説明

流体機器取付構造

【課題】流体機器を三次元方向に自由に配置し、流体機器の配置スペースを低減できる流体機器取付構造を提供すること。
【解決手段】複数の流体機器11〜13,15,21〜25を支持体31に取り付ける流体機器取付構造5において、前記支持体31は、前記流体機器11〜13,15,21〜25の接続部分を前記支持体31に支持させる支持媒体34を有することにより、流体機器11〜13,15,21〜25を三次元方向に自由に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液ラインに設置される流体機器を取り付ける流体機器取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイスの製造工程においては、基板である半導体ウエハを所定の薬液や純水等の洗浄液によって洗浄し、ウエハからパーティクル、有機汚染物、金属不純物等コンタミネーションや有機物、酸化膜を除去する洗浄処理が行われる。洗浄処理システムの一例を図33及び図34に示す。
【0003】
図33及び図34に示す洗浄処理システム1100は、ウエハ1121の搬入・搬出を行うイン・アウトポート1101と、ウエハ1121を搬送するステージ部1102と、ウエハ1121を洗浄する洗浄処理ユニット1103と、キャリア1120を洗浄するキャリア洗浄ユニット1104と、キャリア1120をストックするキャリアストックユニット1105と、各ユニットに電力を供給する電源ユニット1106と、ウエハ1121の洗浄に使用する薬液等を貯蔵する薬液貯蔵ユニット1107とを備える。
【0004】
これらのユニット1101〜1107は、ゴミや埃などがウエハ1121やキャリア1120に付着したり、揮発した薬液が外部に漏れることを防ぐために、第1〜第7筐体1111〜1117でそれぞれ覆われている。第2筐体1112と第3筐体1113との間は、仕切壁1108で仕切られ、仕切壁1108に設けた開口部1108aをシャッタ1109で開閉するようにされている。
【0005】
このような洗浄処理システム1100は、ウエハ1121が入ったキャリア1120を搬送機構1110によりイン・アウトポート1101からステージ部1102へ搬送する。そして、洗浄処理システム1100は、シャッタ1109を開いて、キャリア1120を開口部1108aを介して洗浄処理ユニット1103へ搬入した後、シャッタ1109を閉じる。
【0006】
洗浄処理ユニット1103は、ウエハ1121に薬液を吐出してレジスト除去処理を行ってから、ウエハ1121に純水を塗布してリンス処理を行い、その後ウエハ1121全体に揮発性薬剤(例えばイソプロピルアルコール)を供給して乾燥処理を行った後、ウエハをブロー乾燥又はスピン乾燥させる。
【0007】
その後、洗浄処理システム1100は、シャッタ1109を開いてウエハ1121の入ったキャリア1120を洗浄処理ユニット1103からステージ部1102へ搬出し、搬送機構1110によりキャリア1120をイン・アウトポート1101へ搬送する。イン・アウトポート1101に排出されたウエハ1121は、キャリア1120から作業者又は自動搬送装置によって搬出される。これにより、一連のウエハ洗浄処理が終了する(例えば特許文献1参照)。
【0008】
上述したように、洗浄処理ユニット1103では、薬液、純水、揮発性薬剤など複数の流体を切り替えて供給される。また、流体の濃度や流量は、ウエハ1121の洗浄品質に影響する。そのため、洗浄処理ユニット1103は、薬液等の制御に、流量制御弁や開閉弁などのバルブ類や、フィルタ、圧力センサや流量センサなどのセンサ類、継手ブロックや流路ブロックなどの配管ブロック類など、流体機器を使用している。
【0009】
流体機器ユニットは、例えば図32に示すように、第1流体機器201の第1接続部203と第2流体機器202の第2接続部204とをシール部材205を介して接続し、第1及び第2接続部203,204の外周面に形成した第1及び第2装着溝203a,204aに連結部材206を装着することにより、第1及び第2流体機器201,202の接続状態を維持している。このような流体機器ユニットは、流体機器同士を直接接続するので、配管スペースが減少し、フットスペースが小さくなるメリットがある(例えば特許文献2参照)。
【0010】
その一方で、流体機器ユニットは、連結部材206のみでは接続部分の剛性が小さい。そのため、例えば、流体機器ユニットを洗浄処理ユニット1103に組み付けるときに、作業者が第1流体機器201を手でつかんで持ち上げると、第2流体機器202が自重により第1及び第2接続部203,204の接続部分を撓ませるようにして第1流体機器201に対して傾き、接続部分のシール力を低下させる恐れがある。一般に、洗浄処理ユニット1103に使用する流体機器ユニットは、複数の薬液を制御するために多数の流体機器を備え、単に連結部材206で流体機器同士を接続しただけでは撓みやすく、取扱い難い。
【0011】
そこで、従来、流体機器ユニットは、ブラケット211に流体機器201,202を取り付けた状態で取り扱われ、洗浄処理ユニット1103に組み付けられていた。このような流体機器取付構造では、ブラケット211が流体機器ユニットの撓みを防止するので、流体機器接続部分が撓んでシール力を低下させない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−34872号公報
【特許文献2】特開2007−2902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の流体機器取付構造は、以下の問題があった。
(1)従来の流体機器取付構造は、流体機器の下面を基準にブラケット211に取り付けていた。そのため、ブラケット211は、例えば、ポート高さや取付寸法が異なる流体機器同士が取り付けられる場合、流体機器のポート高さや取付寸法などを調整する必要があった。よって、従来の流体機器取付構造は、流体機器の種類や配置に合わせて専用のブラケット211を設計しなければならなかった。
【0014】
(2)また、従来の流体機器取付構造は、流体機器をブラケット211に二次元的に配置するため、流体機器の設置先には、全ての流体機器を平面的に並べられるだけの空きスペースを要した。近年、半導体製造装置のコンパクト化が進み、洗浄処理システム1100の小型化が進んでいる。これに伴い、洗浄処理ユニット1103や第3筐体1113が小型化し、第3筐体1113と洗浄処理ユニット1103との間の空きスペースが少なく、その空きスペースも平面的であるとは限らなくなっている。その一方で、ウエハ1121の処理の多様化、高精度化に伴い、薬液制御に使用される流体機器の数や種類が増えている。よって、従来のように流体機器を二次元的に配置する流体機器取付構造では、空きスペースに全ての流体機器を収めきれなくなることが危惧されている。
【0015】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、流体機器を三次元方向に自由に配置し、流体機器の配置スペースを低減できる流体機器取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る流体機器取付構造は、次のような構成を有している。
(1)第1流体機器と第2流体機器と、前記第1流体機器と第2流体機器が取り付けられる支持体とを有する流体機器取付構造において、前記第1及び前記第2流体機器は、外周面に取付溝が設けられた同一形状の第1及び第2接続部を有し、前記支持体は、前記取付溝に着脱可能に取り付けられ、前記第1及び第2接続部の接続部分を前記支持体に支持させる支持媒体を有する。
【0017】
(2)第1流体機器と第2流体機器と、前記第1流体機器と第2流体機器が取り付けられる支持体とを有する流体機器取付構造において、前記第1流体機器は、外周面に取付溝を形成された接続部を有し、前記第2流体機器は、前記接続部に着脱可能に接続する配管であり、前記支持体は、前記取付溝に取り付けられ、前記接続部と前記配管との接続部分を前記支持体に支持させる支持媒体を有する。
【0018】
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、前記支持媒体は、前記支持体に装着される本体部と、前記取付溝に嵌合した状態で前記本体部に係止される連結部と、を有する。
【0019】
(4)(1)乃至(3)の何れか1つに記載の発明において、前記支持媒体は前記支持体に着脱可能に装着される。
【0020】
(5)(3)又は(4)に記載の発明において、前記連結部は、ベルト状をなし、一端が前記本体部に回動可能に保持され、他端が前記本体部に着脱可能に係合されている。
【0021】
(6)(3)又は(4)に記載の発明において、前記連結部は、前記第1接続部の外周面に接触した状態で前記第1接続部の前記取付溝に配置される第1連結側突起部と、前記第2接続部の外周面に接触した状態で前記第2接続部の前記取付溝に配置される第2連結側突起部と、前記第1連結側突起部と前記第2連結側突起部を結合させる連結側結合部と、前記本体部に係止される複数の第1係止爪部と、を有し、前記本体部は、前記第1係止爪部に対応して設けられ前記第1係止爪部を引っ掛けて係止する複数の第1掛止部と、前記支持体に装着される脚部と、を有する。
【0022】
(7)(6)に記載の発明において、前記支持体は、支持棒、レール溝を備えるレール、取付孔が複数形成された板状フレームの何れかに前記支持媒体を取り付けられ、前記支持媒体は、前記脚部を前記支持棒を挟むように複数立設して各脚部に前記支持棒の外周に密着する凹部を形成した支持棒用本体部と、前記脚部を前記レール溝に挿入可能に立設して前記脚部を前記レールに固定するレール用本体部と、前記脚部を前記取付孔に挿入可能に複数立設した取付フレーム用本体部の何れかを含み、前記支持用本体部と前記レール用本体部と前記取付フレーム用本体部の何れにも前記連結部を着脱可能に係止させることが可能である。
【0023】
(8)(1)乃至(7)の何れか1つに記載の発明において、前記支持体は、複数のフレームを格子状に組み合わせたものであり、前記フレームが前記流体機器の接続部分を前記支持媒体を介して支持している。
【0024】
(9)(8)に記載の発明において、前記フレームは、前記支持媒体を介して前記接続部分を支持する支持フレームと、前記支持フレームを保持する保持フレームとを含み、前記支持フレームの両端部に取り付けられ、前記支持フレームを前記保持フレームに対して位置決め固定する位置調整部材を有する。
【0025】
(10)(1)乃至(9)の何れか1つに記載の発明において、前記取付溝は、前記流体機器同士を引き寄せて接続する引き寄せ治具が取り付けられるものである。
【0026】
(11)(8)乃至(10)の何れか1つに記載の発明において、前記フレームは中空部を備えるパイプであって、配線と配管の少なくとも一方を前記中空部へ収納するための収納孔を有する。
【0027】
(12)(1)乃至(11)の何れか1つに記載の発明において、流体機器の接続部同士を接続する接続部分に装着される補強部材を有し、前記補強部材は、前記接続部分を挟んで配置される第1部品と第2部品を有し、前記第1部品は、各流体機器の接続部の外周面に接触した状態で前記接続部に形成された取付溝に配置される一対の第1部品側突起部と、前記一対の第1部品側突起部を結合する第1部品側結合部と、前記第2部品に係止される複数の第2係止爪部と、を有し、前記第2部品は、前記第2係止爪部に対応して設けられ前記第2係止爪部を引っ掛けて係止する複数の第2掛止部を有する。
【0028】
(13)(12)に記載の発明において、前記第1部品は、前記支持媒体の前記連結部と同一形状であって、前記一対の第1部品側突起部が前記第1及び前記第2連結側突起部を構成し、前記第1部品側結合部が前記連結側結合部を構成し、前記第2係止爪部が前記第1係止爪部を構成する。
【発明の効果】
【0029】
(1)本発明の流体機器取付構造は、第1及び第2流体機器が、外周面に取付溝が設けられた同一形状の第1及び第2接続部を有し、第1及び第2接続部の取付溝に着脱可能に取り付けられ、第1及び第2接続部の接続部分を支持体に支持させる支持媒体を有する。このような本発明の流体機器取付構造は、第1及び第2流体機器の接続部分を支持媒体を介して支持体に支持させるので、第1及び第2流体機器のポート高さや取付方法が異なる場合であっても、第1及び第2流体機器の接続部分を支持体に取り付けて支持させることが可能である。よって、本発明の流体機器取付構造によれば、流体機器を三次元方向に自由に配置し、流体機器の配置スペースを低減することができる。
【0030】
(2)本発明の流体機器取付構造は、第1流体機器が、外周面に取付溝を形成された接続部を有し、その接続部に配管を着脱可能に接続している。そして、接続部の取付溝に支持媒体を取り付けることにより、第1流体機器の接続部と配管との接続部分をフレームに支持させる。このような本発明の流体機器取付構造は、高さや取付方法の異なる第1流体機器と配管とを接続する接続部分であっても、当該接続部分を支持体に取り付けて支持させることが可能である。よって、本発明の流体機器取付構造によれば、流体機器を三次元方向に自由に配置し、流体機器の配置スペースを低減することができる。
【0031】
上記(1)(2)の結果、例えば、ポート高さや取付寸法が異なる流体機器であっても、流体機器同士の接続部分を支持体に支持させて流体機器を支持体に取り付けることが可能になり、専用の支持体を設計する設計工数を削減できる。
また、流体機器の設置先で確保された空きスペースに配置した支持体に、流体機器の接続部分を支持媒体を介して支持させることにより、流体機器のポート高さや取付方法に関係なく、流体機器を空きスペースに納めて設置することができる。
【0032】
(3)本発明の流体機器取付構造は、支持体に装着される本体部に対して、取付溝に嵌合した連結部を係止させることにより、接続部を支持体に支持させる。一方、連結部と本体部の係止状態を解除することにより、接続部が支持体に支持されなくなる。よって、本発明の流体機器取付構造によれば、連結部を本体部に係合させ、又は、連結部と本体部との係合を解除するにより、接続部の接続部分を支持体に簡単に脱着することができる。
【0033】
(4)本発明の流体機器取付構造は、支持媒体が支持体に着脱可能に装着されるので、流体機器のレイアウトに合わせて支持媒体を支持体に簡単に配置できる。
【0034】
(5)本発明の流体機器取付構造は、連結部がベルト状をなし、一端が本体部に回動可能に保持され、他端が本体部に着脱可能に係合されている。そのため、例えばメンテナンス等により一方の流体機器を他方の流体機器から取り外したい場合には、一方の流体機器の取付溝に嵌合する連結部を本体部との係合を解除して回動させれば、一方の流体機器を支持体から取り外すことが可能である。そして、一方の流体機器を他方の流体機器に再度接続する場合には、連結部を回動させて一方の流体機器の取付溝に嵌合させて本体部に係合させれば、一方の流体機器を支持体に支持させることが可能である。よって、本発明の流体機器取付構造によれば、各接続部を支持体に個別に支持させることができ、メンテナンス等で流体機器の脱着作業を行い易い。
【0035】
(6)本発明の流体機器取付構造では、第1及び第2接続部の外周面に接触した状態で第1及び第2接続部の取付溝に配置される第1及び第2連結側突起部を連結側結合部により結合して一体化している。支持媒体は、連結部の第1係止爪部を本体部の第2掛止部にそれぞれ引っ掛けて係止させることにより構成されており、連結側係合部により曲げやねじれに対する強度が補強されている。そのため、例えば、第1及び第2接続部が第1及び第2流体機器の重さや外力などにより接続部分を支点として撓む力を受けた場合でも、支持媒体が変形せず、第1及び第2接続部が撓まない。よって、本発明の流体機器取付構造によれば、例えば、流体機器の接続部分が流体機器の重さや外力によって変形しようとした場合でも、その変形を支持媒体が防止し、シール力の低下を防ぐことができる。
【0036】
(7)本発明の流体機器取付構造では、支持棒に支持媒体を取り付ける場合には、支持棒用本体部に連結部を係止させて支持媒体を構成し、レールに支持媒体を取り付ける場合には、レール用本体部に連結部を係止させて支持媒体を構成し、板状フレームに支持媒体を取り付ける場合には、板状フレーム用本体部に連結部を係止させて支持媒体を構成する。支持棒用本体部とレール用本体部と板状フレーム用本体部は、異なる形状の脚部を有し、支持体の形態に合わせて本体部を選択することにより、支持媒体を支持棒やレール、板状フレームに取り付けて流体機器の接続部分を支持体に支持させることが可能である。よって、本発明の流体機器取付構造では、支持棒用本体部とレール用本体部と板状フレーム用本体部に共通の連結部を係止させて支持媒体を構成するので、部品点数を減らしてコストダウンを図ることができる。
【0037】
(8)本発明の流体機器取付構造は、複数のフレームを格子状に組み合わせて支持体を構成し、流体機器の接続部分をフレームで支持することにより、複数の流体機器を支持体に取り付けるので、流体機器を三次元方向に自由に配置し、流体機器の配置スペースを低減できる。
【0038】
(9)本発明の流体機器取付構造は、フレームが、接続部分を支持する支持フレームと、支持フレームを保持する保持フレームとを含み、支持フレームの両端部に取り付けられ、支持フレームを保持フレームに対して位置決め固定する位置調整部材を有する。そのため、流体機器のレイアウトに合わせて支持フレームの配置を容易に調整でき、流体機器を支持体に取り付ける際の作業性が良い。
【0039】
(10)本発明の流体機器取付構造は、流体機器同士を引き寄せて接続する引き寄せ治具が取り付けられる取付溝を利用して、支持媒体を流体機器の接続部分に取り付けるため、支持媒体を取り付けるための加工が不要である。
【0040】
(11)本発明の流体機器取付構造は、フレームが配線と配管の少なくとも一方をフレームの収納孔から中空部へ引き込んで収納するので、流体機器の着脱時に配線や配管が邪魔にならず、流体機器を支持体に着脱しやすい。
【0041】
(12)本発明の流体機器取付構造は、例えば、支持体上に配置されない流体機器の接続部分がある場合には、その接続部分に補強部材を装着する。補強部材は、流体機器の接続部分を挟んで第1部品と第2部品を配置することにより、流体機器の接続部分に装着される。第1部品は、各流体機器の接続部の外周面に接触した状態で前記接続部に形成された取付溝に配置される一対の第1部品側突起部が第1部品側結合部に結合されて一体化されている。補強部材は、第1部品の第2係止爪部を第2部品の第2掛止部にそれぞれ引っ掛けて係止させることにより構成されているので、第1部品側結合部により曲げやねじれ等に対する強度が補強されている。よって、本発明の流体機器取付構造によれば、支持体に支持されていない流体機器の接続部分に撓む力が作用したとしても、接続部分の強度が当該接続部分に装着した補強部材によって補強されるので、流体機器の接続部分の撓みを防止してシール力の低下を防ぐことができる。
【0042】
(13)本発明の流体機器取付構造は、補強部材の第1部品が支持媒体の連結部と同一形状であって、一対の第1部品側突起部が第1及び第2連結側突起部を構成し、第1部品側結合部が連結側結合部を構成し、第2係止爪部が第1係止爪部を構成するので、補強部材の第1部品を支持媒体の連結部として支持媒体の本体部に取り付けることができ、補強部材と支持媒体の部品を共通化してコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る流体機器取付構造の外観斜視図である。
【図2】図1に示す支持体の外観斜視図である。
【図3】図2に示す支持体の分解斜視図である。
【図4】図2のA部拡大断面図である。
【図5】図2に示す支持媒体の外観斜視図である。
【図6】図1に示す接続部シール構造の拡大断面図である。
【図7】図6に示す接続部シール構造の分解斜視図である。
【図8】図1の流量調整弁を流体機器ユニットから取り外す手順を説明するための図であって、流量調整弁から継手ブロックを取り外した状態を示す。
【図9】図1の流量調整弁を流体機器ユニットから取り外す手順を説明するための図であって、流量調整弁と流量計から連結部材を取り外した状態を示す。
【図10】図1流量調整弁を流体機器ユニットから取り外す手順を説明するための図であって、流量調整弁を流量計から取り外した状態を示す。
【図11】図6に示す接続部シール構造において第1及び第2接続部を接続するための治具の外観斜視図である。
【図12】図11に示す治具を用いて第1及び第2接続部を引き寄せる前の状態を示す。
【図13】図11に示す治具を用いて第1及び第2接続部を引き寄せた後の状態を示す。
【図14】図1に示す流体機器ユニットの回路図である。
【図15】図1に示す流体機器ユニットの変形例を示し、特に回路図を示す。
【図16】図15に示す流体機器を支持体に取り付ける流体機器取付構造を示す外観斜視図である。
【図17】図16に示す流体機器取付構造の側面図である。
【図18】図2に示す支持体の変形例である。
【図19】本発明の第2実施形態に係る流体機器取付構造の外観斜視図である。
【図20】本発明の第3実施形態に係る流体機器取付構造の外観斜視図である。
【図21】本発明の第4実施形態に係る流体機器取付構造の外観斜視図である。
【図22】図21に示す支持媒体による支持部分の断面図である。
【図23】図21に示す支持媒体の分解斜視図である。
【図24】流体機器をレールに取り付けた状態を示す外観斜視図である。
【図25】本体部の分解斜視図である。
【図26】本体部をレールに取り付ける取付方法を説明する説明図であって、本体部の脚部をレール溝に挿入した状態を示す。特に、(a)は外観斜視図を示し、(b)は(a)のBB断面図である。
【図27】本体部をレールに取り付ける取付方法を説明する説明図であって、本体部の脚部をレールに抜け不能に取り付けた固定前の状態を示す。特に、(a)は外観斜視図を示し、(b)は(a)のCC断面図である。
【図28】本体部をレールに取り付ける取付方法を説明する説明図であって、本体部の脚部をレールに固定した後の状態を示す断面図である。
【図29】流体機器を取付孔を有する板状フレームに取り付けた状態を示す外観斜視図である。
【図30】図29に示す流体機器取付構造の分解斜視図である。
【図31】図21に示す補強部材による補強構造の断面図である。
【図32】従来の流体機器取付構造の断面図である。
【図33】洗浄処理システムの外観斜視図を示す。
【図34】図33に示す洗浄処理システムの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、本発明に係る好ましい実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明することにする。
【0045】
(第1実施形態)
<流体機器ユニットの構成>
図14に示す流体機器ユニット1は、従来技術と同様、洗浄処理システム1100に使用される。流体機器ユニット1は、主流路2から第1及び第2副流路3,4が分岐し、1種類の薬液を分流させて供給するものである。第1及び第2副流路3,4には、第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21と、第1及び第2流量計12,22と、第1及び第2流量調整弁13,23とが配置され、第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21によって第1及び第2副流路3,4へ導入された薬液が第1及び第2流量計12,22で流量を測定された後、第1及び第2流量調整弁13,23で流量調整されて出力される。
【0046】
<流体機器取付構造の全体構成>
図1は、流体機器取付構造5の外観斜視図を示す。
流体機器ユニット1は、一対の継手ブロック24,24の間に第1及び第2分岐配管15,25を連結し、主流路2(図14参照)を構成している。また、流体機器ユニット1は、第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21と、第1及び第2流量計12,22と、第1及び第2流量調整弁13,23と、継手ブロック24,24とを連結し、第1及び第2副流路3,4(図14参照)を構成している。本実施形態では、各継手ブロック24、第1及び第2分岐配管15,25,第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21、第1及び第2流量計12,22、第1及び第2流量調整弁13,23を「流体機器」の一例とする。これらの流体機器11〜13,15,21〜25は、耐腐食性の観点から金属を使わずに樹脂部品で構成されている。
【0047】
図1に示すように、流体機器11〜13,15,21〜25は、同一形状の接続部11a〜13a,15a,21a〜25aを有し、同一の接続部シール構造26(後述)で互いに連結されている。
【0048】
流体機器取付構造5では、流体機器11〜13,15,21〜25を支持体31に取り付けている。流体機器取付構造5は、保持フレーム32と支持フレーム33を格子状に組み合わせて支持体31を構成し、流体機器11〜13,15,21〜25の接続部分を支持フレーム33で支持している。
【0049】
<接続部シール構造>
次に、接続部シール構造26について、第1流量計12の接続部12aと第1流量調整弁13の接続部13aとの接続部分を例に挙げ、図6の断面図及び図7の分解斜視図を参照しながら具体的に説明する。尚、図6及び図7では、第1流量計12と第1流量調整弁13の接続部12a,13a以外の形状を簡略化して記載している。
【0050】
図6及び図7に示すように、第1流量計12の接続部12aと、第1流量調整弁13の接続部13aは、PTFEなどの耐熱性や耐腐食性があるフッ素樹脂を材質とする。接続部12a,13aは、円筒状をなし、流路12b,13bが端面に開口している。接続部12a,13aの端面には、流路開口部の周りに、シール溝12c,13cが形成されている。シール溝12c,13cには、環状突起12d,13dが流路12b,13bと同心円状に突設され、環状凹凸条を設けている。接続部12a,13aは、端面外周に沿って、環状凸部12e,13eが外向きに突設されている。
【0051】
接続部12a,13aの外周面には、取付溝12f,13fがそれぞれ環状に形成されている。取付溝12f,13fは、後述する引き寄せ治具50により接続部12a,13aを引き寄せる際に端面同士を均一に当接させるために、端面側内側面が接続部12a,13aの端面と平行に形成されている。接続部12a,13aは、取付溝12f,13fと接続部12a,13aの端面との間に、装着溝12g,13gがそれぞれ環状に形成され、接続部12a,13aの接続状態を維持するための連結部材27が装着される。尚、取付溝12f,13fと装着溝12g,13gを環状に形成するのは、連結部材27や後述する支持媒体34の取付方向を制限しないことにより流体機器の着脱作業をしやすくするためである。
【0052】
図7に示すように、連結部材27は、第1分割片28と第2分割片29とがヒンジ部27aを介して接続されたものである。第1分割片28と第2分割片29とヒンジ部27aは、PVDF(ポリフッ化ビニリデン(二弗化ビニリデン))などの強度と耐腐食性があるフッ素樹脂を射出成形や切削などにより成形されている。
【0053】
第1及び第2分割片28,29は、ヒンジ部27aに接続する端部に、第1及び第2係合突起28d,29dと第1及び第2係合凹部28e,29eが設けられている。第1及び第2係合突起28d,29dは、第1及び第2係合凹部28e,29eに異方向(第1及び第2分割片28,29が分割する方向とその分割する方向と直交する方向)に当接して係止されるように嵌合している。連結部材27は、その嵌合部分を基点にして第1及び第2分割片28,29を回動させられるようになっている。
【0054】
第1及び第2分割片28,29は、ヒンジ部27aに接続する端部と反対の端部に、延設部28a,29aが半径方向に延びるように設けられている。延設部29aには、貫通孔29cが設けられ、延設部28aには、係止部28cが突設されている。第1及び第2分割片28,29は、係止部28cを撓ませながら貫通孔29cに貫き通した後、係止部28cを復元させて延設部29aに引っ掛けることにより、延設部28a,29aを適正な隙間を空けた状態で固定する。
【0055】
図6に示すように、第1及び第2分割片28,29には、接続部12a,13aをシール部材6を介して接続した状態で装着溝12g,13gの端面側内壁に面接触するように、突部28f,28f,29f,29fが設けられている。図7に示すように第1及び第2分割片28,29の第1及び第2係合凹部28e,29eに第2及び第1係合突起29d,28dを嵌合させた状態で延設部28a,29a側を開き、接続部12a,13aの装着溝12g,13gに突部28f,28f,29f,29fをそれぞれ配置するように係止部28cを貫通孔29cに挿通して延設部29aに係止させると、第1及び第2分割片28,29は、突部28f,28f,29f,29fがシール部材6の反発力に対する反力を接続部12a,13aに与え、接続部12a,13aの接続状態を維持する。
【0056】
ところで、接続部12a,13aや連結部材27は、樹脂を材質とするため、例えば流路12b,13bに高温の薬液や冷たい純水が交互に流れると、膨張と収縮を繰り返し、シール力を低下させることがある。そのため、連結部材27は、増し締め用の固定ピン30が備えられている。
【0057】
固定ピン30は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン(二弗化ビニリデン))などの強度と耐腐食性があるフッ素樹脂を材質とするピン部30aとナット部材30cとから構成されている。ピン部30aは、延設部28a,29aに設けた挿通孔28b,29bに挿通しやすいように先端部が二股にされ、各先端部に爪部30bが設けられている。ナット部材30cは、ピン部30aの後端部に螺着されている。このような固定ピン30は、ナット部材30cをピン部30aにねじ込むことにより延設部28a,29aを引き寄せ、突部28f,28f,29f,29fの先端部内周に設けたテーパを、接続部12a,13aの装着溝12g,13gに設けたテーパに摺接させる。これにより、接続部12a,13aは、互いに近づいてシール力を増加させる。
【0058】
図6及び図7に示すように、シール部材6は、リング状の本体部7の外周に沿って張出部8を環状に設けている。張出部8の外縁部には、把持部9が断続的に設けられている。
【0059】
本体部7は、接続部12a,13aの環状突起12d,13dに嵌合する環状溝7a,7bが両端面に形成され、断面H型をなす。環状溝7a,7bは、溝幅が接続部12a,13aの環状突起12d,13dの肉厚方向幅寸法と同一又は僅かに大きく形成されている。環状溝7a,7bは、開口部より奥側の内側内壁と外側内壁に圧入代7c,7dがそれぞれ設けられ、環状溝7a,7bの開口部より奥側の溝幅を環状突起12d,13dの肉厚方向幅寸法より小さくしている。そのため、シール部材6は、環状溝7a,7bの圧入代7c,7dに環状突起12d,13dが圧入されることにより、流路12b,13bに対して径方向にシールする。張出部8は、膜状に形成され、外縁部に複数の把持部9が設けられている。各把持部9は、接続部12a,13aの環状凸部12e,13eに引っ掛けて係合する引掛部9aが設けられている。
【0060】
<支持体の構成>
次に、支持体31の構成について説明する。図2は、図1に示す支持体31の外観斜視図である。図3は、図2に示す支持体31の分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、支持体31は、2本の支持フレーム33が保持フレーム32の間に保持されている。位置調整部材35は、各支持フレーム33の両端部に取り付けられ、支持フレーム33を保持フレーム32に対して位置決め固定している。
【0061】
支持フレーム33と保持フレーム32は、樹脂製のパイプで構成されている。保持フレーム32は、両端部外周面に雄ねじ部32a,32bがそれぞれ形成され、キャップ39が螺設される。そのため、保持フレーム32は、キャップ39,39を雄ねじ部32a,32bにねじ込む量を調整することにより、全長を調整できる。
【0062】
位置調整部材35は、保持フレーム32が摺動可能に挿通される中空孔35bを備える。位置調整部材35の外周面には、支持フレーム保持部35aが中空孔35bの軸線方向に対して直交する向きに立設されている。支持フレーム保持部35aは、支持フレーム33が摺動可能に挿入される挿入部35gを備える。支持フレーム保持部35aは、雄ねじ部35fが外周面に形成され、楔部材38を介してナット部材37に螺合する。
【0063】
図4の拡大断面図に示すように、楔部材38は、筒状をなし、一端開口部から軸線方向に切り込み38aが複数設けられている。楔部材38の外周面には、切り込み38a側に向かって小径になるテーパ38bが形成されている。挿入部35gの内側面には、拡径部35dが環状に形成され、その拡径部35dの開口部内周面に、開口部から支持フレーム保持部35a(挿入部35gの軸線方向に沿って縮径するテーパ35eが設けられている。テーパ35eは、楔部材38のテーパ38bより傾斜が大きくされている。
【0064】
楔部材38は、切り込み38aが形成された開口端が位置調整部材35側に向くように支持フレーム33に取り付けられ、ナット部材37の雌ねじ部37aを支持フレーム保持部35aの雄ねじ部35fにねじ込む際の推進力によって支持フレーム保持部35a側へ押圧される。楔部材38は、拡径部35dによって形成される支持フレーム33と位置調整部材35との間の隙間に先端部を挿入された後、テーパ38bが図中P部で拡径部35dのテーパ35eに線接触して縮径され、支持フレーム33を締め付けて固定する。これにより、支持フレーム33の端部に位置調整部材35が取り付けられる。
【0065】
図3に示すように、保持フレーム32は、ナット部材37と楔部材38に挿通され、更に位置調整部材35の中空孔35bに摺動可能に挿通される。位置調整部材35は、支持フレーム保持部35aと同様に、中空孔35bの一端開口部外周に雄ねじ部35fが設けられている。位置調整部材35は、保持フレーム32の任意の位置へスライドされると、雄ねじ部35fに楔部材38を介してナット部材37をねじ込むことにより楔部材38で保持フレーム32を締め付ける。これにより、位置調整部材35は、保持フレーム32の任意の位置に固定される。尚、位置調整部材35を保持フレーム32に固定する構造は、図4に示すように位置調整部材35を支持フレーム33に固定する構造と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0066】
上記保持フレーム32や支持フレーム33、位置調整部材35、ナット部材37、楔部材38、キャップ39は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)など、強度があり耐腐食性に優れた樹脂を材質とする。
【0067】
<支持媒体>
図3に示すように、支持媒体34は、例えば接続部12a,13aの取付溝12f,13fに着脱可能に取り付けられ(図6参照)、接続部12a,13aの接続部分を支持フレーム33に支持させる。支持媒体34は、支持フレーム33に装着される本体部41と、例えば取付溝12f,13fに嵌合した状態で本体部41に係止される連結部42とを有し、支持フレーム33に着脱可能に装着される。
【0068】
図5の外観斜視図に示す本体部41と連結部42,42は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン(二弗化ビニリデン))などの強度と耐腐食性があるフッ素樹脂を射出成形や切削などにより成形されている。
【0069】
本体部41は、一方に開口するC型形状をなすクランプ部41aを支持フレーム33に嵌め合わせることにより、支持フレーム33に着脱可能に装着されている。本体部41は、クランプ部41aの内径を支持フレーム33の直径より小さくされ、クランプ部41aの開口部付近の肉厚を薄くして弾性変形可能な可撓片41b,41bを設けている。このような本体部41は、可撓片41b,41bを外側に弾性変形させながら支持フレーム33をクランプ部41a内へ挿入した後、可撓片41b,41bを復元させることにより、支持フレーム33に握着される。
【0070】
本体部41は、可撓片41b,41bの上方に延びる延設部41c,41cを有し、その延設部41c,41c上に例えば接続部12a,13aの取付溝12f,13fが配置される(図6参照)。図5に示す延設部41c,41cの上端部には、連結部42,42の両端部に異なる構造で係合する第1係合部41dと第2係合部41eがそれぞれ設けられている。延設部41c,41cの第1係合部41dと第2係合部41eは、斜向かいに配置され、第1及び第2係合部41d,41eと連結部42との係合状態を解除しにくくしている。
【0071】
連結部42は、弾性変形可能なU字形の帯状をなす。連結部42は、一端に係止爪部42aが設けられ、他端に嵌合片42bが設けられている。嵌合片42bは、連結部42に対して直角に屈曲し、さらに先端部を直角に屈曲させたくの字型に設けられている。連結部42の内周面には、例えば図6に示すように取付溝12f,13fに嵌合する凸部42cが設けられている。
【0072】
図5に示すように、本体部41の第1係合部41dは、係止爪部42aが挿通される挿通孔41fが形成され、挿通孔41fに挿通された係止爪部42aの先端部に係合するようにされている。
一方、本体部41の第2係合部41eは、嵌合片42bに嵌合する嵌合凹部41gが設けられている。嵌合凹部41gは、第2係合部41eの側面から水平方向に形成され、その先端部を下向きに形成されている。
【0073】
このような支持媒体34は、係止爪部42aを挿通孔41fに挿通して第1係合部41dに連結部42の一端を係止させると共に、嵌合片42bを嵌合凹部41gに嵌合させることにより、連結部42の他端を第2係合部41eに係止させる。この位置を連結部42の「係止位置」とする。連結部42は、嵌合片42bを嵌合凹部41gに嵌合させた状態で係止位置から180度回転されると、嵌合片42bの先端部が嵌合凹部41gの開口端まで移動し、嵌合片42bを嵌合凹部41gから取り外せるようになる。連結部42のこの位置を「開放位置」とする。
【0074】
<流体機器ユニットの組み付け方法>
ここで、図1に示す流体機器ユニット1を洗浄処理システム1100に組み付ける方法について説明する。
作業者は、例えば、洗浄処理ユニット1103と第3筐体1113との間に第3筐体1113の壁に沿って鉛直方向に空きスペースがある場合には、保持フレーム32を鉛直に立てて流体機器ユニット1を空きスペースに配置する。作業者は、流体機器ユニット1を空きスペースに配置したら、キャップ39を周囲の機器や壁に押しつけるようにキャップ39を保持フレーム32に対して回転させて保持フレーム32の長さを調整し、保持フレーム32を空きスペース内で突っ張らせる。これにより、流体機器ユニット1が空間内で倒れることを防止できる。
【0075】
保持フレーム32の全長を調整したことにより、流体機器11〜13,15,21〜25の配置がずれた場合には、位置調整部材35を保持フレーム32に固定するように締め付けたナット部材37を緩め、位置調整部材35を任意の位置へ移動させ、再度ナット部材37を位置調整部材35に締め付けて位置調整部材35を保持フレーム32に固定する。
【0076】
よって、作業者は、洗浄処理ユニット1103と第3筐体1113との間の空きスペースが狭い場合でも、キャップ39またはナット部材37を緩めたり締め付けることで、空きスペースに対応するように支持体31を組み付けることが可能である。そのため、工具などを用いて支持体31を洗浄処理システム1100に組み付ける必要がなく、流体機器11〜13,15,21〜25を空きスペースに簡単に配置することができる。
【0077】
<流体機器の着脱方法>
次に、流体機器を支持体31に脱着する方法について、第1流量調整弁13のメンテナンスを例に挙げ、説明する。
【0078】
先ず、図8の分解斜視図に示すように、第1流量調整弁13と継手ブロック24とを接続する連結部材27から固定ピン30を引き抜いた後、係止部28cを貫通孔29cから引き抜くようにして第1分割片28と第2分割片29とを分離させる。このとき、第1及び第2分割片28,29は、ヒンジ部27a側の連結によりバラバラにならず、取扱いやすい。そして、継手ブロック24を上方に引っ張って接続部24aを第1流量調整弁13の接続部13aから引き離す。このとき、シール部材6は、引掛部9aを接続部13a,24aの環状凸部13e,24eに引っ掛けられて、接続部13a,24aの何れかに残り、脱落しない。
【0079】
そして、図9の分解斜視図に示すように、第1流量調整弁13の接続部13aと第1流量計12の接続部12aを接続する連結部材27を上記と同様にして取り外す。接続部12a,13aは、支持媒体34が、連結部42,42の凸部42c,42cを取付溝12f,13fに嵌合させた状態で取り付けられ(図6参照)、支持媒体34を介して支持フレーム33に支持されている。
【0080】
そこで、図10の分解斜視図に示すように、支持媒体34の第1流量調整弁13側の連結部42を取付溝13fから取り外す。具体的には、係止爪部42aを第1係合部41dの挿通孔41fから抜き出して、連結部42を係止位置から開放位置へ回動させ、凸部42cと取付溝13fとの嵌合状態を解除する。これにより、接続部13aが支持フレーム33に支持されなくなるので、第1流量調整弁13を第1流量計12と反対に引っ張って接続部13aを接続部12aから引き離す。このときも、シール部材6は、引掛部9aを接続部12a,13aの環状凸部12e,13eの何れかに引っ掛けて脱落を防止される。
【0081】
尚、開放位置に配置した連結部42の嵌合片42bを嵌合凹部41gから引き抜いて連結部42を本体部41から取り外せば、第1流量調整弁13の取り外し時に連結部42が接続部13aに引っ掛かるなどして作業の邪魔になることがない。
【0082】
第1流量調整弁13のメンテナンスが終了したら、図11に示す引き寄せ治具50を装着するために、図10に示す第1流量計12側の連結部42を上記と同様にして取付溝12fから取り外す。
【0083】
図11に示す引き寄せ治具50は、力を伝達する際の変形を防ぐために、剛性がある金属(ステンレス等)を材質とする。引き寄せ治具50は、2本の柄51A,51Bを交差部52で回動自在に連結している。柄51A,51Bは、先端部が内向きに屈曲し、柄51A,51Bの回動方向に対して直角になるように支軸53をそれぞれ配置されている。各支軸53には、加圧プレート54の支持部54bが回動可能に保持されている。加圧プレート54には、例えば接続部12a,13aの取付溝12f,13fに嵌め合わされるU字溝54aが形成されている。
【0084】
図12に示すように、例えば接続部12a,13aを接続する場合には、シール部材6の引掛部9aを接続部12aの環状凸部12eに引っ掛ける。このとき、シール部材6は、環状溝7aが接続部12aの環状突起12dに位置合わせされる。第1流量調整弁13は、接続部12aに仮装着されたシール部材6の把持部9に接続部13aを挿入し、環状突起13dの先端を環状溝7bに軽く挿入する。
【0085】
この時点では、接続部12a,13aの装着溝12g,13gの間隔W1が、連結部材27の突部28f,28fの間隔W2より広く、連結部材27を接続部12a,13aに装着できない。そこで、接続部12a,13aの取付溝12f,13fに引き寄せ治具50の加圧プレート54,54を装着する。そして、引き寄せ治具50の柄51A,51Bを強く握って接続部12a,13aを互いに近づける方向に引き寄せる。
【0086】
これにより、図13に示すように、シール部材6の環状溝7a,7bに設けた圧入代7c,7dに接続部12a,13aの環状突起12d,13dが圧入される。装着溝12g,13gの間隔W1が、連結部材27の突部28f,28f,29f,29fの間隔W2より狭くなったら、第1及び第2分割片28,29の突部28f,28f,29f,29fを装着溝12g,13gに挿入するように連結部材27を接続部12a,13aの周りに装着する。連結部材27は、第1及び第2係合突起28d,29dと第2及び第1係合凹部29e,28eとの係合、及び、係止部28cと延設部29aとの係合によって連結される。これにより、接続部12a,13aが接続される。尚、連結部材27には、延設部28a,29aに増し締め用の固定ピン30を予め取り付けておくと良い。
【0087】
そして、引き寄せ治具50を取付溝12f,13fから外し、接続部12a,13aと支持体31の支持フレーム33との間に支持媒体34を配置する。支持媒体34は、可撓片41b,41bを撓ませながらクランプ部41aに支持フレーム33を押し込むようにしてクランプ部41aを支持フレーム33に嵌め合わされ、支持フレーム33に握着される。そして、支持媒体34の延設部41c,41c上に接続部12a,13aを載置したら、連結部42の嵌合片42bを本体部41の嵌合凹部41gに嵌め合わせた部分を基点にして回動させ、係止爪部42aを本体部41の挿通孔41fに挿通して第1係合部41dに係止させる。
【0088】
このとき、連結部42の凸部42cを接続部13aの取付溝13fにしっかり嵌め込み、連結部42によって接続部13aを延設部41cへ押し付けるようにして支持媒体34に固定する。これと同様にして、接続部12aを支持媒体34に固定する。これにより、接続部12a,13aの接続部分が支持媒体34を介して支持フレーム33に支持され、第1流量調整弁13と第1流量計12が支持体31に取り付けられる。
【0089】
上記流体機器の脱着作業は、支持体31がフレーム(保持フレーム32と支持フレーム33)を格子状に組み合わせたものであるため、作業者が保持フレーム32と支持フレーム33の間の空間に手を入れて行うことができる。そのため、第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21及び第1及び第2流量調整弁13,23を第1及び第2流量計12,22と対向配置して配置スペースを削減させていても、第1流量調整弁13を第1流量計12から脱着する作業を行いやすい。
【0090】
尚、脱着作業中に支持体31が不安定になったら、保持フレーム32が空きスペース内で突っ張るようにキャップ39を回転させて保持フレーム32の全長を調整することが好ましい。
【0091】
<流体機器の増設>
次に、流体機器の増設について、図14に示す流体機器ユニット1に別の流体機器を増設して図15に示す流体機器ユニット80を構成する場合を例に挙げて説明する。
図15に示す流体機器ユニット80は、主流路2に手動弁71とエアオペレイトバルブ72とレギュレータ73が配置され、圧力調整されるようになっている。主流路2には、第1,第2副流路3,4の他に、第3,第4副流路61,62が接続し、薬液を分流させるようになっている。第3,第4副流路61,62には、第3,第4エアオペレイトバルブ74,76と第3,第4流量調整弁75,77がそれぞれ配置されている。
【0092】
例えば、洗浄処理ユニット1103と第3筐体1113(図33、図34参照)との間に形成される空きスペースがL字状の場合には、図16及び図17に示すように、L字形の支持体81を構成する。支持体81は、一対の保持フレーム32に2本の支持フレーム33を組み合わせた第1組立体を縦置きに配置し、保持フレーム32より長い保持フレーム32A,32Aの間に、支持フレーム33より長い支持フレーム33A,33A,33Aを配置した第2組立体を横置きに配置している。各支持フレーム33Aは、位置調整部材35を介して保持フレーム32A,32Aの任意の位置にそれぞれ固定されている。
【0093】
縦置きにされた第1組立体は、上記支持体31と同様に、流体機器11〜13,15,21〜25の接続部分が支持媒体34を介して支持フレーム33に取り付けられている。一方、横置きにされた第2組立体は、増設された流体機器が支持フレーム33Aに取り付けられている。
【0094】
手動弁71とエアオペレイトバルブ72とレギュレータ73とL字配管82と分岐配管45,46,15,25と継手ブロック24は、接続部シール構造26を介して互いの接続部を連結され、主流路2(図15参照)を構成している。分岐配管45,46には、第3及び第4エアオペレイトバルブ74,76と第3及び第4流量調整弁75,77が接続部シール構造26を介して接続部同士を接続され、第3及び第4副流路61,62(図15参照)を構成している。
【0095】
支持体81は、継手ブロック24と手動弁71の接続部分が支持媒体34を介して支持フレーム33Aに支持されている。また、継手ブロック24,24と第3,第4流量調整弁75,77の接続部分が支持媒体34を介して別の支持フレーム33Aに支持されている。更に、レギュレータ73とL字配管82との接続部分と、第3及び第4エアオペレイトバルブ74,76と分岐配管45,46との接続部分が支持媒体34を介して更に別の支持フレーム33Aに支持されている。
【0096】
ところで、図17に示すように、手動弁71とエアオペレイトバルブ72とレギュレータ73は、ポート高さや取付寸法が異なっている。そのため、従来技術のようにブラケットに取り付けた場合には、ポート位置の高いレギュレータ73に対して手動弁71やエアオペレイトバルブ72のポート高さを合わせるように専用のブラケットの設計を必要とした。
【0097】
しかし、支持体81は、支持媒体34を介して、継手ブロック24と手動弁71の接続部分、手動弁71とエアオペレイトバルブ72の接続部分、レギュレータ73とL字配管82の接続部分を支持フレーム33Aに支持させている。そして、保持フレーム32Aや支持フレーム33Aの間は、空間になっており、流体機器の高さや配置、大きさなどに制限を与えない。よって、レギュレータ73とエアオペレイトバルブ72と手動弁71と継手ブロック24は、ブラケットのように下面を基準とするのではなく、各接続部分を基準に支持体81の支持フレーム33Aに取り付けられる。そのため、レギュレータ73とエアオペレイトバルブ72と手動弁71は、ポート高さや取付高さの違いに関係なく第3及び第4エアオペレイトバルブ74,76と第3及び第4流量調整弁75,77の各接続部分を支持する支持フレーム33Aに対して、取り付けることができる。
【0098】
<支持体の変形例>
ここで、図18の外観斜視図に示すように、支持体85は、形状が異なる位置調整部材35,86,87を用いて保持フレーム32と支持フレーム33を格子状に組み上げて構成されている。位置調整部材86は、2本の支持フレーム33が固定され、位置調整部材87は、3本の支持フレーム33が固定される。位置調整部材86,87の支持フレーム33の固定構造は、図3、図4に示す位置調整部材35と同様なので、説明を省略する。
【0099】
流体機器取付構造5では、共通の保持フレーム32、支持フレーム33、位置調整部材35,86,87を用いて、二次元的な支持体31や三次元的な支持体85を任意に組み立てることができる。そのため、支持体31,85は、空きスペースや流体機器のレイアウトにあわせて任意に構成でき、専用の支持体を設計する必要がない。
【0100】
<作用効果>
第1実施形態の流体機器取付構造5は、複数のフレーム(2本の保持フレーム32と2本の支持フレーム33)を格子状に組み合わせて支持体31を構成し、流体機器11〜13,15,21〜25の各接続部分を支持フレーム33で支持することにより、複数の流体機器11〜13,15,21〜25を支持体31に取り付ける。そのため、例えば、第1及び第2流量計12,22を第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21や第1及び第2流量調整弁13,23と支持体31を挟んで対向配置したり、分岐配管15,25と第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21と第1及び第2流量調整弁13,23とを上下に配置することができる。このように、第1実施形態の流体機器取付構造5は、流体機器11〜13,15,21〜25を三次元方向に自由に配置し、流体機器11〜13,15,21〜25の配置スペースを低減できる。例えば、本実施形態の流体機器取付構造5では、流体機器11〜13,15,21〜25をブラケットに二次元的に配置する場合と比べ、流体機器の配置スペースを約半分にすることができる。
【0101】
この結果、例えば図17に示す流体機器ユニット80のように、ポート高さや取付寸法が異なる手動弁71、エアオペレイトバルブ72、レギュレータ73を有する場合でも、継手ブロック24,手動弁71、エアオペレイトバルブ72、レギュレータ73の各接続部分を支持フレーム33Aに支持させて継手ブロック24,手動弁71、エアオペレイトバルブ72、レギュレータ73を支持体81に取り付けることが可能になり、専用の支持体を設計する設計工数を削減できる。
【0102】
また、流体機器11〜13,15,21〜25の設置先に、全ての流体機器11〜13,15,21〜25を平面的に配置するだけの空きスペースがない場合でも、例えば、L字形の空きスペースがある場合には、その空きスペースに対応させるように保持フレーム32と支持フレーム33を組み合わせてL字形の支持体81を構成する(図16及び図17参照)。そして、各支持フレーム33に流体機器11〜13,15,21〜25同士の接続部分を支持させれば、全ての流体機器11〜13,15,21〜25を空きスペースに収めることができるようになる。
【0103】
そして仮に、流体機器の数が多く、直方体状の空きスペースがある場合には、例えば図18に示すように保持フレーム32と支持フレーム33を組み合わせて直方体状の支持体85を構成し、支持フレーム33に支持媒体34を介して流体機器の接続部分を支持させれば良い。このように、保持フレーム32と支持フレーム33と位置調整部材35,86,87と支持媒体34を標準化しているので、任意の形状の支持体31,81,85を二次元でも三次元でも構成でき、支持体の設計工数を削減できる。更には、流体機器の増設に伴う支持体31,81,85の形状変更も容易である。
【0104】
第1実施形態の流体機器取付構造5は、支持フレーム33の両端部に位置調整部材35を取り付け、支持フレーム33を保持フレーム32に対して位置決め固定するので、流体機器のレイアウトに合わせて支持フレーム33の配置を容易に調整でき、流体機器11〜13,15,21〜25を支持体31に取り付ける際の作業性が良い。
【0105】
第1実施形態の流体機器取付構造5は、例えば第1流量計12と第1流量調整弁13が、外周面に取付溝12f,13fが設けられた同一形状の接続部12a,13aを有し、接続部12a,13aの取付溝12f,13fに着脱可能に取り付けられ、接続部12a,13aの接続部分を支持フレーム33に支持させる支持媒体34を有する。このような第1実施形態の流体機器取付構造5は、第1流量計12の接続部12aと第1流量調整弁13の接続部13aとの接続部分を支持媒体34を介して支持フレーム33に簡単に脱着できる。
【0106】
第1実施形態の流体機器取付構造5は、支持フレーム33に装着される本体部41に対して、例えば取付溝12f,13fに凸部42cを嵌合した連結部42を係止させることにより、接続部12a,13aを支持フレーム33に支持させる。一方、連結部42と本体部41の係止状態を解除することにより、接続部12a,13aが支持フレーム33に支持されなくなる。よって、第1実施形態の流体機器取付構造5によれば、連結部42によって接続部12a,13aを支持フレーム33に簡単に脱着することができる。
【0107】
第1実施形態の流体機器取付構造5は、支持媒体34が支持フレーム33に着脱可能に装着されるので、流体機器のレイアウトに合わせて支持媒体34を簡単に配置できる。
【0108】
第1実施形態の流体機器取付構造5は、流体機器同士を引き寄せて接続する引き寄せ治具50が取り付けられる取付溝12f,13fを利用して、支持媒体34を流体機器の接続部分に取り付けるため、支持媒体34を取り付けるための加工が不要である。
【0109】
第1実施形態の流体機器取付構造5は、ベルト状の連結部42が、一端を本体部41の第2係合部41eに回動可能に保持され、他端を本体部41の第1係合部41dに着脱可能に係合されており、連結部42が個々の流体機器の接続部に嵌合して各接続部を支持体31の支持フレーム33に個別に支持させるので、メンテナンス等で流体機器の脱着作業を行い易い。
【0110】
(第2実施形態)
次に、本発明の流体機器取付構造の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。図19は、第2実施形態に係る流体機器取付構造90の外観斜視図である。
流体機器取付構造90は、保持フレーム94と支持フレーム96の形状が第1実施形態と相違し、その他の点が第1実施形態と共通する。ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点は図面に第1実施形態と同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0111】
流体機器取付構造90は、保持フレーム94と支持フレーム96を格子状に組み合わせて支持体91を構成している。保持フレーム94と支持フレーム96は、中空部を備えるパイプ状のものである。保持フレーム94と支持フレーム96は、軸線方向に所定長の収納孔94b,96bと、円形状の貫通孔94a,96aを形成されたパイプを所望の長さに切断して構成されている。位置調整部材95には、固定ピン95aを挿通するための挿通孔が設けられ、この挿通孔を保持フレーム94の貫通孔94aに位置合わせして固定ピン95aを挿し通すことにより、位置調整部材95が保持フレーム94に対して位置決め固定されるようになっている。尚、保持フレーム94の両端部には、キャップ97,98がピンなどを貫通孔94aに挿通して位置決め固定されている。
【0112】
そして、流体機器取付構造90は、第1及び第2流量計12,22の配線と第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21の操作ポートに接続する配管の少なくとも一方を収納孔94b,96bから保持フレーム94や支持フレーム96の中空部に引き込んで収納している。
【0113】
よって、第2実施形態の流体機器取付構造90によれば、第1及び第2流量計12,22の配線や第1及び第2エアオペレイトバルブ11,21に接続する配管を収納孔94bから保持フレーム94内に引き入れたり、収納孔96bから支持フレーム96内に引き入れることによって保持フレーム94や支持フレーム96に収納してまとめることができ、流体機器の着脱時に配線や配管が邪魔にならず、流体機器を支持体91に着脱しやすい。
【0114】
(第3実施形態)
続いて、本発明の流体機器取付構造の第3実施形態について図面を参照して説明する。図20は、第3実施形態に係る流体機器取付構造100の外観斜視図である。
第3実施形態の流体機器取付構造100は、流体機器を配管チューブ103を介して接続するものであって、支持媒体110の形状が第1実施形態と相違する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点は第1実施形態と同一の符号を図面に付し、説明を適宜省略する。
【0115】
流体機器取付構造100は、「流体機器」の一例であるエアオペレイトバルブ101を樹脂製の配管チューブ103で接続して流体機器ユニットを構成している。配管チューブ103は、継手102を介してエアオペレイトバルブ101の接続部101aに接続されている。接続部101aの外周面には、第1実施形態の取付溝13fと同様の取付溝101fが形成されている。
【0116】
支持媒体110は、クランプ部41aを備える本体部111に延設部41cが一つだけ設けられ、その延設部41cに連結部42が係止されている。クランプ部41a及び連結部42の係止構造は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0117】
このような流体機器取付構造100では、支持媒体110がエアオペレイトバルブ101の側面に沿って延設部41cを配置し、接続部101aの取付溝101fに連結部42を嵌合させた状態で支持フレーム33に装着されている。支持媒体110は、クランプ部41aにおいて支持フレーム33に握着されているので、エアオペレイトバルブ101と配管チューブ103との接続部分を片持ちして支持する。
【0118】
このような流体機器取付構造100は、エアオペレイトバルブ101が、外周面に取付溝101fを形成された接続部101aを有し、その接続部101aに配管チューブ103を着脱可能に接続している。そして、流体機器取付構造100では、取付溝101fに取り付けられ、接続部101aと配管チューブ103との接続部分を支持媒体110により支持フレーム33に支持させている。このような第3実施形態の流体機器取付構造100は、エアオペレイトバルブ101の接続部101aと配管チューブ103とを支持媒体110を介して支持フレーム33に簡単に脱着できる。
【0119】
また、第3実施形態の流体機器取付構造100は、エアオペレイトバルブ101の側面に沿って支持媒体110の延設部41cを配置し、接続部101aと配管チューブ103との接続部分を片持ちしている。そのため、ポート高さや取付寸法が異なる流体機器同士であっても、その接続部分を支持媒体110で支持することができる。よって、第3実施形態の流体機器取付構造100によれば、流体機器の種類によらず支持媒体110を共通で使用することができる。
【0120】
(第4実施形態)
続いて、本発明の流体機器取付構造に係る第4実施形態を説明する。図21は、本発明の第4実施形態に係る流体機器取付構造110の外観斜視図である。
第4実施形態の流体機器取付構造110は、支持媒体130の形状が第1実施形態と相違している。また、支持媒体130は、本体部131を他の本体部151,171,182に交換することによって、支持フレーム33と異なる形状のフレーム(レール141、板状フレーム161)に取り付けられる。また、接続部を支持体31で支持できない場合に、補強部材181により流体機器の接続部分の補強を行う。これらの点を除き、第4実施形態の流体機器取付構造110は、第1実施形態の流体機器取付構造110と同様に構成される。ここでは、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、共通する点は第1実施形態と同じ符号を図面に記載し、適宜説明を省略する。
【0121】
流体機器の一例である第1〜第4エアオペレイトバルブ111,112,113,114は、同じ形状をなす。第1〜第4エアオペレイトバルブ111〜114は、耐腐食性を確保するために、機能的に弾性や強度を必要とするもの(例えば、ばねやねじ等)を除き、樹脂を材質とする部品を組み立てて構成されている。第1〜第4エアオペレイトバルブ111〜114は、支持媒体130を取り付けられる接続部111a,112a,113a,114aの形状は同じである。よって、以下では、第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112の接続部分の支持と、第2及び第3エアオペレイトバルブ112,113の接続部分の補強に焦点を当てて説明し、その他の説明を省略する。
【0122】
図22は、図21に示す支持媒体130による支持部分の断面図である。図23は、図21に示す支持媒体130の分解斜視図である。
第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112は、樹脂製の接続部111a,112aを有する。接続部111a,112aは、流路111b,112b,シール溝111c,112c、環状突起111d,112d、環状凸部111e,112e、取付溝111f,112f、装着溝111g,112gが、第1実施形態の接続部12a、流路12b、シール溝12c、環状突起12d、環状凸部12e、取付溝12f、装着溝12gと同様に設けられている。接続部111a,112aは、環状突起111d,112dをシール部材6に形成した環状溝7a,7bの圧入代7c,7dに圧入することによって、流路111b,112bの接続部分外周を径方向にシールした状態で接続されている。この接続状態は、接続部111a,112aの接続部分に装着した連結部材120により維持されている。
【0123】
連結部材120は、第1及び第2分割片28,29に、接続部111a,112aの接続部分の外側に露出する把持部9又は張出部8の外縁部を外部から視認してシール部材6の有無を確認するための露呈部121が設けられている。第1及び第2分割片28,29は、突部122,123,124,125が接続部111a,112aの装着溝111g,112gに配置される。突部122,123,124,125は、装着溝111g,112gに沿って配置されるように円弧状をなす。連結部材120は、第1及び第2分割片28,29を引き寄せていない場合には、突部122,123,124,125のストレート部122a,123a,124a,125aを装着溝111g,112gの端面側内側面に当接させ、接続部111a、112aの間に配置したシール部材6の反発力に抗して接続部111a,112aの接続状態を維持するようにしている。第1及び第2分割片28,29は、ストレート部122a,123a,124a,125aの外径方向に連結側テーパ部122b,123b,124b,125bが設けられている。接続部111a,112aは、装着溝111g,112gの端面側内側面の外側に沿って接続側テーパ部111h,112hが設けられ、第1及び第2分割片28,29を引き寄せた場合に接続側テーパ部111h,112hに連結側テーパ部122b,123b,124b,125bが摺接して接続部111a,112aに互いに近づける方向の力を付与するようになっている。
【0124】
支持媒体130は、支持フレーム33を挟むように本体部131と連結部132とを配置している。本体部131と連結部132は、耐腐食性を確保するために、フッ素樹脂を材質としている。図23に示すように、支持媒体130は、連結部132に弾性変形可能に設けた4個の係止爪部132f,132f,132f,132fを本体部131の掛止部131f,131f,131f,131fに設けた挿通孔131g,131g,131g,131gにそれぞれ弾性変形させながら挿通し、各係止爪部131fの先端を挿通孔131gの開口端部に引っ掛けて掛止部131fに係止させることにより、本体部131と連結部132とを一体化している。図22に示すように、支持媒体130は、本体部131の載置部131a,131bに形成した載置面131c,131dと、連結部132の連結側突起部132a,132bに形成した段差部132c,132dとを接続部111a,112aの外周面111i,112iに接触させて接続部111a,112aを挟み込み、接続部111a,112aに対して流路軸線方向と直交する方向にがたつかないようにされている。図21に示すように、支持媒体130は、載置部131a,131bの間の空隙部131hと連結側突起部132a,132bの間の空隙部132hにより形成される空間に、連結部材120の延設部28a,29aが配置されている。
【0125】
図22に示すように、支持媒体130は、第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112の接続部111a,112aに形成した取付溝111f,112fに、連結部132の連結側突起部132a,132bを、所定の隙間を空けて配置されている。連結部材120の第1及び第2分割片28,29を引き寄せて増し締めする前の初期状態では、連結側突起部132a,132bは、取付溝111f,112fの端面側内側面に接触し、支持媒体130が流路111b,112bの軸線方向へがたつくのを防いでいる。この初期状態において、連結側突起部132a,132bは、取付溝111f,112fの端面側内側面に対向する反端面側内側面との間に所定の隙間を空けている。そのため、第1及び第2分割片28,29を引き寄せて連結側テーパ部122b,123b,124b,125bを接続側テーパ部111h,112hに摺接させた場合に、接続部111a、112aは、外周面111i,112iを支持媒体130の段差部132c,132dと載置面131c,131dに摺接させながら互いに近づく方向へ移動し、シール力を増加させることが可能である。
【0126】
連結部132は、連結側突起部132a,132bが連結側結合部132eにより結合されて一体化され、連結側突起部132a,132bの平行状態が維持される。そのため、本体部131に連結部132を係合させて構成した支持媒体130は、連結部132の連結側結合部132eにより、曲げやねじれに対する強度が補強されている。
【0127】
図22及び図23に示すように、支持媒体130は、載置部131a,131bを本体側結合部131eにより結合して一体化し、取扱い易くしている。図21に示すように、支持媒体130は、本体部131に立設した4個の脚部131iにより支持フレーム33を挟み込むことにより、支持フレーム33に取り付けられる。脚部131iは、本体部131に弾性変形可能に垂設され、支持フレーム33に接する面に円弧状の凹面131jが形成されている。このような脚部131iは、凹面131jを支持フレーム33の外周に密着させて支持フレーム33に支持媒体130を位置決め固定する。
【0128】
尚、支持媒体130は、連結側結合部132eに窓部132gが形成され、延設部28a,29aを上向きにして連結部材120を接続部111a,112aの接続部分に装着した場合に、その延設部28a,29aを窓部132gに配置することにより係止爪部132fを掛止部131fに引っ掛けて係止させることを可能にしている。また、窓部132gは、連結部材120に空けられた露呈部121からシール部材6の有無を確認できるようになっている。
【0129】
上記流体機器取付構造110では、例えば、第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112の自重や外力などにより、接続部111a,112aの接続部分を支点として当該接続部分に撓み方向の力が作用した場合でも、接続部111a,112aを支持体31に支持させるための支持媒体130が連結側突起部132a,132bを連結側結合部132eで結合して一体化し、曲げやねじれに対する強度を補強されているため、接続部111a、112aの接続部分を撓ませない。よって、本実施形態の流体機器取付構造110によれば、接続部111a,112aの接続部分に第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112の自重や外力が加わっても接続部111a,112aが撓むことがないため、当該接続部分の間から漏れが生じることがない。
【0130】
ところで、支持体31は、フレームを格子状に組み立てて構成されるが、そのフレームは、図21の支持フレーム33のように棒やパイプ状でなくても、図24に示すレール141や図29に示す板状フレーム161であっても良い。レール141や板状フレーム161には、本体部131を用いて第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112の接続部分をレール141や板状フレーム161に取り付けることができない。そのため、本実施形態の流体機器取付構造110では、支持フレーム33用の本体部131をレール141用の本体部151や板状フレーム161用の本体部171に交換して、本体部151,171に連結部132を係合させることによって支持媒体130を構成できるようにしている。
【0131】
図24は、第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112をレール141に取り付けた状態を示す外観斜視図である。
レール141は、樹脂を材質とする。レール141は、断面矩形状をなし、軸線方向に長くレール溝143が形成されている。レール溝143は、レール141の一側面に開口し、その開口部142はレール溝143より幅が小さくなっている。支持媒体130は、本体部151がレール溝143にスライド可能に保持され、固定ナット153でレール141に対して固定されるようになっている。本体部151は、脚部152を除き、本体部131と同様に載置部131a,131b、載置面131c,131d、本体側結合部131e、掛止部131f、挿通孔131g、空隙部131hを有する。
【0132】
図25は、本体部151の分解斜視図である。
脚部152は、本体部151の真下に突出するように立設されている。脚部152は、レール141の開口部142の溝幅より太く形成されて外周面に雄ねじが形成されたねじ部152aと、ねじ部152aに接続して開口部142の溝幅より細く形成されて開口部142に沿ってスライド可能なスライド部152bと、スライド部152bの先端に設けられた長方形状の板状ストッパ部152cとを有する。ストッパ部152cは、長手方向寸法が開口部142の溝幅より大きく、開口部142の開口端部に引っ掛けることにより本体部151をレール141から抜けないようにする。一方、固定ナット153は、円板形をなし、ねじ部152aに螺合可能な雌ねじ孔153bが形成されている。固定ナット153は、雌ねじ孔153b上に長孔153aが形成され、ストッパ部152cとスライド部152bを挿通できるようにしている。
【0133】
このような本体部151をレール141に取り付ける方法を図26〜図28を参照しながら説明する。図26は、本体部151の脚部152をレール溝143に挿入した状態を示し、特に、(a)は外観斜視図を示し、(b)は(a)のBB断面図である。図27は、本体部151の脚部152をレール141に抜け不能に取り付けた固定前の状態を示し、(a)は外観斜視図を示し、(b)は(a)のCC断面図を示す。図28は、本体部151の脚部152をレール141に固定した後の状態を示す断面図である。
先ず、図26(a)(b)に示すように、ストッパ部152cを固定ナット153の長孔153aに挿通し、雌ねじ孔153bにねじ部152aをねじ込むことにより、固定ナット153を脚部152に取り付ける。そして、本体部151のストッパ部152cをレール141の開口部142からレール溝143に挿入する。
【0134】
そして、図27(a)に示すように、本体部151を90度回転させ、図27(b)に示すように、ストッパ部152cが開口部142の開口端部に引っ掛かるようにする。この時点では、固定ナット153がねじ部152aに締め付けられておらず、ストッパ部153cと開口部142の開口端部との間に隙間がある。よって、本体部151は、レール溝143に沿ってスライドし、任意の位置へ移動できる。
【0135】
そして、図28に示すように、固定ナット153を回転させ、雌ねじ孔153bとねじ部152aのねじ送りによって本体部151を上昇させる。ストッパ部152cがレール141の内壁に押し付けられて固定ナット153との間で開口部142の開口端部を挟持すると、固定ナット153が回転しなくなる。これにより、本体部151がレール141に固定され、スライドできなくなる。
【0136】
このようにレール141に固定した本体部151に第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112の接続部111a,112aの接続部分を配置し、連結部132の係止爪部132fを本体部151の掛止部131fに係止させて連結部132を本体部151に固定する。これにより、接続部111a,112aの接続部分が支持媒体130を介してレール141に支持されるようになる。
【0137】
図29は、流体機器の接続部分を取付孔162を有する板状フレーム161に取り付けた状態を示す外観斜視図である。図30は、図29に示す流体機器取付構造の分解斜視図である。
板状フレーム161は、樹脂を材質とする長い板状のものであり、複数の取付孔162が等間隔に幅方向と長手方向に形成されている。支持媒体130の本体部171は、4個の脚部172が真下に突出するように立設されている。脚部172は、取付孔162の間隔に対応して等間隔に設けられている。脚部172は、取付孔162より大径の大径部172aと、大径部172aより小径で取付孔162に挿通できる取付軸部172bとを有する。取付軸部172bの外周面には雄ねじが形成され、固定ナット173が螺合されるようになっている。
【0138】
このような本体部171は、取付軸部172bを板状フレーム161の取付孔162にそれぞれ貫き通し、大径部172aを板状フレーム161に突き当てる。そして、板状フレーム161から突き出す取付軸部172bに固定ナット173をそれぞれ締め付け、本体部171を板状フレーム161に固定する。
【0139】
このように板状フレーム161に固定した本体部171に第1及び第2エアオペレイトバルブ111,112の接続部111a,112aの接続部分を配置し、連結部132の係止爪部132fを本体部171の掛止部131fに係止させて連結部132を本体部171に固定する。これにより、接続部111a,112aの接続部分が支持媒体130を介して板状フレーム161に支持されるようになる。
【0140】
よって、本実施形態の流体機器取付構造110によれば、支持媒体130の本体部131をレール141用の本体部151や板状フレーム161用の本体部171に交換するだけで、支持媒体130を支持フレーム33だけでなくレール141や板状フレーム161に取り付けて接続部111a,112aの接続部分をレール141や板状フレーム161に支持させることが可能である。このように、支持媒体130の連結部132を本体部131,151,171に共通して使用し、異なる種類のフレームに接続部111a,112aの接続部分を支持させることができるので、フレームの種類別に支持媒体を設計する必要がなく、部品点数を減らすことができる。
【0141】
ところで、洗浄処理ユニット1103のように狭い隙間に流体機器を配置する場合、空きスペースの関係上、例えば図21に示すように、全ての流体機器の接続部分を支持体31に取り付けるとは限らない。支持媒体130が取り付けられない流体機器の接続部分は、流体機器の重さや外力によって撓みやすい。そのため、本実施形態の流体機器取付構造110では、補強部材181を用いて流体機器の接続部分を補強するようにしている。
【0142】
図31は、図21に示す補強部材181による補強構造の断面図である。
補強部材181は、連結部132(第1部品の一例)を本体部182(第2部品の一例)に係合させて構成されている。本体部182は、脚部131iを備えないこと、及び、載置部131a,131bに本体側突起部182a,182b(第2部品側突起部の一例)を突設したこと、及び、本体部182に窓部182cを設けたことを除いて、支持媒体130の支持体131と同様に載置部131a,131b、載置面131c,131d、本体側結合部131e(第2部品側結合部の一例)、掛止部131f(第2掛止部の一例)、挿通孔131g、空隙部131hを有する。補強部材181は、本体部182に脚部131iを設けないことにより設置スペースが小さくされているので、支持フレーム33を配置できないような狭い場所でも流体機器の接続部分のみを補強することが可能である。
【0143】
このような補強部材181は、例えば図21及び図31に示すように、連結部132の係止爪部132f(第2係止爪部の一例)を本体部182の掛止部131fに設けられた挿通孔131gに挿通して掛止部131fに引っ掛けるようにして係止させ、連結部132の連結側突起部132a,132b(一対の第1部品側突起部の一例)と本体部182の本体側突起部182a,182bを接続部112a,113aの外周面112i,113iに接触させた状態で第2エアオペレイトバルブ112の取付溝112fと第3エアオペレイトバルブ113の取付溝113fに配置する。これにより、補強部材181は、接続部112a,113aに対して位置決めされた状態で装着される。ここで、補強部材181は、本体部182と連結部132の空隙部131h、132hによって形成される空間や、本体部182と連結部132の窓部182c,132gにより、連結部120の延設部28a,29aを任意の方向へ向けた状態で接続部112a,113aに装着することができる。
【0144】
第2及び第3エアオペレイトバルブ112,113の接続部112a,113aの接続部分には、第2及び第3エアオペレイトバルブ112,113の自重や外力によって、接続部112a,113aの接続部分を支点として撓む力が作用することがある。しかし、接続部112a,113aの接続部分に装着された補強部材181は、連結側突起部132a,132bが連結側結合部132e(第1部品側結合部の一例)により結合されて一体化されると共に、本体側突起部182a,182bが本体側結合部131eにより結合されて一体化されているため、曲げやねじれに対する強度が強い。そのため、接続部112a,113aの接続部分に撓む力が作用しても、連結側突起部132a,132bの位置関係と本体側連結部131a,131bの位置関係がずれず、接続部112a,113aの撓みが防止される。よって、本実施形態の流体機器取付構造110によれば、例えば、第2及び第3エアオペレイトバルブ112,113の接続部分のように、支持体31に支持されない流体機器の接続部分がある場合でも、その接続部分に補強部材181を装着して当該接続部分の強度を補強することにより、当該接続部分の撓みを防止してシール力の低下を防ぐことができる。
【0145】
また、本実施形態の流体機器取付構造110では、補強部材181が支持媒体130と共通の連結部132を本体部182に係合させることにより構成されるため、補強部材181と支持媒体130とで部品を共通化し、コストダウンを図ることができる。
【0146】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
(1)例えば、上記実施形態では、保持フレームの外周面に凹部を軸線方向に沿って設け、保持フレームに支持フレームを連結する部材の内周面に凹部に嵌合する凸部を設け、支持フレームの高さを調整できるようにしても良い。逆に、保持フレームの外周面に凸部を軸線方向に沿って設け、保持フレームに支持フレームを支持する部材の内周面に凸部に嵌合する凹部を設け、支持フレームの高さを調整するようにしても良い。
【0147】
(2)例えば、支持媒体は、単品で流体機器を支持体に取り付けられるように、流体機器の下面に当接する座面を有し、その座面の両側に延設部41c,41cを立設させて連結部42を延設部41c,41cに設けても良い。
【0148】
(3)上記実施形態では、支持媒体34を支持フレーム33に着脱可能にしたが、支持媒体34と支持フレーム33とを一体に設けてもよい。
(4)上記実施形態では、支持フレーム33と保持フレーム32を樹脂製パイプで設けたが、棒材や角材などで支持フレーム33や保持フレーム32を構成してもよい。
(5)上記実施形態では、係止爪部42aを本体部41の挿通孔41fに挿通して本体部41,111に係止させたが、ピンなどを用いて連結部42を本体部41,111に係止させてもよい。また、上記実施形態では、嵌合凹部41gに嵌合片42bを嵌合させて連結部42を本体部41に回動可能に保持させたが、連結部42の一端と本体部41,111とを回転軸で係合させてヒンジを構成し、連結部42を本体部41,111に回動可能に保持させてもよい。
(6)上記第4実施形態では、取付溝112f,113fに配置される連結側突起部131a,131bを連結部131に設け、取付溝112f,113fに配置される本体側突起部182a,182bを本体部182に設けたが、取付溝112f,113fに配置される一対の突起部は、連結部131と本体部182の何れか一方のみに設けても良い。
(7)上記第4実施形態では、板状フレーム161の厚さに臨機応変に対応できるように、本体部171の脚部172に雄ねじを形成して固定ナット173を締め付けることにより、支持媒体130を板状フレーム161に取り付けた。これに対して、例えば、板状フレーム161の板厚が一定の場合等には、脚部172の所定位置にワッシャを取り付けるための環状溝や固定ピンを取り付けるためのピン孔を形成し、板状フレーム161の取付孔162に挿通した脚部172にワッシャや固定ピンなどを取り付けることにより、支持媒体130を板状フレーム161に取り付けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0149】
5,90,100,110 流体機器取付構造
6 シール部材
11〜12,21〜25,71〜77,101,111〜114 流体機器
11a〜12a,21a〜25a,71a〜77a,101a,111a〜113a 接続部
11f〜12f,21f〜25f,71f〜77f,101f,111f〜113f 取付溝
31、91 支持体
32,94 保持フレーム(フレーム)
33,96 支持フレーム(フレーム)
34,110,130 支持媒体
35,86,87 位置調整部材
41,111 本体部
42 連結部
50 引き寄せ治具
131,151,171,182 本体部
132 連結部
131f 掛止部(第1,第2掛止部)
132a,132b 連結側突起部(第1,第2連結側突起部、一対の第1部品側突起部)
132e 連結側結合部(第1部品側結合部)
132f 係止爪部(第1,第2係止爪部)
141 レール(支持体、フレーム)
161 板状フレーム(支持体、フレーム)
181 補強部材
182 本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体機器と第2流体機器と、前記第1流体機器と第2流体機器が取り付けられる支持体とを有する流体機器取付構造において、
前記第1及び前記第2流体機器は、外周面に取付溝が設けられた同一形状の第1及び第2接続部を有し、
前記支持体は、前記取付溝に着脱可能に取り付けられ、前記第1及び第2接続部の接続部分を前記支持体に支持させる支持媒体を有する
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項2】
第1流体機器と第2流体機器と、前記第1流体機器と第2流体機器が取り付けられる支持体とを有する流体機器取付構造において、
前記第1流体機器は、外周面に取付溝を形成された接続部を有し、
前記第2流体機器は、前記接続部に着脱可能に接続する配管であり、
前記支持体は、前記取付溝に取り付けられ、前記接続部と前記配管との接続部分を前記支持体に支持させる支持媒体を有する
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する流体機器取付構造において、
前記支持媒体は、
前記支持体に装着される本体部と、
前記取付溝に嵌合した状態で前記本体部に係止される連結部と、を有する
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載する流体機器取付構造において、
前記支持媒体は前記支持体に着脱可能に装着される
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載する流体機器取付構造において、
前記連結部は、ベルト状をなし、一端が前記本体部に回動可能に保持され、他端が前記本体部に着脱可能に係合されている
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載する流体機器取付構造において、
前記連結部は、前記第1接続部の外周面に接触した状態で前記第1接続部の前記取付溝に配置される第1連結側突起部と、前記第2接続部の外周面に接触した状態で前記第2接続部の前記取付溝に配置される第2連結側突起部と、前記第1連結側突起部と前記第2連結側突起部を結合させる連結側結合部と、前記本体部に係止される複数の第1係止爪部と、を有し、
前記本体部は、前記第1係止爪部に対応して設けられ前記第1係止爪部を引っ掛けて係止する複数の第1掛止部と、前記支持体に装着される脚部と、を有する
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項7】
請求項6に記載する流体機器取付構造において、
前記支持体は、支持棒、レール溝を備えるレール、取付孔が複数形成された板状フレームの何れかに前記支持媒体を取り付けられ、
前記支持媒体は、
前記脚部を前記支持棒を挟むように複数立設して各脚部に前記支持棒の外周に密着する凹部を形成した支持棒用本体部と、前記脚部を前記レール溝に挿入可能に立設して前記脚部を前記レールに固定するレール用本体部と、前記脚部を前記取付孔に挿入可能に複数立設した取付フレーム用本体部の何れかを含み、
前記支持用本体部と前記レール用本体部と前記取付フレーム用本体部の何れにも前記連結部を着脱可能に係止させることが可能である
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載する流体機器取付構造において、
前記支持体は、複数のフレームを格子状に組み合わせたものであり、
前記フレームが前記流体機器の接続部分を前記支持媒体を介して支持している
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項9】
請求項8に記載する流体機器取付構造において、
前記フレームは、前記支持媒体を介して前記接続部分を支持する支持フレームと、前記支持フレームを保持する保持フレームとを含み、
前記支持フレームの両端部に取り付けられ、前記支持フレームを前記保持フレームに対して位置決め固定する位置調整部材を有する
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載する流体機器取付構造において、
前記取付溝は、前記流体機器同士を引き寄せて接続する引き寄せ治具が取り付けられるものである
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10の何れか1つに記載する流体機器取付構造において、
前記フレームは中空部を備えるパイプであって、配線と配管の少なくとも一方を前記中空部へ収納するための収納孔を有する
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11の何れか1つに記載する流体機器取付構造において、
流体機器の接続部同士を接続する接続部分に装着される補強部材を有し、
前記補強部材は、前記接続部分を挟んで配置される第1部品と第2部品を有し、
前記第1部品は、各流体機器の接続部の外周面に接触した状態で前記接続部に形成された取付溝に配置される一対の第1部品側突起部と、前記一対の第1部品側突起部を結合する第1部品側結合部と、前記第2部品に係止される複数の第2係止爪部と、を有し、
前記第2部品は、前記第2係止爪部に対応して設けられ前記第2係止爪部を引っ掛けて係止する複数の第2掛止部を有する
ことを特徴とする流体機器取付構造。
【請求項13】
請求項12に記載する流体機器取付構造において、
前記第1部品は、前記支持媒体の前記連結部と同一形状であって、前記一対の第1部品側突起部が前記第1及び前記第2連結側突起部を構成し、前記第1部品側結合部が前記連結側結合部を構成し、前記第2係止爪部が前記第1係止爪部を構成する
ことを特徴とする流体機器取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2009−264587(P2009−264587A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90529(P2009−90529)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】