説明

流体管

【課題】 接続部を長くすることなく、安定して接続することができる流体管を提供する。
【解決手段】 流体管2は、長手方向に沿って内外が凹凸状に連続形成された波付部3と、接続対象1が挿入される接続部4とが、長手方向に交互に並んで形成される。接続部4は、二種類以上の接続対象1、1の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上の平滑部5、5を有する。そして、それら平滑部5、5のうちの内径が最小となる最小平滑部5aは、前記波付部3と並ぶように位置する。そこで、波付部3における、最小平滑部5aと隣接する部分は、その内面の凸部3bの内径D31が、最小平滑部5aの内径D51と等しく形成されて、最小平滑部5aに挿入される接続対象1がその最小平滑部5aに続いて挿入される、挿し込み代3aとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、波付部と接続部とが交互に並ぶ流体管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流体管として、可撓性を有する波付ホースがあった(例えば、特許文献1参照)。この波付ホースは、所定長さごとに平滑な周面を有する環状の凸状部が設けられていた。そこで、この波付ホースは、切断の際に、凸状部の一端部から切断することで、その凸状部側が、水道の蛇口等の接続対象に接続するための接続部となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭43−14914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の波付ホースにあっては、接続部は、安定した接続のために十分な長さを必要とし、その一方で、接続部が長いとホースの可撓性を損ねる虞があった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、接続部を長くすることなく、安定して接続することができる流体管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る流体管は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る流体管は、長手方向に沿って内外が凹凸状に連続形成された波付部と、接続対象が挿入される接続部とが、前記長手方向に交互に並ぶ流体管である。ここで、前記接続部は、二種類以上の前記接続対象の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上の平滑部を有し、かつ、それら平滑部が連続して並ぶ。そこで、前記接続部における前記平滑部のうちの一方側に位置する平滑部が第1平滑部となり、前記波付部における、前記第1平滑部と隣接する部分は、その内面の凸部の内径が前記第1平滑部の内径と等しく形成されて、前記第1平滑部に挿入される前記接続対象がその第1平滑部に続いて挿入される、挿し込み代となる。
【0007】
この流体管によると、接続部は、二種類以上の接続対象の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上の平滑部を有している。したがって、接続対象の外径に対応する内径の平滑部が端部に位置するように、流体管を切断することで、その平滑部が、目的の接続対象が挿入される挿入部となる。そして、この平滑部が第1平滑部の場合には、接続対象は、その第1平滑部に続いて、波付部における内面の凸部の内径が第1平滑部の内径と等しく形成された挿し込み代に挿入される。したがって、第1平滑部以外に、波付部における挿し込み代が、接続対象が挿入される挿入部となり、このため、第1平滑部、ひいては接続部を長くすることなく、この流体管を接続対象に安定して接続することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る流体管は、請求項1に記載の流体管であって、前記接続部における前記平滑部のうちの他方側に位置する平滑部が第2平滑部となり、前記波付部における、前記第2平滑部と隣接する部分は、その内面の凸部の内径が前記第2平滑部の内径と等しく形成されて、前記第2平滑部に挿入される前記接続対象がその第2平滑部に続いて挿入される、他の挿し込み代となる。これにより、接続対象が挿入される平滑部が第2平滑部の場合には、接続対象は、その第2平滑部に続いて、波付部における内面の凸部の内径が第2平滑部の内径と等しく形成された他の挿し込み代に挿入される。したがって、第2平滑部以外に、波付部における他の挿し込み代が、接続対象が挿入される挿入部となり、このため、第2平滑部を長くすることなく、この流体管を接続対象に安定して接続することができる。また、こうして、第1平滑部に加えて第2平滑部を長くする必要がないことから、接続部の長さを確実に短くすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る流体管は、請求項1に記載の流体管であって、前記波付部において前記挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径は、前記挿し込み代の内面の凸部の内径よりも大きくなっている。このように、波付部において、挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径を、挿し込み代の内面の凸部の内径よりも大きくすることで、波付部における流体の流れを円滑にすることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る流体管は、請求項1に記載の流体管であって、前記波付部において前記挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径は、前記挿し込み代の内面の凸部の内径よりも小さくなっている。このように、波付部において、挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径を、挿し込み代の内面の凸部の内径よりも小さくすることで、第1平滑部に続いてこの挿し込み代に挿入される接続対象の過剰な挿し込みを防ぐことができ、ひいては、波付部の可撓性を不必要に損なうことがない。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る流体管によれば、第1平滑部以外に、波付部における挿し込み代が、接続対象が挿入される挿入部となるため、第1平滑部、ひいては接続部を長くすることなく、この流体管を接続対象に安定して接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の第一の実施の形態の、流体管の一部破断正面図である。
【図2】同じく、流体管の最小平滑部および挿し込み代に接続対象を挿入した状態を示す、一部破断正面図である。
【図3】同じく、流体管の中間平滑部に接続対象を挿入した状態を示す、一部破断正面図である。
【図4】同じく、流体管どうしを連結した状態を示す、一部破断正面図である。
【図5】この発明の第二の実施の形態の、流体管の一部破断正面図である。
【図6】同じく、流体管の最大平滑部および挿し込み代に接続対象を挿入した状態を示す、一部破断正面図である。
【図7】同じく、流体管の中間平滑部に接続対象を挿入した状態を示す、一部破断正面図である。
【図8】同じく、流体管どうしを連結した状態を示す、一部破断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明に係る流体管を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図4は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、接続対象であって、例えばエアコン設備に設けられたドレン用の排水口等からなる。2は、流体管であって、例えばエアコン設備からのドレン(排水)を室外に排出するためのドレンホース等からなる。
【0015】
この流体管2は、長手方向に沿って内外が凹凸状に連続形成された波付部3と、前記接続対象1(詳細には、接続対象1における先端部分の被挿入部1a)が挿入される接続部4とが、前記長手方向に交互に並んで形成されている。ここで、接続部4は、二種類以上の接続対象1、1の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上の平滑部5、5を有し、かつ、それら平滑部5、5が連続して並んでいる。そこで、接続部4における平滑部5、5のうちの一方側に位置する平滑部5が第1平滑部51となり、波付部3における、第1平滑部51と隣接する部分は、その内面の凸部3bの内径D31が、第1平滑部51の内径D51と等しく形成されて、第1平滑部51に挿入される接続対象1がその第1平滑部51に続いて挿入される、挿し込み代3aとなる。
【0016】
また、前記二種類以上の平滑部5、5において、第1平滑部51は、他の平滑部5よりも前記長手方向に幅狭に形成されている。つまり、他の平滑部5は、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができるだけの長さ(前記長手方向の幅)を有しているのに対し、第1平滑部51は、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができるだけの長さ(前記長手方向の幅)を有しておらず、それを補う意味で、前記挿し込み代3aが設けられる。
【0017】
そして、波付部3において、挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32は、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも大きく形成されている。
【0018】
具体的には、流体管2は、合成樹脂製であって、前記接続部4が、流体管2の長手方向に、例えば50cmピッチとか1mピッチで配置され、それら接続部4、4間が前記波付部3となっている。
【0019】
接続部4は、三種類の接続対象1、1の外径に対応するように、内径の異なる三種類の平滑部5、5を有する。すなわち、三種類の平滑部5、5は、内径が最小となる最小平滑部5aと、内径が中間の中間平滑部5bと、内径が最大となる最大平滑部5cとからなる。そして、接続部4において、最小平滑部5aと最大平滑部5cとが両側にあって、波付部3、3と並ぶように位置し、中間平滑部5bが、最小平滑部5aと最大平滑部5cとに挟まれるように位置する。つまり、図1において、左から右に向かって、内径が順に大きくなるように、最小平滑部5a、中間平滑部5b、最大平滑部5cの順に並んでいる。そこで、ここにおける最小平滑部5aが前記第1平滑部51となる。
【0020】
波付部3においては、最小平滑部5a(第1平滑部51)に続く、内面の凸部3b六個分が前記挿し込み代3aとなり、その内面の凸部3bの内径D31(つまりは、挿し込み代3aの内径)が、前述したように第1平滑部51となる最小平滑部5aの内径D51と等しく形成される。そして、波付部3において、挿し込み代3aを除いた部分3cは、その内面の凸部3dの内径D32(つまりは、挿し込み代3aを除いた部分3cの内径)は、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31(つまりは、挿し込み代3aの内径)より僅かに大きく形成される。ただし、図示実施の形態においては、波付部3における外面の凸部3eの外径D33(つまりは、波付部3の外径)は、挿し込み代3aと、挿し込み代3aを除いた部分3cとで、同一に形成されている。
【0021】
ここにおいて、図2は、最小平滑部5a(第1平滑部51)および挿し込み代3aに接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入されることで、この流体管2が接続対象1に接続された状態を示す。ここで、流体管2は、最小平滑部5aおよび挿し込み代3aが端部に位置するように、最小平滑部5aにおける中間平滑部5bとの境界部分で切断されている。そして、被挿入部1aは、接続対象1の先端部分において、径がしぼられるように段付形成されており、この被挿入部1aが、最小平滑部5aから挿し込み代3aに渡って挿入される。
【0022】
また、図3は、中間平滑部5bに接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入されることで、この流体管2が接続対象1に接続された状態を示す。ここで、流体管2は、中間平滑部5bが端部に位置するように、中間平滑部5bのいずれか一方側(図示実施の形態においては、中間平滑部5bにおける最大平滑部5cとの境界部分)で切断される。また、図示を省略するが、流体管2は、最大平滑部5cが端部に位置するように、最大平滑部5cのいずれか一方側で切断されて、その最大平滑部5cに接続対象1が挿入されることで、この流体管2が接続対象1に接続されてもよい。
【0023】
また、図4は、流体管2、2どうしが連結された状態を示す。ここで、一方の流体管2(左側の流体管2)は、中間平滑部5bが端部に位置するように、その中間平滑部5bにおける最大平滑部5cとの境界部分で切断される。そして、もう一方の流体管2(右側の流体管2)は、最大平滑部5cが端部に位置するように、その最大平滑部5cにおける中間平滑部5bとの境界部分で切断される。そこで、一方の流体管2の中間平滑部5bがもう一方の流体管2の最大平滑部5cに挿入されることで、これら流体管2、2は、連結される。このとき、中間平滑部5bの外周面には、被係止部としての突起4aが形成されており、最大平滑部5cの内周面には、その突起4aが係合する、係止部としての溝4bが形成されている。こうして、突起4aが溝4bに係合することで、突起4aは、溝4bに係止され、一方の流体管2は、もう一方の流体管2に対して抜け止めされる。そして、このように、流体管2、2どうしを連結することができることから、流体管2の長さが足りない場合であっても、その流体管2を他の流体管2と連結して有効に利用することができる。なお、図示実施の形態においては、中間平滑部5bの外径D5bは、最大平滑部5cの内径D5cよりも若干大きく形成されており、中間平滑部5bは、最大平滑部5cに圧入されるようにして挿入される。
【0024】
次に、この第一の実施の形態における流体管2の作用効果について説明する。この流体管2によると、接続部4は、二種類以上(図示実施の形態においては、三種類)の接続対象1、1の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上(図示実施の形態においては、三種類)の平滑部5(5a、5b、5c)を有している。したがって、接続対象1の外径に対応する内径の平滑部5が端部に位置するように、流体管2を切断することで、その平滑部5が、目的の接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入される挿入部となる。そして、この平滑部5が最小平滑部5a(第1平滑部51)の場合には、接続対象1は、その最小平滑部5a(第1平滑部51)に続いて、波付部3における内面の凸部3bの内径D31が最小平滑部5a(第1平滑部51)の内径D51と等しく形成された挿し込み代3aに挿入される。したがって、最小平滑部5a(第1平滑部51)以外に、波付部3における挿し込み代3aが、接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入される挿入部となる。このため、最小平滑部5a(第1平滑部51)、ひいては接続部4を長くすることなく、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができる。
【0025】
また、接続部4における最小平滑部5a(第1平滑部51)を、他の平滑部5(5b、5c)よりも長手方向に幅狭に形成することで、接続部4の長さを短くすることができる。そして、接続部4の長さを短くすることで、相対的に波付部3の長さを長くすることができ、これにより、この流体管2の、波付部3による可撓性を向上させることができる。
【0026】
また、波付部3において、挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32を、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも大きく形成することで、波付部3における流体の流れを円滑にすることができる。
【0027】
また、挿し込み代3aの長さは、接続対象1における被挿入部1aの長さ以上となっており、最小平滑部5a(第1平滑部51)をその中間位置で切断した場合であっても、被挿入部1aの全体を、最小平滑部5aと挿し込み代3aとに挿入することができる。
【0028】
図5〜図8は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態と比較すると、流体管2の波付部3における挿し込み代3aが、最小平滑部5a側ではなく、最大平滑部5c側に位置する、つまり最大平滑部5cが第1平滑部51となるが、他はほぼ同様であり、以下に、同様の部位には同一の符号を付して説明する。
【0029】
接続対象1は、第一の実施の形態と同様に、例えばエアコン設備に設けられたドレン用の排水口等からなる。そして、流体管2もまた、第一の実施の形態と同様に、例えばエアコン設備からのドレン(排水)を室外に排出するためのドレンホース等からなる。
【0030】
この流体管2は、長手方向に沿って内外が凹凸状に連続形成された波付部3と、接続対象1(詳細には、接続対象1における先端部分の被挿入部1a)が挿入される接続部4とが、前記長手方向に交互に並んで形成されている。ここで、接続部4は、二種類以上の接続対象1、1の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上の平滑部5、5を有し、かつ、それら平滑部5、5が連続して並んでいる。そこで、接続部4における平滑部5、5のうちの一方側に位置する平滑部5が第1平滑部51となり、波付部3における、第1平滑部51と隣接する部分は、その内面の凸部3bの内径D31が、第1平滑部5cの内径D51と等しく形成されて、第1平滑部51に挿入される接続対象1がその第1平滑部5cに続いて挿入される、挿し込み代3aとなる。
【0031】
また、前記二種類以上の平滑部5、5において、第1平滑部51は、他の平滑部5よりも前記長手方向に幅狭に形成されている。つまり、他の平滑部5は、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができるだけの長さ(前記長手方向の幅)を有しているのに対し、第1平滑部51は、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができるだけの長さ(前記長手方向の幅)を有しておらず、それを補う意味で、前記挿し込み代3aが設けられる。
【0032】
そして、波付部3において、挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32は、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも小さく形成されている。
【0033】
具体的には、流体管2は、合成樹脂製であって、前記接続部4が、流体管2の長手方向に、例えば50cmピッチとか1mピッチで配置され、それら接続部4、4間が前記波付部3となっている。
【0034】
接続部4は、三種類の接続対象1、1の外径に対応するように、内径の異なる三種類の平滑部5、5を有する。すなわち、三種類の平滑部5、5は、内径が最小となる最小平滑部5aと、内径が中間の中間平滑部5bと、内径が最大となる最大平滑部5cとからなる。そして、接続部4において、最小平滑部5aと最大平滑部5cとが両側にあって、波付部3、3と並ぶように位置し、中間平滑部5bが、最小平滑部5aと最大平滑部5cとに挟まれるように位置する。つまり、図5において、右から左に向かって、内径が順に大きくなるように、最小平滑部5a、中間平滑部5b、最大平滑部5cの順に並んでいる。そこで、ここにおける最大平滑部5cが前記第1平滑部51となる。
【0035】
波付部3においては、最大平滑部5c(第1平滑部51)に続く、内面の凸部3b六個分が前記挿し込み代3aとなり、その内面の凸部3bの内径D31(つまりは、挿し込み代3aの内径)が、前述したように第1平滑部51となる最大平滑部5cの内径D51と等しく形成される。そして、波付部3において、挿し込み代3aを除いた部分3cは、その内面の凸部3dの内径D32(つまりは、挿し込み代3aを除いた部分3cの内径)は、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31(つまりは、挿し込み代3aの内径)より若干小さく形成される。ただし、図示実施の形態においては、波付部3における外面の凸部3eの外径D33(つまりは、波付部3の外径)は、挿し込み代3aと、挿し込み代3aを除いた部分3cとで、同一に形成されている。
【0036】
ここにおいて、図6は、最大平滑部5c(第1平滑部51)および挿し込み代3aに接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入されることで、この流体管2が接続対象1に接続された状態を示す。ここで、流体管2は、最大平滑部5cおよび挿し込み代3aが端部に位置するように、最大平滑部5cにおける中間平滑部5bとの境界部分で切断されている。そして、被挿入部1aは、接続対象1の先端部分において、径がしぼられるように段付形成されており、この被挿入部1aが、最大平滑部5cから挿し込み代3aに渡って挿入される。
【0037】
また、図7は、中間平滑部5bに接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入されることで、この流体管2が接続対象1に接続された状態を示す。ここで、流体管2は、中間平滑部5bが端部に位置するように、中間平滑部5bのいずれか一方側(図示実施の形態においては、中間平滑部5bにおける最小平滑部5aとの境界部分)で切断される。また、図示を省略するが、流体管2は、最小平滑部5aが端部に位置するように、最小平滑部5aのいずれか一方側で切断されて、その最小平滑部5aに接続対象1が挿入されることで、この流体管2が接続対象1に接続されてもよい。
【0038】
また、図8は、流体管2、2どうしが連結された状態を示す。ここで、一方の流体管2(右側の流体管2)は、中間平滑部5bが端部に位置するように、その中間平滑部5bにおける最大平滑部5cとの境界部分で切断される。そして、もう一方の流体管2(左側の流体管2)は、最大平滑部5cが端部に位置するように、その最大平滑部5cにおける中間平滑部5bとの境界部分で切断される。そこで、一方の流体管2の中間平滑部5bがもう一方の流体管2の最大平滑部5c(図示実施の形態においては、最大平滑部5cおよび挿し込み代3a)に挿入されることで、これら流体管2、2は、連結される。このとき、中間平滑部5bの外周面には、被係止部としての突起4aが形成されており、最大平滑部5cの内周面には、その突起4aが係合する、係止部としての溝4bが形成されている。こうして、突起4aが溝4bに係合することで、突起4aは、溝4bに係止され、一方の流体管2は、もう一方の流体管2に対して抜け止めされる。そして、このように、流体管2、2どうしを連結することができることから、流体管2の長さが足りない場合であっても、その流体管2を他の流体管2と連結して有効に利用することができる。なお、図示実施の形態においては、中間平滑部5bの外径D5bは、最大平滑部5c(第1平滑部51)の内径D51および挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも若干大きく形成されており、中間平滑部5bは、最大平滑部5c(図示実施の形態においては、最大平滑部5cおよび挿し込み代3a)に圧入されるようにして挿入される。
【0039】
次に、この第二の実施の形態における流体管2の作用効果について説明する。この流体管2によると、接続部4は、二種類以上(図示実施の形態においては、三種類)の接続対象1、1の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上(図示実施の形態においては、三種類)の平滑部5(5a、5b、5c)を有している。したがって、接続対象1の外径に対応する内径の平滑部5が端部に位置するように、流体管2を切断することで、その平滑部5が、目的の接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入される挿入部となる。そして、この平滑部5が最大平滑部5c(第1平滑部51)の場合には、接続対象1は、その最大平滑部5c(第1平滑部51)に続いて、波付部3における内面の凸部3bの内径D31が最大平滑部5c(第1平滑部51)の内径D51と等しく形成された挿し込み代3aに挿入される。したがって、最大平滑部5c(第1平滑部51)以外に、波付部3における挿し込み代3aが、接続対象1(詳細には、被挿入部1a)が挿入される挿入部となる。このため、最大平滑部5c(第1平滑部51)、ひいては接続部4を長くすることなく、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができる。
【0040】
また、接続部4における最大平滑部5c(第1平滑部51)を、他の平滑部5(5a、5b)よりも長手方向に幅狭に形成することで、接続部4の長さを短くすることができる。そして、接続部4の長さを短くすることで、相対的に波付部3の長さを長くすることができ、これにより、この流体管2の、波付部3による可撓性を向上させることができる。
【0041】
また、波付部3において、挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32を、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも小さく形成することで、最大平滑部5c(第1平滑部51)に続いてこの挿し込み代3aに挿入される接続対象1(例えば段が設けられず真っ直ぐ形成されているような接続対象)の過剰な挿し込みを防ぐことができ、ひいては、波付部3の可撓性を不必要に損なうことがない。
【0042】
また、挿し込み代3aの長さは、接続対象1における被挿入部1aの長さ以上となっており、最大平滑部5c(第1平滑部51)をその中間位置で切断した場合であっても、被挿入部1aの全体を、最大平滑部5cと挿し込み代3aとに挿入することができる。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、流体管2は、エアコン設備の排水を排出するドレンホースに限らず、蒸気を用いる機械においてその蒸気が凝結した水を排出するドレーンホースであってもよく、さらには、ドレーンホースでなくとも、広く流体が通るものであれば、どのようなものでもよい。
【0044】
また、流体管2の波付部3は、長手方向に沿って内外が凹凸状に連続形成されるものであればよく、リングからなる凸状部と凹状部が長手方向に並ぶものに限らず、凸状部と凹状部が螺旋を描いて形成されるものでもよい。
【0045】
また、接続部4は、三種類の接続対象1、1の外形に対応するように、内径の異なる三種類の平滑部5、5を有するが、二種類の接続対象1、1の外形に対応するように、内径の異なる二種類の平滑部5、5を有してもよく、また、四種類以上の接続対象1、1の外形に対応するように、内径の異なる四種類以上の平滑部4、4を有してもよい。また、これら平滑部5、5の並び順は、特に限定されず、例えば、中間平滑部5bが、接続部4の一方側に設けられても構わない。また、これら二種類以上の平滑部5、5のうちの、一種類あるいは複数種類の平滑部5は、接続部4において、複数の位置に配置されてもよい。つまり、一つの接続部4につき、同一の内径を有する平滑部5が、複数設けられても構わない。
【0046】
また、第1の実施の形態において、波付部3における外面の凸部3eの外径D33(つまりは、波付部3の外径)は、挿し込み代3aと、挿し込み代3aを除いた部分3cとで、同一に形成されなくとも、例えば、挿し込み代3aを除いた部分3cの外径が、挿し込み代3aの外径よりも径大に形成されてもよい。同様に、第2の実施の形態においても、波付部3における外面の凸部3eの外径D33(つまりは、波付部3の外径)は、挿し込み代3aと、挿し込み代3aを除いた部分3cとで、同一に形成される必要はなく、例えば、挿し込み代3aを除いた部分3cの外径が、挿し込み代3aの外径よりも径小に形成されてもよい。
【0047】
また、第一の実施の形態において、接続部4における平滑部5のうちの一方側に位置する最小平滑部5aが第1平滑部51となり、波付部3における、最小平滑部5a(第1平滑部51)と隣接する部分は、その内面の凸部3bの内径D31が最小平滑部5aの内径D51と等しく形成されて、最小平滑部5aに挿入される接続対象1がその最小平滑部5aに続いて挿入される、挿し込み代3aとなっているが、これに加えて、接続部4における平滑部5、5のうちの他方側に位置する平滑部5、つまり最大平滑部5cが第2平滑部となり、波付部3における、最大平滑部5c(第2平滑部)と隣接する部分は、その内面の凸部の内径が最大平滑部5cの内径D5cと等しく形成されて、最大平滑部5cに挿入される接続対象1がその最大平滑部5cに続いて挿入される、他の挿し込み代となってもよい。これにより、接続対象1が挿入される平滑部5が最大平滑部5c(第2平滑部)の場合には、接続対象1は、その最大平滑部5cに続いて、波付部3における内面の凸部の内径が最大平滑部5cの内径D5cと等しく形成された他の挿し込み代に挿入される。したがって、最大平滑部5c(第2平滑部)以外に、波付部3における他の挿し込み代が、接続対象1が挿入される挿入部となり、このため、最大平滑部5cを長くすることなく、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができる。また、こうして、最小平滑部5a(第1平滑部51)に加えて最大平滑部5c(第2平滑部)を長くする必要がないことから、接続部4の長さを確実に短くすることができる。
【0048】
また、このように、第1平滑部51の他に第2平滑部を設けた場合には、波付部3において挿し込み代3aおよび前記他の挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径が、挿し込み代3aおよび前記他の挿し込み代の内面の凸部の内径よりも大きく形成されてもよい。こうして、波付部3において、挿し込み代3aおよび他の挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径を、挿し込み代3aおよび他の挿し込み代の内面の凸部の内径よりも大きくすることで、波付部3における流体の流れを円滑にすることができる。
【0049】
また、反対に、第二の実施の形態において、接続部4における平滑部5のうちの一方側に位置する最大平滑部5cが第1平滑部51となり、波付部3における、最大平滑部5c(第1平滑部51)と隣接する部分は、その内面の凸部3bの内径D31が最大平滑部5cの内径D51と等しく形成されて、最大平滑部5cに挿入される接続対象1がその最大平滑部5cに続いて挿入される、挿し込み代3aとなっているが、これに加えて、接続部4における平滑部5、5のうちの他方側に位置する平滑部5、つまり最小平滑部5aが第2平滑部となり、波付部3における、最小平滑部5a(第2平滑部)と隣接する部分は、その内面の凸部の内径が最小平滑部5aの内径と等しく形成されて、最小平滑部5aに挿入される接続対象1がその最小平滑部5aに続いて挿入される、他の挿し込み代となってもよい。これにより、接続対象1が挿入される平滑部5が最小平滑部5a(第2平滑部)の場合には、接続対象1は、その最小平滑部5aに続いて、波付部3における内面の凸部の内径が最小平滑部5aの内径と等しく形成された他の挿し込み代に挿入される。したがって、最小平滑部5a(第2平滑部)以外に、波付部3における他の挿し込み代が、接続対象1が挿入される挿入部となり、このため、最小平滑部5aを長くすることなく、この流体管2を接続対象1に安定して接続することができる。また、こうして、最大平滑部5c(第1平滑部51)に加えて最小平滑部5a(第2平滑部)を長くする必要がないことから、接続部4の長さを確実に短くすることができる。
【0050】
また、このように、第1平滑部51の他に第2平滑部を設けた場合には、波付部3において挿し込み代3aおよび前記他の挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径が、挿し込み代3aおよび前記他の挿し込み代の内面の凸部の内径よりも小さく形成されてもよい。こうして、波付部において、挿し込み代3aおよび他の挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径を、挿し込み代3aおよび他の挿し込み代の内面の凸部の内径よりも小さくすることで、最大平滑部5c(第1平滑部)とか最小平滑部5a(第2平滑部)に続いてこの挿し込み代3aとか他の挿し込み代に挿入される接続対象1の過剰な挿し込みを防ぐことができ、ひいては、波付部3の可撓性を不必要に損なうことがない。
【0051】
さらに、上述した二つの例のように、第1平滑部51の他に第2平滑部を設けた場合であって、例えば、第2平滑部の内径が第1平滑部51の内径D51よりも大きくなるように、各平滑部5、5が並ぶ場合には、波付部3において挿し込み代3aおよび他の挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径が、挿し込み代3aの内面の凸部の内径よりも大きく、かつ、他の挿し込み代の内面の凸部の内径よりも小さく形成されてもよい。こうすることで、波付部3における流体の流れをそれほど損なうことがなく、しかも、第2平滑部に続いて他の挿し込み代に挿入される接続対象1の過剰な挿し込みを防ぐことができる。
【0052】
また、第一の実施の形態において、波付部3での挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32は、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも大きく形成されているが、反対に小さく形成されてもよく、同一に形成されてもよい。ここで、波付部3での挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32が、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも小さく形成される場合には、最小平滑部5a(第1平滑部51)に続いて挿し込み代3aに挿入される接続対象1の過剰な挿し込みを防ぐことができ、ひいては、波付部3の可撓性を不必要に損なうことがない。
【0053】
また、第二の実施の形態において、波付部3での挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32は、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも小さく形成されているが、反対に大きく形成されてもよく、同一に形成されてもよい。ここで、波付部3での挿し込み代3aを除いた部分3cの内面の凸部3dの内径D32が、挿し込み代3aの内面の凸部3bの内径D31よりも大きく形成される場合には、波付部3における流体の流れを円滑にすることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 接続対象
2 流体管
3 波付部
3a 挿し込み代
3b 内面の凸部
D31 内径
3c 挿し込み代を除いた部分
3d 内面の凸部
D32 内径
4 接続部
5 平滑部
51 第1平滑部
D51 内径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って内外が凹凸状に連続形成された波付部と、接続対象が挿入される接続部とが、前記長手方向に交互に並ぶ流体管であって、
前記接続部は、二種類以上の前記接続対象の外径に対応するように、内径の異なる二種類以上の平滑部を有し、かつ、それら平滑部が連続して並び、
前記接続部における前記平滑部のうちの一方側に位置する平滑部が第1平滑部となり、前記波付部における、前記第1平滑部と隣接する部分は、その内面の凸部の内径が前記第1平滑部の内径と等しく形成されて、前記第1平滑部に挿入される前記接続対象がその第1平滑部に続いて挿入される、挿し込み代となることを特徴とする流体管。
【請求項2】
前記接続部における前記平滑部のうちの他方側に位置する平滑部が第2平滑部となり、前記波付部における、前記第2平滑部と隣接する部分は、その内面の凸部の内径が前記第2平滑部の内径と等しく形成されて、前記第2平滑部に挿入される前記接続対象がその第2平滑部に続いて挿入される、他の挿し込み代となることを特徴とする請求項1に記載の流体管。
【請求項3】
前記波付部において前記挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径は、前記挿し込み代の内面の凸部の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の流体管。
【請求項4】
前記波付部において前記挿し込み代を除いた部分の内面の凸部の内径は、前記挿し込み代の内面の凸部の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の流体管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−153667(P2011−153667A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15632(P2010−15632)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】