説明

洗浄料

【課題】 利便性を維持しつつ、消毒性能あるいは殺菌性能を十分に発揮可能な洗浄料を提供する。
【解決手段】 洗浄料は、炭素数が1〜4の低級アルコール及び金属イオンから選ばれる少なくとも1種の水溶液を主剤として含み、該主剤による洗浄環境を維持するべく環境保持剤として炭素数が8〜22の高級アルコールを添加してなる。また該洗浄料には、洗浄効果維持剤として界面活性剤が添加されていることが望ましく、フォーム形成剤として噴射剤が添加されていることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消毒や殺菌等のために手、指、腕、足などといった身体を洗浄するための洗浄料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、身体の殺菌や消毒を目的とした洗浄料として、アルコールからなる手指用の消毒・殺菌剤が使われている。このような消毒・殺菌剤は、その多くがポンプ付きの容器に詰められた液体として提供されており、容器から所望量の消毒・殺菌剤の液を手に取って手のひら全体に塗り広げることで使用する。また該消毒・殺菌剤は、アルコールが有する高い揮発性を利用することで水等による洗い流しを不要としている。
特に近時においてはインフルエンザウイルスの感染拡大に伴い、上記のような消毒・殺菌剤が広く一般的に利用されるようになってはいるが、該消毒・殺菌剤は液体である故に液漏れや、携帯しづらい等の不便さを有している。そこで、このような不便さを解消して利便性の向上を図るべく、消毒・殺菌剤を泡状、エアゾール等としたものが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−279268号公報
【特許文献2】特開平6−100435号公報
【特許文献3】特開平7−285808号公報
【特許文献4】特許第2694346号公報
【特許文献5】特許第2706668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の消毒・殺菌剤のような洗浄料においては、利便性の向上については考慮されているものの、消毒性能あるいは殺菌性能が十分に発揮されているか否かについては殆ど検討されていないという問題があった。
すなわち、上記従来の消毒・殺菌剤のような洗浄料は、洗い流しを不要とするためにアルコールが有する揮発性を利用しているが、該アルコールの揮発性が高いために、消毒性能あるいは殺菌性能が未だ十分に発揮されていないにも係わらず揮発してしまう。
具体的に、従来の消毒・殺菌剤で手を洗浄する場合、該消毒・殺菌剤を一方の手のひらの中央辺りにとり、両方の手のひらを擦りあわせて洗浄を行うが、多くの消毒・殺菌剤は手のひら中央から伸ばされて指先に届く前には既に揮発してしまっている。そして、使用者は手のひら中央辺りのみが洗浄されたことで安心して洗浄を終えてしまうが、防疫の観点からすれば手のひらのみならず、手の甲、指先、爪の間も洗浄することが望ましく、特に指先は口や鼻の周辺に触れることが多いため念入りに洗浄することが望ましい。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、利便性を維持しつつ、消毒性能あるいは殺菌性能を十分に発揮可能な洗浄料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の洗浄料の発明は、炭素数が1〜4の低級アルコール及び金属イオンから選ばれる少なくとも1種の水溶液を主剤として含み、該主剤による洗浄環境を維持するべく環境保持剤として炭素数が8〜22の高級アルコールを添加してなることを要旨とする。
上記発明によれば、環境保持剤として炭素数が8〜22の高級アルコールを添加することで、洗浄料の揮発あるいは放散を抑えることができる。これにより、使用者の体温、使用場所の気温や湿度等といった外的環境による影響を受けにくく、洗浄料に含まれる低級アルコールあるいは金属イオンの水溶液を洗浄対象の表面上に適度な時間留めおくことができるため、低級アルコールによる消毒・殺菌性能あるいは金属イオンによる抗菌性能が十分に発揮されるに足る洗浄環境を好適に維持することができる。特に洗浄料が洗浄対象の表面上に適度な時間留めおかれた場合、通常の使用者であれば、該洗浄料を洗い流すことなく該洗浄対象の表面上から消失させるために広範囲にわたって該洗浄料を塗り広げようとする傾向がある。このため、使用者の防疫等に関する知識の有無に左右されることなく、該洗浄料による洗浄効果を該使用者に特に意識させることなく好適に発揮させることができる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の洗浄料の発明において、洗浄効果維持剤として界面活性剤が添加されていることを要旨とする。
上記発明によれば、洗浄効果維持剤として界面活性剤を添加することにより、洗浄料を広範囲に塗り広げた状態で、洗浄料に含まれる低級アルコール水溶液の揮発あるいは金属イオン水溶液の放散をより好適に抑えることができる。このため、使用者の体温、使用場所の気温や湿度等といった外的環境による影響を受けながら洗浄料を洗浄対象の表面上に広く塗り広げた状態としても、該表面上に該洗浄料を適度な時間だけ更に留めおくことができ、低級アルコール水溶液による消毒・殺菌性能あるいは金属イオン水溶液による抗菌性能が十分に発揮されることで、洗浄効果を好適に維持することができる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の洗浄料の発明において、フォーム形成剤として噴射剤が添加されていることを要旨とする。
上記発明によれば、フォーム形成剤として噴射剤を添加して洗浄料を泡(フォーム)とすることにより、該泡が形成されている間、該洗浄料の揮発をより好適に抑えることができ、洗浄対象の表面上における洗浄料の滞在時間が延びることで消毒性能あるいは殺菌性能を十分かつ好適に発揮することができるようになる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利便性を維持しつつ、消毒性能あるいは殺菌性能を十分に発揮可能な洗浄料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。
本実施形態の洗浄料は、洗浄能力を主として発揮する主剤に対して、該主剤による洗浄環境を維持するべく環境保持剤として高級アルコールを添加して製造される。
【0010】
上記主剤について説明する。
該主剤は、洗浄により、洗浄対象である手、指、腕、足などといった身体の表面、すなわち皮膚上に付着した細菌やウイルスの除去、死滅、あるいは感染能力を失わせることを目的として使用される。従って該主剤は、ウイルスを除去あるいはウイルスの感染能力を失わせる消毒性能、あるいは細菌を除去あるいは死滅させる殺菌性能を発揮するために、低級アルコールの水溶液のみ、金属イオンの水溶液のみ、あるいは低級アルコールと金属イオンの水溶液の両方を含んでいる。
【0011】
主剤に用いる低級アルコールは、炭素数が1〜4のものである。該低級アルコールは、細菌あるいはウイルスに対すると、該細菌であれば脂質よりなる細胞膜、ウイルス(特にインフルエンザウイルス、HIVウイルス)であれば感染に重要な役割を果たす脂質よりなる膜状構造のエンベロープを溶解させることで、殺菌性能及び消毒性能を発揮する。
該低級アルコールの具体例としては、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、メタノールが挙げられる。なかでもエタノールは、人体にほぼ無害であり、温度が高く接触時間が長いほど殺菌効果を増すため、主剤に用いる低級アルコールとして望ましく、またイソプロパノールは、エタノールに比べて揮発性が低く、皮膚上に長く留まるとともに、低級アルコールの水溶液の濃度によってはエタノールに比べて殺菌能力が高いため、主剤に用いる低級アルコールとして望ましい。
洗浄料中における低級アルコールの濃度は、使用する低級アルコールによっても異なるが、好適な消毒、殺菌性能を得られるという観点から、概ね30〜80体積%が望ましい。具体的に、使用する低級アルコールがエタノールであれば45〜80体積%が望ましく、イソプロパノールであれば30〜50体積%が望ましい。なお、エタノールの水溶液の場合、約70体積%のとき、水とアルコールの分子組成が1:1となり、疎水基が平面状に広がって疎水面をつくることで、該疎水面により細菌の細胞膜を破壊して細胞中のタンパクを溶出させるため、最も殺菌能力が高くなるとの考察がある。
【0012】
主剤に用いる金属イオンは、細菌に対すると、その酸化力によって細菌の酵素中でSH基と結合し、該細菌のタンパク質を変性させることで該細菌の活動を押さえ込むことにより、殺菌性能や抗菌性能を発揮する。
該金属イオンの具体例としては、銀イオン、銅イオンが挙げられる。なかでも銀イオンは、人体への毒性が低く、また真正細菌であるバクテリアに対して極めて強い殺菌能力を示すため、望ましい。
該金属イオンを水に含ませる方法としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸化物、硫酸化物、酸化物、硫化物、キレート錯体等の金属化合物を水に溶解させる方法と、該金属を電極に用いた電解槽を使用することによって水に金属イオンを溶出させる方法とがある。なお銀イオンについては、普通の塩の状態では還元されやすく単体粒子として析出してしまうおそれがあるため、通常はチオ硫酸イオンなどを配位させた錯イオンとして使用される。
【0013】
上記環境保持剤について説明する。
該環境保持剤は、上記洗浄料を塗り広げやすくするために伸びを付与するとともに、使用者の体温、使用場所の気温や湿度等といった外的環境による該洗浄料への影響を抑えることで上記主剤を皮膚上に適度な時間留めおくことにより、該皮膚上に付着した細菌やウイルスに対する該主剤の殺菌性能及び消毒性能を十分に発揮可能な環境を保持することを目的として添加される。従って該環境保持剤には、粘性が高く揮発性が低い高級アルコールが使用される。
環境保持剤に用いる高級アルコールは、炭素数が8〜22であり、主剤が低級アルコールを含む水溶液であればそのまま主剤に溶かし、主剤が金属イオンのみからなる水溶液であれば界面活性剤等を使用して主剤に溶かす。
該高級アルコールは、化粧品等で多くの場合に安定性や粘稠性を高めるために用いられることから分かるように、粘性が高く、上記低級アルコールの揮発、あるいは金属イオンの放散を抑えるとともに、洗浄料を所望する場所に留まり易くしたり、該洗浄料に含まれる成分の効果を長時間維持したりする。
また高級アルコールは、保湿剤あるいは皮膚保護剤としても機能する。すなわち、低級アルコールは皮膚への浸透作用によって脂質成分やアミノ酸成分などを溶出させてしまい、皮膚の水分保持機能を低下させることで手荒れ等を発生させてしまうが、高級アルコールは洗浄対象の表面である皮膚を覆い保護することで該皮膚からの水分の蒸発をも抑制し、さらに該低級アルコールによる皮膚への刺激を緩和する。
【0014】
該高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコールが挙げられる。なかでもセチルアルコールは、入手が容易であり、人体に略無害であるとともに、化粧品のクリームや乳液で増粘剤あるいは性状安定剤として通常に使用されているため、環境保持剤として望ましい。
該高級アルコールは、利便性を維持しつつ、消毒及び殺菌能力からなる洗浄料の洗浄能力を十分に発揮させる環境を保持するという観点から、洗浄料中における濃度が2〜10質量%となるように添加することが望ましく、3〜6質量%となるように添加することがより望ましい。洗浄料中における濃度が2質量%未満の場合、主剤による殺菌性能及び消毒性能を十分に発揮可能な環境を保持する性能(主剤に対する環境保持性能)を好適に維持することが出来なくなるおそれがある。洗浄料中における濃度が10質量%を超えると、主剤に対する環境保持性能は維持可能であるが、洗浄料による洗浄後も皮膚上に該洗浄料が残ってしまい、該洗浄料の洗い流しが必要となって利便性を損なうおそれがある。
【0015】
上記洗浄料においては、さらなる性能向上を図るべく、洗浄効果維持剤及びフォーム形成剤から選ばれる少なくとも1種を添加することが望ましい。
【0016】
上記洗浄効果維持剤は、上記高級アルコールによる伸びの付与を補うとともに、使用者の体温、使用場所の気温や湿度等といった外的環境による影響を受けながら上記洗浄料を塗り広げた状態とした際に、該洗浄料が乾きやすくなることを抑えて皮膚上に適度な時間留めおくことにより、該皮膚上に付着した細菌やウイルスに対する殺菌性能及び消毒性能を十分に発揮させてなる該洗浄料の洗浄効果を維持することを目的として添加される。従って該洗浄効果維持剤には、柔軟作用と滑りを良くする作用によって伸びの付与を補うとともに、ぬれ性を向上させて洗浄料の乾きを抑える界面活性剤が使用される。
該界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の4種があり、所望する性能に応じて1種又は2種以上が添加される。
【0017】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、コール酸塩等のカルボン酸系、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のスルホン酸系、あるいはリン酸系などが挙げられ、上記のような殺菌性能、消毒性能に加え、単純な汚れを落とす洗浄性能の付与を期待することができる。
カチオン性界面活性剤としては、親水基としてテトラアルキルアンモニウムを持つアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩などが挙げられ、殺菌剤として使用されることから殺菌性能の付与あるいは補助を期待することができる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインなどが挙げられ、洗浄力や起泡力の増補を期待することができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテルなどが挙げられ、乳化剤あるいは油脂汚れに対する洗浄能力の向上を期待することができる。
【0018】
該界面活性剤は、利便性を維持しつつ、洗浄料による洗浄効果を十分に維持するという観点から、洗浄料中における濃度が1質量%以下となるように添加することが望ましく、0.1〜1質量%となるように添加することがより望ましい。洗浄料中における濃度が1質量%を超えると、皮膚上に残った洗浄料がぬるつき、また手を擦り合わせる等したときに過剰に泡立ってしまうため、該洗浄料の洗い流しが必要となって利便性を損なうおそれがある。
【0019】
上記フォーム形成剤は、手にとった際に上記洗浄料を起泡させて泡(フォーム)状とすることで、消泡までの間、該洗浄料を皮膚上に留めおくことにより、該皮膚上に付着した細菌やウイルスに対する殺菌性能及び消毒性能を十分に発揮させることを目的として添加される。また該フォーム形成剤は、泡状とした洗浄料が視認しやすくなることで、該洗浄料が塗り広げられた範囲、該洗浄料の乾き状態を判別しやすくする。従って該フォーム形成剤には、洗浄料を手にとる噴射時に泡を形成可能な噴射剤が用いられる。
該噴射剤としてはブタンやプロパンを主成分とした液化石油ガス(LPG)やフロン類ガスが挙げられ、何れかを単独、あるいは両方を混合して用いる。該噴射剤は、洗浄料中における濃度が6〜10質量%となるように添加することが望ましい。濃度が6質量%未満の場合、洗浄料が十分に起泡せずに泡状とすることが難しくなるおそれがあり、濃度が10質量%を超えると洗浄料中における主剤等の洗浄成分が薄くなることで十分な洗浄効果を得られなくなるおそれがある。
【0020】
さらに上記洗浄料においては、所望に応じて以下に示すものを添加してもよい。
次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加した場合、ノロウィルスに対する消毒効果が得られる。アミノ酸を添加した場合、肌の乾燥を抑えることができる。ピロリドンカルボン酸、尿素、プロピレングリコールやグリセリンやソルビトール等の多価アルコールなどといった保湿剤を添加した場合、肌に潤いを与えることが出来る。
【実施例】
【0021】
以下、本発明をさらに具体化した実施例について説明する。
[実施例1〜11、比較例1]
水と以下に示す材料を使用し、表1及び表2に示す組成で実施例1〜11、比較例1の試料を調製した。
低級アルコール:エタノール〔95%濃度〕
高級アルコール:セチルアルコール(セタノール)
界面活性剤:非イオン性界面活性剤〔脂肪酸グリセリンエステルと脂肪酸ジエタノールアミドの混合物〕
噴射剤:LPG
【0022】
[評価方法]
実施例1〜11、比較例1のそれぞれについて下記の評価を行った。なお、各物性の評価結果は、表1及び表2に示した。
(1)外的環境の影響
試料0.1gをなめし革(豚皮)の表面に滴下し、30℃、35℃、40℃の各雰囲気下で、10秒後、30秒後、60秒後の状態を観察した。その観察結果を以下のように評価した。なお滴下した試料は、なめし革の表面上で、実施例1〜8及び比較例1がしずくとなり、実施例9〜11が泡となった。また状態の観察は、なめし革の表面にしずく又は泡が残っているか否かのみを目視により判別するものであり、なめし革に染み込んだ試料が乾いたか否かを判別するものではない。
◎:60秒後に試料のしずく又は泡が残っている。
○:30秒後に試料のしずく又は泡が残っている。
△:10秒後に試料のしずく又は泡が残っている。
×:10秒後まで試料のしずく又は泡が残っていない
(2)洗浄料の維持
試料0.5gを片手に取り、両手に伸ばしつつ、両手のひら同士、両手の指先同士、片手の手のひらと片手の甲、片手の手のひらと片手の爪、の順番で往復2回ずつ擦り合わせたときの状態を観察した。その観察結果を以下のように評価した。
◎:爪まで擦り合わせることができた。
○:手の甲まで擦り合わせることができた。
△:指先同士まで擦り合わせることができた。
×:手のひら同士まで擦り合わせることができた。
(3)洗浄料の残留
上記(2)洗浄料の維持で◎の評価となったものについて、爪まで擦り合わせた後、試料が消えるまでについて観察した。その観察結果を以下のように評価した。
◎:放置することで試料が消えた。
○:さらに手のひら等と擦り合わせることで試料が消えた。
△:洗い流すことで試料が消えた。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
[観察結果]
表1及び表2の結果より、実施例1〜11は好適な評価を示したが、比較例1は外的環境の影響によって試料が揮発しやすく、また洗浄に十分な時間だけ洗浄料を維持することができないことが示された。
実施例3〜5の結果、セチルアルコールの添加量を増やすことで外的環境による影響を受けにくく、洗浄料の維持性を向上させることができるが、洗浄料の洗い流しが必要となることが示された。
実施例3と実施例6〜8の結果、界面活性剤を適量添加することにより、洗浄料の維持性を向上させることができ、またエタノールを適量とすることで洗浄料の残留性を改善できることが示された。
実施例9〜11の結果、LPGを用いてフォーム(泡)を形成することにより、外的環境による影響をさらに受けにくくすることができることが示された。なお実施例9は消泡が若干早く、手を傾けると手のひらから試料が流れ落ちたが、実施例10,11は消泡も適度であり、手を傾けても手のひらから試料が流れ落ちることはなく、非常に使い勝手がよかった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数が1〜4の低級アルコール及び金属イオンから選ばれる少なくとも1種の水溶液を主剤として含み、
該主剤による洗浄環境を維持するべく環境保持剤として炭素数が8〜22の高級アルコールを添加してなる
ことを特徴とする洗浄料。
【請求項2】
洗浄効果維持剤として界面活性剤が添加されている
請求項1に記載の洗浄料。
【請求項3】
フォーム形成剤として噴射剤が添加されている
請求項1又は請求項2に記載の洗浄料。



【公開番号】特開2011−136946(P2011−136946A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297860(P2009−297860)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(392025939)中島化学産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】