説明

洗濯機

【課題】外槽内に回転自在に軸支された内槽や、内槽の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼を回転駆動するモータのロック状態を精度良く検出可能な洗濯機を提供する。
【解決手段】外槽内に回転自在に軸支された内槽8および内槽8の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼9の回転あるいは何れか一方を回転させるモータ7と、モータ7の回転駆動を制御するインバータ5と、インバータ5を制御するインバータ制御部6と、磁極位置センサ10により検出された位置信号が所定時間切り換わらなかったときに、モータ7がロック状態に陥っていると判断して、モータ7を停止させるモータロック検知信号をインバータ制御部6に出力するモータロック検出部11とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば洗浄および脱水機能、乾燥機能を備えた洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インバータによりモータの回転数を変化させ、洗浄および脱水機能、乾燥機能を向上させる家庭用洗濯機が提案されている。このような洗濯機において、モータを駆動させるモータ駆動装置は、一般的に異常動作時における保護機能を備えている。特に最近では、インバータによりブラシレスDCモータを駆動させる構成において、様々な保護機能が提案されている。その一つとしてモータロック時の検知もしくはモータの再起動方法として、モータに流れる電流の量を監視する方法があり、モータロックが発生した場合、回転方向と逆方向でモータを再起動する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
また、所定時間通電を行い、目標回転数に達していない場合、モータロックと判断してモータを停止し、その後、再起動する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、回転方向のモータの磁極位置検出パターンを予測し、逆転方向のパターンが発生したなどの予測から外れた際にモータロックを判断する方法がある(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−169582号公報
【特許文献2】特開平11−19380号公報
【特許文献3】特開2004―357736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術においては、電流を用いて必ずしもモータがロックした状態であると判断することが困難である。発生する電流はモータが代わった場合や検出回路の誤差などでばらつきが生じ、ロックしていない場合においてもロック状態であると誤検知する恐れがある。
また、特許文献2に記載の従来技術においては、特に衣類などが多い過負荷状態での加速に要する時間が増加するため、所定時間通電中に目標回転数に達しない状態が頻繁に起こり、誤検知を招く恐れがある。また、所定時間通電した場合、ロックの有無に関わらず電流が流れ続けるため消費電力が大きくなる。
また、特許文献3に記載の従来技術においては、モータがロックした際に確実に予測外の位置センサパターンが発生するわけではなく、位置センサが変化しない完全停止状態のモータロックも存在するため、正確にモータロックを検出できず、モータが再起動できない恐れがある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、外槽内に回転自在に軸支された内槽や、内槽の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼を回転駆動するモータのロック状態を精度良く検出し、また、モータへの負担を余りかけることなく再起動が可能な洗濯機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗濯機は、外槽内に回転自在に軸支された内槽および該内槽の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼あるいは何れか一方を回転駆動させるモータと、モータの回転駆動を制御するインバータと、インバータを制御するインバータ制御部と、モータの回転駆動時に所定信号を検知し、所定信号が所定値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号をインバータ制御部に出力するモータロック検出部とを備え、モータロック検出部によるモータロックの検出を、モータの電力あるいは電流がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、モータの回転駆動時に所定信号を検知し、所定信号が所定値を超えたときに、モータがロック状態に陥っていると判断してモータの回転駆動を停止させるようにしているので、モータロック状態を精度良く検知することが可能になり、このため、ロック状態に陥っているときに起こるモータ7の異常発熱や、消費電力の増大を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の洗濯機におけるモータ駆動装置を示すブロック構成図、図2はブラシレスDCモータの正常回転時とモータロック状態における磁極位置センサの位置信号を示す波形図、図3は実施の形態1におけるモータ駆動装置のモータロック検出部の構成を示すブロック図である。
【0009】
実施の形態1の洗濯機におけるモータ駆動装置は、交流電源1に接続されるリアクトル2と、このリアクトル2を介して入力される交流電圧を整流する整流回路3と、整流回路3により整流された電圧を平滑する平滑コンデンサ4と、平滑コンデンサ4の出力を交流電圧に変換しブラシレスDCモータ7を駆動するインバータ5と、ブラシレスDCモータ7の駆動時の磁極を検知する毎に位置信号を出力する磁極位置センサ10と、磁極位置センサ10からの位置信号からブラシレスDCモータ7のロータ位置を検知し、かつ、その位置に基づいてインバータ5を制御する制御信号を出力するインバータ制御部6と、モータロック状態を検出するモータロック検出部11とを備えている。また、実施の形態1の洗濯機は、脱水終了後の内槽8内の衣類を乾燥させる乾燥手段を備えている。この乾燥手段は、発熱部のヒータおよび送風機(図示せず)を有し、内槽8に入れられた衣類を乾燥させる際に、そのヒータおよび送風機に通電して内槽8に温風を送り込む。
【0010】
ブラシレスDCモータ7(以下、単に「モータ7」と称する)は、例えば、洗濯時および脱水時、乾燥時に外槽(図示せぬ)内に回転自在に軸支された内槽8を回転させ、洗濯時および脱水時に内槽8の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼9を回転させる。このモータ7による内槽8および攪拌翼9の回転は、図示していないが、クラッチ機構によって伝達されている。磁極位置センサ10は、例えばホールICよりなり、モータ7の正常回転時では、例えば図2(a)に示すように1Vと0Vの電圧を交互に切り換える位置信号を出力し、モータロック状態になったときは、1Vあるいは0Vに固定された位置信号を出力する。なお、図2(b)では、一例として1Vに固定された位置信号を示している。上記のモータロック状態とは、内槽8内の衣類の絡まりによって、モータ7が回転できずに停止する状態のことである。
【0011】
モータロック検出部11は、図3に示すように、同一信号検知時間カウント部12と、モータロック判定閾値13をモータロック有無の判定基準とするモータロック判別部14とで構成されている。同一信号検知時間カウント部12は、位置信号の入力を検知したときに時間のカウントを開始し、そのカウント値を位置信号の電圧が切り換わるまでモータロック判別部14に出力する。つまり、位置信号が1Vのときは0Vに切り換わるまで時間のカウント値をモータロック判別部14に出力し、1Vから0Vに切り換わったときは、そのカウント値を0に初期化すると共に、新たに時間のカウントを開始して、そのカウント値を0Vから1Vに切り換わるまでモータロック判別部14に出力する。なお、モータロック検出部11は、モータ7が起動あるいは定常運転中に動作する構成になっている。
【0012】
モータロック判別部14は、上記のカウント値が入力される毎にモータロック判定閾値13と比較し、カウント値がその閾値13を超えたときにモータロック検知信号をインバータ制御部6に出力し、モータ7の回転を停止させる。なお、モータロック判定閾値13は、極低速でモータ7が回っている場合には位置信号の電圧の切り換わりが遅くなるので、誤検知を招くことが無いようにモータ7の最低回転速度を考慮した値に設定する必要がある。また、モータロックの検出を、モータとヒータおよび送風機の電力あるいは電流の合計がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしている。つまり、モータ7がロック状態になったとき時間の経過と共に電流(又は電力)が上がり、この電流とヒータおよび送風機の電流(又は電力)の合計がブレーカの遮断容量を超える前にモータ7を停止させるようにモータロック判定閾値13(時間)が設定されている。なお、ブレーカに代えてコンセントの容量を超えないようにモータロック判定閾値13を設定するようにしても良い。
【0013】
ここで、モータロック検出部11の動作を図4に示すフローチャートに基づいて詳述する。
洗濯機の運転が開始されると、同一信号検知時間カウント部12は、前回情報を初期値として設定し(S41)、タイマー(図示せず)のカウント値Tを「0」に初期化し(S42)、そのタイマーをスタートさせる(S43)。S41においての初期値は、前回の運転終了時に入力された最後の位置信号の電圧(1Vあるいは0V)である。タイマーのスタート後に、磁極位置センサ10からの位置信号を検知すると、時間のカウントを開始すると共に、そのカウント値Tをモータロック判別部14に出力し、かつ、今回情報と前回情報とが同一か否かを判定する(S45)。つまり、磁極位置センサ10からの位置信号の電圧と前回の位置信号の電圧とが同一か否かを判定する。前回情報(電圧)と同一のときはカウント値Tをモータロック判別部14に出力し、また、今回情報と前回情報とが異なるときは、今回情報を前回情報として設定し(S48)、タイマーを再び「0」に初期化し(S49)、時間のカウントを開始する。そして、位置信号を検知し(S44)、新たに設定した前回情報と同一か否かを判定する(S45)。上述したように両方の情報が同一のときはカウント値Tをモータロック判別部14に出力する。同一信号検知時間カウント部12による時間のカウント値T(カウントアップ値)の出力は、検知した位置信号の情報(電圧)が前回情報と異なるまで継続される。
【0014】
一方、モータロック判別部14は、同一信号検知時間カウント部12からのカウント値Tが入力される毎にモータロック判定閾値13と比較し(S46)、カウント値Tがその閾値13以下のときは、モータ7がロック状態になっていないと判断して、引き続き同一信号検知時間カウント部12からのカウント値Tとモータロック判定閾値13とを比較する(S46)。この比較を繰り返し行っているうちに、カウント値Tがモータロック判定閾値13を超えたときは、モータロックと判断して(S47)、モータロック検知信号をインバータ制御部6に出力し、モータ7の回転を停止させる。
【0015】
以上のように実施の形態1によれば、同一の位置信号を検知している間、時間のカウントを行うと共に、カウント値T毎にモータロック判定閾値13と比較し、カウント値がモータロック判定閾値13を超えたときは、モータロックと判断して、モータ7の回転を停止させるようにしたので、モータロック状態を精度良く検知することが可能になり、このため、ロック状態に陥っているときに起こるモータ7の異常発熱や、消費電力の増大を抑えることができる。
【0016】
なお、モータ7の回転速度、モータ7あるいは回路の電圧や電流を用いてモータロックを判別するようにしても良い。その場合、モータロック検出部11は、その回転速度、電流あるいは電圧が所定値を超えたときに、モータ7がロック状態に陥っていると判断して、モータ7の回転駆動を停止させるモータロック検知信号をインバータ制御部6に出力する
また、モータ7に流れる電流が予想される電流値以上、あるいはモータ7の電流値が所定時間変化しないときにモータロック状態と判断するようにしても良い。
さらに、モータ7に印加される電圧が最大値に達したときに、モータ7のロック状態と判断するようにしても良い。
【0017】
実施の形態2.
モータロック時には大きな電圧や電流が発生するため、ノイズなどの影響が懸念される。そこで、実施の形態2においては、ノイズの影響を受けにくいモータロック検知について説明する。図5は位置信号の値Hを次式(1)にて演算した結果である。ただし、位置信号Hのオフセット値Hoffsetは0、ローパスフィルタの初期値Hfiniは0.5にて演算している。
f[n]=Hf[n−1]+τ{(H[n]+Hoffset)−Hf[n−1]}
f[0]=Hfini … (1)
ここで、Hf[n]は位置信号のローパスフィルタ値、Hf[n−1]は一つ前の位置信号のローパスフィルタ値、H[n] は現在の位置信号の値、τは時定数を表している。
【0018】
図5を参照すると、正常運転時には位置信号の中央値0.5V付近にローパスフィルタの出力値が収束しており((a)参照)、モータロック時には例えば1VのHIGHの状態でモータロックした際には1Vへ収束していき((b)参照)、また、0VのLOWの状態でモータロックした際には0Vに収束していく((c)参照)。つまり、ローパスフィルタの出力値が1Vあるいは0Vに近づいた際にモータロック状態と判断可能である。
【0019】
さらに、モータロック検知にローパスフィルタを用いることで、ノイズが位置信号に乗った場合でも、高周波成分がローパスフィルタによりカットされるため、ノイズに対して非常に強く、誤検知しにくいといったメリットがある。
【0020】
ここで、図6を用いて実施の形態2のモータロック検出部の構成について説明する。図6は実施の形態2におけるモータロック検出部の構成を示すブロック図である。なお、モータロック検出部以外のものは、図1で説明した実施の形態1と同じ構成になっている。
【0021】
実施の形態2におけるモータロック検出部11は、位置信号にオフセット値を与えるオフセット設定部15と、初期値設定部16の初期値を用いてオフセット設定部15からの位置信号を式(1)にてフィルタリングするローパスフィルタ17と、ローパスフィルタ17の出力値とモータロックを判定するためのモータロック判定閾値13aとを比較し、上記出力値がモータロック判定閾値13aを超えたときにモータロックと判断してモータロック検知信号をインバータ制御部6に出力するモータロック判別部19とで構成されている。上記のモータロック判定閾値13aは、上限値と下限値とがあり、位置信号の電圧のHIGHが1V、LOWが0Vの場合、上限値がほぼ1.0V、下限値がほぼ0Vとなる(図5参照)。
【0022】
次に、実施の形態2におけるモータロック検出部11の動作を図8に示すフローチャートに基づいて詳述する。
洗濯機の運転が開始されると、ローパスフィルタ17に時定数τが設定され(S81)、モータ7の回転に応じた磁極位置センサ10からの位置信号が入力されたときは、オフセット設定部15が位置信号H[n]にオフセット値Hoffsetを設定し(S82)、ローパスフィルタに出力する。ローパスフィルタ17は、初期値設定部16の初期値Hf[0] (=Hfini ) を用いて、オフセット設定部15からの位置信号を上記式(1)にてローパスフィルタ値Hf[n] を算出(フィルタリング)し(S83〜S85)、モータロック判別部14に出力する。このモータロック判別部14は、ローパスフィルタ値Hf[n] が入力されると、モータロック判定閾値13aと比較する(S86)。ローパスフィルタ値Hf[n] がモータロック判定閾値13a内にあるときは(図5(a)参照)、モータロックしていないと判断して、S84に戻り、上述した動作を繰り返す。一方、ローパスフィルタ値Hf[n] がモータロック判定閾値13aを超えたときは(図5(b)(c)参照)、モータロックと判断して(S87)、モータロック検知信号をインバータ制御部6に出力し、モータ7の回転を停止させる。
【0023】
以上のように実施の形態2によれば、磁極位置センサ10からの位置信号をローパスフィルタ17を通すようにしたので、高周波成分のノイズをカットすることができ、誤検知を防止することが可能になる。
【0024】
なお、上記のオフセット設定部15と初期値設定部16は、例えば、位置信号が0Vや1Vの場合、式(1)のオフセット値Hoffsetを−0.5Vとすることで、位置信号が−0.5Vと0.5Vとなり、ローパスフィルタ値Hf[n] は図7に示すようになる。この場合、正常回転時の出力は0Vに収束し((a)参照)、HIGHでロックした際には0.5Vに収束していき((b)参照)、LOWでロックした際には−0.5Vに収束していく((c)参照)。つまり、上記の実施の形態2は0Vもしくは1Vに近づいた際にロックと判断するため、2つの閾値を設定する必要があったが、ローパスフィルタ値Hf の絶対値を取ることで0.5Vに近づいた際にロックと判断することが可能となり、閾値の設定が1つで実現可能となる。
【0025】
また、モータロック検出部11にモータ7の回転速度、電流あるいは電圧の何れかが入力されるローパスフィルタを備えるようにし、その回転速度、電流あるいは電圧の入力によるローパスフィルタの出力値が所定の閾値を超えたときに、モータ7がロック状態に陥っていると判断して、モータ7の回転駆動を停止させるモータロック検知信号をインバータ制御部6に出力する。
【0026】
実施の形態3.
図9は実施の形態3に係る洗濯機のインバータ制御部の構成を示すブロック図である。なお、インバータ制御部以外のものは、図1で説明した実施の形態1と同じ構成になっている。また、図中に示すモータ負荷軽減再起動部25は、実施の形態4で説明し、本実施の形態においては無いものとする。
実施の形態3におけるインバータ制御部6は、位置信号からインバータ5に印加する電圧の指令値を生成するインバータ電圧指令制御部20と、その電圧の指令値に基づいてインバータ指令(例えばパルス幅変調信号)を生成し、インバータ5を駆動するインバータ指令生成部21と、モータロック検出部11からのモータロック検知信号が入力されたときにモータ7を一時停止させる信号をインバータ指令生成部21に送出するモータ一時停止部22と、モータ7を停止してから所定の休止時間経過後に再起動させる信号をインバータ指令生成部21に送出するモータ再起動部23と、モータ7が一時停止状態(一時的なロック状態)に陥った回数を記憶し、そのロック回数nが所定回数を超えたときにモータ7を停止させる信号をインバータ指令生成部21に送出するモータ停止部24とで構成されている。
【0027】
次に、モータロックによりモータ7を一時停止させてから再起動するまでの休止時間の設定について説明する。図10はモータ駆動時に発生するモードと、そのときの電流を示しており、モータロック時には過大な電流が流れる。近年の洗濯機は、洗濯機能の他にヒータやヒートポンプ等の発生電流の大きなものを用いて衣類の乾燥を行う洗濯乾燥機が普及してきており、モータロックが頻繁に発生した場合には、ブレーカやコンセントの容量を超えてしまう恐れがある。
【0028】
そこで、図10に示すように実効値がブレーカやコンセントの容量を超えないように休止時間を調整することにより安全に使用することが可能になる。リアルタイムで休止時間を更新していくと、マイコン等の演算処理時間が延びてしまうため、モータロック時と正常回転時の発生電流の最大値を把握しておき、例えば10回に1回モータロックが発生した場合に、ブレーカやコンセントの容量から乾燥手段(ヒータ等)と送風手段(ファンモータ)、電気回路の電力あるいは電流を差し引いた値以下に電流の実効値が収まるように休止時間を設定する。なお、実効値ではなく平均値を用いて休止時間を設定してもよく、電流ではなく電力から求めても良いことは言うまでもない。
なお、乾燥手段のヒータあるいはヒータと送風機の電力あるいは電流が一定となるように制御すると休止時間の設定が容易になる。
【0029】
また、ロック回数nと比較し異常と判断するための所定回数の設定について説明する。上述の休止時間設定の場合、モータロック状態が連続して発生してしまうと、ブレーカの容量を超えてしまい、ブレーカによる遮断が発生する恐れがある。通常、ブレーカは定格電流を超えてもすぐには遮断せず、定格に対して125%の場合は、定格電流との比率に応じて遮断する時間(1分程度)が決まっている。そこで、モータロック時に発生する最大電流を予め把握しておき、モータロックと上記の設定で求めた休止時間との繰り返しを行った場合の電流の実効値が何Aになるかを計算して求め、ブレーカが遮断するまでの時間をブレーカメーカにて提供されている特性表から求める。求めたブレーカ遮断時間より、モータロック時間と休止時間が何回まで繰り返されても良いかが判明するため、それを閾値に設定すればよい。これにより、ブレーカによる遮断が発生する前にモータ7の運転を停止することが可能となる。
【0030】
ただし、ブレーカの定格容量は周囲温度に応じて変化するため、周囲温度に応じて閾値の設定を行ったり、製品の使用温度上で最も厳しい条件にて、閾値の設定を行ったりする必要がある。
【0031】
次に、モータロックを検知した場合のインバータ制御部6の動作を図11のフローチャートに基づいて説明する。
洗濯機の運転が開始されると、モータ停止部24はロック回数nを「0」に初期化し(S101)、モータ一時停止部22は、運転が終了していないとき(S102)、モータロック検知信号が入力されたか否かを判定する(S103)。モータロック検知信号が入力されていないときは、ロック回数nを再び「0」に設定し(S112)、S102に戻って上記の動作を繰り返す。また、モータロック検知信号の入力を検知したときは、その旨の信号をインバータ指令生成部21、モータ停止部24およびモータ再起動部23にそれぞれ送出する。
【0032】
モータ停止部24は、その信号を受けたときにロック回数nに「1」を加算し(S104)、nが所定回数を超えたか否かを判定する(S105)。nが所定回数を超えていないときは、ここで動作を終了する。この時、インバータ指令生成部21は、モータ一時停止部22からの信号により、モータ7を一時停止させるインバータ指令をインバータ5に出力する(S108)。一方、モータ再起動部23は、モータ一時停止部22からの信号を受けたときに所定の休止時間を設定し(S109)、休止時間が経過した否かを判定する(S110)。休止時間が経過していないときは待機し、休止時間が経過したときに、一時停止しているモータ7を再起動させる信号をインバータ指令生成部21に送出し、インバータ5を介してモータ7を再起動させる(S110)。
【0033】
また、モータ停止部24は、S105において、ロック回数nが所定回数を超えていると判断したときは、モータ7を停止させる信号をインバータ指令生成部21に送出し、インバータ5を介してモータ7を停止させると共に、異常表示を図示せぬ操作パネルに表示する(S106,S107)。この時、インバータ指令生成部21によって、洗濯機の運転が終了する。
【0034】
以上のように実施の形態3によれば、モータロック検知信号を検知した際、ロック回数nに「1」を加算して所定回数を超えたか否かを判定し、超えているときはモータ7を一時停止させて所定の休止時間経過後に再起動させるようにしたので、衣類の絡みなどによるモータ7への負担を軽減でき、また、ロック回数nが所定回数を超えているときは、モータ7を停止させて異常表示を行うようにしたので、ロック状態に陥っているときに起こるモータ7の異常発熱や、消費電力の増大を抑えることができる。
【0035】
実施の形態4.
実施の形態3では、モータ7のロック回数nが所定回数を超えた場合、モータ7を停止させて異常表示を行うようにしたが、実施の形態4は、モータ負荷軽減の実施回数mを設け、ロック回数nが所定回数を超えた際にはモータ7を一旦停止させて、負荷軽減手段によりモータ7の負荷を軽減させるようにしたものである。
実施の形態4においては、実施の形態3で述べたようにモータ負荷軽減再起動部25を備えたインバータ制御部6が用いられている(図9参照)。そのモータ負荷軽減再起動部25は、モータ7が停止されたとき、モータ負荷軽減の実施回数mに「1」を加算し、その実施回数mが所定値以下のときは負荷軽減手段によりモータ7の負荷を軽減させ、また、モータ負荷軽減の実施回数mが所定値を超えたときは洗濯機の操作パネルに異常表示する。
【0036】
負荷軽減手段として、例えば図12に示すように、攪拌翼9が非対称構造をしている場合、回転方向の違いで衣類を攪拌させる負荷が異なる。つまり、モータロックが発生した際には、負荷の軽い方向から起動することでモータ7への負荷を軽減できる。また、モータロックした回転方向は負荷が重く、再度同じ方向から再起動すると再びロックする可能性が高いので、回転方向と逆方向から再起動することで、モータ7の負荷を軽減させることが可能になる。また、別の負荷軽減手段として、洗濯機運転時に内槽8に水量が足りない場合、衣類が攪拌しづらく負荷が増加する傾向にある。そこで、図13に示すように、内槽8の水量を増加させることで衣類を攪拌し易くすることで、モータ7の負荷を軽減させることが可能である。
【0037】
さらに、図14に示すように、内槽8の傾斜角度を変更可能な洗濯機においては、傾斜角度が大きい場合には重力による影響を受け、衣類を攪拌する際の負荷が大きくなる傾向にある。そこで、モータ負荷軽減再起動部25により、内槽8の傾斜角度を小さくし再起動することでモータ7の負荷を軽減させることが可能となる。
【0038】
次に、モータロックを検知した場合のインバータ制御部6の動作を図15のフローチャートに基づいて説明する。
洗濯機の運転が開始されると、モータ負荷軽減再起動部25はモータ負荷軽減の実施回数mを「0」に初期化し(S111)、モータ停止部24はロック回数nを「0」に初期化する(S111)。そして、モータ一時停止部22は、運転が終了していないとき(S113)、モータロック検知信号が入力されたか否かを判定し(S114)、モータロック検知信号が入力されていないときは、ロック回数nを再び「0」に設定し(S126)、S113に戻って上記の動作を繰り返す。また、モータロック検知信号の入力を検知したときは、その旨の信号をインバータ指令生成部21、モータ停止部24およびモータ再起動部23にそれぞれ送出する。
【0039】
モータ停止部24は、その信号を受けたときにロック回数nに「1」を加算し(S115)、nが所定回数を超えたか否かを判定する(S116)。ロック回数nが所定回数を超えていないときは、ここで動作を終了する。この時、インバータ指令生成部21は、モータ一時停止部22からの信号により、モータ7を一時停止させるインバータ指令をインバータ5に出力する(S121)。一方、モータ再起動部23は、モータ一時停止部22からの信号を受けたときに所定の休止時間を設定し(S122)、休止時間が経過した否かを判定する(S123)。休止時間が経過していないときは待機し、休止時間が経過したときに、一時停止しているモータ7を再起動させる信号をインバータ指令生成部21に送出し、インバータ5を介してモータ7を再起動させる(S124)。
【0040】
また、モータ停止部24は、S116において、ロック回数nが所定回数を超えていると判断したとき、モータ7を停止させる信号をインバータ指令生成部21に送出し、インバータ5を介してモータ7を停止させる(S117)。また、モータ負荷軽減再起動部25は、モータ7が停止されたときにモータ負荷軽減の実施回数mに「1」を加算し(S118)、その実施回数mが所定値を超えたか否かを判定する(S119)。実施回数mが所定値以下のときは、上述した負荷軽減手段によりモータ7の負荷を軽減させ(S125)、実施回数mを「0」に初期化する(S111)。また、モータ負荷軽減の実施回数mが所定値を超えたときは洗濯機の操作パネルに異常表示する。
【0041】
以上のように実施の形態4によれば、モータ7を停止させた際にモータ負荷軽減の実施回数mに「1」を加算して所定値を超えたか否かを判定し、実施回数mが所定値以下のときは負荷軽減手段によりモータ7の負荷を軽減させるようにしたので、モータ7を一旦停止させても容易に再起動させることが可能になり、モータロックによる運転停止をなくすことができる。
【0042】
実施の形態5.
実施の形態1〜4ではモータロックの検知と停止、再起動について説明したが、いずれを用いても再起動が不可能な状態に陥った場合、モータ7の運転を停止するだけでなく、表示や警告音を発する、または電気的通信手段により例えば携帯電話等に報知するように構成することも可能である。このように構成することで、周囲の人間が即座に対応することが可能である。また、モータロック検出部11の構成はハードウェアあるいはソフトウェアの何れでもよい。また、モータロック検出部11は、定常運転中に動作するようにしたが、モータ7が起動したときに動作するようにしても良い。
【0043】
なお、上述した実施の形態1〜5では、モータロック検出部11によるモータロックの検出を、モータ7とヒータおよび送風機の電流(又は電力)の合計がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしたが、ヒータの電流(又は電力)が一定になるようにし、モータロックの検出を、その電流と送風機の電流(又は電力)およびモータ7の電流(又は電力)の合計がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしてもよい。また、ヒータと送風機の電流(又は電力)の合計が一定になるようにし、モータロックの検出を、その値とモータ7の電流(又は電力)の合計がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしても良い。
また、実施の形態1〜5では、乾燥手段を備えた洗濯機について述べたが、乾燥手段を備えていない洗濯機に適用しても良い。その場合、モータロック検出部11によるモータロックの検出を、モータ7の電力あるいは電流がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにする。
また、モータロック検出部11をハードウェア構成として説明したが、ソフトウェアにより構成されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施の形態1の洗濯機におけるモータ駆動装置を示すブロック構成図である。
【図2】ブラシレスDCモータの正常回転時とモータロック状態における磁極位置センサの位置信号を示す波形図である。
【図3】実施の形態1におけるモータ駆動装置のモータロック検出部の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1におけるモータロック検出部の動作を示すフローチャートである。
【図5】磁極位置センサの出力をローパスフィルタにてフィルタリングした際の波形図である。
【図6】実施の形態2におけるモータロック検出部の構成を示すブロック図である。
【図7】磁極位置センサの出力にオフセットを与えてローパスフィルタにてフィルタリングした際の波形図である。
【図8】実施の形態2におけるモータロック検出部の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係る洗濯機のインバータ制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】正常回転時、モータロック時および一時停止時の一次側の電流を示す波形図である。
【図11】実施の形態3におけるインバータ制御部の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態4における負荷軽減手段の一例を示す攪拌翼の説明図である。
【図13】負荷低減手段の他の例を示す洗濯機の内槽の斜視図である。
【図14】負荷低減手段の他の例を示す洗濯機の内槽の斜視図である。
【図15】実施の形態4におけるインバータ制御部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 交流電源、2 リアクトル、3 整流回路、4 平滑コンデンサ、5 インバータ、6 インバータ制御部、7 モータ、8 内槽、9 攪拌翼、10 磁極位置センサ、11 モータロック検出部、12 同一信号検知時間カウント部、13,13a モータロック判定閾値、14 モータロック判別部、15 オフセット設定部、16 初期値設定部、17 ローパスフィルタ、20 インバータ電圧指令制御部、21 インバータ指令生成部、22 モータ一時停止部、23 モータ再起動部、24 モータ停止部、
25 モータ負荷軽減再起動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽内に回転自在に軸支された内槽および該内槽の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼あるいは何れか一方を回転駆動させるモータと、
該モータの回転駆動を制御するインバータと、
該インバータを制御するインバータ制御部と、
上記モータの回転駆動時に所定信号を検知し、所定信号が所定値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力するモータロック検出部とを備え、
該モータロック検出部によるモータロックの検出を、上記モータの電力あるいは電流がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
外槽内に回転自在に軸支された内槽および該内槽の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼あるいは何れか一方を回転駆動させるモータと、
該モータの回転駆動を制御するインバータと、
該インバータを制御するインバータ制御部と、
発熱部および送風機を有し、上記内槽に入れられた衣類を乾燥させる際に、その発熱部および送風機に通電して上記内槽に温風を送り込む乾燥手段と、
上記モータの回転駆動時に所定信号を検知し、所定信号が所定値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力するモータロック検出部とを備え、
該モータロック検出部によるモータロックの検出を、上記モータと上記発熱部および送風機の電力あるいは電流の合計がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
外槽内に回転自在に軸支された内槽および該内槽の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼あるいは何れか一方を回転駆動させるモータと、
該モータの回転駆動を制御するインバータと、
該インバータを制御するインバータ制御部と、
発熱部および送風機を有し、上記内槽に入れられた衣類を乾燥させる際に、その発熱部および送風機に通電して上記内槽に温風を送り込み、かつ発熱部の電力あるいは電流が一定となるように制御する乾燥手段と、
上記モータの回転駆動時に所定信号を検知し、所定信号が所定値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力するモータロック検出部とを備え、
該モータロック検出部によるモータロックの検出を、上記モータと上記発熱部および送風機の電力あるいは電流の合計がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
外槽内に回転自在に軸支された内槽および該内槽の内底部に回転自在に軸支された攪拌翼あるいは何れか一方を回転駆動させるモータと、
該モータの回転駆動を制御するインバータと、
該インバータを制御するインバータ制御部と、
発熱部および送風機を有し、上記内槽に入れられた衣類を乾燥させる際に、その発熱部および送風機に通電して上記内槽に温風を送り込み、かつ発熱部および送風機の合計の電力あるいは電流が一定となるように制御する乾燥手段と、
上記モータの回転駆動時に所定信号を検知し、所定信号が所定値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力するモータロック検出部とを備え、
該モータロック検出部によるモータロックの検出を、上記モータと上記発熱部および送風機の電力あるいは電流の合計がブレーカの遮断容量前あるいはコンセントの容量を超える前に行うようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
上記所定信号は、上記モータの回転駆動時の磁極を検知する磁極位置センサからの位置信号であり、
上記モータロック検出部は、上記磁極位置センサからの位置信号が所定時間切り換わらなかったときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の洗濯機。
【請求項6】
上記モータロック検出部は、位置信号が入力されるローパスフィルタを有し、位置信号の入力による上記ローパスフィルタの出力値が所定の閾値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力することを特徴とする請求項5記載の洗濯機。
【請求項7】
上記所定信号は、上記モータの回転速度、電流あるいは電圧の何れかであり、
上記モータロック検出部は、その回転速度、電流あるいは電圧が所定値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の洗濯機。
【請求項8】
上記モータロック検出部は、上記モータの回転速度、電流あるいは電圧の何れかが入力されるローパスフィルタを有し、その回転速度、電流あるいは電圧の入力による上記ローパスフィルタの出力値が所定の閾値を超えたときに、上記モータがロック状態に陥っていると判断して、上記モータの回転駆動を停止させるモータロック検知信号を上記インバータ制御部に出力することを特徴とする請求項7記載の洗濯機。
【請求項9】
前記モータロック検出部は、上記モータに流れる電流が予想される電流値以上、あるいは上記モータの電流値が所定時間変化しないときに、モータロック状態と判断することを特徴とする請求項7記載の洗濯機。
【請求項10】
前記モータロック検出部は、上記モータに印加される電圧が最大値に達したときに、上記モータのロック状態と判断することを特徴とする請求項7記載の洗濯機。
【請求項11】
前記モータロック検出部は、上記モータが起動あるいは定常運転中に動作することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の洗濯機。
【請求項12】
前記モータロック検出部は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の洗濯機。
【請求項13】
上記インバータ制御部は、
モータロック検知信号が入力されたときに上記モータを一時停止させるモータ一時停止部と、
該モータ一時停止部により上記モータが一時停止されると、所定の休止時間経過後に上記モータを再起動するモータ再起動部と、
上記モータ一時停止部により上記モータが一時停止されたときに、上記モータのロック回数が所定回数を超えたか否かを判定し、ロック回数が所定回数を超えているときは上記モータを停止させるモータ停止部と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の洗濯機。
【請求項14】
上記モータ一時停止部は、上記モータが正常に再起動したときに上記所定回数を初期化することを特徴とする請求項13記載の洗濯機。
【請求項15】
上記インバータ制御部は、上記モータ停止部により上記モータが停止されたときに、上記モータの負荷軽減実施回数が所定値を超えているか否かを判定し、負荷軽減実施回数が所定値以下のとき負荷軽減手段を通して上記モータの負荷を軽減させ、モータを再起動させるモータ負荷軽減再起動部を備えていることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の洗濯機。
【請求項16】
上記モータ負荷軽減再起動部は、負荷軽減手段により上記モータが再起動したときに負荷軽減実施回数を初期化することを特徴とする請求項15記載の洗濯機。
【請求項17】
上記負荷軽減手段として、上記攪拌翼の回転方向を逆方向にすることを特徴とする請求項15又は16記載の洗濯機。
【請求項18】
上記負荷軽減手段として、非対称構造の攪拌翼を負荷の軽い方向から回転させることを特徴とする請求項15又は16記載の洗濯機。
【請求項19】
上記負荷軽減手段として、上記内槽内の水量を増加させることを特徴とする請求項15又は16記載の洗濯機。
【請求項20】
上記負荷軽減手段として、外槽と共に上記内槽の傾斜角度を可変することを特徴とする請求項15又は16記載の洗濯機。
【請求項21】
上記モータ負荷軽減再起動部は、負荷軽減手段を通して再起動不可能なとき異常状態を異常報知手段を介して報知することを特徴とする請求項15乃至20の何れかに記載の洗濯機。
【請求項22】
上記モータがロック状態に陥ってから一時停止するまでの時間は、ブレーカの遮断時間以内に設定されていることを特徴とする請求項13乃至21の何れかに記載の洗濯機。
【請求項23】
上記所定の休止時間は、ブレーカあるいはコンセントの容量と、少なくとも上記モータのロック時に発生する電流とから設定されていることを特徴とする請求項13乃至22の何れかに記載の洗濯機。
【請求項24】
上記所定の休止時間は、周囲温度を考慮して設定されていることを特徴とする請求項23記載の洗濯機。
【請求項25】
上記ロック回数の閾値である所定回数は、ブレーカの遮断時間以内に設定されていることを特徴とする請求項13乃至24の何れかに記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−264375(P2008−264375A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114557(P2007−114557)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】