説明

津波避難シェルター

【課題】大津波から人命を守る浮力作用性能と強度と耐衝撃性が高い構造体で、反転機能を有し、一般庶民でも大津波に備え住居地などの間近に配置できるようにした津波避難シェルターを提供する。。
【解決手段】津波避難シェルター本体1を箱形密閉式構造にして浮力効果を高め、本体構造の素材を比重が軽く強度と耐衝撃性が高い材質で構成した合成板とし、その合成板の強度と耐衝撃性能及び浮力作用を高める為に、合成板の内部に半球体板を構成した。構造体の上半部1dと下半部1cは船底形とし、それぞれ上下左右に反転させた同一構造とし、両端部を溶着接合し一体構造体とした。構造体の上半部1dと下半部1cに、それぞれ手動による開閉密閉扉2、12を設け、開閉レバー4、8、9、10を設けた。津波避難シェルター本体1の内部に補強梁7、7aと補強支柱6・6aを設けた。底部外面に2箇所以上の移動用車輪37を設け、平常時の移動が容易になった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、23年3月11日、東北地方で発生した大震災による未曽有の大津波を教訓に、近い将来に想定されている大地震による大津波から尊い命を守ろうとする津波避難対策に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
23年3月11日、東北地方で発生した大震災、そして、未曽有の大津波により2万人にも及ぶ多くの犠牲者を出したことは記憶に新しいが、我々人類は次なる大津波に備え一刻も早く大津波避難対策を講じなければならない。
しかし、従来からの大津波に対する避難手段としては、徒歩か自転車、車両による移動手段で高台に避難するしか方法が無く、避難区域の高台までの距離が長い場合は、避難者の体力の限界や車両渋滞等の大混雑が予想され、完璧な避難対策とはいえなかった。
しかも現在においても、その予想される大津波の潮位を正確に特定することすら出来ないのが実情であることからして、高台に避難したもののそれ以上の大津波が押し寄せた場合は、更に多くの犠牲者を出すことが危惧されている。
高台に避難する時間的余裕が無かった人達や体力的弱者或いは少子高齢者の多くの方々が、東日本大震災による大津波によって犠牲となった。
従来から大津波対策として、一部の海岸の防潮堤を高くする等の対策は講じられてきたものの、今回の大津波ではあっけなく決壊したり大津波が乗り越えて押し寄せ、住民に津波に対する安心感と油断を与えただけで本来の機能を発揮することができなかった。
従来からの大津波避難対策としては、「高台に逃げる対策」と「高く頑丈な防潮堤を築く対策」でしかなく、本発明のような「大津波の反作用(浮力)を利用し、その自然の猛威に逆らわずに人命を守ろう」とする大津波に対する避難技術は無かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 無し
【0004】
【非特許文献1】 無し
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
平成23年9月29日の朝日新聞朝刊に掲載されていた、国の大津波専門調査会の報告によると、近い将来に東海地震が発生した場合、静岡県焼津市では5分以内に4m以上の大津波が押し寄せると言われ、又、高齢者や子連れの人たちが徒歩移動するのに5分間では218mしか移動できないとも提言されている。
本発明は、前述の提言と東日本大震災による大津波の甚大な被害状況の検証を踏まえ、
▲1▼ 大津波が発生して5分以内でも迅速な避難が出来、人力でも移動可能な構造体 とすること。
▲2▼ 高台に逃げ遅れた場合に備え、住居地からでも迅速に避難が出来る、住民に安 心感を与える構造体とすること。
▲3▼ 津波避難シェルター本体を住居の庭、低・高層階マンションのベランダ−や屋 上、駐車スペース等の狭地や生活環境内の身近に常時備えつけられ少子高齢者 や体力的弱者でも容易に搭乗して開閉操作が行える構造体とすること。
▲4▼ 多数人がまとまっても避難しても十分な浮力作用が得られ、長時間漂流しても 、窒息等の健康的弊害のない安全な構造体とすること。
▲5▼ 津波避難シェルター本体を箱形の密閉構造体にし、津波の反作用(浮力)によ って想定外の巨大津波でも海面上に浮き上がり安定した浮動作用が可能な構造 体とすること。
▲6▼ 巨大津波の激流にのまれても避難者(搭乗者)の安全が確保される構造体とす ること。
▲7▼ 浮動作用中に家屋等の漂流物等と激突しても耐え得る強度の構造体とすること 。
▲8▼ 浮動作用中に漂流物等の海上火災と遭遇しても引火しない耐火構造とすること 。
▲9▼ 海面を浮動作用中に高圧電線等に接触した場合に備え、電流絶縁性能のある構 造体とすること。
▲10▼ 浮動作用中の激流によって構造体の上部と底部が反転しても浮動機能を損な わず、更に構造体内部の避難者(搭乗者)が負傷して無力状態になっても、外 部(外側)からでも開閉操作ができる構造体とすること。
▲11▼ 津波が引いた後、救助されるまでの漂流に備え、想定日数分の水、非常食、 毛布、釣具等の防災用品が搭載可能で、且つえい航できる構造体とすること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
想定外の巨大津波でも津波の反作用(浮力)によって、構造体が海面上に浮き上がることができるよう津波避難シェルター本体1を箱形密閉式にしたことと、その本体の材質を比重が軽く強度と耐衝撃性が高いABS樹脂などの合成樹脂、合成ゴム、軽量金属などを素材としたので多数人が搭乗しても十分な浮力が得られ且つ強度と耐衝撃性のある構造体になった。
安定した浮力作用が維持出来るよう、本体下半部(底部)1cの構造を[図1]のように船底形とし、上半部(天井部)1dは下半部(底部)1cを上下左右に反転させた同一構造体とし、その上下半部1d・1cの両端部を溶着接合した一体構造としたので、浮動作用中の激流で津波避難シェルター本体1の上部1dと底部1cが反転しても、津波避難シェルター本体1の前後左右の均衡は変化なく保たれ、安定した浮力作用を維持することが出来た。
津波避難シェルター本体の上部dと底部1cが反転しても、避難者(搭乗者)40が本体内部の両面から自力脱出できるように、上半部(天井部)1dと下半部(底部)1cに、それぞれ同一形状の手動による開閉密閉扉2・12を設け、更に、外部からでも開閉操作ができるよう、開閉密閉扉2・12双方の両面に開閉レバー4・8・9・10を設けたので、少子高齢者や体力的弱者でも容易に開閉操作を行い避難(搭乗)及び脱出(救助)することができ、且つ津波避難シェルター本体1内部に搭乗している避難者が負傷等によって内部から開口操作が不能になっても、救助隊等が本体外側から外部開閉レバー4・10を操作することで開口できるので迅速な救出が可能になった。
避難者が迅速に避難(搭乗)できるよう居住地など間近に常時備え置けるよう、津波避難シェルター本体底部1cの外面に移動用車輪37を2箇所以上設けたことと、構造体に搭乗用の避難はしご44を1箇所以上設けたことで移動と搭乗が容易になった。
想定避難者数に応じた任意の大きさで安定性した構造体にするため、津波避難シェルター本体1の内面の高さ(1e〜1d)以上の寸法を、構造体の縦、横の長さとして上半部(天井部)1dと下半部(底部)が浮力面を共有する構造体としたことで、任意で構造体の大きさを選択することができ、平常時において駐車スペースやマンション・アパートのベランダー等、狭い場所でも備え置くことが出来るようになった。
津波避難シェルター本体1が浮動作用中に家屋等の漂流物と激突しても耐えられるように、津波避難シェルター本体1の部材構成を外面板18と半球体板17と内面板16との3面を溶着した耐衝撃力の高い合板部材とし、その外面板18は漂流物等の海上火災と遭遇しても引火しないよう耐火性能を有する材質とした。
半球体板17を家屋等の漂流物と激突した場合の衝撃を吸収して緩和させる目的で合板内部に構成し、内面板16は半球体板17にかかる衝撃力を更に吸収して緩和させるために構成した。
津波避難シェルター本体1が海面を浮動作用中に高圧電線等に接触した場合に備え、津波避難シェルター1内部の避難者が感電しないように、或いは衝突による小さな破損部からの津波避難シェルター1内部への浸水を防止する目的で、内面板16の表面に電流絶縁性能と防水性能を兼ね備えた天然ゴム及び合成ゴム等の合成樹脂を材質とした防水・防電板15を接合装着することにより解決された。
津波避難シェルター本体1の内部壁にシートベルト39を設け、避難者(搭乗者)40の体が固定されるので、津波の激流による構造体の揺れに対応した安全が確保された。
避難者が長時間漂流した場合に備え、津波避難シェルター本体1内部の側面に防水ネジ脱着式の換気口38を設けたので内部の空気が清浄化され、或いは換気口38を通じて外部の様子が窺えるので避難者(搭乗者)の安心と安全が確保できた。
【発明の効果】
【0007】
津波避難シェルター本体1を箱形密閉式構造体にし、材質を比重が軽く強度と耐衝撃性が高いABS樹脂などの合成樹脂、合成ゴム、軽量金属などを素材としたので、津波の反作用(浮力)による構造体への高度な浮力が得られ、その効果で多数人が搭乗しても十分な浮力が得られる構造体になった。
本体下半部(底部)1cの構造を船底形とし、上半部(天井部)1dは下半部(底部)1cを上下左右に反転させた同一構造体とし、その上下半部1d・1cの両端部を接合した一体構造としたことで、安定した浮力と浮動作用が維持出来るようになり、更に、浮動作用中の激流で津波避難シェルター本体1の上部1dと底部1cが反転しても、津波避難シェルター本体1の前後左右の均衡が保たれ、安定した浮力と浮動作用を維持することが出来、又、津波避難シェルター本体1の内部壁にシートベルト39を設けたので、避難者(搭乗者)40の安全がより確保された。
津波避難シェルター本体の上半部(天井部)1dと下半部(底部)1cに、それぞれ同一形状の手動式の開閉密閉扉2・12を設け、その双方の両面に開閉レバー4・8・9・10を設けたので、津波避難シェルター本体の上部dと底部1cが反転しても、本体内部から自力脱出できるだけでなく、外部からでも開閉操作ができるので、少子高齢者や体力的弱者でも容易に開閉操作を行い避難(搭乗)及び脱出(救助)することができ、もし搭乗している避難者が負傷等によって無気力状態になっても、救助隊等が本体外側から外部開閉レバー4・10を操作することで迅速な救出が可能になった。
津波避難シェルター本体底部1cの外面に移動用車輪37を設けたことと構造体に搭乗用の避難はしごを1箇所以上設けたことで、津波避難シェルターを居住地など任意の場所に容易に移動させることが出来き、常時、間近に備え置けるようになったことで、迅速に避難(搭乗)することが可能になった。
平常時において津波避難シェルターを備え置く場所を極力占有しないように、津波避難シェルター本体1の内面の高さ(1e〜1d)以上の寸法を、構造体の縦、横の長さとして上半部(天井部)1dと下半部(底部)が浮力面を共有する構造としたことで、構造体の最小化や想定避難者数に応じた任意の大きさで構造体を作製ができ、平常時において狭い場所でも常時備え置くことができるようになった。
津波避難シェルター本体1の部材構成を外面板18と半球体板17と内面板16との3面を溶着した合板部材としたため強度が高まり、家屋等の漂流物と激突しても耐え得る構造体となり、更に、半球体板17を合板部材内部に形成したことで外部からの衝撃を吸収して緩和させるのみならず、半球体17内の空洞部19が浮力効果をさらに高めた。
外面板18を耐火性能を有する材質としたため海上火災と遭遇しても引火しない構造体になり、更に、内面板16の表面に電流絶縁性能と防水性能を兼ね備えたゴム及び合成ゴム等の合成樹脂を材質とした防水・防電板15を接合装着することにより、津波避難シェルター本体1が海面を浮動中に高圧電線等に接触しても内部の避難者が感電する恐れが無くなり、同時に衝突による小さな破損部からの内部への浸水を防止することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】津波避難シェルター本体の平面図と縦断面図である。
【図2】津波避難シェルター本体の平面図と横断面図である。
【図3】シェルターの本体合板部材の詳細断面図と各材の分解図である。
【図4】シェルター本体合板部材断面図と半球体板の断面図及び平面図である。
【図5】シェルター本体の開閉密閉扉平面図と断面図である。
【図6】シェルター本体の開閉密閉扉の断面図と詳細図である。
【図7】シェルター本体の開閉密閉扉の実施図と分解図である。
【図8】シェルター本体の開閉密閉扉の断面図と開口時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
津波避難シェルター本体1の材質は比重が軽く強度と耐衝撃性が高いABS樹脂などの合成樹脂、合成ゴム、軽量金属などを素材とした合板部材41を使用し、その合板部材41の構成は外面板18と半球体板17と内面板16とを溶着し一体化した合成板とする。
又、半球体板17は合板部材41の内部中央に構成し、半球体の突起部を外面板18の方向にして外面板18に溶着し、その半球体突起部の反対面を内面板16と溶着接合させた合成板とする。
津波避難シェルター本体1は、その合成部材41を主材にして本体下半部(底部)1cの構造を[図1]のように船底形とし、上半部(天井部)1dは下半部(底部)1cを上下左右に反転させた同一構造体とし、その上下半部1d・1cの両端部を溶着接合した合体構造としている。
次に、津波避難シェルター本体1に開閉密閉扉2・12の扉受け枠3・20・23・30に蝶番43の端部を溶着し、蝶番43のもう一方の端部に開閉密閉扉2・12を溶着し開閉機能を有効にする。
次に、避難者が開閉密閉扉2・12を開口して搭乗した後、開閉密閉扉2・12を内部から蝶番43の作用により手動で閉めながら、開閉支持板13に設けられた支持板装着部28を、扉受け枠(受台部)20に設けた支持部装着口29に落とし込むように装着し、更に手で装着レバー34を掴み、支持板装着部28を支持板止め27まで右回転させて移動させることにより、開閉密閉扉2・12と開閉支持板13との間に扉受け枠(受台部)20と防水用パッキン22が挟み込まれる装着状態になる。
次に、内部開閉レバー8・9を右回転させて内側からネジ締めすることにより、内部開閉レバー8・9に開閉支持板補助リング31が押し上げられて開閉支持板13に接触し、更に内部開閉レバー8・9を右回転させてネジ締めして開閉支持板13を上方に押し上げ、開閉支持板13が扉受け枠(受台部)20の裏面に接触すると、内部開閉レバー8・9のネジ締付力が扉支持軸24を伝わって、開閉密閉扉2・12を下方に引き寄せる引張力に変換されることにより、開閉密閉扉2・12が扉受け枠(受台部)20と防水用パッキン22を圧縮し、更に内部開閉レバー8・9を右回転させてネジ締めつけすることにより各部が密着状態になり、津波避難シェルター本体1内部が密閉状態になる。
平常時は、開閉密閉扉(底部)12を密閉状態にして備え、開閉密閉扉(天井部)2は常時避難できるように開閉可能な状態にして備えておく。
開閉密閉扉(天井部)本体2と外部開閉レバー4は[図5]の開閉扉部断面図のように、外部開閉レバー4のネジ溝全体に余すことなく扉支持軸24のネジ山をネジ込み、更に開閉密閉扉(天井部)本体2の開閉操作時の扉のぐらつきを防止するために、外部開閉レバー4の下部に仮接合し一体化しておき、次に、扉支持軸24の下部から開閉支持板13と開閉支持板補助リング31と内部開閉レバー8を装着し、開閉密閉扉(天井部)本体2と開閉支持板13の間隔が、扉受け枠(受台部)20と防水用パッキン22の厚さ以上になる程度まで内部開閉レバー8を右回転させてネジ締めして装着し避難時に備える。
又、津波避難シェルター本体1の平常時における人力による移動を可能にする為に、シェルター本体底部1cの外面に移動用車輪37を2箇所以上設け、更に避難者が搭乗し易いように本体外側の上部に避難はしご44を1箇所以上設ける。
又、津波避難シェルター本体1の内部には強度を増大させる目的で補強梁7と補強支柱6を1箇所以上設け、更に搭乗者の安全を確保する為に、津波避難シェルター本体1内部にその本体の定員数に応じたシートベルト39を1箇所以上設け、更に津波避難シェルター本体1外側の上部1d下部1eは救助用フック5を2箇所以上設けて移動時、固定時、救助時などに備える。
又、避難者が長時間漂流した場合、津波避難シェルター本体1内部の空気清浄化と外部情報(覗き孔)を得る為に防水ネジ脱着式の換気口38を設ける。
【実施例】
【0010】
津波避難シェルターは、何時起こるか分らない大津波から逃れ、命だけでも守ろうとする目的の避難シェルターであり、避難しようとする者が高台に逃れる時間的余裕と体力に自信さえ有れば不必要な産物に思えるが、大津波が夜間に発生した場合や逃げ惑う民衆の混乱と避難車両の渋滞、そして想定外の高さの大津波が押し寄せた場合においては、高台に逃れる時間的余裕や体力は半減され避難途中で犠牲になる確率が高くなることは否定できない。
津波避難シェルターは、前述のような「待ったなしの危機」に備え、住居の庭、空き地、建物のベランダー、屋根の上、アパート・マンションの屋上等に、平常時から配置しておくことにより、特に少子高齢者や体力的弱者の人たちには安心感が得られ、事前に何回も津波避難シェルターに搭乗し、開閉操作をするなどして避難訓練を行っていれば、有事の際には迅速に避難(搭乗)することができ、安全が確保され尊い人命が救われる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の津波避難シェルターは、大津波に限らず集中豪雨による河川の氾濫等で、一戸建て家屋が水没する恐れがあるような地域においては、ロープなどで繋いで(遠方に流されて下流の橋桁等に挟まれないように)2階のベランダーや屋根等のなるだけ高い位置に、常時配置しておき有事に備えることで、住民の安心と安全が確保できる利用価値の高いものと考えられる。
【符号の説明】
【0012】
1 津波避難シェルター本体 1a(船首部)、1b(船尾部)
1c(天井部)、1d(船底部)
2 開閉密閉扉(上部)
3 扉受け枠(側面部)
4 外部開閉レバー(上部)
5 救助用フック(本体上部) 5a(上部) 、5b・5c(底部)
6 補強支柱 6a
7 補強梁 (上部梁) 7a(下部梁)
8 内部開閉レバー (上部)
9 内部開閉レバー (下部)
10 外部開閉レバー (下部)
11 扉受け枠 (下部)
12 開閉密閉扉 (下部)
13 開閉支持板 (上部扉)
14 開閉支持板 (下部扉)
15 防水・防電板
16 内面板 (本体合板部材)
17 半球体 (半球体板)
18 外面板 (本体合板部材)
19 空洞部 (半球体板)
20 扉受け枠 (受台部)
21 扉受け枠固定板 (下部)
22 防水用パッキン (扉受け枠)
23 扉受け枠固定板 (上部)
24 扉支持軸 (上部)
25 扉支持軸挿入孔 (上部)
26 扉支持軸ネジ山
27 開閉支持板止め (上部扉)
28 支持板装着部 (開閉支持板)
29 支持部装着口 (開閉支持板)
30 開閉支持板受け枠
31 開閉支持板補助リング (上部扉)
32 扉支持軸挿入孔 (開閉密閉扉 上部)
33 ネジ溝 (内部開閉レバー 上部))
34 装着レバー (開閉支持板)
35 扉支持軸挿入孔 (開閉支持板補助リング 上部扉)
36 扉支持軸挿入孔 (内部開閉レバー 上部)
37 移動用車輪 (本体)
38 換気口 (防水ネジ脱着式)
39 シートベルト (安全帯)
40 避難者(搭乗者)
41 合板部材
42 半球体板
43 蝶番 (開閉密閉扉)
44 避難はしご
【受託番号】
【0013】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
従来から海面上に浮かび人類を乗せて運んだり、或いは物資を運搬する目的で航行する船舶は数知れず存在したが、それらは全て経済的対価を目的に作製された構造体であって、本発明は、大津波からの人類の避難を目的に、想定外の巨大津波に遭遇してもその津波の反作用(浮力)によって、多数人が避難(搭乗)した構造体を海面上に浮き上がらせるため箱形密閉式構造体としたことと、構造体の本体の材質を強度と耐衝撃性が高いABS樹脂などの合成樹脂、合成ゴム、軽量金属を素材としたことと構造体の前後左右の均衡を保ち津波の激流によって構造体が反転しても安定した浮力作用が維持出来るよう、本体下半部(船底部)1cの構造を船底形とし、上半部(天井部)1dは下半部(船底部)1cを上下左右に反転させた同一構造体としたことを特徴とする津波避難シェルター。
【請求項2】
請求項1記載の津波避難シェルターにおいて、さらにその構造体の内面の高さ(1e〜1d)以上の寸法を、構造体の縦、横の長さにして上半部(天井部)1dと下半部(底部)のいずれも浮力作用面を共有することを特徴とする津波避難シェルター。
【請求項3】
請求項1記載の津波避難シェルターにおいて、さらにその構造体に避難(搭乗)及び脱出用の開閉密閉扉2・12を設けたことと、構造体が反転しても上半部(天井部)1dか下半部(船底部)1eの何れからでも脱出できるよう、上半部(天井部)1dと下半部(船底部)1eの両面にそれぞれ同一形式の開閉密閉扉2・12を設けた、反転機能を有することを特徴とする津波避難シェルター。
【請求項4】
請求項3記載の開閉密閉扉2・12において、さらにその構造体に内部開閉レバー8と外部開閉レバー4を有することを特徴とする津波避難シェルター。
【請求項5】
請求項3記載の開閉密閉扉2・12において、さらにその構造体の開閉密閉機能を有効にするため、開閉密閉扉本体2・12に扉支持軸24と開閉支持板28と扉受け枠20と開閉支持板受け枠30と扉受け枠固定板23と防水用パッキン22と支持板補助リング31と開閉支持板装着レバーを有する津波避難シェルター。
【請求項6】
請求項5記載の開閉支持板13と扉受け枠20において、さらにそれらの支持機能を有効にするため、扉受け枠20に2箇所以上の支持板装着口29を設けたことと、開閉支持板に2箇所以上の支持板装着部28を設けたことと、開閉支持板13の下部に開閉支持板補助リング31を設けたことを特徴とする津波避難シェルター。
【請求項7】
請求項1記載の津波避難シェルター1において、さらにその本体構造の強度と耐衝撃性能及び浮力作用を高める為に、半球体板42を外面板18と内面板15の両面で挟み込み溶着接合した本体合板部材41としたことと、半球体板42の内部に半球体17を多数箇所に配置して設け、半球体17の円心作用による効果で衝撃力を吸収させたことと、半球体17内部に空洞部19(空間)を設けて浮力作用を増大させたことを特徴とする津波避難シェルター。
【請求項8】
請求項1記載の津波避難シェルター1において、さらにその構造体が高圧電線等に接触した場合の搭乗者の安全と衝撃による外面の破損部からの内部浸水を防止する目的で、構造体の最内面に天然ゴム、合成ゴム、難燃性合成樹脂等を素材として電流絶縁性能と防水性能を兼ね備えた、防水・防電板15を装着し設けたことを特徴とする津波避難シェルター。
【請求項9】
請求項1記載の津波避難シェルター1において、さらにその構造体の強度を高める為に補強梁7・7aと補強支柱6・6aを各1箇所以上設けたことと、搭乗者の安全を確保するために構造体の内部にシートベルト(案全帯)39を1箇所以上設けたことと、救助時等において構造体をえい航できるよう構造体の上部と下部の外面にそれぞれ1箇所以上の救助用フック5・5a・5b・5cを設けたことと、構造体を常備時において移動する際、容易な移動を可能にするために底部外面に2箇所以上の移動用車輪37を設けたことと、避難者の搭乗を容易にするため、1箇所以上の避難はしご44を設けたことと、避難者が長時間漂流した場合、津波避難シェルター本体1内部の空気清浄化と外部情報(覗き孔)を得る目的で防水ネジ脱着式の換気口38を1箇所以上設けたことを特徴とする津波避難シェルター。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−86789(P2013−86789A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242775(P2011−242775)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(509307680)
【Fターム(参考)】