説明

流体圧縮機

【課題】比較的高圧縮比率の流体圧縮機を提供すると共に、逆流や漏れの影響による性能低下を防ぎ、構造の簡素化を図り、振動や騒音が抑える。
【解決手段】球状空間の球面に摺接する周面15aと、円錐面6aに線接触する底面15bとを有する略半球状の傾斜体15を備える。そして、傾斜体15は、底面15bから周面15aに貫通された吸入流路および排出流路を有し、傾斜体15の摺動に伴って、吸入流路および排出流路の出入口が、インナーハウジング1の吸入口4および排出口5の位置を通過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜体の動作によって液体、気体などの流体を圧縮、または移送させる圧縮機、ポンプ、真空ポンプなどの流体圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、「斜板ポンプ」が開示されている(特許文献1参照)。この傾板ポンプは、図14および図15に示すように、球面38と円錐面39から形成される空間を有し、円錐面39に吸入口40および排出口41がそれぞれ設けられたハウジング42を備えている。また、この傾板ポンプは、円錐面39に線接触する傾斜板43と、外部動力(図示せず)によって回転され球面38に沿った摺接運動を傾斜板43に与える傾斜ガイド44とを備えている。また、この傾板ポンプは、円錐面39の割り溝に挿入され、傾斜板43の動作に従って摺接運動する、扇形の穴45を有する半円形の遮蔽板46を備えている。そして、この傾板ポンプでは、傾斜ガイド44の回転による線接触部の移動に伴い、球面38、円錐面39、傾斜板43および遮蔽板46で囲まれる空間の容積が減少する。この容積の減少に伴って、円錐面39に設けられた吸入口40から進入した流体は、同じく円錐面39に設けられた排出口41から吐き出される。
【0003】
また、従来の流体圧縮機としては、「流体圧送装置」が開示されている(特許文献2参照)。この流体圧送装置は、図16に示すように、扇形の穴が設けられてない遮蔽板47が使用されており、扇形の遮蔽板47を複数枚に増やすことによって、球面38、円錐面39、傾斜板43および遮蔽板47で囲まれる空間が2室以上に構成されている。そして、空間ごとに、両端部に吸入口40および排出口41がそれぞれ設けられ、各空間は、逆止弁48を介した流路49で連通されるように構成されている。さらに、従来技術としては、特許文献3、4に流体圧縮機に関連する構成が開示されている。
【特許文献1】特公昭55−4956号公報
【特許文献2】特開2000−87885号公報(図6)
【特許文献3】特開2001−3876号公報
【特許文献4】特開2004−162637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、圧縮機、ポンプ、真空ポンプといった流体圧縮機は、幅広い分野で用いられており、用途に応じた諸性能が必要とされている。例えば、基本的な性能として必要とされるものには、高圧縮比率や漏れが少なく安定した流量を供給できることなどが挙げられる。さらに、構造が簡単でコンパクトであることや、低騒音、低振動など周囲の環境に配慮した点も必要とされてきている。
【0005】
上述した特許文献1に開示された「斜板ポンプ」の場合には、傾斜板、遮蔽板の線接触部の移動に伴い、流体を取り込んだ空間の容積が徐々に減少するため、高い圧縮比率を得ることができる。しかしながら、線接触部の位置によっては、吸入口と排出口が完全につながった状態となり、排出口から吸入口へと流体が逆流してしまう問題がある。このため、この傾板ポンプは、吸入口や排出口に逆止弁を配置する必要があった。また、この傾板ポンプは、流体を吸入して排出口から吐き出す空間が1室のみであるため、例えば真空ポンプとして適用された場合、各構成部品間に生じる微少隙間から漏れた流体や、排出口側から逆流した流体が、吸入口側に流れ込みやすくなる。そのため、この傾板ポンプは、ポンプの到達圧力性能が低くなり、加えて、安定した性能が得られない不都合がある。
【0006】
一方、上述した特許文献2に開示された「流体圧送装置」の場合には、流体を取り込む空間を複数にすることで、隙間からの漏れや逆流による影響を抑えることが可能になる。しかしながら、各空間の両端部に吸入口および排出口がそれぞれ設けられている構造であるため、傾斜板と円錐面からなる線接触部が別空間に位置するときは、「斜板ポンプ」と同様に吸入口と排出口が完全につながり、流体が逆流してしまう。このため、各空間をつなぐ流路に逆止弁を配置する必要があり、構造の複雑化や、流量の制限を招き、さらに振動や騒音を増加させる原因となる。
【0007】
また、上述の特許文献3に開示された構成では、傾斜板に設けられた流路が、傾斜板と円錐体との線接触部を通過する際に、吸入側と排出側とが瞬間的に連通されてしまう問題がある。特に、この問題は流体として気体が用いられた場合に顕著である。この問題の対策として、特許文献3の構成では、円錐体の表面に、傾斜板の流路に嵌合する突起部が設けられているが、吸入側と排出側との連通を完全に遮断することが困難である。
【0008】
また、この特許文献3の構成では、傾斜板を傾斜させた状態に保持する固定傾斜ガイドの下面に、吸入口および排出口が設けられているが、これら吸入口と排出口の距離が近く、同一の面上に位置している。このため、吸入口と排出口を個別に閉じて密封する、いわゆるシール性を保つことが困難である。
【0009】
さらに、特許文献3の構成は、吸入および排出を行う、傾斜板の上面と固定傾斜ガイドの下面との接触面で、シール性を保つために互いに大きな押圧力で押圧する必要がある。また、これら傾斜板の上面と固定傾斜ガイドの下面は、面同士が接触された状態で比較的高速に回転されるので、接触面での発熱や、シール材の偏摩耗が生じる不都合がある。
【0010】
また、上述の特許文献4には、円板軸(背面軸)とゲート部材の外周との隙間を確保するために、ゲート部材に設けられた吸入ゲートと吐出ゲートとの間をシールする構成として、例えば磁性流体シール(不図示)を用いる構成が挙げられる。しかしながら、現実的には、この部分に磁性流体シールを使用することは、製造コスト、実用性を考慮した場合にはかなり困難である。つまり、例えば真空ポンプにおいては、千から数千程度の回転数で動作させながら、真空中への気体の漏れ量を許容範囲内におさえてシール性能を維持する必要があるので、使用できる磁性流体も制限されるためである。また、シールを用いずに、隙間だけで管理する場合には、吐出側から吸入側に対して漏れが多く発生する可能性が高い不都合がある。
【0011】
そこで、本発明は、比較的高圧縮比率の流体圧縮機を提供すると共に、逆流や漏れの影響による性能低下を防ぎ、構造の簡素化を図り、振動や騒音が抑えることができる流体圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するため、本発明に係る流体圧縮機は、球状空間と、この球状空間の中心を頂点とする円錐面とを有し、流体を吸入する吸入口および流体を排出する排出口が球状空間に連通されて設けられたハウジングと、
球状空間の球面に摺接する周面と、円錐面に線接触する底面とを有する略半球状の傾斜体と、
回転駆動されることで、傾斜体の線接触部を、円錐面の頂点を中心として円錐面の円周方向に移動させるように、傾斜体を球状空間の球面に沿って摺動させるガイド部材と、
円錐面と傾斜体の底面とに連結され、ハウジングの球面と円錐面および傾斜体の底面とで形成される空間を2つの圧送空間に仕切り、傾斜体の回転を規制すると共に傾斜体が球面に沿って摺動可能となるように底面を支持する支持部が設けられた遮蔽板とを備える。そして、傾斜体は、底面から周面に貫通された吸入流路および排出流路を有し、傾斜体の摺動に伴って、吸入流路および排出流路の出入口が、ハウジングの吸入口および排出口の位置を通過する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、傾斜体の吸入流路および排出流路と、ハウジングの吸入口および排出口とが、傾斜体の摺動時に一定周期で位置が一致され、位置が一致したときに流路が開き、位置が一致しないときに流路が閉じるように構成される。このため、本発明は、逆止弁などのバルブが無い構成であっても流体が逆流することなく、流体を効率良く圧縮して排出することが可能になり、構造の簡素化を図り、逆止弁で発生する振動や騒音を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の流体圧縮機は、球状空間を有するインナーハウジング1と、このインナーハウジング1内で摺動される傾斜体15と、この傾斜体15を摺動させるガイド部材としてのノブ19とを備えている。また、この流体圧縮機は、インナーハウジング1内に形成される空間を2つの圧送空間29,30に仕切る遮蔽板16と、インナーハウジング1の球状空間に固定されて設けられたスロープ6とを備えている。さらに、この流体圧縮機は、シール部材、軸受、締結部品、外部動力源である駆動装置(不図示)等を備えて構成されている。
【0016】
図1から図4において、インナーハウジング1は、一組の上部インナーハウジング2と下部インナーハウジング3が組み合わされて構成されている。上部インナーハウジング2には、駆動装置(図示せず)が接続される貫通穴2aと、気体や液体等の流体を吸入する吸入口4と、液体を排出する排出口5とが、球状空間に連通されて設けられている。
【0017】
下部インナーハウジング3には、上部インナーハウジング2の半球面2bと同一径に形成された半球面3bおよび、貫通穴3aが設けられている。下部インナーハウジング3の貫通穴3aには、インナーハウジング1の半球面1aと同一径に形成された、円錐面6a、および球状空間の球面に当接する周面(球面)6bを有するスロープ(円錐構成体)6が挿入されている。このスロープ6の円錐面6aには割り溝7が設けられている。なお、スロープ6は、下部インナーハウジング2内で回転しないように固定されるか、または、下部インナーハウジング2と一体に形成されてもよい。
【0018】
そして、上部インナーハウジング2、下部インナーハウジング3およびスロープ6を組み合わせることによって、半球面2b、3bおよび円錐面6aとから構成される球状空間が形成されている。この球状空間において、スロープ6の円錐面6aの頂点は、この球状空間の中心8と一致されている。
【0019】
また、上部インナーハウジング2と下部インナーハウジング3とが当接する接触面である半球面1aには、シール溝やシール面1bなどが設けられている。これらシール溝やシール面1bには、O−リング9、ガスケット(図示せず)などのシール部材が挿入されて、上部インナーハウジング2と下部インナーハウジング3とを締結部品で締め付けることでシール性が確保されている。なお、図1から図4に示すように、インナーハウジング1の外側には、アウターハウジング10および底蓋11が設けられている。インナーハウジング1とアウターハウジング10との間にシール部12が設けられており、シール性が更に向上されている。また、当然であるが、アウターケーシング10には、上部インナーケーシング2に設けられた吸入口4と排出口5に対応する位置に、吸入口13と排出口14がそれぞれ設けられている。
【0020】
インナーハウジング1の球状空間には、略半球状の傾斜体15が摺動可能に組み込まれている。傾斜体15の周面15aは、インナーハウジング1の球状空間の球面に摺接する球面であり、球状空間のシール性を保つように構成されている。また、傾斜体15の底面15bは、インナーハウジング1の球径と一致する円形状に形成されており、スロープ6の円錐面6aと線接触するように構成されている。そして、遮蔽板16は、円錐面6aと傾斜体15の底面15bとに連結されて設けられ、球状空間の球面と円錐面6aおよび傾斜体15の底面15bとで形成される空間を2つの圧送空間に仕切っている。また、傾斜体15には、後述する吸入流路および排出流路が、底面15bから周面15aに貫通されて形成されている。
【0021】
傾斜体15の底面15bには、断面円弧状のR溝15cが、底面15bの中心を通って直線状に設けられている。また、遮蔽板16の上部には、傾斜体15の回転を規制すると共に、傾斜体15が球状空間の球面に沿って摺動可能になるように底面15bを支持する支持部としての断面円弧状のR部16aが形成されている。傾斜体15のR溝15cは、遮蔽板16のR部16aに係合して摺接されている。遮蔽板16は、スロープ6の割り溝7に嵌入されており、割り溝7の側面の平面7aおよび下部インナーハウジング3の底部の球面3bと摺接する板厚および半径に形成されており、取り込まれた流体が漏れることがないように構成されている。
【0022】
なお、遮蔽板16の上端部のR部16aは、図1に示すように、球状空間の中心8と一致する円形状に形成されてもよい。この構成の場合には、割り溝7と円錐面6a間の辺が円形部と干渉しないようにR面17を形成する必要がある。また、図5に示すように、遮蔽板16の上端部のR部16aは、単なる半円状に形成されてもよい。この構成の場合は、傾斜体15のR溝15cと底面15bとの間の辺に面取り部9を形成するなどして、遮蔽板16の側面16bに対して傾斜体15が傾いた際に、遮蔽板16の側面16bと辺とが干渉しないようにする必要がある。
【0023】
さらに、シール性を向上させるために、図1に示すように、球状空間の中心8には球体18が配置されてもよい。この構成の場合には、球体18が、球状空間の中心8の位置に保持されるように、球体18の球径に合わせた球面が、係合部として、傾斜体15の底面15b、スロープ6の円錐面6a、および遮蔽板16の上端部のR部16aにそれぞれ形成される必要がある。なお、球体18には、遮蔽板16の板厚に合わせた溝が設けられ、この溝に遮蔽板16が嵌め込まれるように構成されてもよく、傾斜体15の底面15bの中心や遮蔽板16の上端部のR部16aに球体18が一体に形成されてもよい。
【0024】
ここで、傾斜体15の周面15aおよびR溝15c、遮蔽板16、割り溝7は、流体を気密な状態で移動させるために、互いに摺接しながらシール性を良好に保つ必要がある。このため、これら傾斜体15の周面15aおよびR溝15c、遮蔽板16、割り溝7は、平滑であり、耐磨耗性、耐熱性に優れる素材や表面処理を施したものを使用するのが望ましい。この構成によれば、傾斜体15および遮蔽板16が摺動する際に発生する部品間の隙間が極力抑えられ、シール性が向上される。
【0025】
上部インナーハウジング2の貫通穴2aからは、傾斜体15の上部に取り付けられた球状のノブ19が突出されている。このノブ19は、底面20aに半球面20bが設けられた上部ノブケーシング20、上面21aに半球面21bが設けられた下部ノブケーシング21によって、挟み込まれた状態で固定されるため、球状空間の中心8からの傾斜体15の傾きは一定に保たれる。傾斜体15の傾きは、当然であるが、傾斜体15の底面15bとスロープ6の円錐面6aとが線接触する位置になるように設定されている。本実施形態では、下部ノブケーシング21の底面21cは、傾斜体15の球面をなす周面15aとの接触を避けるために、球面状に形成されている。また、上部ノブケーシング20には、駆動装置に接続される駆動軸22が一体に形成されている。駆動軸22には、シャフトシール23、軸受24、スリーブ25、軸受カップリング26が装着され、上部ノブケーシング20と下部ノブケーシング21で構成されるノブケーシング27が回転する構造になっている。
【0026】
したがって、駆動装置が回転駆動を開始すると、ノブケーシング27が回転され、ノブケーシング27に挟み込まれたノブ19がガイドの役割をして傾斜体15も移動される。これにより、傾斜体15とスロープ6の円錐面6aとの線接触部28は、球状空間の中心8を軸として回転運動と共に移動する。すなわち、ノブ19は、傾斜体15の線接触部28を、スロープ6の円錐面6aの頂点を中心として円錐面6aの円周方向に移動させるように、傾斜体15を球状空間の球面に沿って摺動させる。このとき、傾斜体15は、遮蔽板16の上端部のR部16aに係合されているため、ノブケーシング27の回転によって回転されることはなく、傾斜体15の底面15bの傾き方向のみが変化するように動作することとなる。
【0027】
また、傾斜体15の底面15bが移動して傾斜状態が変化するのに伴って、遮蔽板16は、球状空間の中心8を軸として割り溝7内を上下方向に摺動しながら移動する。そして、線接触部28と遮蔽板16とが同一線上に重なったときに、線接触部28側に位置している遮蔽板16の一端部は下死点に達して、割り溝7内に完全に入り込む。このとき、遮蔽板16の他端部は上死点に達して、遮蔽板16の側面16bの露出が最大となる。遮蔽板16の両端部が上下死点にそれぞれ達したとき、2室の圧送空間29、30は、遮蔽板16の下死点と一致する線接触部28と、傾斜体15の底面15bと、スロープ6の円錐面6aおよび遮蔽板16の上死点側の側面16bとに囲まれた空間となる。ここから駆動軸22が回転を始めると、線接触部28は移動するが、遮蔽板16の位置は上下方向に変化するだけなので、空間の容積は徐々に減少して最終的には「0」となる。
【0028】
なお、ノブケーシング27内の球面27aとノブ19との間には、摺動による発熱や磨耗といった問題が生じるが、油やグリス等の潤滑材を用い、摺動面を滑らかにするなどの対策を行えばよい。このとき、潤滑材が周囲に飛散したり漏れたりしないように、ノブ19の付根や上下ノブケーシング20,21の間に、O−リング31、32やガスケット(図示せず)が設けられるのが好ましい。また、傾斜体15に摺接運動を与えるノブ(ガイド部材)19は、図1に示したノブ19の構成に限定されるものではない。例えば、図6、図7に示すように、傾斜体15に、円錐形状のガイド部33や円筒形状のガイド部34が形成された構成であってもよい。あるいは、図8に示すように、傾斜体15に、軸受35に支持される軸部35aが形成された構成であってもよく、傾斜体15の傾きを一定に保つことができれば他の構成であってもよい。
【0029】
図9(a)は傾斜体15を示す側面図であり、図9(b)は傾斜体15の内部の流路を示すA―A断面図である。図9(a)および図9(b)に示すように、傾斜体15は、インナーハウジング1の吸入口4に接続される吸入流路15d,15eと、球状の圧送空間29、30と接続される円形状の吸入流路15f,15gとを有している。また、傾斜体15は、圧送空間29、30と接続される長穴状の排出流路15h,15iと、インナーハウジング1の排出口5と接続される排出流路15j,15kとを有している。また、傾斜体15の中心線36上には、遮蔽板16が配置されている。したがって、図9において、2室の圧送空間29、30は、遮蔽板16によって左右対称に分けられていることになる。流体は、吸入流路15dから進入し、円形の吸入流路15fを通過して、圧送空間29に進入する。続いて、圧送空間29に進入した流体は、傾斜体15の傾き方向の変化に伴って圧縮され、長穴の排出流路15hに押し込まれ、排出流路15jを通過して外部へと排出される。また、吸入流路15e、円形状の吸入流路15g、圧送空間30、長穴状の排出流路15i、排出流路15kにおいても同様に流体が移動する。
【0030】
流体の移動について、図10Aから図10Hを参照して説明する。各図10における(a)は流体圧縮機の上方側から示す平面図であり、外側に上部インナーハウジング2が配置されており、内側に、円形部である傾斜体15が配置されている。各図10には、アウターハウジング10を図示していない。平面図におけるインナーハウジングの周囲に位置する4つの図は、上部インナーハウジング2の吸入口4a、4b、排出口5a、5bと、傾斜体15の吸入流路15d、15e、排出流路の15j、15kとの位置関係を、側面から示した図である。それぞれの図における(b)は、傾斜体15の傾きを矢印V方向から示す側面図であり、駆動装置による外部動力の回転に伴い、傾斜体15の傾き方向が徐々に変化することを示した図である。各図10の(b)には、上部インナーハウジング2を図示していない。なお、図10Aから図10Hにおいては、駆動装置の外部動力によって矢印方向に右回りに回転されるので、傾斜体15の底面15bとスロープ6の円錐面6a(図示せず)とで形成される線接触部28も右回りに移動する。
【0031】
図10Aは、インナーハウジング1の吸入口4aが、傾斜体15の吸入流路15dと一致する(重なる)位置に移動されており、吸入口4aと圧送空間29が接続されることにより、圧送空間29内に流体が吸入される状態である。また、この初期状態で、線接触部28は、吸入流路15dの対角線上に位置する吸入流路15e側の円錐面上にある。なお、このとき、吸入口4a以外の吸入口4bおよび排出口5a,5bは、閉じられた状態である。
【0032】
図10Bは、線接触部28が図10Aに示した初期状態から、45°だけ移動した状態である。傾斜体15の傾き方向が移動したのに伴って、吸入口4aが閉じられて、圧送空間29内への流体の吸入が完了し、吸入された流体は密閉された状態になっている。その他の各吸入口4bおよび排出口5a,5bは閉じられた状態である。図10Cは、線接触部28が、図10Aに示した初期状態から90°だけ移動した状態である。排出口5bと排出流路15kとの位置が一致している。これにより、圧送空間30で圧縮された流体が排出口5bから排出される。圧送空間29内の流体は密閉された状態が保持されている。
【0033】
図10Dは、線接触部28が、初期状態から135°移動した状態である。このとき、線接触部28が遮蔽板16と重なり、排出口5bは閉じられた状態になっている。つまり、圧送空間30の排出行程が完了した状態である。また、このとき、圧送空間29内の流体は密閉された状態が保持されている。図10Eは、線接触部28が、初期状態から180°移動した状態である。線接触部28が、圧送空間29内に達したことで、圧送空間29内に吸入されていた流体が圧縮され始めている。また、吸入口4bと吸入流路15eとの位置が一致し、圧送空間30内に流体が吸入される状態になっている。
【0034】
図10Fは、線接触部28が、初期状態から225°移動した状態である。このとき、圧送空間29の内部では流体がさらに圧縮されている。圧送空間30では、吸入口4b、排出口5bが共に閉じられた状態になり、吸入行程が完了して流体が密閉された状態になっている。図10Gは、線接触部が、初期状態から270°移動した状態である。このとき、排出口5aと排出流路15jとの位置が一致し、圧送空間29で圧縮された流体が排出口5aから排出される。また、このとき、他方の圧送空間30内の流体は密閉された状態が保持されている。
【0035】
図10Hは、線接触部28が、初期状態から315°移動した状態である。このとき、線接触部28が再び遮蔽板16と重なり、排出口5aは閉じられた状態になっている。圧送空間29の排出行程が完了した状態である。この行程後、再度、図10Aに示した行程に移行する。
【0036】
したがって、駆動装置の外部動力によって駆動軸22が1回転されるごとに、圧送空間29と圧送空間30において、それぞれ吸入・圧縮・排出の一連の行程を繰り返すことになる。圧送空間29および圧送空間30には、個別に吸入口4a、4bおよび排出口5a、5bがそれぞれ設けられているので、それぞれが異なる流体を吸入および排出することができ、また、異なる容器の流体を吸入および排出することもできる。
【0037】
また、図11に示すように、圧送空間29と圧送空間30は、それぞれの吸入口4a、4bごと、および排出口5a、5bごとに、流路51a,52aをなす配管51,52を介して連通させてまとめられている。これによって、1種類の流体を吸入および排出することが可能になる。この構成によれば、単純な計算上、1回転当たりの吸入量および排出量を2倍に増やすことができる。吸入口4a、4bと排出口5a、5bとを連通させる配管は、吸入口4a,4bおよび排出口5a,5bの外部、つまりインナーハウジング1の外部に配置されてもよい。あるいは、インナーハウジング1の内部には、各吸入口と各排出口を連通させる流路や、この流路をなす配管が設けられてもよい(図示せず)。
【0038】
さらに、傾斜体15の吸入流路および排出流路、上部インナーハウジング2の吸入口および排出口を、図12に示すように形成することで、図10Aから図10Hに示した動作とは異なる吸入・排出動作を構成することができる。図12に示す構成では、図11に示した構成と同様に、中心線36上に遮蔽板16が位置されている。また、吸入流路15d、排出流路15jおよび排出流路15kは、図10に示した構成と同じである。図10に示した構成と異なる点は、傾斜体15においては、吸入流路15eと円形状の吸入流路15gが設けられていない点、および、排出流路15jの下側に、周面15aから底面15bに跨って切り欠き15mが設けられている点の2点である。
【0039】
また、上部インナーハウジング2の構成においても、図10A等に示した構成と異なる点がある。図13Aから図13Hに示すように、吸入口4aおよび排出口5bは、図10に示した構成と同様に設けられているが、吸入口4bおよび排出口5aは設けられていない。ただし、排出口5aの位置には、吸入口4aおよび排出口5bと形状が異なっており、上部インナーハウジング2を貫通していない溝37が設けられている。この溝37に、傾斜体15に設けられた排出流路15jと切り欠き15mとの位置が一致したときに、圧送空間29と圧送空間30とが連通される構造に構成されている。この構成によれば、2室の圧送空間が直列に接続された状態にすることが可能になり、比較的高い圧縮性能を実現できる。
【0040】
図13Aから図13Hを参照して、流体の移動について説明する。図10Aから図10Hと同様に、それぞれの図13Aから図13Hにおける(a)は流体圧縮機の上方側から見た平面図であり、外側が上部インナーハウジング2、内側の円形部が傾斜体15である。各図13にはアウターハウジング10を図示していない。平面図における周囲の3つの図は、上部インナーハウジング2の吸入口4a、排出口5b、溝37と傾斜体15の吸入流路15f、排出流路15j、切り欠き15m、排出流路15kの位置関係を側面から示したものである。各図13における(b)は、傾斜体15の傾きを矢印V方向から示した側面図であり、駆動装置による外部動力の回転に伴い、傾斜体15の傾き方向が徐々に変化することを示した図である。各図13の(b)には上部インナーハウジング2を図示していない。なお、各図13においても、駆動装置による外部動力によって右回りに回転されるので、傾斜体15の底面15bとスロープ6の円錐面6a(図示せず)とで形成される線接触部28も右回りに移動する。
【0041】
図13Aは、インナーハウジング1の吸入口4aが、傾斜体15の吸入流路15dの位置と一致して、吸入口4aと圧送空間29とが接続されることによって、圧送空間29内に流体が吸入される状態である。また、この初期状態で、線接触部28は、吸入流路15dの対角線上に位置する円錐面6a上にある。なお、吸入口4a以外の排出口5bと溝37は、閉じられた状態である。図13Bは、線接触部28が、図13Aに示した初期状態から45°移動した状態である。傾斜体15の傾き方向が移動したのに伴って吸入口4aが閉じられて、圧送空間29内への流体の吸入行程が完了し、吸入された流体は密閉された状態になっている。排出口5bと溝37も同様に閉じられた状態である。
【0042】
図13Cは、線接触部28が、初期状態から90°移動した状態である。排出口5bと排出流路15kの位置が一致されている。このとき、圧送空間30内で圧縮された流体が排出口5bから排出される。また、このとき、圧送空間29内の流体は密閉された状態が保持されている。図13Dは、線接触部28が、初期状態から135°移動した状態である。このとき、線接触部28が遮蔽板16と重なり、排出口5bは閉じられた状態になっている。圧送空間30の排出行程が完了した状態である。圧送空間29内の流体は密閉された状態が保持されている。
【0043】
図13Eは、線接触部28が、初期状態から180°移動した状態である。このとき、線接触部28が圧送空間29内に達したことで、圧送空間29内に吸入されていた流体が圧縮され始めている。図13Fは、線接触部28が、初期状態から225°移動した状態である。このとき、圧送空間29内では流体が更に圧縮されている。切り欠き15mと溝37の位置が一致されているが、排出流路15jがまだ一致されていないので、圧送空間29と圧送空間30とは連通されていない。
【0044】
図13Gは、線接触部28が、初期状態から270°移動した状態である。このとき、溝37と排出流路15jおよび切り欠き15mの位置が一致し、圧送空間29で圧縮された流体が排出流路15jから溝37に進入し、切り欠き15mを通って圧送空間30に流れ込む。図13Hは、線接触部28が、初期状態から315°移動した状態である。線接触部28が再び遮蔽板16と重なり、排出流路15jは閉じられた状態になっている。圧送空間29から圧送空間30への流体圧送行程が完了した状態である。この行程後は、再度、図13Aに示した行程に移行し、圧送空間30内の流体は徐々に圧縮されて、図13Cに示す行程で、圧縮された流体が排出口5bから排出される。
【0045】
したがって、駆動装置による外部動力によって駆動軸22が1/4回転ごとに、圧送空間29から進入した流体が圧縮されて、圧送空間30内に移送され、その後、排出口5bから排出されるという行程を繰り返すことになる。
【0046】
上述したように、本実施形態によれば、外部動力によってノブ19が回転駆動されたとき、遮蔽板16によって回転が規制されている傾斜体15が摺動を開始する。この傾斜体15の摺動に伴って、傾斜体15の周面15a上に位置する吸入流路および排出流路の出入口は、傾斜体15の摺動に合わせて一定の軌道をもって移動し始める。そして、これらの出入口は、上死点に達したときに、インナーハウジング1の吸入口4および排出口5の位置に一致する。このときだけ、インナーハウジング1の内部の球状空間と外部とが連通されるように構成されている。一方、傾斜体15の吸入流路および排出流路の出入口は、上死点以外の位置では、球状空間の球面によって常に閉塞されて、吸入流路および排出流路が閉じられた状態になる。本実施形態は、このように構成することで、逆止弁などのバルブを組み込むことなく、吸入流路および排出流路の開閉動作を行うことが可能になり、構造を簡素化することができる。さらに、本実施形態は、吸入側への流体の逆流を防ぎ、また、流体を効率良く圧縮して排出することも可能になる。
【0047】
また、本実施形態では、インナーハウジング1に、2つの圧送空間ごとに吸入口および排出口がそれぞれ設けられている。この構成によって、異なる圧送空間や異なる流体を同時に吸入および排出、または圧縮することが可能にされている。
【0048】
また、本実施形態では、2つの圧送空間ごとにそれぞれ設けられた吸入口および排出口が、吸入口ごとおよび排出口ごとに、インナーハウジング1の外部または内部に設けられた流路に連通されている。この構成によって、2つの圧送空間の吸入口ごと、排出口ごとに1つにまとめられ、2つの圧送空間が並列に接続された状態になり、外部動力による駆動軸22の1回転当たりの流体の圧送量を増やすことができる。
【0049】
また、本実施形態では、インナーハウジング1および傾斜体に、2つの圧送空間を連通させる流路が設けられ、一方の圧送空間がインナーハウジングの吸入口に連通され、他方の圧送空間がインナーハウジングの排出口に連通されている。この構成によって、2つの圧送空間を、吸入側と排出側とに分けた2段構造にし、互いの圧送空間を連通する流路をハウジングの球状空間の外部に設けられ、その流路は、傾斜体の摺動に伴って開閉動作を繰り返すように構成されている。さらに、2つの圧送空間が連通されて開かれた状態になるときは、インナーハウジング1の吸入口と排出口が閉じられた状態になるように構成されたことで、流体の逆流や漏れによる性能の低下を防ぐことができる。
【0050】
また、本実施形態の流体圧縮機は、半球状の傾斜体15における、比較的面積が大きな周面15aに、吸入流路および排出流路の出入口が設けられているので、周面15aで封止されることでシール性を向上することができる。また、傾斜体15の摺動距離が比較的短いので摩耗が抑えられ、耐久性を向上することができる。また、駆動装置によって回転駆動されるノブ19は、駆動時に比較的大きな負荷が作用するが、例えばオイルやグリス等の潤滑材によって潤滑させることが容易に可能である。ノブ19の部分には、吸入流路および排出流路が設けられていないので、圧送空間に潤滑材の油分等が進入することが防止され、例えば真空ポンプ等の油分を避ける必要がある用途にも容易に適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態の流体圧縮機を正面側から示す断面図である。
【図2】図1に示した向きから90°ずらした位置から示す断面図である。
【図3】上記流体圧縮機を示す分解斜視図である。
【図4】上記流体圧縮機を示す分解斜視図である。
【図5】傾斜体の底面のR溝部に面取りを施した構成を示す図である。
【図6】ガイド部を円錐形状に形成した構成を示す図である。
【図7】ガイド部を円筒形状に形成した構成を示す図である。
【図8】ガイド部に軸受を使用した構成を示す図である。
【図9】傾斜体の内部の流路を示す図である。
【図10A】2つの圧送空間ごとに個別に吸入口および排出口が設けられた構成における各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図10B】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図10C】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図10D】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図10E】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図10F】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図10G】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図10H】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図11】吸入口ごと、および排出口ごとにまとめた構成を示す図である。
【図12】傾斜体の吸入流路を1つにした構成を示す側面図、および傾斜体内部の流路を上部から示した断面図である。
【図13A】2つの圧送空間を連通する流路が設けられた構成における各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図13B】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図13C】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図13D】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図13E】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図13F】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図13G】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図13H】各流路の位置関係および流体の移動を示す作動図である。
【図14】斜板ポンプを示す概略断面図である。
【図15】傾板ポンプを、図14に示した方向に対して傾斜ガイドの軸周りに90度ずらした位置から示す断面図である。
【図16】流体圧送装置を上部から示す概略図である。
【符号の説明】
【0052】
1 インナーハウジング
1a 半球面(接触面)
2 上部インナーハウジング
2a 貫通穴
2b 半球面
3 下部インナーハウジング
3a 貫通穴
3b 半球面
4 吸入口
4a 吸入口
4b 吸入口
5 排出口
5a 排出口
5b 排出口
6 スロープ(円錐構成体)
6a 円錐面
6b 周面
7 割り溝
8 球の中心
10 アウターハウジング
13 吸入口
14 排出口
15 傾斜体
15a 周面
15b 底面
15c R溝
15d 吸入流路
15e 吸入流路
15f 円形の吸入流路
15g 円形の吸入流路
15h 長穴の排出流路
15i 長穴の排出流路
15j 排出流路
15k 排出流路
16 遮蔽板
16a R部(支持部)
16b 側面
18 球体
19 ノブ(ガイド部材)
22 駆動軸
28 線接触部
29 圧送空間
30 圧送空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状空間と、該球状空間の中心を頂点とする円錐面とを有し、流体を吸入する吸入口および流体を排出する排出口が前記球状空間に連通されて設けられたハウジングと、
前記球状空間の球面に摺接する周面と、前記円錐面に線接触する底面とを有する略半球状の傾斜体と、
回転駆動されることで、前記傾斜体の線接触部を、前記円錐面の前記頂点を中心として前記円錐面の円周方向に移動させるように、前記傾斜体を前記球状空間の前記球面に沿って摺動させるガイド部材と、
前記円錐面と前記傾斜体の前記底面とに連結され、前記ハウジングの前記球面と前記円錐面および前記傾斜体の前記底面とで形成される空間を2つの圧送空間に仕切り、前記傾斜体の回転を規制すると共に前記傾斜体が前記球面に沿って摺動可能となるように前記底面を支持する支持部が設けられた遮蔽板とを備え、
前記傾斜体は、前記底面から前記周面に貫通された吸入流路および排出流路を有し、前記傾斜体の摺動に伴って、前記吸入流路および前記排出流路の出入口が、前記ハウジングの前記吸入口および前記排出口の位置を通過することを特徴とする流体圧縮機。
【請求項2】
前記遮蔽板は、前記円錐面に形成された溝に挿入されると共に、前記支持部が前記傾斜体の前記底面に形成された溝に係合されている、請求項1に記載の流体圧縮機。
【請求項3】
前記円錐面と、前記球状空間の前記球面に当接する周面とを有し、前記ハウジングに固定されて設けられた円錐構成体を備える、請求項1または2に記載の流体圧縮機。
【請求項4】
前記ハウジングには、2つの前記圧送空間ごとに前記吸入口および前記排出口がそれぞれ設けられている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の流体圧縮機。
【請求項5】
2つの前記圧送空間ごとにそれぞれ設けられた前記吸入口および前記排出口は、前記吸入口ごとおよび前記排出口ごとに、前記ハウジングの外部または内部に設けられた流路に連通されている、請求項4に記載の流体圧縮機。
【請求項6】
前記ハウジングおよび前記傾斜体には、2つの前記圧送空間を連通させる流路が設けられ、一方の前記圧送空間が前記ハウジングの前記吸入口に連通され、他方の前記圧送空間が前記ハウジングの前記排出口に連通されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の流体圧縮機。
【請求項7】
前記球状空間の中心には、球体が配置され、前記傾斜体と前記遮蔽板および前記円錐面とを前記球体を介して互いに係合させる係合部が設けられている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の流体圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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