説明

洗浄剤組成物

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物に関し、詳細には洗浄力及び起泡性に優れ、かつ高い殺菌効果を有するため、身体のカユミ防止、防臭効果に優れる洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の洗浄剤組成物には、優れた洗浄力及び起泡力を得る目的でアニオン性界面活性剤、特に高級脂肪酸塩が用いられる場合が多い。
【0003】一方、洗浄剤、特に身体や毛髪用の洗浄剤には、洗浄効果に加えて殺菌・抗菌効果も求められていることから、殺菌・抗菌効果を有する洗浄剤について多くの検討がなされており、殺菌剤としてカチオン性の殺菌剤を用いた洗浄剤組成物が知られている。
【0004】しかしながら、アニオン性界面活性剤とカチオン性殺菌剤を併用すると、これらの錯体が形成されてしまい、洗浄力の低下のみならず、殺菌効果も十分に発揮されないという問題があった。一方、抗菌剤を用いて十分な殺菌効果を得るためには、これを多量に用いなければならなかったり、米国特許第5006529号に示す如く、石鹸に、抗菌剤とアシルイセチオン酸を特定の割合で配合しなければならなかったりする問題が生ずる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、洗浄性及び起泡性に優れると共に幅広い菌種に対して優れた殺菌性を示し、身体のカユミ、臭いが有効に防止でき、かつ安価な洗浄剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明は鋭意研究を行った結果、高級脂肪酸塩に特定のカチオン性殺菌剤と特定の抗菌剤を特定量組合わせて配合することにより、これらの殺菌効果が相乗的に向上することにより、殺菌剤と抗菌剤の配合量を低減できることを見出した。よって洗浄性、起泡性及び殺菌性のすべてにおいて優れ、その結果、抗カユミ、防臭等の効果に優れる洗浄剤組成物が得られることを見出し本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):(A)次の一般式(1)
【0008】
【化7】


【0009】
〔式中、R1 は炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、Xはカリウム原子、ナトリウム原子、アンモニウム又はアルカノールアンモニウムを示す〕
で表わされる高級脂肪酸塩 5〜95重量%、(B)下記一般式(2)、(3)、(4)及び(5)で表わされるカチオン性殺菌剤から選ばれる1種又は2種以上 0.2〜5重量%、
【0010】
【化8】


【0011】〔R2 及びR3 は各炭素数6〜14で合計炭素数16〜26の長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基又は長鎖ヒドロキシアルキル基を示し、互いに同一であっても相異なっていてもよい。R4 及びR5 は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は平均付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、互いに同一であっても相異なっていてもよい。Z1 はハロゲン原子、アミノ酸、脂肪酸、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有するリン酸エステル、ホスホン酸エステル、スルホン酸エステル若しくは硫酸エステルのアニオン残基、又は重合度3以上のスチレンスルホン酸を有するか若しくは置換基として炭化水素基を有することがある多環式芳香族化合物のスルホン化物のホルマリン縮合物を含有するアニオン性オリゴマー若しくはポリマーを示す。〕
【0012】
【化9】


【0013】〔式中、R6 は炭素数8〜14の炭化水素基又は
【0014】
【化10】


【0015】で表わされる基を示し、Z1 はハロゲン原子、アミノ酸、脂肪酸、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有するリン酸エステル、ホスホン酸エステル、スルホン酸エステル若しくは硫酸エステルのアニオン残基、又は重合度3以上のスチレンスルホン酸を有するか若しくは置換基として炭化水素基を有することがある多環式芳香族化合物のスルホン化物のホルマリン縮合物を含有するアニオン性オリゴマー若しくはポリマーを示す。〕
【0016】
【化11】


【0017】〔Z2 はグルコン酸、酢酸又は塩酸を示す。〕
【0018】
【化12】


【0019】〔式中、R7 は炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Z3 はハロゲン原子、アミノ酸、脂肪酸、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有するリン酸エステル、ホスホン酸エステル、スルホン酸エステル若しくは硫酸エステルのアニオン残基、又は重合度3以上のスチレンスルホン酸を有するか若しくは置換基として炭化水素基を有することがある多環式芳香族化合物のスルホン化物のホルマリン縮合物を含有するアニオン性オリゴマー若しくはポリマーを示す。〕
(C)トリクロサン、トリクロカルバン、DMDMビダントイン、ピロクトンオーラミン、ジンクピリチオン、二硫化セレン及び3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の抗菌剤、を含有し、(B)成分のカチオン性殺菌剤と(C)成分の抗菌剤との配合重量比(B)/(C)が0.1〜25であり、粘土鉱物を含有しないことを特徴とする洗浄剤組成物を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に用いる高級脂肪酸塩としては、一般式(1)中のR1 のアルキル又はアルケニル基の炭素数が7〜21のもの、特に9〜17のものが好ましい。また一般式(1)中のXとしては、カリウム原子、ナトリウム原子、アンモニウム又はトリエタノールアンモニウムが好ましい。
【0021】(A)成分は、全組成物中5〜95重量%含有させるが、組成物を液状とする場合は、5〜50重量%、特に8〜40重量%とすることが好ましく、組成物をペースト状とするときは10〜80重量%、特に15〜70重量%とすることが好ましく、固形とするときは60〜98重量%、特に70〜95重量%が好ましい。
【0022】本発明に用いる(B)成分のカチオン性殺菌剤は、前記一般式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩、一般式(3)で表わされるベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、一般式(4)で表わされるクロルヘキシジン塩及び一般式(5)で表わされるピリジニウム塩から選ばれる1種又は2種以上である。上記一般式(2)及び(3)中のZ1 としてはハロゲン原子が特に好ましい。
【0023】具体的な(B)成分としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等が挙げられ、特に一般式(3)で表わされるもの、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムが好ましく、さらに、一般式(3a)
【0024】
【化13】


【0025】〔式中、R6aは炭素数8〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す〕
【0026】で表わされるベンザルコニウム型殺菌剤、例えば塩化ベンザルコニウムが好ましい。
【0027】成分(B)のカチオン性殺菌剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、殺菌効果及び刺激性の点から全組成中に0.2〜5重量%配合されるが、さらに0.3〜4重量%配合することが好ましい。特に0.4〜3重量%配合することが好ましい。
【0028】本発明に用いられる(C)成分の抗菌剤としてはトリクロサン、トリクロカルバン、ピロクトンオーラミン、DMDMヒダントイン、ジンクピリチオン、二硫化セレン、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノールの単独もしくは2種以上の組合わせが挙げられるが、これらの中で好ましいのはトリクロサン、トリクロカルバン、DMDMヒダントイン、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノールである。
【0029】(C)成分の配合量は、(B)成分との比により決定することが好ましく、(B)成分と(C)成分の配合重量比(B)/(C)は0.1〜25、特に0.1〜20の範囲とすることが抗菌性の相乗効果が得られることから好ましい。
【0030】本発明の洗浄剤組成物には、キレート剤を配合することにより殺菌、抗菌効果をさらに高めることができる。本発明で用いられる金属キレート剤としては、金属イオンをキレートする能力を有するものであれば特に制限されないが、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、イミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(DEQUESTTM 2010)等のホスホン酸系キレート剤、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、リン酸系キレート剤、高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤及びジメチルグリオキシム(DG)が挙げられる。これらのキレート剤は、それぞれフリーの酸型であっても、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩の形であってもよい。さらに、それらは、加水分解可能なそれらのエステル誘導体の形であってもよい。
【0031】アミノポリカルボン酸系キレート剤の具体例としては、a) 化学式 R8N(Y)2で表わされる化合物、b) 化学式 N(Y)3で表わされる化合物、c) 化学式 R8-N(Y)-CH2CH2-N(Y)-R8で表わされる化合物、d) 化学式 R8-N(Y)-CH2CH2-N(Y)2 で表わされる化合物、e) 化学式 (Y)2N-R9-N(Y)2で表わされる化合物、及び、f) e)の化合物に類似する化合物で、Yを4以上含む化合物、例えば式
【0032】
【化14】


【0033】で表わされる化合物が挙げられる。
【0034】上記式中、Yは-CH2COOH又は-CH2CH2COOHを示し、R8 は水素原子、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基等の公知のキレート剤を構成する基を示し、R9 は、アルキレン基、シクロアルキレン基といったこの種の公知のキレート剤を構成する基を示す。
【0035】アミノポリカルボン酸系キレート剤の代表例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)、並びにこれらの塩類が挙げられる。
【0036】本発明で使用される芳香族又は脂肪族カルボン酸系キレート剤の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、イタコン酸、アコニット酸、ピルビン酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸(アントラニル酸を含む)、フタル酸、トリメリット酸及び没食子酸、並びにこれらの塩類、メチルエステル類及びエチルエステル類が挙げられる。また、本発明で使用されるアミノ酸系キレート剤の例としては、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン、メチオニン及びこれらの塩類及び誘導体が挙げられる。
【0037】さらに、本発明に使用されるエーテルポリカルボン酸系キレート剤の例としては、ジグリコール酸、次式で表わされる化合物、その類似化合物及びその塩(例えばナトリウム塩)類が挙げられる。
【0038】
【化15】


【0039】本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸系キレート剤の例としては、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酒石酸、乳酸及びこれらの塩類が挙げられる。本発明で使用されるリン酸系キレート剤の例としては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリリン酸及びポリリン酸が挙げられる。本発明で使用される高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤の例としては、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体、これらの重合体の構成モノマー2種以上からなる共重合体及びエポキシコハク酸重合体が挙げられる。さらに、本発明では、アスコルビン酸、チオグリコール酸、フィチン酸、グリオキシル酸及びグリオキサール酸、並びにそれらの塩類も、キレート剤として好適に用いることができる。好ましいキレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、コハク酸、サリチル酸、シュウ酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びそれらの塩が挙げられる。金属キレート剤は、全組成中に0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%配合される。
【0040】また本発明組成物には、前記抗菌剤以外の抗菌剤を本発明を損なわない範囲で添加することができる。かかる抗菌剤としては香粧品医薬品防腐・殺菌剤の科学(ジョン・J・カバラ編 フレグランスジャーナル社)に記載されている抗菌剤が挙げられる。
【0041】さらに抗炎症剤を本発明を損なわない範囲で添加してもよい。かかる抗炎症剤としては、グリチルリチン酸、ジヒドロコレステリン、アラントイン等が挙げられる。本発明の洗浄剤組成物にはさらに通常用いられるカルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等の両イオン性界面活性剤、又はアミンオキサイド系界面活性剤、アルカノールアミド系界面活性剤、アミドアミノ酸系界面活性剤を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0042】また、本発明の洗浄剤組成物には、(A)成分以外のアニオン性界面活性剤を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができ、かかるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸もしくはその塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸もしくはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸もしくはその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸もしくはその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸もしくはその塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸もしくはその塩、アルキルスルホコハク酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル、N−アシル−N−メチルタウリン酸塩、N−アシルサルコシン塩、α−オレフィンスルホン酸もしくはその塩、アシル化イセチオン酸塩、アシル化グルタミン酸もしくはその塩等が挙げられるが、この中で好ましいのはアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸、アシル化イセチオン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステルである。
【0043】本発明の洗浄剤組成物は、通常の方法に従って製造することができ、固形状、ペースト状、ゲル状、液状等の剤型とすることができる。また、身体用洗浄剤として好適なものである。
【0044】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、洗浄力及び起泡性に優れ、さらに抗菌剤、殺菌剤を併用することにより、より高い殺菌効果と広い殺菌スペクトルを有するため、身体に対し、痒み防止性、防臭効果を付与できる。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における各成分の配合量は有効分を基準として示した。また「%」は「重量%」を示す。
【0046】実施例1以下に示す組成の洗浄剤を調製し殺菌試験を行った。
【0047】
【表1】
ヤシ油脂肪酸カリウム 10% *塩化ベンザルコニウム 0,0.2,0.6,0.8,0.9, 0.95,1.0% トリクロサン 0,0.05,0.1,0.2,0.4, 0.8,1.0% 水 バランス *:C12/C14=50/50(重量比)、以下同じ
【0048】上記組成物中、塩化ベンザルコニウム及びトリクロサンの配合総量を1.0重量%となるように配合し、その際のEscherichia coliに対する殺菌効果を表2に示した。
(殺菌試験方法)被験菌(Escherichia coli IFO3972)は予めSCD培地(日本製薬(株)製)にて前培養した培養液を用いた。培養液0.1ml(109〜1010cell/ml)を、滅菌水で所定の濃度(組成物希釈倍率×1,×2,×4,×8,×16,×32,×64,×128,×256,×512)に希釈した各洗浄剤組成物10mlにそれぞれ接種させた。一定時間後(2.5、5、10、15分)毎に、一白金耳量をとり生育用培地に接種し、30℃3日間培養し菌の生育の有無を判定した。殺菌試験法の判定は、全希釈濃度、全反応時間に生育が認められない場合、殺菌エリア数を40として表わした。
【0049】
【表2】


【0050】表2より、塩化ベンザルコニウムとトリクロサンとの合計配合重量を1.0%とした場合、それぞれの単独の殺菌効果と比較して併用した場合に明らかな相乗効果が認められた。
【0051】実施例2表3及び表4に示した配合組成の洗浄剤を用い、殺菌効果の評価は、実施例1の殺菌試験方法に準じて行った。ただし被験菌はStaphylococcus aureus IFO 12732 、Escherichia coli IFO 3972を用いて行った。さらに、泡立ち及びデオドラント効果を下記方法及び基準により評価した。結果をあわせて表3及び表4に示す。
【0052】(デオドラント効果の評価方法及び評価基準)各洗浄剤組成物について、男女各5名のパネリストによる使用試験を1日1回2週間行った。デオドラント効果は、専門評価者により最終洗浄後、24時間経過後の体臭を以下の基準で評価した。
【0053】(評価方法)
5:臭いを感じない4:わずかに臭いを感じる3:臭いを感じる2:かなり臭いを感じる1:かなり強い臭いを感じる
【0054】結果はパネリスト10名の平均値を以下の基準によりデオドラント効果として表わした。
◎:4.0以上を良好○:3.2〜3.9をやや良好△:2.5〜3.1を普通×:2.4以下を不良
【0055】(泡立ちの評価方法及び評価基準)また同時に、パネリストにより各洗浄剤組成物で洗浄した際の泡立ち評価を以下の基準で行った。
【0056】(評価基準)
5:泡立ちが良好と感じた4:泡立ちがやや良いと感じた3:泡立ちが普通であると感じた2:泡立ちがあまり良くないと感じた1:泡立ちが良くないと感じた
【0057】結果は、パネリスト10名の平均値を、以下の基準で表わした。
◎:4.5以上を良好○:3.5〜4.4をやや良好△:2.5〜3.4を普通×:2.4以下を不良
【0058】
【表3】


【0059】
【表4】


【0060】表3及び表4に示すように本発明品であるカチオン性殺菌剤(B)と抗菌剤(C)を併用した物は泡立ちにすぐれしかも良好な殺菌効果及び体臭抑制効果が認められた。
【0061】実施例3(ボディシャンプー)
以下に示す組成のボディシャンプーを常法により製造した。
【0062】
【表5】
ヤシ油脂肪酸カリウム 21%ラウロイルジエタノールアミド 1%*塩化ベンザルコニウム 0.5%トリクロカルバン 0.1%コハク酸2ナトリウム 0.4%香料 0.5%精製水 バランス
【0063】得られたボディシャンプーは洗浄性能、起泡性に優れ、しかも高いデオドラント効果を有するものであった。
【0064】実施例4(ボディシャンプー)
以下に示す組成のボディシャンプーを常法により製造した。
【0065】
【表6】
ラウリン酸カリウム 16%パルミチン酸カリウム 2%ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1.5%ラウロイルジエタノールアミド 1%*塩化ベンザルコニウム 1%トリクロサン 0.1%エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム 1.0%香料 0.5%精製水 バランス
【0066】得られたボディシャンプーは洗浄性能、起泡性に優れ、しかも高い殺菌効果を有するものであった。
【0067】実施例5(ペーストセッケン)
以下に示す組成のペーストセッケンを常法により製造した。
【0068】
【表7】
ヤシ油脂肪酸ナトリウム 60%ラウロイルジエタノールアミド 1%*塩化ベンザルコニウム 0.8%トリクロカルバン 0.4%エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム 0.8%香料 0.5%精製水 バランス
【0069】得られたペーストセッケンは洗浄性能、起泡性に優れ、しかも高いデオドラント効果を有するものであった。
【0070】実施例6(固形セッケン)
以下に示す組成の固形セッケンを常法により製造した。
【0071】
【表8】
ラウリン酸ナトリウム 85%ヤシ油脂肪酸ナトリウム 8%ラウロイルモノエタノールアミド 1%塩化ベンゼトニウム 0.5%トリクロサン 0.1%トリクロカルバン 0.1%エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム 0.5%香料 0.5%精製水 バランス
【0072】得られた固形セッケンは洗浄性能、起泡性に優れ、しかも高いデオドラント効果を有するものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C):(A)次の一般式(1)
【化1】


〔式中、R1 は炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、Xはカリウム原子、ナトリウム原子、アンモニウム又はアルカノールアンモニウムを示す〕
で表わされる高級脂肪酸塩 5〜95重量%、(B)下記一般式(2)、(3)、(4)及び(5)で表わされるカチオン性殺菌剤から選ばれる1種又は2種以上 0.2〜5重量%、
【化2】


〔R2 及びR3 は各炭素数6〜14で合計炭素数16〜26の長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基又は長鎖ヒドロキシアルキル基を示し、互いに同一であっても相異なっていてもよい。R4 及びR5 は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は平均付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、互いに同一であっても相異なっていてもよい。Z1 はハロゲン原子、アミノ酸、脂肪酸、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有するリン酸エステル、ホスホン酸エステル、スルホン酸エステル若しくは硫酸エステルのアニオン残基、又は重合度3以上のスチレンスルホン酸を有するか若しくは置換基として炭化水素基を有することがある多環式芳香族化合物のスルホン化物のホルマリン縮合物を含有するアニオン性オリゴマー若しくはポリマーを示す。〕
【化3】


〔式中、R6 は炭素数8〜14の炭化水素基又は
【化4】


で表わされる基を示し、Z1 はハロゲン原子、アミノ酸、脂肪酸、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有するリン酸エステル、ホスホン酸エステル、スルホン酸エステル若しくは硫酸エステルのアニオン残基、又は重合度3以上のスチレンスルホン酸を有するか若しくは置換基として炭化水素基を有することがある多環式芳香族化合物のスルホン化物のホルマリン縮合物を含有するアニオン性オリゴマー若しくはポリマーを示す。〕
【化5】


〔Z2 はグルコン酸、酢酸又は塩酸を示す。〕
【化6】


〔式中、R7 は炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Z3 はハロゲン原子、アミノ酸、脂肪酸、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有するリン酸エステル、ホスホン酸エステル、スルホン酸エステル若しくは硫酸エステルのアニオン残基、又は重合度3以上のスチレンスルホン酸を有するか若しくは置換基として炭化水素基を有することがある多環式芳香族化合物のスルホン化物のホルマリン縮合物を含有するアニオン性オリゴマー若しくはポリマーを示す。〕
(C)トリクロサン、トリクロカルバン、DMDMビダントイン、ピロクトンオーラミン、ジンクピリチオン、二硫化セレン及び3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の抗菌剤、を含有し、(B)成分のカチオン性殺菌剤と(C)成分の抗菌剤との配合重量比(B)/(C)が0.1〜25であり、粘土鉱物を含有しないことを特徴とする洗浄剤組成物。
【請求項2】 さらに金属キレート剤を含有する請求項1記載の洗浄剤組成物。

【特許番号】特許第3018156号(P3018156)
【登録日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【発行日】平成12年3月13日(2000.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−305253
【出願日】平成8年11月15日(1996.11.15)
【公開番号】特開平10−147799
【公開日】平成10年6月2日(1998.6.2)
【審査請求日】平成10年4月8日(1998.4.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【参考文献】
【文献】特開 昭63−139998(JP,A)