説明

洗車用ブラシ

【課題】軽量化や耐久性が向上し、取扱い容易で、凹凸部の汚れを確実に、迅速に、綺麗に落とせ、水を節約でき、経済的に優れ、構成簡素で、量産し易く、ブラシヘッドを互換装着でき、作業者の負担を軽減し、作業性に優れ、作業効率も良く、水の流路の開閉及び流量調節が行え、使い勝手が良い洗車用ブラシを提供する。
【解決手段】柄AとブラシヘッドBとからなり、カプラー4は、送水用ホースHが接続可能で、送水パイプ2は、軽量で、送水用ホースHより小径に構成し、調節バルブ3は、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が可能で、接続管10は、ブラシ保持ナット13が螺着可能で、ブラシ台板5には、接続管10が遊挿可能な透孔5aと、凹部5bとを設け、接続管10に対してブラシ台板5が旋回可能で、上下方向に所定範囲内で揺動可能となるようブラシ保持ナット13を接続管10に螺着できるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、適宜業務用車両(例えば、タクシーや、トラックや、ゴミ収集車や、土木建設用車両等)のボディーや車両の下側部分(例えば、シャーシ部分や、タイヤや、ホイール部分等)の汚れを落とせるようにした洗車用ブラシに係り、特に、その軽量化や耐久性の向上等が図れ、取扱いが容易となり、汚れを確実に且つ迅速に落とせ、洗車に使用される水の節約が可能となり、経済的にも優れ、作業者による洗車作業の負担をより軽減できるように工夫した洗車用ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗車用ブラシとしては種々のものが提供或いは提案されており、例えば、図5の(イ)や、特許文献1に示されているような洗車用ブラシがある。これらは、ブラシ台部分と柄が一体的に形成されたもので、例えば、車両の比較的平らな部分(ボディー部分等)を洗う場合にはブラシの毛先部分が全体的に当り、綺麗に洗うことができるように構成されたものである。
また、特許文献2に示すような洗浄用ブラシが創出されており、これは、柄の基端部分にホースの取付部を設け、この取付部から洗車用の水が柄内を通過してブラシ部分に吐出するように構成したものである。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3091079号公報
【特許文献2】特開平11−151120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前者の如き洗車用ブラシにあっては、例えば、凹んだ隅部の汚れを洗って落とそうとすると、ブラシの毛先全体を当てて洗うことができない場合もあり、そのときは、ブラシ本体の一部(先端がわ部分)のみが当って、この部分が消耗・変形し易くなる難点があった(例えば、図5の(イ)参照)。しかも、ブラシ本体の一部が消耗・変形してしまうと、洗車用ブラシ自体を新しいものに交換する必要があり、経済的な問題点や環境上の問題点もあった。
更に、ブラシ台の幅と長さを異ならしめてある洗車用ブラシにあっては、ブラシ台を旋回せしめてその幅と長さの違いを利用した効率の良い洗車作業が期待できない難点もあった。
加えて、凹凸部分等を洗う場合や、車両の下側部分を洗う場合は、作業者が姿勢を変えたり、手の角度を変えたり、或いは、かなり窮屈な姿勢で洗車作業を行うため、作業者の負担が大きい難点等があった。
【0005】
また、後者の如き洗車用ブラシにあっては、例えば、柄を長く形成すればする程、かなりの重量の水が柄内に常時入っている状態での作業となり、洗車用ブラシが重くなり、これを作業者が持って長時間洗車作業を続けることは、かなりの重労働となる難点があった。特に、業務用車両(例えば、タクシーや、トラックや、ゴミ収集車や、土木建設用車両等)のように、洗車作業を行わなければならない車両台数が多い場合は、作業者の負担が非常に大きく、疲労のため作業効率の低下も生じる等の問題点もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は前述の如き難点等を解消できるようにすべく創出されたもので、請求項1記載の洗車用ブラシにあっては、適宜柄Aと、この柄Aの先端部分に互換装着可能な適宜ブラシヘッドBとを備えた洗車用ブラシであって、柄Aは、柄本体1と、この柄本体1の基端部分に装着されるカプラー4と、柄本体1の先端部分に装着される接続管10と、柄本体1に内装される送水パイプ2と、柄本体1の基端がわ部分に配される調節バルブ3とを備え、カプラー4は、送水用ホースHが接続可能となるよう構成し、送水パイプ2は、カプラー4と接続管10を連通すると共に、軽量で且つ送水用ホースHより小径に構成し、調節バルブ3は、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が可能となるよう構成し、接続管10は、その先端部分にブラシ保持ナット13が螺着可能に形成され、ブラシヘッドBは、ブラシ台板5と、このブラシ台板5の下面に装着されるブラシ本体6とを備え、ブラシ台板5には、接続管10が遊挿可能な透孔5aと、透孔5aの下面がわ開口周縁部分に形成される凹部5bとを設け、接続管10に対してブラシ台板5が旋回可能で且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動可能となるように、ブラシ保持ナット13を接続管10に螺着できるよう構成する手段を採用した。
【0007】
また、請求項2記載の洗車用ブラシにあっては、適宜柄Aと、この柄Aの先端部分に形成した取付け部に互換装着可能な適宜ブラシヘッドBとを備えた洗車用ブラシであって、柄Aは、柄本体1と、この柄本体1の基端部分に装着されるカプラー4と、柄本体1の先端部分に装着される接続管10と、柄本体1に内装される送水パイプ2と、柄本体1の基端がわ部分に配される調節バルブ3とを備え、カプラー4は、その基端部に送水用ホースHが接続可能となるよう構成し、送水パイプ2は、カプラー4と接続管10を連通すると共に、軽量で且つ送水用ホースHより小径となる弾性復元力を備えたエアーホースによって構成し、調節バルブ3は、送水パイプ2の一部を圧迫することにより、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が可能となるよう構成し、接続管10は、その先端外周面にブラシ保持ナット13が螺着可能な雄ネジ部11が形成され、ブラシヘッドBは、略楕円板状のブラシ台板5と、このブラシ台板5の下面に装着されるブラシ本体6とを備え、ブラシ台板5は、その中央部分に接続管10が遊挿可能な透孔5aを穿設すると共に、その下面に透孔5a開口周縁部分を刳り貫くようにした凹部5bを形成し、一対のワッシャー12を所定の隙間を介してブラシ台板5の透孔5a部分を上下から挟むように配置すると共に、接続管10の雄ネジ部11にブラシ保持ナット13を螺着せしめて前記隙間を維持できるように形成し、接続管10に対してブラシ台板5が旋回可能で且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動可能となるように構成する手段を採用した。
【0008】
更に、請求項3記載の洗車用ブラシにあっては、前記ブラシ保持ナット13は、蝶ナットで構成し、その先端がわネジ孔内表面にストッパー14を周設し、このストッパー14が接続管10先端面に当接したときに前記隙間が所定の間隔となるように構成する手段を採用した。
【発明の効果】
【0009】
従って、本発明の請求項1記載の洗車用ブラシによれば、その軽量化や耐久性の向上等が図れ、取扱いが容易となり、汚れを確実に且つ迅速に落とせ、洗車に使用される水の節約が可能となり、経済的にも優れ、作業者による洗車作業の負担をより軽減できるようになる。しかも、構成が比較的簡素となり、量産し易く、経済性の優れたものとなる。
特に、適宜業務用車両(例えば、タクシーや、トラックや、ゴミ収集車や、土木建設用車両等)のボディーや車両の下側部分(例えば、シャーシ部分や、タイヤや、ホイール部分等)の汚れを落とすのに最適な洗車用ブラシとなる。
【0010】
更に、本発明の洗車用ブラシにあっては、例えば、凹んだ隅部の汚れを洗って落とそうとすると、ブラシ本体6全体の毛先が凹凸部に確実に当るようになり、この凹凸部を綺麗に洗えるようになると共に、ブラシ本体6の一部(先端がわ部分)のみが消耗・変形するような虞のないものとなる。
しかも、ブラシ本体6が消耗・変形した時は、ブラシヘッドB自体を新しいものに互換装着でき、経済的な洗車用ブラシとなる。
そして、凹凸部分等を洗う場合や、車両の下側部分を洗う場合は、柄Aに対してブラシヘッドBを旋回させたり上下方向に於いて揺動させたりでき、作業者が姿勢を変えたり、手の角度を変えたり、或いは、かなり窮屈な姿勢で洗車作業を行わなくて済むことが多くなり、作業者の負担をかなり軽減できるようになる。
【0011】
加えて、柄本体1に内装される送水パイプ2は、カプラー4と接続管10を連通すると共に、軽量で且つ送水用ホースHより小径に構成したので、例えば、柄Aを長く形成してあったとしても、送水パイプ2内の水の重量が少ない状態で作業できるようになり、これを作業者が持って長時間洗車作業を続けたとしても、その負担をかなり軽減できるようになると共に、作業効率も良くなる。しかも、水の流速が速くなり、水を勢いよく噴出できるようになる。
【0012】
更に、柄本体1の基端がわ部分に調節バルブ3を配し、この調節バルブ3は、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が可能となるよう構成したので、比較的簡単な構成で、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が行えるようになると共に、この調節等が作業者の手元で確実に且つ簡単に行えるようになり、作業性に優れ、使い勝手の良いものとなる。ひいては、水のこまめな供給が可能となり、水を効率良く利用でき、水を無駄にする虞のないものとなる。
【0013】
また、本発明の請求項2記載の洗車用ブラシによれば、その軽量化や耐久性の向上等が図れ、取扱いが容易となり、汚れを確実に且つ迅速に落とせ、洗車に使用される水の節約が可能となり、経済的にも優れ、作業者による洗車作業の負担をより軽減できるようになる。しかも、構成が比較的簡素となり、量産し易く、経済性の優れたものとなる。
特に、適宜業務用車両(例えば、タクシーや、トラックや、ゴミ収集車や、土木建設用車両等)のボディーや車両の下側部分(例えば、シャーシ部分や、タイヤや、ホイール部分等)の汚れを落とすのに最適な洗車用ブラシとなる。
【0014】
更に、本発明の洗車用ブラシにあっては、例えば、凹んだ隅部の汚れを洗って落とそうとすると、ブラシ本体6全体の毛先が凹凸部に確実に当るようになり、この凹凸部を綺麗に洗えるようになると共に、ブラシ本体6の一部(先端がわ部分)のみが消耗・変形するような虞のないものとなる。
しかも、ブラシ本体6が消耗・変形した時は、ブラシヘッドB自体を新しいものに互換装着でき、経済的な洗車用ブラシとなる。
そして、凹凸部分等を洗う場合や、車両の下側部分を洗う場合は、柄Aに対してブラシヘッドBを旋回させたり上下方向に於いて揺動させたりでき、作業者が姿勢を変えたり、手の角度を変えたり、或いは、かなり窮屈な姿勢で洗車作業を行わなくて済むことが多くなり、作業者の負担をかなり軽減できるようになる。
【0015】
それから、ブラシ台板5を楕円板状としてあるので、柄Aに対してブラシヘッドBのブラシ台板5を旋回させることで、ブラシ台板5の幅と長さの違いを利用した効率の良い洗車作業が期待できるようになる。
【0016】
加えて、柄本体1に内装される送水パイプ2は、カプラー4と接続管10を連通すると共に、軽量で且つ送水用ホースHより小径となる弾性復元力を備えたエアーホースによって構成したので、例えば、柄Aを長く形成してあったとしても、送水パイプ2内の水の重量が少ない状態で作業できるようになり、これを作業者が持って長時間洗車作業を続けたとしても、その負担をかなり軽減できるようになると共に、作業効率も良くなる。しかも、水の流速が速くなり、水を勢いよく噴出できるようになる。加えて、より軽量で耐久性の優れた送水パイプ2となる。
【0017】
更に、柄本体1の基端がわ部分に調節バルブ3を配し、この調節バルブ3は、送水パイプ2の一部を圧迫することにより、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が可能となるよう構成したので、より簡単な構成で、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が作業者の手元で確実に且つ簡単に行えるようになり、作業性に優れ、使い勝手の良いものとなる。ひいては、水のこまめな供給が可能となり、水を効率良く利用でき、水を無駄にする虞のないものとなる。しかも、故障し難く、メンテナンス等もより容易となる。
また、カプラー4は、その基端部に送水用ホースHが接続可能となるよう構成したので、送水用ホースHの接続、取外し作業が簡単に行えるようになる。
【0018】
特に、接続管10は、その先端外周面にブラシ保持ナット13が螺着可能な雄ネジ部11が形成され、ブラシヘッドBは、略楕円板状のブラシ台板5と、このブラシ台板5の下面に装着されるブラシ本体6とを備え、ブラシ台板5は、その中央部分に接続管10が遊挿可能な透孔5aを穿設すると共に、その下面に透孔5a開口周縁部分を刳り貫くようにした凹部5bを形成し、一対のワッシャー12を所定の隙間を介してブラシ台板5の透孔5a部分を上下から挟むように配置すると共に、接続管10の雄ネジ部11にブラシ保持ナット13を螺着せしめて前記隙間を維持できるように形成し、接続管10に対してブラシ台板5が旋回可能で且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動可能となるよう構成したので、凹凸部分等を洗う場合や、車両の下側部分を洗う場合は、柄Aに対してブラシヘッドBを旋回させたり上下方向に於いて揺動させたりでき、作業者が姿勢を変えたり、手の角度を変えたり、或いは、かなり窮屈な姿勢で洗車作業を行わなくて済むことが多くなり、作業者の負担をかなり軽減できるようになる。
【0019】
しかも、ブラシ台板5の上下方向に於ける揺動可能範囲を所定範囲内に限定してあることにより、所定範囲ぎりぎりに揺動している場合に、柄Aに加えられる力をブラシ台板5に確実に伝えられるようになり、強い力をブラシ台板5に伝えて洗うことができるようになる。加えて、雄ネジ部11とブラシ保持ナット13とによって、揺動可能範囲を簡単に且つ細かく設定変更できるようになる。
【0020】
更に、本発明の請求項3記載の洗車用ブラシによれば、工具等を利用しなくてもブラシ保持ナット13を回転せしめられるようになり、ブラシヘッドBの互換装着や、揺動可能範囲の設定変更等が簡単に且つ確実に行えるようになる。
しかも、ストッパー14を設けたことにより、このストッパー14を接続管10先端面に当接せしめるだけで、一対のワッシャー12でブラシ台板5の透孔5a部分を上下から挟むように配置したときに形成される隙間が所定の間隔となり、この隙間を確実に維持できるようになり、その取り扱いがより簡単なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を図示例に基づいて説明すると、次の通りである。
本発明の洗車用ブラシは、主に、適宜業務用車両(例えば、タクシーや、トラックや、ゴミ収集車や、土木建設用車両等)のボディーや車両の下側部分(例えば、シャーシ部分や、タイヤや、ホイール部分等)の汚れを確実に且つ簡単に落とせるようにしたもので、具体的には、適宜柄Aと、この柄Aの先端部分に互換装着可能に構成される適宜ブラシヘッドBとからなるものである。
そして、柄Aは、柄本体1と、この柄本体1の基端部分に装着されるカプラー4と、柄本体1の先端部分に装着される接続管10と、柄本体1に内装される送水パイプ2と、柄本体1の基端がわ部分に配される調節バルブ3とを備えた構成となっている。
しかも、カプラー4は、送水用ホースHが接続可能となるよう構成し、送水パイプ2は、カプラー4と接続管10を連通すると共に、軽量で且つ送水用ホースHより小径に構成し、調節バルブ3は、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が可能となるよう構成し、接続管10は、その先端部分にブラシ保持ナット13が螺着可能となるように構成してある。
更に、ブラシヘッドBは、ブラシ台板5と、このブラシ台板5の下面に装着されるブラシ本体6とを備えた構成となっている。
しかも、ブラシ台板5には、接続管10が遊挿可能な透孔5aと、透孔5aの下面がわ開口周縁部分に形成される凹部5bとを設け、接続管10に対してブラシ台板5が旋回可能で且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動可能となるように、ブラシ保持ナット13を接続管10に螺着できるよう構成したものである。
【実施例】
【0022】
前記柄Aは、その先端部分に形成した取付け部に、ブラシヘッドBが互換装着可能となるよう形成してあり、例えば、柄本体1と、送水パイプ2と、調節バルブ3と、カプラー4と、接続管10とを備えたものである。
【0023】
そして、前記柄本体1は、例えば、適宜合成樹脂材等によって略長尺中空状(尚、一部或いは全部が開放状態となるように構成されたものであっても良い)に形成されると共に、洗車部位等に応じて長く形成したものから短く形成したものまで適宜長さに自由に設定できるように形成されている。しかも、その基端がわ部分は、手指で安定的に且つ確実に握持できるよう形成され、更に、全体的に必要な強度を備えると共に、できる限り軽量となるように構成されている。
【0024】
前記送水パイプ2は、例えば、空圧用ホースである軽くて丈夫なエアーホースによって構成してあると共に、柄本体1内に収まるように配されており、更に、柄本体1の基端部分に装着されるカプラー4の先端部分にその一端部分が接続され、柄本体1の先端部分に装着される接続管10の基端部分にその他端部分が接続されて、カプラー4と接続管10とを連通できるように形成されている。しかも、送水パイプ2は、送水用ホースH(例えば、外径21mmで内径18mm)より小径(例えば、外径8mmで内径5mm)で軽量なものが使用され、その一部を圧迫変形(圧潰)してもその弾性復元力によって流路を復元できるように構成されたものが使用される。すなわち、小径で軽量とすることにより、送水パイプ2内の水の重量が少ない状態で作業できるようにして、作業者の重量的な負担を軽減できるように形成し、また、小径とすることにより、水の流速を速めて、水を勢いよく噴出して綺麗に洗えるように形成してある。しかも、弾性復元力を備えていることにより、調節バルブ3による送水パイプ2の一部の圧迫変形がスムーズに行えて、送水パイプ2内の流路の開閉及び流量調節が確実に、簡単に、且つ細かく調節できるように形成されている。
【0025】
前記調節バルブ3は、例えば、適宜金属材や、適宜合成樹脂材や、適宜複合材等によって構成されている。そして、雄ネジ状の軸部と、この軸部の上端部分に連設される頭部とからなるバルブ本体によって構成し、軸部は、柄本体1の基端部分に螺着され、頭部を手指で摘んで正逆回転せしめることにより、軸部の先端面部分で送水パイプ2の一部を圧迫変形せしめられるように構成されている。すなわち、送水パイプ2の一部を圧迫変形することにより、その断面積を変化せしめて流量調節が細かく行え、押し潰すようにすることにより、流路を遮断できるように構成されている。
尚、調節バルブ3は、市販されているようなバルブ装置を送水パイプ2の途中に(或いは、カプラー4と送水パイプ2の間に)介装するようにしたものであっても良い。
【0026】
前記カプラー4は、例えば、適宜合成樹脂材(適宜金属材や適宜複合材でも良い)によって略筒状に形成されており、カプラー4の基端部分は送水用ホースHが取外し可能に接続できるように形成され、カプラー4の先端部分は送水パイプ2の一端部分が接続できるように構成されている。しかも、カプラー4は柄本体1の基端部分に固定されると共に、カプラー4の基端部分が柄本体1の基端外方に露出するように構成されていて、送水用ホースHの接続、取外しが確実に且つ簡単に行えるように構成されている。
尚、カプラー4に前記調節バルブ3等を組込むように構成しても良い。
【0027】
前記接続管10は、例えば、適宜合成樹脂材(適宜金属材や適宜複合材でも良い)によって略筒状に形成されており、接続管10の基端部分は送水パイプ2の他端部分が接続できるように形成され、接続管10の先端がわ部分にはブラシヘッドBが装着できるように構成されている。しかも、接続管10は柄本体1の先端部分に固定されると共に、接続管10の先端部分が柄本体1の先端外方に露出するように構成されている。尚、接続管10は、その筒芯が柄本体1の長手方向に対して鈍角となるような適宜角度に配されており、柄本体1を握持したときに、ブラシヘッドBのブラシ本体6の毛先が、車両の凹凸部分に対応して均一に接触できるように配慮してある。
【0028】
また、接続管10の先端がわ外周面には、雄ネジ部11が形成されており、この雄ネジ部11を利用してブラシ保持ナット13が螺着できるように構成してある。
【0029】
前記ブラシヘッドBは、ブラシ台板5と、ブラシ台板5の下面に装着(例えば、植設)される多数の毛からなるブラシ本体6とを備えたもので、ブラシ本体6が摩耗、変形したときに、ブラシ台板5部分を利用して柄Aの先端部分の取付け部の接続管10に互換装着可能となるように構成したものである。
【0030】
前記ブラシ台板5は、例えば、適宜合成樹脂材(適宜木材や適宜複合材でも良い)によって略楕円板状に形成されており、ブラシ台板5の中央部分には、接続管10の外径より稍大きい内径となって、接続管10が遊挿可能となるような透孔5aを穿設してある。すなわち、ブラシ台板5の透孔5aは、接続管10に対してブラシ台板5が旋回可能で且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動可能となるように構成されている。
更に、ブラシ台板5の下面中央には、透孔5aの開口周縁部分を大きく刳り貫くようにした円形の凹部5bを形成してある。すなわち、この凹部5bは、接続管10に螺着されるブラシ保持ナット13の殆どの部分が回転可能な状態で収まるように構成されていて、ブラシ保持ナット13が洗車の邪魔にならないようにしてある。
しかも、ブラシ台板5は、中空状に形成して、その軽量化が図れるようにしてある。
また、略楕円板状に形成してあり、柄Aに対してブラシヘッドBのブラシ台板5を旋回させることにより、ブラシ台板5の幅と長さの違いを利用した効率の良い洗車作業が可能となるように形成してある。例えば、図6に示すように、ブラシヘッドBの長軸が柄Aの長手方向に沿うようにブラシヘッドBを旋回せしめ、柄Aの長手方向に対して直交する方向にブラシヘッドBを移動させて、効率良く洗車したり、或いは、ブラシヘッドBの長軸が柄Aの長手方向に対して直交するようにブラシヘッドBを旋回せしめ、柄Aの長手方向に沿ってブラシヘッドBを移動させて、効率良く洗車したりできるように形成してある。
【0031】
前記ブラシ本体6は、例えば、多数の毛をブラシ台板5下面に直角に植設することにより形成されたものである。尚、ブラシ本体6の構成や、寸法や、材質や、数や、配列状態や、固定手段等は適宜設定、変更可能となるものである。
【0032】
図中12は、例えば、接続管10が挿通されると共に、ブラシ台板5の透孔5a部分を上下から挟むように配置される一対の平ワッシャーである。そして、このワッシャー12は、接続管10の雄ネジ部11にブラシ保持ナット13を螺着せしめたときに、柄本体1の先端部分と上部ワッシャー12との間、或いは、上部ワッシャー12とブラシ台板5上面との間、或いは、ブラシ台板5の凹部5b奥面と下部のワッシャー12との間、或いは、下部のワッシャー12とブラシ保持ナット13との間に適宜隙間を設けられるように配されている。しかも、この隙間は、維持されると共に、接続管10に対してブラシ台板5が旋回できて、且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動できるように構成されている。すなわち、ブラシ台板5が所定範囲ぎりぎりに揺動している場合に、柄Aに加えられる力をブラシ台板5に確実に伝えられるようにして、強い力をブラシ台板5に伝えて洗うことができるように形成してある。尚、この隙間は、ブラシ保持ナット13の雄ネジ部11への螺着位置によって、その揺動可能範囲を簡単に且つ細かく設定変更できるように形成されている。
【0033】
更に、前記ブラシ保持ナット13は、例えば、蝶ナットで構成されている。すなわち、工具等を利用しなくてもブラシ保持ナット13を回転せしめられるようになり、ブラシヘッドBの互換装着等が簡単に且つ確実に行えるように構成してある。尚、このブラシ保持ナット13は、緩み止め付ナットや、その他のナットで構成しても良い。
【0034】
また、ブラシ保持ナット13の先端がわネジ孔内表面には、ストッパー14が周設されており、このストッパー14は、接続管10先端面に当接できるように形成されている。すなわち、ストッパー14は、接続管10先端面に当接して、それ以上のネジ込み操作を不能とし、このときに、前記隙間(柄本体1の先端部分と上部ワッシャー12との間、或いは、上部ワッシャー12とブラシ台板5上面との間、或いは、ブラシ台板5の凹部5b奥面と下部のワッシャー12との間、或いは、下部のワッシャー12とブラシ保持ナット13との間の所定の隙間)が確実に設けられるように構成しておく。しかも、ストッパー14が接続管10先端面に圧止されるようになれば、ブラシ保持ナット13の緩み止めともなる。
【0035】
図中15は、例えば、適宜厚みに形成される略リング状のスペーサーで、このスペーサー15は、ストッパー14と接続管10の先端面との間に介装されて、前記隙間を微調節できるように設けられるものである。すなわち、ブラシ台板5の上下方向に於ける揺動可能範囲を所定範囲内に限定できるようにして、所定範囲ぎりぎりに揺動している状態のときに、柄Aに加えられる力をブラシ台板5に確実に伝えられるようにし、強い力をブラシ台板5に伝えて洗うことができるように構成してある。
【0036】
前記送水用ホースHは、水を洗車用ブラシに確実に送給できるものであれば良く、例えば、外径が16mmで内径が15mmのものや、外径が21mmで内径が18mmのもの等が利用される。
【0037】
ところで、洗車用ブラシの具体的構成、形状、寸法、材質、柄Aの具体的構成、形状、寸法、材質、ブラシヘッドBの具体的構成、形状、寸法、材質、柄Aの長手方向に対する取付け角度、柄本体1の具体的構成、形状、寸法、材質、送水パイプ2の具体的構成、形状、寸法、材質、調節バルブ3の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、カプラー4の具体的構成、形状、寸法、材質、ブラシ台板5の具体的構成、形状、寸法、材質、透孔5aの具体的構成、形状、寸法、配設位置、凹部5bの具体的構成、形状、寸法、配設位置、ブラシ本体6の具体的構成、形状、寸法、材質、接続管10の具体的構成、形状、寸法、材質、雄ネジ部11の具体的構成、形状、寸法、配設位置、ワッシャー12の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、ブラシ保持ナット13の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、ストッパー14の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、スペーサー15の具体的構成、形状、寸法、材質等は図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。
【0038】
尚、本発明の洗車用ブラシは、柄Aを、高圧洗浄機に置き換えて構成したものであっても良い。すなわち、高圧洗浄機の先端部分にブラシヘッドBを装着できるように構成したものであっても良い(図8の(ロ)参照)。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の洗車用ブラシを例示する断面図である。
【図2】本発明の洗車用ブラシのブラシヘッド及び取付け部部分を例示する部分分解斜視図である。
【図3】本発明の洗車用ブラシのブラシヘッド及び取付け部部分を例示する部分断面図である。
【図4】本発明の洗車用ブラシのブラシ保持ナット及び接続管部分を例示する部分断面図で、(イ)は部分分解断面図、(ロ)は部分断面図、(ハ)は他の部分断面図である。
【図5】本発明の洗車用ブラシと従来の洗車用ブラシの使用状態を例示するもので、(イ)は従来の洗車用ブラシの使用状態を例示する正面図、(ロ)は本発明の洗車用ブラシの使用状態を例示する正面図である。
【図6】本発明の洗車用ブラシの使用状態を例示するもので、(イ)はブラシヘッドの長軸が柄の長手方向に沿うようにブラシヘッドを旋回せしめ、柄の長手方向に対して直交する方向にブラシヘッドを移動させる状態を示す平面図、(ロ)はブラシヘッドの長軸が柄の長手方向に対して直交するようにブラシヘッドを旋回せしめ、柄の長手方向に沿ってブラシヘッドを移動させる状態を示す平面図である。
【図7】本発明の洗車用ブラシの使用状態を例示する斜視図である。
【図8】本発明の洗車用ブラシの実施例を例示するもので、(イ)は比較的短い柄にブラシヘッドを装着した洗車用ブラシの部分断面図、(ロ)は高圧洗浄機を利用した柄にブラシヘッドを装着した洗車用ブラシの部分断面図、(ハ)は比較的長い柄にブラシヘッドを装着した洗車用ブラシの部分断面図である。
【符号の説明】
【0040】
A 柄
B ブラシヘッド
1 柄本体
2 送水パイプ
3 調節バルブ
4 カプラー
5 ブラシ台板
5a 透孔
5b 凹部
6 ブラシ本体
10 接続管
11 雄ネジ部
12 ワッシャー
13 ブラシ保持ナット
14 ストッパー
15 スペーサー
H 送水用ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適宜柄と、この柄の先端部分に互換装着可能な適宜ブラシヘッドとを備えた洗車用ブラシであって、柄は、柄本体と、この柄本体の基端部分に装着されるカプラーと、柄本体の先端部分に装着される接続管と、柄本体に内装される送水パイプと、柄本体の基端がわ部分に配される調節バルブとを備え、カプラーは、送水用ホースが接続可能となるよう構成し、送水パイプは、カプラーと接続管を連通すると共に、軽量で且つ送水用ホースより小径に構成し、調節バルブは、送水パイプ内の流路の開閉及び流量調節が可能となるよう構成し、接続管は、その先端部分にブラシ保持ナットが螺着可能に形成され、ブラシヘッドは、ブラシ台板と、このブラシ台板の下面に装着されるブラシ本体とを備え、ブラシ台板には、接続管が遊挿可能な透孔と、透孔の下面がわ開口周縁部分に形成される凹部とを設け、接続管に対してブラシ台板が旋回可能で且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動可能となるように、ブラシ保持ナットを接続管に螺着できるよう構成したことを特徴とする洗車用ブラシ。
【請求項2】
適宜柄と、この柄の先端部分に形成した取付け部に互換装着可能な適宜ブラシヘッドとを備えた洗車用ブラシであって、柄は、柄本体と、この柄本体の基端部分に装着されるカプラーと、柄本体の先端部分に装着される接続管と、柄本体に内装される送水パイプと、柄本体の基端がわ部分に配される調節バルブとを備え、カプラーは、その基端部に送水用ホースが接続可能となるよう構成し、送水パイプは、カプラーと接続管を連通すると共に、軽量で且つ送水用ホースより小径となる弾性復元力を備えたエアーホースによって構成し、調節バルブは、送水パイプの一部を圧迫することにより、送水パイプ内の流路の開閉及び流量調節が可能となるよう構成し、接続管は、その先端外周面にブラシ保持ナットが螺着可能な雄ネジ部が形成され、ブラシヘッドは、略楕円板状のブラシ台板と、このブラシ台板の下面に装着されるブラシ本体とを備え、ブラシ台板は、その中央部分に接続管が遊挿可能な透孔を穿設すると共に、その下面に透孔開口周縁部分を刳り貫くようにした凹部を形成し、一対のワッシャーを所定の隙間を介してブラシ台板の透孔部分を上下から挟むように配置すると共に、接続管の雄ネジ部にブラシ保持ナットを螺着せしめて前記隙間を維持できるように形成し、接続管に対してブラシ台板が旋回可能で且つ上下方向に於いて所定範囲内で揺動可能となるように構成したことを特徴とする洗車用ブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ保持ナットは、蝶ナットで構成し、その先端がわネジ孔内表面にストッパーを周設し、このストッパーが接続管先端面に当接したときに前記隙間が所定の間隔となるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の洗車用ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−196590(P2009−196590A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42976(P2008−42976)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(505388115)
【Fターム(参考)】