説明

流体受入設備の制御装置及び制御方法

【課題】アンモニアガス等の流体の漏洩を防止して、効率的に検査を行うことができるばかりでなく、アンモニア水等の廃液の処理を少なくすることができるようにする。
【解決手段】流体受入設備10は第1の貯蔵タンク13と第1の貯蔵タンクよりも容量の小さい第2の貯蔵タンク14とに流体を受け入れるための設備であり、流体受入設備は第1の貯蔵タンクに流体を受け入れるための第1の受入系統11と、第2の貯蔵タンクに流体を受け入れるための第2の受入系統12とを有している。そして、所定の期間に亘って第1の貯蔵タンクに流体の受入が行われない際、第1の受入系統に残留する残留流体を排出し、所定の期間に流体受入設備の点検が行われる場合に点検が第1及び第2の受入系統の順に行われる際、第1の受入系統の点検終了後第2の受入系統に残留する残留流体を第1の受入系統に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア等の流体を受け入れるための流体受入設備の制御方法に関し、特に、2系統の受入系統を有する流体受入設備の制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、火力発電所においては、燃焼排ガスの脱硝等を行うため、アンモニア貯蔵タンクに貯蔵されたアンモニアを気化させて用いているが、アンモニア貯蔵タンクは複数基備えられることがある。そして、アンモニア貯蔵タンクに貯蔵されたアンモニアの残量に応じてアンモニアを受け入れるようにしている。アンモニア受入れのため、アンモニア受入設備が備えられており、アンモニア受入設備は、アンモニア貯蔵タンクに対応した受入系統を有している。
【0003】
例えば、発電所において、2基のアンモニア貯蔵タンクを有する場合、一方が船舶で輸送されたアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンク(以下、このアンモニア貯蔵タンクを海送貯蔵タンクと呼ぶ)として用いられ、他方がタンクローリで輸送されたアンモニアを貯蔵するアンモニア貯蔵タンク(以下、このアンモニア貯蔵タンクを陸送貯蔵タンクと呼ぶ)として用いられる。そして、海送貯蔵タンクの容量は陸送貯蔵タンクの容量よりも大きい。
【0004】
この場合、アンモニア受入設備は、海送貯蔵タンクにアンモニアを受け入れるための海送受入系統と、陸送貯蔵タンクにアンモニアを受け入れるための陸送受入系統を有しており、船舶から海送受入系統を介してアンモニアが海送貯蔵タンクに受け入れられ、タンクローリから陸送受入系統を介してアンモニアが陸送貯蔵タンクに受け入れられることになる。なお、発電所が日本海側に設置されている際には、冬季(11月〜3月)の期間、海が荒れるため原則的に海送受入は行っていない。
【0005】
ところで、上記のアンモニア受入設備は、高圧ガス保安検査を行う必要があり、高圧ガス保安検査の際には、アンモニア受入設備には滞留する残ガス及び残液(以下残アンモニアと呼ぶ)をブロー操作によって排出する必要がある。また、必要に応じてBTG定期業者検査を行うこともある。そして、高圧ガス保安検査は、海送受入系統の検査を行った後、陸送受入系統の順に検査を行っている。
【0006】
一方、流体の受入を行う際に、流体貯蔵設備全体としてのコストの低減化を図るため、設計圧力を高めた第1のタンクと、第1のタンクより設計圧力の低い第2のタンクとで構成される貯蔵設備に、LNG等の流体を第1のタンクに受け入れた後に第2のタンクに移送するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−280996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、アンモニア受入設備には常時残ガス及び残液(以下、残アンモニアと呼ぶ)が滞留しており、気温が低下する冬季(11月〜3月)においては、気温低下に伴うバルブ等の収縮に起因して、アンモニアガスが漏洩することがある。
【0009】
さらに、高圧ガス保安検査の際には、検査前に、海送受入系統に残留する残アンモニアのブロー操作に二日間程度の日数を要し、さらに、BTG定期業者検査と重複すると、多量のBTGプラント排水を処理しなければならず、加えて、アンモニアブロー排水の処理を考慮する必要があって、作業工程が極めて逼迫してしまう。
【0010】
また、高圧ガス保安検査は、海送受入系統の検査を実施した後、陸送受入系統の検査を実施することになるが、海送受入系統の検査後においてアンモニア置換操作を行うに当って、アンモニアガスを海送貯蔵タンクから海送受入系統に供給している関係上、陸送受入系統の検査の際には、陸送受入系統に残留する残アンモニアをブロー操作して排出する工程と重複してしまい、結果的に、ブロー操作に時間及び労力が掛かるばかりでなく、多量のアンモニア水を処理しなければならないという課題がある。
【0011】
従って、本発明は、アンモニアガスの漏洩を防止して、効率的に検査を行うことができるばかりでなく、アンモニア水等の廃液の処理を少なくすることのできる流体受入設備の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、第1の貯蔵タンクと該第1の貯蔵タンクよりも容量の小さい第2の貯蔵タンクとに流体を受け入れるための流体受入設備の受入制御装置であって、前記流体受入設備が、前記第1の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第1の受入系統と、前記第2の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第2の受入系統とを有しており、所定の期間に亘って前記第1の貯蔵タンクに前記流体の受入が行われない際、前記第1の受入系統に残留する残留流体を排出する排出手段と、前記所定の期間に前記流体受入設備の点検が行われる場合に、前記点検が前記第1及び前記第2の受入系統の順に行われる際、前記第1の受入系統の点検終了後前記第2の受入系統に残留する残留流体を前記第1の受入系統に供給する供給手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】
(1)に記載の受入制御装置では、所定の期間に亘って第1の貯蔵タンクに流体の受入が行われない際、第1の受入系統に残留する残留流体を排出しておき、所定の期間に流体受入設備の点検が行われる場合に点検が第1及び第2の受入系統の順に行われる際、第1の受入系統の点検終了後第2の受入系統に残留する残留流体を前記第1の受入系統に供給するようにしたので、所定の期間における残留流体の漏洩を防止できるばかりでなく、流体の廃液処理を少なくして効率的な検査を行うことができる。
【0014】
(2)本発明は、(1)に記載の受入制御装置において、前記流体はアンモニアであり、前記第1の貯蔵タンクにはタンク船から前記アンモニアが受け入れられ、前記第2の貯蔵タンクにはタンクローリから前記アンモニアが受け入れられており、前記所定の期間は冬季であることを特徴とするものである。
【0015】
(2)に記載の受入制御装置では、流体としてアンモニアの受け入れを行う際、例えば、海が荒れている冬季等において第1の受入系統に残留する残アンモニアを排出しておくようにしたので、冬季の低温に起因するバルブ類の収縮によって第1の受入系統からアンモニアが漏洩する恐れがない。
【0016】
(3)本発明は、(2)に記載の受入制御装置において、前記第1の受入系統と前記第2の受入系統とを連結する連結配管系統が備えられており、前記第1の受入系統には前記第1の受入系統を前記第1の貯蔵タンクと前記タンク船からの受け入れ部との間で閉塞する第1の閉塞手段が備えられ、前記第2の受入系統には前記第2の受入系統を前記第2の貯蔵タンクと前記タンクローリからの受け入れ部との間で閉塞する第2の閉塞手段が備えられており、前記排出手段は前記第1の閉塞手段によって前記第1の受入系統が閉塞された状態で前記残留流体の排出を行い、前記供給手段は前記連結配管系統を介して前記第2の受入系統に残留する残留アンモニアを前記第1の受入系統に供給することを特徴とするものである。
【0017】
(3)に記載の受入制御装置では、第1の受入系統が閉塞された状態で前記残留流体の排出を行って、連結配管系統を介して第2の受入系統に残留する残留アンモニアを第1の受入系統に供給するようにしたので、容易に第1の受入系統にアンモニアを供給、つまり、第1の受入系統をアンモニアで置換することができるばかりでなく、流体の廃液処理を少なくして効率的な検査を行うことができる。
【0018】
(4)本発明は、第1の貯蔵タンクと該第1の貯蔵タンクよりも容量の小さい第2の貯蔵タンクとに流体を受け入れるための流体受入設備の受入制御方法であって、前記流体受入設備が、前記第1の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第1の受入系統と、前記第2の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第2の受入系統と、前記第1の受入系統と前記第2の受入系統とを連結する連結配管系統を備えており、コンピュータが、所定の期間に亘って前記第1の貯蔵タンクに前記流体の受入が行われない際、バルブの閉操作を行って前記第1の貯蔵タンクと前記第1の受入系統の受け入れ部との間で前記第1の受入系統を閉塞する第1のステップと、ブロー操作を行って前記第1の受入系統に残留する残留流体を排出する第2のステップと、前記所定の期間に前記流体受入設備の点検が行われる場合に、前記点検が前記第1及び前記第2の受入系統の順に行われる際、バルブの閉操作を行って前記第2の貯蔵タンクと前記第2の受入系統の受け入れ部との間で前記第2の受入系統を閉塞する第3のステップと、前記第1の受入系統の点検終了後バルブの開操作を行って前記連結配管系統を介して前記第2の受入系統に残留する残留流体を前記第1の受入系統に供給する第4のステップとを実行することを特徴とするものである。
【0019】
(4)に記載の受入制御方法では、所定の期間に亘って第1の貯蔵タンクに流体の受入が行われない際、第1の受入系統を閉塞して第1の受入系統に残留する残留流体を排出しておき、所定の期間に流体受入設備の点検が行われる場合に点検が第1及び第2の受入系統の順に行われる際、第2の受入系統を閉塞して第1の受入系統の点検終了後第2の受入系統に残留する残留流体を前記第1の受入系統に供給するようにしたので、所定の期間における残留流体の漏洩を防止できるばかりでなく、流体の廃液処理を少なくして効率的な検査を行うことができることになる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、アンモニア等の流体の受け入れる流体受入設備において、所定の期間に亘って第1の貯蔵タンクに流体の受入が行われない際、第1の受入系統に残留する残留流体を排出しておき、所定の期間に流体受入設備の点検が行われる場合に点検が第1及び第2の受入系統の順に行われる際、第1の受入系統の点検終了後第2の受入系統に残留する残留流体を前記第1の受入系統に供給するようにしたので、所定の期間における残留流体の漏洩を防止できるばかりでなく、流体の廃液処理を少なくして効率的な検査を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態による受入制御方法が用いられるアンモニア受入設備の一例を示す図である。
【図2】図1に示すアンモニア受入設備において、陸送受入系統から海送受入系統への残アンモニアの供給制御を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、発電所で用いられるアンモニア受入設備10の一例を示す図である。アンモニア受入設備10は、海送受入系統11及び陸送受入系統12を有している。海送受入系統11は海送貯蔵タンク13に接続されている。陸送受入系統12は陸送貯蔵タンク14に接続されている。そして、海送貯蔵タンク13及び陸送貯蔵タンク14に貯蔵されたアンモニアは、それぞれ、開閉弁15及び16の開閉制御によって気化器(図示せず)供給され、ここで気化されて燃焼排ガスの脱硝等に用いられる。
【0023】
海送受入系統11において、岸壁には、海送アンモニアローディングアーム(以下、単に海送アームと呼ぶ)17が配設されており、この海送アーム17が船舶、例えば、タンク船18に接続されて、タンク船18からアンモニアの受入が行われる。
【0024】
海送アーム17は第1及び第2の海送アーム部17a及び17bを有している。アンモニア受入の際には、第1及び第2の海送アーム部17a及び17bがタンク船18に接続される。第1の海送アーム部17aは、第1の海送配管系統19が接続されている。同様に、第2の海送アーム部17bには、第2の海送配管系統20が接続されている。
【0025】
これら第1及び第2の海送配管系統19及び20には、それぞれ、開閉弁19a及び20aが備えられている。開閉弁19a及び20aの開閉制御によってタンク船18からのアンモニアの受入が制御される。なお、開閉弁19aと第1の海送アーム部17aとの間には窒素ボンベ21が接続されている。
【0026】
図示のように第1の海送配管系統19は海送用アンモニアガス圧縮機(以下海送圧縮機と呼ぶ)22が接続されている。海送圧縮機22の出口側には海送出口配管系統23が接続されている。そして、この海送出口配管系統23は、開閉弁23bを介して海送貯蔵タンク13に接続されている。
【0027】
ゲート弁23aの出口側において、海送出口配管系統23には、開閉弁25aを有する第1の海送帰還配管系統25が接続されている。この第1の海送帰還配管系統25はゲート弁19bの入口側において第1の海送配管系統19に接続されている。また、海送圧縮機22に接続された第2の海送帰還配管系統26がゲート弁26aを介してゲート弁19bの出口側において第1の海送配管系統19に接続されている。
【0028】
なお、第2の海送配管系統20は、開閉弁20b及び20cを介して直接的に海送貯蔵タンク13に接続されている。
【0029】
陸送受入系統12において、駐車場には、陸送アンモニアローディングアーム(以下、単に陸アームと呼ぶ)27が配設されており、この海送アーム27がタンクローリ28に接続されて、タンクローリ28からアンモニアの受入が行われる。
【0030】
陸送アーム27は第1及び第2の陸送アーム部27a及び27bを有している。アンモニア受入の際には、第1及び第2の陸送アーム部27a及び27bがタンクローリ28に接続される。第1の陸送アーム部27aは、第1の陸送配管系統29が接続されている。同様に第2の陸送アーム部27bには、第2の陸送配管系統30が接続されている。
【0031】
これら第1及び第2の陸送配管系統29及び30にはそれぞれ開閉弁29a及び30aが備えられている。開閉弁29a及び30aの開閉制御によってタンクローリ28からのアンモニアの受入が制御される。なお、開閉弁29aと第1の陸送アーム部27aとの間には窒素ボンベ31が接続されている。
【0032】
第1の陸送配管系統29は陸送用アンモニアガス圧縮機(以下、陸送圧縮機と呼ぶ)32が接続され、陸送圧縮機32の出口側には陸送出口配管系統33が接続されている。そして、この陸送出口配管系統33は、開閉弁33bを介して陸送貯蔵タンク14に接続されている。
【0033】
ゲート弁33aの出口側において、陸送出口配管系統33には、開閉弁35aを有する第1の陸送帰還配管系統35が接続されている。この第1の陸送帰還配管系統35はゲート弁29bの入口側において第1の陸送配管系統29に接続されている。また、陸送圧縮機32に接続された第2の陸送帰還配管系統36がゲート弁36aを介してゲート弁29bの出口側において第1の陸送配管系統29に接続されている。なお、第2の陸送配管系統30は、開閉弁30b及び30cを介して直接的に陸送貯蔵タンク14に接続されている。
【0034】
海送圧縮機22及び陸送圧縮機32の入口側において、第1の海送配管系統19と第1の陸送配管系統29とは、ゲート弁37aを有する連結配管系統37によって接続されている。海送出口配管系統23と陸送出口配管系統33とはゲート弁38を介して互いに接続されている。第2の海送配管系統20と第2の陸送配管系統30とはゲート弁(図示せず)を介して互いに接続されている。
【0035】
なお、別に吸収機40が備えられ、図中丸印で囲んだ「吸」の位置で各配管系統が吸収機40に接続されている。
【0036】
ところで、当該発電所では、所定の期間(季節)において、例えば、冬季(11月〜3月)において海が荒れていることによる海上輸送の困難性によって、原則的に海送によるアンモニアを受け入れておらず、アンモニアの受入は陸送に頼っている。このため、海送受入系統11は使用されないことになるため、アンモニアの漏洩を防ぐため、海送受入系統11に残留する残アンモニアをブロー操作によって排出する。
【0037】
つまり、図1に示す太線で示す区間に残留する残アンモニアをブロー操作によって全て排出する。これによって、冬季におけるバルブ類の収縮に起因する高圧ガス(アンモニアガス)の漏洩に対するリスクを軽減する。
【0038】
この場合、アンモニア受入設備10の高圧ガス保安検査は、上記の所定の期間に行うようにする。前述のように、所定の期間においては、海送受入系統11では残アンモニアはブロー操作によって排出されている状態にあるから、高圧ガス保安検査の際にブロー操作を行う必要がなく、当該海送受入系統11に係る高圧保安検査及びBTG定期事業者検査の際におけるプラント排水処理工程を行う必要がなくなり、作業工程に余裕ができることになる。
【0039】
そして、海送受入系統11の保安検査の後、続いて陸送受入系統12の保安検査に移ることになるが、この際、図2に示すように、海送貯蔵タンク13の開閉弁と第1及び第2の海送配管系統の開閉弁を閉塞し、陸送受入系統12に残留する残アンモニアを、海送受入系統に供給する(排出する)。
【0040】
これによって、陸送受入系統12に残留する残アンモニアの排出が容易に行われて、作業に要する時間を短縮することができるばかりでなく、アンモニアブローに起因する排水処理を削減でき、しかも環境に対する負荷を軽減することができる。
【0041】
上述の制御は、コンピュータ等の制御装置(図示せず)によって行われることになるが、制御装置は、冬季等の所定の期間に亘って海送貯蔵タンク13にアンモニアの受入が行われない場合には開閉弁類等の閉操作を行って海送貯蔵タンク13と海送受入系統11の受け入れ部(タンク船18との連結箇所でヤード内側に位置する開閉弁19a及び20aの位置)との間で海送受入系統11を閉塞する。
【0042】
続いて、制御装置は、ブロー操作を行って海送受入系統11に残留する残アンモニアをブローによって排出する。そして、冬季などの所定の期間にアンモニア受入設備11の検査・点検が行われる場合には、検査・点検は海送受入系統11及び陸送受入系統12の順に行われることになるが、この際、制御装置は、開閉弁類等の閉操作を行って陸送貯蔵タンク14と陸送受入系統12の受け入れ部(タンクローリ28との連結箇所でヤード内側に位置する開閉弁29a及び30aの位置)との間で陸送受入系統12を閉塞する。
【0043】
そして、制御装置は、海送受入系統11の検査・点検が終了した後、弁類の開操作を行って連結配管系統を介して陸送受入系統12に残留する残アンモニアを海送受入系統11に供給し、海送受入系統11をアンモニアで置換する。
【0044】
この結果、冬季等の所定の期間において海送受入系統11に残留する残アンモニアは存在しないから、残アンモニアの漏洩を防止できるばかりでなく、アンモニアの廃液処理を少なくして効率的な検査を行うことができることになる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0046】
10 アンモニア受入設備
11 海送受入系統
12 陸送受入系統
13 海送貯蔵タンク
14 陸送貯蔵タンク
17 海送アンモニアローディングアーム
18 タンク船
22 海送用アンモニアガス圧縮機
27 陸送アンモニアローディングアーム
28 タンクローリ
32 陸送用アンモニアガス圧縮機
40 吸収機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の貯蔵タンクと該第1の貯蔵タンクよりも容量の小さい第2の貯蔵タンクとに流体を受け入れるための流体受入設備の受入制御装置であって、
前記流体受入設備が、前記第1の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第1の受入系統と、前記第2の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第2の受入系統とを有しており、
所定の期間に亘って前記第1の貯蔵タンクに前記流体の受入が行われない際、前記第1の受入系統に残留する残留流体を排出する排出手段と、
前記所定の期間に前記流体受入設備の点検が行われる場合に、前記点検が前記第1及び前記第2の受入系統の順に行われる際、前記第1の受入系統の点検終了後前記第2の受入系統に残留する残留流体を前記第1の受入系統に供給する供給手段とを有することを特徴とする受入制御装置。
【請求項2】
前記流体はアンモニアであり、前記第1の貯蔵タンクにはタンク船から前記アンモニアが受け入れられ、前記第2の貯蔵タンクにはタンクローリから前記アンモニアが受け入れられており、前記所定の期間は冬季であることを特徴とする請求項1記載の受入制御装置。
【請求項3】
前記第1の受入系統と前記第2の受入系統とを連結する連結配管系統が備えられており、
前記第1の受入系統には前記第1の受入系統を前記第1の貯蔵タンクと前記タンク船からの受け入れ部との間で閉塞する第1の閉塞手段が備えられ、
前記第2の受入系統には前記第2の受入系統を前記第2の貯蔵タンクと前記タンクローリからの受け入れ部との間で閉塞する第2の閉塞手段が備えられており、
前記排出手段は前記第1の閉塞手段によって前記第1の受入系統が閉塞された状態で前記残留流体の排出を行い、
前記供給手段は前記連結配管系統を介して前記第2の受入系統に残留する残留アンモニアを前記第1の受入系統に供給することを特徴とする請求項2記載の受入制御装置。
【請求項4】
第1の貯蔵タンクと該第1の貯蔵タンクよりも容量の小さい第2の貯蔵タンクとに流体を受け入れるための流体受入設備の受入制御方法であって、
前記流体受入設備が、前記第1の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第1の受入系統と、前記第2の貯蔵タンクに前記流体を受け入れるための第2の受入系統と、前記第1の受入系統と前記第2の受入系統とを連結する連結配管系統を備えており、
コンピュータが、
所定の期間に亘って前記第1の貯蔵タンクに前記流体の受入が行われない際、バルブの閉操作を行って前記第1の貯蔵タンクと前記第1の受入系統の受け入れ部との間で前記第1の受入系統を閉塞する第1のステップと、
ブロー操作を行って前記第1の受入系統に残留する残留流体を排出する第2のステップと、
前記所定の期間に前記流体受入設備の点検が行われる場合に、前記点検が前記第1及び前記第2の受入系統の順に行われる際、バルブの閉操作を行って前記第2の貯蔵タンクと前記第2の受入系統の受け入れ部との間で前記第2の受入系統を閉塞する第3のステップと、
前記第1の受入系統の点検終了後バルブの開操作を行って前記連結配管系統を介して前記第2の受入系統に残留する残留流体を前記第1の受入系統に供給する第4のステップとを実行することを特徴とする受入制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−164150(P2010−164150A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7505(P2009−7505)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】