説明

流体フィルター、流体フィルターアセンブリ及び取り付け方法

【課題】呼び流体がフィルター又はフィルターエレメントの清浄流体側を汚染するのを防止するバルブ部材を内蔵する、フィルター及びフィルターエレメントを提供する。
【解決手段】フィルターは、交換可能なフィルターエレメントを内蔵するか、又はそれ自体が交換可能であってもよい。バルブ部材は、好ましくは、フィルターエレメントの一方の端部キャップに取り付けられたグロメットの環状フランジとして形成される。環状フランジは密封状に端部キャップと係合し、弛緩状態では清浄流体流出口を塞ぎ、変形状態では清浄流体流出口を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね流体濾過に関し、より詳細には、流体濾過用フィルターアセンブリ及びフィルターアセンブリと共に使用するフィルター、ならびにフィルター基部にフィルターを取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルターは濾過システムに使用され、燃料や潤滑油等の流体がエンジンや変速機等の下流システムで使用される前に、流体から不純物を除去する。交換式フィルターの使用により、流体から不純物を集めて取り除くフィルター媒体が使用済みになった場合、濾過システム全体の交換よりも比較的安価で取り外し容易な消耗部品をユーザーが交換することが可能となる。
【0003】
いくつかの事例では、フィルターに、濾過される流体と同じ流体で事前に充填つまり「事前注入」(流体が水の場合の「呼び水」に相当)をして流体濾過システム内の大量の空気ポケットを防いで流体供給先である下流システムの誤動作や機能不全を防止することが望ましい。フィルターの事前注入に使用するこの流体を「呼び流体」と称することがある。
【0004】
事前注入は通常、フィルターの汚濁流体流入口を介して何らかの流体をフィルターに注ぐことにより行われる。事前注入の間、僅かな呼び流体もフィルター媒体の下流すなわちフィルター媒体の清浄流体側に到達させないようにすることが有益である。そうすれば、呼び流体は、下流システムに送られて使用される前に濾過される。このことにより、呼び流体に含まれているかもしれない汚染物質や不純物がフィルター媒体を迂回し、ひいては下流システムに入ることを防げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多くのフィルターは清浄流体流出口付近に汚濁流体流入口を含み、汚濁流体流入口を介してフィルターに事前注入をしようと試みると、最終的には呼び流体が清浄流体流出口(すなわちフィルター媒体の下流、従って清浄側)に入ってしまう結果となる。従って、これらの不純物は、好ましくないが、流体を使用する下流システムまで最終的には移動してしまう。
【0006】
本発明は、新しいフィルター及び、特には交換フィルターに事前注入を行う際に、汚濁流体や呼び流体が誤った流体口に入ることによってフィルター媒体を迂回するのを防止するフィルター及びフィルターアセンブリの改良に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、独立及び個別に、又は他の態様と組み合わせて権利を要求し特許を受けられる幾つかの態様又は実施の形態を有し、それらに限定しないが以下の内容を含む。
【0008】
一態様において、本発明は、フィルターをフィルター基部に取り付ける前にフィルターに事前注入をする間、呼び流体がフィルターの清浄流体側を汚染するのを防止するバルブ部材を提供する。
【0009】
このバルブ部材機構の実装におけるフィルターエレメントの一実施形態は、管環状(管状かつ環状)のフィルター媒体と、端部キャップと、バルブ部材とを含んでいる。端部キャップは、管環状のフィルター媒体の端部に密封状に固定された内部面を有している。端部キャップは、また、管環状のフィルター媒体から離れる方向を向く外部面を有している。端部キャップは更に、端部キャップを貫通して内部面と外部面とを流体的に連通する流体口を含んでいる。バルブ部材は、流体口を跨いで延在し、弛緩状態では端部キャップの一方の面と密封状に相互作用することにより流体口を密封状に塞ぐ。バルブ部材は、変形状態では流体口を開放する。変形状態は、弛緩状態とは異なる。
【0010】
別の態様において、本発明の一実施形態は、フィルター基部と、フィルター基部に取り外し可能に取り付けられたフィルターとを含むフィルターアセンブリを提供する。フィルター基部は、清浄流体口及び汚濁流体口と、バルブアクチュエータとを備えている。フィルターは、カバーと、管環状のフィルター媒体と、バルブ部材とを備えている。カバーは、汚濁流体流入口及び清浄流体流出口を形成する。フィルターがフィルター基部に取り付けられたときに、汚濁流体流入口は汚濁流体口に流体的に連通し、清浄流体流出口は清浄流体口に流体的に連通する。管環状のフィルター媒体は、カバーに結合され、汚濁流体流入口と清浄流体流出口との間に挿入されている。バルブ部材は、カバーに結合されている。バルブ部材は、フィルターがフィルター基部から取り外されたときに、バルブ部材が清浄流体流出口を跨いで延在することによって、清浄流体流出口を塞ぐ弛緩状態を有している。バルブ部材は、フィルターがフィルター基部に取り付けられたときに、バルブ部材が清浄流体流出口を解放する変形状態を有している。バルブアクチュエータは、フィルターがフィルター基部に取り付けられたときに、バルブ部材を変形状態に変形させる。
【0011】
更に別の態様において、本発明の一実施形態はバルブ部材を含むグロメット(ガスケットのような環状部材)を提供する。より詳細には、グロメットは同軸の内表面及び外表面を有する環状支持体を含む。変形可能な環状フランジは、上記内表面及び外表面と同軸かつ、外表面から半径方向に延在する。環状フランジ及び支持体は、それらの間に環状の流体路を形成する。環状フランジは、外表面に向かって半径方向に変形可能である。半径方向上の内表面と外表面の間の環状体に、少なくとも1つの入口が形成される。
【0012】
更なる態様において、本発明の一実施形態は、フィルターをフィルター基部に取り付ける方法を提供する。その方法は、フィルターに事前注入をするステップと、フィルター基部にフィルターを取り付けるステップとを含んでいる。フィルターに事前注入をするステップは、フィルターエレメントの汚濁流体流入口に、呼び流体を注ぎ込むステップと;呼び流体を注ぎ込むステップと同時に、呼び流体がフィルターエレメントの清浄流体流出口を通過するのを防止するステップと含んでいる。フィルター基部にフィルターを取り付けるステップは、フィルター基部にフィルターを接続するステップと;フィルター基部にフィルターを接続するステップと同時に、清浄流体流路を開くステップとを含んでいる。
【0013】
本発明の他の実施の形態は、以下の詳細な説明及び添付図面からより明らかとなるだろう。
【0014】
本明細書の中に組み込まれかつその一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの側面を例示し、その説明と共に、本発明の原理を説明するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の教示に従うフィルターアセンブリの断面図である。
【図2】図1のフィルターアセンブリのフィルターの、フィルターのバルブ部材を閉じた状態で、フィルターアセンブリのフィルター基部から取り外されたものの部分断面図である。
【図3】図2のフィルターのグロメットの断面図であり、グロメットは弛緩状態にある。
【図4】図1のフィルターアセンブリのフィルターの、フィルターのバルブ部材を開放した状態でフィルターアセンブリのフィルター基部に取り付けられたものの部分断面図である。
【図5】図4のフィルターのグロメットの断面図であり、グロメットは変形状態ある。
【図6】図1のフィルターアセンブリのフィルターの事前注入を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を特定の好適な実施の形態と併せて説明するが、これらの実施の形態に限定するものではない。逆に、添付の特許請求の範囲により定義されるように、本発明の精神及び範囲により、すべての代替、改変、及び均等物を含めるよう意図する。
【0017】
図1は、本発明の教示に従うフィルターアセンブリ100の実施形態を示す。フィルターアセンブリ100は、全体としてフィルター基部102及びフィルター104を含んでいる。フィルター104はフィルター基部102に接続し、フィルターアセンブリ100を通過する汚濁流体106から不純物を濾過する機能を果たしている。
【0018】
汚濁流体106は、エンジン等のシステム又は燃料タンク等の貯蔵タンク(どちらも不図示)から、フィルター基部102の汚濁流体取入口108を介してフィルターアセンブリ100に入る。フィルター基部102に入り、通過後、汚濁流体はフィルター104を通過し、浄化される。清浄流体(矢印111として示す)は、その後フィルター基部102の洗浄流体口110を介してフィルターアセンブリ100から出て、清浄流体111を使用するシステムに流入する。
【0019】
図1のフィルター104は、環状の側壁115と、交換式フィルターエレメント118を格納する内部空間116を形成する端壁117とを有する外側ハウジング114を含む。フィルターエレメント118は、矢印122で示すように、汚濁流体106が通過する際に不純物を分離する管環状フィルター媒体120を含む。
【0020】
上端部キャップ124の形態のカバーは、ハウジング114の開放端に密封状に接続される。上端部キャップ124は、さらに管環状フィルター媒体120の上端部126に密封状に接続される。図示したフィルター媒体120は、一対の同心環状フィルター媒体の組合せである。しかしながら、おおよそ環状フィルター媒体が用いられる。この密封状の接続は、一般的に、上端部キャップ124の内面125と環状フィルター媒体120の上端部126との間に形成され、その間の流体のバイパスを防止する。流体のバイパスを防止することにより、汚濁流体106はフィルター媒体120を強制的に通過させられ、汚濁流体106がフィルター媒体を迂回することを回避する。
【0021】
上端部キャップ124と環状フィルター媒体120との間の密封接続は、任意の公知の接続により提供されてもよい。ほんの一例として、上端部キャップ124は環状フィルター媒体120に貼り付けられてもよく、環状フィルター媒体120は上端部キャップ124に超音波溶接されてもよく、環状フィルター媒体120は上端部キャップ124内に埋め込まれてもよく、又は密封接続を提供する他の任意の方法を実行してもよい。
【0022】
環状フィルター媒体120の底端部128は、底端部キャップ130に密封状に接続されている。底端部128と底端部キャップ130とは、上端部キャップ124及び上端部126と同様に、又は異なるように、密封状に接続されてもよい。
【0023】
本発明の底端部キャップ130は水分分離装置を含んでおり、該水分分離装置は円錐分離器132の形態で示されて、汚濁流体106がフィルター媒体120を通過する前に汚濁流体106から水分を分離する。矢印134として示す分離された水は、底端部キャップ130とハウジング114の底部端壁117との間の貯留室136に保持することができ、そこからひいてはフィルターアセンブリ100から水134が最終的に完全に排出されてもよい。ある実施の形態では、水は、燃料タンクと燃料ポンプ(不図示)を通過した後の汚濁流体との圧力差によって燃料タンクに引き戻される。
【0024】
フィルターアセンブリ100は、管環状フィルター媒体120の内部空間142内に配置された中央管140を更に含む。中央管140は、外側流体流路144及び内側流体流路146を形成し、これらはフィルター媒体120の上端部126及び底端部128間で、分離された汚濁流体106及び分離された水134の流体の流れを導く。
【0025】
外側の流体流路144は、フィルター媒体120の内部空間142を通って円錐分離器132に至る汚濁流体106の流路を提供する一方で、内側の流体流路146は、分離された水134をフィルター104から最終的にフィルター基部102の外へ排出させる流路を提供する。外側の流体流路144及び内側の流体流路146は、中央管140の環状壁147によって隔てられる。
【0026】
更に、清浄流体空間148は、中央管140の外壁150と環状フィルター媒体120の内側152(つまり清浄側)との間に形成される。中央管140の外壁150は、汚濁流体106が流れる外側の流体流路144と清浄流体空間148とを隔てて、汚濁流体106と清浄流体111との混入を防止する。
【0027】
上端部キャップ124は、清浄流体空間148とフィルター104の外部、そして最終的にはフィルター基部102の清浄流体口110に連通する清浄流体流出口154を更に形成する。図示するように、清浄流体流出口154は、上端部キャップ124を軸方向に貫通する複数の開口の形態を採っている。
【0028】
フィルター104は、上端部キャップ124を軸方向に貫通して形成された別の開口に密封状に取り付けられた変形可能なグロメット(ガスケットのような環状部材)160を更に含む。開口は、内壁156によって形成される。上端部キャップ124は、好ましくはプラスチック又は金属材料で形成される。グロメット160は、好ましくは、金属やプラスチックに対して良好な密封特性を有する軟質ゴム又はゴム状材料で形成される。図示の実施形態では、グロメット160及び上端部キャップ124は、異なる材料で形成される。
【0029】
グロメット160は、図示の実施形態において、幾つかの機能を有する。
【0030】
グロメット160は、フィルター104をフィルター基部102から取り外す際、特にフィルター104に事前注入をする間、不純物がフィルター104の清浄流体流出口154に入るのを防ぐバルブ部材となる。しかしながら、グロメット160はバルブ部材として作動するので、フィルター基部102に取り付けられる場合、清浄流体111をフィルター104から出すことができるように変形させることができる。
【0031】
また、グロメット160は、中央管140の外側及び内側の流体流路144、146をフィルター基部102の対応する流路と接続し、汚濁流体106をフィルター104に入れるとともに、分離された水分134をフィルター104から取り除く。更に、グロメット160は、フィルター基部102とフィルター104との間を流体の流れ106、111が通過する際に、清浄流体111から汚濁流体106を分離する。本発明の他の実施形態は、これらの機能を多かれ少なかれ発揮するグロメットを有してもよい。
【0032】
図2に示すように、フィルター104はフィルター基部102から取り外され、グロメット160をその弛緩位置に示す。本明細書で使用する用語「弛緩位置」、「弛緩状態」(condition)又は「弛緩状態」(state)は同義語であり、全て同一状態に言及する。グロメット160は、環状フランジ162の形状のバルブ部材を含み、弛緩位置では清浄流体流出口154を塞ぐ。
【0033】
図3を更に参照すると、フィルター104の残りの部分及びフィルターエレメント118から取り外されたグロメット160が示され、環状フランジ162は、グロメット160の支持壁166の外表面164から延在している。弛緩状態では、環状フランジ162は、外表面164から半径方向外側に延在し、上端部キャップ124の外部面168に向かって軸方向に延在し、それと密封係合する。より詳細には、環状フランジ162の遠位端170は、上端部キャップ124の外部面168と軸方向に当接する。
【0034】
環状フランジ162は、遠位端170付近の厚さに対して支持壁166への取付部付近がより厚い基部を有するテーパ付き断面を有する。しかしながら、他の実施形態では、環状フランジの断面厚は略一定であってもよい。
【0035】
環状フランジ162及び支持壁166の外表面164は、それらの間に緩衝ギャップ171を形成する。緩衝ギャップ171は、弛緩状態から、清浄流体流出口154を開放する変形状態(図4及び図5参照)への環状フランジ162の変形を容易にする。本明細書で使用する用語「変形状態」(condition)、「変形状態」(state)及び「変形位置」は同義語であり、全て同一状態に言及する。
【0036】
支持壁166は、中央流路174を形成する環状の内表面172を更に含む。この中央流路174は、中央管140の内側の流路146と流体的に連通する。この中央流路174は、また、筒状短柱176を受容し、筒状短柱176の中央通路178と中央管140の内側の流路146とを流体的に連通する。
【0037】
グロメット160は、好ましくはゴム又は同様の材料で形成されており、たとえ短柱176がグロメット160の中央流路174と完全に整列していなくても、フィルター104がフィルター基部102に取り付けられ(図1及び図2参照)、その間で良好な密封を維持する時には、グロメット160は撓んで、つまり変形して短柱176を受容することができる。このように、流体は、フィルター104から、具体的には内側の流路146からフィルター基部102へ、汚濁流体又は清浄流体の流れ106、111のようなフィルター104とフィルター基部102との間の他の流体の流れを汚染せずに搬送されることができる。
【0038】
グロメット160は、複数の流体路180の形態で示された、支持壁166を軸方向に貫通して延びる汚濁流体流路を更に含む。流体路180は、半径方向上で支持壁166の内表面172及び外表面164間に形成される。グロメット160がフィルター104に取り付けられると、流体流れ路180は、汚濁流体106がフィルター104内を移動する中央管140の外側の流路144とフィルター基部102の汚濁流体口108との間のつなぎ役となる。
【0039】
グロメットの外表面164は、外壁150の内側の表面と係合する。グロメット160は、更に内壁147の外側の表面と係合する。内壁147の軸端は、端部185(端部185を識別して参照するために図3参照)に形成される環状スロットに軸方向に受容される。
【0040】
支持壁166は、グロメット160の軸端183を形成する環状ハブつまり環状ボスを形成する延長部182を含む。延長部182付近の支持壁166の外表面164の一部は、半径方向にテーパを有し、フィルター104がフィルター基部102に取り付けられる際に、フィルター基部102のバルブアクチュエータ186が着座するカム面を提供する。環状フランジ162の基部は、軸方向で延長部182と反対側のグロメット160端部185との間で、支持壁166に接続する。
【0041】
支持壁166は、延長部182の基部から半径方向内側に移っていく段差領域184を含む。中央通路178用及び流体路180用の開口は、段差領域184に形成されている。
【0042】
図4は、フィルター基部102のバルブアクチュエータ186と係合する環状フランジ162の概略図である。バルブアクチュエータ186は環状フランジ162と係合し、環状フランジ162を変形させて、清浄流体流出口154を開放する。より詳細には、バルブアクチュエータ186は、環状フランジ162の外側面188を上端部キャップ124に向かって軸方向に押圧する。バルブアクチュエータ186は、環状フランジ162を折り曲げて、環状フランジ162と支持壁166の外表面164との間に形成された緩衝ギャップ171内に押し込める。
【0043】
環状フランジ162を折り曲げることにより、環状フランジ162、具体的にはその遠位端170は、半径方向内側に支持壁166に向かって引き込まれ、それにより清浄流体流出口154は露出つまり開放される。
【0044】
図示の実施形態では、環状フランジ162の外側面188は弛緩状態では略平面状になる。変形状態では、外側面188は略円弧状になる。バルブアクチュエータ186による環状フランジ162の変形により、環状フランジ162の曲率半径は減少する、すなわち無限大から有限値となる。
【0045】
図示するように、バルブアクチュエータ186は、環状フランジ162の外側面188に係合する環状壁189を含む。フィルター104がフィルター基部102に取り付けられる際、環状壁189は軸方向延長部182を取り囲み、グロメット160と密封状に係合する。環状壁189及びグロメット160は、汚濁流体106がフィルター104に入る際に、清浄流体流出口154を出る清浄流体111を、流体路180に入る汚濁流体106から分離する。
【0046】
環状壁189は、フィルター104をフィルター基部102に取り付ける間に、グロメット160がバルブアクチュエータ186と整列するのを補助するテーパ付自由端191を含む。テーパ付自由端191は、フィルター104をフィルター基部102に取り付ける間に、グロメット160の外表面164、詳しくは延長部182付近の一部と協働する対応カム面のような働きをする。
【0047】
図6を参照すると、環状フランジ162は、フィルター104をフィルター基部102に取り付ける前にフィルター104に事前注入をする間に、呼び流体190が清浄流体流出口154に入るのを防止する際の補助をする。事前注入をする間、延長部182は、フィルター104に呼び流体190を注ぐ漏斗の役割を更に果たす。呼び流体190が延長部182に注ぎ込まれる際に、環状フランジ162は弛緩状態になり、清浄流体流出口154上を延在して覆い、こぼれた呼び流体192が清浄流体流出口154を介して清浄流体空間148内に僅かでも流れ込むのを防止する。
【0048】
図示の実施形態では、環状フランジ162が弛緩状態にある場合、上端部キャップ124及びグロメット160は両者の間に窪み193を形成する。こぼれた呼び流体192は、事前注入が完了するまで窪み193に貯えられる。環状フランジ162は、シールするように上端部キャップ124と係合することにより、こぼれた呼び流体192が清浄流体流出口154を通過して、環状のフィルター媒体120の清浄側、具体的には清浄流体空間148を汚染するのを防止する。事前注入が完了すると、ユーザーはこぼれた呼び流体192を窪み193から流すか、さもなければ布巾や他の吸着材料の使用等により、流体を窪み193から除去することができる。
【0049】
言うまでもなく、呼び流体190が外側及び内側の流体流路144、146を通過するにつれて、呼び流体190はフィルター104を充たす。呼び流体190がフィルター104を充たす際に、呼び流体はフィルター媒体120を通過して、清浄流体111として図示されたように浄化される。
【0050】
こぼれた呼び流体192が窪み193から取り除かれて、図1に示すように、フィルター104はフィルター基部102に取り付けられることができる。
【0051】
フィルター104をフィルター基部102に取り付ける際に、フィルター基部102のバルブアクチュエータ186は、環状フランジ162を変形させて清浄流体流出口154を開放し、フィルター基部102の清浄流体口110と清浄流体流出口154とを流体的に連通する。こうして、フィルター媒体120を通過した清浄流体は、次にフィルター基部102を通過して、更に下流システムの使用に供される。
【0052】
なお、環状フランジ162は、フィルター104を事前注入した後に取り付ける間、流体が清浄流体流出口154からこぼれ出るのを防止する。同様に、環状フランジ162は、フィルターエレメント118が使用済となってフィルター104を取り外す際に、流体が清浄流体流出口154から出るのを防止する。
【0053】
図示の実施形態では、再利用可能なハウジング114及び交換可能なフィルターエレメント118を組み込むようにしている一方で、他の実施形態では、ハウジング114及びフィルターエレメント118全体を交換するような、まるまる交換可能なフィルターを組み込むようにしてもよい。更に、本実施形態は、支持壁166から半径方向外側に延在する環状フランジ162を使用しているが、環状フランジが、支持壁が環状フランジを取り囲むように半径方向内側に延在するように構成されていてもよい。そのような実施形態では、環状フランジはフィルター基部102のバルブアクチュエータにより半径方向外側に変形される。更に、グロメット160は複数のポートを含む必要はない。他の実施形態において、環状フランジは、端部キャップつまりカバーの外部面の一部として形成される支持壁に取り付けられることもできる。
【0054】
本明細書で使用する用語「フィルター」は、ほんの一例として、フィルター媒体120、端部キャップ124、130及びバルブ部材(すなわちグロメット160)を含むフィルターエレメント118だけを包含するのに相応しい広さの定義で解釈される。あるいは、「フィルター」はフィルターエレメント118及びハウジング114の組合せであってもよい。
【0055】
本明細書中で引用する公報、特許出願及び特許を含むすべての文献は、各文献を個々に具体的に示し、参照して組み込んだのと同様に、また、その開示内容のすべて記載されているのと同様に、ここで参照して組み込まれる。
【0056】
本発明の説明に関連して(特に特許請求の範囲に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」及び「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の記載は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に記載されているのと同様に、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例又は例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中の如何なる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0057】
本明細書中では、発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読んだ上で、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載の内容の修正及び均等物をすべて含む。更に、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、好ましい実施の形態で考えられるすべての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【0058】
1. 第1の態様のフィルターエレメントは;
管環状のフィルター媒体と;
前記管環状のフィルター媒体の端部に密封状に固定された内部面と前記管環状のフィルター媒体から離れる方向を向く外部面とを有する端部キャップであって、前記端部キャップを貫通して前記内部面と前記外部面とを流体的に連通する流体口を含む端部キャップと;
前記流体口を跨いで延在するバルブ部材であって、弛緩状態では前記端部キャップの一方の面と密封状に相互作用することにより前記流体口を密封状に塞ぎ、変形状態では前記流体口を開放し、前記変形状態は前記弛緩状態とは異なる、バルブ部材とを備える。
2. 第2の態様のフィルターエレメントは、上記第1の態様において、前記バルブ部材は環状フランジを含み、前記環状フランジは前記流体口を半径方向に跨いで延在し、前記弛緩状態では前記流体口を塞ぎ、前記流体口から軸方向又は半径方向のいずれかにオフセットすることにより前記変形状態では前記流体口を開放する。
3. 第3の態様のフィルターエレメントは、上記第2の態様において、支持部材を更に含み、前記環状フランジは前記支持部材と前記端部キャップの前記外部面との間に延在し、前記端部キャップの前記外部面と前記環状フランジと前記支持部材との間に緩衝域を形成する。
4. 第4の態様のフィルターエレメントは、上記第3の態様において、前記環状フランジは前記端部キャップから軸方向に離れた方向を向く外側面を有し、前記外側面がフィルターヘッドの外側部分との係合に曝される。
5. 第5の態様のフィルターエレメントは、上記第3の態様において、前記緩衝域の断面積は前記変形状態より前記弛緩状態の方が大きい。
6. 第6の態様のフィルターエレメントは、上記第4の態様において、前記環状フランジの前記外側面は、前記変形状態における環状フランジの外側面の曲率半径よりも大きい前記弛緩状態における曲率半径を有する。
7. 第7の態様のフィルターエレメントは、上記第4の態様において、前記環状フランジ及び前記支持部材は単体のグロメットとして一体的に成形され、前記グロメットは前記端部キャップの別の流れ口に取り付けられる。
8. 第8の態様のフィルターエレメントは、上記第7の態様において、前記支持部材は中心軸を取り囲む略環状壁を含み、前記環状フランジは前記環状壁と同軸であり、前記環状壁から前記端部キャップの前記外部面に向かって軸方向に延在する。
9. 第9の態様のフィルターエレメントは、上記第8の態様において、前記環状フランジは前記環状壁から半径方向外側に延在する。
10. 第10の態様のフィルターエレメントは、上記第9の態様において、前記環状壁は中央流路を形成する。
11. 第11の態様のフィルターエレメントは、上記第10の態様において、前記環状壁は半径方向外表面及び内表面を含み、前記環状フランジは前記外表面から半径方向に延在し、前記内表面は前記中央流路を仕切り、前記環状壁は半径方向で前記外表面と前記内表面との間に配置される少なくとも1つのオフセット流路を更に形成する。
12. 第12の態様のフィルターエレメントは、上記第2の態様において、前記環状フランジの終端縁は前記端部キャップの前記外部面と係合する。
13. 第13の態様のフィルターエレメントは、上記第2の態様において、前記バルブ部材は前記端部キャップと異なる材料で形成されている。
14. 第14の態様のフィルターアセンブリは、
清浄流体口及び汚濁流体口と、バルブアクチュエータとを有するフィルター基部と;
前記フィルター基部に取り外し可能に取り付けられたフィルターであって:
汚濁流体流入口及び清浄流体流出口を形成するカバーであって、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記汚濁流体流入口は前記汚濁流体口に流体的に連通し、前記清浄流体流出口は前記清浄流体口に流体的に連通するカバーと;
前記カバーに結合された管環状のフィルター媒体と;
前記カバーに結合されたバルブ部材であって、前記フィルターが前記フィルター基部から取り外されたときに、前記バルブ部材が前記清浄流体流出口を跨いで延在することによって、前記清浄流体流出口を塞ぐ弛緩状態と、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記バルブ部材が前記清浄流体流出口を解放する変形状態とを有し、前記バルブアクチュエータは、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記バルブ部材を前記変形状態に変形させる、バルブ部材と;を有するフィルターとを備える。
15. 第15の態様のフィルターアセンブリは、上記第14の態様において、前記バルブ部材は、前記弛緩状態で前記流体流出口を閉じ前記変形状態で前記流体流出口を開く環状フランジを含み、前記環状フランジは、前記カバーから軸方向に離れて前記フィルター基部に向かって対面する外側面を有し、前記バルブアクチュエータは、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記環状フランジの前記外側面に係合して前記環状フランジを変形する。
16. 第16の態様のフィルターアセンブリは、上記第15の態様において、前記フィルターは支持部材を更に含み、前記環状フランジは前記支持部材と前記カバーの外部面との間に延在し、前記カバーの前記外部面と、前記環状フランジと、前記支持部材との間に空間を形成する。
17. 第17の態様のフィルターアセンブリは、上記第16の態様において、前記バルブアクチュエータは前記汚濁流体流入口を実質的に取り囲むハブであり、前記ハブの軸端は、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられる際に、前記環状フランジの前記外側面と係合する。
18. 第18の態様のフィルターアセンブリは、上記第17の態様において、前記バルブ部材と前記バルブアクチュエータとの係合は、前記汚濁流体口から前記清浄流体口を隔てる密封をもたらす。
19. 第19の態様のフィルターアセンブリは、上記第16の態様において、前記支持部材及び前記環状フランジはグロメットとして単体構造に一体成形され、前記グロメットは前記カバーの中央開口に密封状に取り付けられ、前記支持部材は中心軸を取り囲む略環状壁を含み、前記環状フランジは、前記環状壁と同軸であり、前記環状壁から半径方向外側に延在し、前記環状壁から前記カバーに向かって軸方向に延在する。
20. 第20の態様のフィルターアセンブリは、上記第16の態様において、前記カバーは前記管環状のフィルター媒体の一端に密封状に接合された端部キャップの形状であり、前記フィルターは前記フィルター媒体を収納する内部空間を形成するハウジングを更に含む。
21. 第21の態様のグロメットは、フィルターエレメントのカバーの流体口を密封する変形可能なグロメットであって:
同軸の内表面及び外表面を有する環状支持体と;
前記外表面から半径方向に延在し、前記内表面及び外表面と同軸である変形可能な環状フランジであって、前記環状フランジ及び前記支持体は両者間に環状の流体路を形成し、前記環状フランジは前記外表面に向かって半径方向に変形可能である、環状フランジと;
前記環状体の半径方向上の前記内表面と外表面との間に形成された少なくとも1つの入口とを備える。
22. 第22の態様のフィルターをフィルター基部に取り付ける方法は、
前記フィルターに事前注入をするステップであって:
前記フィルターエレメントの汚濁流体口に、呼び流体を注ぎ込むステップと;
前記呼び流体を注ぎ込むステップと同時に、前記呼び流体が前記フィルターエレメントの清浄流体口を通過するのを防止するステップとを有するフィルターに事前注入をするステップと;
前記フィルター基部に前記フィルターを取り付けるステップであって:
前記フィルター基部に前記フィルターを接続するステップと;
前記フィルター基部に前記フィルターを接続するステップと同時に、前記清浄流体流路を開くステップとを有する前記フィルター基部に前記フィルターを接続するステップとを備える。
23. 第23の態様のフィルターをフィルター基部に取り付ける方法は、上記第22の態様において、前記呼び流体が前記フィルターエレメントの清浄流体口を通過するのを防止するステップは、バルブ部材で前記清浄流体口を閉じるステップを含み、前記清浄流体流路を開くステップは、フィルター基部のバルブアクチュエータによって前記バルブ部材を変形するステップを含む。
【符号の説明】
【0059】
100 フィルターアセンブリ
102 フィルター基部
104 フィルター
108 汚濁流体取入口
110 清浄流体口
114 ハウジング
116 内部空間
118 フィルターエレメント
120 フィルター媒体
124 上端部キャップ
125 内面
126 上端部
128 底端部
130 底端部キャップ
154 清浄流体流出口
160 グロメット
162 環状フランジ
164 外表面
166 支持壁
170 遠位端
171 緩衝ギャップ
172 内表面
174 中央流路
180 流体路
182 延長部
186 バルブアクチュエータ
188 外側面



【特許請求の範囲】
【請求項1】
管環状のフィルター媒体と;
前記管環状のフィルター媒体の端部に密封状に固定された内部面と前記管環状のフィルター媒体から離れる方向を向く外部面とを有する端部キャップであって、前記端部キャップを貫通して前記内部面と前記外部面とを流体的に連通する流体口を含む端部キャップと;
前記流体口を跨いで延在するバルブ部材であって、弛緩状態では前記端部キャップの一方の面と密封状に相互作用することにより前記流体口を密封状に塞ぎ、変形状態では前記流体口を開放し、前記変形状態は前記弛緩状態とは異なる、バルブ部材とを備える;
フィルターエレメント。
【請求項2】
前記バルブ部材は環状フランジを含み、前記環状フランジは前記流体口を半径方向に跨いで延在し、前記弛緩状態では前記流体口を塞ぎ、前記流体口から軸方向又は半径方向のいずれかにオフセットすることにより前記変形状態では前記流体口を開放する、
請求項1に記載のフィルターエレメント。
【請求項3】
支持部材を更に含み、前記環状フランジは前記支持部材と前記端部キャップの前記外部面との間に延在し、前記端部キャップの前記外部面と前記環状フランジと前記支持部材との間に緩衝域を形成する、
請求項2に記載のフィルターエレメント。
【請求項4】
前記環状フランジは前記端部キャップから軸方向に離れた方向を向く外側面を有し、前記外側面がフィルターヘッドの外側部分との係合に曝される、
請求項3に記載のフィルターエレメント。
【請求項5】
前記緩衝域の断面積は前記変形状態より前記弛緩状態の方が大きい、
請求項3に記載のフィルターエレメント。
【請求項6】
前記環状フランジ及び前記支持部材は単体のグロメットとして一体的に成形され、前記グロメットは前記端部キャップの別の流れ口に取り付けられる、
請求項4に記載のフィルターエレメント。
【請求項7】
前記支持部材は中心軸を取り囲む略環状壁を含み、前記環状フランジは前記環状壁と同軸であり、前記環状壁から前記端部キャップの前記外部面に向かって軸方向に延在し、前記環状フランジは前記環状壁から半径方向外側に延在し、前記環状壁は中央流路を形成し、前記環状壁は半径方向外表面及び内表面を含み、前記環状フランジは前記外表面から半径方向に延在し、前記内表面は前記中央流路を仕切り、前記環状壁は半径方向で前記外表面と前記内表面との間に配置される少なくとも1つのオフセット流路を更に形成する、
請求項6に記載のフィルターエレメント。
【請求項8】
清浄流体口及び汚濁流体口と、バルブアクチュエータとを有するフィルター基部と;
前記フィルター基部に取り外し可能に取り付けられたフィルターであって:
汚濁流体流入口及び清浄流体流出口を形成するカバーであって、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記汚濁流体流入口は前記汚濁流体口に流体的に連通し、前記清浄流体流出口は前記清浄流体口に流体的に連通するカバーと;
前記カバーに結合された管環状のフィルター媒体と;
前記カバーに結合されたバルブ部材であって、前記フィルターが前記フィルター基部から取り外されたときに、前記バルブ部材が前記清浄流体流出口を跨いで延在することによって、前記清浄流体流出口を塞ぐ弛緩状態と、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記バルブ部材が前記清浄流体流出口を解放する変形状態とを有し、前記バルブアクチュエータは、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記バルブ部材を前記変形状態に変形させる、バルブ部材と;を有するフィルターとを備える;
フィルターアセンブリ。
【請求項9】
前記バルブ部材は、前記弛緩状態で前記流体流出口を閉じ前記変形状態で前記流体流出口を開く環状フランジを含み、前記環状フランジは、前記カバーから軸方向に離れて前記フィルター基部に向かって対面する外側面を有し、前記バルブアクチュエータは、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられたときに、前記環状フランジの前記外側面に係合して前記環状フランジを変形する、
請求項8に記載のフィルターアセンブリ。
【請求項10】
前記フィルターは支持部材を更に含み、前記環状フランジは前記支持部材と前記カバーの外部面との間に延在し、前記カバーの前記外部面と、前記環状フランジと、前記支持部材との間に空間を形成する、
請求項9に記載のフィルターアセンブリ。
【請求項11】
前記バルブアクチュエータは前記汚濁流体流入口を実質的に取り囲むハブであり、前記ハブの軸端は、前記フィルターが前記フィルター基部に取り付けられる際に、前記環状フランジの前記外側面と係合し、前記バルブ部材と前記バルブアクチュエータとの係合は、前記汚濁流体口から前記清浄流体口を隔てる密封をもたらす、
請求項10に記載のフィルターアセンブリ。
【請求項12】
前記支持部材及び前記環状フランジはグロメットとして単体構造に一体成形され、前記グロメットは前記カバーの中央開口に密封状に取り付けられ、前記支持部材は中心軸を取り囲む略環状壁を含み、前記環状フランジは、前記環状壁と同軸であり、前記環状壁から半径方向外側に延在し、前記環状壁から前記カバーに向かって軸方向に延在する、
請求項10に記載のフィルターアセンブリ。
【請求項13】
前記カバーは前記管環状のフィルター媒体の一端に密封状に接合された端部キャップの形状であり、前記フィルターは前記フィルター媒体を収納する内部空間を形成するハウジングを更に含む、
請求項10に記載のフィルターアセンブリ。
【請求項14】
フィルターをフィルター基部に取り付ける方法であって:
前記フィルターに事前注入をするステップであって:
前記フィルターエレメントの汚濁流体口に、呼び流体を注ぎ込むステップと;
前記呼び流体を注ぎ込むステップと同時に、前記呼び流体が前記フィルターエレメントの清浄流体口を通過するのを防止するステップとを有するフィルターに事前注入をするステップと;
前記フィルター基部に前記フィルターを取り付けるステップであって:
前記フィルター基部に前記フィルターを接続するステップと;
前記フィルター基部に前記フィルターを接続するステップと同時に、前記清浄流体流路を開くステップとを有する前記フィルター基部に前記フィルターを接続するステップとを備える;
フィルターをフィルター基部に取り付ける方法。
【請求項15】
前記呼び流体が前記フィルターエレメントの清浄流体口を通過するのを防止するステップは、バルブ部材で前記清浄流体口を閉じるステップを含み、前記清浄流体流路を開くステップは、フィルター基部のバルブアクチュエータによって前記バルブ部材を変形するステップを含む、
請求項14に記載のフィルターをフィルター基部に取り付ける方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−501(P2010−501A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−143044(P2009−143044)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(593020201)ボールドウィン・フィルターズ・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】Baldwin Filters Inc
【住所又は居所原語表記】4400 East Highway 30, P.O. Box 6010, Kearney, Nebraska 68848−6010, United States of America
【Fターム(参考)】