説明

流体内でマイクロモータを動作させる方法及び装置

【課題】流体環境で動作する付設の歯車箱付きマイクロモータを密閉する改良された装置及び方法を提供する。
【解決手段】選択随意要素の付設の歯車箱(43)付きマイクロモータ(41)を密閉する装置及び方法が開示され、発明の一観点では、カテーテル先端が、マイクロモータ(41)と、超音波撮像用トランスデューサ(53)と、マイクロモータ(41)に機械的に結合されている歯車箱(43)であって、超音波撮像用トランスデューサ(53)に機械的に結合された回転部(51)を有する歯車箱(43)と、音響結合流体が歯車箱(43)及びマイクロモータ(41)の両方に流入するのを低減する又は防止するように配設されている防湿層とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書に開示される主題は、マイクロモータ・アセンブリに関し、具体的には、流体環境で動作する歯車箱付きマイクロモータに関する。
【背景技術】
【0002】
流体環境で動作するマイクロモータの性能及び信頼性は、マイクロモータ自体又はマイクロモータに取り付けられている歯車箱への流体の滲出によって悪影響を受ける場合がある。歯車箱内の流体が、マイクロモータに加わる摩擦負荷を実質的に増大させ、対応して外部荷重を駆動するのに利用可能なトルク量を減少させ得る。実時間三次元心腔内心エコー法(4D ICE)のような医学的侵襲性心処置は、例えば典型的にはカテーテル誘導型のトランスデューサ・アレイを利用する。カテーテルはまた、マイクロモータ・アセンブリを封入しており、この場合には、運動している機械的部分への流体の侵入から生じ得るあらゆる付加的な摩擦負荷を回避し又は軽減することが望ましい。
【0003】
図1は、例えば本出願と共通の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2008/0097403号明細書に例示されているような従来の侵襲性心処置に用いられる撮像用カテーテル先端10を示す。撮像用カテーテル先端10は、マイクロモータ11が、回転矢印25によって示すような駆動軸23の軸の周りに発生する振動運動を撮像用トランスデューサ21に与え得るように、付設の歯車箱13付きマイクロモータ11を含んでいる。
【0004】
撮像用トランスデューサ21が振動すると、撮像用トランスデューサ21の複数のトランスデューサ素子が電子的に整相されて、付設されているデータ処理システム(図示されていない)に送ることのできる三次元データセットを生成することにより電子的画像を形成する。マイクロモータ11、歯車箱13及び撮像用トランスデューサ21は典型的には、患者の体内への挿入のためにカテーテル外被27に封入されている。カテーテル外被27はまた典型的には、マイクロモータ11及び撮像用トランスデューサ21に電力を供給すると共に撮像用トランスデューサ21からデータ処理システムへ信号を送るための電気導体(図示されていない)を封入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0222407号
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0097403号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
撮像用トランスデューサ・アレイ21と撮像用カテーテル先端10の外部の流体媒体(図示されていない)との間で超音波エネルギを結合する媒体として、音響結合流体29をカテーテル外被27の内部に提供することができる。従って、マイクロモータ11、歯車箱13及び撮像用トランスデューサ21は典型的には、音響結合流体29の内部に配設される。幾つかの状況では、音響結合流体29が時間と共に歯車箱13及びマイクロモータ11のいずれか一方又は両方の内部に漏洩する又は拡散する場合があり、歯車箱13に付加的な摩擦負荷を生じ得る。この漏洩は典型的には、回転する歯車箱フランジ15と回転しない歯車箱外被19との間に形成される円筒状間隙17を介して起こる。
【0007】
マイクロモータ11の動作範囲は設計制約によって制限され得るので、歯車箱13から動作トルクを効率よく出力させて撮像用トランスデューサ21を振動させる必要がある。すなわち、周囲流体の流入によって生じ得る歯車箱13の付加的摩擦負荷に打ち勝つようにマイクロモータ11の出力を増大させることが実行可能でない場合がある。また、さらに高い歯車箱負荷に打ち勝つために単に駆動力を増大させるとマイクロモータ11に過度の発熱が生じ、従って規制機関によって設定され得るような熱規制を遵守することができない場合がある。
【0008】
流体環境で動作する付設の歯車箱付きマイクロモータを密閉する改良された装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点では、マイクロモータと、超音波撮像用トランスデューサ・アレイと、マイクロモータに機械的に結合されている歯車箱であって、超音波撮像用トランスデューサ・アレイに機械的に結合された回転部を有する歯車箱と、音響結合流体と、音響結合流体が歯車箱に流入することを低減する又は防止するように配設されている防湿層とを備えたカテーテル先端が開示される。
【0010】
本発明のもう一つの観点では、マイクロモータと、超音波撮像用トランスデューサ・アレイと、マイクロモータに機械的に結合されている歯車箱であって、超音波撮像用トランスデューサ・アレイに回転自在に結合された出力駆動軸をさらに有する歯車箱と、音響結合流体と、歯車箱に取り付けられている隔膜シールであって、出力駆動軸を封入する弾性軸開口を有し、音響結合流体が歯車箱に流入することを低減する又は防止するように作用する隔膜シールとを備えたカテーテル先端が開示される。
【0011】
本発明のさらにもう一つの観点では、マイクロモータ及び超音波撮像用トランスデューサ・アレイに機械的に結合されている歯車箱に流体が流入することを低減する又は防止する方法が開示される。この方法は、流体と歯車箱の円筒状間隙との間に防湿層を配設するステップを含んでおり、防湿層は、回転部がマイクロモータに関して回転することを可能にするように構成されて配置され、円筒状間隙は、歯車箱外被と歯車箱外被に保持されている回転部との間に形成される。
【0012】
以下の図面及び詳細な説明を検討すると、当業者には開示されている実施形態による他の装置及び/又は方法が明らかとなり、また現に明らかであろう。全てのかかる追加の装置及び方法は本発明の範囲内にあり、特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来技術による一次元アレイ・トランスデューサに取り付けられた付設の歯車箱付きマイクロモータを含む撮像用カテーテル先端を示す図である。
【図2】出力軸の周りに隔膜シールを取り付けたマイクロモータ及び一体型歯車箱を含む本発明の一観点での撮像用カテーテル先端を示す図である。
【図3】外側環及び内側環を用いた歯車箱への取り付けを示す図2の隔膜シールの分解図である。
【図4】外側環を用いた歯車箱への取り付けを示す図2の隔膜シールの代替的な実施形態の分解図である。
【図5】マイクロモータ及び一体型歯車箱を封入する可撓性隔膜カバーを含む本発明のさらにもう一つの観点での撮像用カテーテル先端を示す図である。
【図6】歯車箱出力に流体シールを有する本発明のもう一つの観点での撮像用カテーテル先端を示す図である。
【図7】磁性流体シールを備えたマイクロモータ及び一体型歯車箱を含む本発明のさらにもう一つの観点での撮像用カテーテル先端を示す図である。
【図8】歯車箱において出力駆動軸に保持されている磁性流体シールを示す図7の磁性流体シールの断面図である。
【図9】ラビリンス・シールを備えたマイクロモータ及び一体型歯車箱を含む本発明のもう一つの観点での撮像用カテーテル先端を示す図である。
【図10】歯車箱外被に配設されたラビリンス・シールの外側部分、及び駆動軸の平行ねじの対応する咬み合い構成を示す図9のラビリンス・シールの断面図である。
【図11】金属皮膜を有する歯車箱外被に一体型歯車箱を設けたマイクロモータを含む本発明のもう一つの観点での撮像用カテーテルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、モータ、又は設けられている場合には付設の歯車箱への流体の侵入を防止する又は軽減することにより、流体環境で動作するマイクロモータの性能及び信頼性を高める方法について記載する。流体の侵入からの保護のために構成されているマイクロモータ・アセンブリの幾つかの実施形態が開示され、これらの実施形態は、歯車箱出力の周囲での流体シールの利用、モータを包囲する可撓性隔膜の利用、出力軸の周囲での磁性流体シールの利用、拡散速度を低速化させるための歯車箱の金属による被覆、結合流体の位置を制御するための疎水性材料又は親水性材料の施工、及び出力軸の周囲でのラビリンス・シールの利用を含んでいる。
【0015】
図2は、本発明の一観点でのカテーテル先端40を示す。カテーテル先端40は、歯車箱43に機械的に結合されているマイクロモータ41を含んでおり、次にマイクロモータ43は超音波撮像用トランスデューサ・アレイ53に機械的に結合されている。マイクロモータ41は、歯車箱外被49に回転自在に保持されている出力駆動フランジ45に結合された出力駆動軸51のような回転部を介して、超音波撮像用トランスデューサ・アレイ53を振動させるように作用する。当業者には認められ得るように、歯車箱外被49は選択随意要素であってよく、説明を分かり易くするために示されている。従って、本書に開示される新規の装置及び方法は、マイクロモータ41のみを含むカテーテル先端にも同様に適用可能である。図1に見られるカテーテル外被27及び音響結合流体29は、説明を分かり易くするために図示していない。超音波撮像用トランスデューサ・アレイ53は説明の目的のために一次元の平面トランスデューサ・アレイとして示されているが、カテーテル先端40に用いられている超音波トランスデューサも、本書に開示されるさらに他の実施形態の例の何れに用いられる超音波トランスデューサも、この構成に限定されず、従来技術で周知のように(i)単一のトランスデューサ素子、又は(ii)一次元若しくは二次元のリニア型、セクタ型、アニュラ型、コンベックス型若しくは彎曲型の超音波トランスデューサ・アレイの何れを含んでいてもよいことを理解されたい。
【0016】
カテーテル先端40は、歯車箱外被49に取り付けられた隔膜シール60を含んでおり、出力駆動軸51は隔膜シール60において弾性軸開口61を通って延在している。好ましくは、出力駆動軸51における音響結合流体29の隔膜シール60への流入に対する障壁を設けるように、軸開口61は出力駆動軸51の周りで張力下にある。説明を分かり易くするために、隔膜シール60はここでは歯車箱外被49から離隔して示されている。隔膜シール60は、歯車箱外被49に取り付けられると音響結合流体(図示されていない)と歯車箱43の内部との間の防湿層として作用する。具体的には、隔膜シール60は、出力駆動フランジ45と歯車箱外被49との間に存在し得る円周状間隙47を介して音響結合流体が歯車箱43の内部へ漏洩するのを低減する又は防止するように配設される。加えて、オイル、ゲル又はグリース様材料のような撥流体材料(図示されていない)を弾性開口61に施工して、潤滑を与えると共に付加的な防湿層を設けることができる。
【0017】
図3に最も分かり易く示すように、隔膜シール60はシリコーンのような弾性材料から形成される実質的に円形の隔膜63から製造され得る。円形隔膜63は好ましくは、該円形隔膜63の円周外縁から延在する全体的に円筒形の隔膜周縁65を有している。弾性開口61は好ましくは、円形隔膜63の中心に又は中心近くに位置している。円筒状隔膜周縁65は、外側隔膜環67と内側隔膜環69との間に保持されて隔膜シール60を形成することができる。外側隔膜環67及び内側隔膜環69は、ステンレス鋼又はニチノール等の金属から形成され得る。従って、当技術分野で公知の適当な方法によって、図2に示すように外側隔膜環67を歯車箱外被49に取り付けることができる。
【0018】
代替的な実施形態の例では、図4に示す隔膜シール70は、実質的に円形の隔膜73から製造することができ、この円形隔膜73は、円形隔膜73の円周外縁から延在する全体的に円筒状隔膜周縁75と、円形隔膜73の中心に又は中心近くに位置する弾性開口71とを有している。円筒状隔膜周縁75は外側隔膜環77に接着されていてよく、これにより、当技術分野で公知の適当な手段によって、図2に示すように外側隔膜環77を歯車箱外被49に取り付けることができる。例えば、隔膜63又は隔膜73のシリコーン材料は、それぞれの円筒状隔膜周縁65又は75への後の取り付けのために、シリコーンの平らなシートから製造されるのではなく「キャップ」形として注型され又は成形される。キャップ形状シリコーンは、それぞれの円筒状隔膜周縁65又は75の上に直接成形されてもよいし、別個の部品として製造された後にそれぞれの円筒状隔膜周縁65又は75に取り付けられてもよい。この形成工程は、それぞれの円筒状隔膜周縁65又は75の周りの組み立て後の隔膜63又は73に望ましい張力を与える。かかる張力はまた、硬化収縮率の高い隔膜材料組成物を用いることにより、それぞれの円筒状隔膜周縁65又は75の上に直接的に隔膜63又は73を注型する又は成形することにより提供され得る。尚、隔膜シール70は円形構成として示されているが、開示される装置はこの構成に限定されず、特定のマイクロモータ及び/又は歯車箱外被を収容するように他の幾何学的形状を利用し得ることを理解されたい。
【0019】
図5は、本発明のもう一つの観点でのカテーテル先端80を示す。カテーテル先端80は、マイクロモータ41、歯車箱43及び出力駆動フランジ45を封入するような形状及び寸法を有する可撓性隔膜カバー(boot)81を含んでいる。出力駆動軸51は、可撓性隔膜カバー81のテーパ付き隔膜区画85の弾性軸開口83を通って延在している。実施形態の一例では、可撓性隔膜カバー81の円筒状隔膜区画86を回転しないマイクロモータ41及び歯車箱43に取り付けて、テーパ付き隔膜区画85を弾性軸開口83において回転する出力駆動軸51に取り付けることができる。代替的な実施形態の例(図示されていない)では、テーパ付き隔膜区画85を超音波撮像用トランスデューサ・アレイ53に直接取り付けてもよい。
【0020】
可撓性隔膜カバー81は好ましくは、テーパ付き隔膜区画85に十分な緩みを提供し、マイクロモータ41に不都合な負荷を与えずに出力駆動軸51の振動運動を可能にするように構成される。加えて、可撓性隔膜カバー81の円形区画87に、マイクロモータ41に電力を供給する電気導体89を通すための適当な弾性開口(図示されていない)を設けてもよい。代替的には、円形区画87を電気導体89に接着してもよい。従って、可撓性隔膜カバー81は流体と円筒状間隙47との間の防湿層として作用する。
【0021】
図6は、本発明のさらにもう一つの観点でのカテーテル先端90を示す。カテーテル先端90は、マイクロモータ41と、歯車箱43と、回転式フランジ45を被覆するように配設されている流体シール91とを含んでいる。流体シール91はさらに、円筒状間隙47及び出力駆動軸51の一部も被覆するように延在している。流体シール91は好ましくは、グリース配合物のように周囲流体への溶解に対する抵抗性又は周囲流体による透過に対する抵抗性を有する疎水性材料又は親水性材料を含んでいる。
【0022】
図7は、本発明のさらにもう一つの観点でのカテーテル先端100を示す。カテーテル先端100は、マイクロモータ41と、マイクロモータ41と機械的に連絡している歯車箱101と、歯車箱101から延在しており超音波撮像用トランスデューサ・アレイ53と機械的に連絡している出力駆動軸103とを含んでいる。出力駆動軸103は好ましくは、強磁性材料から形成される。図8の断面図に示すように、磁性流体シール105が歯車箱101に設けられて、出力駆動軸103が磁性流体シール105の表面円板109において軸開口107を通過するようにしている。
【0023】
磁性流体シール105は、表面円板109の歯車側に固着された非回転環状磁石111を含んでいる。環状磁石111は、磁極が出力駆動軸103の軸に整列するように磁化されている。軸開口107は、出力駆動軸103との密着した締まり嵌めを提供するような寸法として表面円板109に配置されている。磁性流体材料は、軸開口107と出力駆動軸103との間に存在する円環状間隙において出力駆動軸103の周りに配設された円環状磁性流体シーラント113を形成する。
【0024】
表面円板109は、円環状間隙を横断して磁束115を集中させるように作用し、これにより、磁束115は円環状間隙を横断する当該磁束115の集中によって円環状磁性流体シーラント113を円環状間隙に保持し、従って出力駆動軸103の周りに保持するように作用する。好ましくは、磁性流体材料は、円環状間隙での磁性流体材料の保持を確実にするように周囲流体(図示されていない)に対して非混和性とする。このように、磁性流体シール105は、流体が出力駆動軸103を通過して歯車箱101の内部に漏洩するのを軽減する又は防止するように作用する。
【0025】
図9は、本発明のもう一つの観点でのカテーテル先端120を示す。カテーテル先端120は、マイクロモータ41と、マイクロモータ41と機械的に連絡している歯車箱121と、超音波撮像用トランスデューサ・アレイ53と機械的に連絡している出力駆動軸131とを含んでいる。図10に最も分かり易く示すように、複数の平行ねじ133が出力駆動軸131に配設され、対応する複数の円周内溝123が歯車箱121の歯車箱外被125に配設されている。
【0026】
これにより、各々の平行ねじ133を対応する円周内溝123と咬み合わせるように構成することにより、ラビリンス・シール135が形成される。複数の円周溝123はラビリンス・シール135の外側非回転部を構成し、複数の平行ねじ133はラビリンス・シール135の内側回転部を構成する。歯車箱121の内部への流体の如何なる移行も、平行ねじ133と円周内溝123との間の比較的長く複雑な経路を横断しなければならない。従って、ラビリンス・シール135は、流体の歯車箱121への漏洩を軽減する又は防止する防湿層として作用する。
【0027】
図11は、本発明のもう一つの観点でのカテーテル先端140を示す。カテーテル先端140は、マイクロモータ41と、マイクロモータ41と機械的に連絡している歯車箱143と、歯車箱フランジ45と、超音波撮像用トランスデューサ・アレイ53と機械的に連絡している出力駆動軸51とを含んでいる。歯車箱143は、プラスチック材料から製造される歯車箱外被147を含んでいる。歯車箱外被147は、防湿層として作用して流体が歯車箱外被147を通って歯車箱143の内部に漏洩するのを軽減する又は防止する金属皮膜149を含んでいる。同様の金属皮膜が、上に開示されているカテーテル先端アセンブリの様々な実施形態での歯車箱外被のいずれにも施工され得ることが認められよう。
【0028】
様々な実施形態の例を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変形を施し、発明の諸要素に代えて均等構成を置換し得ることが当業者には理解されよう。本発明の特許付与可能な範囲は特許請求の範囲によって画定され、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造的要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。具体的には、本発明の範囲を逸脱することなく本発明の教示に幾つかの変更を施して特定の状況に適合させることができる。従って、本発明は本発明を実施するために上に開示されている実施形態に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むものとする。
【符号の説明】
【0029】
10 撮像用カテーテル先端
11 マイクロモータ
13 歯車箱
15 回転歯車箱フランジ
17 円筒状間隙
19 非回転歯車箱外被
21 撮像用トランスデューサ
23 駆動軸
25 回転矢印
27 カテーテル外被
29 音響結合流体
40 カテーテル先端
41 マイクロモータ
43 歯車箱
45 出力駆動フランジ
47 円周状間隙
49 歯車箱外被
51 出力駆動軸
53 超音波撮像用トランスデューサ・アレイ
60 隔膜シール
61 軸開口
63 隔膜
65 隔膜周縁
67 外側隔膜環
69 内側隔膜環
70 隔膜シール
71 軸開口
73 円形隔膜
75 隔膜周縁
77 外側隔膜環
80 カテーテル先端
81 可撓性隔膜カバー
83 弾性軸開口
85 テーパ付き隔膜区画
86 円筒状隔膜区画
87 円形区画
89 電気導体
90 カテーテル先端
91 流体シール
100 カテーテル先端
101 歯車箱
103 出力駆動軸
105 磁性流体シール
107 軸開口
109 表面円板
111 非回転環状磁石
113 円環状磁性流体シーラント
115 磁束
120 カテーテル先端
121 歯車箱
123 円周内溝
125 歯車箱外被
131 出力駆動軸
133 平行ねじ
135 ラビリンス・シール
140 カテーテル先端
143 歯車箱
147 歯車箱外被
149 金属皮膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロモータ(41)と、
該マイクロモータ(41)に回転自在に結合されている超音波撮像用トランスデューサ(53)と、
音響結合流体が前記マイクロモータ(41)に流入するのを低減する又は防止するように配設されている防湿層と
を備えたカテーテル先端(40)。
【請求項2】
前記超音波撮像用トランスデューサ(53)は、単一のトランスデューサ素子、一次元トランスデューサ・アレイ、二次元トランスデューサ・アレイ、リニア型トランスデューサ・アレイ、セクタ型トランスデューサ・アレイ、アニュラ型トランスデューサ・アレイ、コンベックス型トランスデューサ・アレイ、又は彎曲型トランスデューサ・アレイから成る群から選択される装置を含んでいる、請求項1に記載のカテーテル先端(40)。
【請求項3】
前記超音波撮像用トランスデューサ(53)に機械的に結合されている回転部(51)を有する歯車箱(43)をさらに含んでいる請求項1に記載のカテーテル先端(40)。
【請求項4】
前記防湿層は、前記歯車箱(43)に取り付けられた隔膜シール(60)を含んでおり、該隔膜シール(60)は、前記回転部(51)が通過することを可能にするように弾性開口(61)を配置した隔膜(63)を有している、請求項3に記載のカテーテル先端(40)。
【請求項5】
前記マイクロモータ(41)に取り付けられた円筒状隔膜区画(86)と、前記回転部(51)を封入するテーパ付き隔膜区画(85)とを有する可撓性隔膜カバー(81)を含んでいる請求項3に記載のカテーテル先端(80)。
【請求項6】
前記防湿層は、少なくとも前記回転部(51)を被覆するように配設されている疎水性材料又は親水性材料を含んでおり、該疎水性材料又は親水性材料は周囲流体への溶解に対する抵抗性又は周囲流体による透過に対する抵抗性を有する、請求項3に記載のカテーテル先端。
【請求項7】
前記防湿層は磁性流体シール(105)を含んでおり、該磁性流体シール(105)は、前記回転部(51)が当該磁性流体シール(105)の表面円板(109)において軸開口(107)を通過するように、前記マイクロモータ(41)及び前記歯車箱(43)の少なくとも一方に取り付けられる、請求項3に記載のカテーテル先端(90)。
【請求項8】
前記防湿層は前記歯車箱(43)に保持されるラビリンス・シール(135)を含んでおり、該ラビリンス・シール(135)は、前記回転部(51)に配設されている複数の平行ねじ(133)と、前記歯車箱(43)に配設されている対応する複数の円周内溝(123)とを有し、各々の前記平行ねじ(133)は、前記複数の円周内溝(123)の対応する一つと咬み合うように構成されている、請求項3に記載のカテーテル先端(120)。
【請求項9】
超音波撮像用トランスデューサ(53)に回転自在に結合されているマイクロモータ(41)又は歯車箱(43)に音響結合流体が流入するのを低減する又は防止する方法であって、前記音響結合流体と、前記マイクロモータ(41)及び前記歯車箱(43)の少なくとも一方との間に防湿層を配設するステップを含んでおり、該防湿層は、前記超音波撮像用トランスデューサ(53)が前記マイクロモータ(41)及び前記歯車箱(43)の少なくとも一方に関して回転することを可能にするように構成されて配置されている、方法。
【請求項10】
前記防湿層は、弾性隔膜(63)、磁性流体シール(105)及びラビリンス・シール(135)の一つを含んでいる、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−131387(P2010−131387A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273089(P2009−273089)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】