説明

流動体分配器

【課題】常に一定の量の液体飲料を飲用することができるようにする。
【解決手段】筒状部13を備えた容器本体11と、筒状部13内において着脱自在に配設され、複数の区画体によって筒状部13内を縦方向において区画し、複数の室を形成する区画ユニット31とを有する。各室は、注出部と反対側に形成された連通部を介して連通させらる。筒状部13の底壁17と最も下の区画体との間に形成された室の容積は、他の室の容積より小さく設定され、1回に注出される液体飲料の量を規定する。筒状部13の底壁17と最も下の区画体との間に形成された室の容積が、他の室の容積より小さく設定され、1回に注出される液体飲料の量が規定されるので、常に一定の量の液体飲料を注出することができる。嚥下障害者は常に適量ずつ液体飲料を飲用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動体分配器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水、お茶等の液体飲料が収容された容器においては、縁部に唇を当て、容器を傾けることによって所定の量の液体飲料を飲用することができる。ところが、口に含んだ飲食物を咀嚼(そしゃく)したり、飲み込んだりするのに困難を伴う人、例えば、嚥(えん)下障害者が容器に収容された液体飲料を飲用して容器を傾けた場合、容器内の液体飲料が、嚥下障害者にとって飲み込むことが可能な量を超えて注出されることがあり、その時、飲み込むことができない分の液体飲料が口から溢(あふ)れ、衣服を汚したり、誤嚥したりしてしまうことがある。
【0003】
そこで、柔軟な材料で形成され、容器の本体、すなわち、容器本体の所定の箇所にチューブ状の吸込口が形成された嚥下障害者用の容器が提供されている。該容器においては、嚥下障害者又は介護者が、容器を押しつぶして変形させると、収容された液体飲料が吸込口から吐出される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−302123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の容器においては、容器の変形に伴って液体飲料が吐出されるので、容器を変形させる量によって吐出される液体飲料の量が異なってしまう。また、容器内に収容された液体飲料の量が多いときは吐出される量が多いのに対して、収容された液体飲料の量が少なくなると、吐出される量が少なくなってしまう。
【0005】
したがって、嚥下障害者は常に適量ずつ液体飲料を飲用することができない。
【0006】
本発明は、前記従来の容器の問題点を解決して、常に適量ずつ液体飲料を飲用することができる流動体分配器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の流動体分配器においては、筒状部を備えた容器本体と、前記筒状部内において着脱自在に配設され、複数の区画体によって筒状部内を縦方向において区画し、複数の室を形成する区画ユニットとを有する。
【0008】
そして、前記各室は、注出部と反対側に形成された連通部を介して連通させらる。
【0009】
また、前記筒状部の底壁と最も下の区画体との間に形成された室の容積は、他の室の容積より小さく設定され、1回に注出される液体飲料の量を規定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、流動体分配器においては、筒状部を備えた容器本体と、前記筒状部内において着脱自在に配設され、複数の区画体によって筒状部内を縦方向において区画し、複数の室を形成する区画ユニットとを有する。
【0011】
そして、前記各室は、注出部と反対側に形成された連通部を介して連通させらる。
【0012】
また、前記筒状部の底壁と最も下の区画体との間に形成された室の容積は、他の室の容積より小さく設定され、1回に注出される液体飲料の量を規定する。
【0013】
この場合、筒状部の底壁と最も下の区画体との間に形成された室の容積が、他の室の容積より小さく設定され、1回に注出される液体飲料の量が規定されるので、流動体分配器を傾けるだけで、常に一定の量の液体飲料を注出することができる。
【0014】
したがって、嚥下障害者は常に適量ずつ液体飲料を飲用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、流動体分配器としての嚥下障害者用の容器について説明する。
【0016】
図1は本発明の第1の実施の形態における容器の分解斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態における容器の斜視図である。
【0017】
図において、10は図示されない流動体としての液体飲料を収容し、注出するための容器であり、該容器10は、容器10の本体、すなわち、容器本体11、該容器本体11に対して、及び後述される筒状部13に対して着脱自在に配設された計量部としての区画ユニット31、及び前記容器本体11に対して着脱自在に配設され、容器本体11に取り付けられたときに容器本体11を閉鎖する蓋(ふた)ユニット61を備える。そして、該蓋ユニット61を容器本体11から取り外すことによって、区画ユニット31を容器本体11から取り出すことができ、区画ユニット31を容器本体11内にセットし、蓋ユニット61を容器本体11に取り付けることによって、区画ユニット31を容器本体11内において移動不能にすることができる。なお、本実施の形態において、区画ユニット31は容器本体11に対して着脱自在に配設されるようになっているが、容器本体11に対して固定することもできる。
【0018】
また、本実施の形態において、前記容器本体11、区画ユニット31及び蓋ユニット61は、いずれも透明な樹脂によって形成されるが、必要に応じて、前記容器本体11、区画ユニット31及び蓋ユニット61のうちの少なくとも一つを、金属、ガラス、陶器等の材料によって形成することもできる。
【0019】
前記容器本体11は、液体飲料を収容するための収容部を構成し、有底の筒状部13、該筒状部13の下端から斜め上方に向けて突出させて形成され、液体飲料を注出するための注出部としての注出口14、該注出口14に対して挿脱自在に配設され、液体飲料の注出量を制限するための、注出量制限部材としての補助注出口15を備える。なお、前記注出口14は飲み口としても機能する。
【0020】
前記容器本体11は、ほぼ円形の形状を有し、底壁17、及び該底壁17から上方に向けて立ち上げて形成され、上端が開口させられた側壁18を備え、該側壁18の上端部19の外周面に第1の係合要素としての雄ねじs1が形成される。本実施の形態において、前記側壁18は上方ほど径が大きくなるように形成されるが、軸方向において同じ径を有するように形成することもできる。
【0021】
また、注出口14は、所定の内径を有する筒状体から成り、注出口14の下端は、底壁17に隣接する箇所で筒状部13内と連通させられ、注出口14の上端は開口させられ、注出開口21を形成する。
【0022】
そして、補助注出口15は、所定の外径及び内径を有する筒状体から成り、注出口14に対して挿脱自在に配設される。補助注出口15を注出口14に挿入し、セットしたとき、補助注出口15の下端は、注出口14の下端と同様に、底壁17に隣接する箇所で筒状部13内と連通させられ、補助注出口15の上端は開口させられ、前記注出開口21の径を小さくする。なお、補助注出口15の上端には、径方向外方にわずかに突出させてフランジ22が形成され、補助注出口15を注出口14に挿入し、セットしたとき、注出口14の上端にフランジ22が当たる。したがって、フランジ22を摘(つま)むことによって、補助注出口15を注出口14から容易に取り出すことができる。
【0023】
また、前記容器10を傾け、注出開口21を下に向けても、補助注出口15が注出口14から出て落下することがないように、前記補助注出口15の外径は注出口14の内径よりわずかに小さくされる。なお、補助注出口15が注出口14から出て落下することがないように、注出口14と補助注出口15とをステップ止めにしたり、ねじ止めにしたりすることもできる。
【0024】
前記区画ユニット31は、複数の、本実施の形態においては、3個の区画体としての皿状体32〜34を備え、該各皿状体32〜34を積み重ねた状態で容器本体11内にセットされる。そして、前記各皿状体32〜34は、容器本体11内にセットされた状態で、筒状部13内を区画し、底壁17と最も下の皿状体32との間に図示されない第1の室が、皿状体32と皿状体33との間に第2の室が、皿状体33と皿状体34との間に第3の室が、皿状体34と蓋ユニット61との間に第4の室が、それぞれ各皿状体32〜34によって区画された状態で形成される。この場合、第1の室の容積は、他の第2〜第4の室の容積より小さく設定され、1回に注出される液体飲料の量を規定する。なお、本実施の形態において、各皿状体32〜34は独立させて形成されるが、積み重ねた状態で一体に形成することもできる。
【0025】
前記皿状体32は、底壁36、及び該底壁36から上方に向けて立ち上げて形成され、上端が開口させられた側壁37を、前記皿状体33は、底壁38、及び該底壁38から上方に向けて立ち上げて形成され、上端が開口させられた側壁39を、前記皿状体34は、底壁40、及び該底壁40から上方に向けて立ち上げて形成され、上端が開口させられた側壁41を備え、各皿状体32〜34を積み重ねたとき、前記各側壁37、39、41によって、上方ほど径が大きい側壁集合体が形成される。そして、各皿状体32〜34を積み重ねた状態で容器本体11内にセットすると、皿状体32が底壁17上に当接させられ、各側壁37、39、41が側壁18に当接させられる。
【0026】
なお、前記底壁36には、上方に向けて隆起させ、かつ、直径方向に延在させて、断面が半円形の形状を有する隆起部47が形成される。そして、各皿状体32〜34は、容器本体11内にセットされた状態で、筒状部13における前端部(注出口14側)及び後端部(注出口14と反対側)にわたって位置させられる。したがって、前記第1の室によって、隆起部47に対応する形状を有する流路が形成される。
【0027】
また、前記皿状体32には、底壁36及び側壁37にわたって切欠43が、皿状体33には、底壁38及び側壁39にわたって切欠44が、皿状体34には、底壁40及び側壁41にわたって切欠45が形成される。前記切欠43〜45は、各皿状体32〜34が容器本体11内にセットされた状態で、円周方向における同じ箇所で、しかも、筒状部13における後端部に位置するように形成され、切欠43によって第1、第2の室が、切欠44によって第2、第3の室が、切欠45によって第3、第4の室が連通させられる。なお、切欠43〜45によって第1の連通部が構成される。
【0028】
さらに、皿状体33には、底壁38に貫通口48が、皿状体34には、底壁40に貫通口49が形成される。前記貫通口48、49は、いずれも円形の形状を有し、各皿状体32〜34が容器本体11内にセットされた状態で、円周方向における同じ箇所で、しかも、筒状部13における前端部に位置するように形成され、貫通口48によって第2、第3の室が、貫通口49によって第3、第4の室が連通させられる。なお、貫通口48、49によって第2の連通部が構成される。
【0029】
また、前記蓋ユニット61は、第1の蓋体としての環状体62、該環状体62に対して着脱自在に配設された第2の蓋体としての円形体63、前記環状体62及び円形体63によって回動自在に挟持された取手部64を備える。
【0030】
前記環状体62は環状の本体部65、該本体部65の外周縁から下方に垂下させられる外側壁部66、及び前記本体部65の内周縁から下方に垂下させられる内側壁部67を備え、外側壁部66の内周面に第2の係合要素としての雌ねじs2が、内側壁部67の内周面に第3の係合要素としての雌ねじs3が形成され、前記雌ねじs2と雄ねじs1とを螺(ら)合させることによって、環状体62を筒状部13に固定することができる。
【0031】
また、前記円形体63は、円形の形状を有する本体部68及び該本体部68の外周縁から垂下させられる壁部69を備え、該壁部69の外周面に第4の係合要素としての雄ねじs4が形成され、該雄ねじs4と前記雌ねじs3とを螺合させることによって、円形体63を環状体62に固定することができる。なお、前記本体部68の中央には、筒状部13内の圧力を安定させるために、空気穴71が本体部68を貫通させて形成される。
【0032】
そして、前記取手部64は、壁部69よりわずかに径が大きくされたリング73、及び該リング73の円周方向における所定の箇所から径方向外方に向けて突出させて形成された取手74を備える。前記環状体62と円形体63とは、前記リング73を挟んだ状態で固定され、雄ねじs4と雌ねじs3との螺合を締めると、取手部64を回動させることができなくなり、円周方向における取手74の位置決めを行うことができる。そして、雄ねじs4と雌ねじs3との螺合を緩めた状態で、取手部64を回動させ、雄ねじs4と雌ねじs3との螺合を締めることによって、円周方向における取手74の位置を調整することができる。したがって、容器10を把持する位置を変更することができるので、嚥下障害者又は介護者は、容易に容器10を把持することができる。
【0033】
前記構成の容器10において、円形体63を環状体62から取り外すか、又は蓋ユニット61を容器本体11から取り外すかして、環状体62の中央の開口又は側壁18の上端の開口を介して液体飲料を筒状部13内に注ぐと、液体飲料は第4の室に注入された後、切欠45及び貫通口49を介して第3の室内に入り、切欠44及び貫通口48を介して第2の室内に入り、切欠43を介して第1の室内に入り、筒状部13内及び注出口14内に所定の量だけ溜められる。このとき、第2〜第4の室内と注出口14内とは第1の室を介して連通させられているので、第2〜第4の室内及び注出口14内における液体飲料の液面が互いに一致する。
【0034】
その後、図2に示されるように、円形体63を環状体62に取り付けるか、又は蓋ユニット61を容器本体11に取り付けるかして、容器10を所定の角度だけ傾けると、筒状部13内の液体飲料は、第1の室から注出口14内を通って注出される。
【0035】
このとき、第1、第2の室は、皿状体32によって区画され、切欠43を介して連通させられるだけであるので、第1の室内及び注出口14内の液体飲料が主として注出され、第2〜第4の室内の液体飲料は、そのまま保持され、第1の室内に入ることはない。したがって、第1の室及び注出口14内の容積によって決まる量の液体飲料を注出することができる。
【0036】
その後、容器10を水平にすると、第2〜第4の室内の液体飲料が切欠43〜45及び貫通口48、49を介して下方に移動し、第1の室内に入る。したがって、その後、容器10を所定の角度だけ傾けると、再び第1の室内及び注出口14内の液体飲料が主として注出される。
【0037】
このように、筒状部13内が皿状体32〜34によって第1〜第4の室に区画され、第1の室と第2の室とが筒状部13における後端部で連通させられるので、容器10を傾けるだけで、常に一定の量の液体飲料を注出することができる。したがって、嚥下障害者は常に一定の量の液体飲料を飲用することができる。
【0038】
また、第2〜第4の室が貫通口48、49によって連通させられるので、容器10を傾けて液体飲料を注出しているときに、第2〜第4の室内の液体飲料が貫通口48、49を介して移動する。したがって、容器10を傾けている際に、第2〜第4の室内及び注出口14内における液体飲料の液面は、互いに一致するので、容器10を水平に置いたときの液体飲料の流れを安定させることができる。その結果、嚥下障害者は安定して一定の量の液体飲料を飲用することができる。
【0039】
そして、前記補助注出口15が注出口14に対して挿脱自在に配設されるので、嚥下障害者の嚥下機能に応じて注出量を変更することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0041】
図3は本発明の第2の実施の形態における容器を示す分解斜視図である。
【0042】
図において、100は図示されない流動体としての液体飲料を収容し、注出するための容器であり、該容器100は、容器本体111、及び該容器本体111に対して、及び後述される筒状部113に対してに着脱自在に配設された計量部としての区画ユニット131を備え、前記容器本体111は液体飲料を収容するための収容部を構成する有底の筒状部113を備える。なお、前記区画ユニット131を容器100内において移動不能に係止させることもできる。
【0043】
前記区画ユニット131は、複数の、本実施の形態においては、3個の区画体としての皿状体132〜134を備え、該各皿状体132〜134を積み重ねた状態で容器本体111内にセットされる。そして、前記各皿状体132〜134は、容器本体111内にセットされた状態で、筒状部113内を区画し、底壁17と皿状体132との間に図示されない第1の室が、皿状体132と皿状体133との間に第2の室が、皿状体133と皿状体134との間に第3の室が、皿状体134の上に第4の室が、各皿状体132〜134によって区画された状態で形成される。
【0044】
前記皿状体132は、底壁36、及び底壁36から上方に向けて立ち上げて形成され、上端が開口させられた側壁37を、前記皿状体133は、底壁38、及び底壁38から上方に向けて立ち上げて形成され、上端が開口させられた側壁39を、前記皿状体134は、底壁40、及び底壁40から上方に向けて立ち上げて形成され、上端が開口させられた側壁41を備え、各皿状体132〜134を積み重ねたとき、前記各側壁37、39、41によって、上方ほど径が大きい側壁集合体が形成される。また、前記側壁37、39、41の円周方向における所定の箇所に、平坦(たん)部237、239、241が形成される。
【0045】
そして、各皿状体132〜134を積み重ねた状態で容器本体111内にセットすると、皿状体132が底壁17上に当接させられ、各側壁37、39、41が側壁18に当接させられる。このとき、平坦部237、239、241と側壁18との間に、注出流路が形成される。
【0046】
また、前記底壁36には、上方に向けて隆起させ、かつ、直径方向に延在させて、断面が半円形の形状を有する隆起部47が形成される。そして、各皿状体132〜134は、容器本体111内にセットされた状態で、筒状部113における前端部(平坦部237、239、241側)及び後端部(平坦部237、239、241と反対側)にわたって位置させられる。したがって、前記第1の室によって、隆起部47と対応する形状を有する流路が、前記注出流路と連通させて形成される。
【0047】
前記構成の容器100において、側壁18の上端の開口を介して液体飲料を筒状部113内に注ぐと、液体飲料は第4の室に注入された後、切欠45及び貫通口49を介して第3の室内に入り、切欠44及び貫通口48を介して第2の室内に入り、切欠43を介して第1の室内及び注出流路内に入り、筒状部113内に所定の量だけ溜められる。このとき、第2〜第4の室内と注出流路内とは第1の室を介して連通させられているので、第2〜第4の室内及び注出流路内における液体飲料の液面が互いに一致する。
【0048】
その後、容器100を所定の角度だけ傾けると、筒状部113内の液体飲料は、第1の室から注出流路を通り、筒状部113の上端の前端に形成された注出部を介して注出される。
【0049】
このとき、第1、第2の室は、皿状体132によって区画され、切欠43を介して連通させられるだけであるので、第1の室内及び注出流路内の液体飲料が主として注出され、第2〜第4の室内の液体飲料は、そのまま保持され、第1の室内に入ることはない。したがって、第1の室及び注出流路の容積によって決まる量の液体飲料を注出することができる。
【0050】
その後、容器100を水平にすると、第2〜第4の室内の液体飲料が切欠43〜45及び貫通口48、49を介して下方に移動し、第1の室内及び注出流路に入る。したがって、その後、容器100を所定の角度だけ傾けると、再び第1の室内及び注出流路内の液体飲料が主として注出される。
【0051】
ところで、前記第1の実施の形態においては、筒状部13(図1)内が皿状体32〜34によって区画されているので、とろみが付与された液体飲料を容器10内に注入し、容器10を傾けて注出口14から注出すると、単位時間当たりの注出量ととろみのレベルとが比例することが分かる。したがって、注出量を測定することによって、とろみのレベルを概略判断することができるので、容器10を液体飲料の粘性を検出するための簡易粘度計として使用することができる。
【0052】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態における容器の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における容器の斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における容器を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
10、100 容器
11、111 容器本体
13、113 筒状部
14 注出口
17 底壁
31、131 区画ユニット
32〜34、132〜134 皿状体
43〜45 切欠
48、49 貫通口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)筒状部を備えた容器本体と、
(b)前記筒状部内において着脱自在に配設され、複数の区画体によって筒状部内を縦方向において区画し、複数の室を形成する区画ユニットとを有するとともに、
(c)前記各室は、注出部と反対側に形成された連通部を介して連通させられ、
(d)前記筒状部の底壁と最も下の区画体との間に形成された室の容積は、他の室の容積より小さく設定され、1回に注出される液体飲料の量を規定することを特徴とする流動体分配器。
【請求項2】
前記注出部は、筒状部から斜め上方に突出させて形成された注出口である請求項1に記載の流動体分配器。
【請求項3】
前記注出口に、注出量を制限するための補助注出口が挿脱自在に配設される請求項1に記載の流動体分配器。
【請求項4】
前記各区画体は積み重ねた状態で筒状部内に配設される請求項1に記載の流動体分配器。
【請求項5】
前記最も下の区画体以外の各区画体は、注出部側に形成された他の連通部を介して連通させられる請求項1に記載の流動体分配器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−155613(P2010−155613A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333545(P2008−333545)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【特許番号】特許第4381464号(P4381464)
【特許公報発行日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【出願人】(596123257)キソー化学工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】