説明

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

【課題】 表面硬度が高く耐擦傷性に優れ、かつ硬化収縮が小さいためカールが非常に小さく、さらに一旦付いた傷を自己修復して元に戻る自己修復性をも有する硬化被覆膜を形成することができる、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 下記(A)、(B)及び(C)成分を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が10:90〜90:10であり、(C)成分の含有量が(A)成分と(B)成分の合計質量に対して0.1〜20質量%の範囲であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(A)分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜20モル付加して得られる(メタ)アクリレート(a−1)とポリイソシアネート(a−2)を反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート
(B)多官能(メタ)アクリレート
(C)光重合開始剤

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング剤等として有用な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び該組成物を硬化することにより形成された硬化被覆膜を有する成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、種々のプラスチックはその透明性や加工性に加えて、軽量で安価といった利点から、自動車業界、家電業界、電子・電気業界をはじめとする様々な分野で利用されている。特に、最近ではポリエチレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂などを加工したプラスチックフィルムが、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、タッチパネル用途として広く利用されている。しかし、これらプラスチックフィルムは表面に傷が付きやすい欠点を有するため、一般的に耐擦傷性を付与する目的でハードコート膜が施されている。
【0003】
このようなハードコート材料としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アクリレートを主成分とした活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をプラスチックフィルム表面に塗布し、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化させてハードコート膜を形成する方法が実施されている。
この多官能アクリレートの官能基数を増大して架橋密度を上げれば表面硬度や耐擦傷性は良好となるが、硬化時の体積収縮が大きいためクラックやカールが生じる問題があった。特に、膜厚の薄いプラスチックフィルムを用いた場合にはこれらの問題が顕著となってしまう。そこで、表面硬度や耐擦傷性に優れ、かつ、硬化収縮が小さくカールしにくいハードコート膜を形成することができる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が求められていた。
【0004】
表面硬度や耐擦傷性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの(メタ)アクリロイル基と水酸基を分子内に有する化合物と、1,4−シクロヘキシルジイソシアネートを反応させたウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの1分子内に1つの水酸基及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとノルボルナンジイソシアネートなどのポリイソシアネートを反応させたウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの分子内に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する多官能(メタ)アクリレーとイソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネートを反応させたウレタン(メタ)アクリレートを含有する放射線硬化型組成物(例えば、特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、これら特許文献1〜3に記載されているウレタン(メタ)アクリレートを含有する組成物は、表面硬度及び耐擦傷性は良好であるが、硬化収縮が大きいためカールが大きく、特に薄膜フィルムに対しては、実用上これらの特性は不十分であるという課題があった。
【0005】
また、近年、一旦付いた傷が自己修復して元に戻る自己修復性を機能として有するコーティング材料が注目されている。例えば、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとポリイソシアネートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に記載されているウレタン(メタ)アクリレートは、柔軟なポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール骨格を分子内に有するため、硬化収縮によるカールは抑制できるが、表面硬度及び耐擦傷性が低下しやすい。例えば、前記特許文献1〜3に記載されているウレタン(メタ)アクリレートに比べて官能基数が少なく架橋密度が小さいため、表面硬度及び耐擦傷性が不十分であるという課題があった。
【0006】
このように、特許文献1〜3に記載されている多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、表面硬度及び耐擦傷性は良好であるが硬化収縮が大きいためカールは大きく、分子内に柔軟なポリアルキレングリコール骨格を含まないため自己修復性は非常に小さい。他方、特許文献4に記載されているウレタン(メタ)アクリレートは、分子内にポリアルキレングリコール骨格を有するため自己修復性を発揮するとともにカールは小さいが、表面硬度及び耐擦傷性が低下しやすく、さらに官能基数が少なく架橋密度が小さいために表面硬度及び耐擦傷性が十分とはいえない。つまり、硬化収縮が抑制されカールが小さく自己修復性を発揮しながらも、優れた表面硬度及び耐擦傷性を発揮することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−338628号公報
【特許文献2】特開2006−328364号公報
【特許文献3】特開2009−196375号公報
【特許文献4】特開2005−162908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、表面硬度が高く耐擦傷性に優れ、かつ硬化収縮が小さいためカールが非常に小さく、さらに一旦付いた傷を自己修復して元に戻る自己修復性をも有する硬化被覆膜を形成することができる、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供すること、及び該組成物を硬化することにより形成される硬化被覆膜を有する成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜20モル付加して得られる(メタ)アクリレート(a−1)と、ポリイソシアネート(a−2)を反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)及び光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が、上記課題の解決に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、表面硬度及び耐擦傷性に優れながらも、硬化収縮が小さいためカールが非常に小さく、さらに一旦付いた傷を自己修復して元に戻る自己修復性を有する硬化被覆膜を得ることが可能であるため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、タッチパネルなどのハードコート材料として極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜20モル付加して得られる(メタ)アクリレート(a−1)と、ポリイソシアネート(a−2)を反応させることにより得られる。
【0012】
本発明の分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜20モル付加して得られる(メタ)アクリレート(a−1)は、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートに、触媒の存在下で炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加重合することにより得られる。
【0013】
分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートは、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応により得られる。これら(メタ)アクリレートは、分子内にポリアルキレングリコール骨格を含まないものとする。
具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、キシリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち、分子内に1個の水酸基及び3〜5個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、キシリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。さらに好ましくはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリロイル基の数が分子内に3〜5個を有する(メタ)アクリレートであれば、表面硬度及び耐擦傷性に優れ、かつカールの小さい硬化被覆膜が得られる。これらの(メタ)アクリレートは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0014】
付加重合に用いるアルキレンオキサイドの種類としては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを使用することができる。具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらアルキレンオキサイドは、単独で用いても二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合にはランダム状又はブロック状に付加重合してもよい。これらのうち、表面硬度、耐擦傷性、低カール性及び自己修復性をバランスよく付与することができるエチレンオキサイド、優れた柔軟性及び弾性に基づくカールの抑制及び自己修復性を十分に発揮することができるテトラヒドロフランが好ましい。
これらアルキレンオキサイドの平均付加モル数は1〜20であり、2〜12であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。平均付加モル数が1モル未満の場合、架橋密度が高いため硬化収縮によるカールが大きくなりやすく、さらにポリアルキレングリコール骨格に基づく柔軟性及び弾性が不十分であり、自己修復性が低下する。平均付加モル数が20モルより大きい場合には、架橋密度が低下するため表面硬度及び耐擦傷性が低下する。
【0015】
(a−1)成分の製造方法としては、通常の開環重合と同様の方法で行うことができる。例えば、反応容器に分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート及び触媒、必要に応じて重合禁止剤及び有機溶剤を仕込んだ後、反応容器内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換し、アルキレンオキサイドを圧入して付加重合させる。反応温度としては通常−30〜120℃であり、好ましくは0〜80℃、より好ましくは20〜60℃である。−30℃ より低い場合には反応速度が遅くなり、120℃ より高い場合には副反応あるいは重合が進行し過ぎたり、生成物が着色する恐れがある。反応時間としては通常0.3〜20時間であり、より好ましくは0.5〜15時間、より好ましくは1〜10時間である。付加重合した後は、活性白土、ゼオライト、イオン交換樹脂などの公知の吸着剤を用いて触媒を吸着処理及び濾過して除去を行ってもよく、鉱酸、有機酸、アミン、水酸化アルカリ金属などで中和処理し、生成した塩を濾過して除去を行ってもよい。
【0016】
アルキレンオキサイドの重合触媒としては、アルカリ触媒、ルイス酸又は金属錯体などの公知の触媒を用いることができる。アルカリ触媒の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメチラート、カリウムメチラートなどのアルカリ金属アルコラート、金属ナトリウム、金属カリウムなどのアルカリ金属単体が挙げられる。ルイス酸触媒の具体例としては、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四フッ化錫、四塩化錫、塩化アンチモン、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、四塩化チタン、塩化ジルコニウム、トリフェニルホウ素、トリ(t−ブチル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)フッ化アルミニウム、ジ(t−ブチル)フッ化アルミニウム、ジエチル亜鉛が挙げられる。金属錯体の具体例としては、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素・テトラヒドロフラン錯体、複金属シアン化物錯体、エチルアルミニウムテトラフェニルポルフィリン錯体、塩化アルミニウムテトラフェニルポルフィリン錯体などが挙げられる。
これら触媒のうち、副反応及びラジカル重合を抑制できる観点から、触媒活性が高く少量の添加量かつ低温で付加重合することの可能なルイス酸触媒及び金属錯体が好ましい。触媒の使用量は、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとアルキレンオキサイドの合計量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましい。0.01質量%より少ない場合には反応速度が遅く、10質量%より多い場合には副反応が進行しやすくなる。
【0017】
重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノール系化合物、塩化銅、硫酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅塩、チオジフェニルアミン、フェノチアジンなどのアミン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、2,6,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシルなどのN−オキシル化合物などが挙げられる。これらは単独で用いても二種類以上用いてもよい。重合禁止剤の添加量は、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとアルキレンオキサイドの合計量に対して、10〜2,000ppmが好ましく、20〜1,000ppmがより好ましい。
【0018】
有機溶剤としては付加重合に関与しないものが好ましく、具体例としては、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミドが挙げることができる。有機溶剤の使用量は、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの粘度に応じて適宜設定すれば良く、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとアルキレンオキサイドの合計量に対して、10〜1,000質量%が好ましく、20〜500質量%がより好ましい。
【0019】
本発明のポリイソシアネート(a−2)は、分子内に少なくとも2個以上のイソシアネート基を含有する脂肪族、脂環式及び芳香族イソシアネートである。2官能イソシアネートの具体例としては、1,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂肪族及び脂環式ジイソシアネートが挙げられる。3官能イソシアネートの具体例としては、1,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどのジイソシアネートを重縮合してイソシアヌレート変性させたイソシアヌレート体、前記ジイソシアネートをアダクト変性させたアダクト体、前記ジイソシアネートとグリセリンやトリメチロールプロパンなどの三価アルコールをビウレット変性させたビウレット体が挙げられる。多官能イソシアネートの具体例としては、前記ジイソシアネートとポリオールあるいはポリアミンとの反応により得られるイソシアネート化合物が挙げられる。
これらのうち、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネート単量体を重縮合して変性した3官能イソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂肪族及び脂環式ジイソシアネート及びこれらジイソシアネートのイソシアヌレート変性させた3官能イソシアネートがより好ましい。これらポリイソシアネートは、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0020】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(A)は、分子内に通常4〜15個、好ましくは6〜12個の(メタ)アクリロイル基を有する。分子内のウレタン結合基及び(メタ)アクリロイル基の数がこの範囲であれば、表面硬度及び耐擦傷性に優れながら硬化収縮によるカールを抑制でき、かつ自己修復性を発現することができる。
【0021】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(A)は、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜20モル付加して得られる(メタ)アクリレート(a−1)と、ポリイソシアネート(a−2)とのウレタン化反応により得られる。ウレタン化反応には、(a−1)成分を二種類以上併用してもよく、二種類以上を併用する場合には、これら(a−1)成分におけるアルキレンオキサイドの付加モル数の平均が通常1〜20であり、2〜12であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。(a−1)成分とポリイソシアネート(a−2)の割合は、(a−1)成分中の水酸基1当量に対してポリイソシアネート(a−2)中のイソシアネート基が通常0.1〜10当量であり、0.5〜5当量が好ましく、0.9〜1.2当量がより好ましい。反応温度としては通常20〜150℃であり、30〜100℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。なお、反応の終点はイソシアネート基を示す2270cm-1の赤外吸収スペクトルの消失や、JIS K 7301に記載の方法でイソシアネート基の含有量を求めることで確認することができる。
【0022】
さらに、ウレタン化反応では反応速度を促進する目的で触媒を用いることができる。ウレタン化触媒の具体例としては、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートなどのスズ化合物、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などのジルコニウム化合物などが挙げられる。本発明のウレタン化反応においても、これらの触媒を用いることができる。
【0023】
本発明の多官能(メタ)アクリレート(B)としては、各種(メタ)アクリレートを使用することができる。
2官能(メタ)アクリレートの具体例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、スピログリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0024】
3官能以上の(メタ)アクリレートの具体例としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のε−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これら多官能(メタ)アクリレート(B)のなかでも、硬化被覆膜の表面硬度及び耐擦傷性を高める効果の大きい3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましく、具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。これら多官能(メタ)アクリレートは単独で用いても二種以上を併用してもよい。
【0025】
(A)成分と(B)成分の質量比は通常10:90〜90:10であり、好ましくは30:70〜85:15であり、より好ましくは50:50〜80:20である。(A)成分と(B)成分の質量比が1:99〜9:91の場合、得られる硬化被覆膜は硬化収縮によるカールが大きく、かつ自己修復性が小さい。(A)成分と(B)成分の質量比が91:9〜99:1の場合、組成物の粘度が高いため作業性が悪くなり、該組成物を塗布する際にむらやうねりが生じる。また、硬化被覆膜の表面硬度及び耐擦傷性が低下する。
【0026】
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、任意成分として本発明の効果を阻害しない範囲内で(B)成分以外のラジカル重合性単量体を配合することができる。ラジカル重合性単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物などのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物、ノルボニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
【0027】
本発明で用いられる光重合開始剤(C)の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン又はベンゾインアルキルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸などの芳香族ケトン、ベンジルなどのα−ジカルボニル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール、アセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル-プロパン−1−オンなどのアセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノンなどのアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントンが挙げられる。
これらのうち、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン、ベンゾフェノンなどの芳香族ケトンが特に好ましい。
光重合開始剤(C)の使用量は、(A)成分及び(B)成分の合計質量に対して、0.1〜20質量%の範囲が好ましく、0.5〜10質量%の範囲がより好ましい。0.1質量%未満では硬化が十分に進行せず、20質量%を越えると重合性成分の量が相対的に減少するため、硬化物の目標とする特性が低下するため好ましくない。
【0028】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、光増感剤を前記光重合開始剤(C)と併用することができる。光増感剤の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン及び4,4−ジエチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0029】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、任意成分として本発明の効果を阻害しない範囲内で種々の添加剤を含有することができる。添加剤の具体例としては、充填剤、顔料、帯電防止剤、レベリング剤、チキソトロピー性付与剤、消泡剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0030】
充填剤の具体例としては、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカアルミナ、ジルコニア、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ケイ素、カーボンブラック、コロイダルシリカ、タルク、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸性白土、モンモリロナイト、ベントナイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化チタン、ガラスファイバーなどの無機充填剤、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの有機充填剤が挙げられる。
【0031】
顔料の具体例としては、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6Bなどの溶性アゾ顔料、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMPなどの不溶性アゾ顔料、クロモフタルエロー3Gなどの縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン顔料、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレッドなどの縮合多環式顔料、アルカリブルー、アニリンブラック、昼光蛍光顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラックなどの無機顔料が挙げられる。
【0032】
帯電防止剤の具体例としては、アミジニウム塩、グアニジニウム塩及び四級アンモニウム塩などのカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物リン酸エステル塩などのアニオン性帯電防止剤、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステルなどの非イオン性帯電防止剤などが挙げられる。
【0033】
レベリング剤の具体例としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタインなどのフッ素系界面活性剤、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアクリレートなどが挙げられる。
【0034】
酸化防止剤の具体例としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノール系化合物、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系化合物、チオジエチレン
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などの硫黄系化合物、アスコルビン酸、トコフェロールなどのビタミン誘導体が挙げられる。
【0035】
紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン、フェニルサリチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレートなどのサリチレート、エチル
2−シアノ−3,3−ジフェニルシアノアクリレート、2’−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルシアノアクリレートなどのシアノアクリレートが挙げられる。
【0036】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、多官能(メタ)アクリレート(B)、光重合開始剤(C)、及び必要に応じて添加剤、有機溶剤を常法により均一に混合して得ることができる。このようにして調製される本発明の組成物の粘度は、通常200〜50,000mPa・s/25℃、好ましくは500〜30,000mPa・s/25℃である。粘度が高すぎると、硬化被覆膜を製造する際に塗布むらやうねりが生じたり、目的とする膜厚を得るのが困難であり、ハードコート材料としての性能を十分に発揮できない。逆に低すぎると膜厚の制御が困難であり、均一な膜厚の硬化被覆膜を形成できない場合がある。
(B)成分は、その一部又は全部を、(A)成分の製造原料である分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートにアルキレンオキサイドを付加する前、あるいはアルキレンオキサイドの付加物(a−1)をポリイソシアネート(a−2)と反応させる前に、分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート又は付加物(a−1)と混合してもよい。この時の(B)成分が、水酸基を有する(メタ)アクリレートである場合、ポリイソシアネートとの反応後に水酸基価を測定することで、(A)成分及び(B)成分の含有比率を特定することができる。
【0037】
有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などが挙げることができる。これらは、それぞれ単独もしくは二種以上組み合わせて用いることができる。溶媒の使用量は、粘度に応じて適宜設定すればよく、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して10〜1,000質量%が好ましく、20〜500質量%がより好ましい。
【0038】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、適用される基材に対して通常の方法により塗布した後、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線より選ばれる活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布する基材としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ノルボルネン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などのプラスチック成形品、ガラス、金属、木材、セメントが挙げられる。
【0039】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を基材へ塗布する方法としては、スピンコート法、フローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、ディップコート法などの塗工方法、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの印刷方法が挙げられる。塗膜の厚さは通常1〜100μmであり、表面硬度、耐擦傷性などの観点から好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜25μmである。100μmを超えると塗膜の硬化性が低下し、表面硬度、耐擦傷性が低下する恐れがあり、膜厚が1μm未満では十分な性能が得られない恐れがあるため好ましくない。
【0040】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を基材へ塗布した後の乾燥方法としては、通常の方法で乾燥することができる。乾燥温度としては通常10〜200℃、乾燥速度及び塗膜の表面平滑性の観点から30〜150℃が好ましい。乾燥時間は通常10分以下、塗膜の物性及び生産性の観点から30秒〜5分が好ましい。
【0041】
活性エネルギー線の照射方法は、通常の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化方法を用いることができる。活性エネルギー線照射装置として紫外線を用いる場合は、波長は200〜400nm、照射光源として低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプなどが挙げられ、照射量は積算光量として100〜3000mJ/cmで行うことができる。空気中での照射や酸素による硬化阻害を低減させるため不活性ガス雰囲気下、もしくは透明プラスチックフィルムなどでラミネートして照射を行うことができる。
【実施例】
【0042】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下において特に規定しない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を示す。
【0043】
<製造例1>
攪拌装置、温度計、圧力ゲージを備えたステンレス製オートクレーブに、ペンタエリスリトールトリアクリレート(以下、「PE3A」という)/ペンタエリスリトールテトラアクリレート(以下、「PE4A」という)混合物(質量比で70/30の混合物、水酸基価:137mgKOH/g)307部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、四塩化錫3.2部を投入し、反応系内を窒素ガスで置換した。次に、エチレンオキサイド(以下、「EO」という)100部を45℃にてゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるよう維持しながら3時間掛けて導入し、同温度で2時間反応を継続した。さらに、45℃にて減圧して30分間保持した後、常圧に戻して冷却することにより粘調性液体402部を得た。その後、吸着剤(キョーワード1000:協和化学工業(株)社製)を投入し、空気を吹き込みながら70℃にて攪拌した後、吸着剤を濾別することにより粘調性液体370部を得た。得られた粘調性液体の水酸基価は106mgKOH/gであり、水酸基価から算出すると、PE3AにEOが3モル付加した数平均分子量430の(メタ)アクリレートが得られ、PE3AのEO3モル付加物/PE4A混合物の質量比は77/23であった。
【0044】
<製造例2>
アルキレンオキサイドとしてEO165部を用いる以外は製造例1と同様にして行い、粘調性液体425部を得た。得られた粘調性液体の水酸基価は90mgKOH/gであり、水酸基価から算出すると、PE3AにEOが5モル付加した数平均分子量518の(メタ)アクリレートが得られ、PE3AのEO5モル付加物/PE4A混合物の質量比は80/20であった。
【0045】
<製造例3>
アルキレンオキサイドとしてプロピレンオキサイド(以下、「PO」という)131部を用いる以外は製造例1と同様にして行い、粘調性液体394部を得た。得られた粘調性液体の水酸基価は98mgKOH/gであり、水酸基価から算出すると、PE3AにPOが3モル付加した数平均分子量472の(メタ)アクリレートが得られ、PE3AのPO3モル付加物/PE4A混合物の質量比は79/21であった。
【0046】
<製造例4>
アルキレンオキサイドとしてEO100部及びテトラヒドロフラン(以下、「THF」という)150部、触媒として三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体2.0部を用いる以外は製造例1と同様にして行い、粘調性液体496部を得た。得られた粘調性液体の水酸基価は85mgKOH/gであり、水酸基価及びH−NMRから算出するとPE3AにEO3モル及びTHF3モルがランダム状に付加した数平均分子量646の(メタ)アクリレートが得られ、PE3AのEO3モル・THF3モル付加物/PE4A混合物の質量比は83/17であった。
【0047】
<製造例5>
攪拌装置、ガス導入管、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、製造例1で得られたPE3AのEO3モル付加物/PE4A混合物(質量比で77/23の混合物)218部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05部、ジブチルスズジラウレート0.05部を仕込み、空気を吹き込みながら40℃に昇温した。次に、ヘキサメチレンジイソシアネート(デュラネート50M−HDI:旭化成ケミカルズ(株)社製。以下、「HDI」という)34部を発熱に注意しながら2時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で2時間反応させて、JISK
7301に記載の方法でイソシアネート基の含有量が0.1%以下となるまで反応を行い、分子内にポリエチレングリコール骨格を有する6官能ウレタンアクリレート(A−1)(数平均分子量1,028)/PE4A混合物(質量比で80/20の混合物)を得た。
【0048】
<製造例6>
製造例1で得られたアクリレート混合物のかわりに、製造例2で得られたアクリレート混合物170部、ポリイソシアネート(a−2)としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(デュラネートTPA−100:旭化成ケミカルズ(株)社製。以下、「TPA」という)56部を用いる以外は製造例5と同様にして反応を行い、分子内にポリエチレングリコール骨格を有する9官能ウレタンアクリレート(A−2)(数平均分子量2,058)/PE4A混合物(質量比で85/15の混合物)を得た。
【0049】
<製造例7>
製造例1で得られたアクリレート混合物のかわりに、製造例3で得られたアクリレート混合物241部を用いる以外は製造例5と同様にして反応を行い、分子内にポリプロピレングリコール骨格を有する6官能ウレタンアクリレート(A−3)(数平均分子量1,112)/PE4A混合物(質量比で82/18の混合物)を得た。
【0050】
<製造例8>
製造例1で得られたアクリレート混合物のかわりに、製造例4で得られたアクリレート混合物267部を用いる以外は製造例5と同様にして反応を行い、分子内にポリエチレングリコール及びポリテトラメチレングリコール骨格を有する6官能ウレタンアクリレート(A−4)(数平均分子量1,460)/PE4A混合物(質量比で85/15の混合物)を得た。
【0051】
<製造例9>
製造例1で得られたアクリレート混合物のかわりに、PE3A/PE4A混合物(質量比で70/30の混合物、水酸基価:137mgKOH/g)258部、HDI50.5部を用いる以外は製造例5と同様にして反応を行い、分子内にポリアルキレングリコール骨格を含まない6官能ウレタンアクリレート(A−5)(数平均分子量765)/PE4A混合物(質量比で75/25の混合物)を得た。
【0052】
<製造例10>
製造例1で得られたアクリレート混合物のかわりに、PE3A/PE4A混合物(質量比で70/30の混合物、水酸基価:137mgKOH/g)262部、ポリイソシアネート(a−2)としてTPA101部を用いる以外は製造例5と同様にして反応を行い、分子内にポリアルキレングリコール骨格を含まない9官能ウレタンアクリレート(A−6)(数平均分子量1,400)/PE4A混合物(質量比で71/29の混合物)を得た。
【0053】
<製造例11>
製造例1で得られたアクリレート混合物のかわりに、2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)社製。以下、「HEA」という)74.3部、ポリイソシアネート(a−2)としてTPA101部を用いる以外は製造例5と同様にして反応を行い、分子内にポリアルキレングリコール骨格を含まない3官能ウレタンアクリレート(A−7)(数平均分子量853)を得た。
【0054】
<実施例1>
製造例5で得られたウレタンアクリレート(A−1)/PE4A混合物(質量比で80/20の混合物)90部、(B)成分としてさらにジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(NKエステルAD−TMP:新中村化学工業(株)社製。以下、「DTMPTA」という)10部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:イルガキュア184。以下、「Irg−184」という)3部、添加剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−333:ビックケミー・ジャパン(株)社製。以下、「BYK−333」という)0.1部、有機溶剤として酢酸エチル60部、メチルエチルケトン40部を均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(1)を得た。
【0055】
<実施例2〜5、比較例1〜6>
表1に示す配合組成に従って均一に混合して、実施例2〜5及び比較例1〜6の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
【0056】
<実施例2>
製造例5で得られた組成物のかわりに、製造例5で得られたウレタンアクリレート(A−1)/PE4A混合物(質量比で80/20の混合物)70部及び製造例6で得られたウレタンアクリレート(A−2)/PE4A混合物(質量比で85/15の混合物)20部、(B)成分としてさらにDTMPTA5部及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD
DPHA:日本化薬(株)社製。以下、「DPHA」という)5部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(2)を得た。
【0057】
<実施例3>
製造例5で得られた組成物のかわりに、製造例6で得られたウレタンアクリレート(A−2)/PE4A混合物(質量比で85/15の混合物)95部、(B)成分としてさらにDPHA5部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(3)を得た。
【0058】
<実施例4>
製造例5で得られた組成物のかわりに、製造例7で得られたウレタンアクリレート(A−3)/PE4A混合物(質量比で82/18の混合物)90部、(B)成分としてさらにDPHA10部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(4)を得た。
【0059】
<実施例5>
製造例5で得られた組成物のかわりに、製造例8で得られたウレタンアクリレート(A−4)/PE4A混合物(質量比で85/15の混合物)90部、(B)成分としてさらにDPHA10部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(5)を得た。
【0060】
<比較例1>
製造例5で得られた組成物のかわりに、製造例9で得られたウレタンアクリレート(A−5)/PE4A混合物(質量比で75/25の混合物)90部、(B)成分としてさらにDTMPTA10部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(6)を得た。
【0061】
<比較例2>
製造例5で得られた組成物のかわりに、製造例10で得られたウレタンアクリレート(A−6)/PE4A混合物(質量比で71/29の混合物)95部、(B)成分としてさらにDPHA5部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(7)を得た。
【0062】
<比較例3>
製造例5で得られた組成物のかわりに、製造例11で得られたウレタンアクリレート(A−7)90部、(B)成分としてさらにDPHA10部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(8)を得た。
【0063】
<比較例4>
製造例5で得られたウレタンアクリレート(A−1)/PE4A混合物(質量比で80/20の混合物)10部、(B)成分としてさらにDPHA90部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(9)を得た。
【0064】
<比較例5>
ウレタン(メタ)アクリレート(A)を配合せず、(B)成分としてDTMPTA10部及びDPHA90部を用いる以外は実施例1と同様にして均一に混合して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(10)を得た。
【0065】
<硬化被覆物の作製方法>
上記の実施例1〜5及び比較例1〜5で得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を厚さ120μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にバーコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥した後、窒素雰囲気下で80W/cmの高圧水銀灯を用いて積算光量500mJ/cmの紫外線を照射し、基材フィルム表面に膜厚が10μmの硬化被覆膜を有する硬化被覆物を得た。得られた硬化被覆物について下記の方法で性能評価した結果を、表1に示す。
【0066】
<外観>
硬化被覆膜の外観を目視で評価した。表面が平滑でかつ透明であるものを○、白化あるいは曇りが観察されるものを×とした。
【0067】
<耐擦傷性>
作製した硬化被覆膜上にスチールウール♯0000を載せ、250g/cmの荷重を掛けて10往復させ、傷付き具合を目視により下記の基準で判定した。
◎:全く傷が付かない
○:ほとんど傷が認められない
△:わずかに傷が認められる
×:多数の傷が認められ、表面が白濁する
【0068】
<鉛筆硬度>
JIS K5600に準拠し、作製した硬化被覆膜上に、鉛筆を45度の角度で、1kgの荷重を掛けて5mm程度引っかき、傷の付かない最も硬いものを鉛筆硬度とした。
【0069】
<硬化収縮性(カール性)>
作製した硬化被覆膜を10cm×10cmにカットし、水平な台に硬化被覆膜側を上にして置いて、浮き上がった4辺それぞれの高さの平均値を計測し、硬化収縮性を下記の基準で判定した。
◎:高さの平均値が4mm未満
○:高さの平均値が4mm以上7mm未満
△:高さの平均値が7mm以上10mm未満
×:高さの平均値が10mm以上
【0070】
<自己修復性>
作製した硬化被覆膜上に、直径0.5mmのステンレス製棒状圧子を用いて、45℃の角度で100gの荷重を掛けて傷を付け、室温で5時間放置した後の傷の修復具合を目視により下記の基準で判定した。
○:傷が修復している
×:全く傷が修復していない
【0071】
<密着性>
JIS K5400に準拠し、作製した硬化被覆膜に2mm四方の碁盤目を25個作製し、市販のセロハンテープを表面に密着させた後に一気に剥がし、剥離せずに残った碁盤目の数を下記の基準により評価した。
◎:碁盤目の剥離が5%未満
○:碁盤目の剥離が5以上〜10%未満
△:碁盤目の剥離が10以上〜50%未満
×:碁盤目の剥離が50%以上
【0072】
なお、表1中の化合物の略号は以下のとおりである。
PE3A:ペンタエリスリトールトリアクリレート
PE4A:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)社製)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート(デュラネート50M−HDI:旭化成ケミカルズ(株)社製)
TPA:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(デュラネートTPA−100:旭化成ケミカルズ(株)社製)
DTMPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(NKエステルAD−TMP:新中村化学工業(株)社製)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD
DPHA:日本化薬(株)社製)
Irg184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
BYK−333:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−333:ビックケミー・ジャパン(株)社製)
MEK:メチルエチルケトン
【0073】
表1に示した評価結果から、実施例1〜5の本発明の分子内にポリアルキレングリコール骨格を含む多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A)を含有する性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化してなる硬化被覆被膜は、表面硬度、耐擦傷性及び硬化収縮性のいずれにおいても優れ、さらに自己修復性を発現することが分かる。比較例1〜3の分子内にポリアルキレングリコール骨格を含まない多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含有する組成物を硬化してなる硬化被覆被膜は、硬化収縮性が不十分であり、かつ自己修復性は発現しないことが分かる。本発明のウレタン(メタ)アクリレート(A)が少量及び含有しない比較例4及び5の組成物を硬化してなる硬化被覆被膜は、硬化収縮性が不十分であり、かつ自己修復性は発現しないことが分かる。
【0074】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)、(B)及び(C)成分を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が10:90〜90:10であり、(C)成分の含有量が(A)成分と(B)成分の合計質量に対して0.1〜20質量%の範囲であることを特徴とする、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(A)分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜20モル付加して得られる(メタ)アクリレート(a−1)と、ポリイソシアネート(a−2)を反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート
(B)多官能(メタ)アクリレート
(C)光重合開始剤
【請求項2】
分子内に1個の水酸基及び3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが、分子内に1個の水酸基及び3〜5個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
ポリイソシアネート(a−2)が、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネート単量体を重縮合した3官能イソシアネートである、請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項4】
多官能(メタ)アクリレート(B)が、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化することにより形成された硬化被覆膜を有する、成形品。

【公開番号】特開2012−180487(P2012−180487A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45915(P2011−45915)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】