流体圧伝動装置および機械
【課題】停止操作により、確実に出力軸の回転を停止することができ、運転席からリンク機構を必要としない、安価で操作性も良好な油圧伝動装置および機械を提供する。
【解決手段】エンジンによって駆動されて一対の第1の接続口23の一方から油路21に油を吐出し、油路22から油を吸引する流体圧ポンプ33と、油路21の油を一対の第2の接続口24の一方より取り込んで油圧により回転するモータシャフト9を有する流体圧モータ34と、一対の第2の接続口24をバイパスするバイパス路25と、このバイパス路25を開閉する電磁弁12とを備えている。
【解決手段】エンジンによって駆動されて一対の第1の接続口23の一方から油路21に油を吐出し、油路22から油を吸引する流体圧ポンプ33と、油路21の油を一対の第2の接続口24の一方より取り込んで油圧により回転するモータシャフト9を有する流体圧モータ34と、一対の第2の接続口24をバイパスするバイパス路25と、このバイパス路25を開閉する電磁弁12とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体圧伝動装置および機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ポンプと油圧モータを組み合わせて油の閉回路を構成する油圧伝動装置は、一般に油圧トランスミッション(Hydro-static Transmission,HST)と言われ、一つのハウジングに入れたものは一体型HSTと称される。
【0003】
この種のHSTは油圧ポンプの傾転角度の操作により、前進、後退および停止が容易に行えるために、多くの建設機械などに広く採用されている。
【0004】
最近では、建設機械に限らず、小型化されたHST(例えば特許文献1参照)が田植機や稲刈機用のコンバインおよび除雪機などにも採用されており、日常一般の作業機になくてはならないものとなっている。
【0005】
上記のようにHSTには本来停止機能があるために、エンジンを運転状態のまま、操作レバーを停止(中立)位置にセットして、作業機を停止させ、運転席を離れて、前部にある機器やカバーの簡単な点検行為などを行おうとすることが頻繁に行われる。
【0006】
しかし、操作レバーを中立状態にしたとしても、油圧ポンプからわずかながらでも油が吐き出され、油圧モータに送られるようになっていると、油圧モータの出力軸は回転し、作業機は動き出す。すなわち、運転者の意向と反する動きをすることになり、場合によっては点検中に機械に巻き込まれたりして、非常に危険なことになる。
【0007】
この問題に対し、油圧モータの出力軸を回転させない手段はつぎの2つがある。第1は、油圧ポンプからの油の吐き出しを完全にゼロになるようにすることである。第2は、図8に示すように、油圧ポンプ100の高圧路101と低圧路102に油圧モータ104を接続し、高圧路101と低圧路102の間にバイパス路103を設け、油圧ポンプ100からわずかに油が吐き出されたとしても、高圧路101と低圧路102の回路をバイパスさせ、油圧モータ104を回転させるのに必要な圧力を発生させないようにすることである。そしてバイパス路103にバイバスバルブ105を設けこれを操作する。100aは油圧ポンプ100の高圧路101と低圧路102との接続口、104aは油圧モータ104の高圧路101と低圧路102との接続口である。
【0008】
このように、これまで手動型のバイパスバルブ105を持つ小型HSTは製品化されている。そして小型HSTを機械に設置することを考えたものもあった(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭60−89454号公報
【特許文献2】特開昭61−27366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、実際の機械においては、このようなパイパスバルブ105を運転席に設けた操作レバーで操作することは非常に困難である。なぜなら、HSTは機械の内部や底部に取付けられることが多く、さらにその下側に位置するバイパスバルブ105を操作するためには、運転席の操作レバーから相当に複雑なリンク構成を必要とするうえ、これらの設置が容易でないため、高価になり、かつ操作性も良くならないからである。そのために実際の機械で使用された例はなかった。
【0010】
この結果、実際には上記の第1の手段である、油圧ポンプからの油の吐き出しを完全にゼロにする手段が採用されている。
【0011】
すなわち、これを実現するためには、まず、操作レバーを前進、中立、後進あるいは、後進、中立、前進と幾度か丹念に動かしながら、油圧モータが回転しない油圧ポンプの中立位置を外部から探し出し、操作レバーと油圧ポンプの中立の位置関係を決める必要がある。そのようにして生産工場内で調整された機械が一般の消費者に販売される。
【0012】
しかし、運転席に設けられた操作レバーとこれに連結される油圧ポンプのポンプ操作部とは、幾つかのレバーやリンクで結ばれているため、使用中に磨耗や緩みが生じ、運転席の操作レバーとポンプ操作部とは、わずかながら誤差が生じてくる。すなわち、運転者は中立状態にしたつもりでも、油圧ポンプは中立状態になっておらず、わずかながら、油を吐き出し、その結果モータ軸は回転する状態となる。
【0013】
運転者にしてみれば、購入当初は運転席の操作レバーを中立位置にしておけば、機械は停止していたので、エンジンをかけたまま機械の前側で簡単な点検・補修作業ができたのに、ある時点から同じ中立位置に設定したにもかかわらず、機械が動き出すようになったのでは、怪我をしたり、巻き込まれたりする危険に晒される。また、知らぬ間に機械が暴走してしまうこともある。
【0014】
このため、除雪機などではエンジンとHSTの間に電磁クラッチを挿入している。この電磁クラッチを運転席に設けたスイッチで電気的に作動させる。オンの場合はエンジンとHSTが連結し、回転を伝達するが、オフにすれば断絶し、HSTは回転しないようにしている。これにより、エンジンをかけたまま、機械の点検や補修が安全に行える。
【0015】
しかしながら、電磁クラッチは、クラッチ自体が大きな上、駆動軸の途中に入れるために、小さな機械の中に配置することが困難で、かつ複雑な構成となる。しかも現時点ではかなり高価である。しかし、安全性のためにやむを得ず使用されているのが実情である。
【0016】
したがって、この発明の目的は、停止操作により、駆動源を停止することなく、しかも電磁クラッチを用いることなく、確実に出力軸の回転を停止することができ、さらに運転席など装置から離れた位置において操作することができるとともに、リンク機構を簡単にあるいは不要にでき、かつ操作部の設置が容易で安価にすることができ、操作性も良好な流体圧伝動装置および機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明の流体圧伝動装置は、駆動源によって駆動されて一方から流体を吐出し他方から流体を吸引する一対の第1の接続口を有する流体圧ポンプと、前記一対の第1の接続口に接続されて前記第1の接続口の吐出側の流体が流入し吸引側に流体を流出する一対の第2の接続口を有して前記第1の接続口の吐出側から吐出される流体の流体圧により回転する出力軸を有する流体圧モータと、前記第2の接続口間をバイパスするバイパス路と、このバイパス路を開閉する電磁弁とを備えたものである。
【0018】
上記構成において、前記流体圧ポンプは可変容量型斜板式アキシャルピストンポンプであり、前記流体圧モータは定容量型斜板式アキシャルピストンモータである。
【0019】
この発明の機械は、上記構成の流体圧伝動装置と、この流体圧伝動装置の流体圧ポンプを駆動する駆動源と、前記流体圧伝動装置の出力軸により駆動される作動部と、前記流体圧伝動装置の電磁弁を操作する操作部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明の流体圧伝動装置および機械によれば、バイパスバルブを電磁弁としたため、運転席などの離れた位置から電気信号により確実にバイパス路を開閉することができるので、駆動源を停止することなく、しかも電磁クラッチを用いることなく、確実に出力軸の回転を停止させることができる。また、操作部で電磁弁を制御するスイッチを操作するため、リンク機構でバイパスバルブを直接操作する場合と比較して、簡単なリンク機構を介してまたはリンク機構を介さずにスイッチを操作することができるので、スイッチの設置位置の制約が少なく設置容易で操作性も良好にでき、しかも安価にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の一実施の形態の一体型の油圧伝動装置を図1から図5により説明する。図1は油圧伝動装置の流体の閉回路を示すポートブロックの断面図である。図5はその油圧回路図である。ハウジング1は、油圧ポンプ33と油圧モータ34を一体に保持するものであり、その内部スペースはハウジング1に設けられた気密性の油タンク(図示せず)に連通している。ハウジング1のポートブロック2に油圧ポンプ33と油圧モータ34の油の流れの閉回路を形成する油路21、22が形成されている。23は油圧ポンプ33のシリンダブロックと油路21、22とを連通するように接続する一対の第1の接続口、24は油圧モータ34のシリンダブロックと油路21、22とを連通するように接続する一対の第2の接続口である。また、一対の第2の接続口24間をバイパスするため、油路21、22の間にバイパス路25が接続され、バイパス路25に電磁弁12が設けられている。図の電磁弁はコイルに電流が流れていない不動作状態であり、電磁弁12のスプール20の周溝20aを通してバイパス路25が開いている。電磁弁12が作動するとスプール20が移動し、周溝20aがバイパス路25から離れ、バイパス路25は閉じられる。なお、3は油圧ポンプ33のポンプシャフト、9は油圧モータ34のモータシャフトである。
【0022】
ポンプシャフト3がエンジンなどの駆動源によって回転されると、油圧ポンプ34が作動し、接続口23を通して例えば油路21に油が吐出され、油路22から油を吸引する動作が行われる。このため油路21が高圧路となり、油路22が低圧路となり、接続口24を通して油圧モータ34に油が供給され、油圧モータ34は流入する油の油圧により作動し、出力軸となるモータシャフト9が回転する。この場合において、電磁弁12を操作しバイパス路25を開くと高圧路と低圧路の圧力差がなくなるため、油圧モータ34には油圧が印加されないので油圧モータ34は動作せずモータシャフト9は回転しない。一方、ポンプシャフト3が上記と逆方向に回転すると、油路22が高圧路となり油路21が低圧路となるが、この場合も電磁弁12の開閉により油圧モータ34を動作状態と停止状態に制御することができる。
【0023】
なお、5は油圧ポンプ33の吐出を停止したり吐出方向を切り替えるスワッシュプレート操作軸であり、運転席の操作レバーよって操作される。27、28は油路21、22とハウジング1内のスペースとの間に設けられたチェック弁である。29、30は油路21、22とハウジング1内のスペースとの間に設けられたリリーフ弁である。31は電磁弁12を制御する電流を供給する配線である。
【0024】
図2は油圧伝動装置の側面図であり、そのA−A′線断面図が図1である。図3は油圧伝動装置の正面図である。図4は図3のB−B′線断面図である。
【0025】
図4において、油圧ポンプ33は可変容量型の斜板式アキシャルピストンポンプであり、ポンプシャフト3がハウジング1に軸受けされ、ポンプシャフト3にポンプシリンダブロック6が取付けられ、ポンプシャフト3とともに回転する。ポンプシリンダブロック6にはポンプシャフト3の回りにポンプシャフト3と平行に複数のシリンダが配設され、それぞれにピストン8が設けられ、かつ、ポンプシリンダブロック6からピストン8が突出するように付勢されている。斜板であるスワッシュプレート4がシャフト3に交差するように配置され、シャフト3に交差する軸で回動可能にハウジング1に支持され、その軸はスワッシュプレート操作軸5を兼ねている。ピストン8の先端がスワッシュプレート4の表面に摺接する。ポンプシリンダブロック6のスワッシュプレート4と反対側は、各シリンダの後端と油路21、22とを接続する接続口23を形成するバルブプレート7に摺接している。バルブプレート7はハウジング1に固定されている。
【0026】
ポンプシャフト3がエンジンなどで回転されると、シリンダブロックが同時に回転し、ピストン8がスワッシュプレート4に摺接することによりピストン8が往復する。例えば、ポンプシャフト3の一方向の回転により、スワッシュプレート4の傾斜面を登るピストン8がシリンダ内を圧縮し、油路21に油を吐出し、反対に傾斜面を下るピストン8が油路22よりシリンダ内に油を吸引する。ここで、スワッシュプレート操作軸5を操作してスワッシュプレート4を回動し、ポンプシャフト3に対する傾斜角度を図の状態から90度にするとポンプシャフト3が回転してもピストン8は往復しなくなり、油の吐出がなくなる。スワッシュプレート4が90度より若干でもずれていると、ピストン8の往復が起こるのでわずかながら吐出がある。スワッシュプレート4をさらに上記と反対向きに傾斜すると、ピストン8は往復するが、油路22が吐出となり油路21が吸引となる。
【0027】
油圧モータ34も油圧ポンプ33とほぼ同構成であるが、定容量型斜板式アキシャルピストンモータであり、9は出力軸となるモータシャフト、10はモータシリンダブロック、11はモータバルブプレート、8aはピストン、4aは斜板である。ここで、斜板4aはハウジング1に固定されている。油路21が高圧路の場合、油路21から接続口24を通して流入する油の油圧によって、シリンダ内のピストン8aが押し出される力で斜板4aを押し、ピストン8が斜板4aの斜面を下るようにすべることでモータシリンダブロック10が一方向に回転し、モータシャフト9が回転する。また斜板4aの斜面を登るピストン8aによって油が接続口24を通して油路22に流出する。油路22が高圧路側の場合はモータシリンダブロック10が逆回転する。
【0028】
電磁弁12において、13はコイル、14は鉄心、15はソレノイド本体、16はコイルケース、17はシャフト、19はブッシュ、20はシャフト17に連結されたバイパス路25に交差するスプールであり、スプール20はばねによって電磁弁12からハウジング1内の凹部内に突出している。図1および図4の状態はコイル13に電流を供給せずにコイル13を付勢していない状態であり、スプール20はばね(図示せず)により電磁弁12より突出してスプール20の表面に形成した周溝20aがバイパス路25内に位置することによりバイパス路25を開にしている。コイル13に給電すると、シャフト17がばねに抗して鉄心14に吸引され、周溝20aがバイパス路25から離れるため、バイパス路25は閉じられる。コイル13への給電の制御はスイッチ(図示せず)で行われ、スイッチとコイル13とが配線31により接続されている。スイッチを操作する操作部は運転席のスワッシュプレート操作軸5を操作する操作レバーと連動するように設けたり、あるいは操作レバーとは別に設置されたりする。
【0029】
図6は上記実施の形態の油圧伝動装置を用いた機械例えば車両の駆動機構を示している。40は駆動源となるエンジン、41はベルト、42は電磁クラッチ、43は継ぎ手、44は上記実施の形態の油圧伝動装置、45は歯車減速機、46は車軸、47は作動部となる車輪である。なお、電磁クラッチ42はなくてもよい。
【0030】
図7は上記実施の形態の油圧伝動装置を例えば除雪機に適用した場合である。エンジン40は例えばディーゼルエンジンを使用している。車軸46に接続された車輪47はクローラ51を駆動するものである。運転席52には電磁弁を操作する操作部としてスイッチを有する。
【0031】
運転席52ではスワッシュプレート操作軸5を操作する操作レバーと、電磁弁12のスイッチを連動するように組み合わせており、操作レバーが前進あるいは後進の位置にある時は、電磁弁12のスイッチがオンとなり、高圧路と低圧路を遮断するので、油圧モータ34は回転し除雪機は作動状態となる。操作レバーが中立位置にあるときは、電磁弁12のスイッチがオフとなり、高圧路と低圧路はバイパスされた状態になる。仮に油圧ポンプ33のスワッシュプレート操作軸5と操作レバーの間にずれが生じて、操作レバーが中立位置にあるにもかかわらず、油圧ポンプ33から油が吐き出されるような状態になったとしても、バイパスしてしまうため油圧モータ34を回転させることはない。この結果、油圧ポンプ33からの油の吐き出しをゼロにすることと、高圧路と低圧路とをバイパスし油圧モータ34を回転させるのに必要な圧力を発生させないことが可能となり、二重の安全性を容易に実現できるようになる。
【0032】
なお、48は雪を掻くオーガ、49は雪を吐出するブロワ、50は雪の吐出方向を定めるシュータである。
【0033】
この実施の形態によれば、電磁弁12と運転席のスイッチとの間を配線のみで接続し、スイッチを介して電磁弁を操作する操作部はスイッチを直接または簡単なリンク機構を介して操作するものであり、手動バイパス弁を使う場合のリンク機構に比べて格段に容易であるとともに、スイッチの配置に自由度があり、価格も安く、信頼性が高い。またこのような小型HSTを使用すれば、電磁クラッチは不用となり、除雪機その他の機械の構成が容易になって小型軽量化される。すなわち、小型軽量化され、低価格で、しかも安全性に優れた機械が実現される。
【0034】
上記の説明では操作レバーと電磁弁のスイッチとが連動する場合について述べたが、これらを個別に作動させてもよい。またスイッチは運転席に限らす、油圧伝動装置により近くで操作しやすい位置に配置してスイッチを直接操作するようにしてもよい。
【0035】
この発明の機械は車両など、回転軸で物を動かすものであるが、比較的低速の機械として、例えば、建設機械や除雪機などのほか、草刈機、芝刈機、ハーベスタ、運搬車、スペレアーなどがある。
【0036】
なお、この発明は、出力軸の停止操作に電磁弁でバイパス路を開閉するものであるため、斜板式アキシャルピストンポンプ以外の流体圧ポンプを使用することも可能である。また流体圧ポンプは駆動源によって駆動された状態で流体圧の吐出を停止する手段を有するものが好ましいが、電磁弁で出力軸を停止することができるので、上記のような手段を有しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の一実施の形態の一体型油圧伝動装置の閉回路を示す図2のA−A′線断面図である。
【図2】油圧伝動装置の側面図である。
【図3】背面図である。
【図4】図3のB−B′線断面図である。
【図5】油圧回路図である。
【図6】駆動機構の構成図である。
【図7】除雪機の使用状態の側面図である。
【図8】従来例の一体型油圧伝動装置の閉回路を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ハウジング
3 ポンプシャフト
4 スワッシュプレート
6 ポンプシリンダブロック
8 ピストン
9 モータシャフト
10 モータシリンダブロック
12 電磁弁
21 油路
22 油路
23 第1の接続口
24 第2の接続口
25 バイパス路
33 油圧ポンプ
34 油圧モータ
40 エンジン
44 油圧伝動装置
46 車軸
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体圧伝動装置および機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ポンプと油圧モータを組み合わせて油の閉回路を構成する油圧伝動装置は、一般に油圧トランスミッション(Hydro-static Transmission,HST)と言われ、一つのハウジングに入れたものは一体型HSTと称される。
【0003】
この種のHSTは油圧ポンプの傾転角度の操作により、前進、後退および停止が容易に行えるために、多くの建設機械などに広く採用されている。
【0004】
最近では、建設機械に限らず、小型化されたHST(例えば特許文献1参照)が田植機や稲刈機用のコンバインおよび除雪機などにも採用されており、日常一般の作業機になくてはならないものとなっている。
【0005】
上記のようにHSTには本来停止機能があるために、エンジンを運転状態のまま、操作レバーを停止(中立)位置にセットして、作業機を停止させ、運転席を離れて、前部にある機器やカバーの簡単な点検行為などを行おうとすることが頻繁に行われる。
【0006】
しかし、操作レバーを中立状態にしたとしても、油圧ポンプからわずかながらでも油が吐き出され、油圧モータに送られるようになっていると、油圧モータの出力軸は回転し、作業機は動き出す。すなわち、運転者の意向と反する動きをすることになり、場合によっては点検中に機械に巻き込まれたりして、非常に危険なことになる。
【0007】
この問題に対し、油圧モータの出力軸を回転させない手段はつぎの2つがある。第1は、油圧ポンプからの油の吐き出しを完全にゼロになるようにすることである。第2は、図8に示すように、油圧ポンプ100の高圧路101と低圧路102に油圧モータ104を接続し、高圧路101と低圧路102の間にバイパス路103を設け、油圧ポンプ100からわずかに油が吐き出されたとしても、高圧路101と低圧路102の回路をバイパスさせ、油圧モータ104を回転させるのに必要な圧力を発生させないようにすることである。そしてバイパス路103にバイバスバルブ105を設けこれを操作する。100aは油圧ポンプ100の高圧路101と低圧路102との接続口、104aは油圧モータ104の高圧路101と低圧路102との接続口である。
【0008】
このように、これまで手動型のバイパスバルブ105を持つ小型HSTは製品化されている。そして小型HSTを機械に設置することを考えたものもあった(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭60−89454号公報
【特許文献2】特開昭61−27366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、実際の機械においては、このようなパイパスバルブ105を運転席に設けた操作レバーで操作することは非常に困難である。なぜなら、HSTは機械の内部や底部に取付けられることが多く、さらにその下側に位置するバイパスバルブ105を操作するためには、運転席の操作レバーから相当に複雑なリンク構成を必要とするうえ、これらの設置が容易でないため、高価になり、かつ操作性も良くならないからである。そのために実際の機械で使用された例はなかった。
【0010】
この結果、実際には上記の第1の手段である、油圧ポンプからの油の吐き出しを完全にゼロにする手段が採用されている。
【0011】
すなわち、これを実現するためには、まず、操作レバーを前進、中立、後進あるいは、後進、中立、前進と幾度か丹念に動かしながら、油圧モータが回転しない油圧ポンプの中立位置を外部から探し出し、操作レバーと油圧ポンプの中立の位置関係を決める必要がある。そのようにして生産工場内で調整された機械が一般の消費者に販売される。
【0012】
しかし、運転席に設けられた操作レバーとこれに連結される油圧ポンプのポンプ操作部とは、幾つかのレバーやリンクで結ばれているため、使用中に磨耗や緩みが生じ、運転席の操作レバーとポンプ操作部とは、わずかながら誤差が生じてくる。すなわち、運転者は中立状態にしたつもりでも、油圧ポンプは中立状態になっておらず、わずかながら、油を吐き出し、その結果モータ軸は回転する状態となる。
【0013】
運転者にしてみれば、購入当初は運転席の操作レバーを中立位置にしておけば、機械は停止していたので、エンジンをかけたまま機械の前側で簡単な点検・補修作業ができたのに、ある時点から同じ中立位置に設定したにもかかわらず、機械が動き出すようになったのでは、怪我をしたり、巻き込まれたりする危険に晒される。また、知らぬ間に機械が暴走してしまうこともある。
【0014】
このため、除雪機などではエンジンとHSTの間に電磁クラッチを挿入している。この電磁クラッチを運転席に設けたスイッチで電気的に作動させる。オンの場合はエンジンとHSTが連結し、回転を伝達するが、オフにすれば断絶し、HSTは回転しないようにしている。これにより、エンジンをかけたまま、機械の点検や補修が安全に行える。
【0015】
しかしながら、電磁クラッチは、クラッチ自体が大きな上、駆動軸の途中に入れるために、小さな機械の中に配置することが困難で、かつ複雑な構成となる。しかも現時点ではかなり高価である。しかし、安全性のためにやむを得ず使用されているのが実情である。
【0016】
したがって、この発明の目的は、停止操作により、駆動源を停止することなく、しかも電磁クラッチを用いることなく、確実に出力軸の回転を停止することができ、さらに運転席など装置から離れた位置において操作することができるとともに、リンク機構を簡単にあるいは不要にでき、かつ操作部の設置が容易で安価にすることができ、操作性も良好な流体圧伝動装置および機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明の流体圧伝動装置は、駆動源によって駆動されて一方から流体を吐出し他方から流体を吸引する一対の第1の接続口を有する流体圧ポンプと、前記一対の第1の接続口に接続されて前記第1の接続口の吐出側の流体が流入し吸引側に流体を流出する一対の第2の接続口を有して前記第1の接続口の吐出側から吐出される流体の流体圧により回転する出力軸を有する流体圧モータと、前記第2の接続口間をバイパスするバイパス路と、このバイパス路を開閉する電磁弁とを備えたものである。
【0018】
上記構成において、前記流体圧ポンプは可変容量型斜板式アキシャルピストンポンプであり、前記流体圧モータは定容量型斜板式アキシャルピストンモータである。
【0019】
この発明の機械は、上記構成の流体圧伝動装置と、この流体圧伝動装置の流体圧ポンプを駆動する駆動源と、前記流体圧伝動装置の出力軸により駆動される作動部と、前記流体圧伝動装置の電磁弁を操作する操作部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明の流体圧伝動装置および機械によれば、バイパスバルブを電磁弁としたため、運転席などの離れた位置から電気信号により確実にバイパス路を開閉することができるので、駆動源を停止することなく、しかも電磁クラッチを用いることなく、確実に出力軸の回転を停止させることができる。また、操作部で電磁弁を制御するスイッチを操作するため、リンク機構でバイパスバルブを直接操作する場合と比較して、簡単なリンク機構を介してまたはリンク機構を介さずにスイッチを操作することができるので、スイッチの設置位置の制約が少なく設置容易で操作性も良好にでき、しかも安価にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明の一実施の形態の一体型の油圧伝動装置を図1から図5により説明する。図1は油圧伝動装置の流体の閉回路を示すポートブロックの断面図である。図5はその油圧回路図である。ハウジング1は、油圧ポンプ33と油圧モータ34を一体に保持するものであり、その内部スペースはハウジング1に設けられた気密性の油タンク(図示せず)に連通している。ハウジング1のポートブロック2に油圧ポンプ33と油圧モータ34の油の流れの閉回路を形成する油路21、22が形成されている。23は油圧ポンプ33のシリンダブロックと油路21、22とを連通するように接続する一対の第1の接続口、24は油圧モータ34のシリンダブロックと油路21、22とを連通するように接続する一対の第2の接続口である。また、一対の第2の接続口24間をバイパスするため、油路21、22の間にバイパス路25が接続され、バイパス路25に電磁弁12が設けられている。図の電磁弁はコイルに電流が流れていない不動作状態であり、電磁弁12のスプール20の周溝20aを通してバイパス路25が開いている。電磁弁12が作動するとスプール20が移動し、周溝20aがバイパス路25から離れ、バイパス路25は閉じられる。なお、3は油圧ポンプ33のポンプシャフト、9は油圧モータ34のモータシャフトである。
【0022】
ポンプシャフト3がエンジンなどの駆動源によって回転されると、油圧ポンプ34が作動し、接続口23を通して例えば油路21に油が吐出され、油路22から油を吸引する動作が行われる。このため油路21が高圧路となり、油路22が低圧路となり、接続口24を通して油圧モータ34に油が供給され、油圧モータ34は流入する油の油圧により作動し、出力軸となるモータシャフト9が回転する。この場合において、電磁弁12を操作しバイパス路25を開くと高圧路と低圧路の圧力差がなくなるため、油圧モータ34には油圧が印加されないので油圧モータ34は動作せずモータシャフト9は回転しない。一方、ポンプシャフト3が上記と逆方向に回転すると、油路22が高圧路となり油路21が低圧路となるが、この場合も電磁弁12の開閉により油圧モータ34を動作状態と停止状態に制御することができる。
【0023】
なお、5は油圧ポンプ33の吐出を停止したり吐出方向を切り替えるスワッシュプレート操作軸であり、運転席の操作レバーよって操作される。27、28は油路21、22とハウジング1内のスペースとの間に設けられたチェック弁である。29、30は油路21、22とハウジング1内のスペースとの間に設けられたリリーフ弁である。31は電磁弁12を制御する電流を供給する配線である。
【0024】
図2は油圧伝動装置の側面図であり、そのA−A′線断面図が図1である。図3は油圧伝動装置の正面図である。図4は図3のB−B′線断面図である。
【0025】
図4において、油圧ポンプ33は可変容量型の斜板式アキシャルピストンポンプであり、ポンプシャフト3がハウジング1に軸受けされ、ポンプシャフト3にポンプシリンダブロック6が取付けられ、ポンプシャフト3とともに回転する。ポンプシリンダブロック6にはポンプシャフト3の回りにポンプシャフト3と平行に複数のシリンダが配設され、それぞれにピストン8が設けられ、かつ、ポンプシリンダブロック6からピストン8が突出するように付勢されている。斜板であるスワッシュプレート4がシャフト3に交差するように配置され、シャフト3に交差する軸で回動可能にハウジング1に支持され、その軸はスワッシュプレート操作軸5を兼ねている。ピストン8の先端がスワッシュプレート4の表面に摺接する。ポンプシリンダブロック6のスワッシュプレート4と反対側は、各シリンダの後端と油路21、22とを接続する接続口23を形成するバルブプレート7に摺接している。バルブプレート7はハウジング1に固定されている。
【0026】
ポンプシャフト3がエンジンなどで回転されると、シリンダブロックが同時に回転し、ピストン8がスワッシュプレート4に摺接することによりピストン8が往復する。例えば、ポンプシャフト3の一方向の回転により、スワッシュプレート4の傾斜面を登るピストン8がシリンダ内を圧縮し、油路21に油を吐出し、反対に傾斜面を下るピストン8が油路22よりシリンダ内に油を吸引する。ここで、スワッシュプレート操作軸5を操作してスワッシュプレート4を回動し、ポンプシャフト3に対する傾斜角度を図の状態から90度にするとポンプシャフト3が回転してもピストン8は往復しなくなり、油の吐出がなくなる。スワッシュプレート4が90度より若干でもずれていると、ピストン8の往復が起こるのでわずかながら吐出がある。スワッシュプレート4をさらに上記と反対向きに傾斜すると、ピストン8は往復するが、油路22が吐出となり油路21が吸引となる。
【0027】
油圧モータ34も油圧ポンプ33とほぼ同構成であるが、定容量型斜板式アキシャルピストンモータであり、9は出力軸となるモータシャフト、10はモータシリンダブロック、11はモータバルブプレート、8aはピストン、4aは斜板である。ここで、斜板4aはハウジング1に固定されている。油路21が高圧路の場合、油路21から接続口24を通して流入する油の油圧によって、シリンダ内のピストン8aが押し出される力で斜板4aを押し、ピストン8が斜板4aの斜面を下るようにすべることでモータシリンダブロック10が一方向に回転し、モータシャフト9が回転する。また斜板4aの斜面を登るピストン8aによって油が接続口24を通して油路22に流出する。油路22が高圧路側の場合はモータシリンダブロック10が逆回転する。
【0028】
電磁弁12において、13はコイル、14は鉄心、15はソレノイド本体、16はコイルケース、17はシャフト、19はブッシュ、20はシャフト17に連結されたバイパス路25に交差するスプールであり、スプール20はばねによって電磁弁12からハウジング1内の凹部内に突出している。図1および図4の状態はコイル13に電流を供給せずにコイル13を付勢していない状態であり、スプール20はばね(図示せず)により電磁弁12より突出してスプール20の表面に形成した周溝20aがバイパス路25内に位置することによりバイパス路25を開にしている。コイル13に給電すると、シャフト17がばねに抗して鉄心14に吸引され、周溝20aがバイパス路25から離れるため、バイパス路25は閉じられる。コイル13への給電の制御はスイッチ(図示せず)で行われ、スイッチとコイル13とが配線31により接続されている。スイッチを操作する操作部は運転席のスワッシュプレート操作軸5を操作する操作レバーと連動するように設けたり、あるいは操作レバーとは別に設置されたりする。
【0029】
図6は上記実施の形態の油圧伝動装置を用いた機械例えば車両の駆動機構を示している。40は駆動源となるエンジン、41はベルト、42は電磁クラッチ、43は継ぎ手、44は上記実施の形態の油圧伝動装置、45は歯車減速機、46は車軸、47は作動部となる車輪である。なお、電磁クラッチ42はなくてもよい。
【0030】
図7は上記実施の形態の油圧伝動装置を例えば除雪機に適用した場合である。エンジン40は例えばディーゼルエンジンを使用している。車軸46に接続された車輪47はクローラ51を駆動するものである。運転席52には電磁弁を操作する操作部としてスイッチを有する。
【0031】
運転席52ではスワッシュプレート操作軸5を操作する操作レバーと、電磁弁12のスイッチを連動するように組み合わせており、操作レバーが前進あるいは後進の位置にある時は、電磁弁12のスイッチがオンとなり、高圧路と低圧路を遮断するので、油圧モータ34は回転し除雪機は作動状態となる。操作レバーが中立位置にあるときは、電磁弁12のスイッチがオフとなり、高圧路と低圧路はバイパスされた状態になる。仮に油圧ポンプ33のスワッシュプレート操作軸5と操作レバーの間にずれが生じて、操作レバーが中立位置にあるにもかかわらず、油圧ポンプ33から油が吐き出されるような状態になったとしても、バイパスしてしまうため油圧モータ34を回転させることはない。この結果、油圧ポンプ33からの油の吐き出しをゼロにすることと、高圧路と低圧路とをバイパスし油圧モータ34を回転させるのに必要な圧力を発生させないことが可能となり、二重の安全性を容易に実現できるようになる。
【0032】
なお、48は雪を掻くオーガ、49は雪を吐出するブロワ、50は雪の吐出方向を定めるシュータである。
【0033】
この実施の形態によれば、電磁弁12と運転席のスイッチとの間を配線のみで接続し、スイッチを介して電磁弁を操作する操作部はスイッチを直接または簡単なリンク機構を介して操作するものであり、手動バイパス弁を使う場合のリンク機構に比べて格段に容易であるとともに、スイッチの配置に自由度があり、価格も安く、信頼性が高い。またこのような小型HSTを使用すれば、電磁クラッチは不用となり、除雪機その他の機械の構成が容易になって小型軽量化される。すなわち、小型軽量化され、低価格で、しかも安全性に優れた機械が実現される。
【0034】
上記の説明では操作レバーと電磁弁のスイッチとが連動する場合について述べたが、これらを個別に作動させてもよい。またスイッチは運転席に限らす、油圧伝動装置により近くで操作しやすい位置に配置してスイッチを直接操作するようにしてもよい。
【0035】
この発明の機械は車両など、回転軸で物を動かすものであるが、比較的低速の機械として、例えば、建設機械や除雪機などのほか、草刈機、芝刈機、ハーベスタ、運搬車、スペレアーなどがある。
【0036】
なお、この発明は、出力軸の停止操作に電磁弁でバイパス路を開閉するものであるため、斜板式アキシャルピストンポンプ以外の流体圧ポンプを使用することも可能である。また流体圧ポンプは駆動源によって駆動された状態で流体圧の吐出を停止する手段を有するものが好ましいが、電磁弁で出力軸を停止することができるので、上記のような手段を有しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の一実施の形態の一体型油圧伝動装置の閉回路を示す図2のA−A′線断面図である。
【図2】油圧伝動装置の側面図である。
【図3】背面図である。
【図4】図3のB−B′線断面図である。
【図5】油圧回路図である。
【図6】駆動機構の構成図である。
【図7】除雪機の使用状態の側面図である。
【図8】従来例の一体型油圧伝動装置の閉回路を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ハウジング
3 ポンプシャフト
4 スワッシュプレート
6 ポンプシリンダブロック
8 ピストン
9 モータシャフト
10 モータシリンダブロック
12 電磁弁
21 油路
22 油路
23 第1の接続口
24 第2の接続口
25 バイパス路
33 油圧ポンプ
34 油圧モータ
40 エンジン
44 油圧伝動装置
46 車軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源によって駆動されて一方から流体を吐出し他方から流体を吸引する一対の第1の接続口を有する流体圧ポンプと、前記一対の第1の接続口に接続されて前記第1の接続口の吐出側の流体が流入し吸引側に流体を流出する一対の第2の接続口を有して前記第1の接続口の吐出側から吐出される流体の流体圧により回転する出力軸を有する流体圧モータと、前記第2の接続口間をバイパスするバイパス路と、このバイパス路を開閉する電磁弁とを備えた流体圧伝動装置。
【請求項2】
前記流体圧ポンプは可変容量型斜板式アキシャルピストンポンプであり、前記流体圧モータは定容量型斜板式アキシャルピストンモータである請求項1記載の流体圧伝動装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の流体圧伝動装置と、この流体圧伝動装置の流体圧ポンプを駆動する駆動源と、前記流体圧伝動装置の出力軸により駆動される作動部と、前記流体圧伝動装置の電磁弁を操作する操作部とを備えた機械。
【請求項1】
駆動源によって駆動されて一方から流体を吐出し他方から流体を吸引する一対の第1の接続口を有する流体圧ポンプと、前記一対の第1の接続口に接続されて前記第1の接続口の吐出側の流体が流入し吸引側に流体を流出する一対の第2の接続口を有して前記第1の接続口の吐出側から吐出される流体の流体圧により回転する出力軸を有する流体圧モータと、前記第2の接続口間をバイパスするバイパス路と、このバイパス路を開閉する電磁弁とを備えた流体圧伝動装置。
【請求項2】
前記流体圧ポンプは可変容量型斜板式アキシャルピストンポンプであり、前記流体圧モータは定容量型斜板式アキシャルピストンモータである請求項1記載の流体圧伝動装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の流体圧伝動装置と、この流体圧伝動装置の流体圧ポンプを駆動する駆動源と、前記流体圧伝動装置の出力軸により駆動される作動部と、前記流体圧伝動装置の電磁弁を操作する操作部とを備えた機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2007−170612(P2007−170612A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372130(P2005−372130)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(505476803)金馬電航株式会社 (2)
【出願人】(593056543)株式会社タカコ (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(505476803)金馬電航株式会社 (2)
【出願人】(593056543)株式会社タカコ (7)
【Fターム(参考)】
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