説明

洗米装置

【課題】排水ジャケットの内部や排水ボックスの内部における手作業での洗浄を簡単に行うことができるようにする。
【解決手段】制御部16は、排水ジャケット13から排水ボックス14に至る経路の洗浄を行う洗浄モードを備えており、洗浄モードは、洗米槽12による米の洗米動作が行われているか否かを判定する洗米動作判定工程S2と、洗米動作が行われていないときに給水部15を動作させて洗米槽12に水を溜める給水貯留工程と、開閉部材35を閉状態から開状態に動作させることで洗米槽12に溜められた水を流す排水工程とを備えている点にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、米を洗米する洗米槽を備えた洗米装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務用の炊飯機には、米を洗米する洗米槽を備えた洗米装置が具備されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に示すような炊飯機の洗米装置には、洗米槽の下部に当該洗米槽からの排水を受ける排水ジャケットが設けられており、この排水ジャケットには、排水を外部に流すための排水ボックスが接続されたものとなっている。
このような洗米装置では、洗米槽で米を洗米したときの排水は、排水ジャケットを介して排水ボックスへと流され、排水ボックスから外部へと排水するようになっている。洗米装置において、繰り返し米の洗浄を行うと、排水ジャケット内や排水ボックス内が米ぬか等により汚れるため、作業員が排水ジャケット内や排水ボックス内を手作業により洗浄していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−36524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示したような洗米装置では、排水ジャケット内や排水ボックス内の清潔に保つために、作業員が手作業により洗浄していたが、汚れが溜まった状態では、手作業による洗浄が非常に大変であった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、排水ジャケットの内部や排水ボックスの内部における手作業での洗浄を簡単に行うことができる洗米装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、米を洗米する洗米槽と、この洗米槽内からの排水を受ける排水ジャケットと、この排水ジャケットに連通する連通路を開閉にする開閉部材を備えた排水ボックスと、前記洗米槽に給水を行う給水部と、少なくとも洗米槽の動作を制御する制御部を備えた洗米装置において、前記制御部は、排水ジャケットから排水ボックスに至る経路の洗浄を行う洗浄モードを備えており、前記洗浄モードは、前記洗米槽による米の洗米動作が行われているか否かを判定する洗米動作判定工程と、前記洗米動作が行われていないときに前記給水部を動作させて洗米槽に水を溜める給水貯留工程と、前記開閉部材を閉状態から開状態に動作させることで前記洗米槽に溜められた水を流す排水工程とを備えている点にある。
【0006】
前記洗浄モードは、洗米槽に設けられた米を攪拌する攪拌部材を回転動作させながら洗浄を行う攪拌洗浄工程を備えていることが好ましい。
前記洗浄モードには、洗浄を行う時刻を予約する洗浄予約機能が備えられ、制御部には、運転する時刻を予約する運転予約機能が備えられており、洗浄モードは、前記洗浄予約機能における予約時刻と運転予約機能の運転時刻により求められる洗米開始時刻とがオーバラップした際には、洗米動作を優先する洗米優先工程を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排水ジャケットの内部や排水ボックスの内部における手作業での洗浄を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の洗米装置を具備した炊飯機の全体図である。
【図2】制御部における入出力のブロック図である。
【図3】排水ジャケット周辺の断面図である。
【図4】表示装置の操作部の説明図である。
【図5】表示部の画面の一例を示す図である。
【図6】運転予約機能を説明する説明図である。
【図7】自動洗浄機能を説明する説明図である。
【図8】洗浄モードの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の洗米装置を図面に基づいて説明する。
図1は、洗米装置を備えた炊飯機を示している。
図1、図2に示すように、この炊飯機1は、米を貯米する貯米庫2と、洗米装置3と、洗米装置3で洗米された米を炊飯する炊飯器4と、これら炊飯器4、貯米庫2、洗米装置3を支持する装置フレーム5とを備えたものである。
貯米庫2は、略箱型に形成されたケース6と、このケース6内に設けられた漏斗状の貯米タンク7とを有している。この貯米タンク7の下部には、計量駆動装置8により横軸回りに回転駆動される計量部9が設けられており、計量部9を所定回数回転することで貯米タンク7内の米を計量して洗米装置3へ送るように構成されている。この計量部9では、1回転毎に米を所定量の量を計量するもので、この実施形態では、計量部9を1回転する毎に0.75kg分の米を計量するものとなっている。1回の運転毎における計量部9の回転数、即ち、米の計量値(升又はkg)は制御部16へ入力されるようになっている。
【0010】
ケース6の上部は、蓋体10により開閉自在とされていて、この蓋体10を開いて貯米タンク7内に米を補給可能となっている。ケース6の前面には、各種設定を行う表示装置11が設けられている。
洗米装置3は、米を洗米する洗米槽12と、この洗米槽12の下部に設けられた排水ジャケット13と、排水ジャケット13に連通する排水ボックス14と、洗米槽12に給水を行う給水部15と、CPU等から構成された制御部16とを備えている。
洗米槽12は、米が投入される洗米タンク20と、この洗米タンク20内の米を攪拌する攪拌部材21とを備えている。洗米タンク20は、貯米庫2(ケース6)の下端に設けられて、貯米庫2内に設けられた計量部9により計量された米が上端から投入される構造となっている。洗米タンク20の下端には開口部22が形成されている。
【0011】
図3に示すように、排水ジャケット13は、洗米槽12の下部、即ち、開口部22を覆うように洗米タンク20の下部に着脱自在に設けられて、洗米タンク20からの排水等を受けるものとなっている。即ち、この排水ジャケット13は、洗米タンク20に設けられたフック部材39において当該排水ジャケット13への係止を解除することにより洗米タンク20から取り外しができるようになっている。この排水ジャケット13は、筒状に形成された外周壁25と、この外周壁25の下部から径内方向に突出する底壁26とを備えている。
【0012】
底壁26には、洗米タンク20の開口部22からの米等を炊飯器4へと通す排米口27が設けられている。この排米口27に円錐状の排米弁28が挿入されている。この排米弁28は、上下を向く上下軸29の下端に昇降自在に設けられ、上下軸29の上端側に設けられた昇降装置30の昇降により排米口27を開閉するようになっている。排米口27が開放状態(排米弁開位置)であるか、排米口27が閉鎖状態(排米弁閉位置)であるかはセンサにより検知され、排米弁開位置の信号や排米弁閉位置の信号は制御部16に入力されるようになっている。
【0013】
また、底壁26には、側壁部分に複数の孔が形成された筒状の漏斗部材(じょうご部材)31が載置されている。排水ジャケット13の外周壁25の一方には、排水ジャケット13内の液体を排水ボックス14側に流すための排水口32が形成されている。
排水ボックス14は、箱型に形成されたもので、例えば、排水ボックス14の前面側は着脱自在な蓋37となっており、この蓋37を取り外すことにより、排水ボックス14内の洗浄(掃除)が行えるようになっている。排水ボックス14には、排水ジャケット13の排水口32と対向する側に入水口33が形成されている。そして、入水口33にパイプ(配管)34の一端が接続されて、排水ジャケット13の排水口32にパイプ34の他端が接続されることにより、排水ボックス14と排水ジャケット13とは連通している。
【0014】
排水ボックス14には、排水ジャケット13から排水ボックス14へと至る連通路(例えば、パイプ34内)を開閉するための開閉部材35が設けられている。具体的には、開
閉部材35は、入水口33を開放又は閉鎖するもので、排水ボックス14内に揺動自在に支持されたリンク部材36に連結していて、リンク部材36の揺動動作により開閉部材35は入水口33を閉鎖する閉鎖姿勢になると共に、入水口33を開放する開放姿勢になる。
さらに詳しくは、開閉部材35は、入水口33を閉鎖可能な開閉部40と、先端側に開閉部40が連結されると共に左右方向移動自在に支持された軸部41とを備えており、この軸部41の基端側にへの字状(屈曲した)のリンク部材36が連結されている。リンク部材36の屈曲部側は揺動自在に枢支されて、リンク部材36の基端側に、上下動によりリンク部材36を揺動させる連動部材42が連結されている。この連動部材42は、油圧シリンダや駆動モータ等の開閉駆動装置45により上下動するものとなっている。
【0015】
したがって、開閉駆動装置45の停止した状態では、連動部材42が下方へと移動して、リンク部材36の先端部が左側に移動するため、開閉部40が軸部41を介して左側に移動して開放姿勢(入水口33が開放される)となる。なお、軸部41は、スプリングなどの付勢部材46により右側に付勢(連動部材42は上方に向けて付勢されている)しているため、連動部材42を下へ向けて移動させないときは、開閉部40は入水口33を開放した状態である。
一方、開閉駆動装置45の駆動させることにより連動部材42を上方へと移動させると、リンク部材36の先端部が右側に移動することによって、開閉部40が軸部41を介して右側に移動して閉鎖姿勢(入水口33が閉鎖する)となる。 排水ボックス14内の排水は、当該排水ボックス14に形成された排水口47から外部へ排出されるようになっている。なお、排水口47には、排水を外部へと導く排水路(例えば、ホース)が接続されている。また、排水ボックス14の上部と洗米タンク20との間には、オーバフロー管38が接続されていて、洗米タンク20からオーバフローした排水等がオーバフロー管38を介して排水ボックス14内へ流入するようになっている。
【0016】
攪拌部材21は、上下軸芯回りに回転して米を攪拌するもので、攪拌駆動装置50により軸心廻りに回転駆動するものとなっている。
給水部15は、洗米タンク20の上部側に設けられた給水ノズル51と、水道水蛇口等の給水源を給水ノズル51に供給するための給水路(配管)52と、給水路52に設けられた開閉弁(電磁開閉バルブ)53と、給水路52に設けられた流量センサ54とを備えている。
したがって、制御部16からの指令信号により開閉弁53を開くことによって、給水ノズル51から水が供給され、給水ノズル51から給水された水量は流量センサ54によって検出されて、検出された水量は制御部16へと出力されるようになっている。
【0017】
炊飯器4は、上端開口状の内釜55と、この内釜55が上方から挿脱自在に挿入されて収納される外釜56と、内釜55の上端開口を開閉自在に閉塞する蓋体57と、内釜55の下方に配置されていて該内釜55を加熱するガスコンロ、IHヒータ等の加熱手段等とを有している。この炊飯器4は、装置フレーム5に略水平方向一方向に設けられた載置台60に載置されていて、載置台60を介して引き出し自在とされている。
制御部16は、少なくとも洗米槽12の動作を制御するものであるが、この実施形態では、制御部16は表示装置11に搭載されていて洗米装置3(洗米槽)等の制御を行うものである。なお、この実施形態では、制御部16は、洗米装置3の制御を行うものであるが、炊飯器4の制御を行うものであっても炊飯機1全体の制御を行うものであってもよい。
【0018】
以下、表示装置11の説明に合わせて制御部16について説明する。
図4に示すように、表示装置11は、表示部70と、炊飯機1の各種設定や選択等を行う操作部71と、制御部16とを備えている。この表示装置11では、表示部70に表示された設定項目を操作部71で選択したり、設定項目の設定内容を操作部71により操作して内容の変更等をすることによって、炊飯機1における各種設定を行うことができるようになっている。
表示装置11の操作部71は、設定キー72と、スタートキー73と、予約キー74と
、取消キー75と、上キー76、下キー77、左キー78、右キー79と、補助機能キー80とを備えている。これらの各キーは、ケース6の前面に設けられていて、表示部70の周囲に配置されている。表示装置11の表示部70は、液晶パネルから構成されていてケース6の前面に設けられている。
【0019】
図5に示すように、表示部70は、主に、炊飯の状態を示す初期画面Aと、各種設定を行うメニューセット画面Bと、このメニューセット画面Bとは異なっていて補助機能を表示する補助機能画面Cとを表示する。
炊飯機1の電源を入れると、表示部70には、初期画面(運転中画面)Aが表示されるようになっており、初期画面Aで設定キー72を押すと、メニューセット画面Bに画面が切り替わる。また、初期画面Aで補助機能キー80を押すと、補助機能画面Cに画面が切り替わる。メニューセット画面Bにてスタートキー73を押すことによって炊飯機1の運転が開始するようになっている。
【0020】
図5に示すように、初期画面Aでは、炊飯の工程が示されるようになっており、米を計量部9により計量中である計量工程A1、米を洗米槽12(洗米タンク20)内で洗米中である洗米工程A2、洗米槽12(洗米タンク20)内で洗米後に米のザル上げを行うザル上げ工程A3、洗米槽12(洗米タンク20)に所定の水を計算して水加減水を給水する水加減工程A4、洗米槽12(洗米タンク20)内の米及び水加減水を炊飯器4に投入する排米工程A5、炊飯器4内でお米を浸している浸し工程A6、炊飯器4にて炊飯を行っている炊飯工程A7、お米を炊飯器4内で蒸らすむらし工程A8、米の炊きあがりを示す炊きあがりA9を表示するもので、カーソル等の点滅によってどの工程であるか分かるようになっている。
【0021】
また、図5に示すように、メニューセット画面Bでは、炊飯量M1、水加減水M2、モードM3、ザル上げM4、むらしM5の各種項目がそれぞれ表示されると共に、各種項目(炊飯量の設定、水加減水量の設定、自動、準備、洗米等の設定、ザル上げ時間の設定、むらし時間の設定)が行えるようになっている。メニューセット画面Bに表示された各種項目は、上キー76、下キー77、左キー78、右キー79等の各種キーにより設定できるようになっている。
制御部16は、運転の予約をする運転予約機能が備えられている。この運転予約機能は、炊飯機1における米の炊きあがり時刻を設定するものである。具体的には、図6に示すように、運転予約機能による時刻の予約は、例えば、予約キー74を押して表示される予約画面により行う。運転予約機能では、例えば、「今日」、「明日」、「明後日」、「3日後」の4つについての予約日が設定できる。また、運転予約機能において、上キー76、下キー77等を押すことにより、「時間」の設定、「分」の設定に切り替えることができ、「時間」や「分」における数値の設定(時刻の設定)は、左キー78、右キー79等を押して、数値を変更することにより行うことができる。
【0022】
なお、図6に示した、運転予約機能では、米の炊き上がり時刻を設定するようになっているが、運転予約機能により米の炊きあがり時刻を設定することにより、制御部16では、洗米を開始する時刻(洗米開始時刻)が自動的に計算されるようになっている。また、運転予約機能では、炊き上がり時間が現在の時刻を越えるときは、炊き上がりまでどれくらいの時間が必要がガイダンスするようになっている。
図2に示すように、制御部16は、各種指令信号によって、計量部9を回転させる計量駆動装置8、排米弁28を昇降させる昇降装置30、給水部15の開閉弁53、攪拌部材21を回転させる攪拌駆動装置50、連動部材42を下方へ移動させる開閉駆動装置45(開閉部材35の開閉)、表示装置11等を制御するものである。
【0023】
また、制御部16は、少なくとも排水ジャケット13から排水ボックス14に至る経路の洗浄を行う洗浄モードを備えている。この洗浄モードは、制御部16等に組み込まれたプログラムにより動作するもので、洗米工程を行っていないとき(計量部9にて米の計量後、計量された米が洗米タンク20に投入されて、投入された米が洗米タンク20内で洗浄されていないとき)に、洗米タンク20に水を溜めて、洗米タンク20に溜めた水を、一挙に排水ジャケット13からパイプ34を介して排水ボックス14へと流すことができ
るように、給水部15や開閉部材35等を制御するものである。
【0024】
この洗浄モードには、上述した洗浄を自動的に行うか否かを設定したり、自動的に洗浄を行う場合には、自動的に洗浄を行う予約時刻の設定を行う自動洗浄機能が具備されている。図7は、自動洗浄機能を示したものである。
図7に示すように、自動洗浄機能は、補助機能キー80を押すことりより、補助機能画面Cを表示部70に表示して、補助機能画面Cの自動洗浄というメニューをカーソル等により選択することにより使用することができる。この自動洗浄のメニューを選択すると、補助機能画面C上には、自動洗浄を有効にする「有効」と、自動洗浄を無効にする「無効」と、自動洗浄の時刻(洗浄を行う時刻を予約する洗浄予約機能)を設定するための「設定」とのそれぞれが表示される。
【0025】
ここで、自動洗浄を有効にする「有効」をカーソル等により選択して決定すると自動洗浄が有効となり、自動洗浄を無効にする「無効」を、カーソル等により選択して決定すると自動洗浄が無効となる。
そして、自動洗浄の時刻を設定するための「設定」をカーソル等により選択して決定する(カーソルを設定に合わせてスタートキーを押す)と、補助機能画面Cが、自動洗浄の予約時刻を設定するための画面(自動洗浄時刻セット画面)に切り替わる。自動洗浄時刻セット画面では、予約時刻を示す「時」及び「分」が表示されて、「時」に対応する数値にカーソルを合わせてキー等を押すことにより「時」に対応する数値が変更するようになっていると共に、「分」に対応する数値にカーソルを合わせてキー等を押すことにより「分」に対応する数値が変更するようになっている。これにより、洗浄を行う時刻を予約することができる。
【0026】
なお、カーソルの移動は、図6に示すように上キー76、下キー77等によって行うことができる。
図8は、洗浄モードの動作を示したものである。
洗浄モードでは、まず、現在の時刻が自動洗浄開始時刻になっているか否かを判定する(時刻判定工程S1)。即ち、時刻判定工程S1では、現在の時刻が洗浄予約機能(自動洗浄機能)によって設定した予約時刻になっているか否かを判定する。現在の時刻が予約時刻になっていると、洗米槽12による米の洗米動作が行われていないかどうかを判定する(洗米動作判定工程S2)。洗米動作判定工程S2では、例えば、計量部9を回転させる計量駆動装置8、攪拌部材21を回転させる攪拌駆動装置50のいずれかが作動しているときは、洗米動作が行われていると判断する(S2、No)。また、排米弁28を昇降させる昇降装置30、給水部15の開閉弁53、連動部材42を下方へ移動させる開閉駆動装置45のいずれかが、洗米を行うために動作している場合であっても、洗米動作が行われていると判断する(S2、No)。
【0027】
つまり、洗米動作判定工程S2では、上述した各種機器が、洗米動作を行うための動作に入っている段階(例えば、制御部16内において、洗米動作を行っているプログラムが作動している場合)であれば、洗米動作が行われていると判断し(S2、No)、洗米動作が行われていないと判断できれば(S2、yes)は次へ進む。
洗浄モードでは、米の洗米動作が行われていない場合(洗米動作判定工程S2、yes)、運転予約機能により運転が予約されているか否かを判断し(運転予約判定工程S3)、洗浄予約機能における予約時刻と運転予約機能に設定した時刻(炊き上がり時刻)から逆算したときの洗米時刻とがオーバラップしていないか(一致しているか否か)を判定する(予約時刻判定工程S4)。
【0028】
ここで、洗浄予約機能における予約時刻と運転予約機能における洗米時刻とが一致している場合(予約時刻判定工程S4、yes)は、洗浄モードを終了して、洗米動作に移行する。即ち、洗浄モードは、洗浄予約機能における予約時刻と運転予約機能における洗米時刻とがオーバラップした際には、洗米動作を優先する洗米優先工程を備えていて、これにより、自動洗浄よりも洗米を優先して、作業の効率化を図っている。
次に、洗浄モードでは、米の洗米動作が行われておらず、洗浄予約機能における予約時刻と運転予約機能における洗米時刻とがオーバラップしていない場合は、表示装置11の
表示部70に洗浄を行うことを示す表示をする(例えば、表示部にタンク洗浄中と表示するS5)。当然の如く、表示部70には、洗浄を行っていることが分かる表示であれば、どのような表示内容であってもよい。
【0029】
そして、指令信号により開閉駆動装置45を駆動させて連動部材42を上方へ移動させ(S6)、これにより、開閉部材35を閉鎖位置にする。開閉駆動装置45が所定時間(例えば、7秒間)駆動したか否かを判定して(S7)、所定時間が過ぎれば次の処理へ進む。開閉駆動装置45を所定時間動作させることによって、確実に開閉部材35を閉鎖することができる。
洗浄モードでは、給水部15から放出する流量(予定給水量)及び給水時間(予定給水時間)を制御部16に設けられた記憶部(不活性メモリー)から呼び出した後(S8)、給水部15の開閉弁53を開放して給水ノズル51から水を洗米タンク20へと供給する(S9)。なお、このステップにおいて、実績給水量及び実績給水時間のカウント(計量、計測)が開始されることになる。
【0030】
給水ノズル51による給水を開始してからの実績給水量が予め設定した予定給水量に達したか否かを判定する(給水量判定工程S10)。実績給水量が予定給水量(例えば、5L)に達していない場合は、給水ノズル51による給水を開始してからの実績給水時間が予定給水時間に達しているか否かを判定する(S11)。実績給水時間が予定給水時間に達していない場合は、給水量判定工程S10に戻り、実績給水時間が予定給水時間に達した場合は、次の処理へ進む。また、実績給水量が予定給水量に達した場合も、次の処理へ進む。そして、給水部15の開閉弁53を閉鎖して給水ノズル51からの洗米タンク20への水の供給を停止する(S12)。
【0031】
ステップ9(S9)〜ステップ12(S12)の処理によって、洗浄を行うために洗米タンク20に水を溜める処理を行っている(給水貯留工程)。洗米タンク20に水か溜まった状態では、排水ジャケット13内やパイプ34内も水が一時的に貯留しており、排水ジャケット13から排水ボックス14に至る経路に水が溜められたものとなっている。
次に、実績給水量及び実績給水時間をクリア(零にリセット)し(S13)、指令信号により攪拌駆動装置50を駆動させて攪拌部材21を回転させる(攪拌洗浄工程S14)。そして、攪拌駆動装置50が駆動した時間(攪拌駆動装置50が駆動を開始してからの時間)、即ち、攪拌部材21が回転した時間(攪拌部材21が回転を開始してからの時間)が予め設定した予定駆動時間(例えば、10秒間)になったか否かを判定する(S15)。
【0032】
攪拌駆動装置50が駆動した時間(攪拌部材21が回転した時間)が予定駆動時間になると、攪拌駆動装置50を停止すると共に、指令信号により開閉駆動装置45を停止して連動部材42を下方へ移動させ、これにより、開閉部材35を開放状態にする(排水工程S16)。
そして、開閉駆動装置45を停止してからの時間(開閉部材35が開放状態にしてからの時間)、が予め設定した最低開放時間(例えば、60秒間)になったか否かを判定する(S17)。そして、開閉部材35が停止してからの時間(開閉部材35が開放状態になってからの時間)が最低開放時間になると、攪拌駆動装置50を再び駆動させて攪拌部材21の回転を再開する(S18)。
【0033】
表示装置11の表示部70に洗浄が終了したことを示す表示をする(例えば、表示部に洗浄完了と表示するS19)。当然の如く、表示部70には、洗浄が完了したことが分かる表示であれば、どのような表示内容であってもよい。
また、表示装置11に設けたブザーなどの報知部81を作動させて洗浄が終了したことを示す音を発生させる(S20)。なお、報知部81による音の発生は、所定時間行う(例えば、5秒、S21)。そして、所定時間が経過すると、表示装置11の表示部70に運転前の状態である表示を行う。即ち、炊飯機1を洗浄動作前の状態に戻す(S22)。
【0034】
洗浄が終了すると、運転予約機能により運転が予約されているか否かを判断し(S23)、運転の予約がされていれば、運転予約機能において設定さた予約時刻を逆算して、その予約時刻から求められる洗米時刻(洗米を開始する時刻)が、現在の時刻(洗浄終了時
刻)からみて既に経過しているか否かを判定する(S24)。洗米時刻が、現在の時刻から見て過ぎている場合は、即座に、各種機器を洗米動作に移行させて洗米動作に入る(S25)。洗米開始時刻が過ぎていない場合は、炊飯機を洗浄動作前の状態にて待機させる。
【0035】
本発明によれば、洗浄モードは、洗米槽12による米の洗米動作が行われているか否かを判定する洗米動作判定工程S2と、洗米動作が行われていないときに給水部15を動作させて洗米槽12に水を溜める給水貯留工程S9〜S12と、開閉部材35を閉状態から開状態に動作させることで洗米槽12に溜められた水を流す排水工程S16とを備えていることから、給水貯留工程にて洗米槽12内に溜めた水を一挙に排水ボックス14へと流すことができ、水の勢いにて排水ジャケット13から排水ボックス14に至る経路を洗浄することができる。即ち、洗米タンク20内の水は、排水ジャケット13内を通り漏斗部材31の孔を通過してパイプ34へと流れ、漏斗部材31に付着した付着物と共に、排水ボックス14内へ流れて、排水口47から外部へと流れる。
【0036】
洗米装置3を繰り返し使用すると、特に、漏斗部材31には米ぬかなどが付着するが、この洗浄によって漏斗部材31の周りの付着物を水の勢いによって除去することができ、漏斗部材31を洗浄することができる。しかも、本発明の洗浄モードによれば、排水ジャケット13内及び排水ボックス14内を水が勢いよく流れるため、当該水により排水ジャケット13内及び排水ボックス14内を洗浄することができる。
また、洗浄モードは、洗米槽12に設けられた米を攪拌する攪拌部材21を回転動作させながら洗浄を行う攪拌洗浄工程S14を備えていることから、洗米タンク20内に水を貯留した状態で、攪拌部材21により洗米タンク20内の水を攪拌することになり、当該攪拌力により洗米タンク20内及び洗米タンク20に連通する排水ジャケット13内の汚れを落とすことができる。特に、攪拌部材21により水を攪拌することによって、漏斗部材31に付着した頑固な汚れも剥ぎ落とすことができる。
【0037】
洗浄モードには、洗浄を行う時刻を予約する洗浄予約機能が備えられ、制御部16は、洗米槽12により米を洗米する時刻を予約する運転予約機能が備えられており、洗浄モードは、洗浄予約機能における予約時刻と運転予約機能における洗米開始時刻とがオーバラップした際には、洗米動作を優先する洗米優先工程を備えていることから、洗浄よりも洗米動作を優先させることができ、洗浄する機能が備えられていながら、洗米動作を妨げることはない。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0038】
上記の実施形態では、炊飯機1に具備された洗米装置3を例示しているが、洗米装置3のみの装置であってもよいし、貯米庫2が備えられていない炊飯機1にも適用することができ、炊飯器4が備えられていないような装置に対しても適用することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 炊飯機
3 洗米装置
12 洗米槽
16 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を洗米する洗米槽と、この洗米槽内からの排水を受ける排水ジャケットと、この排水ジャケットに連通する連通路を開閉にする開閉部材を備えた排水ボックスと、前記洗米槽に給水を行う給水部と、少なくとも洗米槽の動作を制御する制御部を備えた洗米装置において、
前記制御部は、排水ジャケットから排水ボックスに至る経路の洗浄を行う洗浄モードを備えており、
前記洗浄モードは、前記洗米槽による米の洗米動作が行われているか否かを判定する洗米動作判定工程と、前記洗米動作が行われていないときに前記給水部を動作させて洗米槽に水を溜める給水貯留工程と、前記開閉部材を閉状態から開状態に動作させることで前記洗米槽に溜められた水を流す排水工程とを備えていることを特徴とする洗米装置。
【請求項2】
前記洗浄モードは、洗米槽に設けられた米を攪拌する攪拌部材を回転動作させながら洗浄を行う攪拌洗浄工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載の洗米装置。
【請求項3】
前記洗浄モードには、洗浄を行う時刻を予約する洗浄予約機能が備えられ、制御部には、運転する時刻を予約する運転予約機能が備えられており、洗浄モードは、前記洗浄予約機能における予約時刻と運転予約機能の運転時刻により求められる洗米開始時刻とがオーバラップした際には、洗米動作を優先する洗米優先工程を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗米装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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