説明

洗濯機内での改善された清浄のための装置およびシステム

給水(102、202、302)と流体連通することができる少なくとも1つの入口、この少なくとも1つの入口と流体連通している少なくとも1つの処理領域(101、201、301)であって、前記少なくとも1つの処理領域が、軟水化領域(120、220、320)、電解領域(130、230、330)、投与領域(140、142、240、242、340、342)およびこれらの組み合わせを含む少なくとも1つの処理領域、ならびに、洗浄領域と流体連通していることができる、少なくとも1つの処理領域と流体連通している少なくとも1つの出口を含む、洗浄領域(103、203、303)内での清浄のための洗浄システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、出願番号10/967,757(2004年10月18日出願)および出願番号11/130,713(2005年5月17日出願)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
近年、洗濯物およびその他の汚れた基材を洗浄するための様々な非洗剤系技術への関心が高まっている。例えば、電気分解、超音波、又はキャビテーション(cavitation)技術を使用して洗濯物の清浄又は殺菌を促進する多くの洗濯機が、日本およびアジアの市場で売り出されている。典型的に、こうした洗濯機は、「洗剤不使用」を特徴としおよび比較的軽い汚れの洗濯物の洗浄のために設計された、少なくとも1つの洗浄サイクルを含む。しかしながら、洗濯機メーカー自身が明確にしているように、現在市場に出ている洗濯機およびシステムは、許容可能なクリーニング性能を達成するために界面活性剤系の洗剤製品の使用を依然として必要とするよりひどく汚れた又は染みの付いた品目の洗浄に関しては限られた価値しかない。したがって、こうした洗濯機は、その洗濯作業の程度によって選択可能である、非洗剤洗浄サイクルおよび洗剤洗浄サイクルを用いた、いわゆる「ハイブリッド」使用向けに設計され販売されている。
【0003】
全体的な資源の利用に関して言えば、非洗剤系クリーニング技術は、軽い汚れの状況では洗剤製品の使用を節約する可能性を有しうるが、このような節約は、より多くの水およびエネルギーの利用という操作上の必要性によって、多かれ少なかれ相殺される。こうして、資源の等式は絶妙にバランスが取られる。
【0004】
清浄技術にいずれかの変化を取り入れる際の一つの困難は、現行の様式の洗濯機設備に対して世界中で行なわれてきた莫大な資本投資に関する。この設備の所有者に、彼らの機械をすべて新しい機械と交換するように要請することは、所有者による大きな投資を要求することになり、ならびに使用が限定された過剰な数の旧式の洗濯機を生み出すことになる。
【0005】
最新の「ハイブリッド」洗濯機を含む現行の洗濯機およびシステムの有効性を向上させて、洗剤の使用レベルの全範囲に渡って改善された洗浄性能を供給するようにすることは、明らかに望ましい。資源−化学物質、水、およびエネルギーの全体的な効率的で持続可能な利用という意味においての性能改善を供給することもまた望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、洗濯機や自動食器洗い機など、家庭用若しくは施設用器具の分野で利用可能な、汚れた(1つ若しくは複数の)基材の清浄の改善を洗剤使用レベル範囲にわたって可能にする方法およびシステムを提供することである。本発明の更なる目的は、水、エネルギー、および洗剤製品資源のより効率的な使用を可能にする洗浄方法および洗浄システムを提供することである。本発明の更に別の目的は、装備を改良できる、ないしは別の方法で既存の家庭用または施設用器具と共同して使用できる方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、給水と流体連通することができる少なくとも1つの入口、この少なくとも1つの入口と流体連通している少なくとも1つの処理領域であって、前記少なくとも1つの処理領域が、軟水化領域、電解領域、投与領域、およびこれらの組み合わせを含む少なくとも1つの処理領域、並びに洗浄領域と流体連通していることができる少なくとも処理領域と流体連通している少なくとも1つの出口を含む、洗浄領域内での清浄のための洗浄システムに関する。一実施形態では、洗浄領域は、洗濯物および食器類を含む基材を清浄または洗浄することができる。一実施形態では、軟水化領域は、ナノ濾過装置、電気脱イオン装置、電気透析装置、逆浸透装置、容量性脱イオン装置(capacitive deionization devices)、貫流コンデンサ(flow-through capacitors)およびイオン交換軟水化装置、ならびにこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、軟水化領域は容量性脱イオン化を含む。一実施形態では、少なくとも部分的に軟化された水は、約4mmol/L未満の残留Ca2+硬度を含む。一実施形態では、少なくとも部分的に軟化された水は、給水圧約100〜約1000kPaにおいて少なくとも約2L/hの軟水流束を含む。一実施形態では、装置および洗浄領域は、実質的に1つのハウジング内に収容される。一実施形態では、装置および洗浄領域は、独立して収容される。一実施形態では、投与領域は、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口との間に流体接続されており、布地ケア組成物を分配することができる。一実施形態では、本発明は、投与領域と出口との間に機能的に接続され、布地ケア組成物を第2流体と少なくとも部分的に混合することができる混合領域を更に含む。一実施形態では、混合領域は、ベンチュリ流量、直接噴射ポンプ、蠕動ポンプ、重力送り、および噴霧を含むインラインミキサー、音波ミキサー、超音波ミキサー、ならびにこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、投与領域により、約0.01〜約50gの布地ケア組成物が分配される。一実施形態では、少なくとも1つの軟水化領域および少なくとも1つの電解領域。一実施形態では、洗浄システムは、第1軟水化および第2軟水化領域、ならびに第1電解領域および第2電解領域を含み、その際第1軟水化領域は第1電解領域に流体接続されており、第2軟水化領域は第2電解領域に流体接続されている。一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口との間に、少なくとも1つの逆止め弁を更に含む。一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの水位、密度、伝導度、pH、振動、温度、濁度、粘度、およびこれらの組み合わせを感知することができる少なくとも1つのセンサーを更に含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し明確に請求する特許請求の範囲にて結論付けられるが、本発明は以下の説明からより良く理解されるであろうと考えられる。
【0009】
本発明の組成物は、本発明の構成成分ならびに本明細書で記載されるその他の成分を包含することができ、それらから本質的に成ることができ、またはそれらから成ることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的に成る」とは、組成物または構成成分が追加成分を包含してもよいが、それら追加成分が特許請求される組成物または方法の基本的および新規な特徴を大きく変化させない場合に限ることを意味する。
【0010】
特に指示のない限り、本明細書で使用される百分率および比率は、すべて総組成物の重量を基準とし、測定は、すべて25℃で行われる。1角度は、完全回転の1/360に等しい大きさの角度の平面単位である。
【0011】
本明細書で使用されるすべての測定値は、特に指定のない限り、メートル単位である。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「製品」は、汚れた基材の洗浄および清浄に適した活性物質ベースの洗剤組成物、ならびに、洗浄後に使用するのに適した、または活性物質ベースの洗剤と併せて使用するのに適した、付随的な基材利益若しくは効果をもたらすように設計された補助組成物、例えば、仕上げ剤、すすぎ剤、洗浄後の布地ケア利益をもたらすように設計された布地強化剤(fabric enhancers)、および洗浄後の表面ケア利益をもたらすように設計された洗剤補助剤を包含する。用語「製品分配領域」「製品貯蔵手段」などは、適宜解釈されるべきである。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「給水」は、市町村で供給される水および地下水を含む、本管から直接得られる水、再生水の貯蔵に使用される再生利用リザーバや貯蔵タンクなど、本管若しくは使用済み水リザーバからの水、またはこれらの組み合わせからの水を含む。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「洗濯物」は、織布および不織布を包含する。この布地についての非限定的用途としては、衣服、寝具、タオルなどが挙げられる。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄領域」は、洗濯物および/または製品および/または軟水が、清浄および/または洗浄を実行するために存在する体積を包含する。洗浄領域の例には、自動洗濯機のドラムによって作り出される体積が挙げられる。
【0016】
現在では、驚くべきことに、本発明の洗浄システムは、改善された清浄および洗浄の有効性を提供することが見出されている。更に、該洗浄システムは、多様な清浄または洗浄の作業に対して使用することができる。本発明の第1の態様によると、給水と流体連通することができる少なくとも1つの入口、この少なくとも1つの入口と流体連通している少なくとも1つの処理領域であって、前記少なくとも1つの処理領域が、軟水化領域、電解領域、投与領域、および/またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1つの処理領域、ならびに、洗浄領域と流体連通していることができる、少なくとも1つの処理領域と流体連通している少なくとも1つの出口を含む、洗浄領域内での清浄のための洗浄システムが提供される。
【0017】
一実施形態では、本発明の洗浄領域および洗浄システムは、独立して収容されることが企図される。このような実施形態は、使用時点にある洗浄システムで企図される。非限定的な一実施例では、本発明の軟水化領域が洗浄領域とは異なるハウジング内に配置されることが企図される。軟水化領域は、給水と洗浄領域入口との間で流体接続されている。このような実施形態では、洗濯機および自動食器洗い機、温水器、ならびに「建物全体の」注入流を含む洗浄領域を包含する、給水を利用する現存の装置は、上水道からの給水を処理するために存在するそのような軟水化領域を有するように改造および/または適合されてもよいと考えられる。
【0018】
他の実施形態では、本発明の洗浄システムおよび洗浄領域は、実質的に1つのハウジング内に収容されることもまた企図される。理論に束縛されるものではないが、本発明の洗浄システムおよび洗浄領域を実質的に1つのハウジング内に収容することによって、洗浄システムの要素間に必要ないかなる配管系統または流体連結も最小限に抑えられると考えられている。また、本発明の洗浄システムおよび洗浄領域を実質的に1つのハウジング内に収容することにより、必要とされる体積および/または空間が最小限に抑えられる。
【0019】
本発明の洗浄システムは、軟水化領域および洗浄領域が、器具の導管を介して互いに流体連通している2つの領域を有する単一の器具へと組み込まれ、その単一の器具の一部を形成する、一体の軟水化および洗浄器具の形態を取ることができる。他の実施形態では、洗浄システムは軟水化器具および洗浄器具を複合形態(hyphenated form)で含んでおり、軟水化器具およびその関連軟水化領域が、ユーザーの必要に応じて洗浄器具の給水入口導管に永久的または一時的に嵌合できる独立型ユニットを形成しており、軟水化器具に必要な電源は洗浄器具用の電源からとられるか、または主電源から別個にとられる。
【0020】
本発明のシステムおよび装置は、イオン交換樹脂を用いずに軟水化を行うことができる点でも有利である。また、本発明によってもたらされる高い清浄効果により、より少ない水/エネルギーの使用で、本発明によって処理されていない水と同等の清浄利益の達成をもたらす。
【0021】
軟水化領域
本発明によれば、本明細書の洗浄システムは、軟水化領域を含む。本発明のシステムおよび方法では、軟水化領域は、ナノ濾過、電気脱イオン化、電気透析、逆浸透、イオン交換、および容量性脱イオン(capacitive deionization)軟水化装置、ならびにこれらの組み合わせを含む1以上の装置を含む。一実施形態では、軟水化領域は、ベック(Baeck)、コンベンツ(Convents)、およびスメッツ(Smets)の名で共に譲渡され、共同出願された特許出願、出願人参照番号CM2849Fに開示されているものを含むことができ、前記出願は本明細書に参考として組み込まれる。
【0022】
一実施形態では、軟水化領域は、約4mmol/L未満、他の実施形態では約2mmol/L未満、更に他の実施形態では約1mmol/L未満、なお他の実施形態では約4mmol/L〜約0.01mmol/L、更に他の実施形態では約2mmol/L〜約0.05mmol/L、なお更に他の実施形態では約1mmol/L〜約0.1mmol/Lの残留Ca2+硬度まで、少なくとも部分的に軟化された水を形成する水を軟化するのに有効である。
【0023】
比導電率は、溶解したイオン化物質の合計濃度、即ち、水試料のイオン強度に依存する。それは本明細書で使用するとき、電流を伝えるための水の能力の一表現である。例えば、蒸留したばかりの水の導電率は0.5〜2μS/cmであるが、飲料水の導電率は、一般には、50〜1500μS/cmである。本発明における比導電率の決定方法は、次の試験を用いる。ASTM D5391−99(2005)。高純度の流水試料の導電率の標準試験法(Standard Test Method for Electrical Conductivity of Flowing High Purity Water Samples)。
【0024】
一実施形態では、軟水化領域は、約200μS/cm未満、他では約150μS/cm未満、更に他の実施形態では約100μS/cm未満、他では75μS/cm未満、他では50μS/cm未満、なお他の実施形態では約0.01μS/cm〜約200μS/cm、なお更に他の実施形態では約0.1μS/cm〜約100μS/cm、なお更に他の実施形態では約1μS/cm〜約50μS/cmの比導電率まで、少なくとも部分的に軟化された水を形成する水を軟化するのに有効である。
【0025】
理論に束縛されるものではないが、軟水化領域は、陽イオン種、陰イオン種、双性イオン種、両性種、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されないイオン種を除去すると考えられている。そのような陽イオン種としては、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、ナトリウム、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。そのような陰イオン種としては、塩素、フッ素、カーボネート、サルフェート、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
軟水化領域の下流にあってその領域と流体連通している洗浄システムは、更に、少なくとも部分的に軟化された水を貯蔵しそれを洗浄領域へ供給するための軟水リザーバを含むことができる。
【0027】
理論に束縛されるものではないが、軟水化領域は、少なくとも部分的に軟化された水を形成すると考えられている。少なくとも部分的に軟化された水は、洗浄領域へ移動すると、洗浄領域に加えられるいかなるの製品の有効性をも増大させる。更に、少なくとも部分的に軟化された水の使用は、硬水沈着物やスケールなどの蓄積を低減および/または防止して、よりクリーンな洗浄システムの構成要素をもたらすので、この少なくとも部分的に軟化された水が、洗浄システムの構成要素の使用可能期間を延長させると考えられている。
【0028】
他の実施形態では、軟水化領域は、容量性脱イオン化(capacitive deionization)を利用する。容量性脱イオンユニットは、水を軟化させるのに帯電電極を利用する。電極を用いた容量性脱イオン化は、イオン交換軟水化器に特有であるように他のイオンを追加せずに水からイオン種および他の不純物を除去することが可能である。その他の容量性脱イオン化の形態としては、類似の基礎物理を利用する貫流コンデンサ(flow through capacitors)が挙げられる。この発明の目的のために、容量性脱イオンユニットには、貫流コンデンサが含まれる。理論に束縛されるものではないが、水は、低い電位差および/または電圧に保たれた電極間を通過する。水中に存在するイオン種は、その反対に帯電した電極の方に移動する。電極がイオン種で飽和したときには、電極は、静電的に再生され、イオン種が廃棄電解質の流れとして排出される。電極再生は、電極の極性を反転させて水で洗い流して廃棄電解質流を形成することによって、または陽極(複数)(plates)を接地してそれらを水で洗い流して廃棄電解質流を形成することによって、電極からイオン種を定期的に一掃することを必要とする。更に、電極を酸の流れまたは塩基の流れと接触させることによって、電極を吸着物質から再生させることができる。一実施形態では、酸の流れおよび塩基の流れは、本明細書で論じるように、電解領域によって生成される。
【0029】
一実施形態では、容量性脱イオンユニットの電極は、炭素エアロゲルから作製される。炭素エアロゲル電極は、米国特許第6,309,532号(トラン(Tran)ら)に見出される。炭素エアロゲル電極は、優れた化学安定性、およびユニット体積当たりの非常に大きな表面積を有している。
【0030】
一実施形態では、炭素エアロゲルは、様々な炭素系を用いて作製される。これらの系は、必ずしもそうとは限らないものの、熱分解によって作製されることが多い。これらの炭素系としては、レゾルシノール/ホルムアルデヒド、レゾルシノール/フェノール/ホルムアルデヒド、ヒドロキノン/レゾルシノール/ホルムアルデヒド、フロログルシノール/レゾルシノール/ホルムアルデヒド、カテコール/レゾルシノール/ホルムアルデヒド、ポリ塩化ビニル、フェノール/ホルムアルデヒド、エポキシ化フェノール/ホルムアルデヒド、ポリ塩化ビニル、フェノーリベンズアルデヒド(phenolibenzaldehyde)、酸化ポリスチレン、ポリフルフリルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、ポリブチレン、酢酸セルロース、メラミン/ホルムアルデヒド、ポリビニルアセテート、エチルセルロース、エポキシ樹脂、アクリロニトリル/スチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリメチル−メタクリレート、ポリ塩化ビニル/ジビニルベンゼン、ジビニルベンゼン/スチレン、ならびにこれらの組み合わせおよび混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
他の供給源を利用して、容量性脱イオン(capacitive deionization)ユニットにおいて使用するための電極を形成することができる。一実施形態では、例示された電極は米国特許第6,737,445号(ベル(Bell)ら)であり、米国出願第20030153636(ディーツ(Dietz)ら)が利用されており、これら参考文献を参考として組み込む。更に、電極は、米国特許第6,462,935号(シュー(Shiue)ら)および米国出願第20040095706(ファリス(Faris)ら)に記載されているように貫流様式で配置されていてもよく、これら参考文献を参考として組み込む。
【0032】
容量性脱イオンユニットに使用するための更なる電極の供給源は、次の米国特許および特許出願の中に例示され、すべて本明細書に参考として組み込まれるが、それらは、米国特許第5,425,858号、第5,636,437号、第5,954,937号、第5,980,718号、第6,309,532号、第6,346,187号、および第6,761,809号である。米国特許公開番号2002−0084188および2004−0188246。
【0033】
容量性脱イオンユニットでの使用のように、標準物質により貫流コンデンサ(flow-through capacitors)で使用される更なる電極の供給源は、次の参照文献の中に例示され、すべて本明細書に参考として組み込まれるが、それらは、米国特許第5,192,432号、第5,415,768号、第5,547,581号、第5,620,597号、第5,748,437号、第5,779,891号、第6,127,474号、第6,325,907号、第6,413,409号、第6,628,505号、第6,709,560号、第6,778,378号、および第6,781,817号である。米国特許公開番号2004−0012913および2004−0174657。PCT国際公開特許WO01/66217およびPCT国際公開特許WO03/009920。
【0034】
一実施形態では、少なくとも部分的に軟化された水を製造するために容量性脱イオン化(capacitive deionization)によって処理される給水の流量は、約0.5リットル/分〜約20.0リットル/分であり、他の実施形態では約0.75リットル/分〜約8リットル/分、更に他の実施形態では約1リットル/分〜約5リットル/分であり、更に他の実施形態では約1リットル/分よりも多い。
【0035】
一実施形態では、容量性脱イオンユニットで用いられる電極の全表面積は、約200〜約1500m/gであり、他の実施形態では約400〜1200m/g、他の実施形態では約500〜1000m/gである。
【0036】
一実施形態では、電位差または電圧は、約0.5ボルト〜約10ボルトであり、他の実施形態では約0.75〜約8ボルト、更に他の実施形態では約1〜約5ボルトである。
【0037】
一実施形態では、容量性脱イオンユニットは、自己清浄可能である。一つの自己清浄実施形態では、出口水−本発明の洗浄システムによって処理された水−の固有抵抗の低下および/または硬度の低下度合いの減少によって示されるように、溶液からのイオン種の吸着の低下を電極が示すと、清浄が開始する。一実施形態では、電極性能の低下は、伝導度計によって観察される。当業者は、本発明の電極性能の低下を測定する手段を容易に決定可能である。低下した性能は、一実施形態では、「汚れた」電極−洗浄システムの稼動によって集められたイオン種を含有する電極−の伝導度を「清浄な」電極−洗浄システムを使用する前の電極であって、一実施形態では、きれいな電極はイオン種を実質的に含まない−の伝導度で割って伝導度比(conductivity fraction)を求めることによって測定される。伝導度比が予め定められた値に達したときに、自己清浄サイクルが開始される。一実施形態では、伝導度比が約0.9未満の場合に、別の実施形態では、伝導度比が約0.7未満の場合に、更に別の実施形態では、伝導度比が約0.5未満の場合に、また別の実施形態では、伝導度比が約0.4未満の場合に、更に別の実施形態では、伝導度比が約0.3未満の場合に、また更に別の実施形態では、伝導度比が約0.2未満の場合に、更に他の実施形態では、伝導度比が約0.1〜約0.6である場合に、また更にその他の実施形態では、伝導度比が約0.2〜0.4である場合に、自己清浄サイクルが開始する。
【0038】
任意で、容量性脱イオンユニットは、プレフィルターを更に含む。理論に束縛されるものではないが、プレフィルターは、電極の耐用期間を延長すると同時に、電極の自己清浄サイクルの頻度を遅らせることができると考えられている。プレフィルターは、給水に含有される中性荷電種を吸収する、ブロックする、ないしは別の方法で除去すると考えられている。そのような中性荷電種は、容量性脱イオンユニット上の電極によって最小限の影響しか受けないので、電極上の吸着部位を汚染するおそれがある。本発明のプレフィルターは、実質的に給水から中性荷電種を吸収する、ブロックする、および/または別の方法で除去するいかなる材料からも作製される。そのような材料としては、活性炭、シリカ、紙、金属メッシュフィルター、膜、ゲル、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
ナノ濾過
他の実施形態では、軟水化領域は、給水濾過装置を含む。濾過装置の1つの種類は、約1.7E−22〜約1.7E−21g(100〜約1000ダルトン)、一実施形態では、約3.3E−22〜約1.7E−21g(200〜約1000ダルトン)の範囲のカットオフを有するナノ濾過装置である。他方では、装置の清浄水流束は、100kPa、25℃で、一実施形態では少なくとも3、一実施形態では少なくとも6L/mhである。装置は、一実施形態では少なくとも50%、一実施形態では少なくとも80%(0.35重量%MgSO、600kPa、Re=2500、25℃)のマグネシウムイオンの除去率を有する。
【0040】
更に他の実施形態では、軟水化領域は、透過液出口および保持液出口を有する直交流濾過装置の形態をしており、透過液出口は洗浄領域と流体連通し、保持液出口は廃液貯蔵領域、排出領域、および洗浄溶液浄化、再生利用領域の内の1以上と流体連通している。
【0041】
更に他の実施形態では、直交流装置には、給水取入口、保持液再循環、硬水廃液流出、および任意の再循環ポンプが設けられている。一実施形態では、軟水透過液と硬水廃液との流束比は、少なくとも約1:1であり、他の実施形態では少なくとも約3:1、更に他の実施形態では少なくとも約5:1、更に他の実施形態では少なくとも約8:1である。
【0042】
そのような濾過装置は、一実施形態では、毛管若しくは管状濾過膜の束が中に据え付けられた膜区画を備えるフィルターハウジングを含むモジュールの形態をしており、該濾過膜の端部は、膜ホルダに入れられ、1以上の入口および1以上の保持液出口と連通する。フィルターハウジングにはまた、その壁面に1以上の開口部が設けられており、その開口部が1以上の透過液出口と連通している。給水供給からの高温または低温の水が入口への連結部を介してフィルターハウジングに入り、そして次には毛管または管状濾過膜を通って、結果として生じる保持液および透過液が連結部を通って対応する保持液および透過液出口へと排出される。このような構成は本明細書では「インサイドアウト」構成と称される。
【0043】
或いは、モジュールは逆の態様(「アウトサイドイン」)で操作されることができ、この場合、給水が供給され、保持液が、対応する入口および保持液出口連結部と連通するフィルターハウジングの壁面の開口部を介して排出される。この場合、透過液は濾過膜内で収集され、それらの開放端部および対応する透過液出口連結部を介して排出される。
【0044】
モジュールはまた、濾過膜上の横方向の力を減少させるために、膜区画中への1以上の開口部を有する濾過膜の方向に対して横方向に配置された1以上の分配管を設けられることができ、このような構成はPCT国際公開特許WO−A−98/20962に記載されている。
【0045】
代表的な濾過装置またはモジュールとしては、X−フローB.V.(X-Flow B.V.)によりNF50M10の表記で市販される、インサイドアウト濾過用に開発されたポリアミド/ポリエーテルスルホン・ナノ濾過膜が挙げられる。
【0046】
ナノ濾過膜は給水中の塩素により分解または攻撃される傾向があり得る。したがって濾過装置は、装置の寿命を延長させるために、カーボンプレフィルター、酸化防止剤、または真ちゅうなどの塩素除去システムと併せて使用してもよい。
【0047】
濾過装置の実施形態において、濾過装置は、一実施形態ではまた、高圧下で濾過モジュールを通じて保持液の流れを再循環させるポンプを含み、該ポンプは、保持液を再循環させるという唯一または主要な目的で再循環ループ内に配置されるか、または洗浄器具若しくは洗浄領域の主排出ポンプに動作可能なように連結される。
【0048】
電気透析/電気脱イオン化
更に他の実施形態では、軟水化領域は、電気透析ユニットまたは電気脱イオンユニットを含む。電気透析では、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とが交互に積み重ねられ、得られる区画された配列が、反対に帯電した2つの電極間に設置される。給水が、低い圧力下で装置に送り込まれ、膜の間を循環される。電極に直流を印加すると、陽イオンおよび陰イオンが、それぞれ陰極および陽極に向かって反対方向に移動し、交互の区画に集まる。次いで、電気透析ユニットから得られる少なくとも部分的に軟化された水が洗浄領域に送り込まれ、硬水廃液が、廃液貯蔵領域、排出領域、および洗浄溶液浄化・再生利用領域の内の1以上に送り込まれる。
【0049】
電気脱イオンは、事実上、電気透析とイオン交換との組み合わせである。この場合、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との混合物が、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜との間に導入され、給水中のすべてのイオン種が樹脂内に捕捉される。次いで、少なくとも部分的に軟化された水の流出が洗浄領域に送り込まれると、装置は、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂がその後の使用のために再生される、電気化学的再生サイクルを受ける。次いで、得られる硬水廃液は、廃液貯蔵領域、排出領域、および洗浄溶液浄化・再生利用領域の内の1以上に送り込まれる。
【0050】
洗浄溶液の浄化
任意に、洗浄システムは、洗浄溶液を洗浄領域から清浄および再生利用する目的で、洗浄領域と流体連通している洗浄溶液浄化・再生利用領域を含む。洗浄溶液の清浄は、オフラインの場所にあるバルク溶液での独立したバッチ操作としても実施可能だが、一実施形態では洗浄システムの再生利用ループセクション内の洗浄溶液の流れに対して実施される。或いは、清浄を洗浄領域自体の一部またはサブ領域内で起こすこともできる。用語「清浄」は、洗浄溶液(必要に応じて、バルク溶液または洗浄溶液の流れのいずれか)の汚れ含有量の低減を指しており、汚れ含有量は、例えば、濁度を用いて測定される。一実施形態では、再生洗浄溶液の濁度は、約15NTU未満、一実施形態では約5NTU未満である。
【0051】
清浄後、溶液は再生利用されて洗浄領域へと戻され、洗浄領域で、該溶液を同一若しくは後続の洗浄工程で、または洗浄後のすすぎ工程で使用することができる。この種の好ましい実施形態では、洗剤を利用した、一実施形態では漂白剤を利用した、洗浄工程の前の、本質的に洗剤不使用の予洗浄工程中または該予洗浄工程の終わりに、洗浄溶液は、洗浄領域へと再生利用される。本発明の予洗浄の実施形態は、本明細書では、改善された漂白および清浄性能をもたらす観点から、漂白剤を利用した基材洗浄工程の場合に特に有益である。好ましくは、洗浄システムは、同一の基材洗浄工程中に洗浄溶液の連続的または半連続的な浄化および再生利用をもたらすように配置されており、換言すれば、洗浄溶液は、洗浄領域から汚れを除去し、および基材上への汚れの再付着を低減若しくは最小限に抑えるように、洗浄工程若しくは予洗浄工程中に連続的にまたは1以上の操作段階で再生利用される。洗剤を「本質的に不使用」とは、洗浄溶液の約0.1重量%未満の洗剤製品を含有する洗浄溶液を意味する。
【0052】
本発明の特定のシステムおよび方法では、洗浄溶液浄化・再生利用領域は、再生洗浄溶液の濁度を約15NTU未満、一実施形態では約5NTU未満に低下させるのに有効な洗浄溶液濾過装置を含む。他方では、装置によって放出される透過液流束は、約100〜約1000kPa(1〜10bar)、一実施形態では、約100〜約400kPa(1〜4bar)の範囲の圧力で動作するときに、一実施形態では、少なくとも約100L/hであり、一実施形態では、少なくとも約500L/hである。膜の表面積は、一実施形態では、約0.01〜約2mであり、一実施形態では、約0.05〜約1mであり、一実施形態では、約0.25〜約0.75mである。
【0053】
本明細書の他の実施形態では、洗浄溶液浄化・再生利用領域は、限外濾過または精密濾過装置を含む。濾過装置は、一実施形態では、約1.7E−21g(1000ダルトン)〜約1μm、一実施形態では、約0.05μm〜約0.5μmの範囲のカットオフを有する。濾過装置は、一実施形態では、1以上の管状膜を含み、各膜の管腔サイズは、一実施形態では、約1〜約10mm、一実施形態では約2〜約6mm、および一実施形態では約3〜約5mmである。濾過装置は、一実施形態では、少なくとも約1000L/m.h.100kPa(25℃のRO水)、一実施形態では、100kPaで少なくとも約10,000L/mの清浄水流束を有する。本明細書でカットオフは、分子量のカットオフに関して全体の最低値(1.7E−21g(1000ダルトン))が指定されている場合を除き、装置の膜の公称孔径の評価を指す。管腔サイズは、膜の最小内径を指す。
【0054】
一実施形態では、本発明のシステムは、直交流濾過装置を含む洗浄溶液浄化・再生利用領域を含む。一実施形態では、直交流濾過装置は、1以上の自立型で非対称の管状濾過膜を含んでおり、各管状膜は前述した寸法の管腔サイズを有する。他の実施形態では、装置は、相互連通する一連の膜サブユニットを含んでおり、各サブユニットは、1以上、一実施形態では、約2〜約20、一実施形態では、約5〜約15の管状濾過膜を含む束の形態である。装置が直列のサブユニットを複数含む場合、個々のサブユニットを、より大きい管腔サイズを有する管状膜の1以上のセクションによって相互連結することができる。装置内の管状膜の総経路長は、一実施形態では、約10〜約250m、一実施形態では、約35〜約150mであり、直交流濾過装置のその入口からその出口までにわたる圧力低下は、約0.2MPa(2bar)未満、他の実施形態では、約0.1MPa(1bar)未満、および他の実施形態では、約0.02〜約0.05MPa(0.2〜約0.5bar)である。更に、各管状膜は、約100〜約1000kPa(1〜10bar)、他の実施形態では、約100〜約400kPa(1〜4bar)の範囲の動作圧力において、一実施形態では、少なくとも約2300、他の実施形態では、少なくとも約4000のレイノルズ数を有する。
【0055】
直交流濾過装置には、洗浄溶液の取入口、ならびに透過液および保持液出口が設けられており、透過液出口は、洗浄領域と流体連通しており、保持液出口は、洗浄溶液緩衝領域または廃液排出領域と流体連通している。
【0056】
洗浄溶液緩衝領域を採用するシステムでは、洗浄溶液は、洗浄領域から第1の導管に沿って緩衝領域へと送り込まれ、または引き出され、次いで、加圧下でポンプを利用して緩衝領域から第2の導管に沿って直交流濾過装置の入口へと送り込まれる。また、よりサイズの大きい不純物の除去のために、約20μmよりも大きい粒子を除去するように設計された従来の粗フィルター、例えば活性炭を、直交流濾過装置の上流に設けることもできる。次いで、得られる保持液が緩衝領域に再循環され、透過液が洗浄領域に戻される。また、直交流濾過装置の入口に圧力安全弁を設けることもでき、緩衝領域または廃液排出領域への排液によって過剰な圧力が解放される。一実施形態では、緩衝領域は、まわりの環境に対して密閉されており、その場合、洗浄領域への透過液の除去と並行して、洗浄溶液が自動的に緩衝領域に引き込まれる。或いは、緩衝領域をまわりの環境に通気させ、洗浄溶液を加圧下で洗浄領域から緩衝領域へと送り込むこともできる。安全弁は、また、保持液出口、ならびに緩衝領域の入口側および出口側にも位置決めすることができる。また、濾過膜の断続的なクリーンスイーピング(clean-sweeping)またはバックフラッシング(back-flushing)を可能にするために、弁、例えばピンチ弁を、濾過装置の透過液出口に設けることもできる。ただし、本発明のシステムの特徴は、バックフラッシング(back-flushing)または付着物除去(defouling)の方法でのメンテナンスを最小限しか必要としないことである。
【0057】
濾過装置は、一実施形態では、(1つ若しくは複数の)管状濾過膜が中に据え付けられた膜区画を備えるフィルターハウジングを含むモジュールの形態をしており、該濾過膜の端部は、膜ホルダに入れられ、入口および保持液出口と連通する。装置が相互連通する一連の膜サブユニットを含む場合、各サブユニットは、一般に、管状膜の束と、管状膜の端部を入れる1対の膜ホルダと、フィルターハウジングの膜区画への透過液の排出を可能にするために1以上の開口部が設けられた外側シースとを含む。個々の膜サブユニットは、それら個々のサブユニットよりも管腔サイズが概ね大きい相互連結する管状膜の1以上の連結部を介して相互連通することができる。他方、一連のサブユニットの内の末端サブユニットは、管状膜の1以上の連結部および膜ハウジング内に収められた対応する膜ホルダを介して、入口および保持液出口と連通することができる。フィルターハウジングには、また、該フィルターハウジングの壁に、(1つ若しくは複数の)透過液出口と連通する1以上の開口部も設けられている。洗浄溶液は、入口への連結部を通じてフィルターハウジングに流入し、次いで(1つ若しくは複数の)濾過膜を通過し、得られる保持液および透過液が、対応する保持液および透過液出口への連結部を通って排出される。
【0058】
本明細書では、限外濾過または精密濾過装置に、ポリプロピレン、ポリビニリデンジフルオリド、酢酸セルロース、セルロース、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、脂肪族および芳香族ポリアミド、ポリイミド、ならびにこれらの混合物を含む、広範な膜材料を使用することができる。ただし、本明細書で好ましいのは、公称孔径比(内表面対外表面)が約1:10、表面エネルギー(内表面)が約8ダイン/cmの、非対称ポリエーテルスルホン膜である。
【0059】
製品投与
一実施形態では、本発明の洗浄システムは、軟水化領域と洗浄領域との中間に位置付けられた投与領域を含む。一実施形態では、投与領域は、製品(活性洗剤、または仕上げ剤若しくは布地強化剤のような洗剤補助剤のいずれか)を、洗浄領域内または洗浄領域への給水口で、予め軟化された給水へと投与する手段を含んでおり、またバルク洗剤および/または洗剤補助製品のための製品貯蔵手段も含んでもよい。加えて、製品分配領域は、一般に、製品貯蔵手段の充填、補充、または交換を可能にする手段を含んでおり、また更に、弁、分配オリフィス、または軟水化領域の軟水流束に対して洗剤および/若しくは洗剤補助製品の投与速度を制御する他の手段を含んでもよい。一実施形態では、分配および軟水化領域は直列に連結されるか、または一体の軟水化および製品分配ユニット、即ち、別個であるが相互連結された軟水化領域および製品分配領域を有するユニットを含んでおり、製品分配領域は軟水化領域の下流にあり、軟水化領域の出口側で給水へ製品を投与するための手段を含んでいる。
【0060】
一実施形態では、基材が洗浄溶液の接触している間、同時に洗浄溶液の浄化および再生利用が行われる。このような実施形態では、基材洗浄工程中の1以上の操作段階で浄化および再生利用を実施することが有利であり得る。例えば、一実施形態では、浄化および再生利用は、洗浄工程の後半で、例えば、洗浄工程の時間の約50%完了後、一実施形態では、少なくとも約70%完了後、または更には約90%完了後に開始される。或いは、システムがその最適洗浄温度に達した後、或いは洗浄溶液が濁度若しくは伝導度閾値または汚れの閾値に達した後で初めて、浄化および再生利用が開始される。この目的で、洗浄システムに、洗浄溶液の濁度、伝導度、または汚れのレベルに反応し、浄化および再生利用を開始する引き金の役割を果たす、1以上のセンサーを設けることができる。
【0061】
布地を洗濯するのに有用な他の好ましい実施形態では、洗浄溶液は、洗浄後のすすぎ工程で使用するために、洗浄領域またはすすぎ領域に再生利用される。この場合もやはり、再生利用する前の清浄済み洗浄溶液を貯蔵する再生利用リザーバを含むことができる。一実施形態では、該方法は、i)軟水化領域で給水が軟化される軟水化工程、ii)活性洗剤製品が清浄有効量で洗浄溶液または給水へと投与される任意の洗剤分配工程、iii)汚れた基材が軟化された洗浄溶液と接触される洗浄工程、iv)洗浄溶液浄化・再生利用工程、v)洗浄後の布地ケアまたは審美的な利益をもたらす布地強化剤が再生洗浄溶液へと投与される布地強化剤分配工程、vi)布地と得られるすすぎ液とが接触されるすすぎ工程、の内の少なくとも1つまたはいずれかの組み合わせを含む。好適な布地強化剤としては、香料および他の嗅覚剤、織物柔軟化剤、アイロン助剤、抗菌剤、抗ピリング助剤などが挙げられる。
【0062】
本発明の好ましい方法では、洗浄工程は、約0〜約2重量%、一実施形態では、約0.01重量%〜約1重量%、一実施形態では、約0.01重量%〜約0.5重量%、および一実施形態では、約0.01重量%〜約0.25重量%の範囲の洗剤製品洗浄溶液濃度で始められる。ただし、通常、洗剤製品は、清浄有効量、即ち、洗剤なしで達成できる最終結果を上回るように最終清浄結果を改善するのに有効な量で存在する。それ故に、洗剤製品は、通常、洗浄溶液の少なくとも0.1重量%のレベルで存在する。好適には、洗浄工程中の洗浄溶液のpHは約5〜約13、一実施形態では、約6〜約12、一実施形態では、約7〜約11の範囲である。プロテアーゼ類、セルラーゼ類、およびアミラーゼ類などの洗浄酵素類の使用を含む方法では、洗浄工程中の酵素の濃度は、一実施形態では、約0.0001〜約100ppmの活性酵素である。本明細書で使用するのに好適な酵素の非限定的なリストは、例えば米国特許US2002/0155971に開示されている。
【0063】
音波
本発明の他の応用例では、本明細書の洗浄システムは、洗浄領域または洗浄前処理領域内の汚れた基材を音波若しくは超音波処理する手段を更に含む。具体的には、本明細書では、音波若しくは超音波処理と、洗浄溶液浄化・再生利用および軟水化との組み合わせが、洗剤使用レベル範囲にわたって、改善された基材の清浄をもたらすのに特に有益であることがわかった。一実施形態では、汚れた基材を音波または超音波処理する手段は、1つ若しくは複数の音波または超音波エネルギー発生装置を含んでおり、発生されるエネルギーの周波数は、約1kHz〜約150kHz、一実施形態では、約20kHz〜約80kHzの範囲であり、発生装置への入力電力は、約0.1W〜約500W、一実施形態では、約10W〜約250Wの範囲である。
【0064】
一実施形態では、エネルギー発生装置は、超音波エネルギーを発生し、該超音波エネルギーを洗浄領域内の汚れた基材に供給するように適合される。このような実施形態では、発生されるエネルギーの周波数は、一実施形態では、約20kHz〜約150kHz、一実施形態では、約20kHz〜約80kHzの範囲であり、発生装置への入力電力は、洗浄領域において、一実施形態では、3.8L(1ガロン)の洗浄溶液あたり約20W〜約500W(1Lあたり5.28W〜132.1W)、一実施形態では、3.8L(1ガロン)の洗浄溶液あたり約25W〜約250W(1Lあたり6.6W〜66.1W)の範囲である。このような実施形態で使用するのに適したエネルギー発生装置は、超音波振動子と電子電源(electronic power supply)とを含む。超音波振動子は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)振動子または磁歪振動子のいずれかであることができる。市販の超音波振動子の例としては、ソニックス&マテリアルズ社(Sonics & Materials Inc)のビブラセルVCX(Vibra-Cell VCX)シリーズ、およびテルソニックAG(Telsonic AG)のチューブ共振器(Tube Resonator)が挙げられる。単一の振動子、またはいくつかの振動子の配列を、洗浄システムで使用することができる。(1つ若しくは複数の)振動子は、底部に、または洗浄領域を取り囲む側壁に据え付けることができる。また、洗浄領域に直接沈めることもできる。また、詳細に後述するように、振動子を洗濯機ドラムまたは槽内に据え付けることもできる。
【0065】
この種の好ましい実施形態では、洗浄システムは、洗濯物を収容するためのドラムを含む前面投入型の洗濯機の形態をとり、ドラムは、その内周壁上に、洗濯物をタンブリングするための、1以上、一実施形態では、2〜4つ、一実施形態では、3つのバッフルを有する。洗濯品目が対応するバッフルと接触しているバルク洗浄溶液から持ち上げられて出されるときに音波若しくは超音波エネルギーが洗濯物に印加されるように、洗濯機はまた、ドラムの少なくとも1つのバッフル上、一実施形態では、各バッフル上に据え付けられた1以上の音波若しくは超音波発生装置を含む。この種の他の実施形態では、洗浄システムは、その上に据え付けられた1以上の音波若しくは超音波発生装置を有する中央攪拌パドルを有する上面投入型洗濯機の形態をとる。
【0066】
代替的な一実施形態では、エネルギー発生装置は、音波若しくは超音波エネルギーを発生し、該音波若しくは超音波エネルギーを洗浄前処理領域内の汚れた基材に供給するように適合される。このような実施形態では、発生されるエネルギーの周波数は、一実施形態では、約1kHz〜約80kHz、一実施形態では、約20kHz〜約60kHzの範囲であり、発生装置への入力電力は、一実施形態では、約0.1W〜約80W、一実施形態では、約1W〜約40Wの範囲である。このような実施形態で使用するのに適したエネルギー発生装置は、汚れた基材の1以上の表面に物理的に接触するように適合された1以上の振動清浄振動子を含む。使用時には、汚れた基材は、清浄振動子の下方または清浄振動子間を通り、該基材は、同時にまたは予め洗浄溶液で濡らされる。清浄振動子は、洗浄領域の外側の好都合な位置に据え付けることができ、また、清浄振動子には、洗浄領域への洗浄溶液の排液を可能にするための手段を設けることができる。
【0067】
本発明のシステムおよび方法には、また、洗浄領域用のエネルギー発生装置および洗浄前処理領域用のエネルギー発生装置と、前述の周波数および入力電力とを組み合わせる実施形態も含むことができる。
【0068】
電解領域
本発明の更なる応用例では、本明細書の洗浄システムは、電気分解によって活性化された洗浄溶液および/またはすすぎ溶液を生成する目的で、給水若しくは洗浄溶液を電気分解する電解領域を更に含む。具体的には、本明細書では、電気分解と、洗浄溶液浄化・再生利用および軟水化との組み合わせが、洗剤使用レベル範囲にわたって、改善された基材の清浄をもたらすのに特に有益であることがわかっている。本明細書の電解領域は、一実施形態では、給水または洗浄溶液を電気分解する少なくとも1対の電極を備えた電解手段を含んでおり、該電解手段は、それぞれ給水電解手段および洗浄水電解手段と呼ばれる。一般に、給水電解手段は、給水供給部と洗浄領域との中間に配置され、洗浄溶液電解手段は、洗浄領域内または洗浄溶液再生利用領域内に配置される。本明細書では、また、給水電解手段と洗浄溶液電解手段との組み合わせも想定される。任意で、電解領域は、また、得られる電解水の貯蔵のためのリザーバ(電解リザーバ)、および電解質若しくは他の酸化剤前駆体種を貯蔵し給水若しくは洗浄溶液へと分配する手段もを含むこともできる。
【0069】
機能の点では、本明細書に用いるのに適した電解領域としては、酸化剤生成電解領域とpH生成電解領域との両方が挙げられる。本発明の酸化剤生成実施形態では、給水若しくは洗浄溶液は、使用時に1以上の酸化剤前駆体種を含んでおり、電解領域は、酸化剤前駆体種の電気分解によって給水若しくは洗浄溶液中で酸化剤または混合酸化剤種の1以上の流れを生み出す手段を含む。
【0070】
本発明のpH生成実施形態では、電解領域は、給水若しくは洗浄溶液中で酸性種および/またはアルカリ性種の1以上の流れを生み出す手段を含んでおり、前記1以上の流れは、基材洗浄工程または後続の基材すすぎ工程で使用するために洗浄領域に供給される。
【0071】
「電気分解によって活性化された洗浄溶液」とは、例えば、酸化剤、混合酸化剤、酸性種、若しくはアルカリ性種を生成するために、電気分解にさらされた洗浄溶液、または電気分解にさらされた給水に由来する洗浄溶液を意味する。他方、用語「電気分解によって活性化されたすすぎ溶液」は、電気分解にさらされた給水または洗浄溶液に由来するすすぎ溶液を指す。
【0072】
一実施形態では、電解ユニットは、染み除去剤として使用でき、殺菌能力のある漂白種を生成するために、容量性脱イオン(capacitive deionization)ユニットと組み合わせて用いられる。このような実施形態では、容量性脱イオンユニットからの廃棄流れは、電解ユニットへと送られる。理論に束縛されるものではないが、容量性脱イオンユニットからの廃棄流れは、高レベルの陽イオン種および/または陰イオン種を含有すると考えられている。廃棄流れの中の陽イオン種および/または陰イオン種は、電気分解されると、これらに限定するものではないが、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、およびこれらの組み合わせが挙げられる様々な漂白種に転換される。漂白種の大半が塩基の流れの中にあると考えられている。生成された漂白種は、洗浄領域へと送られる。理論に束縛されるものではないが、酸の流れは、洗浄領域に送られると、該洗浄領域内で該洗浄領域内の抗菌剤の役割を果たすと考えられている。更に、塩基の流れは、洗浄領域に送られると、pHを上昇させて清浄を改善する働きをすると考えられている。更に、酸の流れおよび/若しくは塩基の流れを再び組み合わせて、それでも洗浄領域に漂白効果をもたらすことができるし、または、一方若しくは両方の流れを廃棄へと送ることができる。
【0073】
他の実施形態では、電解ユニットからの酸の流れおよび/または塩基の流れは、電極および/または他のユニットを清浄および/または再生させるために使用される。このような実施形態では、電解ユニットは、酸の流れおよび/または塩基の流れを生み出すために使用される。理論に束縛されるものではないが、電極上に位置するいかなる金属種も、酸の流れに接触されると反応するが、いかなる中性有機種も、塩基の流れに接触されると反応すると考えられている。酸および/または塩基の流れと接触した後、中性金属種および/または中性有機種は、可溶性になる。可溶化すると、反応した中性金属種および中性有機種を、任意で、容量性脱イオンユニットから廃棄電極流れとして排出することができる。
【0074】
更に他の実施形態では、酸の流れおよび/または塩基の流れを本発明と併せて使用して、様々なユニットを清浄することができる。非限定的な一実施例では、酸の流れおよび/または塩基の流れは、直交濾過ユニットを清浄するために使用される。理論に束縛されるものではないが、酸の流れおよび/または塩基の流れは、直交流濾過ユニットの膜の表面と接触させられる。接触すると、酸の流れおよび/または塩基の流れは、膜上に位置する種を反応および/または溶解させて、清浄を提供する。
【0075】
一実施形態では、電解用食塩水(electrolysis brine)が、電解前に水に加えられる。理論に束縛されるものではないが、電解前の電解用食塩水の水への添加は、HClOを包含する漂白種の生成を促進すると考えられている。一実施形態では、電解用食塩水は、塩化ナトリウムおよび水を含む。電解用食塩水のための水中の塩化ナトリウムの重量百分率は、約0.1重量%〜約35.9重量%、他の実施形態では、約1重量%〜約30重量%、他の実施形態では、約4重量%〜約20重量%、他の実施形態では、約5重量%〜約10重量%である。洗浄領域において、軟水に対する電解用食塩水の体積濃度の百分率が、約0.1%〜約20%、他の実施形態では、約1%〜約10%、他の実施形態では、約2%〜約7%、他の実施形態では、約3%〜約6%、他の実施形態では、約1%〜約4%であるように、電解用食塩水が軟水に加えられる。
【0076】
殺菌領域
本発明の他の応用例では、本明細書の洗浄システムは、洗浄溶液殺菌領域を更に含む。具体的には、本明細書では、洗浄溶液の殺菌と、洗浄溶液浄化・再生利用および軟水化との組み合わせが、洗剤使用レベル範囲にわたって、改善された基材の清浄をもたらすのに特に有益であることがわかっている。
【0077】
殺菌領域は、いくつかの異なる形態をとることができる。第1の実施形態では、殺菌領域は、抗菌剤(本明細書では、この用語は、殺菌剤および静菌剤の両方を含む)と、抗菌剤を洗浄溶液に放出する手段とを含む。一実施形態では、抗菌剤は、1以上の酸化剤若しくは漂白種、例えば、オゾン、次亜塩素酸、または、銀、銅、亜鉛、スズ、およびこれらの化合物を含む1以上の抗菌金属イオン源、ならびに前記抗菌イオン源と無機キャリア物質との組み合わせを含む。この種の好ましい実施形態では、殺菌領域は、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン、若しくはスズイオンなどの抗菌剤の電解源、または次亜塩素酸などの活性酸化剤若しくは漂白種の電解源を含む。他の実施形態では、殺菌領域は、光触媒および/またはUV源を含む。このような実施形態では、濾過装置および洗浄溶液の両方を清浄および殺菌する目的で、光触媒および/またはUV源を、限外濾過または精密濾過装置に使われることができる。
【実施例】
【0078】
図1〜3は、本発明の方法および装置の非限定例を提供するために含まれる。
【0079】
図1は、装置101、給水102、および洗浄領域103を含む。洗浄領域103が、冷水112または温水110を要求すると、圧力低下が温水圧センサー113および/または冷水圧センサー111により検知される。温水圧センサー113および/または冷水圧センサー111は、給水バルブ114および/または出口水バルブ116に開くかまたは閉じるように伝える。温水処理については、給水バルブ114および出口水バルブ116は、温水110が装置101を流通するように開かれる。冷水処理については、給水バルブ114および出口水バルブ116は、冷水112が装置101を流通するように開かれる。温水110および冷水110の組み合わせは、温水110および冷水112が装置101内で混合するように給水バルブ114および出口水バルブ116を部分的に開くか、または温水110および冷水112が洗浄領域103の中に交互方式で入るように給水バルブ114および出口水バルブ116を交互に使い、それによって温水110および冷水112を洗浄領域103で混合するかのいずれかにより形成することができる。温水110および/または冷水112は、容量性脱イオン(capacitive deionization)ユニット120を流通して軟水を形成する。廃棄電解質流122が、容量性脱イオンユニット120により生成される。容量性脱イオンユニット120からの軟水は、任意に、電解用食塩水(electrolysis brine)132を注入される。任意に注入された電解用食塩水132を含有する軟水は、電解ユニット130を流通して電解水を形成する。電解ユニット130を流通する際に、電解水は、任意に洗剤140および/または任意の布地強化剤142を注入され、出口水バルブ116を流通して温かい流れ115および/または冷たい流れ117の中に入り、温かい洗浄領域入口104および/または冷たい洗浄領域入口105を通過して洗浄領域103の中に入る。
【0080】
図2は、装置201、給水202、および洗浄領域203を含む。洗浄領域203が、冷水212または温水210を要求すると、圧力低下が温水圧センサー213および/または冷水圧センサー211により検知される。温水圧センサー213および/または冷水圧センサー211は、給水バルブ214および/または出口水バルブ216に開くかまたは閉じるように伝える。温水処理については、給水バルブ214および出口水バルブ216は、温水210が装置201を流通するように開かれる。冷水処理については、給水バルブ214および出口水バルブ216は、冷水212が装置201を流通するように開かれる。温水210および冷水212の組み合わせは、温水210および冷水212が装置201内で混合するように給水バルブ214および出口水バルブ216を部分的に開くか、または温水210および冷水212が洗浄領域203の中に交互方式で入るように給水バルブ214および出口水バルブ216を交互に使い、それによって温水210および冷水212を洗浄領域203で混合するかのいずれかにより形成することができる。温水210および/または冷水212は、容量性脱イオンユニット220を流通して軟水を形成する。廃棄電解質流222が、容量性脱イオンユニット220により生成される。容量性脱イオンユニット220からの軟水は、任意に、電解用食塩水232を注入される。任意に注入された電解用食塩水232を含有する軟水は、電解ユニット230を流通して、任意に、漂白剤含有水を形成する。漂白剤貯蔵バルブ233は、漂白剤含有水を、電解ユニット230から漂白剤貯蔵タンク234まで導くことができる。漂白剤貯蔵タンク234からの漂白剤含有水は、漂白剤再循環ポンプ236および漂白剤再循環バルブ231を使用して電解ユニット230の中に送り込むことができる。電解再循環ループ238を流通する際に、軟水および/または漂白剤含有水は、洗剤240および/または布地強化剤242を任意に注入され、出口水バルブ216を流通して温かい流れ215および/または冷たい流れ217の中に入り、温かい洗浄領域入口204および/または冷たい洗浄領域入口205を通過して洗浄領域203の中に入る。
【0081】
図3は、装置301、給水302、および洗浄領域303を含む。洗浄領域303が、冷水312または温水310を要求すると、圧力低下が温水圧センサー313および/または冷水圧センサー311により検知される。温水圧センサー313および/または冷水圧センサー311は、給水バルブ314および/または出口水バルブ316に開くかまたは閉じるように伝える。温水処理については、給水バルブ314および出口水バルブ316は、温水310が装置301を流通するように開かれる。冷水処理については、給水バルブ314および出口水バルブ316は、冷水312が装置301を流通するように開かれる。温水310および冷水312の組み合わせは、温水310および冷水312が装置301内で混合するように給水バルブ314および出口水バルブ316を部分的に開くか、または温水310および冷水312が洗浄領域303の中に交互方式で入るように給水バルブ314および出口水バルブ316を交互に使い、それによって温水310および冷水312を洗浄領域303で混合するかのいずれかにより形成することができる。温水310および/または冷水312は、容量性脱イオン(capacitive deionization)ユニット320を流通して軟水を形成する。廃棄電解質流322が、容量性脱イオンユニット320により生成される。容量性脱イオンユニット320からの軟水は、任意に、電解用食塩水(electrolysis brine)332を注入される。任意に注入された電解用食塩水332を含有する軟水は、電解ユニット330を流通して、酸性水を含有する酸の流れ364およびアルカリ水を含有する塩基の流れ362を形成する。酸の流れ364からの酸性水は、酸貯蔵タンク366または塩基の流れ362の中に、酸の流れバルブ365により導かれる。酸貯蔵タンク366からの酸性水は、電解再循環ループ336の外側に、酸入口バルブ363または容量性脱イオン清浄バルブ367のいずれかに、酸貯蔵ポンプ368により送り込まれる。電解再循環ループ336を流通する際に、任意に注入された電解用食塩水、酸性水、および/またはアルカリ水を含有する軟水は、洗剤340および/または布地強化剤342を任意に注入され、ミキサー350において混合され、出口水バルブ316を流通して温水315および/または冷たい流れ317の中に入り、温かい洗浄領域入口304および/または冷たい洗浄領域入口305を通過して洗浄領域303の中に入る。
【0082】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0083】
本発明の特定の実施形態が説明および記載されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の様々な変更および修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更および修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の非限定的実施形態。
【図2】本発明の第2の非限定的実施形態。
【図3】本発明の第3の非限定的実施形態。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.給水と流体連通することができる少なくとも1つの入口、
b.前記少なくとも1つの入口と流体連通している少なくとも1つの処理領域であって、前記少なくとも1つの処理領域が、軟水化領域、電解領域、投与領域、およびこれらの組み合わせを含む少なくとも1つの処理領域、ならびに
c.洗浄領域と流体連通していることができる前記少なくとも処理領域と流体連通している少なくとも1つの出口
を含む、洗浄領域内での清浄のための洗浄システム。
【請求項2】
前記洗浄領域が、洗濯物および食器類を含む基材を清浄または洗浄することができる、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項3】
前記軟水化領域が、ナノ濾過装置、電気脱イオン装置、電気透析装置、逆浸透装置、容量性脱イオン装置、貫流コンデンサおよびイオン交換軟水化装置、ならびにこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記軟水化領域が、容量性脱イオン化を含む、請求項3に記載の洗浄システム。
【請求項5】
前記少なくとも部分的に軟化された水が、100μS/cm以下の伝導度を含む、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項6】
少なくとも部分的に軟化された水が、給水圧約100〜約1000kPaにおいて少なくとも約2L/hの軟水流束を含む、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項7】
前記装置および前記洗浄領域が、1つのハウジング内に収容される、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項8】
前記装置および前記洗浄領域が、独立して収容される、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項9】
前記投与領域が、前記少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口との間に流体接続されており、布地ケア組成物を分配することができる、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項10】
前記投与領域と前記出口との間に機能的に接続され、前記布地ケア組成物を第2流体と少なくとも部分的に混合することができる混合領域を更に含む、請求項9に記載の洗浄システム。
【請求項11】
前記混合領域が、ベンチュリ流量、直接噴射ポンプ、蠕動ポンプ、重力送り、および噴霧を含むインラインミキサー、音波ミキサー、超音波ミキサー、ならびにこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の洗浄システム。
【請求項12】
前記投与領域により、約0.01〜約50gの布地ケア組成物が分配される、請求項9に記載の洗浄システム。
【請求項13】
少なくとも1つの軟水化領域および少なくとも1つの電解領域を含む、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項14】
a.第1軟水化および第2軟水化領域、ならびに
b.第1電解領域および第2電解領域
を含み、
その際前記第1軟水化領域が前記第1電解領域に流体接続されており、前記第2軟水化領域が前記第2電解領域に流体接続されている、請求項13に記載の洗浄システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間に、少なくとも1つの逆止め弁を更に含む、請求項1に記載の洗浄システム。
【請求項16】
少なくとも1つの水位、密度、伝導度、pH、振動、温度、濁度、粘度、およびこれらの組み合わせを感知することができる少なくとも1つのセンサーを更に含む、請求項1に記載の洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−515568(P2008−515568A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535921(P2007−535921)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/037564
【国際公開番号】WO2006/044951
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】