせを有することができる。洗浄剤カートリッジ30が取り付けられていない時、カートリッジ容器が、洗浄剤カートリッジ30の構成と実質的に等しい空隙を画定する。
【0101】
洗浄剤貯留部カートリッジ30は、ヘッド14に係合することができる1つ以上のポート(図示せず)を有することができる。洗浄剤カートリッジ30がヘッド14内にないときに、例えば、接着されたアルミ箔によって、洗浄剤貯留部カートリッジ30上のポートが閉鎖されるかまたは覆われてもよい。例えば、ヘッド14は、(例えば、箔片またはシールを通って)洗浄剤貯留部カートリッジ30に貫通して洗浄剤貯留部カートリッジ30の内部と流体連通し、洗浄剤貯留部カートリッジ30を加圧するかもしくは減圧する、および/または洗浄剤貯留部カートリッジ30から洗浄剤を抜き取るように構成される、1つ以上の牙部または管を有することができる。
【0102】
第1の洗浄剤貯留部カートリッジ30が空であるときに、例えば、第1の洗浄剤貯留部カートリッジ30をヘッド14から取り外し、第2の洗浄剤貯留部カートリッジ30と交換することができる。
【0103】
図15Bは、可撓性先端部18がヘッド14および/またはヘッドのシェル16と一体化されてもよい、ヘッド14の実施形態を示す。シェルの一部である可撓性領域17は、先端部18と連結されてもよく、先端部18が屈曲することを可能にする。
【0104】
図15Cは、ヘッドが洗浄貯留部30および吸引貯留部40を隣り合わせに含むヘッド14の実施形態を示す。ヘッドは、カートリッジの構成により近い形状因子を備える。
【0105】
図15Dは、ヘッドが吸引貯留部40内に配置された洗浄貯留部30を含む、ヘッド14の実施形態を示す。ヘッド14は、単一ヘッド14および可撓性先端部18を含む形状因子を備える。
【0106】
洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40は、例えば、上述したようにカートリッジの形態等で、清浄または交換のために取り外すことができる。吸引物貯留部40は、取り外されてもよく、また後により詳細に記載するように、診断目的のために密封されてもよい。検査のための吸引液42へのアクセスを可能にするように、吸引物貯留部またはカートリッジ40へのアクセスが提供されてもよい。
【0107】
ヘッド14および/または洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40および/またはデバイス2は、例えば、手でおよび/または食器洗浄機の中で、洗うことができる。本体4および/またはデバイス2は、防水であってもよい。
【0108】
ヘッド14および/または洗浄剤30および/または吸引物貯留部40は、洗浄可能であってもよく、例えば、食器洗浄機使用可能(例えば、実質的に目立つ変形、劣化、または他の損傷なしに、少なくとも約50℃、またはより狭い範囲では少なくとも約75℃で、約15分間耐える能力、ならびに、水および典型的な食器洗浄機用洗剤への同様に長時間の暴露による実質的な劣化または他の実質的な損傷がないこと)であってもよい。
【0109】
(a.可撓性先端部)
可撓性先端部18(すなわち、ノズルまたはカテーテル)は、ヘッド14と一体化してもよいか、または図示するように、別個の取外し可能なおよび/もしくは交換可能なおよび/もしくは使い捨ての構成要素であってもよい。可撓性先端部18は、生体開口部または洗浄されるおよび/もしくは吸引される表面に隣接して設置されるか、またはそこに全体的にもしくは部分的に挿入されるように、望ましくサイズ決定および構成される。例えば、可撓性先端部18は、鼻孔内に全体的または部分的に適合するように構成することができ(図5Aを参照)、その可撓性は、デバイス2の運動および/または患者の運動を可能にする。可撓性先端部18は、先の尖った円錐状、丸みを帯びた円錐状、乳頭状、球根状、キノコの傘状、もしくはくびれた構成、またはそれらの組み合わせを有することができる。可撓性先端部18は、図示する可撓性の柄80および/またはOリング86等の密封手段を含んでもよい。
【0110】
例示的な実施形態において、図16は、球根状またはキノコの傘状の部分82を含むように可撓性先端部18の遠位部を構成することができることを示す。可撓性先端部18の遠位部は、膨らんでいてもよいか、またはくびれていてもよい。可撓性先端部18は、例えば、先端部18が身体の自然開口部に過剰に挿入されることを防止するために、遠位端部84の近位でより大きな半径を有することができる。
【0111】
図5Bに見られるように、先端部18は、洗浄および/または吸引部位(例えば、鼻孔)と陽圧密封を形成するように構成することができる。遠位撓性部82は、鼻孔との一時的な密封を提供し、洗浄(矢印32で表示)および吸引(矢印42で表示)の両方が、それぞれの洗浄チャネル36および吸引チャネル46を通して行われることを可能にする。
【0112】
先端部18は、玉継ぎ手と類似して、および/または入れ子式の管と同様に、洗浄および/または吸引部位を密封することができる。可撓性先端部18は、ヘッド14の縦軸の周囲で回転対称であってもよい。回転整列はシールの機能性と切り離すことができ、例えば、ユーザに1度以上の自由度を許容する。
【0113】
可撓性先端部18、および/またはヘッド14の全てもしくはいくらかは、シリコーンゴムもしくは発泡体等の柔軟な材料および/または薬剤および/または潤滑剤で作製するおよび/または覆うもしくはコーティングすることができる。可撓性先端部18、および/またはヘッド14の全てもしくはいくらか、すなわち、患者に接触する可能性のある構成要素は、取外し可能および/または交換可能および/または使い捨てであってもよい。可撓性先端部18は、例えば、異なる形状の鼻孔を密封することを許容するように、柔軟であってもよく、密封性を高めるための潤滑剤を含んでもよい。可撓性先端部18は、吸引の陰圧に対して変形しないよう、十分に剛性であってもよい。
【0114】
図17および18は、可撓性先端部18が、流体経路のための遠位端または面84を含むことを示す(例えば、洗浄および吸引のいずれかまたは両方のため)。遠位面84は、洗浄ポート34および吸引ポート44の両方を備えるように示される。吸引ポート44および洗浄ポート34は、可撓性先端部18の外側表面にあってもよいか、ならびに/または、吸引ポート44および/もしくは洗浄ポート34は、可撓性先端部18内に窪んでいてもよいことを理解されたい。また、代替実施形態において、可撓性先端部18は、1つ以上の洗浄ポート34および/または吸引ポート44を有することができることも理解されたい。
【0115】
図示するように、洗浄ポート34は、吸引ポート44に隣接して位置してもよい(図17を参照)。洗浄ポート34は、吸引ポート44によって完全にまたは部分的に囲まれてもよい(図18を参照)。吸引ポート44は、洗浄ポート34によって完全にまたは部分的に囲まれてもよい。
【0116】
(b.洗浄および洗浄剤貯留部)
図19に見られるように、洗浄剤貯留部30は、洗浄チャネル36を介して洗浄剤ポート34と直接流体連通しているように示される。代替実施形態において、ヘッド14は、1つ以上の洗浄ポート34を有することができる(図20を参照)。洗浄ポート34は、洗浄液32を分注するか、またはそうでなければ発射するように構成することができる。洗浄ポート34は、例えば、洗浄液32(例えば、液体状態にある)を噴霧するガスと混合することによって、および/または、洗浄液32に噴霧器88を通過させることによって、噴霧化された構成の洗浄液を分注するか、またはそうでなければ発射するように構成することができる。洗浄液32は、患者にさらなる快適性を提供するように、体温またはその付近の温度で洗浄液32を提供するために加熱する(例えば、電源6を介して電気的に加熱する)されてもよい。
【0117】
可撓性先端部18は、撓性の柄80を含むように示される。柄80(および可撓性先端部18)は、洗浄チャネル36を備えてもよい。洗浄チャネル36はまた、洗浄剤貯留部30の構成要素であってもよいか、または別個の構成要素であってもよいか、またはいずれの組み合わせであってもよい。可撓性先端部の柄80は、洗浄剤貯留部ポート35を介して洗浄剤貯留部30と流体連通するように配置されてもよい。
【0118】
洗浄チャネル36は、洗浄チャネルの直径38を有することができる。洗浄チャネルの直径38は、洗浄チャネル36の最小内径であってもよい。洗浄チャネルの直径38は、約1cm(0.4in.)未満、より狭い範囲では約2mm(0.8in.)未満、例えば、約0.7mm(0.03in.)、または大体その程度であってもよい。
【0119】
洗浄チャネル36は、洗浄チャネルのライニング136を有することができる。洗浄チャネルのライニング136は、能動的(例えば、電気活性ポリマースキン等、可動であってもよい)または受動的(例えば、チャネルのライニング136の形状によって)に、洗浄剤32が流出する流れを集中させることができる。洗浄チャネルのライニング136は、洗浄チャネル36にベンチュリ138を形成することができる。洗浄チャネルのライニング136は、洗浄チャネル36と一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けることができる。
【0120】
使用において、ポンプ11およびユーザ制御部10(後により詳細に記載される)等を介して、洗浄剤貯留部30に隣接する、および/または連結される可撓性洗浄プラグ28に力が印加されてもよい。その力が洗浄剤の圧力39を生じさせ、洗浄剤32が、洗浄チャネル36を通って洗浄ポート34から出て、所望の鼻腔内に流れるようにする。
【0121】
洗浄剤貯留部30は、多様な形状を備えてもよく、ヘッド14および/または本体4に一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けることができる。洗浄剤貯留部30は、洗浄剤32を保持することができる。洗浄剤貯留部30は、交換可能なカートリッジまたはアンプルであってもよい。洗浄剤貯留部30は、圧縮ガスおよび洗浄剤32を含むことができる。洗浄剤貯留部30は、取外し可能、使い捨て、交換可能、再利用可能、またはそれらの組み合わせであってもよい。洗浄剤貯留部30は、洗浄剤32で予め充填されてもよいか、または洗浄剤32の全てもしくは構成成分(例えば、水)を加える準備ができていてもよい。洗浄剤貯留部30は、複数の副貯留部に分割することができる。例えば、一方の副貯留部は塩を有することができ、別の洗浄剤貯留部は水を有することができる。洗浄剤が分注されると、副貯留部の内容物が混合することができる(例えば、生理食塩水を作製する)。
【0122】
洗浄剤貯留部30は、吸引物貯留部40と同じ体積、それよりも大きい体積、またはそれよりも小さい体積であってもよい。例えば、吸引物貯留部40の体積は、洗浄剤貯留部30の体積よりも約100倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約20倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約7倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約3倍以下の大きさ、またはより狭い範囲では、洗浄剤貯留部30の体積よりも約1.5倍以下の大きさであり得、例えば、吸引物貯留部40の体積は、洗浄剤貯留部30の体積の約1.25倍であってもよい。洗浄剤貯留部30の体積は、例えば、約10mL、またはより狭い範囲では約5mL、またはより狭い範囲では約3mL、または大体その程度であってもよい。
【0123】
洗浄剤貯留部30は、第1の色(例えば、青)であってもよく、吸引物貯留部40は、第1または第2の色(例えば、黄色または赤)であってもよい。洗浄剤貯留部30および/または吸引物貯留部40は、透明、半透明、または不透明であってもよい。洗浄剤貯留部30は、吸引物貯留部40とは異なる構成でヘッド14内に設置されてもよい。例えば、洗浄剤貯留部30、吸引物貯留部40、およびヘッド14の残りの部分は、吸引物貯留部30の代わりに洗浄剤貯留部30をヘッド14に挿入すること、および/またはその逆ができないように構成することができる。
【0124】
洗浄液または洗浄剤32は、水、生理食塩水、亜鉛溶液(例えば、硫酸亜鉛溶液)、アルコール、麻酔薬、鎮痛薬、解熱薬、非ステロイド性抗炎症薬等の抗炎症薬(例えば、イブプロフェン、アスピリン、サリチル酸、COX02阻害剤、COX−3阻害剤)、アセトアミノフェン、ワクチン(例えば、弱毒化生インフルエンザワクチン、FLUMIST(R))、抗ヒスタミン剤(例えば、塩酸アゼラスチン)、コルチコステロイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン)、局所充血除去剤(塩酸オキシメタゾリン)、ビタミン(例えば、ビタミンC、アスコルビン酸)、ニコチン、他の治療または診断用薬、またはそれらの組み合わせを有することができるか、またはそれであり得る。
【0125】
洗浄剤32は、噴霧ガスおよび/または噴霧器88と組み合わせることができる。先端部18は、洗浄剤32を噴霧するように構成されてもよい。噴霧ガスは、空気、二酸化炭素、酸素、窒素、亜酸化窒素、別の麻酔薬、またはそれらの組み合わせを有することができるか、またはそれであり得る。
【0126】
噴霧された洗浄剤32は、先端部18から出るときに、約0.1マイクロメータ(0.004mil)〜約100マイクロメータ(4mil)の直径を有する粒子を含むことができる。噴霧された洗浄剤32の粒子は、高移動度を有することができ、標的部位、組織、および流体を実質的に均一に被覆および/または付着し、それらと相互作用することができる。
【0127】
ヘッド14(例えば、および/または制御部10および/またはポンプ11)は、洗浄剤32の種々の流れ特性を提供するように構成されてもよい。例えば、デバイス2は、大量の流水(例えば、途切れのないもしくは非中空の流れ、またはシャワー状もしくは実質的に円柱形の流れ)、および/または噴霧、および/または円錐(例えば、中空または非中空の円錐形の流れ)の洗浄特性を呈するように構成することができる。流れ特性は、自動または手動で調整することができる。洗浄特性を変更するために、可撓性先端部18またはヘッド14を異なる構成の先端部18またはヘッド14と手で交換することができる。
【0128】
洗浄剤32は、噴霧ガスと混合することなく、または噴霧器88を通過することなく、1つ以上の噴霧化されていない大量の流水または絶え間ない流れまたは流れとして送達することができる。例えば、デバイス2は、噴霧ガスまたは噴霧領域または他の噴霧化要素を有さなくてもよい。
【0129】
図21は、洗浄剤32を補充できることを示す。洗浄剤貯留部30は、洗浄剤貯留部30の壁に対する洗浄剤貯留部シール140を有することができる。例えば、洗浄剤貯留部シール140はプラスチックであってもよい。洗浄剤貯留部シール140は、セルフシールであってもよいか、および/または開閉するために手動制御されてもよい。
【0130】
外部洗浄剤容器56は、新鮮な洗浄剤32を有することができる。洗浄剤容器56は、洗浄剤貯留部シール140および/または洗浄ポート34を介して洗浄剤貯留部30内に挿入されるように構成される容器注入口57を有することができる。洗浄剤容器56は、矢印で示されるように、洗浄剤貯留部シール154またはポート34内に前進させることができる。次いで、例えば、洗浄剤容器56を圧搾することによって、および/または洗浄剤容器56上の圧力解放ポート(図示せず)を開放することによって、洗浄剤容器56の内容物を洗浄剤貯留部30内に入れることができる。次いで、洗浄剤容器56中の洗浄剤32および圧縮ガスを洗浄剤貯留部30に移動させることができる。次いで、洗浄剤貯留部シール154またはポート34から洗浄剤容器56を取り外すことができ、洗浄剤貯留部シール140が閉鎖することができる。
【0131】
(c.吸引および吸引物貯留部)
上述した洗浄および吸引、ならびに洗浄貯留部30および吸引貯留部40のこれらの特徴に加えて、吸引貯留部および吸引機能は追加の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態において、吸引貯留部40は、吸引チャネル46を介して吸引ポート44と直接流体連通してもよい(図19を参照)。
【0132】
前述したように、可撓性先端部18は、柄80を含むように示される。柄80(および可撓性先端部18)は、洗浄チャネル36および/または吸引チャネル46を備えてもよい。吸引チャネル46は、吸引物貯留部40、ヘッド14の構成要素であってもよいか、または別個の構成要素であってもよいか、または任意の組み合わせであってもよい。可撓性先端部18の柄80は、吸引物貯留部ポート45を介して吸引物貯留部40と流体連通するように配置されてもよい。
【0133】
吸引チャネル46は、吸引物チャネルの直径48を有することができる。吸引物チャネルの直径48は、吸引物チャネル46の最小内径であってもよい。吸引物チャネルの直径48は、約1cm(0.4in.)未満、より狭い範囲では約5mm(0.2in.)未満、例えば、約3mm(0.12in.)、または大体その程度であってもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、吸引ポート44は、吸引チャネル46または貯留部40からの吸引物42の逆流を実質的にまたは完全に防止するように構成される、流入のための流入逆止(すなわち、一方向)弁130を有することができる。流入逆止弁130は、ボール弁、スイング弁、クラッパー弁、アンブレラ弁、二重逆止弁、ダックビル弁、またはそれらの組み合わせであってもよいか、またはそれを有することができる。流入逆止弁130は、吸引ポート44および/または吸引チャネル46および/または吸引物貯留部40に一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けられてもよい。
【0135】
吸引物貯留部40は、様々な形状を備えてもよく、デバイス2の残りの部分に一体化されてもよいか、または固定してもしくは取外し可能に取り付けられてもよい。吸引物貯留部40は、吸引物42を保持することができる。吸引物貯留部40は、交換可能なカートリッジまたはアンプルであってもよい。吸引物貯留部40は、圧力、例えば、真空を備えてもよい。吸引物貯留部40は、取外し可能、使い捨て、交換可能、再利用可能、またはそれらの組み合わせであってもよい。吸引物貯留部40は、複数の副貯留部に分割することができる。いくつかの実施形態において、羽根および/またはバッフルは、粘液の流れは阻止するが、空気の流れは許容する障壁手段24を提供するために、複数の副貯留部を作製するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の副貯留部は、診断手段22に所望の粘液サンプルを提供するように使用されてもよい。
【0136】
使用において、制御部10(後により詳細に記載する)を介して吸引貯留部40に圧力(すなわち、真空)が印加される。真空は、吸引物に対して陰圧を生じ、矢印で示されるように、吸引物42が、治療領域から吸引ポート44を通って、吸引チャネル46を通り、吸引貯留部40内に流れ込み、そこに集まる。前述したように、障壁24は、ガス交換(すなわち、空気)の経路は許容するが、液体(例えば、洗浄液および粘液)の経路は除外するように構成され、本体4からの吸引物42の分離を維持する。
【0137】
(d.診断)
伝染病管理への関心が高まるにつれて、手を触れずに検体を収集および分析する能力がこれまで以上に重要となる。デバイス2は、この重要な機能を提供するように適合されてもよい。例えば、ヘッド14および/または本体4に埋め込まれた診断手段22(例えば、検出プラットフォーム)への鼻検体の送達は、以下を含むがこれらに限定されない様々なプラットフォームを組み込んでもよい。
1)呼吸器ウイルス検出(例えば、RSV、インフルエンザ)のために現在一般的に使用されているような、側方流動免疫クロマトグラフィーアッセイ
2)接触点を介してヘッド14に提供される電源6等の電力源に曝露されると、例えば、それら自体が、例えば、ウイルス、細菌、および真菌における遺伝物質の標識となり得る生体分子マーカーをその場で生成する、電気化学的検出用マイクロアレイチップ。それはまた、アッセイからおよび/またはアッセイ上で直接読むことができる電気信号を発生させるための酵素反応を使用することにも関与してもよい。代替として、ヘッド14における生体識別のために、適切な電気的/測光仕様の別個のリーダードックが使用されてもよい。リーダードックは、独立したデバイスを備えることができるか、または、例えば、充電基部62内に組み込まれてもよい。
3)分子ビームによる蛍光プローブ技術を用いたリアルタイム検出を組み込んだ核酸配列ベース増幅(NASBA)と組み合わせたマイクロ流体tmRNA精製。これは、チップに含浸させてもよく、電源が必要な場合は、例えば、接点を介して、電源6がヘッド14に電力を提供してもよい。さらに、例えば、ヘッド14または本体4上の別個の「ラボ起動」ボタンによって起動する接点がヘッド14に存在してもよい。
4)「バイオセンサ」技術はまた、ヘッド14内に埋め込まれてもよいか、標的生体に対する1つまたは数個の抗体で被覆された遺伝子プレートを備えてもよい。試薬、および生体を収容する検体と組み合わされ、次いで光に曝露されると、生体を検出するための外的な源が必要ないように、可視的な色の変化をもたらす。
5)例えば、チップおよび/もしくはストリップおよび/もしくは遺伝子プレート上に、ならびに/または化学物質を用いて、生体検出または化学分析を提供する他の既知のまたはさらに開発されたバイオアッセイが、研究室における手を触れない検体操作のためにヘッド14および/または本体4に設置されてもよい。
【0138】
これらの検体の上記検出プラットフォームへの送達は、望ましくは手による操作を必要とせず、代わりに、次いで、適切な送達のための正確な位置で検査プラットフォームと連通してもよい感圧トラップ/ポータル内に検体を誘導するための圧力手段、例えばデバイスのポンプを用いて、必要とされる正確な量で送達されてもよい。これらの動作またはプロセスは、例えば、ヘッドが特定の位置にある場合、および/またはノズルが完全に閉塞した場合にのみ起こってもよい。
【0139】
代替として、収集チャンバが穏やかに撹拌され、それによって小さなチャンバ内が検査プラットフォームに提示されるべき所定の必要なアリコートで充填される手動手段によって、検査プラットフォームに検体を送達することができる。この最終送達は、ヘッド14の側面上の可撓性部分、例えば「ブリスター」、および/またはばね負荷ピストン、および/またはボタンを押し下げるかまたは押し出すことによって開始されてもよく、次いで、それまで閉鎖されていたアリコートチャンバから検査プラットフォームへの流体連通を開放し、手を触れないピペット操作を提供する。
【0140】
代替として、検体は、単純に、収集チャンバの残りの部分に開放される所定の小さなチャンバ内を充填することもできる。検査プラットフォームの一部は、この小さなチャンバ内に延在してもよいが、検査プラットフォームの残りの部分は、例えば、ポリプロピレンの壁によって密封および分離されてもよい。次いで、検体は、ウィッキング、例えば、側方流動免疫クロマトグラフィー、毛細管現象、例えばマイクロ流体の毛細管現象、電荷、および/または非限定的な例として、ブリスターの破壊点による分離壁の開放、膜、もしくはシールによって、検査プラットフォームの残り部分に移動してもよい。
【0141】
診断手段22を含むデバイス2は、病院および診療所での使用、ならびに家庭での自己診断に非常に適している。診断手段22を含むデバイス2は、医療においてあらゆる種類の微生物を検出するために、戦争において兵器化された細菌、物質、およびウイルスのために、救急サービスにおいて、空港等の混雑した旅行の現場において感染した旅行者を検出するために、ならびに学校および保育所で感染した生徒を特定するために使用されてもよい。診断手段22を含むデバイス2はまた、採取した検体から代謝パネル、グルコース、インスリンレベル、薬物レベル、b型ナトリウム利尿ペプチド、d−二量体、およびCRP等の臨床値を検出する検査プラットフォームを収容してもよい。
【0142】
使用(すなわち、吸引)後、ヘッド14および/または吸引物貯留部40は、洗浄剤および粘液(すなわち、吸引液42)等の汚染された流体を含有してもよい。次いで、洗浄剤貯留部30および/もしくは吸引物貯留部40、ならびに/またはヘッド14全体、またはヘッド14もしくは本体4の他の構成要素が、例えば、損傷、障害、疾患、症候群、感染症および/もしくはウイルス等の疾病または病状について、汚染された液体を検査および/または評価するための診断デバイスとして、使用されてもよいか、ならびに/あるいは使用のために取り外されてもよい。取り外す場合は、取り外された構成要素(複数可)は、二次汚染を避けるために密封されてもよい。実験者が検査される流体42にアクセスすることを可能にするためのアクセスが提供されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、ヘッド14および/または吸引物貯留部40は、例えば、非限定的な例として、前述したような、またはあらゆる組み合わせの、診断手段22を含んでもよい(図22A〜22Cを参照)。診断手段は、ヘッド14、もしくは吸引物貯留部40、もしくは本体4に埋め込まれてもよいか、またはさらなる検査および/もしくは評価のための取外し可能な構成要素であってもよい。診断手段22は、即時に結果を提供してもよいか、またはヘッド14および/もしくは診断手段22が、さらなる行為のために研究室に送られてもよい。
【0144】
診断手段22は、検査プラットフォームまたは分析システム90、例えば、検査紙を用いた側方流動分析システム(すなわち、免疫クロマトグラフィー)、および/もしくはマイクロ統合分析システム(すなわち、ラボチップ)等を備えてもよく、ポンプならびに弁、または流量計および粘土計センサ等の機械的な流量制御デバイスを含むマイクロ流体工学を組み込んでもよい。ラボチップは、例えば、ガラス、シリコーン、セラミック、または金属でできていてもよい。
【0145】
デバイス2および診断手段22は、吸引機能を使用して、デバイス2を用いた鼻吸引までの検査プロセスを削減することにより、手を触れない検体採取を簡素化して提供してもよく、所定量の吸引された流体サンプル42を診断手段22に提示する。一旦サンプル42(例えば、ヘッド14内にある)がデバイス2に提示されると、手動(例えば、圧力を印加する)または自動(例えば、ソレノイドで駆動させる)のいずれかによって、サンプルが診断手段22に提示されてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、流体サンプル42をチャンバ92に引き込むためにヘッド14(またはデバイス2)を振盪することによって、あるいは吸引液サンプル42をチャンバ92内に引き込む閉塞引込を引き起こすために、キャップ20または指76で可撓性先端部18に蓋をして吸引機能を再び作動させることによって、サンプル42がサンプル収集ウェルまたは毛細管またはチャンバ92内に引き込まれてもよい。一旦サンプルがチャンバ92内に入ると、分析システム90による検査のために使用可能であってもよい。チャンバは、分析システム90に所定量の流体サンプル42を提供してもよい。
【0146】
一旦チャンバ92内に入ると、次いで、所定量のサンプル42が分析システム90に自動的に提示されてもよいか、または、サンプルが分析システム90の中および/または上に進入できるようにするために、例えば、ブリスター94を手動で押し上げること、もしくはボタンを押すこと、もしくはヘッド14の側面上のスイッチの運動等の動作が必要であってもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、診断手段22と流体連通する1つ以上のチャンバが存在してもよく、その構成およびサンプル収集チャンバ92との連通により、所定の検査サンプルサイズの引き込みが可能となる。検査サンプルは、次いで分析システム90に送達されるアリコートを形成するように、チャンバのうちの1つ以上からの試薬と組み合わせてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、診断手段22は、次いで、検査(複数可)の結果(複数可)を表示および/または提示してもよい。例えば、結果は、診断手段22および/もしくはヘッド14の上またはその中のインジケータ95の色の変化として表示されてもよいか、あるいは試験紙片96が、診断手段から除去されてもよいか、または、例えば、ヘッド14および/もしくは吸引貯留部40の中で可視であってもよい。診断手段22に電力を提供するために電気接点97が含まれてもよい。
【0149】
診断手段22は、A型およびB型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、アデノウイルス、レジオネラ、CNV、EBV、A群β溶血性連鎖球菌感染症、肺炎球菌、髄膜炎菌、マイコプラズマ、黄色ブドウ球菌、マラリア、HIV、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、天然痘、炭疽菌、ボツリヌス毒素、リシン、エボラ、狂犬病、ブルセラ症、(疫病)ペスト菌、コクシエラ・バーネッティ(Q熱)、T2マイコトキシン、フランシセラ・ツラレンシス(野兎病)、ウイルス性ウマ脳炎、ウイルス性出血熱、およびバークホルデリア・マレイ(鼻疽)を含むが、これらに限定されない微生物学的検査に適応してもよい。
【0150】
診断手段22は、アンフェタミン、コカイン、オピエート、フェンシクリジン、テトラヒドロカンナビノール、アセトアミノフェン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、メタドン、プロポキシフェン、三環系抗うつ薬、カルシウムチャネル遮断薬、エチルアルコール、エチレングリコール、ケトン、グルコース、血糖降下薬、サイトカイン、インターロイキン、インスリン、ヘモグロビンA1C、電解質、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(妊娠検査)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、T3血液検査、T4血液検査、C反応性タンパク質(CRP)、および赤血球沈降速度(ESR)を含むが、これらに限定されない毒性検査および/または化学的検査に適応してもよい。
【0151】
診断手段22は、例えば、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応検査ならびに/または、ウイルス、細菌、および癌に対する免疫アッセイを含んでもよい。
【0152】
(B.電源)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、電源6を有することができる。図23は、コンパートメント、例えば、本体4内の電源コンパートメント内に、電源6を完全にまたは部分的に格納できることを示す。電源6は、非限定的な例として、電気的な電源(例えば、電池もしくはコンデンサ)、および/または機械的な電源(例えば、エネルギー保存のための弾み車もしくはばね)、および/または圧縮ガス(例えば、圧縮ガスのキャニスタ)を備えてもよい。いくつかの実施形態において、電源6は、充電式電源である。充電式電源は、取り外し不可能であってもよいか(すなわち、デバイス2が電源充電器62の上もしくは中に設置される)、または充電式電源は、充電および/もしくは交換するために取り外されてもよい。
【0153】
充電器62および/または基部4は、例えば、充電のためにデバイス2を電気的および/または機械的に充電器と連結できるように、直接的な、または密封された、または誘導性の連結領域98、99をそれぞれ含んでもよい(図23および24を参照)。充電器62はまた、充電式デバイスであってもよいか、および/または充電器は、外的電力供給源(例えば、120VACの壁コンセント)に連結されてもよい。充電器62は、非限定的な例として、電源が入っていること、充電中であること、および充電済であること等の表示を提供するために、照明源またはライト100(例えば、LED)を含んでもよく、表面、例えば、机もしくはカウンターの上に設置されてもよいか、または壁に取り付けられてもよい。前述したように、充電器62は、診断手段22の一部として、ヘッド14における生体識別のために使用されてもよい適切な電気的/測光仕様のリーダードックを組み込んでもよい。代替として、リーダードックは、独立したデバイスを備えてもよいか、および/または充電器62から電力を取ってもよい。
【0154】
代替実施形態において、電源6は、1つ以上の非充電式の電気セル(例えば、1つ以上の電池)、例えば、非限定的な例として、直列の単三アルカリ電池4つを含んでもよい。
【0155】
いくつかの実施形態において、電源6は、リチウムイオン電源を含んでもよく、約7.4ボルトで、約100mAh、または約500mAh、または約750mAh、または約1000mAh、または大体その程度を供給するように構成されてもよいが、当業者は、電源6は、幅広い電圧および電気容量を供給するように構成されてもよいことを理解されたい。電源6は、望ましくは、多くのまたはほとんどの用途のために、例えば、5分、もしくは15分、もしくは30分、もしくは1時間、もしくは1日、もしくは1週間、もしくは1ヶ月、もしくは1年に1回よりも低い頻度の充電および/または電源交換での操作を可能にするために十分な電気容量を保有する。電源6はまた、外部電力供給源(例えば、120VACの壁の電気コンセント)に接続するように構成することができる。
【0156】
電源コンパートメントは、電源コンパートメントのドア(図示せず)を通って本体4の外側からアクセス可能であってもよい。電源コンパートメントのドアは、本体4に取外し可能に取り付けることができる。電源コンパートメントのドアは、本体4に蝶番で取り付けることができる。
【0157】
電源6は、非限定的な例として、電源が入っていること、電力供給容量、ならびに洗浄および/または吸引機能が作動しているか等の表示を提供するために、照明源またはライト102(例えば、LED)に電気的に連結されてもよい。
【0158】
(C.デバイス制御部)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、複数の機能を提供するように構成することができる制御部10を有することができる(図25を参照)。制御部は、ボタン、スイッチ、トリガ、レバー、電気回路、これらのうちのいずれかの間の相互作用を含んでもよく、非限定的な例として、マイクロプロセッサ制御部110を含んでもよい。制御部10は、ユーザ誘導型のおよび/または自動的なデバイス2の作動を可能にすることができる。例えば、デバイス2は、洗浄および/または吸引される領域、例えば、鼻孔との接触によって作動されてもよい。制御部10は、非限定的な例として、二重機能スイッチ、または1つ以上の多機能スイッチ、または1つ以上の単機能スイッチ、またはこれらの組み合わせに連結することができる。スイッチ(複数可)112は、ボタン、ロッカー、トグル、トリガ、または他の既知の構成および組み合わせを備えてもよく、本体4および/もしくはヘッド14、またはそれらの組み合わせに取り付けられてもよいか、または一体化されてもよい。
【0159】
制御部10は、直接的または間接的のいずれかで、手動(例えば、ユーザ誘導型)または自動で(例えば、電気的に、空気圧によって、保存エネルギー)、洗浄および/または吸引機能を作動させる、および/または電力を供給する、および/または他の方法で制御することができる。制御部10は、洗浄および/または吸引の可変制御を提供するように適合されてもよく、洗浄および/または吸引に調整可能な遅延等の遅延を提供する能力を含んでもよい。スイッチ112を含む制御部10は、単純であってもよく、直感的に使うことができる。
【0160】
制御部10(または他の要素)は、電子機器(例えば、ポンプ8、モータ9、および/もしくはマイクロプロセッサ110)、弁、手動ポンプ、またはそれらの任意の組み合わせを起動するために、電源6から電力を伝送するために使用することができる。制御部10は、1つ以上のボタン112から入力を受信するように構成することができる。
【0161】
図26〜29は、デバイス2の使用法の例示的な実施形態を示す。図に見られるように、制御部10は、第1の入力、例えば、ボタン112の押圧による並進114をもたらすことができる。制御部10は、第2の入力、例えば、第1の入力とは異なるスイッチ112の押圧による並進116をもたらすことができる。第1の入力は、洗浄、例えば、洗浄剤がヘッド14から手動で放出されたかどうか、ならびに/または洗浄流の頻度および/もしくは体積を制御することができる。第2の入力は、吸引、例えば、吸引がオンもしくはオフであるかどうか、および/または圧力の強度、および/または吸引の流速を制御することができる。
【0162】
代替実施形態において、制御部10は、第1の入力、例えば、ボタン112の押圧による並進114を受けることができる。制御部10は、第2の入力、例えば、第1の入力とは異なるボタン112の押圧による並進116を受けることができる。第1の入力は、洗浄、例えば、洗浄剤がヘッド14から自動的に放出されたかどうか(すなわち、オンもしくはオフ)、および/または圧力の強度、および/または洗浄剤の流速、および/または洗浄剤の流れの頻度を制御することができる。第2の入力は、吸引、例えば、吸引がオンもしくはオフであるかどうか、および/または圧力の強度、および/または吸引の流速を制御することができる。
【0163】
図26は、ユーザが、片手で人間工学的に本体4を保持できることを示す。ユーザは、指76または親指77を、例えば、ボタン112上に載置することができ、1本の指(すなわち、指76または親指77)によるボタン112の操作を可能にする。掌74および/または他の指76は、グリップパッド78上に実質的にまたは完全に載置することができる。
【0164】
例として、図27は、矢印114で示されるように、親指77が、ボタン112の第1の部分を押圧することができることを示す。ボタンの押圧114は、押圧116によって制御されない、洗浄および/または吸引の一方を制御することができる。図示するように、例えば、ボタン112を押圧することにより、デバイス2を作動させて、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達をもたらす圧力を形成することができる。ボタン112の押圧114を解除することにより、加圧された流体の送達を停止することができる。ボタン112が押圧される114内側への距離は、吸引もしくは洗浄の圧力および/または体積と直接的または間接的に相関し得る。
【0165】
例として、図28は、矢印116で示されるように、親指77がボタン112の第2の部分を押圧することができることを示す。ボタン112の押圧116は、洗浄および/または吸引を制御することができる。図示するように、例えば、ボタン112を押圧することにより、デバイス2を作動させて、矢印120で示されるように、吸引物の流れ120をもたらす吸込を形成することができる。ボタン112の押圧116を解除することにより、吸込および吸引物の流れを停止させることができる。スイッチ112が押圧される116内側への距離は、吸引もしくは洗浄の圧力および/または体積と直接的または間接的に相関してもよい。
【0166】
例として、図29は、ボタン112の第1の部分および第2の部分を同時に押下するために、矢印114および矢印116で示されるように、親指77が、ボタン112の第1の部分および第2の部分の両方を押圧することができることを示す。ボタン112の第1の部分の押圧114およびボタン112の第2の部分の押圧116を同時に行うことにより、デバイス2を作動させて、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達を形成し、同時に、吸引物の流れ120を引き起こす吸込をもたらすことができる。
【0167】
代替として、114および116の間、または116および114の間を前後に揺動することによって、親指77は、ボタン112の第1の部分と第2の部分を交互に押圧することができる。揺動運動によりボタン112の第1の部分を押圧114し、ボタン112の第2の部分の押圧116することにより、デバイス2を作動させて、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達を形成し、次いで、段階的に吸引物の流れ120を引き起こす吸込をもたらすことができる。
【0168】
図25に示される例示的な実施形態において、ボタン112は、例えばポンプ8を介して、吸引チャネル46内の圧力(すなわち、吸引圧)を制御するように構成される第1のスイッチ122を備えることができる。第1のスイッチ122は、吸引がオンもしくはオフであるかどうか、および/または圧力の強度、および/または吸引の流速を含む吸引機能の制御のために適合される可変スイッチを備えてもよい。ボタン112は、洗浄剤貯留部30および洗浄チャネル36に、直接的または間接的のいずれかで圧力を送達するために第2のポンプ11を手動で作動させるように構成される、第2のスイッチ124を有することができる。第2のスイッチ124は、洗浄剤の流れ118をもたらす加圧された流体の送達をもたらすために、(例えば、押圧により)ボタン124からポンプ11に運動を伝達するように適合される1つ以上の要素176、178を備えてもよい。ボタン112に関連して前述したように、例えば、洗浄および/またはは吸引機能の個別または同時の制御ならびに操作を提供するために、第1のスイッチ122は、第1の指(例えば、親指77)によって起動することができ、第2のスイッチ124もまた、第1の指(例えば、親指77)または第2の指(例えば、人差し指76)によって作動させることができる。
【0169】
1つ以上のボタンは、1本の指(すなわち、指77または親指78)で吸引(すなわち、吸込)および洗浄を制御することができることを理解されたい。ボタン112は、複数の入力信号(例えば、ユーザから)を受信するように構成することができる。ボタン112は、1度、2度、またはそれ以上の自由度を有することができる。例えば、ボタン112は、押圧による並進、および/もしくは摺動による並進、またはそれらの組み合わせを受けることができる。制御部10は、複数の入力信号(例えば、押圧および摺動による)を介して、吸引および洗浄を別個に制御(例えば、非限定的な例として、バイナリ/2状態制御(オン/オフ)、および/または徐々に増加もしくは減少させるための電力量の可変制御)するように構成することができる。例えば、ある入力信号(例えば、押圧または摺動または両方)は、吸引を制御することができ、別の入力信号(例えば、押圧または摺動または両方)は、洗浄を制御することができる。摺動は、本体4および/またはヘッド14の縦軸に沿っていてもよい。非限定的な例として、押圧は、摺動に対して直角であってもよい。
【0170】
ボタン112は、二機能性であってもよい。ボタン112は、洗浄および/または吸引の可変制御を提供するための可変速度スイッチを包み込むことができるロッカープラットフォームを有することができる。可変速度スイッチは、プラットフォームに沿って可変速度スイッチを摺動させることによって、オフ設定から最大速度(および/または、オン/オフ)設定に移動させることができる。プラットフォームは、デバイス2のケース5と面一になるか、内側にあるか、または外側にあってもよい。プラットフォームは、第1の端部で蝶番によって連結され、第2の端部で自由になってもよい。プラットフォームは、例えば、平衡ばねの上で、デバイス2の残りの部分に向かって弾性的に押圧され得る。プラットフォームを押圧することにより、洗浄および/または吸引を手動で作動させるか、またはそれらの自動的な起動を有効にできる。
【0171】
(D.ポンプ)
1つの望ましい技術的特徴によれば、デバイス2は、圧力を提供するように構成することができる1つ以上のポンプ8および11を有することができる。第1のポンプ8は、第2のポンプ11と異なるかもしくは同じ流量および/または圧力を生じさせることができる。
【0172】
いくつかの実施形態において、ポンプ8は、例えば、ピストンポンプ、回転翼ポンプ、リニアポンプ、および/または、図30〜32に示されるような二重ダイヤフラムポンプ8等のダイヤフラムポンプ(すなわち、膜ポンプ、容積型ポンプ)であってもよい。ポンプ8は、少なくとも2つの反対向きの振動シャフト、ロッド、または膜を有してもよい。他の実施形態において、ポンプ8は、圧縮ガスを制御可能に保存および解放するように構成することができる圧縮ガス(例えば、空気、二酸化炭素、窒素)キャニスタ210であってもよいか、またはそれを有することができる。
【0173】
ポンプ8は、モータ9を介して直接的または間接的に、制御部10と接続されるか、または相互作用することができる。モータ9は、許容可能な電流引き込みで所望のrpmの平衡を保つように選択されてもよい。前述したように、制御部10は、洗浄剤の送達圧力および/または吸引物の吸込圧力を制御するためにモータの速度を調整および/または変化させるように構成される、マイクロプロセッサ110を含んでもよい。ポンプ8によって発生する吸引物の吸込圧力は、例えば、最大約200mmHg(3.86psi)、またはより狭い範囲では約120mmHg(2.32psi)、またはより狭い範囲では約80mmHg(1.55psi)、またはより狭い範囲では約50mmHg(0.966psi)、または大体その程度であってもよい。制御部10は、ボタン112から1つ以上の入力を受信することができる。マイクロプロセッサ110は、ボタンの位置を分析してモータの速度を制御することができる。前述したように、ポンプ8および/または制御部10は、吸引物吸込圧力を、例えば約100mmHgに制限するために、弁128または制御アルゴリズムを組み込んでもよい。
【0174】
ポンプ8は、非限定的な例として、二つ折りのダイヤフラムを有することができる。ポンプ8は、手動および/または電動であってもよい。ポンプ8は、ACまたはDC駆動モータ9に取り付けることができる。ポンプ8は、電源6によって駆動されるモータ9によって駆動することができる。ポンプ8は、1つ以上の送風機、タービン、ファン、ダイアフラム、ベローズ、またはそれらの組み合わせを有することができる。
【0175】
ポンプ8の例示的な実施形態は、図30および31に見ることができる。ポンプシャーシ150は、2つの反対向きの振動ダイヤフラムを収容する。分かり易くするために、ポンプ8の片側(すなわち、左側)の構成が描写され、他方(すなわち、右側)は鏡像になっている。二重ダイヤフラムポンプの両方の側が鏡像である必要はないことを理解されたい。ポンプシャーシ150の内側にはスローピン152があり、ダイヤフラムアーム154Lがスローピン152に回転可能に連結される。ダイヤフラムアーム154Lは、最適なダイヤフラムアームの高さHを備える。ダイヤフラムアームの高さHは、ダイヤフラムアームのスローピンの軸穴153の中心からダイヤフラム156Lの上面まで測定されるように示され、約4〜8mm、またはより狭い範囲では約5〜7mm、またはより狭い範囲では約6.5mm、または大体その程度の長さを含んでもよい。ダイヤフラムアームの高さが低いほど、ダイヤフラム156Lの望ましくない「揺れ」が大きくなり、ダイヤフラムアームの高さが高いほど、ポンプのサイズが増加する。ダイヤフラムアームの高さは、可能な限り有利に削減されてもよく、ダイヤフラムアームの高さの削減の限界は、ダイヤフラムの直径D、およびストローク当たりにダイヤフラムがどの程度揺れるかと直接関係している。
【0176】
有利には、ダイヤフラム156Lはまた、揺動運動に最も効果的に対応するように、また、各ストローク毎に大部分の空気を押し出し、大部分の空気を引き込むように、直径Dおよび略「M字形」または略「S字形」の断面形状を用いて最適化されてもよい(図31を参照)。ダイヤフラム156Lは、ダイヤフラムアーム154Lとダイヤフラムプレート158Lとの間に挟まれてもよい。ダイヤフラム156Lは、最適化された直径Dを備え、約20〜40mm、またはより狭い範囲では約25〜35mm、またはより狭い範囲では約30mm、またはその程度の直径を含んでもよく、直径D156Lは、ストローク毎に最適化された流れを提供する。最適化されたDは、ポンプが基部4内に嵌合することを可能にし、所望の流れ要件を提供する一方で、可能な限りの最低RPMでポンプが動作することを可能にする。ダイヤフラムプレート158Lは、ダイヤフラム156Lの剛性の中心領域を提供する。ダイヤフラムプレート158Lはまた、各ストローク毎に全ての空気が押し出され、かつ押し込まれることを確実にするように補助することによって、効率を向上させる。ダイヤフラムプレート158Lなしでは、ダイヤフラム156Lは、伸長および/または屈曲するのみである可能性がある。
【0177】
ダイヤフラムチャンバ161Lは、ダイヤフラム156Lの上にまたはそれに隣接して設置されてもよく、取り込み用一方向アンブレラ弁159Lおよび排出用一方向アンブレラ弁163Lが、ダイヤフラムチャンバ161Lのそれぞれの側に配置される。一方向アンブレラ弁およびダイヤフラムチャンバの使用は、ポンプ8の厚みを最小に抑えるのに役立つ。マニホールドガスケット165Lおよびポンプマニホールド164Lは、シャーシ150に取り付けられてもよく、排出ホース166Lおよび/または取り込みホース170Lは、マニホールド164Lに取り付けられてもよい。この場合もやはり、この構成または同様の構成がポンプ8の外側に繰り返される。次いで、取り込みホース172は、本体4を通って吸引孔192に延在してもよい。スローピン152は、反対向きの振動ダイヤフラムの振動運動を提供するように、モータ9に連結されてもよい。
【0178】
スローが高い大きなダイヤフラムは、小さい体積で所望の高い流量をもたらす。画定された基部4内の空間の物理的限界のために、ダイヤフラムの直径を増加させる能力は限られる可能性がある。小さい体積で所望の高い流量をもたらすために、高さHを有するダイヤフラムアーム154Lとダイヤフラムプレート158Lとの間に挟まれた直径Dを有するダイヤフラム156Lの構成は、高レベルの振動またはスローを伴う向上された高レベルの流量を提供するように最適化されてもよい。直径Dと高さHとの間の関係は、D/Hの比率として表されてもよく、比率は、約2/1〜約10/1、より狭い範囲では約4/1〜約6/1、より狭い範囲では約5/1、またはその程度であってもよい。そのようなデバイスの性能の向上は、従来のデバイスにおいて不可能であった。
【0179】
いくつかの実施形態において、記載したような二重ダイヤフラム構成を使用し、ポンプ8のrpmを流れ要件を満足させるのに辛うじて足りるだけ増加させ、前述したように、ストローク当たりの流量を増加させることを可能にするために、異なる形状および直径の特有のダイヤフラムを含むことにより、排除される量が最大化されてもよい。
【0180】
ポンプ8は、全容量を有することができる。例えば、ポンプ8は、約100cc(6.1in3)、より狭い範囲では約75cc(4.6in3)、より狭い範囲では約50cc(3.05in3)、またはその程度の容量を有することができる。
【0181】
図32は、ポンプ8の代替実施形態を示す。代替実施形態は、ダイヤフラムチャンバ160Lが平弁162Lと接合することを除いて、図30および31に示されるポンプ8に類似する。
【0182】
ポンプ11の例示的な実施形態は、図33および34に見ることができる。ポンプ11は、ボタン112および/またはスイッチ124を介して、直接的または間接的に制御部10と接続または接合していてもよい。第1の枢動アーム177および第2の枢動アーム178等の1つ以上の枢動アームは、例えば、洗浄ベローズ68を通して、直接的または間接的のいずれかで洗浄貯留部30に力180を印加するよう、枢動運動するように誘導されてもよい。取付プレート182は、第1の枢動アーム177に第1の枢着点184を、そして第2の枢動アーム178に第2の枢着点186を提供することができる。いくつかの実施形態において、第2の枢動アーム178の非枢動端部188は、洗浄孔190を通って取付プレート182内に部分的または完全に延在することができる(図8Cも参照のこと)。第2の枢動アーム178の非枢動端部188によって、インタフェース領域13を通ってベローズ68上で下向きの運動114を力180に変換するために、ユーザによってボタン112が押圧されるかまたは押されるか114してもよい。見て分かるように、吸引孔192は、インタフェース領域13を通過してヘッド14から基部4に延在するように、吸引真空49のための経路を提供する。
【0183】
(E.フロー図)
1つの望ましい技術的特徴によれば、図35Aおよび35Bは、デバイス2が、洗浄および吸引システムならびに機能の部分的なまたは完全な分離を提供するように適合されてもよいことを示す。図に見られるように、洗浄剤および吸引物の両方の流れは、互いから分離して維持されてもよく、二次汚染が回避され得るデバイスを提供する。前述したように、洗浄および/または吸引システムならびに機能は、本体4とヘッド14との間にインタフェース領域13を有してもよい。インタフェース領域は、例えば、ポンプ11を洗浄貯留部30および/または真空圧49、吸引貯留部40に直接的または間接的に接続してもよい。インタフェース領域13は、洗浄および吸引システムならびに機能の完全または部分的な分離を提供するように適合されてもよい。
【0184】
いくつかの実施形態において、洗浄剤32は、制御部10およびポンプ11を介して洗浄剤貯留部30に直接的または間接的のいずれかで印加される機械的圧力180によって、洗浄剤貯留部30から放出されてもよい(図35Aを参照)。他の実施形態において、洗浄剤32は、ユーザによる圧搾で洗浄剤貯留部30に印加される機械的圧力180によって、洗浄剤貯留部30から放出されてもよい(図35Bを参照)。ポンプ11は、含まれてもまたは含まれなくてもよい。洗浄剤32は、洗浄剤貯留部30から流出し、洗浄チャネル36を通って洗浄ポート34から出る。同時に、または前に、または後に、または任意の組み合わせのいずれかで、ポンプ8は、治療領域から吸引物貯留部40に空気および吸引物42を引き込むための吸引真空圧49を生じるように活性化されてもよい(例えば、制御部10およびモータ9を介して)。得られた真空49は、矢印で示されるように、吸引ポート44を通って吸引物貯留部40内に吸引物の流れ120を引き込むことができる。障壁24は、汚染された吸引物質42、すなわち、流体が、本体4に進入するのを防止してもよい。
【0185】
図35Aは、デバイス2が第1のポンプ8および第2のポンプ11を有することができることを示す。第1のポンプ8および/または第2のポンプ11は、手動または自動(例えば、電気モータによって駆動される)であってもよい。例えば、図示するように、第1のポンプ8が自動であり、第2のポンプ11が手動であってもよい。第1のポンプ8は、吸引物取り込みホース172に吸引物吸込圧を提供することができる。第1のポンプ8からの外向きの圧力は、排出ホース166および/または排出ポート168を通って排出されてもよい。
【0186】
第2のポンプ11は、洗浄貯留部30および/または洗浄チャネル36内の洗浄剤32を加圧することができる。第2のポンプ11は、矢印で示されるように、例えば、手によって(例えば、ボタン上の親指で)力180を生じるようにポンピングされてもよい。第2のポンプ11は、デバイス2の本体4のボタン112上の親指77によって作動されてもよい。洗浄剤32は、非噴霧流またはスプレーとして洗浄ポート34から送達されてもよいか、または洗浄剤32は、可撓性先端部18を通過または出るときに噴霧化されてもよい。
【0187】
ボタン112は、吸引は生じるが、洗浄は生じないように構成される位置にあってもよい。ボタン112は、洗浄は生じるが、吸引は生じないように構成される位置にあってもよい。ボタン112は、吸引および洗浄を生じるように構成される位置にあってもよい。矢印で示されるように、ポンプ8からの排出圧の全てまたは一部は、排出流170としてデバイス2から出ることができる。
【0188】
洗浄および吸引機能の分離は、洗浄剤貯留部30からの洗浄剤32が、ヘッド14、より具体的には、吸引物チャネル46および吸引物貯留部40内の真空圧49の印加のみによって流れることを防止するように、デバイス2が構成されることを可能にする。
【0189】
(V.追加の実施形態)
(A.バルブの設計)
図36は、吸引貯留部256が、エラストマーバルブ314等の弾性容器であってもよいことを示す。吸引貯留部256は、排出導管340を有することができる。排出導管340は、吸引貯留部256と流体連通していてもよい。排出導管340は、排出弁342および排出ポート344を有することができる。排出弁342は、吸引貯留部256から離れて流れるように構成される逆止弁であってもよい。
【0190】
ノズル259は、吸引貯留部256に一体化されてもよいか、または取外し可能に取り付けられてもよい。吸引ポート260、ノズル259、または吸引貯留部256は、吸引弁346を有することができる。吸引弁347は、例えば、アンブレラ逆止弁347等の逆止弁であってもよい。
【0191】
洗浄構成要素320は、洗浄トリガ348を有することができる。洗浄トリガ348は、1本の指で操作することができる。洗浄トリガ348が引かれるかまたは圧搾されると、洗浄構成要素320は洗浄剤257を分注することができる。
【0192】
吸引貯留部256が圧搾されると、吸引弁347が閉鎖することができ、排出弁342が開放することができる。吸引貯留部256中の吸引物258は、排出導管340および排出ポート344から押し出すことができる。排出弁342は、ダックビル弁であってもよい。以前に圧搾した吸引貯留部256を弛緩させると、排出弁342が閉鎖することができ、吸引弁347が開放することができる。次いで、吸込が吸引ポート260で生じることができ、吸引物258が吸引貯留部256に引き込まれ得る。
【0193】
図37は、吸引弁347がダックビル弁であってもよいことを示す(洗浄構成要素320は図示されない)。吸引構成要素322および/またはデバイスは、基部350を有することができる。基部350は、例えば、デバイス2が平坦な表面(例えば、テーブル)に立つことを可能にし、吸引260および他のポートをその平坦な表面から離した状態に維持するように構成することができる。
【0194】
図38は、吸引貯留部256が弾性の真空バルブ364内にあってもよいことを示す。真空バルブ364は、エラストマーであってもよい。吸引貯留部256は、例えば、洗浄−吸引ポート366を介して、洗浄剤貯留部254と流体連通していてもよい。洗浄−吸引ポート366は、吸引物貯留部256の吸引液レベルから離れるように構成される。
【0195】
洗浄−吸引弁368は、吸引貯留部256および洗浄剤貯留部254と流体連通していてもよい。洗浄−吸引弁368は、逆止弁であってもよい。洗浄−吸引弁368は、吸引貯留部256から洗浄剤貯留部254への流れのみを許容し、洗浄剤貯留部254から吸引貯留部256への流れを防止する弁であってもよい。
【0196】
吸引弁346は、吸引貯留部56への流れを許容する一方向逆止弁であってもよい。
【0197】
洗浄剤貯留部254は、洗浄剤容器370の中にあってもよい。洗浄剤容器370は剛性であってもよく、例えばプラスチックボトルであってもよい。洗浄剤容器370は、取り付け可能な貯留部の接合部372においてデバイスの残りの部分に一体化するか、または取外し可能に取り付け可能であってもよい。噴霧流体貯留部374は、洗浄剤257のレベルより上の、洗浄剤貯留部254の頂上部にあってもよい。
【0198】
基部350は、貯留部容器から延在することができる。基部350は、デバイス2の残りの部分の最も幅の広い部分よりも幅広くてもよい。
【0199】
真空バルブ364を圧搾することにより、噴霧ポート246から洗浄剤257を噴霧および駆出することができる。例えば、真空バルブ364が圧搾されると、洗浄−吸引弁363が開放することができ、洗浄−吸引ポート366を介して洗浄剤貯留部254を圧搾することができる。洗浄剤貯留部254内の圧力の増加により、洗浄チャネル224を通して洗浄剤257を流すことができる。洗浄剤貯留部254内の圧力の増加はまた、噴霧チャネル220を通して洗浄剤貯留部254(例えば、洗浄剤257の上)内のガスを押し進めることができる。
【0200】
以前に圧搾した洗浄−吸引弁368を弛緩させると、吸引物258を吸引貯留部256内に吸い込むことができる。例えば、洗浄−吸引弁368が閉鎖することができる。吸引ポート260の吸引シール294を解放することにより、吸引貯留部256内の陰圧が吸引物258を引き込むことができる。
【0201】
図39は、吸引260および/または洗浄248および/または噴霧ポート246に被嵌するように、1つ以上のカバー375を構成することができることを示す。
【0202】
デバイス2は、手動または自動で制御可能な二重排出弁376を有することができる。二重排出弁376は、受動的または能動的であってもよい。二重排出弁376は、吸引貯留部256および/または洗浄剤貯留部254から排出導管340への過剰な流圧を調整することができる。矢印で示されるように、過剰な流圧は、排出流として排出導管340を出ることができる。
【0203】
洗浄弁378は、洗浄剤貯留部254から洗浄ポート248への流れを調整することができる。洗浄弁378は、超過圧力で洗浄剤257が洗浄ポート248から出るのを防止するように構成することができる。洗浄剤257の流れの速度は、超過速度でデバイス2を出るのを防止することができる。
【0204】
図40および41は、吸引物貯留部256が洗浄剤貯留部の内壁380内にあってもよいことを示す。洗浄剤貯留部254は、洗浄剤貯留部の内壁380と洗浄剤貯留部の外壁382との間にあってもよい。内側の洗浄剤貯留部壁380および外側の洗浄剤貯留部壁382は、剛性、弾性、または変形可能であってもよい。
【0205】
デバイス2は、デバイス2の外部表面上に噴霧取り込みポート384を有することができる。噴霧取り込みポート384は、噴霧流体貯留部374と流体連通していてもよい。噴霧取り込みポート384は、噴霧取り込みポート384から噴霧流体貯留部374への一方向の流れを可能にするように構成される逆止弁を有することができる。
【0206】
噴霧弁386は、洗浄剤貯留部254から噴霧チャネル220への間の流れを調整することができる。噴霧チャネル220は、洗浄ポート248に隣接するベンチュリ385構成を有することができる。ベンチュリ385は、洗浄剤257を噴霧するか、および/または噴霧ガスの速度を増加させることができる。
【0207】
洗浄剤弁378は、洗浄剤貯留部254と洗浄剤チャネル224との間の流れを調整することができる。洗浄剤弁378は、逆止弁であってもよい。洗浄剤弁378は、洗浄剤チャネル224から洗浄剤貯留部254への流れを防止することができる。洗浄剤弁378は、洗浄剤貯留部254から洗浄剤チャネル224への実質的に自由な流れを許容することができる。例えば、約25mmHg(0.5psi)よりも大きな圧力差、より狭い範囲では約100mmHg(2psi)よりも大きな圧力差、より狭い範囲では約260mmHg(5psi)よりも大きな圧力差、より狭い範囲では、約760mmHg(14.7psi)よりも大きな圧力差よりも大きな圧力差、例えば、約1600mmHg(30psi)よりも大きな圧力差がある場合を除いて、洗浄剤弁378は、洗浄剤貯留部254から洗浄剤チャネル224への流れを制限することができる。
【0208】
洗浄剤取り込みポート388は、洗浄剤貯留部254と流体連通していてもよい。洗浄剤取り込みポート388は、洗浄剤取り込みポート388から洗浄剤貯留部254への一方向の流れを可能にするように構成される逆止弁を有することができる。洗浄剤貯留部254は、洗浄剤取り込みポート388を通して洗浄剤257を導入することによって充填することができる。
【0209】
吸引チャネル226は、弁移行帯390を有することができる。弁移行帯390は、吸引チャネル226の内壁から吸引物弁346の内壁への円滑な移行部として構成することができる。
【0210】
排出弁342は、吸引物貯留部256と排出ポート344との間の流れを調整することができる。排出ポート344は、使用中、ユーザによって(例えば、親指77等の指76で)覆われてもよく、また覆われなくてもよい。排出物は、矢印で示されるように、吸引物貯留部256から流れ、排出ポート344から出ることができる。
【0211】
図40および41に示されるデバイス2は、洗浄剤257を送達するために圧搾することができる。圧搾した構成からデバイス2を解放することにより、吸引することができる。
【0212】
図41は、混合弁392で洗浄剤257および噴霧流体を混合することができることを示す。混合弁392は、噴霧ポート246より上流にあってもよい。
【0213】
図42は、図36に示される変形例等のデバイス2が、例えば、1本以上の指76(例えば、人差し指および/または中指)で、蝶番上のトリガ245を回転508させることによって、洗浄するように作動させることができることを示す。吸引物貯留部256は、矢印で示されるように、例えば、親指77、薬指、小指および掌74で、吸引物貯留部256を圧縮すること241によって、完全にまたは部分的に空にすることができる。圧縮した吸引物貯留部256を解放することによって、吸引物258を吸引ポート260に引き込むことができる。
【0214】
図36〜42に示されるようなデバイス2の変形例は、バルブ314等のデバイス2の弾性部分の全てまたは一部を圧搾(例えば、洗浄のために)および解放(例えば、吸引のために)することにより作動させることができる。
【0215】
(B.遠隔ヘッド)
図43は、デバイス2が、リード200で本体4に連結され得るヘッド14を有することができること、ならびに/または、ヘッド14は、例えば、壁真空ポンプおよび/もしくは携帯型真空ポンプ等の別個の真空源に連結され得ることを示す。この実施形態は、デバイス2の説明において開示される特徴のいずれかおよび全てを組み込んでもよいが、この実施形態は、遠隔ヘッド14を提供するという追加の特徴を備える。
【0216】
リード200は、洗浄剤チャネル36、および/もしくは吸引物チャネル46、および/もしくは制御部10への連結部、および/もしくは壁真空源への連結部、および/もしくは携帯型真空ポンプへの連結部、またはそれらの組み合わせを担持することができる。リード200は、可撓性であってもよい。リード200は、例えば、ばね負荷式の引き込み機構で、本体4内に引き込まれ得る。リード200は、コイル状であってもよい。
【0217】
ヘッド14は、取外し可能に取り付けられた吸引物貯留部40および/または洗浄剤貯留部30を有することができる。ヘッド14は、ヘッド14および/または本体4の使用および制御において補助となるハンドル202を含んでもよい。ヘッド14および/またはハンドル202は、洗浄剤を放出するために必要な洗浄剤の圧力を生じさせるために、ポンプ204を含んでもよい。ヘッドは、洗浄剤を放出するために必要な洗浄剤の圧力を生じさせるために圧搾されてもよい。
【0218】
本体4は、あらゆる都合のよい形状を採ることができ、支持のための平坦な基部206を有してもよい。本体4は、例えば、ねじ、釘、無頭釘、ボルト、またはそれらの組み合わせにより、平坦な表面(例えば、床、テーブル、ベビーベッド)等の表面に取り付けることができる。本体4は、バラストを用いて加重することができるか、および/またはクランプを有することができる(例えば、安定させるため)。
【0219】
(C.二重先端部ノズル)
図44は、デバイス2が、1つ以上のノズル、すなわち、2つの可撓性先端部194、195として示される可撓性先端部を含むヘッド14を有することができることを示す。いくつかの実施形態は、デバイス2の説明において開示されるあらゆる特徴を組み込んでもよいが、いくつかの実施形態は、二重可撓性先端部194、195という追加の特徴を含む。
【0220】
標的部位、例えば、鼻腔および/または副鼻腔を、一方の鼻孔から他方の鼻腔へ同時または間欠的に洗浄および吸引することは、有利であり得る。二重先端部194、195は、一方の鼻孔内に洗浄剤32を放出する一方で、同時にまたは間欠的に他方の鼻孔から吸引することを可能にする(図45を参照)。
【0221】
いくつかの実施形態において、洗浄液32は、細かい霧として洗浄剤32の高容量の流れに提供されてもよい。洗浄剤32は、連続的にまたはパルス式で放出されてもよい。吸引は、連続的または間欠的であってもよい。洗浄および吸引のプロセスは、清浄サイクルのために自動または手動で時間設定されてもよい(すなわち、洗浄および吸引)。
【0222】
(D.代替圧力)
図46は、吸引および/または洗浄機能のために十分な圧力を発生させるように適合されるトリガまたはハンドル208を備えるポンプ構成を有することのできるデバイス2のいくつかの実施形態を示す。ハンドル208は、陽圧および陰圧のいずれかまたは両方を発生させるために使用されてもよい。圧力は、発生させて容器またはキャニスタ210内に保存し、例えば、制御部10を介して解放してもよいか、または圧力は、必要に応じて発生させてもよい。ハンドル208は、前述したようにポンプ8および/もしくは11等のポンプに連結されてもよいか、ならびに/あるいはハンドルは、一方向弁と組み合わせたベローズもしくはバッフルと、または、代替として、比較的一定の圧力、例えば真空を発生させるための弾み車ポンプと連結されてもよい。
【0223】
図47は、デバイス2のいくつかの実施形態は、キャニスタ210または他の圧縮ガスの供給源(例えば、空気、二酸化炭素、酸素、および/または窒素)を備えるポンプ構成を有することができることを示す。デバイス2の実施形態は、ベンチュリ効果をもたらし、それによって、吸引および/または洗浄機能のために十分な圧力を形成するために、圧縮ガスの供給を制御可能に発生させ、次いで、その圧縮ガスを制御可能に放出するように構成することができる。
【0224】
いくつかの実施形態において、圧縮ガスは、ユーザによって手動で発生させられる。例えば、即時使用するために圧力下でガスを発生させるために、またはキャニスタ210に保存するために、ハンドル208が使用されてもよい。前述したように、エラストマーバルブ314等の弾性容器が、圧縮ガスを作製および/または保存するために使用されてもよい。
【0225】
いくつかの実施形態において、圧縮ガスは、除去可能および交換可能であってもよいか、ならびに/または自動的に発生させられてもよい。例えば、キャニスタ210は、圧縮ガスの供給源を収容する取外し可能および交換可能な、スナップで取り付ける方式のキャニスタであってもよく、供給された圧縮ガスが排出されると、キャニスタ210は新しいキャニスタと交換される。充電器基部62はまた、新鮮な圧縮ガスの供給でキャニスタ210を充填する高圧ポンプを備えてもよい。
【0226】
図48A〜49Bは、吸引および/または洗浄機能のために十分な圧力を発生させるように適合されるバッフルまたはベローズ214を備えるポンプ構成を有することのできるデバイス2の代替実施形態を示す。ベローズ214は、陽圧および陰圧のいずれかまたは両方を発生させるために使用されてもよい。前述したように、圧力を発生させて容器またはキャニスタ210内に保存し、例えば、制御部10を介して解放してもよいか、または、必要に応じて圧力を発生させてもよい。ベローズ214は、前述したようにポンプ8および/もしくは11等のポンプに連結させてもよく、ならびに/またはベローズ214は、比較的一定の圧力、例えば真空を発生させるための一方向弁と組み合わせてもよい。図48Aおよび48Bは、ベローズがデバイス2に位置する実施形態を示しており、ベローズは、ユーザの手または指で容易に制御される。図49Aおよび49Bは、ベローズが、デバイス2上でその基部付近またはその上に位置する実施形態を示す。
【0227】
(VI.使用説明書)
使用説明書58は、1本以上の指(すなわち、指76または親指77)で手に保持され、制御可能なように適合されるデバイス2を含む、洗浄および吸引デバイス2の使用を指示することができる。使用説明書は、例えば、鼻腔における洗浄および/または吸引のための指示を含んでもよい。使用説明書はまた、例えば、後に記載するように、ヘッド14および/または吸引貯留部40の内容物を検査するため等の診断デバイスとしてヘッド14を使用するための指示を含んでもよい。
【0228】
図26〜29は、代表的な使用説明書58が組み込むかまたは指示することができるステップの代表的な実施形態を示す。
【0229】
(A.洗浄剤および吸引物)
指示は、洗浄および吸引手順を実行するために従うことのできる一連のステップを含んでもよい。デバイス2は、洗浄のみ、または吸引のみ、または洗浄の次に吸引、または吸引の次に洗浄、または洗浄と吸引を同時に行うために使用されてもよいことを理解されたい。指示は、デバイス2を制御する人物(ユーザもしくは患者であり得るか、またはユーザが患者であり得る)の利益のために提供されてもよい。これらのステップは、以下を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0230】
(i)洗浄および吸引デバイス2が所望の供給量の洗浄液32を含有していることを確認する。
【0231】
(ii)デバイス2が動作可能であることを確認すること、それにはボタン112を押圧して洗浄液32の流れおよび吸引吸込が使用可能であることを確認することによって、洗浄機能および吸引機能をテストすることを含んでもよい。
【0232】
(iii)鼻孔の前庭に可撓性先端部18を配置し、球根状の先端部82を鼻孔に押し付けて緩やかに密封するように内向きの力を印加する:様々な位置が用いられてもよく、例えば、乳児に使用する場合、ユーザは、乳児がユーザの足の間にくるようにベッドの上に座り、片手で乳児の頭部を低く保持し、他方の手でデバイス2を使用してもよいか、または、毛布に乳児をくるみ、おむつ交換台に乳児を乗せ、片手で頭部を保持し、他方の手でデバイス2を使用してもよいか、または頭部がユーザの脇の下にくるように乳児を抱き、乳児の腕の上方に腕を置いて他方の手でデバイスを使用してもよい。
【0233】
(iv)制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第1の部分に下向きの力114を印加して、先端部18を通して鼻腔および/または副鼻腔内に洗浄貯留部30から洗浄液を放出する。
【0234】
(v)再び制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第2の部分に下向きの力116を印加して吸引圧を生じさせ、先端部18を通して鼻腔および/または副鼻腔から洗浄液32および粘液(すなわち、吸引液42)を引き出し、吸引貯留部40内に引き込む。
【0235】
(vi)ステップ(iv)および(v)は必要に応じて繰り返されてもよく、一方で、洗浄貯留部30が洗浄液32の供給量を含有し、吸引貯留部40が追加の吸引液42のための空間を包含することを確認する。
【0236】
(vii)必要であれば、洗浄貯留部30に洗浄液32が補充されてもよい(または洗浄貯留部30が取り外され、満杯の洗浄貯留部30と交換されてもよく、吸引貯留部40が空にされてもよい(または吸引貯留部40が取り外され、空の吸引貯留部40と交換されてもよい)。
【0237】
(viii)任意で、洗浄および吸引を同時に行うために、ステップ(iv)および(v)に同時に従ってもよい。
【0238】
(ix)使用後は、洗浄貯留部30および/または吸引貯留部40が取り外されてもよいか、および/または交換されてもよいか、および/または再利用のために洗浄されてもよい。
【0239】
指示は、副鼻腔の内容物の排除および副鼻腔の完全洗浄のための洗浄および吸引手順を実行するために従うことのできる一連のステップを含んでもよい。これらのステップは、急速に移動する洗浄液が副鼻腔骨を通る時のベンチュリ効果を使用してもよく、それによって、副鼻腔の内容物(すなわち、粘液)を洗浄液で排除することができる(プレッツ置換手技に近似する)。
【0240】
これらのステップは、上述したようなステップを含んでもよく、また以下を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0241】
(i)洗浄および吸引デバイス2が所望の供給量の洗浄液32を含有していることを確認する。
【0242】
(ii)デバイス2が動作可能であることを確認すること、それにはボタン112を押圧して洗浄液32の流れおよび吸引吸込が使用可能であることを確認することによって、洗浄機能および吸引機能をテストすることを含んでもよい。
【0243】
(iii)頭を鼻吸入の位置にして患者を寝かせる。
【0244】
(iv)鼻孔の前庭に可撓性先端部18を配置し、球根状の先端部82を鼻孔に押し付けて緩やかに密封するように内向きの力を印加する。
【0245】
(v)制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第1の部分に下向きの力114を印加して、先端部18を通して鼻の一方の側に洗浄貯留部30から洗浄液を放出して鼻腔を充填する。
【0246】
(vi)同時に、またはその直後に、再び制御部10を使用して、例えば親指77で、ボタン112の第2の部分に下向きの力116を印加して吸引圧を生じさせ、生理食塩水で洗浄される鼻孔を間欠的に塞ぎながら鼻の他方の側に吸込を印加し、排出に満足するまで一度に約3〜5秒間吸込を印加する。吸込を印加する間、患者に「ク、ク、ク、ク」と言わせると、それによって蓋谷が閉じ、より閉鎖された循環が可能になるため、有用であるかもしれない。
【0247】
(B.汚染された流体を診断する)
指示は、汚染流体診断手順を実行するために従うことのできる一連のステップを含んでもよい。診断手順は、後述するように、診断手段22によって自動的に実行されてもよいか、または吸引物貯留部40および/もしくはヘッド14が取り外され、さらなる検査のために研究室に送られてもよいことを理解されたい。これらのステップは、以下を含むことができるが、それらに限定されない。
【0248】
(i)吸引貯留部40内の供給された吸引液42を収集するための、少なくとも吸引のためのデバイス2の使用(上記指示を参照)。
【0249】
(ii)吸引液42を診断手段22に直接提示するか、または最初に流体42をサンプルチャンバ92に引き込むことによって提示する(これは、流体サンプル42をチャンバ92に引き込むためにヘッド14(またはデバイス2)を振盪することによって、または、キャップ20または指76で可撓性先端部18に蓋をして吸引機能を再び作動させ、吸引液サンプル42をチャンバ92に引き込む閉塞された状態での引込を引き起こすことによって、達成されてもよい)。
【0250】
(iii)チャンバのサイズによって予め決定されてもよい所定量の流体42が一旦チャンバ92に入ると、検査のための診断手段22の一部として分析システム90に使用可能となってもよいか、または流体42は、次いで分析システム90に送達されるアリコートを形成するために、チャンバ92もしくは他のチャンバからの試薬と組み合わせられてもよい。
【0251】
(iv)サンプルおよび/またはアリコートが分析システム90の中および/または上に進入できるように、ブリスター94を手動で押し上げること、もしくはボタンを押すこと、もしくは、ヘッド14の側面上のスイッチの運動等の動作を行うことによって、次いで、サンプルまたはアリコートが分析システム90に提示されてもよい。
【0252】
(v)診断手段22は、次いで、検査(複数可)の結果(複数可)を表示および/または提示することができ、それは、例えば、診断手段22および/もしくはヘッド14の上または中のインジケータの色の変化として表示されてもよいか、または、試験紙片が診断手段から除去されてもよいか、または、ヘッド14および/もしくは吸引貯留部40の中で可視であってもよい。
【0253】
(vi)ヘッド14および/もしくは診断手段22は、次いで、廃棄されてもよいか、またはヘッド14および/もしくは診断手段22は、さらなる検査のために研究室に送られてもよい。
【0254】
上記は、本発明の主旨の単なる例示であると見なされるものとする。さらに、当業者は多数の修正および変更に容易に想到するため、本発明を、図示し、かつ記載した正確な構造および操作に限定することは望ましくない。これまで好ましい実施形態を記載してきたが、特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく詳細が変更されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の送達および/または除去のためのデバイスであって、該デバイスは、
筐体と、
該筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される洗浄剤貯留部と、
該筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、
吸引された液体を該吸引物貯留部内に保持し、ガスが該吸引物貯留部から外に通過することを可能にするように適合される障壁手段と、
該筐体から延在する少なくとも1つのノズルであって、該ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔腔とを含み、該洗浄剤管腔は、該洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、該吸引物管腔は、該吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される、ノズルと、
該洗浄剤貯留部から該洗浄剤管腔を通って該洗浄剤ポートの外に洗浄液を放出するように適合されるポンプ手段と、
インタフェース領域であって、少なくとも1つの非流体流構成要素と、少なくとも1つのガス流構成要素とを備える、インタフェース領域と
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記障壁手段は、前記筐体内にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記障壁手段は、前記吸引物貯留部内にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記障壁手段は、疎水性フィルタ、発泡体、スポンジ、フィルタなしの構成、入り組んだチャネル、および綿のうちの少なくとも1つを備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記洗浄液を所定の温度まで加熱する加熱器をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記筐体は、可撓性部分を含み、該可撓性部分は、圧搾または押圧されることにより、前記洗浄剤貯留部に直接的または間接的に圧力を印加して、該洗浄剤貯留部から外に洗浄液を放出するように適合される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記吸引された流体を検査する診断手段をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
本体をさらに含み、該本体は、前記筐体に解放可能に連結され、
該本体は、流体を前記吸引物ポートの中に引き込み、前記吸引物管腔を通して前記吸引物貯留部の中に引き込むように適合されるポンプ手段を含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記本体は、洗浄および吸引の両方を操作するように適合される制御部をさらに備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記ポンプ手段は、二重ダイヤフラムポンプを備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記本体は、電源をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスは、携帯可能であり、およびユーザの手の中に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
前記本体は、また、前記インタフェース領域を含み、該インタフェース領域は、該本体を前記筐体に連結するように適合される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非流体流構成要素は、前記本体から前記洗浄貯留部に力を印加することにより該洗浄貯留部から洗浄液を放出するベローズを備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのガス流構成要素は、前記吸引貯留部から前記本体の中へガスが流れることを可能にする通路を備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項16】
前記筐体は、取外し可能および交換可能なヘッドを備え、
該筐体は、本体をさらに含み、該本体は、該筐体に解放可能に連結するように適合され、該本体は、前記ポンプ手段を含み、
前記インタフェース領域は、該ヘッドを該本体に連結する、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項17】
前記洗浄剤貯留部および前記吸引物貯留部のうちの少なくとも1つは、取外し可能および交換可能である、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
前記洗浄剤貯留部は、補充可能である、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
前記インタフェース領域は、前記ヘッドと前記本体との間にシールを備え、該シールは該本体に作用させられる力が該ヘッドに伝達されることを可能にするように適合され、
該シールは、該本体からの吸引圧が前記吸引貯留部から外にガスを引き出し、該本体内に引き込むことを可能にするように適合される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項20】
前記本体に作用させられる前記力は、制御手段に作用させられる力を含み、該制御手段に作用させられる該力は、前記シールを通って前記ヘッド内の洗浄貯留部の中に伝達される、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記制御手段に作用させられる前記力は、吸引圧を活性化して、前記吸引貯留部から外に前記ガスを引き出し、前記本体内に引き込むように適合される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項30】
洗浄および吸引システムを提供するデバイスのキットであって、該キットは、
前記請求項のいずれかに記載のデバイスと、
該デバイスの操作および使用を説明する使用説明書と
を備える、キット。
【請求項31】
手持ち式の検査デバイスであって、該デバイスは、
手持ち式の筐体であって、該筐体はヘッドおよび基部を含み、該ヘッドと基部とはインタフェース領域において相互に解放可能に連結されるように適合される、筐体と、
該筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、
該吸引物貯留部に流体を引き込むように適合される、該筐体内のポンプ手段と、
該吸引された流体を検査する、該筐体内の診断手段であって、該吸引された流体の検査の結果の指標を提供するように適合される診断手段と
を備える、デバイス。
【請求項32】
前記診断手段は、試験紙片、電気チップ、化学物質、および遺伝子プレートのうちの少なくとも1つを備える、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記診断手段は、ヘッド内に収容される、請求項31〜32のいずれかに記載のデバイス。
【請求項34】
前記診断手段は、検査結果を提供するように適合される、請求項31〜33のいずれかに記載のデバイス。
【請求項35】
前記診断手段は、前記吸引物貯留部内に収容される、請求項31〜34のいずれかに記載のデバイス。
【請求項36】
前記診断手段は、A型およびB型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、アデノウイルス、レジオネラ、CNV、EBV、A群β溶血性連鎖球菌感染症、肺炎球菌、髄膜炎菌、マイコプラズマ、黄色ブドウ球菌、マラリア、HIV、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、天然痘、炭疽菌、ボツリヌス毒素、リシン、エボラ、狂犬病、ブルセラ症、(疫病)ペスト菌、コクシエラ・バーネッティ(Q熱)、T2マイコトキシン、フランシセラ・ツラレンシス(野兎病)、ウイルス性ウマ脳炎、ウイルス性出血熱、およびバークホルデリア・マレイ(鼻疽)を含む、微生物学的検査に適応する、請求項31〜35のいずれかに記載のデバイス。
【請求項37】
前記診断手段は、アンフェタミン、コカイン、オピエート、フェンシクリジン、テトラヒドロカンナビノール、アセトアミノフェン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、メタドン、プロポキシフェン、三環系抗うつ薬、カルシウムチャネル遮断薬、エチルアルコール、エチレングリコール、ケトン、グルコース、血糖降下薬、サイトカイン、インターロイキン、インスリン、ヘモグロビンA1C、電解質、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(妊娠検査)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、T3血液検査、T4血液検査、C反応性タンパク質(CRP)、および赤血球沈降速度(ESR)を含む、毒性検査および/または化学検査に適応する、請求項31〜36のいずれかに記載のデバイス。
【請求項38】
前記診断手段は、ウイルス、細菌、および癌に対するリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応検査および/または免疫学的検定に対応する、請求項31〜17のいずれかに記載のデバイス。
【請求項39】
検査デバイスであって、
筐体と、
該筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、
該吸引された流体を検査する診断手段であって、該吸引された流体の検査の結果の指標を提供するように適合される診断手段と
を備える、デバイス。
【請求項40】
洗浄および吸引システムを提供するデバイスのキットであって、該キットは、
請求項31〜39のいずれかに記載のデバイスと、
該デバイスの操作および使用を説明する使用説明書と
を備える、キット。
【請求項41】
身体開口部の洗浄および吸引のためのシステムであって、該システムは、
ヘッドであって、該ヘッドは、所定量の洗浄液を洗浄貯留部に収容するように適合され、および所定量の吸引された流体を収容するように適合される吸引貯留部を収容するヘッドと、
本体であって、該本体は、該ヘッドに解放可能に連結され、および該吸引貯留部の中に流体を引き込むポンプ手段を収容する本体と
を備え、
該システムは、約200cc〜約400ccの体積を画定し、携帯可能であり、ユーザの手の中に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成され、
該システムは、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じさせるように適合される、システム。
【請求項42】
約1秒〜約30分の期間の間に、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じさせるようにさらに適合される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記ポンプ手段に電力を提供する電源をさらに含む、請求項41〜42のいずれかに記載のシステム。
【請求項44】
約5ワット〜約15ワットの電力消費量で、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じさせるようにさらに適合される、請求項41〜43のいずれかに記載のシステム。
【請求項45】
前記電源は、約100mAh〜約1000mAhの電気容量を備える、請求項41〜44のいずれかに記載のシステム。
【請求項46】
身体開口部の洗浄および吸引のためのシステムであって、該システムは、
ヘッドであって、該ヘッドは、所定量の洗浄液を洗浄貯留部に収容するように適合され、所定量の吸引された流体を収容するように適合される吸引貯留部を収容するヘッドと、
本体であって、該ヘッドに解放可能に連結され、該吸引貯留部の中に流体を引き込むポンプ手段を収容する本体と
を備え、
該システムは、約200cc〜約400ccの体積を画定し、携帯可能であり、ユーザの手の中に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成され、
該システムは、約50mmHg〜約200mmHgの吸引圧を生じさせるように適合される、システム。
【請求項47】
前記ポンプ手段に電力を提供する電源をさらに含む、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
約5ワット〜約15ワットの電力消費量で、約50mmHg〜約200mmHgの吸引圧を生じさせるようにさらに適合される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
開口部の洗浄および/または吸引のためのシステムであって、該システムは、
洗浄機能と、吸引機能と、ユーザ制御部とを備え、
該洗浄機能は、洗浄力および洗浄貯留部を備え、該洗浄貯留部は、洗浄液を収容するように適合され、該洗浄力は、該洗浄機能へのユーザ入力によって開始させられ、該洗浄力は、該洗浄貯留部から該開口部の中へ洗浄液を放出するように該洗浄貯留部に作用し、
該吸引機能は、吸引圧および吸引貯留部を備え、該吸引貯留部は、吸引された流体を捕捉するように適合され、該吸引貯留部は、吸引された液体を該吸引貯留部内に保持し、該吸引貯留部から外へガスが排出されることを可能にするように適合され、
該ユーザ制御部は、該洗浄機能および該吸引機能のうちの少なくとも1つに対する制御機能を提供するように適合され、該洗浄機能は、断続的に、または該吸引機能の動作と同時に動作可能であり、
該洗浄機能は、該吸引機能と相互作用することなく動作可能であり、該吸引機能は、該洗浄機能と相互作用することなく動作可能である、システム。
【請求項50】
請求項41〜49のいずれかに記載のシステムと、
該システムの操作および使用を説明する使用説明書と
を備える、キット。
【請求項1】
流体の送達および/または除去のためのデバイスであって、該デバイスは、
筐体と、
該筐体内の洗浄剤貯留部であって、洗浄液を収容するように適合される洗浄剤貯留部と、
該筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、
吸引された液体を該吸引物貯留部内に保持し、ガスが該吸引物貯留部から外に通過することを可能にするように適合される障壁手段と、
該筐体から延在する少なくとも1つのノズルであって、該ノズルは、洗浄剤管腔と、吸引物管腔腔とを含み、該洗浄剤管腔は、該洗浄剤貯留部と洗浄剤ポートとの間に流体連通を提供するように適合され、該吸引物管腔は、該吸引物貯留部と吸引物ポートとの間に流体連通を提供するように適合される、ノズルと、
該洗浄剤貯留部から該洗浄剤管腔を通って該洗浄剤ポートの外に洗浄液を放出するように適合されるポンプ手段と、
インタフェース領域であって、少なくとも1つの非流体流構成要素と、少なくとも1つのガス流構成要素とを備える、インタフェース領域と
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記障壁手段は、前記筐体内にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記障壁手段は、前記吸引物貯留部内にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記障壁手段は、疎水性フィルタ、発泡体、スポンジ、フィルタなしの構成、入り組んだチャネル、および綿のうちの少なくとも1つを備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記洗浄液を所定の温度まで加熱する加熱器をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記筐体は、可撓性部分を含み、該可撓性部分は、圧搾または押圧されることにより、前記洗浄剤貯留部に直接的または間接的に圧力を印加して、該洗浄剤貯留部から外に洗浄液を放出するように適合される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記吸引された流体を検査する診断手段をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
本体をさらに含み、該本体は、前記筐体に解放可能に連結され、
該本体は、流体を前記吸引物ポートの中に引き込み、前記吸引物管腔を通して前記吸引物貯留部の中に引き込むように適合されるポンプ手段を含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記本体は、洗浄および吸引の両方を操作するように適合される制御部をさらに備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記ポンプ手段は、二重ダイヤフラムポンプを備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記本体は、電源をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスは、携帯可能であり、およびユーザの手の中に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
前記本体は、また、前記インタフェース領域を含み、該インタフェース領域は、該本体を前記筐体に連結するように適合される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非流体流構成要素は、前記本体から前記洗浄貯留部に力を印加することにより該洗浄貯留部から洗浄液を放出するベローズを備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのガス流構成要素は、前記吸引貯留部から前記本体の中へガスが流れることを可能にする通路を備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項16】
前記筐体は、取外し可能および交換可能なヘッドを備え、
該筐体は、本体をさらに含み、該本体は、該筐体に解放可能に連結するように適合され、該本体は、前記ポンプ手段を含み、
前記インタフェース領域は、該ヘッドを該本体に連結する、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項17】
前記洗浄剤貯留部および前記吸引物貯留部のうちの少なくとも1つは、取外し可能および交換可能である、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
前記洗浄剤貯留部は、補充可能である、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
前記インタフェース領域は、前記ヘッドと前記本体との間にシールを備え、該シールは該本体に作用させられる力が該ヘッドに伝達されることを可能にするように適合され、
該シールは、該本体からの吸引圧が前記吸引貯留部から外にガスを引き出し、該本体内に引き込むことを可能にするように適合される、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項20】
前記本体に作用させられる前記力は、制御手段に作用させられる力を含み、該制御手段に作用させられる該力は、前記シールを通って前記ヘッド内の洗浄貯留部の中に伝達される、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記制御手段に作用させられる前記力は、吸引圧を活性化して、前記吸引貯留部から外に前記ガスを引き出し、前記本体内に引き込むように適合される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項30】
洗浄および吸引システムを提供するデバイスのキットであって、該キットは、
前記請求項のいずれかに記載のデバイスと、
該デバイスの操作および使用を説明する使用説明書と
を備える、キット。
【請求項31】
手持ち式の検査デバイスであって、該デバイスは、
手持ち式の筐体であって、該筐体はヘッドおよび基部を含み、該ヘッドと基部とはインタフェース領域において相互に解放可能に連結されるように適合される、筐体と、
該筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、
該吸引物貯留部に流体を引き込むように適合される、該筐体内のポンプ手段と、
該吸引された流体を検査する、該筐体内の診断手段であって、該吸引された流体の検査の結果の指標を提供するように適合される診断手段と
を備える、デバイス。
【請求項32】
前記診断手段は、試験紙片、電気チップ、化学物質、および遺伝子プレートのうちの少なくとも1つを備える、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記診断手段は、ヘッド内に収容される、請求項31〜32のいずれかに記載のデバイス。
【請求項34】
前記診断手段は、検査結果を提供するように適合される、請求項31〜33のいずれかに記載のデバイス。
【請求項35】
前記診断手段は、前記吸引物貯留部内に収容される、請求項31〜34のいずれかに記載のデバイス。
【請求項36】
前記診断手段は、A型およびB型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、アデノウイルス、レジオネラ、CNV、EBV、A群β溶血性連鎖球菌感染症、肺炎球菌、髄膜炎菌、マイコプラズマ、黄色ブドウ球菌、マラリア、HIV、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、天然痘、炭疽菌、ボツリヌス毒素、リシン、エボラ、狂犬病、ブルセラ症、(疫病)ペスト菌、コクシエラ・バーネッティ(Q熱)、T2マイコトキシン、フランシセラ・ツラレンシス(野兎病)、ウイルス性ウマ脳炎、ウイルス性出血熱、およびバークホルデリア・マレイ(鼻疽)を含む、微生物学的検査に適応する、請求項31〜35のいずれかに記載のデバイス。
【請求項37】
前記診断手段は、アンフェタミン、コカイン、オピエート、フェンシクリジン、テトラヒドロカンナビノール、アセトアミノフェン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、メタドン、プロポキシフェン、三環系抗うつ薬、カルシウムチャネル遮断薬、エチルアルコール、エチレングリコール、ケトン、グルコース、血糖降下薬、サイトカイン、インターロイキン、インスリン、ヘモグロビンA1C、電解質、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(妊娠検査)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、T3血液検査、T4血液検査、C反応性タンパク質(CRP)、および赤血球沈降速度(ESR)を含む、毒性検査および/または化学検査に適応する、請求項31〜36のいずれかに記載のデバイス。
【請求項38】
前記診断手段は、ウイルス、細菌、および癌に対するリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応検査および/または免疫学的検定に対応する、請求項31〜17のいずれかに記載のデバイス。
【請求項39】
検査デバイスであって、
筐体と、
該筐体内の吸引物貯留部であって、吸引された流体を収容するように適合される吸引物貯留部と、
該吸引された流体を検査する診断手段であって、該吸引された流体の検査の結果の指標を提供するように適合される診断手段と
を備える、デバイス。
【請求項40】
洗浄および吸引システムを提供するデバイスのキットであって、該キットは、
請求項31〜39のいずれかに記載のデバイスと、
該デバイスの操作および使用を説明する使用説明書と
を備える、キット。
【請求項41】
身体開口部の洗浄および吸引のためのシステムであって、該システムは、
ヘッドであって、該ヘッドは、所定量の洗浄液を洗浄貯留部に収容するように適合され、および所定量の吸引された流体を収容するように適合される吸引貯留部を収容するヘッドと、
本体であって、該本体は、該ヘッドに解放可能に連結され、および該吸引貯留部の中に流体を引き込むポンプ手段を収容する本体と
を備え、
該システムは、約200cc〜約400ccの体積を画定し、携帯可能であり、ユーザの手の中に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成され、
該システムは、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じさせるように適合される、システム。
【請求項42】
約1秒〜約30分の期間の間に、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じさせるようにさらに適合される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記ポンプ手段に電力を提供する電源をさらに含む、請求項41〜42のいずれかに記載のシステム。
【請求項44】
約5ワット〜約15ワットの電力消費量で、約5,000cc/分〜約20,000cc/分の流入流体の体積を生じさせるようにさらに適合される、請求項41〜43のいずれかに記載のシステム。
【請求項45】
前記電源は、約100mAh〜約1000mAhの電気容量を備える、請求項41〜44のいずれかに記載のシステム。
【請求項46】
身体開口部の洗浄および吸引のためのシステムであって、該システムは、
ヘッドであって、該ヘッドは、所定量の洗浄液を洗浄貯留部に収容するように適合され、所定量の吸引された流体を収容するように適合される吸引貯留部を収容するヘッドと、
本体であって、該ヘッドに解放可能に連結され、該吸引貯留部の中に流体を引き込むポンプ手段を収容する本体と
を備え、
該システムは、約200cc〜約400ccの体積を画定し、携帯可能であり、ユーザの手の中に操作可能に担持されるようにサイズ決定および構成され、
該システムは、約50mmHg〜約200mmHgの吸引圧を生じさせるように適合される、システム。
【請求項47】
前記ポンプ手段に電力を提供する電源をさらに含む、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
約5ワット〜約15ワットの電力消費量で、約50mmHg〜約200mmHgの吸引圧を生じさせるようにさらに適合される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
開口部の洗浄および/または吸引のためのシステムであって、該システムは、
洗浄機能と、吸引機能と、ユーザ制御部とを備え、
該洗浄機能は、洗浄力および洗浄貯留部を備え、該洗浄貯留部は、洗浄液を収容するように適合され、該洗浄力は、該洗浄機能へのユーザ入力によって開始させられ、該洗浄力は、該洗浄貯留部から該開口部の中へ洗浄液を放出するように該洗浄貯留部に作用し、
該吸引機能は、吸引圧および吸引貯留部を備え、該吸引貯留部は、吸引された流体を捕捉するように適合され、該吸引貯留部は、吸引された液体を該吸引貯留部内に保持し、該吸引貯留部から外へガスが排出されることを可能にするように適合され、
該ユーザ制御部は、該洗浄機能および該吸引機能のうちの少なくとも1つに対する制御機能を提供するように適合され、該洗浄機能は、断続的に、または該吸引機能の動作と同時に動作可能であり、
該洗浄機能は、該吸引機能と相互作用することなく動作可能であり、該吸引機能は、該洗浄機能と相互作用することなく動作可能である、システム。
【請求項50】
請求項41〜49のいずれかに記載のシステムと、
該システムの操作および使用を説明する使用説明書と
を備える、キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A−11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48A】
【図48B】
【図49A】
【図49B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A−11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48A】
【図48B】
【図49A】
【図49B】
【公表番号】特表2012−525209(P2012−525209A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508476(P2012−508476)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/001243
【国際公開番号】WO2010/126586
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511259636)アードバーク メディカル, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/001243
【国際公開番号】WO2010/126586
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511259636)アードバーク メディカル, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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