説明

活性炭の再生装置

【課題】活性炭の再生を短時間で効率良く行うことができるようにする。
【解決手段】過熱水蒸気が内部に供給され、受入れ口12aから受入れた使用済み活性炭を前記過熱水蒸気により再生し、再生した活性炭を排出口12bから外部へ排出する再生炉12と、前記再生炉12の内部に、前記受入れ口12aから前記排出口12bへ前記使用済み活性炭を移動させつつ攪拌するように設けられ、軸回りに回動する軸部材14aの周りに螺旋状のフィン14bが形成された攪拌移動手段14とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば廃水中の溶剤等の除去や脱臭などの処理に用いた使用済み活性炭を再生する活性炭の再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記活性炭の再生装置として、処理に用いた使用済み活性炭を処理容器から別の再生炉に予め移し替えておき、その再生炉に、ボイラーで発生させた水蒸気を電磁誘導過熱水蒸気発生器により加熱して得た過熱水蒸気を供給し、再生炉内の使用済み活性炭を再生させる構成のものが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2006−164091号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した提案の活性炭の再生装置にあっては、再生炉の内部において活性炭が静止した状態で再生される構成であるため、塊状の活性炭の内部へ過熱水蒸気が達するまでの時間が長くなって活性炭の再生に長時間を要するという難点があった。また、再生炉と処理容器との間における活性炭の移し替えを行う手段が無いため、再生炉と処理容器との間での活性炭の移し替え作業が煩雑であり、この点で改良の余地が残されていた。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、活性炭の再生を短時間で効率良く行うことができる活性炭の再生装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明の他の目的は、再生炉と処理容器との間での活性炭の移し替え作業を容易に行うことができる活性炭の再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る活性炭の再生装置は、過熱水蒸気が内部に供給され、受入れ口から受入れた使用済み活性炭を前記過熱水蒸気により再生し、再生した活性炭を排出口から外部へ排出する再生炉と、前記再生炉の内部に、前記受入れ口から前記排出口へ前記使用済み活性炭を移動させつつ攪拌するように設けられ、軸回りに回動する軸部材の周りに螺旋状のフィンが形成された攪拌移動手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る活性炭の再生装置は、請求項1に記載の活性炭の再生装置において、前記攪拌移動手段は、前記軸部材が複数の貫通孔が形成された筒状のものであり、前記軸部材の内部を送られる前記過熱水蒸気が前記貫通孔から外側へ噴出するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る活性炭の再生装置は、請求項1または2に記載の活性炭の再生装置において、前記攪拌移動手段を内部に備えた前記再生炉を有する活性炭再生手段と、前記活性炭再生手段の前段に設けられ、処理対象水と活性炭とが供給されるとともに前記処理対象水を介して前記使用済み活性炭を排出する処理容器を有する水処理手段と、前記水処理手段から前記処理対象水を介して排出された前記使用済み活性炭を前記活性炭再生手段へ送る活性炭送り手段と、前記活性炭再生手段により再生された活性炭を前記水処理手段の処理容器へ戻す活性炭戻し手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る活性炭の再生装置は、請求項3に記載の活性炭の再生装置において、前記活性炭再生手段は、前記再生炉の前段に、前記活性炭送り手段により送られてきた前記使用済み活性炭を前記過熱水蒸気により乾燥させる乾燥炉を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係る活性炭の再生装置は、請求項4に記載の活性炭の再生装置において、前記再生炉と前記乾燥炉との間に、前記再生炉で用いた前記過熱水蒸気を前記乾燥炉に供給する連通管が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6に係る活性炭の再生装置は、請求項3乃至5のいずれかに記載の活性炭の再生装置において、前記活性炭戻し手段は、前記活性炭再生手段により再生された活性炭を受けてこれを冷却し、かつ内部に不活性ガスが供給される冷却装置を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項7に係る活性炭の再生装置は、請求項3乃至6のいずれかに記載の活性炭の再生装置において、前記活性炭送り手段は、前記水処理手段から前記使用済み活性炭を排出させるための前記処理対象水を前記使用済み活性炭より脱水処理する脱水装置を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項8に係る活性炭の再生装置は、請求項3乃至7のいずれかに記載の活性炭の再生装置において、前記水処理手段は複数の前記処理容器を備え、これらの処理容器の一部である1又は2以上から使用済み活性炭を排出し、前記活性炭送り手段はその排出された使用済み活性炭を前記活性炭再生手段へ送って前記活性炭再生手段はその使用済み活性炭を再生し、前記活性炭戻し手段は再生された活性炭を1又は2以上の所定の処理容器へ戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による場合には、攪拌移動手段の螺旋状フィンにより活性炭を攪拌しつつ移動させるので、過熱水蒸気と接触する活性炭の表面積が増加し、活性炭の再生を短時間で効率良く行うことができる。また、攪拌移動手段により使用済み活性炭を受入れ口から排出口まで移動させるので、連続的に使用済み活性炭を供給しつつ再生活性炭を排出することが可能になる。更に、過熱水蒸気を用いるので、再生活性炭が酸化したり燃焼したりする問題がない。
【0016】
請求項2の発明による場合には、活性炭が塊状になっていても、その塊状活性炭の外側に存在する過熱水蒸気により再生が行われることに加えて、軸部材の貫通孔から噴出される過熱水蒸気によって塊状活性炭の内側でも再生が行われるので、活性炭の再生をより短時間で行うことが可能になる。
【0017】
請求項3の発明による場合には、水処理手段の処理容器から処理対象水を介して排出された使用済み活性炭は、活性炭送り手段により活性炭再生手段へ送られ、ここで再生されて活性炭戻し手段により水処理手段の処理容器へ戻される。よって、再生炉と処理容器との間での活性炭の移し替え作業を容易に、かつ、効率良く行うことができる。
【0018】
請求項4の発明による場合には、再生炉で活性炭を再生させる前に、その再生用の活性炭を乾燥炉により乾燥させるので、活性炭の実質的な再生時間を短縮させ得る。
【0019】
請求項5の発明による場合には、再生炉で用いた過熱水蒸気が連通管を介して乾燥炉に供給されるので、熱エネルギーの有効活用が可能になる。
【0020】
請求項6の発明による場合には、活性炭再生手段により再生された高温の活性炭が冷却装置により冷却され、また内部に不活性ガスが供給されるので、再生された活性炭が燃焼して消失することを防止できる。
【0021】
請求項7の発明による場合には、水処理手段から処理対象水を含んで排出された使用済み活性炭が、活性炭送り手段により活性炭再生手段へ送られる前に、脱水装置により脱水処理される。これに伴って、活性炭の実質的な再生時間を更に短縮させ得る。
【0022】
請求項8の発明による場合には、水処理手段における複数の処理容器の一部において水処理を停止し、その停止した処理容器に入っている使用済み活性炭を排出して活性炭再生手段へ送り、再生した活性炭を活性炭戻し手段により停止した処理容器またはその一部に戻すことができる。よって、水処理手段の全体を停止させることなく、水処理手段の一部の処理容器に入っている使用済み活性炭を再生させることができる。そして、再生対象の処理容器を順に変えていくことで、処理容器全体における使用済み活性炭の再生を行うことが可能になる。なお、再生した活性炭は停止した処理容器の一部または全部に戻してもよいが、停止していない処理容器に対して戻すようにしてもよい。また停止した処理容器には、未使用の活性炭を入れるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る活性炭の再生装置を示す説明図である。
【図2】活性炭の再生装置を構成する活性炭再生手段を示す図である。
【図3】図2の活性炭再生手段を構成する乾燥炉(または再生炉)を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態につき説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る活性炭の再生装置を示す説明図であり、図2は活性炭の再生装置を構成する活性炭再生手段を示す図、図3はその活性炭再生手段を構成する乾燥炉(または再生炉)を示す断面図である。
【0026】
この活性炭の再生装置1は、活性炭を再生する活性炭再生手段10と、その活性炭再生手段10の前段に設けられ、処理対象水と活性炭とが供給される処理容器21を有する水処理手段20と、前記水処理手段20から前記処理対象水を介して排出された前記使用済み活性炭を前記活性炭再生手段10へ送る活性炭送り手段30と、前記活性炭再生手段10により再生された活性炭を前記水処理手段20の処理容器21へ戻す活性炭戻し手段40とを具備する。
【0027】
水処理手段20は、複数の処理容器21を有する。各処理容器21には、配管22を介して活性炭または再生活性炭が供給され、配管23を介して処理対象水(汚水)が供給され、各処理容器21は供給された処理対象水を活性炭により処理する。この処理としては、例えば廃水中の溶剤等の除去や脱臭などの処理が含まれる。
【0028】
また、水処理手段20は、各処理容器21から、配管24を介して処理後の綺麗になった水を処理後タンク26に送る。また、配管25を介して使用済み活性炭を処理対象水とともに排出する。配管22は、途中から分岐した複数の枝管22aを有し、各枝管22aが処理容器21に連結されている。他の配管23、24、25も同様に枝管23a、24a、25aを有し、各枝管23a、24a、25aが処理容器21に連結されている。上記各枝管22a、23a、24a、25aには開閉弁22b、23b、24b、25bが設けられている。
【0029】
配管25を介して処理対象水とともに排出された使用済み活性炭は、活性炭送り手段30により前記活性炭再生手段10へ送られる。活性炭送り手段30は、配管25の出口25cに配設された貯留タンク31と、貯留タンク31の下方に配設された水切りコンベア32と、活性炭ホッパー33とを有する。貯留タンク31は下部に開閉弁31aを備え、水切りコンベア32はコンベア32aの下側に水受け樋32bが設けられた構成となっている。
【0030】
上記水受け樋32bは、処理対象水とともに排出された使用済み活性炭から処理対象水を脱水処理(水切り)する脱水装置として機能するものであり、活性炭ホッパー33は、水切りされた使用済み活性炭を活性炭再生手段10へ排出する。
【0031】
活性炭再生手段10は、活性炭ホッパー33から排出された使用済み活性炭を受ける乾燥炉11と、乾燥炉11の後段(下側)に配設された再生炉12とを有し、乾燥炉11の内部及び再生炉12の内部には、それぞれ同じ構成の攪拌移動手段13、14が設けられている。
【0032】
乾燥炉11は、水切りされた使用済み活性炭を過熱水蒸気により乾燥させるものであり、具体的な構成は、両端が閉じられた円筒状のもので、軸方向を水平にして配設されていて、上部には活性炭ホッパー33の下端に繋がった入口11aが形成され、下部には乾燥後の活性炭を排出する出口11bが形成されている。
【0033】
乾燥炉11の内部に設けられた攪拌移動手段13は、筒状、例えば円筒状の軸部材13aの周りに螺旋状のフィン13bが形成された構成で、軸部材13aが軸回りに回動するとフィン13bにより活性炭を入口11a側から出口11b側へ向けて移動させる。また、円筒状の軸部材13aには、複数の貫通孔13cが形成されていて、軸部材13aの一端側から供給される過熱水蒸気が前記貫通孔13cから外側へ噴出するようになっている。その噴出した過熱水蒸気は、乾燥炉11に供給された活性炭(水切りされた使用済み活性炭)を乾燥させる。
【0034】
再生炉12は、乾燥炉11により乾燥した使用済み活性炭を過熱水蒸気により再生させるものであり、乾燥炉11とほぼ同様の構成である。具体的には、両端が閉じられた円筒状のもので、軸方向を水平にして配設されていて、上部には前記出口11bに配管を介して繋がった受入れ口12aが設けられ、下部には再生した活性炭を排出する排出口12bが設けられている。
【0035】
再生炉12の内部に設けられた攪拌移動手段14は、筒状、例えば円筒状の軸部材14aの周りに螺旋状のフィン14bが形成された構成で、軸部材14aが軸回りに回動するとフィン14bにより乾燥後の活性炭を受入れ口12a側から排出口12b側へ向けて移動させる。また、円筒状の軸部材14aには、複数の貫通孔14cが形成されていて、軸部材14aの一端側から内部へ供給される過熱水蒸気が前記貫通孔14cから外側へ噴出するようになっている。その噴出した過熱水蒸気は、乾燥炉11から再生炉12に供給された活性炭(乾燥された使用済み活性炭)を再生させる。この再生に用いた過熱水蒸気は、再生炉12から連通管14dを介して乾燥炉11における軸部材13aの内部に与えられる。上記再生炉12における軸部材14aに供給される過熱水蒸気は、過熱水蒸気発生装置15にて生成される。過熱水蒸気発生装置15としては、例えば誘導過熱により過熱水蒸気を生成させる装置を用いることができ、この装置による場合にはカーボン発熱体を利用して110〜600℃程度の過熱化が可能で、温度制御の精度を向上させ得る。また、過熱水蒸気を用いることで、無酸素に近い雰囲気にすることができ、再生した活性炭が酸化したり、燃焼したりするといった問題を無くすことができる。
【0036】
再生炉12で再生された活性炭は、排出口12bから排出されて活性炭戻し手段40へ与えられる。活性炭戻し手段40は、再生された高温の活性炭を冷却用の水により冷却する冷却装置41と、冷却された活性炭を貯留する活性炭貯留槽42と、前記配管22と、その配管の途中に設けた圧送ポンプ43とを備える。
【0037】
冷却装置41は、冷却容器44と、この冷却容器44が漬けられた水槽45とを有する。冷却容器44は、両端が閉じられた円筒状のもので、軸方向を水平にして配設されていて、上部には前記出口12bに繋がった受入管44aが設けられ、下部には冷却した活性炭を排出する排出管44bが設けられている。
【0038】
この冷却容器44の内部には、攪拌移動手段46が設けられている。この攪拌移動手段46は、筒状、例えば円筒状の軸部材46aの周りに螺旋状のフィン46bが形成された構成で、軸部材46aが軸回りに回動するとフィン46bにより活性炭を受入管44a側から排出管44b側へ向けて移動させる。なお、前記軸部材46aは中空である必要性はなく、中実のものを用いてもよい。
【0039】
上記冷却容器44の下部は、水槽45に漬けられていて、冷却容器44が冷却されるように構成されている。冷却容器44に供給された再生後の高温の活性炭は、上記攪拌移動手段46により移動される間に冷却されて、排出管44bから下方に配設した活性炭貯留槽42に排出される。なお、冷却容器44に供給される再生後の高温の活性炭が、酸化または燃焼しないように不活性ガス、例えば窒素ガスが配管47を介して冷却容器44の内部に供給される。
【0040】
活性炭貯留槽42に貯留された冷却後の活性炭は、配管22を介して圧送ポンプ43により所望の処理容器21に戻される。
【0041】
以上のように本実施形態による場合には、攪拌移動手段14の螺旋状フィン14bにより活性炭を攪拌しつつ移動させるので、過熱水蒸気と接触する活性炭の表面積が増加し、活性炭の再生を短時間で効率良く行うことができる。また、攪拌移動手段14により使用済み活性炭を受入れ口12aから排出口12bまで移動させるので、連続的に使用済み活性炭を供給しつつ排出することが可能になる。また、本実施形態において、活性炭が塊状になっていても、その塊状活性炭の外側に存在する過熱水蒸気により再生が行われることに加えて、軸部材14aの貫通孔14cから噴出される過熱水蒸気によって塊状活性炭の内側でも再生が行われるので、活性炭の再生をより短時間で行うことが可能になる。
【0042】
更に、本実施形態において、水処理手段20の処理容器21から処理対象水を介して排出された使用済み活性炭は、活性炭送り手段30により活性炭再生手段10へ送られ、ここで再生されて活性炭戻し手段40により水処理手段20の処理容器21へ戻される。よって、再生炉12と処理容器21との間での活性炭の移し替え作業を容易に、かつ、効率良く行うことができる。また、再生炉12で活性炭を再生させる前に、その再生用の活性炭を乾燥炉11により乾燥させるので、活性炭の実質的な再生時間を短縮させ得る。更に、再生炉12で用いた過熱水蒸気が連通管14dを介して乾燥炉11に供給されるので、熱エネルギーの有効活用が可能になる。更にまた、活性炭再生手段10により再生された高温の活性炭が冷却装置41により冷却され、また内部に配管47を介して不活性ガスが供給されるので、再生された活性炭が燃焼して消失することを防止できる。更にまた、水処理手段20から処理対象水を含んで排出された使用済み活性炭が、活性炭送り手段30により活性炭再生手段10へ送られる前に、水切りコンベア32の水受け樋(脱水装置)32bにより脱水処理される。これに伴って、活性炭の実質的な再生時間を更に短縮させ得る。
【0043】
更にまた、本実施形態において、水処理手段20における複数の処理容器21の一部において水処理を停止し、その停止した処理容器21に入っている使用済み活性炭を排出して活性炭再生手段10へ送り、再生した活性炭を活性炭戻し手段40により停止した処理容器21またはその一部に戻すようにすることができる。このようにした場合には、水処理手段20の全体を停止させることなく、水処理手段20の一部の処理容器21に入っている使用済み活性炭を再生させることができる。そして、再生対象の処理容器21を順に変えていくことで、処理容器21全体における使用済み活性炭の再生を行うことが可能になる。このとき、上述した各配管22〜25の枝管23a〜25aに設けた開閉弁22b〜25bが、手動で開閉するものか又は自動で開閉するものか否かにつき言及していないが、自動で開閉する構成とすることが好ましい。なお、再生した活性炭は停止した処理容器21の一部または全部に戻してもよいが、停止していない処理容器21に対して戻すようにしてもよい。また停止した処理容器21には、未使用の活性炭を入れるようにしてもよい。
【0044】
なお、上述した実施形態では再生炉12における攪拌移動手段14の軸部材14aに過熱水蒸気を供給しているが、本発明はこれに限らず、軸部材14aへの供給に加えて再生炉12の内部にも別経路により供給してもよい。
【0045】
また、上述した実施形態では再生炉12において用いた過熱水蒸気を、乾燥炉11における攪拌移動手段13の軸部材13aに供給しているが、本発明はこれに限らず、軸部材13aへの供給に加えて乾燥炉11の内部にも別経路により供給してもよく、或いは軸部材13aへの供給を止めて乾燥炉11の内部に供給するようにしてもよい。
【0046】
更に、上述した実施形態では、水処理手段20における複数の処理容器21の一部において水処理を停止し、その停止した処理容器21に入っている使用済み活性炭を排出して活性炭再生手段10へ送り、再生した活性炭を活性炭戻し手段40により停止した処理容器21またはその一部に戻すようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、水処理手段20における複数の処理容器21の全部において水処理を停止し、その停止した処理容器21に入っている使用済み活性炭を排出して活性炭再生手段10へ送り、再生した活性炭を活性炭戻し手段40により処理容器21の全部または一部に戻すようにしてもよい。また、本発明は、水処理手段20が1つの処理容器21を有する構成であっても適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 活性炭の再生装置
10 活性炭再生手段
11 乾燥炉
12 再生炉
12a 受入れ口
12b 排出口
13、14 攪拌移動手段
14a 軸部材
14b 螺旋状のフィン
14c 貫通孔
14d 連通管
20 水処理手段
21 処理容器
30 活性炭送り手段
32b 水受け樋(脱水装置)
40 活性炭戻し手段
41 冷却装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過熱水蒸気が内部に供給され、受入れ口から受入れた使用済み活性炭を前記過熱水蒸気により再生し、再生した活性炭を排出口から外部へ排出する再生炉と、
前記再生炉の内部に、前記受入れ口から前記排出口へ前記使用済み活性炭を移動させつつ攪拌するように設けられ、軸回りに回動する軸部材の周りに螺旋状のフィンが形成された攪拌移動手段と、を具備することを特徴とする活性炭の再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の活性炭の再生装置において、
前記攪拌移動手段は、前記軸部材が複数の貫通孔が形成された筒状のものであり、前記軸部材の内部を送られる前記過熱水蒸気が前記貫通孔から外側へ噴出するように構成されていることを特徴とする活性炭の再生装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の活性炭の再生装置において、
前記攪拌移動手段を内部に備えた前記再生炉を有する活性炭再生手段と、
前記活性炭再生手段の前段に設けられ、処理対象水と活性炭とが供給されるとともに前記処理対象水を介して前記使用済み活性炭を排出する処理容器を有する水処理手段と、
前記水処理手段から前記処理対象水を介して排出された前記使用済み活性炭を前記活性炭再生手段へ送る活性炭送り手段と、
前記活性炭再生手段により再生された活性炭を前記水処理手段の前記処理容器へ戻す活性炭戻し手段とを具備することを特徴とする活性炭の再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の活性炭の再生装置において、
前記活性炭再生手段は、前記再生炉の前段に、前記活性炭送り手段により送られてきた前記使用済み活性炭を前記過熱水蒸気により乾燥させる乾燥炉を備えることを特徴とする活性炭の再生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の活性炭の再生装置において、
前記再生炉と前記乾燥炉との間に、前記再生炉で用いた前記過熱水蒸気を前記乾燥炉に供給する連通管が設けられていることを特徴とする活性炭の再生装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載の活性炭の再生装置において、
前記活性炭戻し手段は、前記活性炭再生手段により再生された活性炭を受けてこれを冷却し、かつ内部に不活性ガスが供給される冷却装置を備えることを特徴とする活性炭の再生装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれかに記載の活性炭の再生装置において、
前記活性炭送り手段は、前記水処理手段から前記使用済み活性炭を排出させるための前記処理対象水を前記使用済み活性炭より脱水処理する脱水装置を備えることを特徴とする活性炭の再生装置。
【請求項8】
請求項3乃至7のいずれかに記載の活性炭の再生装置において、
前記水処理手段は複数の前記処理容器を備え、これらの処理容器の一部である1又は2以上から使用済み活性炭を排出し、前記活性炭送り手段はその排出された使用済み活性炭を前記活性炭再生手段へ送って前記活性炭再生手段はその使用済み活性炭を再生し、前記活性炭戻し手段は再生された活性炭を1又は2以上の所定の処理容器へ戻すことを特徴とする活性炭の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−184272(P2011−184272A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54172(P2010−54172)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(596124221)
【出願人】(506029059)
【出願人】(509112811)サン化工販売株式会社 (2)
【出願人】(503361189)大幸工業株式会社 (2)
【出願人】(396011288)株式会社タナカテック (3)
【出願人】(591022232)株式会社三央 (2)
【Fターム(参考)】