説明

流体動圧軸受装置

【課題】静粛性に優れ、高精度で軸受性能の劣化がなく、かつ低コストに製造可能な流体動圧軸受装置を提供することにある。
【解決手段】それぞれラジアル動圧溝12aを形成し、かつ外方部材20と内方部材11のスラスト軸受面13T、23T、24T間にスラスト軸受を形成したラジアル軸受面29Rとその両端に形成したスラスト軸受面23T、24Tを備えた外方部材20と、内方部材11とからなり、動圧軸受に潤滑油を介在させた流体動圧軸受装置10において、前記内方部材11の少なくともラジアル軸受面12Rとスラスト軸受面13Tを形成する部分が焼結金属からなり、前記ラジアル軸受隙間12Rとスラスト軸受隙間13Tとの間の空間30a、30bが正圧に保たれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内方部材と外方部材との間の軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で、回転体を回転自在に支持する流体動圧軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンやOA機器などに搭載されるファンモータには軸受が組み込まれており、この軸受によって、ファンが取り付けられた回転軸が回転自在に支持されている。この種の用途には、外輪と内輪との間に複数の転動体が介在され、この転動体を保持する保持器とからなる、いわゆる転がり軸受が一般的に使用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、流体動圧軸受装置として、円筒状の軸受リングとこの両端に嵌合された軸受プレートから構成された外方部材とその内側に配置された内方軸受プレート部材とからなる構造の流体動圧軸受装置がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−249142号公報
【特許文献2】特開2008−275159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、パソコンやOA機器などに搭載されるファンモータなどは、長時間にわたり連続運転されることから、近年、静粛化や高信頼性が求められる。しかしながら、転がり軸受では、運転時に保持器のポケットと転動体とが衝突することによって生じるいわゆる保持器音や、内外輪の軌道面上を転動体が転動することによって生じる摩擦音等の発生が避けられないことから、更なる静粛性向上の要請に対応するのが困難である。
【0006】
この問題に関して、本発明者らは、流体動圧軸受装置に着目した。その例として、特許文献2に示されている流体動圧軸受装置は、第1の軸受リング(12)と、第1の軸受リング(12)から内径側に突出した一対の第1の軸受プレート(16、20)とで外方部材(第1の軸受部材)を構成すると共に、回転軸に取り付けられる円筒状の第2の軸受リング(14)と、第2の軸受リング(14)の外周面に固定された第2の軸受プレート(18)とで内方部材(第2の軸受部材)を構成している。内方部材が回転すると、第1の軸受リング(12)の内周面と第2の軸受プレート(18)との間にラジアル軸受隙間が形成されると共に、一対の第1の軸受プレート(16、20)と第2の軸受プレート(18)との間にスラスト軸受隙間が形成される。一対の第1の軸受プレート(16、20)と第2の軸受プレート(18)とが軸方向に係合することにより、外方部材の内周から内方部材の抜けが規制され、流体動圧軸受装置を一体化できるため、ファンモータ等への組みつけがしやすくなる。
【0007】
しかし、上記の流体動圧軸受装置では、外方部材を多くの部品で構成しているので、各部品の加工コストおよびこれらの部品の組立コストが嵩み、コスト低減を図ることが難しい。また、高精度な動圧溝の加工が難しい。
【0008】
また、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間に潤滑油の供給が不足しこの部分が負圧になった場合は、軸受部の性能劣化が生じ、内方部材と外方部材の接触などの問題が生じるおそれがある。
【0009】
本発明の課題は、静粛性に優れ、高精度で軸受性能の劣化がなく、かつ低コストに製造可能な流体動圧軸受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題を解決するために種々検討した結果、流体動圧軸受装置の軸受性能の劣化を防止するために、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間に介在する潤滑油の圧力を正圧に保つという新しい着想に至った。
【0011】
本発明は、ラジアル軸受面とその両端に形成したスラスト軸受面を備えた外方部材と、この外方部材の内側に配置され、前記ラジアル軸受面とスラスト軸受面のそれぞれに対向するラジアル軸受面とスラスト軸受面を備え、内周に軸との固定面を形成した内方部材とからなり、前記外方部材と内方部材のラジアル軸受面間にラジアル軸受隙間を形成すると共に前記ラジアル軸受面のどちらか一方にラジアル動圧溝を形成し、かつ前記外方部材と内方部材のスラスト軸受面間にスラスト軸受隙間を形成すると共に前記スラスト軸受面のどちらか一方にスラスト動圧溝を形成し、前記軸受隙間に潤滑油を介在させた流体動圧軸受装置において、前記内方部材の少なくともラジアル軸受面とスラスト軸受面を形成する部分が焼結金属からなり、前記ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間が正圧に保たれていることを特徴とするものである。
【0012】
上記のように、内方部材の少なくともラジアル軸受面とスラスト軸受面を形成する部分が焼結金属からなるので、高精度で静粛性に優れ、かつ低コストに製造が可能である共に、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間が正圧に保たれているので、軸受性能の劣化を防止することができる。ここで、正圧とは大気圧より高い圧力を意味する。
【0013】
外方部材が外側の外方部材と内側の外方部材の2つの部材からなり、当該2つの外方部材は、いずれも円筒部と半径方向部とが一体材料で形成されており、円筒部を嵌合して固定される。これにより、外側および内側の外方部材の嵌合部が十分な長さを有するので、安定した嵌合、固定が得られると共に、外方部材の剛性が高く、かつ軸受隙間を高精度に設定することができる。さらに、外方部材を板材のプレス加工により形成したものでは、このプレス加工によりラジアル軸受面やスラスト軸受面が高精度に形成され、かつ、低コストに製造することができる。
【0014】
内方部材が焼結金属からなるので、内方部材のラジアル軸受面に動圧溝を形成する場合、動圧溝を転造加工する際の塑性流動を焼結金属の内部気孔で吸収でき、このため、塑性流動による表面の盛り上がりが抑えられ、動圧溝を精度良く形成することができる。また、内方部材のスラスト軸受面に動圧溝を形成する場合、プレス加工や内方部材のサイジングと同時に型成形することができるので、精度良く、かつ低コストに製造することができる。
【0015】
具体的には、軸受面を形成する部分の焼結金属の材質を銅鉄系とし、銅の配合比率を10〜80%としている。銅の配合比率が10%未満になると動圧溝の成形性や潤滑性で問題となり、一方、銅の配合比率が80%を超えると耐摩耗性を確保することが難しい。したがって、銅の配合比率は10〜80%が望ましい。
【0016】
焼結金属のラジアル軸受面の表面開孔率を2〜20%としている。表面開孔率が2%未満では潤滑油の循環が十分でなく、表面開孔率が20%を超えると潤滑油に発生した圧力低下が生じる。したがって、表面開孔率は2〜20%が望ましい。
【0017】
ラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝が、内方部材のラジアル軸受面及びスラスト軸受面にそれぞれ形成されている。これにより、焼結金属からなる内方部材の動圧溝が転造加工やプレス加工、あるいはサイジング時の型成形により精度良く、かつ低コストに製造できる。
【0018】
スラスト動圧溝がポンプアウト型であることにより、潤滑油が外径側に送られて、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間に存在する潤滑油の圧力が正圧に保たれるので、軸受性能の劣化を防止することができる。ポンプアウト型のスラスト動圧溝としてヘリングボーン形状が好ましい。
【0019】
ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間に位置する内方部材の外表面部分に各軸受面よりも表面開孔率が大きな領域が設けられていることにより、内方部材の表面開孔率の大きい外表面部分に内部の潤滑油が導かれ、この部分の潤滑油の圧力が正圧に保たれる。これにより、軸受性能の劣化を防止することができる。
【0020】
内方部材のラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝の少なくとも一方がプレス加工によって形成されたものであるが、内方部材の外表面部分の表面開孔率が大きな領域は、上記プレス加工の加工面としないことにより、追加加工なしで簡単に形成することができる。
【0021】
内方部材のラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝の少なくとも一方が転造加工によって形成されたものであるが、内方部材の外表面部分の表面開孔率が大きな領域は、上記転造加工の加工面としないことにより、追加加工なしで簡単に形成することができる。
【0022】
内方部材のラジアル軸受面およびスラスト軸受面の少なくとも一方に封孔処理が施されている。これにより、潤滑油の圧力低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、内方部材の少なくともラジアル軸受面とスラスト軸受面を形成する部分が焼結金属からなるので、高精度で静粛性に優れ、かつ低コストに製造が可能である共に、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間が正圧に保たれているので、軸受性能の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態の流体動圧軸受装置の縦断面図である。
【図2】内方部材に形成された動圧溝を示す正面図および側面図である。
【図3】流体動圧軸受装置の部分的に拡大した縦断面図である。
【図4】流体動圧軸受装置を組み込んだファンモータの縦断面図である。
【図5】第1の実施形態の変形例の流体動圧軸受装置の縦断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の流体動圧軸受装置の縦断面図である。
【図7】第2の実施形態の流体動圧軸受装置の右側面図である。
【図8】図6のB−B線の横断面図である。
【図9】組立方法を示す縦断面図である。
【図10】組立方法を示す縦断面図である。
【図11】外方部材の嵌合部に接着剤を注入する状態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
本発明の第1の実施形態に係る流体動圧軸受装置を図1〜図3に基づいて説明する。図1に示すように、流体動圧軸受装置10は、内方部材11と、この内方部材11を回転自在に支持する外方部材20とを備える。内方部材11は回転軸(図示省略)に取り付けられ、外方部材20はハウジング(図示省略)に取り付けられる。軸方向および半径方向で互いに対向する内方部材11と外方部材20の各面間(ラジアル軸受隙間Rおよびスラスト軸受隙間T)には潤滑油が介在している。
【0027】
内方部材11は焼結金属で形成されている。内方部材11は、外周面12と両側面13、13を有し、外周面12がラジアル軸受面12Rを形成し、両側面13、13がスラスト軸受面13T、13Tを形成する。外周面12は円筒面状をなし、両側面13、13は軸線Aに直角な半径方向の平坦面となっている。内方部材11のラジアル軸受面12Rと外方部材20のラジアル軸受面29Rとの間にラジアル軸受隙間Rが形成され、内方部材11のスラスト軸受面13T、13Tと外方部材20のスラスト軸受面23T、24Tとの間にスラスト軸受隙間T、Tが形成されている。内方部材11の外周面12の両端に面取り部11b、11cが形成されており、外方部材20との間に空間30a、30bが形成されている。ラジアル軸受隙間R、スラスト軸受隙間T、Tおよび空間30a、30bに潤滑油が満たされている。この潤滑油の充填状態の詳細を示すために、図1の流体動圧軸受装置10の軸線Aより上半分を拡大した部分縦断面を図3に示す。潤滑油は、ラジアル軸受隙間R、スラスト軸受隙間T、Tおよびラジアル軸受隙間Rとスラスト軸受隙間T、Tとの間に位置する空間30a、30bに充填されている。内方部材11の外周面12には動圧溝12aが形成されている。詳細には、図2(b)に示すように、外周面12の全面に形成され、V字状に屈曲した動圧溝12aと、これを区画する丘部12b(図中クロスハッチングで示す)とを、円周方向に交互に配置したヘリングボーン形状を呈する。外周面12の両端には面取り部11b、11cが形成されている。動圧溝12aは、例えば転造加工により形成される。内方部材11が焼結金属で形成されるため、転造加工の圧迫による内方部材11の外周面12の塑性流動を焼結金属の内部気孔で吸収できる。このため、塑性流動による内方部材11の表面の盛り上がりが抑えられ、動圧溝12aと丘部12bを精度良く形成することができる。動圧溝12aの転造加工を行う時に、外周面12の両端の面取り部11b、11cは転造加工されない。すなわち、面取り部11b、11cは、内方部材11を構成する焼結金属の粉末成形工程で成形されるのみであり、該工程による成形面としてそのまま残る。したがって、面取り部11b、11cの表面開孔率はラジアル軸受面よりも大きくなっている。
【0028】
図1に示すように、内方部材11の両側面13、13は、軸線Aに直角な半径方向の平坦面をなし、両側面13、13には動圧溝13a、13aが形成されている。詳細は、図2(a)、(c)に示す。図2(a)は内方部材11の左側の側面13を示し、図2(c)は内方部材11の右側の側面13を示す。図示のように、両側面13、13の全面に形成され、V字状に屈曲した動圧溝13a、13aと、これを区画する丘部13b、13b(図中クロスハッチングで示す)とを、円周方向に交互に配置したヘリングボーン形状を呈する。
【0029】
図2(a)(c)に示すように、内方部材の両側面13、13に形成したスラスト軸受面13T、13Tの動圧溝13a、13aを、回転によって外径側に潤滑油を送るポンプアウト仕様にする。スラスト用の動圧溝13a、13aのヘリングボーン形状は、回転によって外径側に潤滑油を送るポンプアウト仕様になっている。一般に、ヘリングボーン形状の動圧溝13a、13aでは、折り返し部Pが設けられるが、この折り返し部Pの半径rhと、動圧溝13a、13aの外半径r1と、内半径r2との間に、rh2=(r12+r22)/2が成り立つときに、折り返し部Pよりも外径側で生じるポンプイン方向の流体圧力と折り返し部Pよりも内径側で生じるポンプアウト方向の流体圧力とが等しくなる。例えば直径寸法で、内径がφ2、外径がφ4の場合、折り返し部Pの径(2rh)がφ3.16であれば、内径側と外径側で流体圧力が等しくなる。なお、この時の折り返し部Pの半径rhは外半径r1と、内半径r2の間の中間点よりも大きい。これに対し、本実施形態では、折り返し部の半径rを、上記式で得られるrh[=(r12+r221/2/21/2]よりも大きくしている(r>rh)。この場合、折り返し部Pよりも内径側で生じるポンプアウト方向の流体圧力がポンプイン方向の流体圧力よりも優勢となるため、スラスト軸受面13T、13T全体では、ポンプアウト方向(外径方向)に潤滑油が流れて、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間30a、30b(図3参照)の潤滑油の圧力は正圧に保たれる。これにより、軸受性能の劣化を防止することができる。スラスト動圧溝13a、13aの形態は、ポンプアウト仕様である限り任意であり、ヘリングボーン形状の他、スパイラル形状を採用することもできる。
【0030】
内方部材11が焼結金属で形成されるため、両側面13、13の動圧溝13a、13aは、例えば転造加工により形成される。両側面13、13の動圧溝13a、13aの転造加工においても、外周面12の動圧溝12aの転造加工と同様、転造加工の圧迫による両側面13、13の塑性流動を焼結金属の内部気孔で吸収できる。このため、塑性流動による内方部材11の表面の盛り上がりが抑えられ、動圧溝13aと丘部13bを精度良く形成することができる。また、動圧溝13aの転造加工を行う時にも、面取り部11b、11cは転造加工されない。したがって、面取り部11b、11cの表面開孔率は、前述したラジアル軸受面12Rとの関係と同様、スラスト軸受面13Tの表面開効率よりも大きくなっている。この面取り部11b、11cが、内方部材11の外表面部分に設けた、各軸受面よりも表面開孔率が大きな領域に該当する。これにより、面取り部11b、11cが面する、ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間30a,30bが何らかの原因で負圧になろうとしても、内方部材11の内部から面取り部11b、11cを介して該空間30a,30bに潤滑油を供給し、該空間30a,30bを正圧状態に保持することができる。
【0031】
図3に示すように、外方部材20と内方部材11を組み立てた流体動圧軸受装置10の内部空間には、焼結金属製の内方部材11の内部気孔を含めて潤滑油が充填されるので、前述したスラスト用の動圧溝13a、13aのポンプアウト仕様により潤滑油が外径側に送られることに加えて、表面開孔率の大きい面取り部11b、11cには、内方部材11の内部の潤滑油が導かれることが相俟って、より一層確実に、空間30a、30bの潤滑油の圧力は正圧に保たれる。これにより、軸受性能の劣化を防止することができる。ポンプアウト仕様のスラスト用動圧溝13a、13a、および表面開孔率を増大させた面取り部11b、11cは、必ずしも同時に採用する必要はなく、軸受サイズや使用条件によっては、どちらか一方の構成だけを採用してもよい。
【0032】
内方部材11のラジアル用動圧溝12aおよびスラスト用動圧溝13a、13aは、別の加工方法として、プレス加工により型成形することもできる。この場合、金型によるプレス加工であるので、精度良く形成することができる。また、内方部材11のサイジングと同時にラジアル用動圧溝12aおよびスラスト用動圧溝13a、13aを型成形することができる。内方部材11の外周面12に形成されるラジアル用動圧溝12aは、成形後、スプリングバックを利用して金型から取り出すことができる。ラジアル用動圧溝12aおよびスラスト用動圧溝13a、13aのプレス加工の時にも、面取り部11b、11cはプレス加工されない。したがって、前述した転造加工の場合と同様、面取り部11b、11cの表面開孔率は、ラジアル軸受面12R、スラスト軸受面13Tの両軸受面よりも大きくなっている。この面取り部11b、11cが、内方部材11の外表面部分に設けた、各軸受面よりも表面開孔率が大きな領域に該当する。
【0033】
図1および図3に示すように、内方部材11の円筒面状の内周面11aの軸方向両端に面取り部11d、11dが設けられている。内方部材11は、例えば内周面11aを図示しない回転軸の外周面に圧入(軽圧入)することにより、あるいは、内周面11aと回転軸の外周面との間に接着剤を介在させることにより、回転軸に固定される。内周面11aが軸との固定面に該当する。
【0034】
内方部材11を形成する焼結金属の材質は、銅鉄系とし、銅の配合比率を10〜80%としている。銅の配合比率が10%未満となると動圧溝の成形性や潤滑性で問題となり、一方、銅の配合比率が80%を超えると耐摩耗性を確保することが難しい。潤滑性を考慮すると銅鉄系が望ましいが、鉄系、銅系、ステンレス系など他の材料系でも使用可能である。いずれの場合にも、表面開孔率は潤滑油の循環性と動圧効果が得ることができる範囲であれば任意の値を取ることができるが、2〜20%の範囲が望ましい。表面開孔率が2%未満では潤滑油の循環が十分でなく、表面開孔率が20%を超えると潤滑油に発生した圧力が低下する。また、油の循環を妨げない限り、内方部材11のラジアル軸受面12Rおよびスラスト軸受面13Tの少なくとも一方に封孔処理を施すことができる。これにより、潤滑油の圧力低下を抑制することができる。銅鉄系焼結部材の密度は、潤滑油の連通性や塑性加工性を維持するために、6〜8g/cm3とする。
【0035】
次に、外方部材20を説明する。図1に示すように、外方部材20は内側の外方部材20aと外側の外方部材20bの2つの部材からなり、内側の外方部材20aは円筒部20a1と半径方向部20a2とが一体材料で形成されており、また、外側の外方部材20bも、円筒部20b1と半径方向部20b2とが一体材料で形成されている。そして、内側の外方部材20aと外側の外方部材20bが共に、縦断面が略L字形状に形成されている。内側の外方部材20aの円筒部20a1の外周面21が外側の外方部材20bの円筒部20b1の内周面22に軽圧入され、接着剤45を介在させて固定されている。
【0036】
外側の外方部材20bの円筒部20b1の端面の内周に面取り部28(図3参照)を設けているので、接着剤45の注入がしやすい。内側の外方部材20aと外側の外方部材20bは、共に板材をプレス加工して略L字形状に形成されている。具体的には、板材は、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板等を用い、その板厚は、0.1〜1mm程度である。この実施形態では、内側の外方部材20aの円筒部20a1の内周面29がラジアル軸受面29Rを形成する。内側の外方部材20aの半径方向部20a2の内側面23および外側の外方部材20bの半径方向部20b2の内側面24が、それぞれスラスト軸受面23T、24Tを形成する。内周面29および内側面23、24はいずれも凹凸のない滑らかな面で形成され、動圧溝12a、13aは、内方部材11の外周面12および両側面13、13に形成されている。外側の外方部材20bの半径方向部20b2の内径側端部に小径内周面26が形成され、内側の外方部材20aの半径方向部20a2の内径側端部に小径内周面25が形成されている。この構造では、外側の外方部材20bの円筒部20b1の内周面22と内側の外方部材20aの円筒部20a1の外周面21との間の嵌合部が十分な長さを有するので、安定した組立と接着固定を実現することができる。
【0037】
以上の構成からなる流体動圧軸受装置10の内部空間には焼結金属製の内方部材11の内部気孔を含めて、潤滑油が充填される。潤滑油は、図3に示すように、ラジアル軸受隙間R、スラスト軸受隙間T、Tおよび空間30a、30bに満たされる。表面開孔率の大きい面取り部11b、11cには、内方部材11の内部の潤滑油が導かれて、空間30a、30bの潤滑油の圧力は正圧に保たれる。これに加えて、スラスト用動圧溝13a、13aのヘリングボーン形状が回転によって外径側に潤滑油を送るポンプアウト仕様になっていることにより、潤滑油が外径側に送られて、空間30a、30bの潤滑油の圧力はより一層確実に正圧に保たれる。これにより、軸受性能の劣化を防止することができる。
【0038】
シール面では、潤滑油は、軸受隙間の毛細管力により外径側(ラジアル軸受隙間R側)に引き込まれる。また、回転軸の回転に伴ってスラスト軸受隙間T内の潤滑油に遠心力や動圧溝による押し込み力が作用することにより、潤滑油が外径側(ラジアル軸受隙間R側)に押し込まれる。この遠心力、押し込み力と、軸受隙間による毛細管力とにより、潤滑油の漏れ出しを防止できることができる。
【0039】
図4に本実施形態の流体動圧軸受装置10を組み込んだファンモータ1を示す。このファンモータ1は、パソコンやOA機器などの内部で発生する熱を外部へ排出し、内部を冷却するために使用されるもので、回転軸2を回転自在に非接触支持する流体動圧軸受装置10と、回転軸2に取り付けられたファン3と、半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル50およびロータマグネット51と、ケース52とを備えている。ステータコイル50はケース52のハウジング部53の外周に取り付けられ、ロータマグネット51はファン3の内周に取り付けられる。ケース52のハウジング部53に流体動圧軸受装置10が組み込まれている。このように構成されたファンモータ1において、ステータコイル50に通電すると、ステータコイル50とロータマグネット51との間の磁力によりロータマグネット51が回転し、これに伴って、ファン3が回転軸2と一体に回転する。
【0040】
図1に示すように、流体動圧軸受装置10は、外方部材20の両内側面23、24の軸方向間に内方部材11が設けられるため、外方部材20の両内側面23、24と内方部材11の両側面13、13とが軸方向に係合することにより、外方部材20の内周から内方部材11の抜けが規制される。これにより、内方部材11および外方部材20の分離を防止して流体動圧軸受装置10を一体的に扱うことができるため、回転軸2やハウジング部53への取り付けがしやすくなる。
【0041】
次に、第1の実施形態の変形例を図5に示す。前述した第1の実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付して重複説明は省略する。以下の実施形態においても同様とする。
【0042】
この変形例では、スラスト用動圧溝23a、24aが、内側の外方部材20aの半径方向部20a2の内側面23と外側の外方部材20bの半径方向部20b2の内側面24に、それぞれ形成されている。そして、内方部材11の両側面13、13は、凹凸のない平滑な面で形成されている。スラスト用動圧溝23a、24aは、例えば、内側の外方部材20aと外側の外方部材20bを板材からプレス加工により成形する際に、プレス加工により形成される。したがって、この動圧溝23a、24aは高精度に形成できる。スラスト用動圧溝23a、24aの形状は、図2の(a)および(c)に示すものと同様である。その他の部分は、第1の実施形態と同様である。この変形例では、ラジアル用動圧溝12aを内方部材11に形成したが、このラジアル用動圧溝12aも内側の外方部材20aに形成することもできる。
【0043】
第2の実施形態を図6に基づいて説明する。この実施形態では、内方部材11の軸方向両端にスリーブ部11e、11fが突出して形成されている。スリーブ部11e、11fの外径面は内側の外方部材20aの半径方向部20a2の内径側端部に小径内周面25および外側の外方部材20bの半径方向部20b2の内径側端部に小径内周面26にシール隙間をもって対向している。小径内周面25および小径内周面26は、軸受の外側に向かって拡径するテーパ状に形成され、スリーブ部11e、11fの外径面41、42との間にシール空間S1、S2が形成されている。潤滑油の油面はシール空間S1、S2に保持される。
【0044】
前述した第1の実施形態および本実施形態でも、動圧溝12a、13aはヘリングボーン形状で一方向回転用である。本実施形態では回転方向を識別するために、次の表示を設けている。図6に示すように、内方部材11の右側のスリーブ部11fの端面43には識別溝44が形成されている。この識別溝44のあるスリーブ部11fの端部を、図のように右側に配置した場合、内方部材11の回転方向が右方向(時計方向)であることが分かる。上記では識別表示を右側に配置した場合に、回転方向を右方向に設定したが、これとは反対に回転方向を左方向(反時計方向)に設定してもよい。
【0045】
図7に識別溝44の詳細を示す。流体動圧軸受装置10の右側側面図である。内方部材11のスリーブ部11fの端面43に識別溝44が形成されている。識別溝44は直径上の2箇所に形成され、この識別溝44は、焼結金属からなる内方部材11の粉末成形工程あるいはサイジング工程で形成される。したがって、内方部材11の製造工程内で識別溝を形成するため、コスト増にならない。識別溝44は上記のような形状の溝に限られず、例えば、直接回転方向を示す矢印形状の識別溝としてもよい。回転方向を識別する表示は、上記の他に、例えば、外方部材20の外表面に回転方向を示す表示を設けることや、内側の外方部材20aと外側の外方部材20bとが異なる色相の表面に形成してもよい。このためには、異なる色相の材質を用いたり、表面処理を施す。
【0046】
第2の実施形態では、図6に示すように内側の外方部材20aの円筒部20a1の外周面21の開口端部に凸部21aが設けられている。この凸部21aを含むB−B線の横断面を図8に示す。凸部21aは、内側の外方部材20aの円筒部20a1の外周面21に、円周方向の8箇所に形成されている。この凸部21aが、外側の外方部材20bの円筒部20b1の内周面22に圧入される。そして、スラスト軸受隙間を設定した状態で凸部21aにより仮固定され、接着剤45を介在させて固定されている。凸部21aが外側の外方部材20bの円筒部20b1の内周面22に部分的に圧入される状態になるので、内側の外方部材20aと外側の外方部材20bの精度が損なわれない。なお、凸部21aは、内側の外方部材20aの円筒部20a1の外周面21に8箇所形成したが、凸部21aの数は3個以上であれば、適宜の数とすることができ、凸部21aの形状は丸い突起に限ることなく、軸方向に延びる形状なども可能である。また、凸部は、外側の外方部材20bの円筒部20b1の内周面22に形成することもできる。要するに、凸部は、内側の外方部材20aと外側の外方部材20bの精度が損なわない範囲で圧入できるものであって、スラスト軸受隙間を設定した状態で凸部により仮固定されるものであれば、どのような形態であっても良い。その他の部分は、第1の実施形態と同様である。また、動圧溝の形成形態は、本実施形態のものに限らず、前述した第1の実施形態の変形例の形成形態であってもよい。
【0047】
図6において、内方部材11のスリーブ部11e、11fの端部から、潤滑油の滲み出しを防止するために、端面43a、44b、端部外周面41、42および面取り部11dを封孔処理することが望ましい。また、潤滑油の滲み出しを防止する別の方法として、スリーブ部11e、11fの端部に撥油剤を塗布しても良い。さらに、これらを組み合わせることにより、効果をより高めることができる。
【0048】
第1の実施形態および本実施形態では、内側の外方部材20aの半径方向部20a2と外側の外方部材20bの半径方向部20b2およびこれに対向する内方部材11の側面13、13を軸線Hに対して直角に形成したものを示したが、これに限らず、半径方向部20a2、半径方向部20b2およびこれに対向する側面13、13を円錐状に傾斜して形成することもできる。
【0049】
次に、本発明の流体動圧軸受装置の組立方法を図9〜11に基づいて説明する。この組立方法では、第2の実施形態の流体動圧軸受装置を示すが、第1の実施形態およびその変形例でも同様となる。
【0050】
図9に示す隙間設定装置は、固定治具Fとこの固定治具Fの内側に配置され上下方向に移動可能な移動治具Gとから構成される。固定治具Fは、載置面30、ガイド面34および移動治具Gと摺動自在に嵌合する内周面35を有する。移動治具Gは、肩面36、ガイド面37および固定治具Fと摺動自在に嵌合する外周面38を有する。この隙間設定装置の外で、内方部材11を内側の外方部材20aと外側の外方部材20bの中に収容し、スラスト軸受隙間Tのない状態まで内側の外方部材20aを外側の外方部材20bに対して相対的に押し込む。この状態の外側の外方部材20b、内側の外方部材20a、内方部材11のセットを、図9に示すように、固定治具Fおよび移動治具Gに載置する。すなわち、内方部材11の内周面11aを移動治具Gのガイド面37に嵌合させた後、外側の外方部材20b、内側の外方部材20a、内方部材11のセットを下方に挿入し、固定治具Fのガイド面34に嵌合させて、さらに下方に挿入し、外側の外方部材20bの半径方向部20b2の外側面を載置面30に当接させて設置する。このとき、移動治具Gは下方に後退している。
【0051】
その後、移動治具Gを上昇させ、外側の外方部材20bと内側の外方部材20aとの間にスラスト軸受隙間Tがゼロの状態の内方部材11のスリーブ部11fの下端面に移動治具Gの肩面36を当接させる。この位置を基準位置として、図10に示すように、移動治具Gをさらに上昇させて内方部材11を上方へ移動させ、凸部21aを介して圧入されていた外側の外方部材20bから内側の外方部材20aを離隔させる。外側の外方部材20bの内側面24と内方部材11の側面13との間の隙間が両側のスラスト軸受隙間Tの合計量Δとなる位置で止め、隙間設定が終了する。
【0052】
この組立方法では、固定治具F、移動治具Gからなる隙間設定装置外で、外側の外方部材20b、内側の外方部材20a、内方部材11をセットし、仮固定することができる。そして、固定治具F、移動治具Gからなる隙間設定装置では隙間設定のみを行うので、作業性がよい。
【0053】
以上のようにして、スラスト軸受隙間Tが設定され、外側の外方部材20bと内側の外方部材20aとが仮固定された状態で、図11に示すように、ノズル40により接着剤を外側の外方部材20bと内側の外方部材20aの嵌合部に注入する。外側の外方部材20bの円筒部20b1の端面の内周面22に面取り部28を設けているので、接着剤の注入がしやすい。その後、焼成して接着剤を固化する。嫌気性の接着剤など焼成を省略できる接着剤を用いてもよい。あるいは、先に接着剤を塗布してからスラスト軸受隙間Tを設定してもよい。いずれの場合でも、外側の外方部材20bと内側の外方部材20aとが仮固定されているので、設定されたスラスト軸受隙間Tを維持するための特殊な治具は不要であり、作業性が向上する。
【0054】
組み立てられた内方部材11と外方部材20との間に、焼結金属製の内方部材11の内部気孔を含めて、潤滑油が注入される。その後、流体動圧軸受装置10の使用環境で想定される最高温度(上限)を超える設定温度まで加熱し、このときの熱膨張によりスラスト軸受隙間Tの内径側端部から溢れ出した潤滑油を拭き取る。その後、常温まで冷却することにより潤滑油が収縮し、油面が軸受内部側(外径側)に後退して、シール空間S1、S2に保持される。これにより、想定される温度範囲内であれば、熱膨張により潤滑油が漏れ出すことはない。以上により、流体動圧軸受装置10が完成する。
【0055】
以上の実施形態では、動圧溝12a、13a、23a、24aをヘリングボーン形状で構成したが、スパイラル形状、ステップ形状、円弧形状など適宜の動圧溝で構成することができる。また、動圧溝12aを有するラジアル軸受面12Rを軸方向の複数個所に形成しても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 ファンモータ
2 回転軸
3 ファン
10 流体動圧軸受装置
11 内方部材
11a 内周面
12a ラジアル用動圧溝
12R ラジアル軸受面
13a スラスト用動圧溝
13T スラスト軸受面
20 外方部材
20a 内側の外方部材
20b 外側の外方部材
23a スラスト用動圧溝
23T スラスト軸受面
24a スラスト用動圧溝
24T スラスト軸受面
29R ラジアル軸受面
R ラジアル軸受隙間
T スラスト軸受隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジアル軸受面とその両端に形成したスラスト軸受面を備えた外方部材と、この外方部材の内側に配置され、前記ラジアル軸受面とスラスト軸受面のそれぞれに対向するラジアル軸受面とスラスト軸受面を備え、内周に軸との固定面を形成した内方部材とからなり、前記外方部材と内方部材のラジアル軸受面間にラジアル軸受隙間を形成すると共に対向する前記ラジアル軸受面のどちらか一方にラジアル動圧溝を形成し、かつ前記外方部材と内方部材のスラスト軸受面間にスラスト軸受隙間を形成すると共に対向する前記スラスト軸受面のどちらか一方にスラスト動圧溝を形成し、前記軸受隙間に潤滑油を介在させた流体動圧軸受装置において、
前記内方部材の少なくともラジアル軸受面とスラスト軸受面を形成する部分が焼結金属からなり、前記ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間が正圧に保たれていることを特徴とする流体動圧軸受装置。
【請求項2】
前記外方部材が外側の外方部材と内側の外方部材の2つの部材からなり、当該2つの外方部材は、いずれも円筒部と半径方向部とが一体材料で形成されており、前記円筒部を嵌合して固定したことを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項3】
前記外方部材が板材のプレス加工により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項4】
前記焼結金属を銅鉄系とし、銅の配合比率が10〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項5】
前記焼結金属は、少なくともラジアル軸受面の表面開孔率が2〜20%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項6】
前記ラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝が、内方部材のラジアル軸受面及びスラスト軸受面にそれぞれ形成されていること特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項7】
前記スラスト動圧溝がポンプアウト型であることを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項8】
前記ポンプアウト型のスラスト動圧溝がヘリングボーン形状であることを特徴とする請求項7に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項9】
前記ラジアル軸受隙間とスラスト軸受隙間との間の空間に位置する前記内方部材の外表面部分に前記各軸受面よりも表面開孔率が大きな領域が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項10】
前記内方部材のラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝の少なくとも一方がプレス加工によって形成されたものであり、前記領域が前記プレス加工の加工面でないことを特徴とする請求項9に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項11】
前記内方部材のラジアル動圧溝およびスラスト動圧溝の少なくとも一方が転造加工によって形成されたものであり、前記領域が前記転造加工の加工面でないことを特徴とする請求項9に記載の流体動圧軸受装置。
【請求項12】
前記内方部材のラジアル軸受面およびスラスト軸受面の少なくとも一方に封孔処理が施されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の流体動圧軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−177467(P2012−177467A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228720(P2011−228720)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】