説明

洗濯機

【課題】排水を再利用する。
【解決手段】洗濯行程時およびすすぎ行程時に外槽5内に貯められた水を、外槽5から排水する際に貯水槽17に導く。貯水槽17に貯められた水を、陽極19および陰極20への通電により電気分解して、有機物を貯水槽17の底部に沈殿させるとともに、マイクロバブル発生装置40から貯水槽17内の水の中にマイクロバブルを供給することにより、沈殿した有機物をマイクロバブルにより浮上分離させる。有機物が浮上分離された後の貯水槽17内の水(処理水)を、処理水吸込管32および給水管9を介して外槽5内に供給して再利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洗濯槽内に水を貯めて洗濯を行う洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、洗濯物を収容可能な洗濯槽を備えており、この洗濯槽に水を貯めて洗濯を行うことができるようになっている。洗濯時には、通常、洗濯槽内に洗剤が投入されることにより、洗剤が溶け込んだ水を用いて洗濯が行われる。洗剤を用いて洗濯を行えば、洗濯物に付着した有機物(汚れ)を良好に分離させることができ、洗浄力が向上する。
市販されている洗剤の多くは、生物処理が困難なアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)や直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)などの界面活性剤を主成分とする合成洗剤である。通常の洗濯機では、洗濯に使用した水をそのまま排水するような構成となっているので、上記のような合成洗剤に含まれる界面活性剤がそのまま下水として排出されることとなり、下水処理場における水処理の負荷を増大させるとともに、環境保護の観点からも好ましくない。
【0003】
そこで、洗濯に使用した水を電気分解することにより、その水に含まれる界面活性剤を分解して、界面活性剤が除去された状態で排水することができるような洗濯機が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−118390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、排水に含まれる界面活性剤を除去することはできるものの、排水を再利用して洗濯を行うことはできない。排水を再利用することができれば、非常に経済的である。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、排水を再利用できる洗濯機を提供することを目的とする。
【0005】
また、この発明の別の目的は、より経済的に洗濯を行うことができる洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、洗濯物を収容可能であって、洗濯時に水が貯められる洗濯槽(3)と、上記洗濯槽内から排出される水を取り込んで貯めておくことができる貯水槽(17)と、上記貯水槽内の水を電気分解するための電解装置(19,20)と、上記貯水槽内の水の中にマイクロバブルを供給するためのマイクロバブル供給手段(40,400)と、上記電解装置により電気分解され、上記マイクロバブル供給手段によりマイクロバブルが供給された後の上記貯水槽内の水を上記洗濯槽内に導く誘導手段(9,25,26,27,32)とを含むことを特徴とする洗濯機(1,1A,100,100A)である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、洗剤を用いて洗濯を行った場合に、その洗濯時に洗濯槽内に貯められた水(界面活性剤が混入した水)を排水時に貯水槽に貯めて電気分解することにより、その水に含まれる有機物(洗濯物から分離した汚れや界面活性剤など)を分離することができる。そして、有機物が分離された貯水槽内の水の中にマイクロバブルを供給することにより、有機物を浮上分離させることができる。したがって、有機物が浮上分離された後の貯水槽内の水を洗濯槽内に導いて、洗濯に再利用することができるので、経済的である。
【0008】
請求項2記載の発明のように、上記誘導手段(9,25,26,27,32)により上記洗濯槽(3)内に導かれる上記貯水槽(17)内の水を濾過するための濾過手段(33)をさらに含むような構成であれば、有機物が十分に浮上分離されていない場合でも、その有機物を濾過手段により除去してから洗濯槽内に導くことができる。
請求項3記載の発明のように、上記マイクロバブル供給手段(40,400)から供給されるマイクロバブルにより上記貯水槽(17)内の水から浮上分離された有機物を、上記貯水槽からオーバーフローさせるためのオーバーフロー手段(29)をさらに含むような構成であれば、貯水槽内の水から浮上分離した有機物を容易に除去することができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、上記電解装置(19,20)は、上記貯水槽(17)内に配置された陽極(19)および陰極(20)を含み、上記陽極は、鉄、アルミニウムおよびマグネシウムのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯機(1,1A,100,100A)である。
この構成によれば、陽極に通電を行うと、陽極から正電位を有する金属イオン(鉄イオン、アルミニウムイオン、マグネシウムイオンなど)が溶出し、不溶性の金属水酸化物(水酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど)が生成される。生成された金属水酸化物は、水よりも比重が大きいため、貯水槽の底部に沈殿する。貯水槽内に貯められた水は、洗濯時に使用された水であるので、洗濯物から分離した汚れや界面活性剤などの有機物が含まれているが、一般的に、その有機物は負電位を有しているので、陽極から溶出した金属イオンに凝集され、金属水酸化物とともに沈殿することとなる。したがって、貯水槽内の水を電気分解した後に、貯水槽内の水の中にマイクロバブルを供給すれば、金属水酸化物とともに沈殿した有機物を良好に浮上分離することができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、上記陰極(20)は、鉄、アルミニウム、マグネシウムおよびステンレスのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項4記載の洗濯機(1,1A,100,100A)である。
この構成によれば、陰極に通電を行うと、陰極の周囲から水素ガスが発生する。したがって、マイクロバブルだけでなく、陰極の周囲から発生する水素ガスも用いて有機物を浮上分離させることができる。したがって、貯水槽内の水に含まれる有機物をより良好に分離することができる。
【0011】
請求項6記載の発明のように、上記マイクロバブル供給手段(40,400)は、上記貯水槽(17)の底部からマイクロバブルを供給するものであれば、貯水槽内の水に含まれる有機物を良好に浮上分離することができる。
請求項7記載の発明は、上記マイクロバブル供給手段(40,400)にオゾンガスを供給するためのオゾンガス供給手段(37)をさらに含み、上記マイクロバブル供給手段は、上記オゾンガス供給手段により供給されるオゾンガスからマイクロバブルを生成し、そのマイクロバブルを上記貯水槽(17)内の水の中に供給するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯機(100,100A)である。
【0012】
この構成によれば、オゾンガスから生成されたマイクロバブルにより有機物を浮上分離することができるとともに、貯水槽内の水にオゾンガスを溶け込ませ、その水を洗濯槽内に導いて洗濯に再利用することにより、洗濯物の除菌および脱臭を行うことができる。
請求項8記載の発明は、上記貯水槽(17)は、上記洗濯機の外部に配置されるものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗濯機(1A,100A)である。
【0013】
この構成によれば、洗濯機の内部に貯水槽を配置するような構成と比較して、貯水槽を大きく形成することが可能である。したがって、洗濯槽内の水をすべて貯水槽内に導いて、その水に含まれる有機物を浮上分離した後、有機物が浮上分離された後の貯水槽内の水を洗濯槽内に導いて、洗濯に再利用することができる。したがって、より多くの水を再利用することができるので、さらに経済的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る洗濯機1を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。図1における左側を前方、右側を後方として説明する。
図1を参照して、この洗濯機1は、略直方体形状のハウジング2により外形が区画されており、このハウジング2内に、洗濯物を収容可能な洗濯槽3を備えている。ハウジング2の上端面には、洗濯槽3内に対して洗濯物を出し入れするため開口2Aが形成されている。この開口2Aは、開閉蓋4により開閉可能となっており、開閉蓋4を開けることにより開口2Aを介して洗濯槽3に対する洗濯物の出し入れを行うことができるようになっている。
【0015】
洗濯槽3は、内部に水を貯めることができる外槽5と、この外槽5内に収容された洗濯兼脱水槽としての内槽6とを含む。外槽5は、上下方向に軸線が延びる略円筒状の周面壁51と、この周面壁51の下面開口を塞ぐ底面壁52とを備えた、上端面に開口53を有する有底筒状の部材である。一方、内槽6は、上下方向に軸線が延びる外槽5の周面壁51よりも小径の略円筒状であって、多数の通水孔(図示せず)が形成された周面壁61と、この周面壁61の下面開口を塞ぐ底面壁62とを備えた、上端面に開口63を有する有底筒状の部材である。
【0016】
ハウジング2の上面後端部には、一端部が機外の給水設備に至る接続ホース(図示せず)の他端部を接続するための接続口2Bが形成されている。ハウジング2内には、一端部が外槽5(内槽6)の後部上方に臨む給水管9の他端部が接続されており、この給水管9の途中部には、給水バルブ10が介装されている。洗濯行程時やすすぎ行程時などには、給水バルブ10が開かれることにより、給水管9を介して内槽6内に水が供給される。内槽6内に供給された水は、その一部が通水孔を通って外槽5側(内槽6の外側)に流れ出て、内槽6を含む外槽5内に水が貯まることとなる。
【0017】
内槽6内の底部中央には、平面視で内槽6の底面壁62よりも小径の円形状であって、外槽5内に貯められた水を攪拌して水流を発生させるためのパルセータ7が配置されている。外槽5の底面壁52の下方には、軸受部8が設けられており、この軸受部8には、内槽6およびパルセータ7を支持するための回転軸81が回転可能に保持されている。回転軸81は、内槽軸内に翼軸を回転可能に挿通した2重シャフトの構造を有していて(図示せず)、内槽軸の先端部が内槽6の底面壁62の中心部に固定され、翼軸の先端部がパルセータ7の中心部に固定されている。
【0018】
軸受部8の回転軸81は、モータ11により回転駆動される。軸受部8の下方には、モータ11の回転力を翼軸のみに伝えるか、内槽軸および翼軸の両方に伝えるかを切り換えるためのクラッチや、モータ11の回転力を予め定める減速比で減速するための減速機構などを含むクラッチ装置12が配置されている。
クラッチ装置12には、クラッチおよび減速機構などを介して回転軸81に連結された伝達軸121が備えられている。伝達軸121は、その下端部がクラッチ装置12から下方に向かって突出している。また、モータ11には、下方に向かって突出する回転軸111が備えられている。モータ11の回転軸111の下端部および伝達軸121の下端部にはそれぞれプーリ112,122が取り付けられていて、これらのプーリ112,122には伝達ベルト13が掛け回されている。
【0019】
洗濯行程時やすすぎ行程時には、クラッチ装置12によりモータ11の回転力が翼軸にのみ伝達されて、パルセータ7のみが回転する。一方、脱水行程時には、クラッチ装置12によりモータ11の回転力が内槽軸および翼軸に両方に伝達されることにより、内槽6とパルセータ7が一緒に(同一の回転速度で)回転する。
外槽5の底面壁52には、外槽5内の水を排出するための排水口55が形成されている。排水口55には、一端部が機外の排水設備に至る排水管15の他端部が接続されており、この排水管15の途中部には、排水バルブ14が介装されている。排水バルブ14を閉じた状態で給水バルブ10を開けば、外槽5内に水を貯めることができる。また、排水バルブ14を開けば、外槽5内に貯められている水を排水管15を介して機外に排出することができる。
【0020】
排水管15の排水バルブ14よりも上流側には、分岐管16の一端部が接続されている。ハウジング2内の底部には、洗濯行程時やすすぎ行程時に外槽5内に貯められる水と同程度の水を貯留可能な貯水槽17が配置されており、分岐管16の他端部は、貯水槽17の上面から貯水槽17内に連通している。分岐管16の途中部には、貯水バルブ18が介装されている。このような構成によれば、外槽5内に水が貯められた状態で、排水バルブ14を閉じたまま貯水バルブ18を開くことにより、外槽5内の水を分岐管16を介して貯水槽17内に導くことができる。したがって、この実施形態では、洗濯行程時やすすぎ行程時に外槽5内に貯められた水を外槽5から排水する際、排水管14を介して機外に排出せずに、分岐管16を介して貯水槽17へと排出することができる。
【0021】
貯水槽17の底部は、下方に向かうにつれて先細りしたホッパ形状となっている。貯水槽17の底部には、上下方向に延びる接続管23の一端部(上端部)が接続されている。接続管23の途中部には、低圧力型(たとえば、吐出圧が0.1mPa)の循環ポンプ24が介装されている。接続管23の他端部には、接続管23を通って流れてくる水の中にマイクロバブル(直径が数十μm以下の微小気泡)を供給するためのマイクロバブル発生装置40の入口管40Aが接続されている。マイクロバブル発生装置40の出口管40Bは、貯水槽17の底部に形成された循環口17Aに接続されている。
【0022】
循環ポンプ24を駆動させると、貯水槽17内に貯められた水が、接続管23を通ってマイクロバブル発生装置40内に流入し、循環口17Aから貯水槽17内に循環される。このようにして循環する水には、マイクロバブル発生装置40を通過する過程でマイクロバブルが供給される。循環する水の中に供給されたマイクロバブルは、循環口17Aから貯水槽17内の水の中を上昇する。
【0023】
接続管23の循環ポンプ24よりも上流側には、接続管23へと流れ込むごみ(糸くずなど)を捕獲するためのフィルタ23Aが介装されている。これにより、貯水槽17内の水に含まれるごみがマイクロバブル発生装置40内(特に、後述する絞り部44)に詰まるのを防止できる。ただし、フィルタ23Aは、接続管23の循環ポンプ24よりも上流側に配置されるような構成に限らず、循環ポンプ24よりも下流側に配置されるような構成であってもよい。
【0024】
図2は、マイクロバブル発生装置40の内部構成を示す断面図である。
図2を参照して、マイクロバブル発生装置40は、上下方向に長尺形状を有する本体41を備えている。本体41は、上下方向(長手方向)に貫通する貫通孔42が形成された筒状の部材であって、その外周面の長手方向途中部には、貫通孔42に直交するように連通し、接続管23に接続される入口管40Aが突出形成されている。本体41の上端部は、循環口17Aに接続される出口管40Bを構成している。
【0025】
本体41内に形成された貫通孔42の下半分程度は、ほぼ均一な断面積を有する流入部43を構成している。流入部43の上端には、その断面積が縮小されることにより絞り部44が形成されている。貫通孔42の絞り部44よりも上方側の部分(貫通孔42の上半分程度)は、上方に向かって徐々に断面積が大きくなるように形成された流出部45を構成している。入口管40Aは、流入部43の上部に連通している。
【0026】
本体41の下端縁には、径方向に向かって突出するフランジ部41Aが形成されている。本体41には、密閉蓋46が下方から貫通孔42を塞ぐようにフランジ部41Aに当接され、フランジ部41Aと密閉蓋46とが、たとえばボルトおよびナットからなる固定具47により固定されている。フランジ部41Aと密閉蓋46との間には、円環状のパッキン48が介装されており、マイクロバブル発生装置40内(本体41内)の水がフランジ部41Aと密閉蓋46との隙間から漏れ出すのを防止できるようになっている。
【0027】
密閉蓋46の中央部には、当該密閉蓋46を上下方向に貫通する貫通孔46Aが形成されている。密閉蓋46の上面には、貫通孔46Aから上方に向かって突出する上突出管46Bが形成されており、密閉蓋46の下面には、貫通孔46Aから下方に向かって突出する下突出管46Cが形成されている。密閉蓋46が本体41に取り付けられた状態では、上突出管46Bが本体41の流入部43内に挿入され、上突出管46Bの上端が入口管40Aの延長線上に臨んでいる。下突出管46Cの内周面の下端部は、マイクロバブル発生装置40内に空気を供給するための空気供給口46Dを構成している。下突出管46Cの途中部には、空気供給口46Dからマイクロバブル発生装置40内への空気の流入は許容するが、マイクロバブル発生装置40内の水が空気供給口46Dへと逆流するのを阻止できる逆止弁49が介装されている。
【0028】
循環ポンプ24を駆動させると、貯水槽17内に貯められた水が入口管40Aからマイクロバブル発生装置40内に流入し、流入部43、絞り部44および流出部45を経て、出口管40Bから流出する。このとき、流入部43から絞り部44を介して流出部45へと水が噴出される際に、流出部45側に負圧が生じ、いわゆるベンチュリー管現象によって、空気供給口46Dからマイクロバブル発生装置40内(流入部43内)に空気が吸引される。
【0029】
このような構成によれば、マイクロバブル発生装置40内に流入した水が絞り部44を通過する際に圧力を急激に上昇させることができる。これにより、絞り部44の下流側に衝撃波を発生させて、絞り部44の上流側(流入部43)に供給された空気を微細化し、良好にマイクロバブルを発生させることができる。
再び図1を参照して、貯水槽17内には、この貯水槽17内に貯められた水を電気分解するための複数の電極(たとえば、陽極19および陰極20の1対の電極)が、互いに一定間隔を空けて対向配置されている。陽極19は、たとえば、鉄、アルミニウム、マグネシウムなどの材料(たとえば、金属イオンが溶出する材料)を用いて形成することができる。また、陰極20は、たとえば、陽極19と同じ材料(鉄、アルミニウム、マグネシウムなど)で形成することもできるし、ステンレスなどの陽極19とは異なる材料(たとえば、金属イオンが溶出しない材料)を用いて形成することもできる。ハウジング2の後面下部には、開閉可能な蓋21が配置されており、この蓋21を開いて、ハウジング2内(貯水槽17内)にある電極19,20のメンテナンス(交換)等を行うことができるようになっている。
【0030】
陽極19および陰極20は、それぞれ、この洗濯機1の動作を制御するための制御部22に接続されている。制御部22は、たとえば、マイクロコンピュータを含む構成であって、陽極19および陰極20への通電を制御する他、モータ11、クラッチ装置12、循環ポンプ24、および、後述する処理水吸込ポンプ25の駆動や、各種バルブ(給水バルブ10、排水バルブ14、貯水バルブ18、ならびに、後述する処理水吸込バルブ26、処理水供給バルブ27および排出バルブ28)の開閉などを制御するものである。陽極19および陰極20には、たとえば、15V以下の電圧で、1.2A程度の電流が通電される。
【0031】
陽極19を鉄で形成した場合には、外槽5から排水された水が貯水槽17内に貯められた状態で陽極19に通電が行われると、陽極19の周囲で下記のような電気化学反応が起こる。
Fe→Fe3++3e
Fe3++3OH→Fe(OH)
陽極19をアルミニウムで形成した場合には、外槽5から排水された水が貯水槽17内に貯められた状態で陽極19に通電が行われると、陽極19の周囲で下記のような電気化学反応が起こる。
【0032】
Al→Al3++3e
Al3++3OH→Al(OH)
陽極19をマグネシウムで形成した場合には、外槽5から排水された水が貯水槽17内に貯められた状態で陽極19に通電が行われると、陽極19の周囲で下記のような電気化学反応が起こる。
【0033】
Mg→Mg2++2e
Mg2++2OH→Mg(OH)
このように、陽極19に通電を行うと、陽極19から正電位を有する金属イオン(鉄イオン、アルミニウムイオン、マグネシウムイオンなど)が溶出し、不溶性の金属水酸化物(水酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど)が生成される。生成された金属水酸化物は、水よりも比重が大きいため、貯水槽17の底部に沈殿する。外槽5から貯水槽17内に貯められた水は、洗濯時に使用された水であるので、洗濯物から分離した汚れや界面活性剤などの有機物が含まれているが、一般的に、その有機物は負電位を有しているので、陽極19から溶出した金属イオンに凝集され、金属水酸化物とともに沈殿することとなる。したがって、貯水槽17内の水を電気分解した後に、貯水槽17内の水の中にマイクロバブルを供給すれば、金属水酸化物とともに沈殿した有機物を良好に浮上分離することができる。
【0034】
一方、外槽5から排水された水が貯水槽17内に貯められた状態で陰極20に通電が行われると、陰極20の周囲で下記のような化学反応が起こる。
2H+2e→H
このように、陰極20に通電を行うと、陰極20の周囲から水素ガスが発生する。したがって、マイクロバブルだけでなく、陰極の周囲から発生する水素ガスも用いて有機物を浮上分離させることができる。したがって、貯水槽17内の水に含まれる有機物をより良好に分離することができる。
【0035】
貯水槽17内の上部には、オーバーフロー口29が形成されていて、貯水槽17内の水から浮上分離された有機物は、オーバーフロー口29から貯水槽17の外部にオーバーフローされるようになっている。オーバーフロー口29には、一端部が排水管15の途中部(排水バルブ14よりも下流側)に接続された排出管30の他端部が連通している。排出管30の途中部には、排出バルブ28が介装されている。このような構成によれば、貯水槽17内の水から浮上分離した有機物を容易に除去することができる。
【0036】
貯水槽17内には、処理水吸込管32の一端部(下端部)が、貯水槽17内に貯められる水の水位の中央部近傍であって、洗剤成分が浮上分離される位置よりも低い位置に開放されている。処理水吸込管32の他端部(上端部)は、給水管9の給水バルブ10よりも下流側に連通している。処理水吸込管32の途中部には、処理水吸込ポンプ25が介装されるとともに、処理水吸込ポンプ25よりも貯水槽17側に処理水吸込バルブ26が介装され、処理水吸込ポンプ25よりも給水管9側に処理水供給バルブ27が介装されている。処理水吸込管32の下端部には、貯水槽17内から処理水吸込管32および給水管9を介して外槽5に導かれる水を濾過するための濾過フィルタ33が備えられていて、有機物が十分に浮上分離されていない場合でも、その有機物を濾過フィルタ33により除去してから外槽5内に導くことができるようになっている。
【0037】
図3は、この洗濯機1で洗濯を行う際の制御部22による制御内容の一例を示すフローチャートである。
図3を参照して、洗濯機1の運転が開始されると、制御部22は、まず、給水バルブ10を開いて外槽5内に所定水位まで水道水を給水した後(ステップS1)、パルセータ7を所定の態様で回転させることにより、洗濯行程を実行する(ステップS2)。そして、洗濯行程が終了すると、制御部22は、排水バルブ14を閉じた状態で貯水バルブ18を開くことにより、外槽5内の水を外槽5から排水するとともに、その排水される外槽5内の水を貯水槽17内に貯留する(ステップS3)。このとき、処理水吸込バルブ26および処理水供給バルブ27は閉じられており、循環ポンプ24および処理水吸込ポンプ25の駆動は停止している。
【0038】
このようにして、外槽5内の水が貯水槽17内に貯められた後、制御部22は、陽極19および陰極20に通電を行うことにより、貯水槽17内に貯められている水を電気分解する(ステップS4;電解処理)。その結果、貯水槽17内に貯められている水から有機物が分離して、貯水槽17の底部に沈殿することとなる。
所定時間だけ電解処理(ステップS4)を行った後、制御部22は、循環ポンプ24を駆動させることにより、貯水槽17内の電解処理後の水をマイクロバブル発生装置40内に循環させ、その水の中にマイクロバブルを供給する(ステップS5;マイクロバブル供給処理)。これにより、貯水槽17の底部に沈殿した有機物がマイクロバブルにより浮上分離される。このとき、排出バルブ28は開いた状態となっていて、マイクロバブルにより浮上分離された有機物は、オーバーフロー口29からオーバーフローして、排出管30および排水管15を介して機外に排出されるようになっている。
【0039】
所定時間だけマイクロバブル供給処理(ステップS5)を行った後、制御部22は、処理水吸込バルブ26および処理水供給バルブ27を開くとともに、処理水吸込ポンプ25を駆動させることにより、貯水槽17内の水、すなわち、電解処理およびマイクロバブル供給処理が行われた後の水(処理水)を、処理水供給管32および給水管9を介して外槽5内に供給する(ステップS6)。このとき、排水バルブ14および貯水バルブ18は閉じられており、外槽5内に供給された処理水は、外槽5内に貯まることとなる。
【0040】
その後、制御部22は、パルセータ7を所定の態様で回転させることにより、すすぎ行程の第1段階としての中間すすぎ行程を行う(ステップS7)。この中間すすぎ行程は、洗濯行程後の洗剤成分が多量に含まれた洗濯物から洗剤成分を分離(希釈)させるためのものである。中間すすぎ行程が終了すると、制御部22は、排水バルブ14を閉じた状態で貯水バルブ18を開くことにより、外槽5内の水を外槽5から排水するとともに、その排水される外槽5内の水を貯水槽17内に貯留する(ステップS8)。このとき、処理水吸込バルブ26および処理水供給バルブ27は閉じられており、循環ポンプ24および処理水吸込ポンプ25の駆動は停止している。
【0041】
このようにして、外槽5内の水が貯水槽17内に貯められた後、制御部22は、陽極19および陰極20に通電を行うことにより、貯水槽17内に貯められている水を電気分解する(ステップS9;電解処理)。その結果、貯水槽17内に貯められている水から有機物が分離して、貯水槽17の底部に沈殿することとなる。
所定時間だけ電解処理(ステップS9)を行った後、制御部22は、循環ポンプ24を駆動させることにより、貯水槽17内の電解処理後の水をマイクロバブル発生装置内に循環させ、その水の中にマイクロバブルを供給する(ステップS10;マイクロバブル供給処理)。これにより、貯水槽17の底部に沈殿した有機物がマイクロバブルにより浮上分離される。このとき、排出バルブ28は開いた状態となっていて、マイクロバブルにより浮上分離された有機物は、オーバーフロー口29からオーバーフローして、排出管30および排水管15を介して機外に排出されるようになっている。
【0042】
所定時間だけマイクロバブル供給処理(ステップS10)を行った後、制御部22は、処理水吸込バルブ26および処理水供給バルブ27を開くとともに、処理水吸込ポンプ25を駆動させることにより、貯水槽17内の水、すなわち、電解処理およびマイクロバブル供給処理が行われた後の水(処理水)を、処理水供給管32および給水管9を介して外槽5内に供給する(ステップS11)。このとき、排水バルブ14および貯水バルブ18は閉じられており、外槽5内に供給された処理水は、外槽5内に貯まることとなる。
【0043】
その後、制御部22は、パルセータ7を所定の態様で回転させることにより、すすぎ行程の最終段階としての最終すすぎ行程を行う(ステップS12)。そして、最終すすぎ行程が終了すると、制御部22は、貯水バルブ18を閉じた状態で排水バルブ14を開くことにより、外槽5内の水を、排水管15を介して機外に排水する(ステップS13)。
外槽5内の水がすべて排水されると、制御部22は、モータ11を駆動して内槽6を高速回転させることにより、洗濯物に含まれる水分を遠心力で飛散させるための脱水行程を行った後(ステップS14)、洗濯機1の運転を終了する。
【0044】
この実施形態では、洗剤を用いて洗濯を行った場合に、その洗濯時に外槽5内に貯められた水(界面活性剤が混入した水)を排水時に貯水槽17に貯めて電気分解することにより、その水に含まれる有機物(洗濯物から分離した汚れや界面活性剤など)を分離することができる。そして、有機物が分離された貯水槽17内の水の中にマイクロバブルを供給することにより、有機物を浮上分離させることができる。したがって、有機物が浮上分離された後の貯水槽17内の水を外槽5内に導いて、洗濯に再利用することができるので、経済的である。
【0045】
図4は、上記第1実施形態の変形例に係る洗濯機1Aを前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。図4における左側を前方、右側を後方として説明する。この洗濯機1Aは、上記第1実施形態に係る洗濯機1の貯水槽17をハウジング2の外部に配置した点に特徴があり、その他の構成については第1実施形態に係る洗濯機1とほぼ同様であるので、同様の構成については図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図4を参照して、この変形例では、分岐管16の一端部は、ハウジング2の外部において、排水管15の排水バルブ14よりも下流側に接続されており、分岐管16の途中部には、貯水ポンプ34が介装されている。排水管15と分岐管16との接続部には、三方バルブにより構成された切替バルブ35が備えられていて、この切替バルブ35の開閉状態を変化させることにより、排水管15内を上流側から流れてくる水を排水管15の下流側に導いて機外に排水するか、または、排水管15内を上流側から流れてくる水を分岐管16に導いて貯水槽17内に貯留するかを切り替えることができるようになっている。オーバーフロー口29に一端部が連通する排出管30の他端部は、切替バルブ35よりも下流側において排水管15に接続されている。
【0047】
このような構成によれば、外槽5内に水が貯められた状態で、排水バルブ14を開くとともに、切替バルブ35により排水管15と分岐管16とを連通し、貯水ポンプ34を駆動させることにより、外槽5内の水を排水管15および分岐管16を介して貯水槽17内に貯留することができる。
この変形例では、給水バルブ10はハウジング2の外部に配置されている。この洗濯機1Aには、第1実施形態に係る洗濯機1に備えられていた処理水供給バルブ27は備えられておらず、処理水吸込管32の上端部は、ハウジング2の外部において、給水バルブ10を介して給水管9に接続されている。給水バルブ10は三方バルブにより構成されていて、この給水バルブ10の開閉状態を変化させることにより、給水設備から給水管9を介して外槽5内に水道水を供給するか、または、処理水吸込管32から給水管9を介して外槽5内に処理水を供給するかを切り替えることができるようになっている。
【0048】
このような構成によれば、処理水吸込バルブ26を開くとともに、給水バルブ10により処理水吸込管32と給水管9とを連通し、処理水吸込ポンプ25を駆動させることにより、貯水槽17内の処理水を処理水吸込管32および給水管9を介して外槽5内に供給することができる。
この変形例では、貯水槽17がハウジング2の外部に配置されるので、ハウジング2の内部に貯水槽17を配置するような構成と比較して、貯水槽17を大きく形成することが可能である。したがって、外槽5内の水をすべて貯水槽17内に導いて、その水に含まれる有機物を浮上分離した後、有機物が浮上分離された後の貯水槽17内の水(処理水)を外槽5内に導いて、洗濯に再利用することができる。したがって、より多くの水を再利用することができるので、さらに経済的である。
【0049】
図4に示すように、貯水槽17、マイクロバブル発生装置40、処理水吸込バルブ24、排出バルブ28、循環ポンプ24、処理水吸込ポンプ25および貯水ポンプ34をケーシング36で覆うような構成とすれば、これらのハウジング2の外部に配置される部材を一体的に取り扱うことができ、使い勝手がよい。
図5は、第2実施形態に係る洗濯機100を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。また、図6は、この洗濯機100に備えられたマイクロバブル発生装置400の内部構成を示す断面図である。図5における左側を前方、右側を後方として説明する。この洗濯機100は、上記第1実施形態に係る洗濯機1のマイクロバブル発生装置40の空気供給口46Dにオゾン発生器37が接続されている点に特徴があり、その他の構成については第1実施形態に係る洗濯機1とほぼ同様であるので、同様の構成については図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図5および図6を参照して、密閉蓋46の下面から突出する下突出管46Cの下端部は水平方向に屈曲され、その先端縁により形成される空気供給口46Dにオゾン発生器37が接続されている。このオゾン発生器37には、たとえば、周囲の空気を取り込んで、ワイヤに高圧を印加してコロナ放電によりオゾンガスを発生させるような、周知の構成を採用できる。
【0051】
この実施形態では、マイクロバブル供給処理(図3のステップS5,S10)の際、オゾン発生器37を駆動させる。すなわち、マイクロバブル供給処理の際には、循環ポンプ24を駆動させることにより、貯水槽17内の電解処理後の水をマイクロバブル発生装置40内に循環させるとともに、オゾン発生器37からオゾンガスを発生させることにより、オゾンガスからマイクロバブルを生成し、そのマイクロバブルを循環する水の中に供給する。
【0052】
このような構成によれば、オゾンガスから生成されたマイクロバブルにより有機物を浮上分離することができるとともに、貯水槽17内の水にオゾンガスを溶け込ませ、その水を外槽5内に導いて洗濯に再利用することにより、洗濯物の除菌および脱臭を行うことができる。
図7は、上記第2実施形態の変形例に係る洗濯機100Aを前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。図7における左側を前方、右側を後方として説明する。この洗濯機100Aは、上記第2実施形態に係る洗濯機100の貯水槽17をハウジング2の外部に配置した点に特徴があり、その他の構成については第2実施形態に係る洗濯機100とほぼ同様であるので、同様の構成については図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図7を参照して、この変形例では、分岐管16の一端部は、ハウジング2の外部において、排水管15の排水バルブ14よりも下流側に接続されており、分岐管16の途中部には、貯水ポンプ34が介装されている。排水管15と分岐管16との接続部には、三方バルブにより構成された切替バルブ35が備えられていて、この切替バルブ35の開閉状態を変化させることにより、排水管15内を上流側から流れてくる水を排水管15の下流側に導いて機外に排水するか、または、排水管15内を上流側から流れてくる水を分岐管16に導いて貯水槽17内に貯留するかを切り替えることができるようになっている。オーバーフロー口29に一端部が連通する排出管30の他端部は、切替バルブ35よりも下流側において排水管15に接続されている。
【0054】
このような構成によれば、外槽5内に水が貯められた状態で、排水バルブ14を開くとともに、切替バルブ35により排水管15と分岐管16とを連通し、貯水ポンプ34を駆動させることにより、外槽5内の水を排水管15および分岐管16を介して貯水槽17内に貯留することができる。
この変形例では、給水バルブ10はハウジング2の外部に配置されている。この洗濯機100Aには、第2実施形態に係る洗濯機100に備えられていた処理水供給バルブ27は備えられておらず、処理水吸込管32の上端部は、ハウジング2の外部において、給水バルブ10を介して給水管9に接続されている。給水バルブ10は三方バルブにより構成されていて、この給水バルブ10の開閉状態を変化させることにより、給水設備から給水管9を介して外槽5内に水道水を供給するか、または、処理水吸込管32から給水管9を介して外槽5内に処理水を供給するかを切り替えることができるようになっている。
【0055】
このような構成によれば、処理水吸込バルブ26を開くとともに、給水バルブ10により処理水吸込管32と給水管9とを連通し、処理水吸込ポンプ25を駆動させることにより、貯水槽17内の処理水を処理水吸込管32および給水管9を介して外槽5内に供給することができる。
この変形例では、貯水槽17がハウジング2の外部に配置されるので、ハウジング2の内部に貯水槽17を配置するような構成と比較して、貯水槽17を大きく形成することが可能である。したがって、外槽5内の水をすべて貯水槽17内に導いて、その水に含まれる有機物を浮上分離した後、有機物が浮上分離された後の貯水槽17内の水(処理水)を外槽5内に導いて、洗濯に再利用することができる。したがって、より多くの水を再利用することができるので、さらに経済的である。
【0056】
図7に示すように、貯水槽17、マイクロバブル発生装置400、オゾン発生器37、処理水吸込バルブ26、排出バルブ28、循環ポンプ24、処理水吸込ポンプ26および貯水ポンプ34をケーシング36で覆うような構成とすれば、これらのハウジング2の外部に配置される部材を一体的に取り扱うことができ、使い勝手がよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0057】
たとえば、洗濯行程時やすすぎ行程時に外槽5内に貯められる水のすべてを貯水槽17内に貯留するような構成に限らず、その一部を貯水槽17内に貯留し、残りの水を排水管15を介して機外に排出するような構成であってもよい。
貯水槽17内に貯められた水は、循環ポンプ24の駆動によってマイクロバブル発生装置40内に循環されるような構成に限らず、たとえば、貯水槽17内の水に水流を発生させる手段を用いて、マイクロバブル発生装置40内に循環されるようになっていてもよい。
【0058】
また、貯水槽17内に貯められた水をマイクロバブル発生装置40内に循環させて、その水の中にマイクロバブルを供給するような構成に限らず、たとえば、貯水槽17内に貯められた水をマイクロバブル発生装置内に循環させることなく、マイクロバブル発生装置から外槽5内の水に直接マイクロバブルを供給するような構成であってもよい。
洗濯槽3は、外槽5と内槽6とが別個に備えられたような構成に限らず、外槽と内槽とが一体的に構成されたものであってもよい。
【0059】
また、この発明は、パルセータ式の洗濯機1,1A,100,100Aに限らず、ドラム内に洗濯物を収容して、ドラムを回転させることにより洗濯を行うことができるドラム式の洗濯機にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の第1実施形態に係る洗濯機を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。
【図2】マイクロバブル発生装置の内部構成を示す断面図である。
【図3】この洗濯機で洗濯を行う際の制御部による制御内容の一例を示すフローチャートである。
【図4】上記第1実施形態の変形例に係る洗濯機を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。
【図5】第2実施形態に係る洗濯機を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。
【図6】この洗濯機に備えられたマイクロバブル発生装置の内部構成を示す断面図である。
【図7】上記第2実施形態の変形例に係る洗濯機を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1,1A,100,100A 洗濯機
3 洗濯槽
9 給水管
17 貯水槽
19 陽極
20 陰極
25 処理水吸込ポンプ
26 処理水吸込バルブ
27 処理水供給バルブ
29 オーバーフロー口
32 処理水吸込管
33 濾過フィルタ
37 オゾン発生器
40,400 マイクロバブル発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容可能であって、洗濯時に水が貯められる洗濯槽と、
上記洗濯槽内から排出される水を取り込んで貯めておくことができる貯水槽と、
上記貯水槽内の水を電気分解するための電解装置と、
上記貯水槽内の水の中にマイクロバブルを供給するためのマイクロバブル供給手段と、
上記電解装置により電気分解され、上記マイクロバブル供給手段によりマイクロバブルが供給された後の上記貯水槽内の水を上記洗濯槽内に導く誘導手段とを含むことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
上記誘導手段により上記洗濯槽内に導かれる上記貯水槽内の水を濾過するための濾過手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
上記マイクロバブル供給手段から供給されるマイクロバブルにより上記貯水槽内の水から浮上分離された有機物を、上記貯水槽からオーバーフローさせるためのオーバーフロー手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の洗濯機。
【請求項4】
上記電解装置は、上記貯水槽内に配置された陽極および陰極を含み、
上記陽極は、鉄、アルミニウムおよびマグネシウムのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項5】
上記陰極は、鉄、アルミニウム、マグネシウムおよびステンレスのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
【請求項6】
上記マイクロバブル供給手段は、上記貯水槽の底部からマイクロバブルを供給するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項7】
上記マイクロバブル供給手段にオゾンガスを供給するためのオゾンガス供給手段をさらに含み、
上記マイクロバブル供給手段は、上記オゾンガス供給手段により供給されるオゾンガスからマイクロバブルを生成し、そのマイクロバブルを上記貯水槽内の水の中に供給するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯機。
【請求項8】
上記貯水槽は、上記洗濯機の外部に配置されるものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−110092(P2006−110092A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300505(P2004−300505)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】