説明

洗濯組成物

洗濯処理組成物であって、0.01〜0.99の置換度(DS)、及びブロック性度(DB)を有し、DS+DBが少なくとも1.00、又はDB+2DS−DSが少なくとも1.20である、置換セルロース及び洗濯補助成分を含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の置換度及び特定のブロック性度(blockiness)を有する置換セルロースを含む洗濯処理組成物に関する。本発明の洗濯処理組成物は特に洗濯洗剤組成物又は他の布地処理組成物における使用に適する。
【背景技術】
【0002】
衣類及び他の繊維などの物品が洗浄されるとき、洗浄性能は汚れの布地への再付着に影響され得る。汚れの再付着は、繊維の全体的な灰色化として兆候を現す。1930年代にすでに、置換多糖であるカルボキシメチルセルロース(CMC)が再付着防止剤として特に適しており、洗濯用水中で再付着問題を軽減するために使用し得る可能性が発見されていた。
【0003】
今日では多くの種類の市販の置換セルロースが存在するが、洗濯組成物において用いられるこれらの置換セルロースは過去数十年間と実質的に同じもののままである。
【0004】
いまや本発明者らは、特定の置換度(DS)及びブロック性度(DB)を有する特定のクラスの置換セルロースが、商業的洗濯洗剤組成物に通常存在する置換セルロースと比較して予想外の優れた抗再付着性能を有するという、驚くべき発見をした。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態では、本発明は洗濯処理組成物又はその成分である、組成物であって、
−0.01〜0.99の置換度(DS)、及びブロック性度(DB)を有し、DS+DBが少なくとも1.00、又はDB+2DS−DSが少なくとも1.20である、置換セルロースと、
−洗濯補助成分とを含む組成物に関する。
【0006】
この洗濯処理組成物は洗濯洗剤組成物又は布地ケア組成物であり得る。
【0007】
この洗濯処理組成物は、従来の洗濯組成物よりも優れた抗再付着効果を持つことができ、及び/又は満足すべき抗再付着効果を提供しながらより少ない量の置換セルロースを含むことができる。
【0008】
更なる実施形態に従い、本発明は洗濯処理組成物としての本発明に従う組成物の使用に関する。
【0009】
本発明は更に洗濯された布地の白色度の増大のため及び/又は木綿生地の引っ張り強度を改善するための0.01〜0.99の置換度(DS)、及びブロック性度(DB)を有し、DS+DBが少なくとも1、又はDB+2DS−DSが少なくとも1.20である、置換セルロースの使用に関する。
【0010】
更なる実施形態に従い、本発明は置換基のブロック性度を誘発するための1つの工程を含むプロセスにより得られる、0.01〜0.99の置換度(DS)の置換セルロースを含む、洗濯組成物に関する。
【0011】
更なる実施形態に従い、本発明は0.01〜0.99の置換度(DS)を有し、少なくとも5%、若しくは10%、若しくは15%、又は更に20%の多置換の置換糖単位を含む置換セルロースを含む、洗濯組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
置換セルロース
本明細書で使用される用語「セルロース類」は天然セルロース類及び合成セルロース類を含む。セルロース類は植物から抽出されるか、又は微生物により生産される。
【0013】
本発明の洗濯処理組成物は置換セルロースを含む。この置換セルロースは、本質的にグルコース単位から構成されるセルロース主鎖を含む。
【0014】
この置換セルロースの置換度(DS)は、0.01〜0.99である。この置換セルロースの置換度及びブロック性度の和(DS+DB)は少なくとも1であってよい。この置換セルロースのDB+2DS−DSは少なくとも1.10であってよい。
【0015】
置換セルロースは同一又は異なる置換基により置換されてよい。
【0016】
本発明の組成物は置換セルロースの重量により、少なくとも0.001%、又は更に少なくとも0.01%を含み得る。とりわけ本組成物は置換セルロースの重量により0.03%〜20%、特に0.1%〜10%、又は更に0.3%〜3%、例えば1〜1.5%を含み得る。
【0017】
置換セルロースは無置換のグルコース単位を含み得る。無置換のグルコース単位は全ての水酸基が無置換のままのグルコース単位である。置換セルロースにおいて、無置換のグルコース単位のグルコース単位の総計に対する重量比は0.01〜0.99であってよい。
【0018】
置換セルロースは置換グルコース単位を含む。置換グルコース単位は、その少なくとも1つの水酸基が置換されているグルコース単位である。置換セルロースにおいて、置換グルコース単位のグルコース単位総計に対する重量比は0.01〜0.99であってよい。
【0019】
セルロース主鎖
セルロース主鎖は実質的に直線状である。実質的に直線状であることにより、ポリマーの少なくとも97%、例えば少なくとも99%(重量により)、又は全てのグルコース単位がセルロース主鎖の主鎖内にあることが理解される。
【0020】
セルロース類は実質的にβ−1,4連結主鎖を有する。実質的にβ−1,4連結主鎖であることにより、ポリマーの少なくとも97%、例えば少なくとも99%(重量により)、又は全グルコース単位がβ−1,4−連結により結合されることが理解される。存在する場合、セルロース主鎖の残余のグルコース単位はα−又はβ−及び1−2、1−3、1−4、1−6又は2−3連結及びそれらの混合物などのさまざまな様式で結合され得る。
【0021】
セルロース主鎖は本質的にグルコース単位により構成される。本質的にグルコース単位により構成されるということは、重量により95%又は97%、例えば99%を超える、又は更に100%のグルコース単位を含むことと理解されるべきである。
【0022】
他のセルロースのモノマーにβ−1,4連結を介して結合するセルロースのモノマーは図1に示されるものである。
【化1】

【0023】
R1、R2、及びR3は置換基により置換され得るセルロースモノマー水素原子の位置を示す。
【0024】
置換基
置換セルロースは少なくとも1つの置換されている主鎖のグルコース単位を含む。適切な置換基は、分枝状、直鎖状又は環状、置換又は無置換、飽和又は不飽和アルキル、アミン(一級、二級、三級)、アンモニウム塩、アミド、ウレタン、アルコール、カルボン酸、トシレート、スルホン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、シリコーン、及びそれらの混合物よりなる群から選択することができる。
【0025】
この置換はグルコース単位の任意の水酸基に起き得る。例えば、図(I)に示されるようにグルコース単位がβ−1,4連結により結合される場合、置換はグルコース単位の位置2、3、及び/又は6に起き得る。グルコースの水酸基−OHは−O−R又は−O−C(=O)−R基により置換され得る。
【0026】
Rは陰イオン性、陽イオン性、又は非イオン性基であってよい。Rは、R、N(R)(R)、シリコーン部分、SO、POであって、R及びRは互いに独立して水素原子又はC1〜6アルキル並びにRは直鎖状又は分枝状、典型的には直鎖状、飽和又は不飽和、典型的には飽和、置換又は無置換、典型的には置換、環状又は非環状、典型的には非環状、脂肪族又は芳香族、典型的には脂肪族C〜C300、典型的にはC〜C30、C〜C12、又はC〜Cの炭化水素ラジカルであってその炭化水素主鎖にO、S、N、及びPから選ばれるヘテロ原子が挿入され得るものよりなる群から選ばれ得る。Rは、アミノ(一級、二級、又は三級)、アミド、−OH、−CO−OR、−SO、R、−CN、及び−CO−Rであり、式中、Rは水素原子又は好適にはナトリウムイオン又はカリウムイオンである、アルカリ金属を表すものよりなる群から選ばれる、1つ以上のラジカルにより置換され得る。
【0027】
Rその酸又は好適にはナトリウム塩形態(以下の式で与えられている)又はカリウム塩形態である以下の陰イオン性基であってよい。
−T−CONa
−T−SONa
−PONa
−SONa
式中、TはC1〜6アルキル、より好適にはC1〜4アルキルである。
【0028】
R置換基は以下の陽イオン性基であってよい。
【化2】

式中、TはC1〜6アルキル、又はCHCH(OH)CHであり、それぞれのA、B、及びCはC1〜6アルキル又はヒドロキシ−C1〜6アルキルであり、Xはハライド又はトシレートなどのカウンターイオンである。
【0029】
Rは以下の非イオン性基であってよい。
−A
−T−OH
−T−CN
−C(=O)A
−C(=O)NH
−C(=O)NHA
−C(=O)N(A)B
−C(=O)OA
−(CHCHCHO)
−(CHCHO)
−(CHCH(CH3)O)
−(CHO)
式中、A及びBはC1〜30アルキルであり、TはC1〜6アルキルであり、n=1〜100であり、ZはH又はC1〜6アルキルである。
【0030】
Rはヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、又はスルホアルキル基又はその塩であってよい。Rは5−ヒドロキシメチル基などのヒドロキシC1〜4アルキル、カルボキシC1〜4アルキル基などのカルボキシC1〜6アルキル、又はスルホエチル基などのスルホ−C2〜4アルキル、C〜C30アルカノイル又はその塩(例えばナトリウム塩)を表すことができる。
【0031】
例示的実施形態において、−O−Rは−O−CHOH、−O−CHCHSOH、−O−CH−COH、−O−CO−CHCHCOH、及びそれらの塩(例えばナトリウム塩)から選択される、基を表す。好適には、この置換基はカルボキシメチル基である。
【0032】
この置換基は便益基(benefit group)であることができ、好適な便益基としては香水、香水粒子、酵素、蛍光増白剤、撥油剤、撥水剤、汚れ遊離剤、撥汚れ剤、布地更新染料、色相染料、染料中間体、染料定着剤を含む染料類、潤滑剤、布地柔軟化剤、光退色阻害剤、抗しわ/アイロン剤、保形剤、紫外線吸収剤、日焼け防止剤、抗酸化剤、しわ防止剤、抗菌剤、皮膚便益剤(skin benefit agent)、抗真菌剤、昆虫駆除剤、光脱色剤、光開始剤、感覚剤、酵素阻害剤、漂白触媒、体臭中和剤、フェロモン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0033】
置換度(DS)
本発明の置換セルロースは0.01〜0.99のDSを有する。
【0034】
セルロース性ポリマー化学の当業者が理解するように、用語「置換度」(又はDS)がセルロース主鎖のセルロース単位の官能基の平均置換度を指す。したがって、セルロース主鎖のそれぞれのグルコース単位が3つの水酸基を有するために、置換セルロースの最大置換度は3である。DS値は、典型的にはセルロース主鎖に沿った化学基の置換の均一性には関係せず、セルロース主鎖の分子量にも関係付けられない。置換セルロースの置換度は少なくとも0.02、又は0.05、特に少なくとも0.10、又は0.20、又は更に0.30でもあり得る。典型的に、セルロース主鎖の置換度は0.50〜0.95、特に0.55〜0.90、又は0.60〜0.85、又は更に0.70〜0.80でもあり得る。
【0035】
DSの測定法は置換基の官能性により変化し得る。当業者は所与の置換セルロースの置換度と測定する方法を知り得るか又は決定し得る。例として、カルボキシメチルセルロースのDSの測定法が以下に開示される。
【0036】
試験方法1:CMCポリマー置換度(DS)の評価
DSは、全ての有機物を除くために高温(650℃)で45分間CMCを灰まで燃焼させることにより決定された。残渣の無機灰分を蒸留水に溶解し、メチルレッドを加えた。サンプルがピンクになるまで0.1M塩酸で滴定した。DSは、滴定した酸の量(b mL)及びCMC(G g)の量を用いて、下式を用いて計算された。
DS=0.162{(0.1b/G)/[1−(0.080.1(b/G)]}
【0037】
代替的に置換セルロースのDSは伝導度測定法又は13C NMRにより測定できる。両方のアプローチに関する実験プロトコルはD.Capitaniら、Carbohydrate Polymers,2000,v42,pp283〜286において開示される。
【0038】
ブロック性度(DB)
本発明の置換セルロースは、DB+DSが少なくとも1であるか、又はDB+2DS−DSが少なくとも1.20であるかのいずれかのようなDBを有する。
【0039】
セルロース性ポリマー化学の当業者であれば理解するように、用語「ブロック性度」(DB)とは、セルロース主鎖上にどのような置換(又は無置換の)グルコース単位が存在するかの程度を指す。より低いDBを有する置換セルロースは、無置換のグルコース単位がセルロース主鎖に沿ってより均一に分布されているものとして特徴付けられ得る。より高いDBを有する置換セルロースは、無置換のグルコース単位がセルロース主鎖に沿ってより塊となって分布されているものとして特徴付けられ得る。
【0040】
より具体的には、置換及び無置換のグルコース単位を含む置換セルロースにおいて、置換セルロースのDBはB/(A+B)に等しく、ここでAは少なくとも1つの置換グルコース単位に直接連結した無置換のグルコース単位の数を表し、及びBは置換グルコース単位に直接連結していない(即ち、無置換のグルコース単位のみに直接連結した)無置換のグルコース単位の数を表す。
【0041】
典型的に、この置換セルロースは少なくとも0.35、又は更に0.40〜0.90、0.45〜0.80、又は更に0.50〜0.70のDBを有する。
【0042】
置換セルロースは少なくとも1のDB+DSを有し得る。典型的には置換セルロースは1.05〜2.00、又は1.10〜1.80、又は1.15〜1.60、又は1.20〜1.50、又は更に1.25〜1.40のDB+DSを有する。
【0043】
0.01〜0.20又は0.80〜0.99のDSを有する置換セルロースは、少なくとも1、典型的には1.05〜2.00、又は1.10〜1.80、又は1.15〜1.60、又は1.20〜1.50、又は更に1.25〜1.40のDB+DSを有し得る。
【0044】
0.20〜0.80のDSを有する置換セルロースは、少なくとも0.85、典型的には0.90〜1.80、又は1.00〜1.60、又は1.10〜1.50、又は1.20〜1.40のDSを有し得る。
【0045】
置換セルロースは、少なくとも1.20のDB+2DS−DSを有し得る。典型的には置換セルロースは、1.22〜2.00、又は1.24〜1.90、又は1.27〜1.80、又は1.30〜1.70、又は更に1.35〜1.60のDB+2DS−DSを有し得る。
【0046】
0.01〜0.20のDSを有する置換セルロース、は1.02又は1.05〜1.20のDB+2DS−DSを有し得る。
【0047】
0.20〜0.40のDSを有する置換セルロースは、1.05又は1.10〜1.40のDB+2DS−DSを有し得る。
【0048】
0.40〜1.00又は0.60〜1.00又は0.80〜1.00のDSを有する置換セルロースは、1.10〜2.00、又は1.20〜1.90、又は1.25〜1.80、又は1.20〜1.70、又は更に1.35〜1.60のDB+2DS−DSを有し得る。
【0049】
DBを測定する方法は置換基の官能性により変化する。当業者は、所与の置換セルロースの置換度を知っているか又はその測定法を決定することができる。例として、置換セルロースのDBを測定する方法が以下に開示される。
【0050】
試験方法2:置換セルロースのブロック性度(DB)の評価
置換セルロースの場合、DBは、市販のエンドグルカナーゼ酵素(Econase CE,AB Enzymes、Darmstadt,Germany)による特定の酵素加水分解後に放出される無置換グルコース単位の量(A)を、酸加水分解後に放出される合計無置換グルコース単位の量(A+B)で割ったものに一致する。この酵素活性は、ポリマー鎖中で別の無置換グルコース単位に直接結合する無置換グルコース単位に対して特異的である。置換セルロースブロック性度の更なる説明及び測定は、V.Stigssonら、Cellulose,2006,13,pp705〜712にその詳細が与えられている。
【0051】
酵素分解は緩衝液中で、pH4.8、50℃で3日間、酵素(Econase CE)を使用して行われる。25mLの置換セルロースのサンプルに対して、250μLの酵素が用いられる。この分解はサンプルを90℃に加熱し及び同温度に15分間保つことにより停止される。置換様式及びブロック性度の両方のための酸加水分解は、過塩素酸(70% HClO4により室温で15分、及び6.4% HClO4により120℃で3時間)により実行される。サンプルは陰イオン交換クロマトグラフィーとパルス状電流測定検出(Pulsed Amperiometric Detection)(PAD検出器:BioLC50(Dionex、Sunnyvale,California,USA))により分析された。このHPAEC/PADシステムはC13 NMRにより較正される。単糖類は35℃でPA−1分析用カラムにより0.2mL/minの流速の100mM NaOHを溶出剤として酢酸ナトリウムの増加勾配(30分間で0〜1M酢酸ナトリウムまで増加)により分離される。それぞれのサンプルは3〜5回分析され、及びその平均が求められた。少なくとも1つの置換グルコースに直接結合する無置換のグルコースの数(A)、及び置換グルコースに直接結合していない無置換のグルコースの数(B)が推定され、及び置換セルロースのサンプルのDBが、DB=B/(A+B)により計算される。
【0052】
置換セルロースの粘度
置換セルロースは重量により2%が水に溶解されたとき、25℃で、少なくとも100mPa.sにおいて、典型的には、例えば250〜5000、又は500〜4000、1000〜3000又は1500〜2000mPa.sの粘度を有する。セルロースの粘度は以下の試験方法に従って測定され得る。
【0053】
試験方法3:置換セルロースの粘度の評価
セルロースの重量により2%の溶液を、セルロースを水に溶解することによって調製する。この溶液の粘度を25℃でHaake VT500粘度計により5s−1のせん断率で測定する。それぞれの測定は1分間で20の測定点について採取し平均することにより行われる。
【0054】
置換セルロースの分子量
典型的に、本発明のセルロースは、10,000〜10,000,000、例えば20,000〜1,000,000、典型的には50,000〜500,000、又は更に60,000〜150,000g/molの範囲にわたる分子量を有する。
【0055】
置換セルロースの重合度(DP)
置換セルロースは10〜7000、又は少なくとも20のグルコース単位総数を有し得る。本発明において有用な適切な置換セルロースとしては、40を上回り、好適には約50〜約100,000であり、より好適には約500〜約50,000の重合度(DP)のセルロースが挙げられる。
【0056】
置換セルロースのグルコース単位の総数は、例えば10〜10,000、又は20〜7500、例えば50〜5000、及び典型的には100〜3000、又は150〜2000である。
【0057】
合成
本発明で用いられる置換セルロースは、ポリマー化学分野の当業者に既知であるさまざまな経路により合成できる。例えば、カルボキシアルキルエーテルにより連結されたセルロース類はセルロースを適切なハロアルカン酸と反応させることにより調製でき、カルボキシアルキルエステルにより連結されたセルロースは、セルロースを無水コハク酸などの適切な無水物と反応させることにより調製でき、スルホアルキルエーテルにより連結されたセルロース類は、セルロースを適切なアルケニルスルホン酸と反応させることにより調製できる。
【0058】
当業者は、例えば、反応溶媒、反応剤の添加速度、及び置換セルロース合成の間の媒体のアルカリ度を選択することにより、より高いブロック性度を持つ置換セルロースを得ることができる。DBを制御するための反応プロセスは、V.Stigssonら、Cellulose,2006,13,pp705〜712、N.Olaruら、Macromolecular Chemistry & Physics,2001,202,pp 207〜211、J.Koetzら、Papier(Heidelburg),1998,52,pp704〜712、G.Mannら、Polymer,1998,39,pp3155〜3165に示されているように最適化され得る。ブロック性特性を有するカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースの製造方法は、PCT国際公開特許WO 2004/048418(Hercules)及びPCT国際公開特許WO 06/088953(Hercules)に開示されている。
【0059】
好適な置換セルロース
置換セルロースは、硫酸セルロース、酢酸セルロース、スルホエチルセルロース、シアノエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースよりなる群から選択することができる。特に、この置換セルロースはカルボキシメチルセルロースである。
【0060】
好適な置換セルロース誘導体の制限しない例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、スルホエチルセルロース、スルホプロピルセルロース、硫酸セルロース、リン酸化されたセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、スルホエチルエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルエチルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルドデシルセルロース、カルボキシメチルドデコイルセルロース、カルボキシメチルシアノエチルセルロース、及びスルホエチルシアノエチルセルロースのナトリウム又はカリウム塩が挙げられる。
【0061】
セルロースはメチル及びヒドロキシエチルセルロースなどの2以上の異なる置換基により置換された置換セルロースであってよい。
【0062】
洗濯補助成分
本発明の洗濯処理組成物は洗濯補助成分を更に含む。この洗濯補助成分は、置換セルロースを得るために必要な成分とは異なる。例えば、この洗濯補助成分は、セルロース主鎖及び置換基を反応させ置換セルロースを得るために用いられる溶媒ではない。これらの追加的補助成分の正確な性質及びその組み込み濃度は組成物の物理的形状及び用いられる操作の性質に依存する。適切な補助物質としては、限定はしないが、界面活性剤、ビルダー、凝集助剤、キレート剤、染料移転阻害剤、酵素、酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、あらかじめ生成された過酸、ポリマー性分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、漂白剤、石鹸起泡抑制剤、染料、香水、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、プロセス助剤、及び/又は顔料が挙げられる。下記の開示に加え、かかるその他の補助剤の適した例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812 B1号、及び米国特許第6,326,348 B1号に見出され、これらは参照により本明細書組み込まれる。かかる1つ以上の補助剤は以下に詳細が記載されるように存在できる。
【0063】
酵素−好適には本発明の組成物は更に酵素を含む。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ類、ペルオキシダーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、キシラナーゼ類、リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、エステラーゼ類、クチナーゼ類、ペクチナーゼ類、マンナナーゼ類、ペクテートリアーゼ類、ケラチナーゼ類、レダクターゼ類、オキシダーゼ類、フェノールオキシダーゼ類、リポキシゲナーゼ類、リグニナーゼ類、プルラナーゼ類、タンナーゼ類、ペントサナーゼ類、マラナーゼ類、β−グルカナーゼ類、アラビノシダーゼ類、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ類、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、特にエンド−β−1,4−グルカナーゼ活性を有する酵素(E.C.3.4.1.4)を含み得る。適切なエンド−β−1,4−グルカナーゼ酵素の制限しない例としては、Celluclean(Novozymes)、Carezyme(Novozymes)、Celluzyme(Novozymes)、Endolase(Novozymes)、KAC(Kao)、Puradax HA(Genencor)、Puradax EG−L(Genencor)、Biotouchブランドで販売されているMelanocarpus Albomycesに内因性の20kDのエンド−β−1,4−グルカナーゼ(AB Enzymes)、及びそれらの変異体及び混合物が挙げられる。適切な酵素はPCT国際公開特許WO2007/025549A1の4ページ15行〜11ページ2行に掲載されている。
【0064】
洗濯洗剤成分中に存在する場合、前述の酵素は、酵素タンパク重量により、組成物の約0.00001%〜約2%、約0.0001%〜約1%又は更に約0.001%〜約0.5%又は0.02%存在することができる。
【0065】
界面活性剤−本発明の組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含んでもよい。本発明の組成物は、界面活性剤系の重量により、0.01%〜90%、例えば1〜25、又は2〜20、又は4〜15、又は5〜10%を含み得る。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択してもよい。
【0066】
陰イオン性界面活性剤
典型的に、本組成物は1〜50wt%又は2〜40wt%の陰イオン性界面活性剤を含む。
【0067】
適切な陰イオン性界面活性剤は典型的にはカーボネート、リン酸塩、ホスホン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、及びそれらの混合物よりなる群から選ばれる1つ以上の部分を含む。陰イオン性界面活性剤は、1つ以上の直鎖状又は分枝状、随意に1モルのC8〜18アルキル硫酸酸塩及び/又はC8〜18アルキルスルホン酸塩当たり1〜9モルのC1〜4アルキレンオキシドと縮合できるC8〜18アルキル硫酸酸塩及び/又はC8〜18アルキルスルホン酸塩の1つか複数の混合物であってよい。
【0068】
好適な陰イオン性洗剤用界面活性剤は、直鎖状又は分枝状、置換又は無置換のC12〜18アルキル硫酸塩;直鎖状又は分枝状、置換又は無置換のC10〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、好適には直鎖状C10〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩;及びそれらの混合物よりなる群から選ばれる。高度に好適なものは、直鎖状C10〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩である。高度に好適なものは、入手可能な直鎖状C10〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、好適には市販の直鎖状アルキルベンゼン(LAB)のスルホン化により得られたものであり、適切なLABとしてはSasolからIsochem(登録商標)の商標名で供給され、又はPetresaからPetrelab(登録商標)の商標名で供給される低分子2−フェニルLABであり、他の適切なLABとしてはSasolからHyblene(登録商標)の商標名で供給される高分子量の2−フェニルLABが挙げられる。
【0069】
アルコキシル化陰イオン性界面活性剤類
組成物は、アルコキシル化陰イオン性界面活性剤を含んでよい。アルコキシル化陰イオン性界面活性剤が存在する場合、一般に、洗剤組成物全体に基いて、0.1重量%〜40重量%、例えば1重量%〜3重量%の量で存在する。
【0070】
典型的に、アルコキシル化された陰イオン性洗剤用界面活性剤は直鎖状又は分枝状、置換又は無置換の、1〜30、好適には3〜7の平均アルコキシル化度を有するC1218アルキルアルコキシル化硫酸塩である。
【0071】
好適なアルコキシル化陰イオン性洗浄性界面活性剤は、CognisによるTexapan LESTTM、SasolによるCosmacol AESTM、StephanによるBES151TM、Empicol ESC70/UTM、及びこれらの混合物である。
【0072】
非イオン性洗浄界面活性剤
本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含んでよい。非イオン性洗浄性界面活性剤が存在する場合、一般的に、0.5重量%〜20重量%、又は2重量%〜4重量%の量で存在する。
【0073】
非イオン性洗剤用界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシレートアルコール;ShellからのNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC12〜C18アルキルエトキシレート;アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位又はその混合物である、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート;BASFからのPluronic(登録商標)などのC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノールのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの縮合体;米国特許第6,150,322号に記載されるようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール(BA);米国特許第6,153,577号、米国特許第6,020,303号及び米国特許第6,093,856号により詳細が記載されるような、C14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAExであって、式中、x=1〜30であるもの;米国特許4,565,647号に詳細が記載されるようなアルキルセルロース類、特に米国特許第4,483,780号及び米国特許第4,483,779号に詳細が記載されるようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号、PCT国際公開特許WO 92/06162、PCT国際公開特許WO 93/19146、PCT国際公開特許WO 93/19038、及びPCT国際公開特許WO 94/09099に詳細が記載されるようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド;米国特許第6,482,994及びPCT国際公開特許WO 01/42408に詳細が記載されるエーテルでキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤;及びそれらの混合物よりなる群から選択されることができる。
【0074】
陽イオン性洗浄界面活性剤
発明の1態様では、前記洗剤組成物は陽イオン性界面活性剤を含まない。しかしながら、組成物は所望により、陽イオン性洗浄性界面活性剤を含んでもよい。存在する場合、組成物は0.1重量%〜10重量%、又は1重量%〜2重量%の陽イオン性洗浄性界面活性剤を含むことが好ましい。
【0075】
適切な陽イオン性洗剤用界面活性剤は、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、及びアルキル三級スルホニウム化合物である。陽イオン性洗浄界面活性剤は、米国特許第6,136,769号においてより詳細に記載されているようなアルコキシラート第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤類、米国特許第6,004,922号においてより詳細に記載されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム界面活性剤類、PCT国際公開特許WO 98/35002、PCT国際公開特許WO 98/35003、PCT国際公開特許WO 98/35004、PCT国際公開特許WO 98/35005及びPCT国際公開特許WO 98/35006においてより詳細に記載されているようなポリアミン陽イオン性界面活性剤類、米国特許第4,228,042号、米国特許第4,239,660号、米国特許第4,260,529号、及び米国特許第6,022,844号においてより詳細に記載されているような陽イオン性エステル界面活性剤類、米国特許第6,221,825号及びPCT国際公開特許WO 00/47708においてより詳細に記載されているようなアミノ界面活性剤類、特にアミドプロピルジメチルアミン、並びにこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0076】
高度に好適な陽イオン性洗浄界面活性剤類は、モノ−C8〜10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、モノ−C10〜12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、及びモノ−C10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライドである。Praepagen HY(Clariantの商標名)などの陽イオン性界面活性剤類は、有用であり得、泡促進剤としても有用であり得る。
【0077】
ビルダー−洗濯洗剤成分は1つ以上のビルダーを含み得る。ビルダーが使用される場合、その対象の組成物は典型的にはビルダーの重量により1%〜約40%、典型的には2〜25%、又は更に約5%〜約20%、又は8〜15%のビルダーを含む。
【0078】
本発明の洗濯洗剤成分は0〜20%、特に15%又は10%未満の、例えば5%未満のゼオライトを含む。とりわけ、本洗濯洗剤成分は0〜20%、特に15%又は10%未満の、例えば5%未満のアルミノケイ酸塩ビルダーを含む。
【0079】
本発明の洗濯洗剤成分は0〜20%、特に15%又は10%未満の、例えば5%未満のリン酸塩ビルダー及び/又はケイ酸塩ビルダー及び/又はゼオライトビルダーを含み得る。
【0080】
本発明の洗濯洗剤成分は、0〜20%、特に15%又は10%未満の、例えば5%未満の炭酸ナトリウムを含み得る。
【0081】
ビルダーとしては、限定はされないが、ポリリン酸のアルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、ケイ酸のアルカリ金属塩、Clariant(登録商標)のSKS−6などの層状ケイ酸塩、炭酸のアルカリ土類金属塩及びアルカリ金属塩、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩ビルダー、及びポリカルボン酸塩化合物、エーテルヒドロキシポリカルボン酸塩、マレイン酸無水物とエチレン又はビニルメチルエーテルとの共重合体、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメトキシコハク酸、脂肪酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸などのさまざまなポリ酢酸のアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、と同様にメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボン酸塩、及びそれらの可溶性塩が挙げられる。
【0082】
洗濯洗剤成分のリン酸塩ビルダー、アルミノケイ酸塩ビルダー、ポリカルボン酸ビルダー、及び追加的なケイ酸塩ビルダーの合計量は、重量により0〜25%、又は更に1〜20%、特に1〜15%、特に2〜10%、例えば3〜5%であり得る。
【0083】
本組成物は更に他の任意のビルダー、ケラント(chelant)、又は例えば、金属イオン封鎖、錯体形成、沈殿又はイオン交換により溶液からカルシウムイオンを除去する任意のものを含み得る。特に本組成物は、25℃の温度下で、0.1Mのイオン強度で、少なくとも50mg/gのカルシウム結合能力、及び少なくとも3.50のカルシウム結合定数、log K Ca2+を有する物質を含み得る。
【0084】
本発明の組成物において、リン酸塩ビルダー、アルミノケイ酸塩ビルダー、ポリカルボン酸ビルダー、追加的なケイ酸塩ビルダー、並びに50mg/g以上のカルシウム結合能力及び3.50を上回るカルシウム結合定数を有する他の物質は、重量により0〜25%、又は更に1〜20%、特に1〜15%、特に2〜10%、例えば3〜5%含まれてよい。
【0085】
凝集助剤−本組成物は凝集助剤を更に含むことができる。本組成物は凝集助剤を実質的に含まないこともできる。典型的には、凝集補助剤はポリマーである。典型的には凝集助剤は、エチレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸及びそれらの混合物よりなる群から選ばれるモノマー単位を含むポリマーである。典型的には凝集助剤はポリエチレンオキシドである。典型的には凝集助剤は少なくとも100,000Da、特に150,000Da〜5,000,000Da又は更に200,000Da〜700,000Daの分子量を有する。典型的に、本組成物少なくとも重量により本組成物の0.3%の凝集助剤を含む。
【0086】
漂白剤−本発明の組成物は1つ以上の漂白剤を含み得る。一般に、漂白剤を使用する場合、本発明の化合物は、対象となる洗剤組成物の、約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含んでもよい。存在する場合、適切な漂白剤は、漂白触媒を含み、適切な漂白触媒はWO2008/034674A1、46ページ23行〜49ページ17行に掲載されており、光脱色剤としては、例えばビタミンK3及び亜鉛又はアルミニウムフタロシアニンスルホン酸塩であり、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)などの漂白活性化剤であり、過酸化水素;あらかじめ生成された過酸;過ホウ酸のナトリウム塩(通常、一又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びそれらの混合物などのアルカリ金属塩を含む無機過酸化水素付加物などの過酸化水素源であって、随意に被覆され、その適切な被覆はアルカリ金属などの無機塩を含むもの、及びそれらの混合物である。
【0087】
過酸化水素供給源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、有効酸素(該過酸化物供給源より供給される)対過酸のモル比が、1:1〜35:1、又は更に2:1〜10:1となるように選択し得る。
【0088】
蛍光増白剤−本組成物は淡い色の品目が洗浄し得るための蛍光増白剤などの組成物を含み得る。存在する場合、洗濯洗剤成分においての使用に適切な任意の蛍光増白剤が本発明の組成物において用いられ得る。最も普通に用いられる蛍光増白剤はジアミノスチルベン−スルホン酸誘導体、ジアリールピラゾリン誘導体及びビスフェニル−ジスチリル誘導体に属するものである。
【0089】
代表的な蛍光増白剤は、Paramount Minerals and Chemicals(インド、ムンバイ(Mumbai))から供給されるParawhite KX、Ciba−Geigy AG、(スイス、バーゼル(Basel))から供給されるTinopal(登録商標)DMS及びTinopal(登録商標)CBSである。Tinopal(登録商標)DMSは4,4’−ビス−(2−モルホリノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベンジスルホン酸塩の二ナトリウム塩である。Tinopal(登録商標)CBSは2,2’−ビス−(フェニル−スチリル)ジスルホン酸塩の二ナトリウム塩である。
【0090】
布地色調剤−蛍光増白剤は少なくともいくらかの可視光を放射する。対照的に、布地色調剤は、可視光スペクトルの少なくとも一部を吸収するため、表面の色合いを変える。好適な布地色調剤としては、染料及び染料−粘土複合体が挙げられ、顔料も包含してよい。適切な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。適切な小分子染料としては、色指数分類(Colour Index(C.I.))において、ダイレクト・ブルー、ダイレクト・レッド、ダイレクト・バイオレット、アシッド・ブルー、アシッド・レッド、アシッド・バイオレット、ベーシック・ブルー、ベーシック・バイオレット及びベーシック・レッド、又はそれらの混合物に適合する染料より成る群から選ばれる小分子染料が挙げられる。適切な色相染料はWO2008/17570A1、4ページ15行〜11ページ18行、及びWO2008/07318A2、9ページ18行21ページ2行に掲載されている。
【0091】
ポリマー性分散剤−本発明の組成物は追加的なポリマー性分散剤を含み得る。適切なポリマー性分散剤としては、約2,000〜約10,000の平均分子量を有するアクリル酸系ポリマー;約2,000〜約100,000の平均分子量及び約30:1〜約1:1のアクリル酸対マレイン酸のセグメント比率を有するアクリル酸/マレイン酸系共重合体;マレイン酸/アクリル酸/ビニルアルコール3重合体;約500〜約100,000、好適には約1,000〜約50,000、より好適には約1,500〜約10,000mの分子量を有するポリエチレングリコール(PEG);及び水に溶解性又は分散性のアルコキシル化ポリアルキレンアミン物質などのポリマー性ポリカルボキシレート、置換(四級化された、及び酸化されたものを含む)ポリアミンポリマー、及びポリエチレングリコールが挙げられる。これらのポリマー性分散剤は、含まれる場合には、典型的には、約5%以下、好適には約0.2%〜約2.5%、より好適には約0.5%〜約1.5%の濃度である。
【0092】
ポリマー性汚れ遊離剤−本発明の組成物は、ポリマー性汚れ遊離剤を含有することもできる。ポリマー性汚れ遊離剤、又は「SRA」は、ポリエステル及びナイロンなどの疎水性繊維の表面を親水化するための親水性部分と、疎水性繊維上に付着して、洗浄及び漱ぎサイクルの完了までその上に密着し続けて、親水性部分のためのアンカーとして働く疎水性部分とを有する。これによって、後の洗浄手順で、SRAでの処置の後に浮かび上がるシミをより容易に落とすことができるようになる。好適なSRAとしては、オリゴマーのテレフタル酸エステル;テレフタロイル及びオキシアルキレンオキシ反復単位並びにアリルにより誘導されたスルホン化された末端単位であり主鎖に共有結合で結合するもののオリゴマーエステル主鎖より成る実質的に直鎖状エステルのオリゴマーをスルホン化して得られる生成物;非イオン性に末端がキャップされた1,2−プロピレン/ポリオキシエチレンテレフタレートポリエステル;テレフタロイル(T)、スルホイソフタロイル(SIP)、オキシエチレンオキシ及びオキシ−1,2−プロピレン(EG/PG)単位を含むオリゴマーであり実験式(CAP)(EG/PG)(T)(SIP)を有し、並びに好適には、1つのスルホイソフタロイル単位、5つのテレフタロイル単位、定義された比率であって好適には約0.5:1〜約10:1の比率のオキシエチレンオキシ及びオキシ−1,2−プロピレンオキシ単位、及びナトリウム2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エタンスルホン酸塩から誘導された2つの末端キャップ単位とを含むオリゴマーにおけるように、好適にはイセチオネートで修飾され末端キャップ(CAP)で停止するもの;オリゴマーのエステルであって、(1)以下のものを含む主鎖(a)ジヒドロキシスルホン酸塩、ポリヒドロキシスルホン酸塩、少なくとも三官能性の単位であって、それによりエステル連結を形成し、その結果分枝状オリゴマー主鎖を生成するもの、及びそれらの組み合わせ、よりなる群から選ばれる少なくとも1つの単位、(b)少なくとも1つのテレフタロイル部分である単位、及び(c)少なくとも1つの1,2−オキシアルキレンオキシ部分である非スルホン化された単位、及び(2)非イオン性キャッピング単位、アルコキシル化、好適にはエトキシ化されたイセチオネート、アルコキシル化されたプロパンスルホネート、アルコキシル化されたプロパンジスルホネート、アルコキシル化されたフェノールスルホネート、スルホアロイル誘導体などの陰イオン性キャッピング単位、及びそれらの混合物から選ばれる1つ以上のキャッピング単位。好ましいのは、次の実験式のエステルである。
【0093】
((CAP)(EG/PG)(DEG)PEG)(T)(SIP)(SEG)(B)
式中、CAP、EG/PG、PEG、T及びSIPは上記において定義されたものであり、DEGはジ(オキシエチレン)オキシ単位を表し、SEGはグリセリンのスルホエチルエーテルから誘導される単位及び関連する部分の単位を表し、Bは少なくとも三官能性であって、それによりエステル連結が形成され結果として分枝状オリゴマー主鎖を生成するものである分枝単位を表し、aは約1〜約12であり、bは約0.5〜約25であり、cは0〜約12であり、dは0〜約10であり、b+c+dの合計は約0.5〜約25であり、eは約1.5〜約25であり、fは0〜約12であり、e+fの合計は約1.5〜約25であり、gは約0.05〜約12であり、hは約0.01〜約10であり、a、b、c、d、e、f、g、及びhは、1モルのエステル当たりの対応する単位のモル数の平均を表し、そのエステルは約500〜約5,000の範囲の分子量を有し、並びにセルロース性誘導体はMETHOCEL(登録商標)としてDowより購入可能なヒドロキシエーテルセルロース性ポリマーなど、C〜Cアルキルセルロース類、及びCヒドロキシアルキルセルロース類(Nicolらに1976年12月28日に付与された米国特許第4,000,093号を参照されたい)及び無水グルコース単位当たりの平均置換度(メチル)が約1.6〜約2.3であり、及び20℃でその2%水溶液が約80〜約120センチポアズの溶液粘度を有するメチルセルロースエーテルである。かかる材料は、信越化学工業(Shinetsu Kagaku Kogyo KK)製のメチルセルロースエーテルの商標名である、メトルース(METOLOSE)SM100(登録商標)及びメトルース(METOLOSE)SM200(登録商標)として入手可能である。
【0094】
酵素安定剤−種々の技法によって、洗剤で使用する酵素を安定化させることができる。本明細書に用いられる酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を改善するために、可逆的タンパク分解酵素阻害剤(ホウ素化合物など)を添加することができる。
【0095】
触媒的金属錯体−本発明の組成物は触媒的金属錯体を含み得る。存在する場合、含金属漂白触媒の1種類は、規定された漂白触媒活性の、銅、鉄、チタニウム、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガン陽イオンなどの遷移金属陽イオン、亜鉛又はアルミニウム陽イオンなどの少量の漂白触媒活性又はまったく漂白触媒活性のない補助的な金属陽イオン、及び触媒及び補助金属陽イオンのために規定された安定性定数を有する隔離剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)並びにそれらの水溶性塩を含む触媒システムである。かかる触媒は米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0096】
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物を用いて触媒され得る。かかる化合物及び使用量は、当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
【0097】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載される。かかるコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。
【0098】
本明細書の組成物は、また、配位子の遷移金属錯体(例えば、ビスピドン(bispidone)(PCT国際公開特許WO 05/042532 A1)及び/又は大多環状剛性配位子(「MRL」と略される)を適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び方法は、水性洗浄媒体において、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、通常、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更に約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0099】
本遷移金属漂白触媒における適切な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0100】
適切な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、PCT国際公開特許WO 00/32601、及び米国特許第6,225,464号にて教示される手順によって容易に調製される。
【0101】
柔軟化システム−本発明の組成物は、所望により洗浄中に柔軟化するために、柔軟化剤を、並びに、随意に凝集剤及び酵素を更に含んでもよい。
【0102】
布地柔軟性増強成分−通常は、本組成物は更に、帯電ポリマー布地柔軟性増強成分を含む。組成物が粘土及びシリコーン粒子を含む場合、粘土及びシリコーン粒子を得るために、帯電ポリマー布地柔軟性増強成分が、プロセスの工程(ii)において粘土及びシリコーンに接触させられることが好ましい(上記参照)。帯電ポリマー布地柔軟性増強成分を粘土及びシリコーンと十分に混合すると、得られた組成物の布地柔軟化効果が更に改善する。
【0103】
着色剤−本発明の組成物は、着色剤、好適には染料又は色素を含んでもよい。詳細には、好ましい染料は、洗濯サイクル中に酸化によって消失されるものである。染料が貯蔵中に分解しないことを確実にするために、染料は40℃までの温度で安定であることが好ましい。組成物中での染料の安定性は、組成物の水分含有量を確実にできるだけ低くすることによって向上させることができる。可能ならば、染料又は顔料は、織物繊維に結合したり織物繊維と反応したりするべきではない。着色剤が織物繊維と反応してしまう場合、織物に付与される色は、洗濯液中に存在する酸化剤との反応によって消失されるべきである。これは、特に数回の洗浄を通した織物の着色を回避するためである。とりわけ好適な染料としては、限定はされないが、BASFからのBasacid(登録商標)Green 970及びAlbionからのMonastral blueが挙げられる。
【0104】
洗濯処理組成物
本洗濯処理組成物は好適には洗濯洗剤成分又は布地ケア組成物である。
【0105】
本洗濯処理組成物は溶媒を含み得る。適切な溶媒としては、水及び他の親油性流体である溶媒が挙げられる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルのようなグリセリン誘導体、ペルフルオロ化アミン、ペルフルオロ化及びハイドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、環境に優しいその他の溶媒、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0106】
本洗濯処理組成物は、例えば特定の形態においては、好適には自由流れ微粒子形態であるが、この組成物は任意の液体又は固体形態であってもよい。この固形組成物は、凝集体、粒塊、フレーク、押出品、棒、錠剤又はこれらの任意の組み合わせの形態であることができる。この固形組成物は、乾式混合、アグロメレーション、圧縮、スプレー乾燥、総造粒(pan-granulation)、球形化又はこれらの任意の組み合わせなどの方法によって製造され得る。この固形組成物は、好適には300g/L〜1,500g/L、好適には500g/L〜1,000g/Lのバルク密度を有する。
【0107】
置換セルロースは乾燥添加成分として又は噴霧乾燥又は噴出により形成される洗濯粒子を経由して加えられることができる。
【0108】
本洗濯処理組成物は、更に液体、ゲル、ペースト、分散物、好適にはコロイド状分散物又はそれらの任意の組み合わせの形状であってよい。液体組成物は環境条件(20℃及び0.1MPa(1気圧))で20s−1のせん断率により測定された場合、典型的には500mPa.s〜3,000mPa.sの粘度を有し、及び典型的には800g/L〜1300g/Lの密度を有する。組成物が分散体の形態であれば、典型的には1マイクロメートル〜5,000マイクロメートル、好適には1マイクロメートル〜50マイクロメートルの体積平均粒径を有する。分散体を形成する粒子は、通常、粘土であり、及び存在する場合にはシリコーンである。典型的には、Coulter Multisizerを使用して分散体の体積平均粒径を測定する。
【0109】
本洗濯処理組成物は錠剤のみでなく、組成物がポリビニルアルコールフィルムなどのフィルムにより少なくとも部分的に封入され、好適には完全に封入される単位用量包装袋を含む単位用量形態であることができる。
【0110】
本洗濯処理組成物は、例えば洗剤活性物に浸漬された不織シートなどの不溶性基質の形態であることもできる。
【0111】
本洗濯処理組成物は洗濯プロセスの間に布地を洗浄及び/又は柔軟化することができる。典型的に、本洗濯処理組成物は、自動洗濯機での使用のために製剤されるが、手洗いでの使用のために製剤されることもできる。
【0112】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0113】
以下の実施例は、実例としてのみ提供されるのであって、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0114】
実施例1:組成物A、B、1及び2の調製
以下の略語が使用されてきた。
【0115】
LAS:直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
STPP:トリポリリン酸ナトリウム
他の洗濯洗剤成分はプロテアーゼ、光学的光沢剤、水、及び香水などの物質を含むことができる。
【0116】
セルラーゼ酵素:Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)より供給されるCelluclean(登録商標)。酵素濃度は洗濯液中の活性タンパク濃度として表される。
【0117】
LB CMC:カルボキシメチルセルロース、CPKelco(Arnhem,Netherlands)から供給されるFinnfix(登録商標)BDA。
【0118】
HB CMC:カルボキシメチルセルロース、CPKelco(Arnhem,Netherlands)から供給される高度にブロック性のCMC。
【0119】
これら2種類のCMCの粘度、置換度及びブロック性度は以下の表に与えられる。
【表1】

【0120】
基礎組成物が調製された。
【表2】

【0121】
以下の製剤が調製された。
【表3】

【0122】
実施例2:組成物A、B、1及び2の抗再付着性能
この方法は、本発明に従い、より低いブロック性度のCMC(LB CMC)とより高いブロック性のCMC(HB CMC)の相対的性能を比較するために用いられた。
【0123】
以下の試験において、試験用洗濯溶液は、2g/L(基礎組成物の重量に基づき)の組成物A、B、C、1又は2を含む0.21g/L(12gpg)の硬度の水を用いて調製された。試験用布地はWarwick Equest(Stanley,County Durham,UK)から供給された5cm×5cm平方の白色の編まれた木綿であった。それぞれの試験用製剤について8回の反復試験が用いられた。同一の布地の種類がバラスト負荷(ballast load)を作り出すのに用いられた。撹拌式洗浄力試験機(Tergotometer)ポットはCopley Scientific(Nottingham,UK)から供給された1Lのポット寸法のものであった。バラストは30:1の水:布の比率を維持するために加えられた編まれた木綿であった。汚れは100ppmのWarwick Equest(Stanley,County Durham,UK)から供給されたカーボンブラックであった。
【0124】
試験洗濯溶液(0.8L)並びに試験布地、バラスト及び汚れを含む撹拌式洗浄力試験機ポットは、25℃で200rpmの速度で20分間撹拌された。洗濯後、試験布地及びバラストは分離された。プロセスは洗濯された試験布地を用いて4サイクル繰り返された。清浄なバラストがそれぞれの洗濯サイクルに用いられる。この試験布地は次いで撹拌式洗浄力試験機ポット内で水(0.21g/L(12gpg)硬度)により200rpmの撹拌で5分間漱がれ、次いで室温で少なくとも12時間乾燥された。
【0125】
洗濯の前と4サイクルの洗濯後に試験布地の反射率の値が測定された(460nm,D65/10°)。以下の表は、無処理布地と比較された変化として表現された4サイクル後の平均反射率の値を示し、同様に基礎組成物と比較した反射率の変化における良好な結果を示す。
【表4】

【0126】
この方法は試験製剤の抗付着性を定量化する。反射率は、カーボンブラックの汚れの付着により減少される。反射率における低下がより小さいほど、洗剤製剤の抗付着性はより良好である。
【0127】
この結果は、セルラーゼ酵素が存在しなくとも、はるかに高い濃度のLB CMCと比較して、HB−CMC及び本発明に従う置換セルロースが顕著に改善された抗再付着性能を達成することを示す(組成物1対比較用組成物B)。セルラーゼの存在が、HB−CMCの抗再付着性能の増加をもたらすことが見出される(組成物2対組成物1)。
【0128】
(実施例3〜8)
以下のものは手洗い又はトップ・ローディング式洗濯機による布地洗濯に適切な、本発明に従い製造された顆粒状洗濯洗剤成分である。
【表5】

【0129】
(実施例9〜14)
以下のものはフロント・ローディング式洗濯機による布地洗濯に適切な、本発明に従い製造された顆粒状洗濯洗剤成分である。
【表6】

【0130】
例示的な組成物3〜14において、成分の濃度は重量%であり、及び成分の略称は以下の意味を有する。
【0131】
LAS:C11〜C12の平均脂肪族炭素鎖長を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、
HB−CMC:Noviant division of CPKelco(Arnhem,Netherlands)より供給される、1740mPa.sの粘度(2%溶液として)、置換度0.76及びブロック性度0.50を有するカルボキシメチルセルロース。
【0132】
セルラーゼ:Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)から供給されるCelluclean(登録商標)(15.6mg活性/g)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯処理組成物又はその成分である、組成物であって、
0.01〜0.99の置換度(DS)、及びブロック性度(DB)を有し、DS+DBが少なくとも1.00、又はDB+2DS−DSが少なくとも1.20である、置換セルロースと、
洗濯補助成分と
を含む、組成物。
【請求項2】
前記置換セルロースが少なくとも0.55の置換度(DS)を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記置換セルロースが少なくとも0.35のブロック性度(DB)を有する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記置換セルロースが1.05〜2.00のDS+DBを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記置換セルロースが、明細書中の「試験方法3」に従う粘度試験において、2重量%水溶液で少なくとも100mPa.sの粘度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記置換セルロースが、その主鎖に少なくとも1つの、分枝状、直鎖状又は環状、置換又は無置換、飽和又は不飽和アルキル、アミン(一級、二級、三級)、アンモニウム塩、アミド、ウレタン、アルコール、カルボン酸、トシレート、スルホン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、シリコーン、及びそれらの混合物より成る群から選ばれる置換基により置換されるグルコース単位を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記置換セルロースがカルボキシメチルセルロースである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、エンド−β−l,4−グルカナーゼ活性を有する酵素を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1%の置換セルロースを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
0〜20%、特に15%又は10%未満、例えば5%未満のリン酸塩ビルダー及び/又はケイ酸塩ビルダー及び/又はゼオライトビルダーを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
洗濯された布地の白色度を増すため及び/又は木綿布地の引っ張り強度を改善するための、0.01〜0.99の置換度(DS)、及びブロック性度(DB)を有し、DS+DBが少なくとも1.00、又はDB+2DS−DSが少なくとも1.20である置換セルロースの使用。

【公表番号】特表2011−524456(P2011−524456A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514664(P2011−514664)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/044788
【国際公開番号】WO2009/154933
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】