説明

流体噴射装置

【課題】キャップから大気開放バルブ側へ逆流するインクの量を減らして、吸引動作を含むクリーニングの処理効果および動作効率を向上させることが可能な流体噴射装置を提供する。
【解決手段】本発明のインクジェットプリンタは、インクを噴射する複数のノズルNを形成したノズル形成面20aを有した記録ヘッド20と、ノズル形成面20aに当接し、該ノズル形成面20aとの間に密閉空間Kを形成可能なキャップ23とを備え、キャップ23に、排出チューブ26を介して密閉空間Kを減圧する吸引ポンプ30が接続されているとともに、大気連通チューブ28を介して密閉空間Kを大気開放する大気開放バルブ29が接続されており、キャップ23と大気開放バルブ29との間の大気開放チューブ28上に逆止弁32が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体を噴射する流体噴射装置として、例えばインクジェットプリンタなどが知られている。インクジェットプリンタは、記録媒体に文字や画像等を記録する装置であり、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)に設けられたノズル列から記録媒体にインク(流体)を選択的に噴射する構成になっている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタでは、ノズルの目詰まりや、ゴミの混入、インクの増粘、気泡の混入等によるインクの噴射の不具合等を防止するため、記録ヘッドのノズル形成面をキャップにて封止し、キャップとノズル形成面との間に形成された密閉空間を吸引ポンプにて減圧して、ノズルから増粘したインク等をキャップ内に吸引する吸引動作が実施される。キャップには大気連通チューブを介して大気開放バルブが接続されており、吸引動作終了後、ヘッドからインクが供給され負圧が解消された後に大気開放バルブを開きキャップ内及びノズル面に付着したインクを吸い取る動作を行う。
特許文献1には、大気開放バルブを備えたキャップが開示されている。
【特許文献1】特開2005―225163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸引動作により、吸引ポンプとキャップとを繋ぐ排出チューブにはインクが充填されていることから、吸引ポンプを停止すると、負圧空間とされた大気連通チューブ内にインクが流入する。そのため、大気連通チューブに接続された大気開放バルブは、キャップよりも高い位置に配置されており、バルブを開放した際にその水頭差によってインクが外部に漏れ出さないようになっている。
【0005】
ところが、このような構成にするためには大気連通チューブを長くする必要があり、キャップ側から流入するインクの量が多くなってしまう。そのため、大気開放時に流入してくる空気とともに多くのインクがキャップへと戻されることになり、キャップへと逆流したインクがノズル形成面に付着したり、インクが泡立つなどの不具合が発生していた。
【0006】
キャップから大気連通チューブへ流入するインクの量を少なくするために、大気開放バルブを大気連通チューブの上端側すなわちキャップ近傍に配置することも考えられるが、バルブの開放とともにインクが外部へ漏れ出すおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、吸引動作を含むクリーニングの処理効果および動作効率を向上させることが可能な流体噴射装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の流体噴射装置は、上記課題を解決するために、流体を噴射する複数のノズルを形成したノズル形成面を有した流体噴射ヘッドと、前記ノズル形成面に当接し、該ノズル形成面との間に密閉空間を形成可能なキャップとを備える流体噴射装置であって、前記キャップに、第1経路を介して前記密閉空間を減圧する減圧手段が接続されているとともに、第2経路を介して前記密閉空間を大気開放する大気開放手段が接続されており、前記キャップと前記大気開放手段との間の前記第2経路上に逆止弁が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、キャップと大気開放手段との間に逆止弁が設けられている構成とした。逆止弁は、外部からキャップ内へ空気の供給を許容するとともに空気および流体の逆流を阻止する。これにより、大気開放バルブをキャップの下方に配置しても、大気開放バルブを開放した時に流体が外部へ流出するのを阻止することができる。したがって、減圧手段による吸引動作を含むクリーニング後の良好な状態を維持することができるとともに、クリーニング時の動作効率を向上させることが可能な流体噴射装置を得ることができる。
【0010】
また、前記逆止弁が、前記キャップの近傍に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、逆止弁がキャップの近傍に配置されていることから、キャップと逆止弁との間の減圧空間を小さくすることができ、キャップから逆止弁まで逆流する流体の量を少なくすることができる。これにより、大気開放手段を開放した場合に、空気の供給とともにキャップ内に戻される流体の量が少なくなり、キャップ内の流体の変動(泡立ちなど)を抑えることができる。
【0011】
また、前記逆止弁が、大気開放動作時に前記キャップに流入する大気の流量を制御する大気流入量制御手段であることが好ましい。
本発明によれば、逆止弁が、大気開放動作時にキャップに流入する大気の流量を制御する大気流入量制御手段であることから、大気開放手段を開放しても密閉空間内の圧力が急激に上昇するのを防ぐことができる。たとえば、逆止弁の開弁量を所定の開弁量に設定し、単位時間当たりに導入される空気の量を定めておくことにより、クリーニング終了後すぐに大気開放手段を開放することが可能になる。つまり、キャップ内には単位時間当たり所定量の空気しか導入されず、キャップ内の圧力が急激に上昇するのを防止することが可能となる。これにより、キャップ内の流体が変動するのを抑えることができ、インクの泡立ちなどにともなう不具合をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した液体噴射装置の一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。図1は、液体噴射装置としてのインクジェットプリンタ11の要部斜視図、図2はメンテナンス機構22の要部説明図を示す。
【0013】
図1に示すように、インクジェットプリンタ11には、フレーム12が備えられ、このフレーム12にはプラテン13が架設されている。プラテン13上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録紙Pが搬送される。また、フレーム12には、プラテン13の長手方向と平行にガイド部材15が架設され、このガイド部材15にはキャリッジ16が摺動可能に支持されている。キャリッジ16は、キャリッジモータ18によりタイミングベルト17を介して、記録紙Pの搬送方向に交差する方向(図中X方向)に往復移動可能となっている。
【0014】
このキャリッジ16の下面には、記録ヘッド20が搭載されている。記録ヘッド20は、図2に示すように、その下面で開口する複数のノズルNを有しており、ノズル形成面20aが搬送された記録紙Pに対向するように配設されている。そして、圧電素子20bが駆動されることで、ノズルNから記録紙Pに向かってインク滴が吐出される。
【0015】
また、キャリッジ16上には、内部にインクを収容したインクカートリッジ21が着脱可能に取着されている。キャリッジ16に配設されたインクカートリッジ21は、その下方に配設された記録ヘッド20にインクを供給する。供給されたインクは、印刷データに基づいた圧電素子20bの駆動によって、ノズルNを介して記録紙Pに吐出される。
【0016】
フレーム12の一側部には、ホームポジションが設けられており、このホームポジションにはメンテナンス機構22が配設されている。このホームポジションは、非印刷時又は保管時等、プリンタが印刷休止状態にあるときにキャリッジ16が配置される領域である。メンテナンス機構22は、ケース22a内に、キャップ23、減圧手段を構成する吸引ポンプ30(図2参照)を備えている。また、キャップ23及び吸引ポンプ30の駆動源である図示しない駆動モータと、この駆動モータの動力をキャップ23及び吸引ポンプ30に伝達する図示しない動力伝達機構を備えている。
【0017】
図2に示すように、キャップ23は、キャップホルダ23aとキャップ部材23bとを備えている。キャップホルダ23aは、上側が開口した箱状に形成されており、この開口面が記録ヘッド20のノズル形成面20aを向くように配設されている。キャップ部材23bは、エラストマ等の可撓性材質からなり、キャップホルダ23aの内壁面によって支持されている。このキャップ部材23bは、その上端縁がキャップホルダ23aの上端縁よりも上方に突出している。
【0018】
キャップホルダ23aは、駆動モータの駆動により上下方向に移動可能にケース22a内に取り付けられている。そして、キャップ23は、キャップ部材23bが記録ヘッド20に当接するキャッピング位置と、キャップ部材23bが記録ヘッド20から離間した退避位置との間を往復移動可能となっている。
【0019】
キャップ部材23bの底面には、スポンジ材等からなる、シート状のインク吸収材Sが収容されている。このインク吸収材Sは、記録ヘッド20から吐出されるインクを受け止めて吸収する。そして、キャップ23がノズル形成面20aを封止した際に、ノズル形成面20aとキャップ23とにより形成された空間(以下、密閉空間Kとする。)に、吸収したインクの溶媒を揮発させ、ノズルNの乾燥を防止する。
【0020】
また、キャップホルダ23aの底面には、インク排出口25が貫通形成され、キャップホルダ23aの下面には、排出チューブ26(第1経路)が接続されている。これらのインク排出口25と排出チューブ26内の流路とは互いに連通されて配設されている。キャップ23内に吐出されたインクは、このインク排出口25を介して、排出チューブ26内の流路に流入する。この排出チューブ26は、便宜上、図2では直線状に示しているが、通常はケース22a内において、キャップ23の下方で引き回され、吸引ポンプ30側へ延設された状態で収容されている。
【0021】
排出チューブ26上には、吸引ポンプ30が配置されている。この吸引ポンプ30は、ノズルN内のインク等を吸引するヘッドクリーニングを行うためのものである。ヘッドクリーニングは、プリンタが長期間印刷を休止した後、印刷を再開するとき等、プリンタの図示しない制御部により実行命令が送出された際に行われる。その際、キャリッジ16がホームポジションに移動されて、記録ヘッド20がキャップ23の上方に配置される。
【0022】
また、キャップ23の底面には、大気連通口27が貫通形成されており、この大気連通口27には大気連通チューブ28(第2経路)が連通されている。この大気連通チューブ28の端部には、大気開放バルブ29(大気開放手段)が設けられている。大気開放バルブ29を開状態にすると、ノズル形成面20aとキャップ23との間の密閉空間Kは大気連通口27を介して大気に接続される。
【0023】
本実施形態においては、大気連通チューブ28上のキャップ23と大気開放バルブ29との間に逆止弁32(大気流入量制御手段)が設けられている。図2に示すように、逆止弁32は、大気連通チューブ28の上端側であってキャップ23の近傍に配置されている。この逆止弁32は、外部からキャップ23側に向かう順方向にのみ空気の供給を可能とし、逆にキャップ23側から空気やインクが流れようとすると自動的に閉弁するバルブである。つまり、逆止弁32の上端側の圧力(密閉空間K内の圧力)が下端側の圧力(大気圧)よりも低いと外部から空気が供給され、上端側の圧力が下端側の圧力と略平衡状態になった後では、大気開放バルブ29側への空気の逆流およびインクの流出を阻止する。
【0024】
本実施形態における逆止弁32は、キャップ23側の大気連通チューブ28内の圧力が所定の負圧になると開弁する。また、逆止弁32の開弁量は所定の開弁量に設定されている。具体的には、単位時間当たりに供給される空気の量が、キャップ23内のインクが泡立つことのない量であるとともに、大気開放バルブ29が閉まった状態で記録ヘッド20から減圧空間(密閉空間K)内に自ずと導出されるインク量よりも多いことが好ましい。このように、キャップ23内のインクが泡立たない範囲で空気の供給量を多くすることで、従来よりも早く密閉空間Kを大気開放できる。
なお、逆止弁32の開弁量は、例えばスプール(不図示)のストローク量(スプリング力)やスプールに設けられた空気導入孔などによって調整できる。あるいは、制御部などによって逆止弁32の開弁量を適宜調整するようにしてもよい。
【0025】
一方、逆止弁32は、大気連通チューブ28のキャップ23側の圧力が大気圧あるいは大気圧近傍になると閉弁する。ここで、逆止弁32の閉弁圧は、大気連通チューブ28における逆止弁32よりも上端側の圧力が大気圧にどれだけ近づいた場合に閉弁すべきかその差圧を予め把握した上で設定するのが好ましい。
【0026】
次に、プリンタの動作の一実施例についてヘッドクリーニングを中心に説明する。
ヘッドクリーニングの実行命令が送出されると、駆動モータ及び動力伝達機構により、キャップホルダ23aが上方に移動してキャッピング位置に配置され、キャップ部材23bがノズル形成面20aに当接する。キャップ23がキャッピング位置に配置されたとき、大気開放バルブ29は閉弁している。このため、キャップ23内の空間は、排出チューブ26および大気連通チューブ28と連通された状態で封止される。
【0027】
そして、ノズル形成面20aをキャップ23により封止した状態で、吸引ポンプ30が駆動される。その結果、排出チューブ26内及びキャップ23内の密閉空間Kの空気が吸引ポンプ30によって排出され、生じた負圧によりノズルN内のインクが吸引される。ノズルNから吐出されたインクは、インク吸収材Sに吸収され、排出チューブ26へ流入する。そして、吸引ポンプ30を介して、フレーム12内に配設された廃インクタンクTに収容される。
【0028】
上述したように、大気開放バルブ29は閉まっているので、吸引ポンプ30の駆動によってキャップ23と逆止弁32との間の大気連通チューブ28内が負圧になると、逆止弁32と大気開放バルブ29との間の大気連通チューブ28内の圧力(大気圧)との差圧によって逆止弁32が一旦開弁する。その後、すぐに逆止弁32と大気開放バルブ29との間の大気連通チューブ28内が負圧になり、逆止弁32は閉弁する。
【0029】
ヘッドクリーニング終了後、吸引ポンプ30を停止する。すると、負圧となっている大気連通チューブ28に、キャップ23内のインクが流入する。このとき、逆止弁32は閉じているのでそれ以上のインクの流出が阻止される。
【0030】
その後、大気開放バルブ29を開放する。大気開放バルブ29を開放することによって逆止弁32が開弁され、キャップ23内に空気が導入される。導入される空気とともに逆流したインクもキャップ23内に戻されることになる。逆止弁32は、所定の開弁量に設定されているため、インクを泡立てることなくキャップ23内の圧力を迅速に上昇させることが可能となる。密閉空間Kの負圧が緩和されて大気圧に略近い状態にまでなると、逆止弁32は閉弁する。
このようにして、負圧が蓄積されたキャップ23内の密閉空間Kが大気に連通され、記録ヘッド20からキャップ部材23bが離れる。
【0031】
本実施形態では、キャップ23と大気開放バルブ29との間の大気連通チューブ28上に逆止弁32が配置されている。逆止弁32は、大気連通チューブ28の下端側からキャップ23への空気の流入のみを許容し、逆にキャップ23側からの空気の逆流およびインクの流出を阻止する。例えば、この逆止弁32の開弁量を所定の開弁量に設定し、単位時間当たりに導入される空気の量を定めておくことにより、クリーニング(吸引動作)終了後すぐに大気開放バルブ29を開放しても、キャップ23内には単位時間当たり所定量の空気しか導入されず、キャップ23内の圧力が急激に上昇するのを抑えることが可能となる。これにより、キャップ23内のインクの流動(泡立ちなど)を防止することができ、クリーニング後の良好な状態を維持することができる。
【0032】
また、大気開放バルブ29の開放時期(放置時間)を管理する必要がなく、クリーニング終了後、すぐに大気開放バルブ29を開放することが可能となる。つまり、吸引ポンプ30を停止してから密閉空間Kを大気開放するまでの時間を短縮することが可能になるので、従来よりも早く密閉空間K内を大気圧に近づけることができる。これにより、クリーニング時の動作効率が向上しスムーズに印刷動作へと移行することができる。
【0033】
また、逆止弁32は、大気連通チューブ28の上端側であってキャップ23の近傍に配置されている。そのため、クリーニング終了後、吸引ポンプ30を停止した後に、大気連通チューブ28側に流入するインクの量を抑えることができる。そのため、大気開放バルブ29を開放した時に空気とともにキャップ23に流入するインクの量が少なくてすみ、キャップ23内のインクの流動を防止することができる。
【0034】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0035】
上記実施形態は、インクジェット式のプリンタと、インクカートリッジが採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置と、その流体を収容した流体容器を採用しても良い。
【0036】
微小量の液滴を吐出させる流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記流体噴射装置から吐出される流体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう流体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての流体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。
【0037】
また、流体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種流体組成物を包含するものとする。
【0038】
流体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む流体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
【0039】
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および流体容器に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態のプリンタの全体構成を示す概略斜視図。
【図2】メンテナンス機構の概略構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0041】
11…インクジェットプリンタ、23…キャップ、20…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、20a…ノズル形成面、26…排出チューブ(第1経路)、28…大気連通チューブ(第2経路)、29…大気開放バルブ(大気開放手段)、32…逆止弁、N…ノズル、30…吸引ポンプ(減圧手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴射する複数のノズルを形成したノズル形成面を有した流体噴射ヘッドと、前記ノズル形成面に当接し、該ノズル形成面との間に密閉空間を形成可能なキャップとを備える流体噴射装置であって、
前記キャップに、第1経路を介して前記密閉空間を減圧する減圧手段が接続されているとともに、第2経路を介して前記密閉空間を大気開放する大気開放手段が接続されており、前記キャップと前記大気開放手段との間の前記第2経路上に逆止弁が設けられている
ことを特徴とする流体噴射装置。
【請求項2】
前記逆止弁が、前記キャップの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
【請求項3】
前記逆止弁が、大気開放動作時に、前記キャップに流入する大気の流量を制御する大気流入量制御手段である
ことを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−46854(P2010−46854A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211598(P2008−211598)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】