流動層反応器
本発明は、流動層反応器の反応室20を形成する底部12、屋根部16及び底部と屋根部との間を垂直に延びる複数の側壁14、並びに反応室に接続する固体分離器18を備える流動層反応器10に関する。反応室の少なくとも1つの側壁30.1が反応室20内に少なくとも1つの窪み34を形成し、その窪みはほぼ垂直であり、側壁の面32から反応室に向かって延びる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の流動層反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
流動層反応器の反応室は、典型的には、4つの側壁、底部及び屋根部で画定される矩形の水平断面を有する内側部分を含み、そこにおいて、例えば燃料を含む固体材料及びベッド材料が、底を通して導入され、通常、発熱化学反応が反応室内で発生するために必要な含酸素一次ガスである、流動化ガスによって流動化される。燃焼工程が反応器内で実施されるとき、反応室の内側部分は、通常、炉と呼ばれ、反応器は、通常、流動層ボイラと呼ばれる。また、典型的には、炉の側壁は、少なくとも燃料と二次空気とを導入するための接続部を有する。
【0003】
炉の側壁は、通常、管と、管の間のフィンとで形成されたパネルで製造され、それにより、燃料の化学反応において放たれるエネルギーが、管内を流れる水を蒸発させるために使用される。また、多くの場合、蒸気のエネルギー含量をさらに増加させるために、流動層反応器内に配置された過熱伝熱面が存在する。
【0004】
大容量、例えば数百メガワットのボイラを製造することを目指すとき、大きな反応体積及び多くの蒸発面及び過熱伝熱面が必要とされる。そのような大容量の流動層ボイラが、米国特許第6,470,833号B1に開示される。ボイラの基底面積が、必要な流動化空気の体積及び速度に基づいて、ボイラの容量に直接比例する。非常に長くて狭い炉底を有することは、少なくとも構造的には不利であるので、ボイラの高さ及びボイラの底の幅もまた、側壁上に十分な蒸発面を持つために増やされる必要がある。高さの増加は、著しく建設上の困難をもたらす可能性があり、幅の増加は、燃料と二次空気との均質な供給を準備することを困難にする可能性がある。側壁は、それらの高さに対してかなり薄いので、高い炉の底から屋根まで延びる、十分に強くて剛性の側壁を形成することは困難である可能性がある。
【0005】
特に、高効率の貫流型流動層ボイラを実現することは、難易度が高い。炉の断面積の増加は、均一な流動層の挙動を維持することの難易度を高くさせる。このことは、実際には、炉の伝熱面が、例えば、グリッド及び炉の下部の構造、並びに工程の制御に応じて変化する流動層によって影響を受ける傾向があることを意味する。貫流型流動層ボイラを確実に動作させるためには、蒸発器表面の管内の水の蒸発が、炉壁の異なる部分において十分に均一であることが重要である。大きな流動層ボイラ、特に貫流型流動層ボイラでは、流動層の均一性が、一層大きな意味を有する。特に、大きなボイラの内隅部は、流動層が蒸発に与える影響が、他の領域における影響と異なりやすい領域である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,470,833号B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、大きな高効率のボイラの製造をより適切に可能にする流動層反応器を導入することによって、従来技術を改良することにある。
【0008】
また、以前より確実な動作を有する貫流型流動層ボイラを提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、流動層反応器の反応室を形成する底部、屋根部、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる側壁、並びに反応室に接続する固体分離器を備え、反応室の少なくとも1つの側壁が反応室内に少なくとも1つの窪みを形成し、その窪みはほぼ垂直であり、側壁の面から反応室に向かって延びる、流動層反応器によって得られる。
【0010】
流動層反応器のそのような側壁は改良された剛性を有し、それにより、壁の剛性を実質的に失うことなく側壁の水平長さを増すことが可能になる。
【0011】
窪みは、反応器の側壁の外側に、側壁の面から反応室に向かって延びる空間を形成することが好ましい。このようにして、窪みに、反応器へのアクセス及び/又は反応器の補助装置のための空間をもたらすことが可能になる。側壁の構造は、壁領域の他の場所の側壁の構造とほぼ同じ窪みによることが好ましい。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記窪みは、底部と屋根部との間の側壁の全長にわたって垂直に延びる。この実施例では、壁の剛性は、側壁の垂直長さ全体にわたって改良される。同時に、反応室に向かって、側壁の全長にわたって垂直に延びる窪みが形成され、窪みを通して、反応器内の流動層の中心のより近くに直接、異なる材料の流れを供給することができる。
【0013】
本発明好ましい一実施例によれば、側壁及び窪みは、熱が反応室から伝達されうる水管壁である。それにより、窪みは、合計伝熱面を著しく増加させ、それ故、炉からの熱伝達に対するより高い効率を可能にする。
【0014】
反応室の2つの対向する側壁は、側壁の面から反応室に向かって延びる、少なくとも1つのほぼ垂直な窪みを備えることが好ましい。好ましい一実施例によれば、本発明による窪みを備える2つの対向する反応器の壁は、反応器の他の2つの対向する壁より水平方向に長い。
【0015】
本発明の好ましい一実施例によれば、流動層反応器は、支持構造によって少なくとも部分的に支持され、支持構造は、流動層反応器の下の土台によって少なくとも部分的に支持されるように配置された垂直な柱を備える。それにより、前記垂直な支柱は、少なくとも部分的に垂直な窪み内に配置されることが好ましい。従って、柱間の水平距離は反応室の側壁の面間の距離より短くなり、それにより、柱を接続し、流動層反応器を支持する支持構造のスパンは、以前より小さくなる。
【0016】
反応室まで延びる側壁の窪みは、側壁の(前記)一部が、互いからのある距離内の2つの垂線上において側壁の面から偏倚した、少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部を備えるように、側壁の面から反応室に向かって突出する側壁の一部で形成される。従って、窪みは、反応室の外側に開くように形成され、窪みの中に形成された有用な空間が存在する。垂線の間の距離は、少なくとも1mであることが好ましい。さらに、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部は、ある距離にわたって反応室に向かって延び、その距離は、2つの垂線の間の距離の少なくとも2倍であることが有利であった。前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部は、平らであることが好ましい。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部の反応室側の端部は、窪みを形成する終端部によって互いに接続され、窪みは、四角形の水平断面である。
【0018】
好ましい実施例によれば、窪みは、含酸素反応ガスを底部の上の反応室に導入するための手段、及び/又は燃料を反応室に導入するための手段、及び/又は反応室内で発生する反応に関する量を測定するための少なくとも1つのセンサを備える。
【0019】
一実施例によれば、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部は、窪んだ壁部が反応室に向かって延びてくさび状又は三角形の窪みを形成するように、側壁の面の法線から偏倚した、ある角度にある。好ましくは、くさび状の窪みは、反応室の対向する側壁上に互いに面して配置され、さらに、隅部表面、言い換えれば、傾斜部は、窪み部の寸法に応じて、反応室の終端隅部に配置される。従って、八角形の水平断面を有する連続区域で形成される反応室が、反応器内に形成される。そのような反応室は、窪みを通して反応ガスを供給するための入口であって、八角形の区域のそれぞれにおいて、反応ガスの入口が、垂直な中心軸を有する渦流の生成を促進するように配置された、入口を設けられることが好ましい。好ましくは、前記窪みは、反応ガスを反応室に導入するための手段を備え、手段は、反応室が動作中に、反応ガスの導入によって、反応室内の垂直な渦流の生成が促進されるように、側壁の面に対する位置に配置される。
【0020】
1つ又は複数の窪みは、反応器の2つの対向する側壁上に、互いに面して配置されることが好ましい。
【0021】
一実施例によれば、本発明は、流動層反応器のための反応室を形成する底部、屋根部、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる側壁、並びに反応室に接続される固体分離器を備える、貫流型流動層反応器、好ましくは貫流型流動層ボイラに関する。そのような貫流型流動層反応器の反応室の2つの対向する側壁は、通常、2つの他の側壁より水平方向に長い。従って、反応室の断面は、ほぼ矩形である。反応室を形成する側壁は、貫流ボイラの蒸発システムの一部になるように接続された伝熱面、好ましくは水管壁を備える。好ましくは、貫流型流動層ボイラの反応室の2つの対向するより長い側壁は、反応室に向かって延びる少なくとも1つの窪みを備え、窪みは、側壁の垂直長さのほぼ全体にわたって配置される。
【0022】
流動層の蒸発への影響を平衡させるために、反応室の内隅部は、隣接する側壁を接続し、隣接する側壁と共に貫流ボイラの共通の蒸発システムに接続される、傾斜部を設けられる。傾斜部は平らであることが好ましく、側壁の垂直長さ全体にわたって延びる。
【0023】
好ましくは、反応室の対向する側壁の窪みは互いに面し、それにより、少なくとも2つの隣接する区域が、反応室内に形成される。有利には、反応室の各区域の各内隅部は、傾斜部を備える。それにより、窪みの、窪んだ壁部の反応室側の内隅部は、同様に傾斜部を設けられる。
【0024】
本発明の他の特有の特徴は、添付の特許請求の範囲において、及び図の実施例についての以下の説明において、明らかとなる。
【0025】
本発明は、添付の概略図を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による流動層反応器の一実施例の概略図である。
【図2】図1の流動層反応器の、A方向における概略図である。
【図3】図1の断面II−IIの概略図である。
【図4】本発明による流動層反応器の別の実施例の、A方向における概略図である。
【図5】図4の概略的水平断面図である。
【図6】本発明による流動層反応器の別の実施例の概略図である。
【図7】図6の概略的水平断面図である。
【図8】窪みの一実施例である。
【図9】窪みの別の実施例である。
【図10】窪みのさらに別の実施例である。
【図11】窪みのさらに別の実施例である。
【図12】本発明の一実施例による流動層反応器の概略的断面図である。
【図12a】図12のAの詳細図である。
【図13】窪みの別の実施例の概略図である。
【図14】窪みのさらに別の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1、図2及び図3は、本発明による流動層反応器10の一実施例を概略的に示し、流動層反応器10は、本明細書では、循環式流動層ボイラである。循環式流動層ボイラ10は、底部12、屋根部16、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる複数の側壁14を備える。2つの対向する側壁14は、傾斜した下部を備える。流動層反応器が、分かりやすくするために本明細書に示されない、多くの部品及び要素を備えることは明らかである。図2は、図1の流動層反応器の、A方向における図であり、図3は、図1の流動層反応器の水平断面II−IIを示す。分かりやすくするために、図2及び図3は、いずれも、固体分離器を示していない。
【0028】
底部、屋根部及び側壁14は反応室20を形成し、反応器がボイラである場合は、反応室20は炉である。また、底部12はグリッド25を含み、グリッドを通して、例えば、流動化ガスが反応器に導入される。さらに、循環式流動層反応器は、典型的にはサイクロン分離器である固体分離器18を備える。固体分離器は、ガス導管22によって、屋根部近傍において反応室の上部に接続され、それにより、反応ガスと固体材料との混合物が、前記ガス導管に沿って固体分離器18に流れることができる。固体材料は、固体分離器内でガスから分離され、冷却など、可能な処理を施された後、反応室20、即ち炉に戻される。それ故、固体分離器は、戻り導管24によって反応室20の下部に接続される。固体材料が分離されたガスは、ガス排出接続部26を通って次の処理のためにシステム内に導かれる。
【0029】
反応室20は、本明細書では、4つの側壁30.1、30.2、30.3、30.4で形成される。1つの側壁30.2は、反応室20に対して側壁30.1の方に、少なくとも1つの窪み34を形成する。窪みはほぼ垂直であり、側壁の面32から反応室20に向かって延びる。窪みは、反応室に対して外側の空間を形成する。側壁が窪みを形成することは、例えば、窪みが外側に開くこと、言い換えれば、窪みが、外側からアクセス可能な空間を形成すること、即ち、窪みが、反応室に対して壁の反対側に開くことを意味する。例えば、空間にボイラの支持構造を配置することができる。そのような窪みは、側壁により一層剛性を持たせ、同時に、空間を、例えば、反応器の補助装置を設置するためなど、流動層反応器の動作のために使用することを可能にする。
【0030】
図2に示すように、側壁30.2及び窪みを形成する窪んだ壁部30.2’は、冷却構造35で、例えば水管壁で形成される。水管壁の構造は、変更してよいが、典型的には、管及び官を接続するフィンで形成される気密構造を備える。冷却構造として、窪みはまた、炉の伝熱面として作用し、それにより、本発明による、外側に開く窪みとして、側壁の水管の一部を曲げて反応室に向かって延ばすことによって剛性の側壁構造を形成すると同時に、反応器の伝熱面の量を著しく増すことができる。本発明の一実施例によれば、本発明による窪みは、炉の伝熱面の20%を超える伝熱面を形成するために使用される。特に、貫流ボイラ接続部において、水管壁の水平接続点は、窪み及び側壁のそれぞれを形成する管の中で、水管壁の上部及び下部の両方において、ほぼ同じ高さにある。
【0031】
窪み34は、図1及び図2の実施例では、底部16と屋根部12との間の側壁の少なくとも全長にわたって、垂直に延びる。窪みは、ここでは、傾斜した側壁とグリッドとの接合部まで延び、従って、窪みはグリッドを覆わない。分かりやすくするために、図1〜図3は、1つの側壁上の1つの窪みだけを示しているが、窪みの数が、例えば側壁の水平方向の長さによって確定されるように、少なくとも2つの対向する側壁に対して窪みを配置することが有利である。
【0032】
図4及び図5は、それぞれ、本発明の別の実施例による流動層反応器10の側面図及び上面図を示す。固体分離器は、ここでも同様に、分かりやすくするために除外されている。ここでは、2つの対向する側壁30.2、30.4が、両側壁上に、反応室20に向かって延びる多数の窪み34を形成する。互いに面する窪みは、対向する壁の上に配置される。また、ここでは、窪み34はほぼ垂直であり、側壁の面32から反応室20に向かって延びる。窪みは外側に開いており、言い換えれば、反応室20に対して壁の反対側に開く窪みの中に、空間が形成される。実際には、窪みは、互いからある水平距離内にある2つの垂線上において、側壁30.2が、反応室20の中央部に向かって曲げ又は方向転換をもたらされ、それにより、曲げの又は方向転換の後の壁面がほぼ対向し、曲げの間又は方向転換の間の空間が前記窪みを形成するように、窪みがもたらされる。前記壁面は、本明細書では、窪んだ壁部と称する。
【0033】
図4及び図5は、流動層反応器が支持構造40によって少なくとも部分的に支持される一実施例を示す。支持構造は、流動層反応器の下の土台44に対して少なくとも部分的に支持されるように配置された、少なくとも垂直な柱42を備える。柱42は、側壁の面32から、少なくとも部分的に垂直な窪み34の中に配置される。それにより、例えば、柱間の支持構造40の水平の梁の長さは、対向する側壁の面32の間の距離より小さい。流動層反応器10は、例えばハンガー46によって支持構造40に支持されてよい。窪みの強化効果によって、反応器はまた、負荷を独立に伝達する要素として窪んだ壁部を使用することによって支持されてよい。図は、対向する壁の両方の上の2つの窪みを示すが、窪みの数が変わってよいことは明らかである。
【0034】
そのような窪みは、側壁により一層剛性を持たせ、また、形成された空間を例えば、流動層反応器の動作に関する異なる目的のために利用することを可能にする。
【0035】
図4及び図5では、2つの対向する側壁30.2及び30.4は、2つの他の対向する側壁30.1及び30.3より水平方向に長い。それ故、特に、側壁30.2及び30.4は、互いからのある距離の範囲内に、2つ以上窪みを形成することが有利である。
【0036】
図6及び図7は、本発明によるさらに別の実施例を示す。ここでは、流動層反応器の2つの水平方向により長い側壁30.2、30.4が、互いに面する3つの一連の窪みを形成する。窪みは、くさび状である。より正確には、窪みを形成する窪んだ壁部30.21、30.22は平らであり、長さが等しい。さらに、より長い壁30.2、30.4とより短い壁30.1、30.3との間の各隅部70は傾斜しており、言い換えれば、傾斜部30.5は、窪みの、窪んだ壁部の水平寸法に倣うように形成される。この実施例では、傾斜部30.5は、その最大の水平方向長さの所にあり、最大長さは、2つの傾斜部30.5の長さと、2つの傾斜部30.5の間のより短い側壁30.1、30.3の長さとが等しいときに、実現される。それにより、八角形の水平断面を有する連続する区域20’からなる反応室20が、形成される。
【0037】
そのような反応室は、窪み部を通して、八角形の区域のそれぞれが垂直な中心軸を有する渦流の生成を促進するように配置された、反応ガス(ボイラ用途における含酸素燃焼ガス)のための入口を設けられることが好ましい。好ましくは、前記窪み部は、動作中に、反応ガスの導入が、反応室の各区域20’内に垂直な渦流運動73の生成を促進するように、反応ガスを反応室に導入するための手段72を備える。このために、連続する隅部面及び/又は窪んだ壁部30.21、30.22に接続された、反応ガスを区域20’内に導入するための手段72は、漸次、例えば、隣接する側壁又は2つの区域間の境界に、ほぼ整列されて方向づけられることが好ましい。それ故、2つの隣接する区域の間の境界において、同じ方向73又は反対方向73,73’のいずれかに回転する渦流を、2つの隣接する区域の中に形成することができる。図6及び図7に示す反応器は、反応器の中の各区域が、本明細書で開示したように個別のグリッドを有するか、又は2つの区域のそれぞれの間の傾斜した壁部が区域を接続する壁で置き換えられ、それにより、反応器が連続したグリッドを有するように、形成されてよい。
【0038】
また、図7は、側壁の垂直な窪み34が、反応ガスを反応室に導入するための手段72と、少なくとも部分的に窪み34の中に配置された柱42との両方を備える、本発明のさらに別の実施例を示す。
【0039】
特に、図2を参照すると、本発明の一実施例による流動層反応器は、ボイラの炉20に対して側壁の外側に少なくとも1つの窪み34を形成する、反応室の少なくとも1つの側壁30.2を有するボイラであり、ボイラの窪みはほぼ垂直であり、側壁の面32から反応室に向かって延びる。さらに、窪みの下部Lは、含酸素ガスを導入するための手段21を設けられる。下部は、傾斜した側壁の上に、ある距離、好ましくは側壁の垂直長さの1/3にわたって垂直に延びてよい。さらに、この実施例では、窪みの下部Lの上の、反応器の中間部及び/又は上部に配置された、工程に関する量を測定するための測定手段23が存在する。それらの維持管理が簡単であるので、外側に開く窪みに対するガスの導入及び測定手段の配置は、共に効率的でありながら、簡単であり、且つ有用性に関して有利である。
【0040】
図8は、図2及び図3の窪み34のより詳細な図である。窪みは、側壁の面から反応室に向かって突出し、側壁30.2の一部で形成される。側壁の前記部分は、互いからの距離31の範囲内にある2本の垂線30.25上において側壁の面から偏倚した、少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部30.21、30.22を備える。このようにして、窪みは外側に開いており、例えば維持管理のために、窪みの内部にアクセスすることが容易である。距離31は、実際には、少なくとも1mであることが好ましい。さらに、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部30.21、30.22は、2つの垂線30.25の間の距離31の少なくとも2倍の距離35にわたって、反応室20に向かって延びることが好ましい。
【0041】
窪んだ壁部は、この実施例ではやはり平らである終端部30.23によって互いに接続される。窪んだ壁部30.21、30.22が、ここでは、側壁の面32にほぼ垂直であるとき、それによって形成する窪みは、ほぼ矩形となる。また、この実施例では、窪んだ壁部及び終端部は共に側壁で形成され、言い換えれば、窪んだ壁部及び終端部は同じ水管壁の一部分である。
【0042】
図9〜図11は、窪み34の異なる実施例を示す。図9に示す実施例は、その中の終端部30.23が、垂線30.25の間の距離31より水平方向に短いという点で、図8の実施例と異なる。
【0043】
図10は、平らな窪んだ壁部が互いに接続されてくさび状の窪みを形成し、窪みの中に三角形の空間を形成するという点で、図8の実施例と異なる一実施例を示す。それにより、同時に、直角より大きい角度が、垂線30.25上において反応室側に形成される。
【0044】
図11は、窪んだ壁部30.21、30.22の方向が垂線上において画定されず、偏倚した部分30.25が、2つ合わせてほぼ直角を形成する等しい角度を有する2つの個別の曲がり部分を備えることを除いて、図8に示す窪みに相当する窪み34の一実施例を示す。このことはまた、短い平らな中間部30.5によってもたらされる丸み付けの一種とみなすことができる。中間部は、平らな中間部に関して、本出願の他の部分において傾斜部とも呼ばれる。短い平らな中間部、言い換えれば傾斜部の使用は、特に、炉の異なる部分の蒸発において最大の均一性が必要とされる貫流ボイラにおいて重要な、炉の隅部によって引き起こされる条件の変化を低減させる。
【0045】
図12は、本発明の一実施例による貫流型流動層反応器10の断面を示し、実施例は、好ましくは、流動層反応器の反応室20を形成する底部12、屋根部(図示せず)、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる側壁30.1、30.2、30.3、30.4を備えた貫流型流動層ボイラである。反応室の2つの対向する側壁30.2、30.4は、反応室の2つの他の対向する側壁30.1、30.3より水平方向に長い。従って、反応室は、ほぼ矩形の断面を有する。反応室を形成する側壁は、貫流ボイラの蒸発システムの一部を形成するための伝熱面、好ましくは並列に接続された蒸気管を有する水管壁を備える。好ましい一実施例によれば、蒸発管は、滑らかな内面を有する。流動層の蒸発に対する影響を最小化するために、反応室20の内隅部は、隣接する側壁を接続し、且つ、隣接する壁によって貫流ボイラの同じ蒸発システムに接続される、傾斜部30.5を設けられる。傾斜部は、平らであることが好ましく、壁の垂直長さ全体にわたって延びる。
【0046】
図12の詳細Aが、図12aに示される。図12aは、本発明の傾斜部30.5の好ましい実施例30.5’を示す。傾斜部30.5’の屈曲点30.55の、側壁の面の交点30.57からの距離は、本発明によれば、最小距離30.51から最大距離30.52まで変化することができる。最小距離は約150mmであり、最大距離は約500mmである。図12aにおける太い連続線は、屈曲点が、両側壁30.3、30.4の上に、側壁の面の交点から約350mmの距離にあり、それにより、傾斜部の幅が約500mmである、好ましい一実施例を示す。いくつかの実施例では、屈曲点を、2つの側壁上に、側壁の面の交点から異なる距離に配置することが可能である。
【0047】
反応室20の2つの対向するより長い側壁は、側壁の面から反応室に向かって延びる、少なくとも1つのほぼ垂直な窪み34を備え、窪みの側壁の、反応室側の内角は、傾斜部30.5を設けられる。好ましくは、窪みは、対向する側壁上で互いに面し、それにより、少なくとも2つの隣接する区域20’が反応室内に形成され、一区域によって形成される反応室の各部分は、すべての内角において、傾斜部を備える。区域は、反応器内に共通のグリッド25を備える。それにより、流動層の、隣接する蒸発管に対する影響が非常に均一になり、貫流ボイラの蒸発工程が、以前より良好に制御されうる。
【0048】
図13は、本発明による貫流型流動層ボイラ10の窪み34の一実施例を開示する。窪みを形成する窪んだ壁部30.21、30.22は平らであり、水管壁構造130で形成される。窪みを形成する窪んだ壁部の水管は平らであり、水管壁構造134で形成される。窪んだ壁部の水管の上部は垂直であり、水管は、傾斜部と平行になって底部12まで下方に延びるために、側壁と平らになるように曲げられる。窪んだ壁部30.21、30.22は、2つの水管群132、134で形成され、水管群のうちの第1の水管群132は、側壁と接続して配置され、第2の水管群134は、第1の水管群の延長として、反応器の壁から離れて平らに延びるように配置される。第1の水管群132の管は曲げられ、グリッドの面まで、側壁とほぼ平行に下方に延在する。また、第1の水管群が底部12のグリッドの高さにあるときに、第2の水管群が、第1の水管群のそばに折り重なるように、第2の水管群が曲げられるまでは、第2の水管群134の管は、側壁とほぼ平行に延在するように配置される。図において、参照番号135は、両水管群が実質的に重なり合う領域を指す。窪みの終端部30.23は、上部から直接、底部12のグリッドの高さまで延在するように配置されている。この実施例では、第2の水管群134は、参照番号137で示す領域において、流動層の影響を完全に受け、言い換えれば、熱は、両側から水管に伝達される。特に、この実施例が貫流型流動層ボイラにおいて使用されるとき、第2の水管群134の一方の側が、領域137において、断熱のための耐熱層を設けられること、言い換えれば、一方の側が、十分な量の断熱コーティングで被覆されることが好ましい。このようにして、第1及び第2の平行水管群に対する流動層並びに燃焼工程の影響は、熱伝達が互いに十分に調和するように、平衡されうる。それにより、貫流ボイラの水管壁の構造に対する不均一な熱伝達によって引き起こされる応力は、最小化される。
【0049】
図14は、本発明による貫流型流動層ボイラ10の窪み34の別の実施例を開示する。また、窪んだ壁部30.21、30.22は、ここでは平らであり、水管構造130で形成される。窪んだ壁部の水管は、図13に示すように配置される。窪みの終端部30.23は、窪んだ壁部の第2の水管群134の外縁に整列され、それにより、第2の水管群と気密に接続されて窪み34を形成するように延在するように配置される。終端部がこのように配置されると、第2の水管群134は図13に示す領域135において、終端部の後に留まり、それ故、この領域において、炉と直接、接続されていない。
【0050】
添付の図面に示されない第3の代替案は、第1の曲がりの後、平行に下方にグリッドまで延びる、窪みの窪んだ壁部の管と、窪みの終端部の管の両方のすべての管が、同様に、外側の水管群の外縁に平行に、下方にグリッドまで延びるものである。この代替案では、各管に対する熱伝達は、全距離にわたってほぼ同じである。この案における不利点は、窪みが、図13及び図14に開示される代替案におけるよりも深くグリッド領域に伸び、そのことが、グリッドの表面積を減少させることである。
【0051】
本発明が、いくつかの最も好ましい実施例によって、本明細書に説明されたことに留意されたい。従って、本発明は、開示された実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲内に含まれる、特徴の種々の組合せ又は改変、並びにいくつかの他の用途を包含することを意図することを、理解されたい。また、異なる実施例に関連して示される特徴は、そのように望まれるならば、またそれらのための技術的可能性が存在するならば、他の実施例に関連する本発明の基本概念の中で、及び/又は異なる組合せで組み合わされて、使用されてよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の流動層反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
流動層反応器の反応室は、典型的には、4つの側壁、底部及び屋根部で画定される矩形の水平断面を有する内側部分を含み、そこにおいて、例えば燃料を含む固体材料及びベッド材料が、底を通して導入され、通常、発熱化学反応が反応室内で発生するために必要な含酸素一次ガスである、流動化ガスによって流動化される。燃焼工程が反応器内で実施されるとき、反応室の内側部分は、通常、炉と呼ばれ、反応器は、通常、流動層ボイラと呼ばれる。また、典型的には、炉の側壁は、少なくとも燃料と二次空気とを導入するための接続部を有する。
【0003】
炉の側壁は、通常、管と、管の間のフィンとで形成されたパネルで製造され、それにより、燃料の化学反応において放たれるエネルギーが、管内を流れる水を蒸発させるために使用される。また、多くの場合、蒸気のエネルギー含量をさらに増加させるために、流動層反応器内に配置された過熱伝熱面が存在する。
【0004】
大容量、例えば数百メガワットのボイラを製造することを目指すとき、大きな反応体積及び多くの蒸発面及び過熱伝熱面が必要とされる。そのような大容量の流動層ボイラが、米国特許第6,470,833号B1に開示される。ボイラの基底面積が、必要な流動化空気の体積及び速度に基づいて、ボイラの容量に直接比例する。非常に長くて狭い炉底を有することは、少なくとも構造的には不利であるので、ボイラの高さ及びボイラの底の幅もまた、側壁上に十分な蒸発面を持つために増やされる必要がある。高さの増加は、著しく建設上の困難をもたらす可能性があり、幅の増加は、燃料と二次空気との均質な供給を準備することを困難にする可能性がある。側壁は、それらの高さに対してかなり薄いので、高い炉の底から屋根まで延びる、十分に強くて剛性の側壁を形成することは困難である可能性がある。
【0005】
特に、高効率の貫流型流動層ボイラを実現することは、難易度が高い。炉の断面積の増加は、均一な流動層の挙動を維持することの難易度を高くさせる。このことは、実際には、炉の伝熱面が、例えば、グリッド及び炉の下部の構造、並びに工程の制御に応じて変化する流動層によって影響を受ける傾向があることを意味する。貫流型流動層ボイラを確実に動作させるためには、蒸発器表面の管内の水の蒸発が、炉壁の異なる部分において十分に均一であることが重要である。大きな流動層ボイラ、特に貫流型流動層ボイラでは、流動層の均一性が、一層大きな意味を有する。特に、大きなボイラの内隅部は、流動層が蒸発に与える影響が、他の領域における影響と異なりやすい領域である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,470,833号B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、大きな高効率のボイラの製造をより適切に可能にする流動層反応器を導入することによって、従来技術を改良することにある。
【0008】
また、以前より確実な動作を有する貫流型流動層ボイラを提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、流動層反応器の反応室を形成する底部、屋根部、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる側壁、並びに反応室に接続する固体分離器を備え、反応室の少なくとも1つの側壁が反応室内に少なくとも1つの窪みを形成し、その窪みはほぼ垂直であり、側壁の面から反応室に向かって延びる、流動層反応器によって得られる。
【0010】
流動層反応器のそのような側壁は改良された剛性を有し、それにより、壁の剛性を実質的に失うことなく側壁の水平長さを増すことが可能になる。
【0011】
窪みは、反応器の側壁の外側に、側壁の面から反応室に向かって延びる空間を形成することが好ましい。このようにして、窪みに、反応器へのアクセス及び/又は反応器の補助装置のための空間をもたらすことが可能になる。側壁の構造は、壁領域の他の場所の側壁の構造とほぼ同じ窪みによることが好ましい。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記窪みは、底部と屋根部との間の側壁の全長にわたって垂直に延びる。この実施例では、壁の剛性は、側壁の垂直長さ全体にわたって改良される。同時に、反応室に向かって、側壁の全長にわたって垂直に延びる窪みが形成され、窪みを通して、反応器内の流動層の中心のより近くに直接、異なる材料の流れを供給することができる。
【0013】
本発明好ましい一実施例によれば、側壁及び窪みは、熱が反応室から伝達されうる水管壁である。それにより、窪みは、合計伝熱面を著しく増加させ、それ故、炉からの熱伝達に対するより高い効率を可能にする。
【0014】
反応室の2つの対向する側壁は、側壁の面から反応室に向かって延びる、少なくとも1つのほぼ垂直な窪みを備えることが好ましい。好ましい一実施例によれば、本発明による窪みを備える2つの対向する反応器の壁は、反応器の他の2つの対向する壁より水平方向に長い。
【0015】
本発明の好ましい一実施例によれば、流動層反応器は、支持構造によって少なくとも部分的に支持され、支持構造は、流動層反応器の下の土台によって少なくとも部分的に支持されるように配置された垂直な柱を備える。それにより、前記垂直な支柱は、少なくとも部分的に垂直な窪み内に配置されることが好ましい。従って、柱間の水平距離は反応室の側壁の面間の距離より短くなり、それにより、柱を接続し、流動層反応器を支持する支持構造のスパンは、以前より小さくなる。
【0016】
反応室まで延びる側壁の窪みは、側壁の(前記)一部が、互いからのある距離内の2つの垂線上において側壁の面から偏倚した、少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部を備えるように、側壁の面から反応室に向かって突出する側壁の一部で形成される。従って、窪みは、反応室の外側に開くように形成され、窪みの中に形成された有用な空間が存在する。垂線の間の距離は、少なくとも1mであることが好ましい。さらに、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部は、ある距離にわたって反応室に向かって延び、その距離は、2つの垂線の間の距離の少なくとも2倍であることが有利であった。前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部は、平らであることが好ましい。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部の反応室側の端部は、窪みを形成する終端部によって互いに接続され、窪みは、四角形の水平断面である。
【0018】
好ましい実施例によれば、窪みは、含酸素反応ガスを底部の上の反応室に導入するための手段、及び/又は燃料を反応室に導入するための手段、及び/又は反応室内で発生する反応に関する量を測定するための少なくとも1つのセンサを備える。
【0019】
一実施例によれば、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部は、窪んだ壁部が反応室に向かって延びてくさび状又は三角形の窪みを形成するように、側壁の面の法線から偏倚した、ある角度にある。好ましくは、くさび状の窪みは、反応室の対向する側壁上に互いに面して配置され、さらに、隅部表面、言い換えれば、傾斜部は、窪み部の寸法に応じて、反応室の終端隅部に配置される。従って、八角形の水平断面を有する連続区域で形成される反応室が、反応器内に形成される。そのような反応室は、窪みを通して反応ガスを供給するための入口であって、八角形の区域のそれぞれにおいて、反応ガスの入口が、垂直な中心軸を有する渦流の生成を促進するように配置された、入口を設けられることが好ましい。好ましくは、前記窪みは、反応ガスを反応室に導入するための手段を備え、手段は、反応室が動作中に、反応ガスの導入によって、反応室内の垂直な渦流の生成が促進されるように、側壁の面に対する位置に配置される。
【0020】
1つ又は複数の窪みは、反応器の2つの対向する側壁上に、互いに面して配置されることが好ましい。
【0021】
一実施例によれば、本発明は、流動層反応器のための反応室を形成する底部、屋根部、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる側壁、並びに反応室に接続される固体分離器を備える、貫流型流動層反応器、好ましくは貫流型流動層ボイラに関する。そのような貫流型流動層反応器の反応室の2つの対向する側壁は、通常、2つの他の側壁より水平方向に長い。従って、反応室の断面は、ほぼ矩形である。反応室を形成する側壁は、貫流ボイラの蒸発システムの一部になるように接続された伝熱面、好ましくは水管壁を備える。好ましくは、貫流型流動層ボイラの反応室の2つの対向するより長い側壁は、反応室に向かって延びる少なくとも1つの窪みを備え、窪みは、側壁の垂直長さのほぼ全体にわたって配置される。
【0022】
流動層の蒸発への影響を平衡させるために、反応室の内隅部は、隣接する側壁を接続し、隣接する側壁と共に貫流ボイラの共通の蒸発システムに接続される、傾斜部を設けられる。傾斜部は平らであることが好ましく、側壁の垂直長さ全体にわたって延びる。
【0023】
好ましくは、反応室の対向する側壁の窪みは互いに面し、それにより、少なくとも2つの隣接する区域が、反応室内に形成される。有利には、反応室の各区域の各内隅部は、傾斜部を備える。それにより、窪みの、窪んだ壁部の反応室側の内隅部は、同様に傾斜部を設けられる。
【0024】
本発明の他の特有の特徴は、添付の特許請求の範囲において、及び図の実施例についての以下の説明において、明らかとなる。
【0025】
本発明は、添付の概略図を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による流動層反応器の一実施例の概略図である。
【図2】図1の流動層反応器の、A方向における概略図である。
【図3】図1の断面II−IIの概略図である。
【図4】本発明による流動層反応器の別の実施例の、A方向における概略図である。
【図5】図4の概略的水平断面図である。
【図6】本発明による流動層反応器の別の実施例の概略図である。
【図7】図6の概略的水平断面図である。
【図8】窪みの一実施例である。
【図9】窪みの別の実施例である。
【図10】窪みのさらに別の実施例である。
【図11】窪みのさらに別の実施例である。
【図12】本発明の一実施例による流動層反応器の概略的断面図である。
【図12a】図12のAの詳細図である。
【図13】窪みの別の実施例の概略図である。
【図14】窪みのさらに別の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1、図2及び図3は、本発明による流動層反応器10の一実施例を概略的に示し、流動層反応器10は、本明細書では、循環式流動層ボイラである。循環式流動層ボイラ10は、底部12、屋根部16、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる複数の側壁14を備える。2つの対向する側壁14は、傾斜した下部を備える。流動層反応器が、分かりやすくするために本明細書に示されない、多くの部品及び要素を備えることは明らかである。図2は、図1の流動層反応器の、A方向における図であり、図3は、図1の流動層反応器の水平断面II−IIを示す。分かりやすくするために、図2及び図3は、いずれも、固体分離器を示していない。
【0028】
底部、屋根部及び側壁14は反応室20を形成し、反応器がボイラである場合は、反応室20は炉である。また、底部12はグリッド25を含み、グリッドを通して、例えば、流動化ガスが反応器に導入される。さらに、循環式流動層反応器は、典型的にはサイクロン分離器である固体分離器18を備える。固体分離器は、ガス導管22によって、屋根部近傍において反応室の上部に接続され、それにより、反応ガスと固体材料との混合物が、前記ガス導管に沿って固体分離器18に流れることができる。固体材料は、固体分離器内でガスから分離され、冷却など、可能な処理を施された後、反応室20、即ち炉に戻される。それ故、固体分離器は、戻り導管24によって反応室20の下部に接続される。固体材料が分離されたガスは、ガス排出接続部26を通って次の処理のためにシステム内に導かれる。
【0029】
反応室20は、本明細書では、4つの側壁30.1、30.2、30.3、30.4で形成される。1つの側壁30.2は、反応室20に対して側壁30.1の方に、少なくとも1つの窪み34を形成する。窪みはほぼ垂直であり、側壁の面32から反応室20に向かって延びる。窪みは、反応室に対して外側の空間を形成する。側壁が窪みを形成することは、例えば、窪みが外側に開くこと、言い換えれば、窪みが、外側からアクセス可能な空間を形成すること、即ち、窪みが、反応室に対して壁の反対側に開くことを意味する。例えば、空間にボイラの支持構造を配置することができる。そのような窪みは、側壁により一層剛性を持たせ、同時に、空間を、例えば、反応器の補助装置を設置するためなど、流動層反応器の動作のために使用することを可能にする。
【0030】
図2に示すように、側壁30.2及び窪みを形成する窪んだ壁部30.2’は、冷却構造35で、例えば水管壁で形成される。水管壁の構造は、変更してよいが、典型的には、管及び官を接続するフィンで形成される気密構造を備える。冷却構造として、窪みはまた、炉の伝熱面として作用し、それにより、本発明による、外側に開く窪みとして、側壁の水管の一部を曲げて反応室に向かって延ばすことによって剛性の側壁構造を形成すると同時に、反応器の伝熱面の量を著しく増すことができる。本発明の一実施例によれば、本発明による窪みは、炉の伝熱面の20%を超える伝熱面を形成するために使用される。特に、貫流ボイラ接続部において、水管壁の水平接続点は、窪み及び側壁のそれぞれを形成する管の中で、水管壁の上部及び下部の両方において、ほぼ同じ高さにある。
【0031】
窪み34は、図1及び図2の実施例では、底部16と屋根部12との間の側壁の少なくとも全長にわたって、垂直に延びる。窪みは、ここでは、傾斜した側壁とグリッドとの接合部まで延び、従って、窪みはグリッドを覆わない。分かりやすくするために、図1〜図3は、1つの側壁上の1つの窪みだけを示しているが、窪みの数が、例えば側壁の水平方向の長さによって確定されるように、少なくとも2つの対向する側壁に対して窪みを配置することが有利である。
【0032】
図4及び図5は、それぞれ、本発明の別の実施例による流動層反応器10の側面図及び上面図を示す。固体分離器は、ここでも同様に、分かりやすくするために除外されている。ここでは、2つの対向する側壁30.2、30.4が、両側壁上に、反応室20に向かって延びる多数の窪み34を形成する。互いに面する窪みは、対向する壁の上に配置される。また、ここでは、窪み34はほぼ垂直であり、側壁の面32から反応室20に向かって延びる。窪みは外側に開いており、言い換えれば、反応室20に対して壁の反対側に開く窪みの中に、空間が形成される。実際には、窪みは、互いからある水平距離内にある2つの垂線上において、側壁30.2が、反応室20の中央部に向かって曲げ又は方向転換をもたらされ、それにより、曲げの又は方向転換の後の壁面がほぼ対向し、曲げの間又は方向転換の間の空間が前記窪みを形成するように、窪みがもたらされる。前記壁面は、本明細書では、窪んだ壁部と称する。
【0033】
図4及び図5は、流動層反応器が支持構造40によって少なくとも部分的に支持される一実施例を示す。支持構造は、流動層反応器の下の土台44に対して少なくとも部分的に支持されるように配置された、少なくとも垂直な柱42を備える。柱42は、側壁の面32から、少なくとも部分的に垂直な窪み34の中に配置される。それにより、例えば、柱間の支持構造40の水平の梁の長さは、対向する側壁の面32の間の距離より小さい。流動層反応器10は、例えばハンガー46によって支持構造40に支持されてよい。窪みの強化効果によって、反応器はまた、負荷を独立に伝達する要素として窪んだ壁部を使用することによって支持されてよい。図は、対向する壁の両方の上の2つの窪みを示すが、窪みの数が変わってよいことは明らかである。
【0034】
そのような窪みは、側壁により一層剛性を持たせ、また、形成された空間を例えば、流動層反応器の動作に関する異なる目的のために利用することを可能にする。
【0035】
図4及び図5では、2つの対向する側壁30.2及び30.4は、2つの他の対向する側壁30.1及び30.3より水平方向に長い。それ故、特に、側壁30.2及び30.4は、互いからのある距離の範囲内に、2つ以上窪みを形成することが有利である。
【0036】
図6及び図7は、本発明によるさらに別の実施例を示す。ここでは、流動層反応器の2つの水平方向により長い側壁30.2、30.4が、互いに面する3つの一連の窪みを形成する。窪みは、くさび状である。より正確には、窪みを形成する窪んだ壁部30.21、30.22は平らであり、長さが等しい。さらに、より長い壁30.2、30.4とより短い壁30.1、30.3との間の各隅部70は傾斜しており、言い換えれば、傾斜部30.5は、窪みの、窪んだ壁部の水平寸法に倣うように形成される。この実施例では、傾斜部30.5は、その最大の水平方向長さの所にあり、最大長さは、2つの傾斜部30.5の長さと、2つの傾斜部30.5の間のより短い側壁30.1、30.3の長さとが等しいときに、実現される。それにより、八角形の水平断面を有する連続する区域20’からなる反応室20が、形成される。
【0037】
そのような反応室は、窪み部を通して、八角形の区域のそれぞれが垂直な中心軸を有する渦流の生成を促進するように配置された、反応ガス(ボイラ用途における含酸素燃焼ガス)のための入口を設けられることが好ましい。好ましくは、前記窪み部は、動作中に、反応ガスの導入が、反応室の各区域20’内に垂直な渦流運動73の生成を促進するように、反応ガスを反応室に導入するための手段72を備える。このために、連続する隅部面及び/又は窪んだ壁部30.21、30.22に接続された、反応ガスを区域20’内に導入するための手段72は、漸次、例えば、隣接する側壁又は2つの区域間の境界に、ほぼ整列されて方向づけられることが好ましい。それ故、2つの隣接する区域の間の境界において、同じ方向73又は反対方向73,73’のいずれかに回転する渦流を、2つの隣接する区域の中に形成することができる。図6及び図7に示す反応器は、反応器の中の各区域が、本明細書で開示したように個別のグリッドを有するか、又は2つの区域のそれぞれの間の傾斜した壁部が区域を接続する壁で置き換えられ、それにより、反応器が連続したグリッドを有するように、形成されてよい。
【0038】
また、図7は、側壁の垂直な窪み34が、反応ガスを反応室に導入するための手段72と、少なくとも部分的に窪み34の中に配置された柱42との両方を備える、本発明のさらに別の実施例を示す。
【0039】
特に、図2を参照すると、本発明の一実施例による流動層反応器は、ボイラの炉20に対して側壁の外側に少なくとも1つの窪み34を形成する、反応室の少なくとも1つの側壁30.2を有するボイラであり、ボイラの窪みはほぼ垂直であり、側壁の面32から反応室に向かって延びる。さらに、窪みの下部Lは、含酸素ガスを導入するための手段21を設けられる。下部は、傾斜した側壁の上に、ある距離、好ましくは側壁の垂直長さの1/3にわたって垂直に延びてよい。さらに、この実施例では、窪みの下部Lの上の、反応器の中間部及び/又は上部に配置された、工程に関する量を測定するための測定手段23が存在する。それらの維持管理が簡単であるので、外側に開く窪みに対するガスの導入及び測定手段の配置は、共に効率的でありながら、簡単であり、且つ有用性に関して有利である。
【0040】
図8は、図2及び図3の窪み34のより詳細な図である。窪みは、側壁の面から反応室に向かって突出し、側壁30.2の一部で形成される。側壁の前記部分は、互いからの距離31の範囲内にある2本の垂線30.25上において側壁の面から偏倚した、少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部30.21、30.22を備える。このようにして、窪みは外側に開いており、例えば維持管理のために、窪みの内部にアクセスすることが容易である。距離31は、実際には、少なくとも1mであることが好ましい。さらに、前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部30.21、30.22は、2つの垂線30.25の間の距離31の少なくとも2倍の距離35にわたって、反応室20に向かって延びることが好ましい。
【0041】
窪んだ壁部は、この実施例ではやはり平らである終端部30.23によって互いに接続される。窪んだ壁部30.21、30.22が、ここでは、側壁の面32にほぼ垂直であるとき、それによって形成する窪みは、ほぼ矩形となる。また、この実施例では、窪んだ壁部及び終端部は共に側壁で形成され、言い換えれば、窪んだ壁部及び終端部は同じ水管壁の一部分である。
【0042】
図9〜図11は、窪み34の異なる実施例を示す。図9に示す実施例は、その中の終端部30.23が、垂線30.25の間の距離31より水平方向に短いという点で、図8の実施例と異なる。
【0043】
図10は、平らな窪んだ壁部が互いに接続されてくさび状の窪みを形成し、窪みの中に三角形の空間を形成するという点で、図8の実施例と異なる一実施例を示す。それにより、同時に、直角より大きい角度が、垂線30.25上において反応室側に形成される。
【0044】
図11は、窪んだ壁部30.21、30.22の方向が垂線上において画定されず、偏倚した部分30.25が、2つ合わせてほぼ直角を形成する等しい角度を有する2つの個別の曲がり部分を備えることを除いて、図8に示す窪みに相当する窪み34の一実施例を示す。このことはまた、短い平らな中間部30.5によってもたらされる丸み付けの一種とみなすことができる。中間部は、平らな中間部に関して、本出願の他の部分において傾斜部とも呼ばれる。短い平らな中間部、言い換えれば傾斜部の使用は、特に、炉の異なる部分の蒸発において最大の均一性が必要とされる貫流ボイラにおいて重要な、炉の隅部によって引き起こされる条件の変化を低減させる。
【0045】
図12は、本発明の一実施例による貫流型流動層反応器10の断面を示し、実施例は、好ましくは、流動層反応器の反応室20を形成する底部12、屋根部(図示せず)、及び底部と屋根部との間を垂直に延びる側壁30.1、30.2、30.3、30.4を備えた貫流型流動層ボイラである。反応室の2つの対向する側壁30.2、30.4は、反応室の2つの他の対向する側壁30.1、30.3より水平方向に長い。従って、反応室は、ほぼ矩形の断面を有する。反応室を形成する側壁は、貫流ボイラの蒸発システムの一部を形成するための伝熱面、好ましくは並列に接続された蒸気管を有する水管壁を備える。好ましい一実施例によれば、蒸発管は、滑らかな内面を有する。流動層の蒸発に対する影響を最小化するために、反応室20の内隅部は、隣接する側壁を接続し、且つ、隣接する壁によって貫流ボイラの同じ蒸発システムに接続される、傾斜部30.5を設けられる。傾斜部は、平らであることが好ましく、壁の垂直長さ全体にわたって延びる。
【0046】
図12の詳細Aが、図12aに示される。図12aは、本発明の傾斜部30.5の好ましい実施例30.5’を示す。傾斜部30.5’の屈曲点30.55の、側壁の面の交点30.57からの距離は、本発明によれば、最小距離30.51から最大距離30.52まで変化することができる。最小距離は約150mmであり、最大距離は約500mmである。図12aにおける太い連続線は、屈曲点が、両側壁30.3、30.4の上に、側壁の面の交点から約350mmの距離にあり、それにより、傾斜部の幅が約500mmである、好ましい一実施例を示す。いくつかの実施例では、屈曲点を、2つの側壁上に、側壁の面の交点から異なる距離に配置することが可能である。
【0047】
反応室20の2つの対向するより長い側壁は、側壁の面から反応室に向かって延びる、少なくとも1つのほぼ垂直な窪み34を備え、窪みの側壁の、反応室側の内角は、傾斜部30.5を設けられる。好ましくは、窪みは、対向する側壁上で互いに面し、それにより、少なくとも2つの隣接する区域20’が反応室内に形成され、一区域によって形成される反応室の各部分は、すべての内角において、傾斜部を備える。区域は、反応器内に共通のグリッド25を備える。それにより、流動層の、隣接する蒸発管に対する影響が非常に均一になり、貫流ボイラの蒸発工程が、以前より良好に制御されうる。
【0048】
図13は、本発明による貫流型流動層ボイラ10の窪み34の一実施例を開示する。窪みを形成する窪んだ壁部30.21、30.22は平らであり、水管壁構造130で形成される。窪みを形成する窪んだ壁部の水管は平らであり、水管壁構造134で形成される。窪んだ壁部の水管の上部は垂直であり、水管は、傾斜部と平行になって底部12まで下方に延びるために、側壁と平らになるように曲げられる。窪んだ壁部30.21、30.22は、2つの水管群132、134で形成され、水管群のうちの第1の水管群132は、側壁と接続して配置され、第2の水管群134は、第1の水管群の延長として、反応器の壁から離れて平らに延びるように配置される。第1の水管群132の管は曲げられ、グリッドの面まで、側壁とほぼ平行に下方に延在する。また、第1の水管群が底部12のグリッドの高さにあるときに、第2の水管群が、第1の水管群のそばに折り重なるように、第2の水管群が曲げられるまでは、第2の水管群134の管は、側壁とほぼ平行に延在するように配置される。図において、参照番号135は、両水管群が実質的に重なり合う領域を指す。窪みの終端部30.23は、上部から直接、底部12のグリッドの高さまで延在するように配置されている。この実施例では、第2の水管群134は、参照番号137で示す領域において、流動層の影響を完全に受け、言い換えれば、熱は、両側から水管に伝達される。特に、この実施例が貫流型流動層ボイラにおいて使用されるとき、第2の水管群134の一方の側が、領域137において、断熱のための耐熱層を設けられること、言い換えれば、一方の側が、十分な量の断熱コーティングで被覆されることが好ましい。このようにして、第1及び第2の平行水管群に対する流動層並びに燃焼工程の影響は、熱伝達が互いに十分に調和するように、平衡されうる。それにより、貫流ボイラの水管壁の構造に対する不均一な熱伝達によって引き起こされる応力は、最小化される。
【0049】
図14は、本発明による貫流型流動層ボイラ10の窪み34の別の実施例を開示する。また、窪んだ壁部30.21、30.22は、ここでは平らであり、水管構造130で形成される。窪んだ壁部の水管は、図13に示すように配置される。窪みの終端部30.23は、窪んだ壁部の第2の水管群134の外縁に整列され、それにより、第2の水管群と気密に接続されて窪み34を形成するように延在するように配置される。終端部がこのように配置されると、第2の水管群134は図13に示す領域135において、終端部の後に留まり、それ故、この領域において、炉と直接、接続されていない。
【0050】
添付の図面に示されない第3の代替案は、第1の曲がりの後、平行に下方にグリッドまで延びる、窪みの窪んだ壁部の管と、窪みの終端部の管の両方のすべての管が、同様に、外側の水管群の外縁に平行に、下方にグリッドまで延びるものである。この代替案では、各管に対する熱伝達は、全距離にわたってほぼ同じである。この案における不利点は、窪みが、図13及び図14に開示される代替案におけるよりも深くグリッド領域に伸び、そのことが、グリッドの表面積を減少させることである。
【0051】
本発明が、いくつかの最も好ましい実施例によって、本明細書に説明されたことに留意されたい。従って、本発明は、開示された実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲内に含まれる、特徴の種々の組合せ又は改変、並びにいくつかの他の用途を包含することを意図することを、理解されたい。また、異なる実施例に関連して示される特徴は、そのように望まれるならば、またそれらのための技術的可能性が存在するならば、他の実施例に関連する本発明の基本概念の中で、及び/又は異なる組合せで組み合わされて、使用されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動層反応器の反応室(20)を形成する底部(12)、屋根部(16)及び前記底部と前記屋根部との間を垂直に延びる複数の側壁(14)、並びに前記反応室に接続する固体分離器(18)を備える流動層反応器(10)であって、前記反応室の少なくとも1つの側壁(30.1)が前記反応室(20)内に少なくとも1つの窪み(34)を形成し、その窪みがほぼ垂直であり、前記少なくとも1つの側壁の面(32)から前記反応室に向かって延びることを特徴とする、流動層反応器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの窪みが、前記底部と前記屋根部との間の前記少なくとも1つの側壁の全長にわたって垂直に延びることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの側壁及び前記少なくとも1つの窪みが水管壁で形成され、熱が前記反応室から前記水管壁へ伝達されうることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流動層反応器。
【請求項4】
前記反応室の2つの対向する側壁(30.2、30.4)が、前記少なくとも1つの側壁の前記面から前記反応室に向かって延びる、少なくとも1つのほぼ垂直な窪みを備えることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器。
【請求項5】
前記反応室の前記2つの対向する側壁(30.2、30.4)が、前記反応室の2つの他の対向する側壁(30.1、30.3)より水平方向に長いことを特徴とする、請求項4に記載の流動層反応器。
【請求項6】
前記流動層反応器が、支持構造(40)によって少なくとも部分的に支持され、その支持構造が、少なくとも部分的に前記流動層反応器の下にある土台(44)によって支持される垂直な柱(42)を備え、前記柱(42)が、少なくとも部分的に前記垂直な窪み(34)内に配置されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の流動層反応器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの側壁の前記面から前記反応室に向かって延びる前記窪みが、前記少なくとも1つの側壁の前記面から前記反応室に向かって突出する前記少なくとも1つの側壁の一部で形成され、前記側壁の前記一部が、互いからある距離の範囲内にある2本の垂線上において前記少なくとも1つの側壁の前記面から偏倚した、少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部を備えることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の流動層反応器。
【請求項8】
前記垂線の前記距離が、少なくとも1mであることを特徴とする、請求項7に記載の流動層反応器。
【請求項9】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部が、前記垂線の間の前記距離の少なくとも2倍の距離にわたって、前記反応室に向かって延びることを特徴とする、請求項8に記載の流動層反応器。
【請求項10】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部の前記反応室側の端部が、終端部(30.23)によって互いに接続されることを特徴とする、請求項8に記載の流動層反応器。
【請求項11】
前記窪みが、含酸素反応ガスを前記底部の上の前記反応室に導入するための手段、及び/又は燃料を前記反応室に導入するための手段、及び/又は前記反応室内で発生する反応に関連する量を測定するための少なくとも1つのセンサを備えることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の流動層反応器。
【請求項12】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部が、平らであることを特徴とする、請求項7に記載の流動層反応器。
【請求項13】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部が、前記少なくとも1つの側壁の前記面の法線から偏倚したある角度にあり、それにより、窪んだ壁部が、前記反応室に向かって延びて三角形又はくさび状の窪みを形成することを特徴とする、請求項12に記載の流動層反応器。
【請求項14】
互いに面する2つの窪みが、前記反応室の2つの対向する側壁上に配置されることを特徴とする、請求項5又は13に記載の流動層反応器。
【請求項15】
互いに面する前記2つの窪みが、反応ガスを前記反応室に導入するための手段を備え、前記手段が、前記反応ガスの前記導入が、動作中に前記反応室内の渦運動の生成を促進するような、前記側壁面に対する位置において方向づけられることを特徴とする、請求項14に記載の流動層反応器。
【請求項1】
流動層反応器の反応室(20)を形成する底部(12)、屋根部(16)及び前記底部と前記屋根部との間を垂直に延びる複数の側壁(14)、並びに前記反応室に接続する固体分離器(18)を備える流動層反応器(10)であって、前記反応室の少なくとも1つの側壁(30.1)が前記反応室(20)内に少なくとも1つの窪み(34)を形成し、その窪みがほぼ垂直であり、前記少なくとも1つの側壁の面(32)から前記反応室に向かって延びることを特徴とする、流動層反応器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの窪みが、前記底部と前記屋根部との間の前記少なくとも1つの側壁の全長にわたって垂直に延びることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの側壁及び前記少なくとも1つの窪みが水管壁で形成され、熱が前記反応室から前記水管壁へ伝達されうることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流動層反応器。
【請求項4】
前記反応室の2つの対向する側壁(30.2、30.4)が、前記少なくとも1つの側壁の前記面から前記反応室に向かって延びる、少なくとも1つのほぼ垂直な窪みを備えることを特徴とする、請求項1に記載の流動層反応器。
【請求項5】
前記反応室の前記2つの対向する側壁(30.2、30.4)が、前記反応室の2つの他の対向する側壁(30.1、30.3)より水平方向に長いことを特徴とする、請求項4に記載の流動層反応器。
【請求項6】
前記流動層反応器が、支持構造(40)によって少なくとも部分的に支持され、その支持構造が、少なくとも部分的に前記流動層反応器の下にある土台(44)によって支持される垂直な柱(42)を備え、前記柱(42)が、少なくとも部分的に前記垂直な窪み(34)内に配置されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の流動層反応器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの側壁の前記面から前記反応室に向かって延びる前記窪みが、前記少なくとも1つの側壁の前記面から前記反応室に向かって突出する前記少なくとも1つの側壁の一部で形成され、前記側壁の前記一部が、互いからある距離の範囲内にある2本の垂線上において前記少なくとも1つの側壁の前記面から偏倚した、少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部を備えることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の流動層反応器。
【請求項8】
前記垂線の前記距離が、少なくとも1mであることを特徴とする、請求項7に記載の流動層反応器。
【請求項9】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部が、前記垂線の間の前記距離の少なくとも2倍の距離にわたって、前記反応室に向かって延びることを特徴とする、請求項8に記載の流動層反応器。
【請求項10】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部の前記反応室側の端部が、終端部(30.23)によって互いに接続されることを特徴とする、請求項8に記載の流動層反応器。
【請求項11】
前記窪みが、含酸素反応ガスを前記底部の上の前記反応室に導入するための手段、及び/又は燃料を前記反応室に導入するための手段、及び/又は前記反応室内で発生する反応に関連する量を測定するための少なくとも1つのセンサを備えることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の流動層反応器。
【請求項12】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部が、平らであることを特徴とする、請求項7に記載の流動層反応器。
【請求項13】
前記少なくとも2つのほぼ垂直な窪んだ壁部が、前記少なくとも1つの側壁の前記面の法線から偏倚したある角度にあり、それにより、窪んだ壁部が、前記反応室に向かって延びて三角形又はくさび状の窪みを形成することを特徴とする、請求項12に記載の流動層反応器。
【請求項14】
互いに面する2つの窪みが、前記反応室の2つの対向する側壁上に配置されることを特徴とする、請求項5又は13に記載の流動層反応器。
【請求項15】
互いに面する前記2つの窪みが、反応ガスを前記反応室に導入するための手段を備え、前記手段が、前記反応ガスの前記導入が、動作中に前記反応室内の渦運動の生成を促進するような、前記側壁面に対する位置において方向づけられることを特徴とする、請求項14に記載の流動層反応器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−529365(P2012−529365A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514505(P2012−514505)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【国際出願番号】PCT/FI2010/050490
【国際公開番号】WO2010/142861
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(506425251)フォスター ホイーラー エナージア オサケ ユキチュア (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【国際出願番号】PCT/FI2010/050490
【国際公開番号】WO2010/142861
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(506425251)フォスター ホイーラー エナージア オサケ ユキチュア (23)
【Fターム(参考)】
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