説明

洗浄剤組成物及び洗浄方法

【課題】 リネンサプライ分野等における、ホテルや旅館の浴衣、シーツ、枕カバー、タオル類、ホテルやレストランのコック服やクロス、ホームクリーニング分野におけるワイシャツといった色物の繊維製品及び/または白物の繊維製品の洗浄を行う際に、希釈液中でも安定に分散すると共に、洗浄性能を損なうことなく、繊維製品間及び繊維製品内での染料移動を防止する効果に優れる業務用洗剤、ヘビー洗剤等に好適な洗浄剤組成物及び洗浄方法を提供する。
【解決手段】ビニルピリジン単重合体、ビニルピリジン共重合体のうち少なくとも1種以上である高分子化合物(A)を0.01〜50質量%含有し、更に、下記式(I)に示す構造を有するアミノカルボン酸系キレート剤(B)を0.1〜40質量%含有することを特徴とする洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物及び洗浄方法に関し、更に詳しくは、特に、リネンサプライ分野等における、ホテルや旅館の浴衣、シーツ、枕カバー、タオル類、ホテルやレストランのコック服やクロス、ホームクリーニング分野におけるワイシャツといった色物の繊維製品及び/または白物の繊維製品の洗浄を行う際に、繊維製品間及び繊維製品内での染料移動を抑制すると共に優れた洗浄性能を発揮する洗浄剤組成物及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リネンサプライ分野等における、ホテルや旅館の浴衣、シーツ、枕カバー、タオル類、ホテルやレストランのコック服やクロス、ホームクリーニング分野におけるワイシャツといった色物の繊維製品と、白物の繊維製品の洗浄の際には、大型のバッチワッシャーや連続式洗濯機といった大量の被洗物を洗浄処理することが可能な洗濯機が用いられている。
【0003】
これらの洗濯の際に、織物間の染料移動を抑制する洗浄剤組成物が常用されている。この移染防止化合物等としては、例えば、N−ビニルイミダゾール=N−ビニルピロリドン共重合体から選択された重合体を含んでなり、該共重合体が5000〜50000の分子量を有することを特徴とする洗剤組成物(例えば、特許文献1参照)や、ビニルピリジン共重合体を含むことを特徴とする染料移動抑制組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0004】
しかしながら、これらの各文献に記載される染料移動抑制組成物(移染防止組成物)を含む洗浄剤組成物は、洗濯の際の織物間の染料移動を抑制するものとしては未だ不十分である点に課題があり、更なる移染防止効果及び洗浄性能に優れる洗浄剤組成物等の出現が切望されているのが現状である。
【0005】
更に、リネン洗浄などの業界における連続式洗濯機などで使用する場合には、30℃以上の高温洗浄であることから、染料移動がより多くなり問題となる場合がある。特に、連続式洗濯機で使用する場合には、洗浄剤組成物を予め所定の濃度に希釈(又は溶解)し、洗濯機へ供給するシステムが一般的に用いられている。
しかしながら、染料移動抑制組成物を多くの水で希釈(又は溶解)すると、水溶液中で重合体は不安定になり、沈殿してしまう場合があるなどの課題がある。
【特許文献1】特表平9−502744号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献2】特表2002−515921号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、大型のバッチワッシャーや連続洗濯機を使用してホテルやレストランのコック服、クロス、シーツやワイシャツなどの洗浄等を行うにあたり、希釈液中でも安定に分散し、洗浄性能を損なうことなく、織物間の染料移動を防止する効果に優れる洗浄剤組成物及び洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記従来の課題等を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の移染防止成分と、特定のアミノカルボン酸系キレート剤を夫々特定の含有量の範囲で用いることにより、上記目的となる洗浄剤組成物及び洗浄方法が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。
(1) ビニルピリジン単重合体、ビニルピリジン共重合体のうち少なくとも1種以上である高分子化合物(A)を0.01〜50質量%含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
(2) 下記式(I)で示す構造を有するアミノカルボン酸系キレート剤(B)を0.1〜30質量%含有することを特徴とする上記(1)記載の洗浄剤組成物。
【化1】

(3) 上記(1)又は(2)記載の洗浄剤組成物を0.5〜40質量%濃度に予め水で希釈して洗浄剤希釈液を調製し、該洗浄剤希釈液を洗浄系へ供給することを特徴とする洗浄方法。
(4) 30℃〜90℃の温度範囲で洗浄することを特徴とする上記(3)記載の洗浄方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、希釈液中でも安定に分散し、かつ、洗浄性能を損なうことなく、織物間の染料移動を防止する効果に優れる業務用洗剤、へビー洗剤等に好適な洗浄剤組成物及び洗浄方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、ビニルピリジン単重合体、ビニルピリジン共重合体のうち少なくとも1種以上である高分子化合物(A)を0.01〜50質量%含有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明に用いる(A)成分は、ビニルピリジン単重合体、ビニルピリジン共重合体のうち少なくとも1種以上を含む高分子化合物(重合体)であり、該重合体の平均分子量は、500〜100,000、好ましくは、1,500〜75,000、更に好ましくは、3,000〜60,000、最も好ましくは、5,000〜50,000の範囲を有する重合体が望ましい。なお、本発明(実施例等含む)で規定する上記重合体の「平均分子量範囲」は、H.G.バース及びJ.W.メイズのChemical Analysis第113巻「重合体特性化の現代的方法」に記載の光散乱法によって測定した値である。
本発明では、上記平均分子量範囲(500〜100,000)を有することによって特徴付けられる重合体は、水溶性で、かつ移染防止効果を有するものであれば、特に限定されず、使用可能である。
【0012】
上記共重合体の好適な共重合基としては、例えば、ギ酸、アクリル酸、マレイン酸、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリドン、酢酸ビニル等が挙げられる。
用いる本発明のビニルピリジン共重合性単量体は、共重合体/ビニルピリジンのモル比が0以上〜1以下、好ましくは、0以上〜0.5以下、更に好ましくは、0以上〜0.3以下であるものが望ましい。すなわち、好ましくは、更なる移染防止効果の点から、実質上他の重合性単量体を含まない、特に4−ビニルピリジンN−オキシドなどのビニルピリジン単重合体が望ましい。また、上記重合体は、線状または分枝であることができる。
【0013】
これらの(A)成分の含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、0.01〜50質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは、0.1〜40%、更に好ましくは、0.5〜30%の範囲で用いることが望ましい。
この(A)成分の含有量が0.01%未満であると、目的の移染防止効果を発揮することができず、一方、50%を越えると、経済的でないだけではなく、洗浄剤として洗浄性能などの維持が困難となる。
【0014】
本発明では、移染防止剤の希釈液安定性と洗浄力の点から、好ましくは、(B)成分として、下記式(II)で示す構造を有するアミノカルボン酸系キレート剤を含有せしめることが望ましい。
【化2】

上記式(I)中で、R1及びR2は、更に好ましくは、メチレン基であり、また、X1、X2は、更に好ましくは、洗浄力の点から、Naが望ましい。
【0015】
用いる(B)成分となる上記式(I)で示す構造を有するアミノカルボン酸系キレート剤は、上記式(I)で示す範囲のアミノカルボン酸系キレート剤であれば、特に限定されないが、更なる移染防止剤の希釈液安定性と洗浄力の点から、分子量が200〜500であり、かつ、C.V.(キレートバリュー、キレート剤単位量あたりのカルシウムイオン捕捉能、mgCaCO3/g)が200以上であることことが好ましく、更に好ましくは、C.V.が300以上であるものが望ましい。理由は明確ではないが、C.V.が大きいほど希釈液の安定性が高い傾向にあり、分子量は上記範囲であれば特に限定はされないが、金属イオンに対する安定化定数が同じ場合には分子量が小さいほどC.V.が大きくなり望ましい。
なお、本発明(実施例等含む)で規定する「C.V.」は、特開平9−318615号公報記載の方法(ポンタクロムブラック)を用いて測定した値である。
【0016】
用いることができる上記分子量、C.V.を有する(B)成分のアミノカルボン酸系キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、1,3−プロパン−2−ジアミン四酢酸(PDTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、イミノジコハク酸、アスパラギン酸ジ酢酸、β−アラニンジ酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、セリンジ酢酸等の酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種(各単独又は2種以上の組み合わせ)が挙げられ、好ましくは、MGDA(塩)、EDTA(塩)、PDTA(塩)が望ましく、特に好ましくは、MGDA(塩)、PDTA(塩)が望ましい。
【0017】
これらの(b)成分の含有量は、洗浄剤組成物全量に対して、0.1〜30%とすることが好ましく、更に好ましくは、1〜20%とすることが望ましい。
この(b)成分の含有量が0.1%未満であると、(A)成分の希釈液安定性が低下するだけでなく、良好な洗浄力が得られない。一方、30%を超えると、洗浄剤として洗浄性能などの維持が困難となる。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物は、上記(A)成分と、好ましくは上記(B)成分とを含有するものであり、そのまま(粉末型の洗浄剤組成物)として使用する場合は、通常、粉末洗浄剤に用いられる以下(1)〜(9)の洗剤成分やその他の任意成分を適宜量用いることができる。
(1) 非イオン界面活性剤
非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤、プルロニック型非イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルアミン誘導体、高級アルコールアルコキシレート、高級脂肪酸アルコキシレート等が挙げられる。
(2) アニオン界面活性剤
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、石鹸等が挙げられる。
(3) 両性界面活性剤
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン等が挙げられる。
(4)再汚染防止剤
再汚染防止剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアルキルテレフタレート・ポリオキシアルキルテレフタレート重合体及びその誘導体等が挙げられる。
【0019】
(5)酵素
酵素としては、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等何れの配合も可能であり、中でもプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼが好ましい。
(6)無機塩
無機塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、層状珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、無水珪酸等が挙げられる。
(7)ポリアクリル酸塩やアクリル/マレイン酸共重合物等の高分子ポリカルボン酸塩類。
(8)シリコーンに代表される消泡剤
(9)蛍光増白剤
【0020】
また、本発明の洗浄剤組成物を液体洗浄剤の形態とする場合、通常液体洗浄剤に用いられる各種成分、例えば、下記(a)〜(h)の洗剤成分やその他の任意成分を適宜量用いることができる。
(a)高級アルコールアルコキシレート、高級脂肪酸アルコキシレートといったノニオン界面活性剤などの界面活性剤。
(b) 安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩といった芳香族カルボン酸塩類または芳香族スルホン酸塩類。
(c)エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の短鎖アルコール類。
【0021】
(d)エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類。
(e)イソチアゾロン類やベンゾイソチアゾロン類といった抗菌剤。
(f)シリコーンに代表される消泡剤。
(g)蛍光増白剤
(h)プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ等の酵素。
【0022】
本発明の洗浄剤組成物は、上記(A)成分の高分子化合物0.01〜50%と、好ましくは、上記(B)成分のアミノカルボン酸系キレート剤0.1〜30%とを含有するものであるので、その他の構成は特に限定されるものではなく、洗浄剤成分等として上述の(1)〜(9)又は上述の(a)〜(h)の他、更に、下記に示す漂白成分、漂白活性化成分等を適宜量使用することができ、また、洗浄剤組成物の剤形は、上記液体状、粉末状の他、タブレット状、ゲル状、シート状(例えば、水可溶性シート体に洗浄剤組成物を収容したもの)の洗浄剤組成物であってもよく、特に、業務用洗剤、へビー洗剤等に好適に用いることができる。
漂白成分としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムといった過酸化物が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
また、漂白活性化成分として、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン、アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸塩、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩といった有機過酸前駆体等を併用することも可能である。
【0023】
本発明で用いる上記(A)成分は、好ましくは、洗浄時に洗浄液に対して、0.1ppm〜500ppm、更に好ましくは、1ppm〜300ppm、特に好ましくは、10ppm〜100ppm、の濃度で使用されることが望ましい。この濃度が0.1ppm未満では、移染防止効果が十分でなく、一方、500ppmを超えると、移染防止効果は認められるが、経済的な面から好ましくない。
また、本発明において、洗浄液性としては、中性若しくはアルカリ性が好ましく、そのpHは、7〜14、好ましくは、9〜13、更に好ましくは、10〜12であることが望ましい。
【0024】
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄対象となる被洗物は特に限定するものでないが、特に、リネンリネンサプライの分野において、ホテルや旅館の浴衣、シーツ、枕カバー、タオル類、ホテルやレストランのコック服やクロス、ホームクリーニング分野におけるワイシャツといった色物の繊維製品及び/又は白物の繊維製品に好適に用いることができる。
【0025】
このように構成される本発明の洗浄剤組成物は、希釈液中でも安定に分散し、大型のバッチワッシャーや連続洗濯機を使用して、ホテルや旅館の浴衣、シーツ、枕カバー、タオル類、ホテルやレストランのコック服やクロス、ホームクリーニング分野におけるワイシャツといった色物の繊維製品及び/または白物の繊維製品等の被洗物の洗浄にあたり、洗浄性能を損なうことなく、繊維製品間の染料移動を防止することができるものとなる。
【0026】
次に、本発明の洗浄方法は、上記構成となる本発明の洗浄剤組成物を0.5〜40%濃度に予め水で希釈(又は溶解)して洗浄剤希釈液を調製し、該洗浄剤希釈液を洗浄系へ供給することを特徴とするものであり、好ましくは、30℃〜90℃の温度範囲で洗浄することが望ましい。
【0027】
本発明方法において、洗浄剤希釈液の濃度は、更なる移染防止効果、希釈液中での更なる安定分散の点から、好ましくは、1〜30%濃度、更に好ましくは、3〜15%濃度の洗浄剤希釈液に調製することが望ましい。
この洗浄剤希釈液の濃度が0.5%未満であると、洗浄時に添加すべき洗浄希釈液の量が大量に必要となり、実用上適していない。一方、15%を超えると、洗浄剤組成物中の塩濃度が高くなりすぎて洗浄剤希釈液の安定性維持が困難となる。
また、本発明方法に用いる洗浄系としては、例えば、大型のバッチワッシャーや連続洗濯機、図1に示す洗浄システムなどが挙げられる。
図1に示す洗浄システムSは、上記所定濃度の洗浄剤希釈液を予備洗浄液槽10(150リットル容量)に収容し、ポンプ11を介して洗濯機12に連結した洗浄剤希釈液が自動投入されるタイプの洗浄システムである。
【0028】
本発明方法では、更なる洗浄効果の点から、好ましくは、洗浄液温度が30〜90℃の温度範囲、更に好ましくは、40〜80℃の温度で洗浄することが望ましい。
【0029】
このように構成される本発明方法では、本発明の洗浄剤組成物を0.5〜15%濃度に予め水(精製水、イオン交換水、純水、常水、上水など)で希釈(又は溶解)して洗浄剤希釈液を調製し、該洗浄剤希釈液を洗浄系へ供給し、30℃〜90℃の温度範囲で洗浄することにより、リネン洗浄などの業界における連続式洗濯機などで使用する場合における高温洗浄であっても、安定に分散し、かつ、洗浄性能を損なうことなく、洗濯時に高い移染防止効果を発揮することができるものとなる。
【実施例】
【0030】
次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0031】
〔実施例1〜4及び比較例1〜2〕
下記表1に示す各組成により、粉末タイプの洗浄剤組成物(実施例1〜3及び比較例1〜2)、並びに、液体タイプの洗浄剤組成物(実施例4)を調製した。
得られた各洗浄剤組成物を用いて、下記洗浄方法、評価方法により、洗浄率(%)、5%水溶液の24時間後液外観及び移染防止力の評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
【0032】
(洗浄方法)
図1に示す洗浄システムにより下記方法、洗濯機等を用いて洗浄を行った。
予備洗浄液槽10に実施例及び比較例の各組成物を5質量%濃度の水溶液になるように配合し、24時間後に該洗浄希釈液1リットルを使用して洗浄を行った。
使用洗濯機:株式会社アサヒ製作所、ECONOMAT−10
水量:49リットル(中水位)
被洗物:下記試験布10枚を縫い付けた綿製のシーツ1枚と試験布を縫い付けていないシーツ20枚の合計10kg
試験布:綿製試験白布(5cm×5cm、洗濯化学協会)、10枚
洗浄条件:50℃、15分間後にすすぎ・脱水・乾燥を行った。
【0033】
(洗浄率の評価方法)
上記洗浄方法により洗浄を行った後、試験布の反射率を測定し、下記式にて洗浄率(%)を測定し、下記評価基準にて評価した。
試験布:EMPA101汚染布(5cm×5cm、EMPA TEST MATERIAL社製)、10枚
【数1】

評価基準:
◎:洗浄率45%以上
○:洗浄率35%以上45%未満
△:洗浄率25%以上35%未満
×:洗浄率25%未満
【0034】
(5%水溶液の24時間後液外観の評価方法)
実施例及び比較例の各組成物の5質量%濃度の水溶液を内容量100mlの透明容器に入れ、20℃、24時間後の液外観を目視により下記評価基準で官能評価した。
評価基準:
○:均一で沈殿がない。
△:若干沈殿が生じている。
×:はっきりと沈殿が生じている。
【0035】
(移染防止力評価法)
実施例及び比較例に示す各洗浄剤組成物2,000ppm溶液100mLを蓋付瓶に入れ、この中に0.1%Sumifix Supra Blue BRR(反応染料 住友化学社製)加水分解物5gを入れた。ここに綿製試験白布(5cm×5cm、洗濯化学協会)10枚を投入、蓋をした後、振とう機(ヤマト製BT−31)にて50℃で30分間振とう処理を行った。処理後、試験白布のすすぎ、乾燥を行い、下記式よりΔE*を求め
、下記評価基準で評価した。
【数2】

評価基準:
◎:移染防止能(ΔE*)1未満
○:移染防止能(ΔE*)1以上5未満
△:移染防止能(ΔE*)5以上10未満
×:移染防止能(ΔE*)10以上
【0036】
【表1】

【0037】
上記表1の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜4は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べて、希釈液中でも安定に分散すると共に、洗浄性能を損なうことなく、織物間の染料移動を防止する効果に優れることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明方法に用いる洗浄システムの一例を示す概略図面である。
【符号の説明】
【0039】
S 洗浄システム
10 予備洗浄液槽
11 ポンプ
12 洗濯機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニルピリジン単重合体、ビニルピリジン共重合体のうち少なくとも1種以上である高分子化合物(A)を0.01〜50質量%含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
【請求項2】
下記式(I)で示す構造を有するアミノカルボン酸系キレート剤(B)を0.1〜30質量%含有することを特徴とする請求項1記載の洗浄剤組成物。
【化1】

【請求項3】
請求項1又は2記載の洗浄剤組成物を0.5〜40質量%濃度に予め水で希釈して洗浄剤希釈液を調製し、該洗浄剤希釈液を洗浄系へ供給することを特徴とする洗浄方法。
【請求項4】
30℃〜90℃の温度範囲で洗浄することを特徴とする請求項3記載の洗浄方法。


【図1】
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【公開番号】特開2006−176663(P2006−176663A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371663(P2004−371663)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】