説明

活性コーティングを有する漂白剤顆粒

顆粒内核およびその顆粒内核を取り囲む外被層またはコーティング層を含有する共顆粒であって、顆粒内核が、a)1種または複数種の漂白活性化剤、a2)共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の0〜20重量%、およびc)1種または複数種の結合剤を含有し、外被層またはコーティング層が、d)共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の80〜100重量%およびe)1種または複数種のコーティング剤を含有することを特徴とする共顆粒が記載される。その共顆粒は、有利にも洗濯洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤の製造に適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漂白剤顆粒、その製造方法、ならびに洗剤および洗浄剤、特に食器の機械洗浄用洗剤におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
汚れのない食器を得るために、過ホウ酸塩や過炭酸塩のような過酸塩が食器洗浄機用洗剤に使用されている。この漂白剤を活性化するために、そして温度60℃以下で洗浄するときに改善された漂白効果を達成するために、食器洗浄機用洗剤は、通例、さらに漂白活性化剤または漂白触媒を含有するが、その際、特に漂白触媒がとりわけ効果的であることが立証されている。
【0003】
漂白触媒は、その保存安定性を高めるために好ましくは予め作製された顆粒の形態で食器洗浄機用洗剤に使用される。そこで、欧州特許第0458397号(特許文献1)、欧州特許第0458398号(特許文献2)および欧州特許第0530870号(特許文献3)は、種々のマンガン含有遷移金属錯体ベースの漂白触媒を記載している。
【0004】
漂白触媒顆粒の製造方法は、欧州特許第0544440号(特許文献4)、国際公開WO95/06710号(特許文献5)および国際公開2008/069935号(特許文献6)に開示されている。それらに記載された方法に特徴的であるのは、大量の不活性物質を担体および結合剤として使用することであり、それが場合によっては融解物として使用され、この手順では、冷却および/または乾燥段階を含んでおり、流動層設備のような追加の装置が必要となる。
【0005】
しかしながらたいていの場合、漂白触媒の殺菌作用はわずかである。したがって、漂白剤が漂白触媒と漂白活性化剤との組み合わせから成る場合、食器洗浄機用洗剤における漂白剤の性能は、より高くなる。この場合、触媒の漂白作用は、活性化剤から生成したペルオキシカルボン酸によって効果的に促進される。そのうえ、ペルオキシカルボン酸は、洗浄対象物の殺菌に大きく寄与し、洗剤液の匂いを改善し、洗浄機中でのバイオフィルムの形成を阻止する。したがって、洗剤および洗浄剤中に漂白剤を使用する場合、漂白触媒と漂白活性化剤との組み合わせは、漂白性能を高め、衛生を保証するのに有意義である。そこで、欧州特許第0616029号(特許文献7)は、過炭酸塩、TAED顆粒および漂白触媒顆粒の乾燥混合物から成る漂白剤添加物を記載している。この場合も漂白触媒顆粒は、わずか1.2重量%の活性物含量を有し、残りは担体物質および/または結合剤から成る。
【0006】
しかしながら、ばらばらの顆粒中に活性化剤および触媒を使用すると、漂白性能にマイナスの影響を及ぼすおそれがある欠点をもたらす。過酸塩またはそれから遊離した過酸化水素と活性化剤との反応および触媒との反応は、並行して進行する。触媒顆粒が、活性化剤顆粒よりも速く溶解する場合、過酸塩は、活性化剤と反応できるようになる前にすでに消費されてしまう。逆の場合も同様である。さらに、活性化剤と触媒との共顆粒(Cogranulat)は、洗剤および洗浄剤中での両構成成分の均一な分配を保証するのに、そして調合の場所を節約するのに有利である。さらに、2種類の異なる顆粒の代わりに1種類の共顆粒を製造するだけでよいので、製造コストが安くなる。
【0007】
欧州特許第1499702号(特許文献8)は、漂白剤触媒、漂白剤活性化剤および任意選択で皮膜から成る共顆粒を記載している。場合により、抗酸化剤のような安定化剤、還元剤または酸が、最大2.5重量%の量で存在してもよい。
【0008】
活性化剤−触媒−共顆粒のこの製造方法およびその他の、文献から公知の製造方法では、顆粒中に漂白活性化剤および触媒が空間的に並んで共存する。成分の溶解速度が等しい場合、洗浄工程中に顆粒が溶解すると、活性化剤および触媒が等しい量比で溶解し、過酸塩から遊離した過酸化水素との反応に利用可能となるはずである。次いで、反応は並行して進行し、それにより活性化剤および触媒は、等しい量比で漂白工程に関与する。しばしば起こるように、両成分の一方、すなわち活性化剤または触媒の溶解速度が遅い場合は、そうはならない。触媒の溶解速度が活性化剤の溶解速度よりも明らかに低いならば、過酸化水素または過酸塩は、活性化剤との反応によってすでに使い果たされ、その結果、触媒との反応に利用できる過酸化水素は存在しないか、または少量だけである。しかし、すでに上に示唆したように、触媒は主に低温漂白性能を担い、活性化剤は、とりわけ漂白工程中の衛生を担う。新規の漂白剤顆粒の焦点は、とりわけ低温漂白の分野にある。
【0009】
したがって、良好な低温性能を有し、二義的に衛生面および中温性能を確保する新規の洗剤顆粒が必要である。したがって、活性化剤/触媒−共顆粒が溶解することによって、まず触媒が、そして第二段階で活性化剤が洗剤液中に遊離することを保証しなければならない。この必要条件は、従来技術によっては満たされない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第0458397号
【特許文献2】欧州特許第0458398号
【特許文献3】欧州特許第0530870号
【特許文献4】欧州特許第0544440号
【特許文献5】国際公開95/06710号
【特許文献6】国際公開2008/069935号
【特許文献7】欧州特許第0616029号
【特許文献8】欧州特許第1499702号
【特許文献9】欧州特許第0549272号
【特許文献10】国際公開96/06154号
【特許文献11】国際公開96/06157号
【特許文献12】国際公開2006/125517号
【特許文献13】欧州特許第1445305号
【特許文献14】欧州特許第1520910号
【特許文献15】欧州特許第1557457号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「Seifen-Oele-Fette-Wachse, 116巻、20/1990号」、805〜808ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって本発明は、洗剤液中で使用する間にまず触媒を、次に第二段階で活性化剤を遊離するという点で、従来技術から公知の顆粒よりも優れている、漂白活性化剤−漂白触媒−共顆粒を提供するという課題を基礎とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
課された課題は、驚くべきことに、活性化剤が顆粒核中に好ましくは粒子形態で存在し、触媒量の≧80重量%がコーティング層中に、好ましくは溶解してかつ/または粒子形態で存在する、活性化剤/触媒−共顆粒を調製することによって解決することができた。
【発明を実施するための形態】
【0014】
したがって本発明の対象は、顆粒核および顆粒核を取り囲む外被層またはコーティング層を含む共顆粒であって、顆粒核が、1種または複数種の漂白活性化剤、漂白触媒の合計量の0〜20重量%、および1種または複数種の結合剤を含有し、外被層またはコーティング層が、漂白触媒の合計量の80〜100重量%および1種または複数種のコーティング剤を含有することを特徴とする共顆粒である。
【0015】
本発明の共顆粒において、顆粒核は、場合により1種または複数種の添加剤、好ましくは1種または複数種の有機酸を含有し得る。外被層またはコーティング層は、場合により1種または複数種のさらなる添加剤、および1種または複数種の染料を含有し得る。
【0016】
好ましくは、本発明の共顆粒の顆粒核は、
a)1〜99重量%、好ましくは69.1〜99重量%、特に好ましくは70〜99重量%の1種または複数種の漂白活性化剤、および
c)0.9〜30重量%、好ましくは1〜30重量%の1種または複数種の結合剤
を含有し、
本発明の共顆粒の外被層またはコーティング層は、
d)1〜99重量%、好ましくは1〜98.9重量%、特に好ましくは1〜98.8重量%の1種または複数種の漂白触媒、および
e)1〜99重量%、好ましくは1〜98.9重量%、特に好ましくは1〜98.8重量%の1種または複数種のコーティング剤
を含有する。
【0017】
上記の本発明の共顆粒において、顆粒核は、場合により1種または複数種の有機酸を、好ましくは0〜30重量%の量で、特に好ましくは0.1〜30重量%の量で含有し得る。
【0018】
上記の本発明の共顆粒において、外被層またはコーティング層は、場合により1種または複数種のさらなる添加剤を、好ましくは0〜30重量%の量で、特に好ましくは0.1〜30重量%の量で含有し得る。
【0019】
言及されたばかりの本発明の共顆粒において、外被層またはコーティング層は、場合により1種または複数種の染料も、好ましくは0〜5重量%の量で、特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含有し得る。
【0020】
特に好ましくは、本発明の共顆粒の顆粒核は、
a)50〜95重量%、好ましくは79.9〜95重量%、特に好ましくは80〜95重量%の1種または複数種の漂白活性化剤、および
c)4.9〜20重量%、好ましくは5〜20、特に好ましくは5〜15重量%の1種または複数種の結合剤
を含有し、本発明の共顆粒の外被層またはコーティング層は、
d)2〜60重量%、好ましくは2〜59.9重量%、特に好ましくは2〜59.8重量%の1種または複数種の漂白触媒、および
e)40〜98重量%、好ましくは40〜97.9重量%、特に好ましくは40〜97.8重量%の1種または複数種のコーティング剤
を含有する。
【0021】
上記の本発明の共顆粒において、顆粒核は、場合により1種または複数種の有機酸を、好ましくは0〜10重量%の量で、特に好ましくは0.1〜10重量%の量で含有し得る。
【0022】
上記の本発明の共顆粒において、外被層またはコーティング層は、場合により1種または複数種のさらなる添加剤を、好ましくは0〜15重量%の量で、特に好ましくは0.1〜15重量%の量で、とりわけ好ましくは5〜15重量%の量で含有し得る。
【0023】
上記の本発明の共顆粒において、外被層またはコーティング層は、また、場合により1種または複数種の染料をも、好ましくは0〜5重量%の量で、特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含有し得る。
【0024】
構成成分a)の漂白活性化剤および構成成分c)の結合剤、ならびに場合により本発明の共顆粒の顆粒核中に含有される有機酸についての上記の量の記載は、本発明の共顆粒の顆粒核の合計量に対するものである。一方、構成成分d)の漂白触媒、構成成分e)のコーティング剤、ならびに場合により本発明の共顆粒の外被層またはコーティング層中に含有されるさらなる添加剤および染料についての上記の量の記載は、本発明の共顆粒の外被層またはコーティング層の合計量に対するものである。
【0025】
好ましい本発明の共顆粒は、顆粒核が、共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の0重量%を含有し、外被層またはコーティング層が、共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の100重量%を含有することを特徴とする。
【0026】
顆粒核:外被層またはコーティング層の重量比は、好ましくは95:5〜50:50である。
【0027】
顆粒核:外被層またはコーティング層の重量比は、特に好ましくは90:10〜60:40である。
【0028】
漂白活性化剤
本発明の顆粒は、漂白活性化剤として、多価アシル化アルキレンジアミン、とりわけテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、とりわけ1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、とりわけテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、とりわけN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、とりわけn−ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはn−ラウロイルオキシベンゼンスルホネート(NOBSまたはLOBS)、アシル化フェノールカルボン酸、とりわけノナノイルオキシ安息香酸またはデカノイルオキシ安息香酸(NOBAまたはDOBA)、無水カルボン酸、とりわけ無水フタル酸、アシル化多価アルコール、とりわけトリアセチン、エチレングリコール二酢酸および2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランならびにアセチル化ソルビトールおよびマンニトール、またはその混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体、とりわけペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトースならびにアセチル化、場合によりN−アルキル化されたグルカミンおよびグルコノラクトン、および/またはN−アシル化ラクタム、例えばN−ベンゾイルカプロラクタムを含有し得る。親水性基で置換されたアシルアセタールおよびアシルラクタムも、好ましくは使用される。さらにまた、n−メチル−モルホリニウム−アセトニトリル−メチルスルフェート(MMA)またはシアノモルホリン(MOR)のようなニトリル誘導体を、漂白活性化剤として使用することもできる。従来の漂白活性化剤の配合物も使用することができる。特に好ましい漂白活性化剤はTAEDおよびDOBAである。
【0029】
漂白触媒
漂白触媒として、本発明の枠内で、好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタンまたはバナジウムの漂白増強性遷移金属塩、または漂白増強性遷移金属錯体が使用される。
【0030】
金属塩を使用する場合、とりわけ酸化数(Oxidationsstufen)が+2または+3のマンガン塩、例えばハロゲン化マンガン(塩化物が好ましい)、硫酸マンガン、有機酸マンガン塩、例えば酢酸マンガン、アセチルアセトン酸マンガン、シュウ酸マンガン、ならびに硝酸マンガンが好ましい。
【0031】
好ましくは電子供与性官能基N、NR、PR、Oおよび/またはSを有する1種または複数種の大環状配位子を有する、酸化数IIまたはIIIの鉄および酸化数II、III、IVまたはIVのマンガンの錯体がさらに好ましい。好ましくは、窒素の電子供与性官能基をもつ配位子が使用される。
【0032】
本発明の共顆粒における遷移金属錯体として、好ましくは、例えば欧州特許第0458397号(特許文献1)、欧州特許第0458398号(特許文献2)、欧州特許第0549272号(特許文献9)、国際公開96/06154号(特許文献10)、国際公開96/06157号(特許文献11)または国際公開2006/125517号(特許文献12)に記載されているように、大分子配位子(makromolekularen Liganden)として1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン(Me−TACN)、1,4,7−トリアザシクロノナン(TACN)、1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシクロドデカン(Me−TACD)、2−メチル−1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン(MeMeTACN)および/もしくは2−メチル−1,4,7−トリアザシクロノナン(Me/TACN)を、または1,2−ビス−(4,7−ジメチル−1,4,7−トリアザシクロノノ−1−イル)エタン(Me4−DTNE)のような架橋配位子を、または1,8−ジメチルサイクラム、1,7−ジメチルサイクレン、1,8−ジエチルサイクラム、1,7−ジエチルサイクレン、1,8−ジベンジルサイクラムおよび1,7−ジベンジルサイクレンのようなサイクラムもしくはサイクレンの誘導体を有する錯体、さらにまた欧州特許第1445305(特許文献13)、欧州特許第1520910(特許文献14)または欧州特許第1557457(特許文献15)から公知のようなマンガン錯体が使用される。
【0033】
適切なマンガン錯体は、例えば[MnIII(μ−O)(μ−OAc)(TACN)](PF、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](PF、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](SO)、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](OAc)、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](Cl)、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)](PF、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)]Cl、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)](SO)、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)](OAc)、cis−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)ジクロロ−鉄(III)クロリド、trans−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)ジクロロ−鉄(III)クロリド、1,8−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−鉄(II)クロリド、1,8−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−マンガン(II)クロリドおよび1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−マンガン(II)クロリドである。
【0034】
特に好ましい金属含有漂白触媒は、マンガン塩およびマンガン錯体から選択され、その際、マンガン塩のうちで、さらにまた硫酸マンガン、酢酸マンガンおよびシュウ酸マンガンから選択される塩が好ましく、マンガン錯体のうちで、さらにまた[MnIII(μ−O)(μ−OAc)(TACN)](PF、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](PF、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](SO)、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](OAc)、[MnIV(μ−O)(Me−TACN)](Cl)、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)](PF、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)]Cl、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)](SO)、[MnIV(μ−O)(Me4−DTE)](OAc)、cis−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)ジクロロ−鉄(III)クロリド、trans−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン)ジクロロ−鉄(III)クロリド、1,8−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−鉄(II)クロリド、1,8−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−マンガン(II)クロリドおよび1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−マンガン(II)クロリドから選択される錯体が好ましい。
【0035】
有機酸
有機酸としては、単量体の酸(monomere Saeure)も多量体の酸(polymere Saeure)も、遊離酸の形態または部分中和された形態で使用することができる。したがって、本発明の枠内で「有機酸」という概念には、遊離形態の有機酸と同様に、部分中和された形態の有機酸も含まれる。
【0036】
対イオンとしてはNaイオンが好ましい。
【0037】
好ましい有機酸は、クエン酸、アスコルビン酸、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、脂肪酸、およびこれらの混合物である。特に好ましい有機酸は、シュウ酸、アスコルビン酸、クエン酸および脂肪酸である。多量体の酸として、アクリル酸ポリマーならびにアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマーおよびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマーが使用される。
【0038】
とりわけ好ましい有機酸は、クエン酸、アスコルビン酸およびシュウ酸である。
【0039】
結合剤
本発明の共顆粒は、共顆粒の結合を保証するためにさらなる成分として1種または複数種の結合剤を含有する。
【0040】
結合剤として、好ましくは脂肪酸、アルコールエトキシレート、ポリマーおよび天然粘土鉱物から選択される物質を使用することができる。この場合、ポリマーは、合成および天然ポリマー、ならびに天然起源の変性ポリマーと理解される。さらにまたこれらの物質のうちで、天然粘土鉱物が好ましい。
【0041】
とりわけラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸またはその混合物のような、8〜22個の炭素原子を有する有機脂肪酸が適切である。さらに有機ポリマーが好ましい。ポリマーは、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性の性質のものでよい。合成ポリマーと同様に天然ポリマーおよび天然起源の変性ポリマーも使用可能である。
【0042】
結合剤として特に好ましく使用される非イオン性ポリマーの群には、ポリビニルアルコール、アセタール化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリアルキレングリコール、とりわけポリエチレンオキシドが含まれる。好ましいポリビニルアルコールおよびアセタール化ポリビニルアルコールは、10,000〜100,000g/mol、好ましくは11,000〜90,000g/mol、特に好ましくは12,000〜80,000g/mol、とりわけ好ましくは13,000〜70,000g/molの範囲の分子量を有する。好ましいポリエチレンオキシドは、約5〜>100,000の重合度nに相当する約200〜5,000,000g/molの範囲のモル質量を有する。
【0043】
結合剤として特に好ましく使用される陰イオン性ポリマーは、とりわけホモポリマーまたはコポリマー性ポリカルボキシレートである。例えばポリアクリル酸またはポリメタクリル酸、とりわけ500〜70,000g/molの相対モル質量(Molekuelmasse)を有するものが好ましくは使用される。
【0044】
そのうち、好ましくは2,000〜20,000g/molの分子量を有するポリアクリレートが好ましい。さらにはこの群のうちで2,000〜10,000g/mol、好ましくは3,000〜5,000g/molのモル質量を有する短鎖ポリアクリレートが、溶解性が優れているため、好ましい。
【0045】
さらに、そのうちで、コポリマー性ポリカルボキシレート、とりわけアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマーおよびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマーが好ましい。50〜90重量%のアクリル酸および50〜10重量%のマレイン酸を有する、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーがとりわけ適切であることが証明された。遊離酸を基準とするその相対モル質量は、好ましくは2,000〜70,000g/mol、特に好ましくは20,000〜50,000g/mol、とりわけ好ましくは30,000〜40,000g/molである。
【0046】
水溶性の改善のために、ポリマーは、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸のようなアリルスルホン酸から生じた構造単位をも有していてよい。2つを超える異なるモノマー単位から成る、生分解性ポリマー、例えばアクリル酸塩およびマレイン酸塩から成る構造単位ならびにビニルアルコールまたはビニルアルコール誘導体および糖誘導体から成る構造単位、またはアクリル酸塩および2−アルキルアリルスルホン酸塩から成る構造単位ならびに糖誘導体から成る構造単位を有するポリマーが好ましい。
【0047】
さらなる好ましいコポリマーは、アクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩、またはアクロレインおよび酢酸ビニルから生じる構造単位を有するコポリマーである。
【0048】
結合剤として好ましく使用されるさらなる陰イオン性ポリマーは、スルホン酸基含有ポリマー、とりわけ不飽和カルボン酸、スルホン酸基含有モノマーおよび場合によりさらなるイオノゲン性または非イオノゲン性モノマーから成るコポリマーである。
【0049】
さらなる好ましい結合剤は、室温で固体のC〜C22アルコールエトキシレート、好ましくは例えばClariant社のGenapol(登録商標)T500のような、分子中に平均10〜100エチレンオキシド単位を有するC〜C22アルコールエトキシレートまたはカルボキシメチルセルロースである。
【0050】
天然粘土鉱物のうちでは、とりわけベントナイトが好ましい。
【0051】
コーティング層およびコーティング材料
すでに結合剤として使用された材料(例えばベントナイトのような天然粘土鉱物を除く)は、コーティング材料としても使用することができる。これに関して、共顆粒は、均一な保護層が生じるように、製造後に別のステップで1種または複数種のコーティング材料で被覆される。本発明の好ましい一実施形態では、顆粒全体でのその含量は、少なくとも10重量%である。
【0052】
さらなる好ましい一実施形態では、コーティング層は、できるだけ完全かつ均一に顆粒核を被覆する。
【0053】
コーティング材料として好ましい物質は、前述の好ましい結合剤と一致する(例えばベントナイトのような天然粘土鉱物を除く)。したがって、本発明のさらなる好ましい一実施形態では、コーティング材料は、脂肪酸、アルコールエトキシレートおよびポリマーから選択される。ここでもまた、ポリマーは、合成および天然ポリマーならびに天然起源の変性ポリマーと理解される。さらに、上記の物質のうちで、脂肪酸、とりわけ8〜22個の炭素原子を有する脂肪酸が好ましい。
【0054】
染料
本発明の共顆粒は、本発明のさらなる好ましい一実施形態において1種または複数種の染料を含有する。当業者が難なく選択できる好ましい染料は、高い保存安定性と、洗剤の通常の成分および光に対する非感受性を有することに加えて、染料含有の剤で処理されるべき、例えば繊維製品、ガラス、陶器またはプラスチック食器のような基質に対して顕著な直接染色性(Substantivitaet)を有さず、したがってこれらを着色しない。
【0055】
染料を選択する際には、その染料が高い保存安定性および光に対する非感受性を有することに注意しなければならない。適切な染料を選択する際、同時に、染料が酸化に対して異なる安定性を有することも考慮すべきである。一般に、水不溶性染料は水溶性染料よりも酸化に対して安定である。溶解性に応じて、したがって酸化感受性にも応じて、洗剤および洗浄剤中の染料濃度は変動する。洗浄工程中に酸化的に分解し得る染料、ならびにこの染料と適切な青色染料、いわゆる青味剤(Blautoener)との混合物が好ましい。水または室温の液体有機物に可溶な染料を使用するのが有利であることが証明されている。例えば陰イオン性染料、例えば陰イオン性ニトロソ染料が適切である。
【0056】
さらなる添加剤
本発明の共顆粒中に、とりわけ外被層またはコーティング層中に含有されてもよいさらなる添加剤は、従来技術から周知なように、そのような顆粒中で、とりわけ洗剤および洗浄剤中での使用が意図される顆粒中で使用される添加剤である。
【0057】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明の共顆粒の顆粒核は、構成成分a)の漂白活性化剤および構成成分c)の結合剤から成る。
【0058】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明の共顆粒の顆粒核は、構成成分a)の漂白活性化剤、構成成分c)の結合剤および有機酸から成る。
【0059】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明の共顆粒の外被層またはコーティング層は、構成成分d)の漂白触媒および構成成分e)のコーティング剤から成る。
【0060】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明の共顆粒の外被層またはコーティング層は、構成成分d)の漂白触媒、構成成分e)のコーティング剤および染料から成る。
【0061】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明の共顆粒は、構成成分a)の漂白活性化剤、構成成分c)の結合剤、構成成分d)の漂白触媒、構成成分e)のコーティング剤、ならびに本発明の共顆粒の顆粒核中に含有される有機酸および本発明の共顆粒の外被層またはコーティング層中に含有される染料、およびさらなる添加剤から選択される1種または複数種の物質から成る。
【0062】
本発明の共顆粒の製造
本発明の共顆粒を調製するためには、基本的に種々の造粒方法が可能である。
【0063】
第一の好ましい変形形態では、混合装置中でビルドアップ造粒を行う。この場合、通例、回転式混合機関を備えるバッチ式または連続的に稼働する通常の混合設備で構成成分を処理する。混合機としては、例えばプラウシェアミキサー(Loedige KM型、Drais K−T型)のような中程度で作動する装置だけでなくインテンシブミキサー(Intensivmischer)(例えばEirich、Schugi、Loedige CB型、Drais K−TT型)も使用することができる。混合においては、構成成分の十分な混合を保証する全ての混合が考えられる。好ましい一実施形態では、全ての構成成分を同時に混合する。しかしながら、個々の構成成分を様々な組み合わせで個別にまたは他の添加剤と一緒に全体的混合に供する、多段階混合工程も考えられる。低速混合機および高速混合機の順序は、必要に応じて入れ替えることができる。混合機造粒における滞留時間は、好ましくは0.5秒〜20分、特に好ましくは2秒〜10分である。造粒液は、簡単な案内管を経由して混合装置中へとポンプ輸送することができる。しかしながら、より良好な分配のためにはノズルシステム(一成分または多成分ノズル)も考えられる。
【0064】
顆粒の凝集を回避するために、使用された造粒液(溶媒または融解物の形態の結合剤)に応じて、造粒段階の後に乾燥ステップ(溶媒用)または冷却ステップ(融解物用)を実施する。この後処理は、好ましくは流動床装置で実施する。その後、篩分けによって粗粒画分および微粒画分を分離する。粗粒画分は、粉砕によって細分化し、微粒画分と同様に新たな造粒工程に供給する。
【0065】
可塑剤を用いた造粒
さらなる好ましい一実施形態では、粉末形態の構成成分(漂白活性化剤、漂白触媒および場合によりさらなる助剤)を1種または複数種の可塑化物質と混合する。可塑剤は、液体または融解物として導入することができ、本発明によれば融解物の形態の物質が好ましい。
【0066】
塑性成形可能な材料が生じるように、液体可塑剤を、粉末形態の活性物質および場合によりさらなる添加剤と激しく混合する。この混合ステップは、上記混合装置中で行うことができるが、混練機または特殊な型の押出機(例えばHosokawa−Bepex Corp.社のExtrud−o−mix)も考えられる。その後、ツールを用いて、押出ダイのダイ孔を通して顆粒材料をプレスして、円筒形に成形された押出物を得る。押出工程に適した装置は、リングコラープレス(Ringkollerpresse)(例えばSchlueter、Salmatec、Buehler社製)、エッジランナー(例えばAmandus−Kahl社製)、および単軸機(例えばHosokawa−Bepex、Fuji−Paudal社製)としてまたは好ましくは二軸スクリュー押出機(例えばHaendle社製)として設計された押出機である。ダイ孔の直径の選択は、個々のケースに依存し、典型的には0.7〜4mmの範囲にある。
【0067】
排出された押出物は、仕上げステップによって所望の長さまたは粒子サイズに細断する。多くの場合、L/D=1の長さ/直径比が望ましい。円筒形の顆粒の場合、粒子の直径は、0.2〜2mm、好ましくは0.5〜0.8mmであり、粒子長は、0.5〜3.5mm、理想的には0.9〜2.5mmの範囲である。顆粒の長さまたは大きさの調整は、例えば固定のストリッピングナイフ(Abstreifermesser)、回転するカッティングナイフ、カッティングワイヤまたはカッティングブレードによって行うことができる。その後、切断面の縁を丸み付けするために、顆粒をラウンダー(例えばGlatt、Schlueter、Fuji Paudal社製)で再び面取りすることができる。
【0068】
顆粒のサイズ調整後に、最終の硬化ステップが必要である。このステップでは溶媒を除去し、または融解物を凝固させる。通例、このステップは、必要条件に応じて乾燥機または冷却機として稼働する流動床式の装置で実施する。その後、篩過によって粗粒画分および微粒画分を分離する。粗粒画分は、粉砕によって細分化し、微粒画分と同様に新たな造粒プロセスに供給する。
【0069】
圧縮
さらなる好ましい一実施形態では、粉末形態の活性物質を、場合によりさらなる好ましい固形添加剤と混合し、この混合物を圧縮し、次いで粉砕し、続いて場合により個々の粒子画分に篩過する。場合によりその混合物に、追加的にある分量(例えば最大10重量%)の液体添加剤も添加することができる。圧縮助剤の例は、水ガラス、ポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、ポリカルボキシレートコポリマー、修飾および/または非修飾セルロース、ベントナイト、ヘクトライト、サポナイトおよび/または他の洗剤成分である。
【0070】
圧縮は、好ましくはいわゆるローラーコンパクター(例えばHosokawa−Bepex、Alexanderwerk、Koeppern社製)で実施する。ローラーのプロファイルの選択によって、一方で小片のペレットまたはブリケットが、他方ではプレススラグ(Pressschuelpe)が得られる。小片のプレス品は、通常、微粒画分と分離されるだけであるのに対して、フレークはミル中で所望の粒子サイズまで細分化しなければならない。典型的には、ミルの種類として、好ましくは穏和なミル装置、例えばスクリーンミルおよびハンマーミル(例えばHosokawa−Alpine、Hosokawa−Bepex社製)またはローラーミル(例えばBauermeister、Buehler社製)が使用される。
【0071】
このようにして作製された顆粒から篩過によって微粒画分および場合により粗粒画分を分離する。粗粒画分は、再びミルに供給し、微粒画分は再び圧縮に供する。顆粒を分級するために、例えばタンブル篩機または振動篩機(例えばAllgaier、Sweco、Vibra社製)のような通常の篩機を使用することができる。
【0072】
コーティング法:
前記方法により製造された顆粒には、第二ステップで、いわゆる活性コーティングを付与する。そのために、顆粒を、追加のステップで公知の方法によりフィルム形成物質で覆い、その際、コーティング外被は、1種または複数種の漂白触媒および場合によりさらなる添加剤を含有する。
【0073】
一方ではコーティング外被の均一な分布のために、および他方ではより良好な加工のために、コーティング中に組み込む前に漂白触媒を細分化するのが有利であると証明することができる。その際、調整すべき、粉砕された漂白触媒の最大粒子サイズは、とりわけ漂白触媒の出発粒子サイズ、塗布されるコーティング層の寸法、およびコーティング工程の工程条件によって規定される。典型的には、漂白触媒の最大粒子サイズは、<100μm、好ましくは<50μmに制限することができる。
【0074】
漂白触媒の粉砕が必要な限り、原理的に全ての通常の粉砕原理および粉砕ユニットが考えられる。例えばピンミル内で衝撃細分化を行うことができる。最終的には、とりわけ漂白触媒の粉砕特性、例えばもろさ、および所望の粉砕度によってミルの選択が決まる。
【0075】
調製された漂白触媒は、次の工程ステップでコーティング物質中に組み込む。このためにコーティング液を容器に入れ、撹拌しながら漂白触媒を混入する。液系に応じて、どちらかといえば低粘度の系の場合は固体の沈降を防止するために撹拌部材が、または高粘度系の場合は剪断エネルギーを導入するためにミキサーが有利である。
【0076】
すでに前記のように、本発明の好ましい一実施形態では、コーティング材料は、脂肪酸、アルコールエトキシレートおよびポリマーから選択される。
【0077】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、コーティング材料は、ろう、シリコーン、脂肪酸、脂肪アルコール、セッケン、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン性および陽イオン性ポリマー、ならびにポリアルキレングリコールのようなフィルム形成物質から選択される。好ましくは、30〜100℃の融点を有するコーティング物質が使用される。その例は:C〜C31脂肪酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸;C〜C31脂肪アルコール;1,000〜50,000g/molのモル質量を有するポリエチレングリコール;1〜100MolのEOを有する脂肪アルコールポリアルコキシレート(EO:エチレンオキシド単位);C〜C31炭化水素残基を有するアルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ろう、例えばモンタンろう、パラフィンろう、エステルろう、ポリオレフィンろう、シリコーンである。
【0078】
さらに、30〜100℃の範囲で軟化または融解するコーティング物質中に、この範囲で軟化または融解しないさらなる物質、例えば不飽和カルボン酸および/またはスルホン酸のホモポリマー、コポリマー、またはグラフトコポリマー、ならびにそのアルカリ塩、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエーテル、ポリビニルピロリドン;3〜8個のC原子を有する一価および多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸またはエーテルカルボン酸およびその塩;ケイ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩が、溶解または懸濁形態で存在することができる。
【0079】
外被物質を塗布するために、ミキサー(機械的誘起流動層)および流動層装置(空気誘起流動層)を使用することができる。ミキサーとしては、例えばプラウシェアミキサー(連続式およびバッチ式)、リングレイヤーミキサー(Ringschichtmischer)またはSchugiミキサーも可能である。ミキサーを使用する場合、テンパリングは、顆粒予熱機中で、および/またはミキサー中で直接、および/またはミキサーに後続する流動床中で行うことができる。コーティングされた顆粒を冷却するために、顆粒冷却機または流動床冷却機を使用することができる。流動層装置の場合、テンパリングは流動化のために使用される高温ガスを通じて行う。流動層法によってコーティングされた顆粒は、混合法と同様に、顆粒冷却機または流動床冷却機により冷却することができる。混合法と同様に流動層法の場合も、コーティング物質は一成分または二成分ノズル装置を通して噴霧することができる。任意選択のテンパリングは、30〜100℃の、ただし個々の外被物質の融解または軟化温度以下の温度での熱処理である。好ましくは、融解または軟化温度よりもわずかに低い温度で作業する。
【0080】
そのうえ、コーティング剤を、溶液または懸濁物の形態で一次粒子上に塗布することができるが、これは、原則として上述の装置で可能である。液体の噴霧と水分の乾燥を同時に行うことができるという利点が得られるので、好ましくは、ここで、流動層装置を使用することができる。それによって、しばしば方法および達成可能な製品品質において高い自由度を達成できる。
【0081】
本発明の共顆粒に特徴的なのは、まず第一にその化学的組成である。それにもかかわらず、この共顆粒の漂白作用が、選択された篩画分の、例えば粒子サイズ、微粒子の割合および漂白触媒含量のような物理パラメータの調整によっても有利に調整できることが証明された。
【0082】
この理由から、好ましい本発明の共顆粒は、その共顆粒が0.1〜1.6mmの間、好ましくは0.2〜1.2mmの間、特に好ましくは0.3〜1.0mmの間の平均粒子サイズを有することを特徴とする。
【0083】
本発明の共顆粒は、全ての洗剤または洗浄剤における使用に適するが、その際、食器の機械洗浄用洗剤での使用が、特に有利であることが証明された。
【0084】
したがって、本発明のさらなる対象は、洗剤および洗浄剤、好ましくは食器の機械洗浄用洗剤を製造するための、本発明の共顆粒の使用である。
【0085】
本発明のさらなる対象は、本発明の共顆粒を含有する、洗剤および洗浄剤、好ましくは食器の機械洗浄用洗剤である。
【0086】
好ましい本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、本発明の共顆粒を0.1〜10重量%の量で、好ましくは0.2〜8重量%の量で、特に好ましくは0.5〜6重量%の量で含有する。
【0087】
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、顆粒、粉末またはタブレット形態の固体としても、液体またはペースト形態でも存在し得るが、本発明の共顆粒以外に原理的に全ての公知でそのような洗剤中で通常の成分を含有することができる。本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、とりわけビルダー物質、過酸素化合物、酵素、アルカリ担体、表面活性界面活性剤、pH調節剤、有機溶媒、ならびにガラス腐食阻害剤、銀腐食阻害剤および発泡調節剤のようなさらなる助剤を含有することができる。
【0088】
特に好ましい洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、そのときどきの剤全体に対して
i)15〜65重量%、好ましくは20〜60重量%の水溶性ビルダー構成成分、
j)5〜25重量%、好ましくは8〜17重量%の過酸素化合物、および
k)0.5〜6重量%の本発明の共顆粒
を含有する。そのような剤は、とりわけ弱アルカリ性であり、すなわちその1重量%溶液は、8〜11.5、好ましくは9〜11のpH値を有する。
【0089】
水溶性ビルダー構成成分またはビルダー物質
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤中の水溶性ビルダー構成成分としては、原理的にそのような洗剤に通常使用される全てのビルダーが、例えばアルカリ性、中性または酸性のナトリウムまたはカリウム塩の形態で存在し得るリン酸アルカリが考慮の対象になる。その例は、リン酸三ナトリウム、二リン酸四ナトリウム、二リン酸二水素二ナトリウム、三リン酸五ナトリウム、いわゆる六メタリン酸ナトリウム、ならびに対応するカリウム塩またはナトリウム塩とカリウム塩の混合物である。その量は、剤全体に対して最大約60重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲でよい。さらなる可能な水溶性ビルダー構成成分は、ポリホスホネートおよびホスホネートアルキルカルボキシレート以外に、例えば、とりわけ硬水地域でコビルダーとして作用する、ポリカルボキシレート型の天然または合成起源の有機ポリマーである。例えばポリアクリル酸、および無水マレイン酸とアクリル酸とのコポリマー、ならびにこれらのポリマー酸のナトリウム塩が考慮される。市販の製品は、例えばBASF社のSokalan(商標)CP5、CP10およびPA30である。コビルダーとして有用な天然起源のポリマーには、例えば酸化デンプン、およびポリグルタミン酸またはポリアスパラギン酸のようなポリアミノ酸が属する。さらなる可能な水溶性ビルダー構成成分は、例えばモノヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシコハク酸、α−ヒドロキシプロピオン酸およびグルコン酸のような天然に存在するヒドロキシカルボン酸である。好ましい水溶性有機ビルダー構成成分には、クエン酸塩、とりわけクエン酸ナトリウムが属する。クエン酸ナトリウムとしては、無水クエン酸三ナトリウム、好ましくはクエン酸三ナトリウム二水和物が考慮される。クエン酸三ナトリウム二水和物は、微結晶性粉末または粗結晶性粉末として使用することができる。本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤において最終的に調整されたpH値に応じて、上述のコビルダー塩に対応する酸も存在してよい。
【0090】
過酸素化合物
好ましい過酸素化合物は、過ホウ酸塩および過炭酸塩、とりわけこれらの化合物の対応するナトリウム塩である。
【0091】
酵素
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤中に場合により含有される酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、クチナーゼおよび/またはリパーゼ、例えばBLAP(商標)、Optimase(商標)、Opticlean(商標)、Maxacal(商標)、Maxapem(商標)、Durazym(商標)、Purafect(商標)OxP、Esperase(商標)および/もしくはSavinase(商標)のようなプロテアーゼ、Termamyl(商標)、Amylase−LT(商標)、Maxamyl(商標)、Duramyl(商標)のようなアミラーゼ、ならびに/またはLipolase(商標)、Lipomax(商標)、Lumafast(商標)および/もしくはLipozym(商標)のようなリパーゼが属する。使用される酵素は、早期の不活性化を防止するために、担体材料に吸着させ、かつ/または外被物質に封入することができる。酵素は、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤に、好ましくは最大10重量%の量で、特に好ましくは0.05〜5重量%の量で含有され、特に好ましくは酸化分解に対して安定化された酵素が使用される。
【0092】
アルカリ担体
好ましくは、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、例えばケイ酸アルカリ、炭酸アルカリおよび/または炭酸水素アルカリのような通常のアルカリ担体を含有する。通常に使用されるアルカリ担体には、炭酸塩、炭酸水素塩およびSiO/MO(M=アルカリ原子)のモル比が1:1〜2.5:1のケイ酸アルカリが含まれる。その際、ケイ酸アルカリは、剤全体に対して最大40重量%、とりわけ3〜30重量%の量で含有されていてよい。本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤に好ましく使用されるアルカリ担体系は、炭酸塩および炭酸水素塩の、好ましくは炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムの混合物であり、これは、最大50重量%、好ましくは5〜40重量%の量で含有されていてよい。
【0093】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、20〜60重量%の水溶性有機ビルダー、とりわけクエン酸アルカリ、3〜20重量%の炭酸アルカリおよび3〜40重量%の二ケイ酸アルカリを含有する。
【0094】
界面活性剤
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤には、場合により、脂肪含有性の汚れの溶解の改善に、湿潤剤として、かつ場合によりこの剤の製造の枠内で造粒助剤として働く、界面活性剤、とりわけ陰イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、好ましくは低発泡性非イオン界面活性剤も添加することができる。その量は、最大20重量%、好ましくは最大10重量%でよく、特に好ましくは0.5〜5重量%の範囲内である。通常、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤には、極めて低起泡性の化合物が使用される。これには、好ましくは、分子中にそれぞれ最大8Molのエチレンオキシド単位およびプロピレンオキシド単位を有するC12〜C18アルキルポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールエーテルが含まれる。しかしながら、例えば分子内にそれぞれ最大8Molのエチレンオキシド単位およびブチレンオキシド単位を有するC12〜C18アルキルポリエチレングリコール−ポリブチレングリコールエーテル、末端キャップされたアルキルポリアルキレングリコール混合エーテルのような他の公知の低起泡性非イオン界面活性剤、ならびに確かに発泡性であるが生態学的に魅力的な約1〜4の重合度を有するC〜C14アルキルポリグルコシドおよび/または分子中に3〜8個のエチレンオキシド単位を有するC12〜C14アルキルポリエチレングリコールも使用することができる。例えば、アルキル部分が好ましくはC〜C14のC鎖長を有する脂肪アルコールに由来するアルキル−N−メチル−グルカミドのようなグルカミド・ファミリーの界面活性剤も同様に適切である。記載された界面活性剤が混合物として、例えばアルキルポリグリコシドと脂肪アルコールエトキシレートとの、またはグルカミドとアルキルポリグルコシドとの配合物として使用されると、ある程度有利である。アミンオキシド、ベタインおよびエトキシル化アルキルアミンの存在も可能である。
【0095】
pH調節剤
他の構成成分の混合によって自然に生じるわけではない所望のpH値に調整するために、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、システムおよび環境適合性の酸、とりわけクエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸および/またはアジピン酸、さらに鉱酸、とりわけ硫酸もしくは硫酸水素アルカリ、または塩基、とりわけ水酸化アンモニウムもしくは水酸化アルカリも含有し得る。そのようなpH調節剤は、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤中に、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは0.5〜6重量%含有される。
【0096】
有機溶媒
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤中において、とりわけそれらが液体またはペースト形態で存在する場合に、使用可能な有機溶媒には、1〜4個のC原子を有するアルコール、とりわけメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびtert−ブタノール、2〜4個のC原子を有するジオール、とりわけエチレングリコールおよびプロピレングリコール、ならびにその混合物、および上記の化合物クラスから誘導可能なエーテルが属する。そのような水混和性溶媒は、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤中に、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは1〜15重量%の量で存在する。
【0097】
ガラス腐食阻害剤
すすぎサイクル中のガラス腐食を防止するために、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤中に相応の阻害剤を使用することができる。この場合、結晶性層状ケイ酸塩および/または亜鉛塩が、特に有利である。結晶性層状ケイ酸塩は、例えばClariant社からNa−SKS、例えばNa−SKS−1(NaSi2245・xHO、ケニヤアイト(Kenyait))、Na−SKS−2(NaSi1429・xHO、マガディアイト(Magadiit))、Na−SKS−3(NaSi17・xHO)またはNa−SKS−4(NaSi・xHO、マカタイト(Makatit))の商品名で販売されている。これらのうちで、とりわけNa−SKS−5(α−NaSi)、Na−SKS−7(β−NaSi、ナトロシライト(Natrosilit))、Na−SKS−9(NaHSi・HO)、Na−SKS−10(NaHSi・3HO、カネマイト(Kanemit))、Na−SKS−11(t−NaSi)およびNa−SKS−13(NaHSi)、とりわけNa−SKS−6(delta−NaSi)が適切である。結晶性層状ケイ酸塩についての総説は、例えば「Seifen-Oele-Fette-Wachse、116巻、20/1990号」(非特許文献1)、805〜808ページに発表された論文にある。
【0098】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、そのときどきのこれらの剤の合計重量に対して好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.2〜15重量%、とりわけ好ましくは0.4〜10重量%の量の結晶性層状ケイ酸塩を有する。
【0099】
ガラス腐食を抑制するために、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、好ましくは有機亜鉛塩の群から選択される、特に好ましくは可溶性有機亜鉛塩の群から選択される、とりわけ好ましくは単量体または多量体の酸の可溶性亜鉛塩の群から選択される、極めて好ましくは酢酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、ギ酸亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、アビエチン酸亜鉛、吉草酸亜鉛およびp−トルエンスルホン酸亜鉛の群から選択される、少なくとも1種の亜鉛塩またはビスマス塩を含有し得る。これらの亜鉛塩の代わりに、またはそれと一緒に、例えば酢酸ビスマスのようなビスマス塩を使用することもできる。
【0100】
その際、本発明の枠内で、どの亜鉛塩が使用されるかにかかわらず、すなわちとりわけ有機または無機亜鉛塩が使用されるか、可溶性または不溶性亜鉛塩が使用されるか、それともその混合物が使用されるかにかかわらず、亜鉛塩の量が剤の合計重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜7重量%、特に好ましくは0.4〜4重量%である、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤が、好ましいと見なされる。
【0101】
銀腐食阻害剤
銀腐食防止を達成するために、本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤中に銀腐食阻害剤を使用することができる。好ましい銀腐食阻害剤は、シスチンおよびシステインのような有機スルフィド、2価または3価フェノール、ベンゾトリアゾールのような、場合によりアルキルまたはアリールで置換されたトリアゾール、イソシアヌル酸、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルトもしくはセリウムの塩および/または錯体であり、ここで、挙げられた金属は、金属に応じて酸化数がII、III、IV、VまたはVIである。
【0102】
発泡調節剤
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤が、例えば陰イオン界面活性剤の存在下で使用される場合に強く発泡しすぎる場合には、最大6重量%、好ましくは約0.5〜4重量%の、好ましくはシリコーン油、シリコーン油と疎水化ケイ酸との混合物、パラフィン、パラフィン−アルコール配合物、疎水化ケイ酸、ビス脂肪酸アミド、およびその他のさらなる公知の市販消泡剤の群からの、抑泡性(schaumdrueckend)化合物を添加することができる。
【0103】
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、さらなる成分として、例えばそのような剤用に従来技術から公知の金属イオン封鎖剤、電解質、追加の過酸素−活性化剤、染料または例えば香油のような着香料を含有し得る。
【0104】
本発明の洗剤および洗浄剤の製造
本発明の固体洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤の製造は、難しくはなく、原理的に公知の方法で、例えばスプレードライまたは造粒によって行うことができ、その際、過酸素化合物および本発明の共顆粒が、場合により後で別々に添加される。
【0105】
水溶液またはその他の通常の溶媒を含有する溶液の形態での本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ、対応する、食器の機械洗浄用洗剤は、成分を単に混合することによって特に有利に製造され、それらの成分は、ニートでまたは溶液として自動ミキサー中に加えることができる。
【0106】
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤は、好ましくは粉末形態、顆粒またはタブレット形態の調製物として存在し、それらは、それ自体は公知の方法で、例えば混合、造粒、ローラー圧縮によって、かつ/または熱負荷可能な構成成分のスプレードライおよびより感受性の構成成分の混入によって製造することができ、感受性の構成成分には、とりわけ酵素、漂白剤および漂白触媒が数えられる。
【0107】
本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ食器の機械洗浄用洗剤をタブレット形態で製造するには、好ましくは全ての構成要素がミキサーで相互に混合され、その混合物が従来の打錠機、例えば偏心プレスまたはロータリープレスによって200×10〜1500×10Paの範囲のプレス圧でプレスされる。
【0108】
このようにして、耐破壊性であり、それにもかかわらず使用条件下で十分迅速に溶解する、通常150Nを超える曲げ強度を有するタブレットが問題なく得られる。好ましくは、そのように製造されたタブレットは、直径35〜40mmの場合、15〜40g、とりわけ20〜30gの重量を有する。
【0109】
800〜1,000g/lの範囲の高いかさ密度を有する、飛散性でなく、保存安定性があり流動性の高い、粉末および/または顆粒の形態の本発明の洗剤および洗浄剤、とりわけ、対応する、本発明の食器の機械洗浄用洗剤の製造は、方法の第一の部分段階において、ビルダー構成成分を液体混合物成分の少なくとも一部と、このプレミックスのかさ密度を高めながら混合し、続いて(所望により途中乾燥後に)本発明の共顆粒を含む、剤のさらなる構成成分を、このようにして得られたプレミックスと一緒にすることによって行うことができる。
【0110】
本発明による、食器の機械洗浄用洗剤は、家庭用食器洗浄機ならびに工業用洗浄機に使用することができる。添加は手で、または適切な注入設備によって行われる。洗剤液中の使用濃度は、通例、約1〜8g/l、好ましくは2〜5g/lである。
【0111】
機械洗浄プログラムは、一般に、洗浄プロセスに続く浄水を用いた数回の途中すすぎプロセス、および通常の仕上げすすぎ剤(Klarspuelmittel)を用いた仕上げすすぎプロセスによって補完され、完了する。本発明の剤を使用した場合、乾燥後に全く汚れがなく、衛生面で完璧な食器が得られる。
【実施例】
【0112】
以下において、別に明白に記載されていない限り、%表示は重量パーセント(重量%)を意味する。記載の相対湿度に関しては、%表示は通常の意味を有する。
【0113】
技術的に入手可能な漂白活性化剤TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)は、Clariantから粉末形態で購入し、マンガン塩はSigma−Aldrichから購入し、使用した金属錯体は文献に従って製造した。
【0114】
例1: 活性コーティングを有する本発明の共顆粒の製造
この例は、TAEDと、特別に活性コーティングとして被覆された、例えばMn(II)−硫酸塩のような漂白触媒とを含有する共顆粒を対象とする。さらに、この共顆粒は、結合剤およびコーティング物質のような必要な造粒助剤、ならびに場合により例えば安定化剤のようなさらなる添加剤も含有する。
【0115】
活性コーティングを調製するために、外被物質またはコーティング剤としてのステアリン酸をT=95℃で撹拌タンク中に入れ、融解させる。撹拌された融解物に漂白触媒を入れ、一様に分布させる。漂白触媒は、予め研究室のミルで細分化しておいた。
【0116】
活性コーティング用のベース顆粒として、TAED顆粒(Peractive CB、Clariant社製品、ベントナイト含有)を研究室用ミキサーに入れる。中強度で撹拌しながら顆粒をT>70℃の必要開始温度に加温する。幾分高い撹拌速度で漂白触媒を有する融解混合物を一様にゆっくりと注入することによって、その混合物をベース顆粒上に一様に分布させ、過度の顆粒被覆を回避する。予定量の融解物混合物を塗布後に、コーティングされた顆粒を短時間、後混合し、ミキサーから取り出し、冷却する。その後、200〜1600μmの粗大画分および微小画分を分離するために、生成物を篩過する。
【0117】
本発明の共顆粒Aの場合、Peractive CBを使用する代わりに、まずTAED、ベントナイトおよびシュウ酸を混合し、続いて造粒し、得られた顆粒をコーティングする。
【0118】
表1に、製造された、活性コーティングを有する本発明の共顆粒のリストを示す。これらの共顆粒はさらなる実験に提供された。
【0119】
【表1】

TAED テトラアセチルエチレンジアミン
錯体1 [MnIV(μ−O)(Me−TACN)](PF、欧州特許第0458397号(特許文献1)に従って製造
錯体2 1,8−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−マンガン(II)クロリド、欧州特許第1557457号(特許文献15)に従って製造
【0120】
表1においては、本発明の共顆粒全体に対する各成分の量を重量%で示すだけでなく、対応する成分が本発明の共顆粒のどの部分に含有されるかに応じて、それぞれの成分の量を、顆粒核全体または外被層もしくはコーティング層全体に対する重量%でも表示する。その際、例えば共顆粒Aの漂白活性化剤についての「[K;84.3]」という表示は、その漂白活性化剤が顆粒核に含有されており、その量が、顆粒核のみの合計質量に対して84.3重量%であることを意味する。それに対して、例えば共顆粒Aの漂白触媒についての「[H;50.0]」という表示は、その漂白触媒が外被層またはコーティング層に含有されており、その量が、外被層またはコーティング層のみの合計質量に対して50.0重量%であることを意味する。
【0121】
例2: 吸湿性試験−物理的安定性
本発明の共顆粒の物理的安定性を調べるために、高い相対湿度での吸湿挙動を試験する。そのために、共顆粒を相対湿度65%および室温で数時間開放保存する。試験期間中に吸湿量を天秤で記録し、試料の外観の変化を観察する。保存試験の終了後に、重量の増加以外に流動性またはケーキング度も評点によって判定する(1点:非常に良好、自由に流動〜6点:完全にケーキング、もはや流動性でない)。
【0122】
表2に、前記共顆粒についての吸湿性試験の結果を示す。
【0123】
【表2】

【0124】
結果は、本発明の共顆粒が>1.5%という認識可能な吸湿量にもかかわらず、流動性を保ち、高い湿度の影響下でケーキングしないことを示す。
【0125】
例3: ベース洗剤粉末中での保存試験 − 化学的保存安定性
本発明の共顆粒の物理的安定性を調べるために、典型的な洗剤粉末調合物中での保存挙動を調査する。そのために、コーティングされた共顆粒を、完成した調合物が本発明の共顆粒を5%含有するように、IEC−Aベース洗剤粉末に混合する。続いてこの混合物を室内環境および厳しい環境条件(T=40℃、相対湿度75%)で数日間保存する。定期的に、試料を共顆粒の変色に関して判定し、評点で評価する(1点:非常に良好、変色なし〜6点:強い変色、非常に黒っぽい色)。
【0126】
表3に、ベース洗剤粉末中における前記共顆粒の保存試験結果を示す。
【0127】
【表3】

【0128】
結果は、検査された本発明の共顆粒全てが室内環境でも厳しい環境条件下でも良好〜非常に良好な保存安定性を有することを示している。したがって、活性コーティングは、高い保存安定性という利点も提供し、それにより本発明の共顆粒の不利な変色による欠陥を回避することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒核と、前記顆粒核を取り囲む外被層またはコーティング層とを含む共顆粒(Co−Granulat)であって、前記顆粒核が、
a)1種または複数種の漂白活性化剤、
a2)前記共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の0〜20重量%、および
c)1種または複数種の結合剤、
を含有し、前記外被層またはコーティング層が、
d)前記共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の80〜100重量%、および
e)1種または複数種のコーティング剤、
を含有することを特徴とする共顆粒。
【請求項2】
前記顆粒核が、
a)1〜99重量%の1種または複数種の漂白活性化剤、および
c)0.9〜30重量%の1種または複数種の結合剤、
を含有し、前記外被層またはコーティング層が、
d)1〜99重量%の1種または複数種の漂白触媒、および
e)1〜99重量%の1種または複数種のコーティング剤、
を含有することを特徴とする、請求項1に記載の共顆粒。
【請求項3】
前記顆粒核が、
a)50〜95重量%の1種または複数種の漂白活性化剤、および
c)4.9〜20重量%の1種または複数種の結合剤、
を含有し、前記外被層またはコーティング層が、
d)2〜60重量%の1種または複数種の漂白触媒、および
e)40〜98重量%の1種または複数種のコーティング剤、
を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の共顆粒。
【請求項4】
前記顆粒核が、前記共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の0重量%を含有し、前記外被層またはコーティング層が、前記共顆粒中に含有される1種または複数種の漂白触媒の合計量の100重量%を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の共顆粒。
【請求項5】
顆粒核と外被層またはコーティング層との重量比が95:5〜50:50であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の共顆粒。
【請求項6】
顆粒核と外被層またはコーティング層との重量比が、90:10〜60:40であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の共顆粒。
【請求項7】
前記1種または複数種の漂白活性化剤が、テトラアセチルエチレンジアミンおよびデカノイルオキシ安息香酸から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の共顆粒。
【請求項8】
前記1種または複数種の漂白触媒が、マンガン塩およびマンガン錯体から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の共顆粒。
【請求項9】
前記1種または複数種の結合剤が、脂肪酸、アルコールエトキシレート、ポリマーおよび天然粘土鉱物から選択され、好ましくは天然粘土鉱物から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の共顆粒。
【請求項10】
前記コーティング材料が、脂肪酸、アルコールエトキシレートおよびポリマーから選択され、好ましくは脂肪酸から選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の共顆粒。
【請求項11】
洗剤および洗浄剤、好ましくは食器の機械洗浄用洗剤を製造するための、請求項1〜10のいずれか一つに記載の1種または複数種の共顆粒の使用。

【公表番号】特表2012−523467(P2012−523467A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503910(P2012−503910)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002100
【国際公開番号】WO2010/115582
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】