説明

流通管理システム

【課題】 RFID技術を用いた商品の流通管理システムにおける高速レスポンスを実現する。
【解決手段】
統合管理センタ2の管理サーバ20は、管理対象のすべての商品について、商品の識別情報を含む当該商品に関する商品情報を記憶する商品マスタ21を備える。複数の流通拠点1の入出荷管理装置10には、出荷する商品の配送先の指定の入力を受け付ける入力装置31、および入出荷する商品4に付されたRFIDタグ41から、商品の識別情報を読み出すICリーダ33が接続されている。そして、入出荷管理装置10は、入荷検品処理を行う入荷処理部11と、出荷検品処理を行う出荷処理部12と、商品情報を記憶するための商品マスタ14と、入荷予定の商品の商品情報を受信し、商品マスタ14に格納し、出荷検品処理後に、商品マスタ14に記憶されている商品情報を、管理サーバ20および指定された配送先の入出荷管理装置10へ送信するするデータ転送処理部13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID技術を利用した商品管理のためのシステムに関し、特に、流通過程における商品管理のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)技術による商品管理の手法が種々提案されている(例えば非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】RFIDの実用化をめぐる二つの流れ 末永俊一郎:UNISYS TECHNOLOGY REVIEW 第78号,AUG 2003(http://www.unisys.co.jp/tec_info/tr78/7806.pdf)
【0004】
【非特許文献2】http://rfid.toppan-f.co.jp/info/auto-id.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、RFID技術を用いると、商品一つ一つにRFIDタグが付され、個々の商品にそれぞれ割り当てられた識別情報に基づいた処理が行われる。すなわち、大量の商品について一括で入出荷処理などをする場合は、大量のRFIDタグから読み出された個々の商品の識別情報について、それぞれ他のデータとの関連づけを行ったり、商品管理センタへの問い合わせを行ったりして、データ量が増大し、頻繁、かつ大量のトランザクションが発生する。この結果、データベースに格納されるデータ量、ネットワーク上のデータ量共に増大し、レスポンスが低下する。
【0006】
また、非特許文献2に示されている仕組みでは、個々の商品の識別情報は企業に依存せず、どの企業においてもユニークな識別情報として利用できるよう定められている。従って、この識別情報は企業間での商品取引に利用することが可能となり、トレーサビリティ、SCM(Supply Chain Management)での利用が期待できる。そして、この場合、複数企業間で商品に関する情報を共有するために、統合的にデータを管理するセンタが必要となる。
【0007】
しかしながら、このセンタを設けると、上述のデータ量の増大の問題と相まって、センタへのアクセスが集中し、処理速度の低下などを招くおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、RFID技術を用いた商品の流通管理システムにおける高速レスポンスを実現するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの実施態様に従う流通管理システムは、複数の流通拠点にそれぞれ設置された複数の流通拠点システムと、前記複数の流通拠点システムを統合する統合管理システムとを備えた流通管理システムであって、前記統合管理システムは、管理対象のすべての商品について、商品の識別情報を含む当該商品に関する商品情報を記憶する第1の記憶手段を備え、前記複数の流通拠点システムのそれぞれは、前記商品情報を記憶するための第2の記憶手段と、入荷予定の商品の商品情報を受信し、前記第2の記憶手段に格納する手段と、入荷した商品に付された半導体記憶装置および出荷する商品に付された半導体記憶装置から、それぞれ、前記入荷した商品または前記出荷する商品の識別情報を読み出す手段と、前記読み出し手段が読み出した前記入荷した商品の識別情報と、前記第2の記憶手段に記憶されている前記商品情報とを対応付けて、入荷検品処理を行う手段と、出荷する商品の配送先の指定を受け付ける手段と、前記読み出し手段が読み出した前記出荷する商品の識別情報と、前記第2の記憶手段に記憶されている前記商品情報とを対応付けて、出荷検品処理を行う手段と、出荷検品処理後に、前記第2の記憶手段に記憶されている前記商品情報を、前記統合管理システムおよび指定された前記配送先の流通拠点システムへ送信する手段と、を備える。
【0010】
好適な実施形態では、前記商品情報は、それぞれの商品の属性情報およびトレーサビリティ情報を含んでもよい。
【0011】
好適な実施形態では、前記出荷検品処理は、当該流通拠点の識別情報を、前記トレーサビリティ情報に追加する処理を含んでもよい。
【0012】
好適な実施形態では、前記複数の流通拠点システムのそれぞれは、前記送信手段が送信を完了した後、送信済みの前記商品情報を前記第2の記憶手段から削除する手段をさらに備えてもよい。
【0013】
本発明の一つの実施態様に従う商品の出荷管理システムは、入荷済みの商品の識別情報を含む、前記入荷済みの商品に関する商品情報を記憶する手段と、出荷する商品に付された半導体記憶装置から、前記出荷する商品の識別情報を読み出す手段と、前記出荷する商品の配送先の指定を受け付ける手段と、前記読み出し手段が読み出した前記出荷する商品の識別情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記出荷する商品の商品情報を更新する手段と、管理対象の全商品に関する商品情報を統合管理するシステム、および指定された前記配送先のシステムへ、更新された前記商品情報を送信する手段とを備える。
【0014】
本発明の一つの実施態様に従う商品の入荷管理システムは、商品の配送元のシステムから直接送信された、入荷予定の商品の識別情報を含む前記入荷予定の商品に関する商品情報を受信する手段と、前記受信手段が受信した前記商品情報を記憶する手段と、入荷した商品に付された半導体記憶装置から、前記入荷した商品の識別情報を読み出す手段と、前記読み出し手段が読み出した前記入荷予定の商品の識別情報に基づいて、前記入荷した商品の商品情報を前記記憶手段から取得し、表示装置に表示させる手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る流通管理システムの全体構成図である。
【図2】商品マスタのデータ項目の一例を示す図である。
【図3】出荷検品処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】データ転送処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】入荷検品処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明にかかる第一の実施形態における図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る流通管理システムについて、図面を用いて説明する。
【0017】
まず、本実施形態に係る流通管理システムの全体構成図を図1に示す。本システムが管理する流通システムは、RFID(Radio Frequency Identification)技術を用いて、複数の流通拠点(商品の製造元、倉庫、卸、店舗など)1を流通する商品4を、全流通拠点を統合する統合管理センタ2で管理する。各流通拠点1(図1では2箇所だけ表示している)には、その拠点での商品管理を行うシステムが設定されている。すなわち、各流通拠点のシステムは、それぞれ、入出荷管理装置10と、入出荷管理装置10に接続されている入力装置31と、表示装置32と、ICリーダ33とを備える。統合管理センタ2には、全流通拠点で扱う商品に関するデータを集中管理する管理サーバ20を備える。そして、入出荷管理装置10及び管理サーバ20がネットワーク9を介して接続されている。また、ネットワーク9には、GLN(Global Location Number)アドレス解決サーバ3がさらに接続されている。
【0018】
入出荷管理装置10、管理サーバ20およびGLNアドレス解決サーバ3は、いずれも例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する各装置及びサーバ10、20、3内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0019】
ここで、本実施形態で管理対象とする商品4のすべてには、半導体記憶装置を含むRFIDタグ(無線ICタグ)41が付されている。ICリーダ33は、非接触でRFIDタグ41に記憶されている情報を読み出す。RFIDタグ41には、少なくとも、それぞれの商品4の識別情報(以下の例では商品IDとロットNo)が記憶されている。
【0020】
入出荷管理装置10は、図1に示すように、入荷処理部11と、出荷処理部12と、データ転送処理部13と、商品マスタ14とを備える。
【0021】
商品マスタ14には、商品データが格納されている。流通拠点の商品マスタ14には、各流通拠点で取り扱う商品データのみが格納される。商品マスタ14のデータ項目の一例を図2に示す。同図に示すように、商品マスタ14には、例えば、商品の属性情報141、入出荷管理情報142および商品の製造から販売までの流通履歴を示すトレーサビリティ情報143を含む。商品属性情報141及びトレーサビリティ情報143は、各商品に固有な情報であり、全拠点で共通するが、入出荷管理情報142は、それぞれの流通拠点で固有な情報である。
【0022】
例えば、商品4がTシャツである場合には、商品属性情報141には、商品の種別を示す商品ID151,製造元ID152,サイズ153,カラー154,ロットNo155が含まれる。ロットNo155は、同一種類の商品の中で、個々の商品を識別する情報である。従って、商品ID151とロットNo155との組み合わせにより、個々の商品をユニークに識別可能である。
【0023】
入出荷管理情報142には、入荷伝票ID156、入荷日時157、出荷伝票ID158、出荷日時159及び出荷先GLN160を含む。入荷伝票ID156及び出荷伝票ID158は、それぞれ、商品の入出荷のときに用いられる伝票の識別情報である。入荷日時157及び出荷日時159は、それぞれ入出荷検品処理を行った日時である。
【0024】
トレーサビリティ情報143には、商品の製造元ID161と、製造日162と、経路/日付163とを含む。経路/日付163は、商品の流通経路で、その商品を取り扱った流通拠点の識別情報(拠点ID)と、その拠点での入荷日及び出荷日であり、複数設定することができる。
【0025】
入荷処理部11は、商品4が入荷したときに、商品4の入荷検品処理を行う。例えば、ICリーダ33が、流通拠点1に入荷した商品4に付されているRFIDタグ41から商品の識別情報を読み出すと、入荷処理部11は、読み出された識別情報を商品マスタ14に格納されている商品属性情報141に含まれる識別情報と照合する。識別情報が一致すると、入荷処理部11は入荷日時157をセットする。入荷検品処理の詳細な処理手順については、後述する。
【0026】
出荷処理部12は、商品4を出荷するときに、出荷検品処理を行う。例えば、出荷予定の商品4のRFID41からICリーダ33を用いて商品の識別情報を読み出した後、出荷処理部12が読み出された識別情報を商品マスタ14に格納されている商品属性情報141に含まれる識別情報と照合する。そして、識別情報が一致した場合は、出荷日時159などをセットする。さらに、トレーサビリティ情報143の経路/日付163に、この入出荷管理装置10が設置されている流通拠点1の拠点ID及び出荷日を追加する。出荷検品処理の詳細な処理手順については、後述する。
【0027】
データ転送処理部13は、商品マスタ14に格納されている商品属性情報141及びトレーサビリティ情報143を管理サーバ20および他の流通拠点の入出荷管理装置10へ転送する。また、データ転送処理部13は、他の流通拠点の入出荷管理装置10から転送されてくる情報を受信し、自装置の商品マスタ14へ格納する。あるいは、データ転送処理部13は、管理サーバ20から商品属性情報141及びトレーサビリティ情報143を取得し、商品マスタ14へ格納する。なお、データ転送処理部13は、Webサービスを用いて実装することもできる。
【0028】
統合管理センタ2に設置されている管理サーバ20は、商品マスタ21を備える。この商品マスタ21は、本実施形態の流通管理システムで管理対象となっている全商品(いずれかの流通拠点1で取り扱われる商品)に関する情報が格納されている。例えば、商品マスタ21には、管理対象の全商品に関する商品属性情報141およびトレーサビリティ情報143が格納されている。つまり、各流通拠点1の商品マスタ14は、その拠点で取り扱う商品データのみが格納されているのに対し、統合管理センタ2の商品マスタ21には、全拠点の商品データが格納されている。従って、後述するように、各流通拠点1で必要な情報が、各流通拠点の商品マスタ14にないときは、統合管理センタ2の商品マスタ21から取得する。
【0029】
GLNアドレス解決サーバ3は、全流通拠点1のGLNとそこに設置されている入出荷管理装置10のIPアドレスとを対応付けて記憶している。そして、入出荷管理装置10などからGLNの通知を受けると、これに対応するIPアドレスを返信する。
【0030】
次に、流通拠点1aから流通拠点1bへ商品4を配送する場合の、入出荷処理について、図3から図6を用いて詳細に説明する。
【0031】
まず、出荷検品処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、流通拠点1aが流通拠点1bへ出荷する場合について説明する。従って、以下の説明は、特に示す場合を除き、流通拠点1aに設置されている入出荷管理装置10等が行う出荷検品
処理である。
【0032】
ここで、商品マスタ14には、すでに入荷している商品データが格納されている。このとき、入力装置31が出荷先の指定および出荷伝票IDの入力を受け付ける(S11)。
ここで入力された情報は、出荷処理部13が一時的に保持する。ここで、出荷先の指定はGLNで受け付ける。GLNは、企業や事業所などをユニークに特定することができる。
この例では、出荷先は流通拠点1bである。
【0033】
次に、ICリーダ33を用いて、出荷予定の全商品4のRFIDタグ14から各商品の識別情報、つまり商品ID及びロットNoを読み出す(S12)。全商品の商品ID及びロットNoが読み出されると、出荷処理部12は、読み出された情報と商品マスタ14の商品ID151及びロットNo155とを照合する。そして、合致したものについては、出荷処理部12は商品マスタ14の以下の項目にそれぞれ設定する(S13)。すなわち、出荷伝票ID158及び出荷先GLN160には、ステップS11で入力を受け付けた情報を設定する。出荷日時159には現在日時を設定する。経路/日付163には、自装置が設置されている流通拠点の拠点ID及び日付を設定する。
【0034】
ここで、ステップS12で読み込んだ商品ID及びロットNoが、商品属性141の商品ID151及びロットNo155とすべて合致したかどうかを判定する(S14)。合致しないものがある場合(S14:No)、データ転送処理部13が合致しない商品ID及びロットNoをキーにして、管理サーバ20から商品属性情報141及びトレーサビリティ情報143を取得し、商品マスタ14に格納する。その後、ステップS13へ戻る(S15)。ステップS14で、すべて合致した場合には(S14:Yes),出荷検品処理が完了する。
【0035】
出荷検品処理が完了すると、出荷検品された商品は伝票と共に配送先へ出荷可能な状態となる。従って、この例では、流通拠点1aから流通拠点1bへ商品4が移動する。
【0036】
また、入出荷管理装置10は、出荷検品処理と非同期に、データ転送処理を行う。データ転送処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
データ転送処理部13は、商品マスタ14を適当な間隔でポーリングし、出荷処理が行われた商品があるかを確認する(S21)。出荷処理済みであるかは、例えば、出荷日時159にデータがセットされているかどうかで行う。出荷処理済み商品があるときは(S21:Yes)、出荷処理済みの全商品について、出荷先GLN160にセットされているGLNを、GLNアドレス解決サーバ3へ問い合わせを行って、出荷先流通拠点の入出荷管理装置10のIPアドレスへ変換する(S22)。そして、データ転送処理部13は、出荷処理済みの全商品の商品属性情報141およびトレーサビリティ情報143を、管理サーバ20およびステップS22で取得したIPアドレスを用いて出荷先流通拠点の入出荷管理装置10へ転送する(S23)。なお、管理サーバ20のIPアドレスはデータ転送処理部13が予め保持している。
【0038】
データ転送処理部13は、ステップS23の転送処理が正常に終了したかを確認する。
正常終了していないときは再送し、全データが正常に転送完了するまで行う(S24)。
そして、データ転送処理部13は、正常に転送されたデータを商品マスタ14から削除する(S25)。これは、流通拠点1aでは、この後出荷済みの商品のデータをほとんど必要としないからである。出荷済みの商品の情報が必要になった場合は、管理サーバ20からダウンロードすることが可能である。
【0039】
なお、データ転送を受け付けた流通拠点1bの入出荷管理装置10は、データ転送処理部13がそれを受け付けて、商品マスタ14に格納する。流通拠点1aの入出荷管理装置10が出荷先(流通拠点1b)の入出力管理装置10に対して転送するデータには、商品属性情報141及びトレーサビリティ情報143に加えて、出荷伝票ID158を含めても良い。この場合、流通拠点1bの入出荷管理装置10は、受信した出荷伝票IDを自装置の商品マスタ14の入荷伝票ID156に設定する。
【0040】
上述のデータ転送は出荷検品処理と非同期に行っているが、出荷検品処理と同期して、出荷検品処理後に続けて行ってもよい。データ転送と出荷検品処理とを非同期に行ったときには、出荷検品処理とデータ転送処理を切り離すことができ、大量の商品の出荷検品処理であっても、高速レスポンスにより短時間で処理を終わらせることができる。
【0041】
次に、入荷検品処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。ここでは、流通拠点1bに商品が入荷されたときの処理について説明する。従って、以下の説明は、特に示す場合を除き、流通拠点1bに設置されている入出荷管理装置10等が行う入荷検品処理である。
【0042】
上述のデータ転送処理により、流通拠点1bの商品マスタ14には、入荷予定の商品の属性情報141及びトレーサビリティ情報143が格納されている。このとき、入力装置31から入荷伝票IDの入力を受け付ける(S31)。ここで受け付けた入荷伝票IDは、入荷処理部11が一時的に保持する。次に、ICリーダ33を用いて、入荷した全商品4のRFIDタグ14から各商品の商品ID及びロットNoを読み出す(S32)。全商品の商品ID及びロットNoが読み出されると、入荷処理部11は、読み出された情報と商品マスタ14の商品ID151及びロットNo155とを照合する。このとき、入荷伝票ID156が設定されていれば、さらにステップS31で入力を受け付けた入荷伝票IDと合致するかを確認する。
【0043】
そして、上記照合の結果、合致したものについては、入荷処理部11が商品マスタ14の入荷日時157に現在日時を設定する(S33)。
【0044】
ここで、ステップS32で読み込んだ商品ID及びロットNoが、商品属性141の商品ID151及びロットNo155とすべて合致したかどうかを判定する(S34)。合致しないものがある場合(S34:No)、データ転送処理部13が合致しない商品ID及びロットNoをキーにして、管理サーバ20から商品属性情報141及びトレーサビリティ情報143を取得し、商品マスタ14に格納する。その後、ステップS33へ戻る(S36)。ステップS34で、すべて合致した場合には(S34:Yes)、入荷商品一覧を表示装置32に表示する(S35)。入荷商品一覧の表示画面100の一例を図6に示す。
【0045】
本実施形態によれば、入荷予定の商品データは、出荷元の入出力管理装置10から転送さているので、入荷検品処理を行うために統合管理センタ2から商品データを取得する必要がない。この結果、商品が入荷した時点で直ちに入荷処理を行うことができ、入荷処理を、簡易且つ高速に行うことができる。さらに、入荷処理を行うために管理センタ20へアクセスする必要もないので、ネットワーク負荷を軽減できる。また、何らかの理由で入荷検品処理のときに、自装置の商品マスタ14に商品データがないことがわかれば、その時点で統合管理センタ2から取得すればよい。
【0046】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0047】
例えば、統合管理センタ2は、複数あってもよい。その場合、それぞれの統合管理センタ2が管理する対象の地域を定め、分散管理しても良い。
【符号の説明】
【0048】
1・・・流通拠点、2・・・統合管理センタ、3・・・GLNアドレス解決サーバ、4・・・商品、10・・・入出荷管理装置、11・・・入荷処理部、12・・・出荷処理部、13・・・データ転送処理部、20・・・管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流通拠点にそれぞれ設置された複数の流通拠点システムと、前記複数の流通拠点システムを統合する統合管理システムとを備えた流通管理システムであって、
前記統合管理システムは、
管理対象のすべての商品について、商品の識別情報を含む当該商品に関する商品情報を記憶する第1の記憶手段を備え、
前記複数の流通拠点システムのそれぞれは、
前記商品情報を記憶するための第2の記憶手段と、
入荷予定の商品の商品情報を受信し、前記第2の記憶手段に格納する手段と、
入荷した商品に付された半導体記憶装置および出荷する商品に付された半導体記憶装置から、それぞれ、前記入荷した商品または前記出荷する商品の識別情報を読み出す手段と、
前記読み出し手段が読み出した前記入荷した商品の識別情報と、前記第2の記憶手段に記憶されている前記商品情報とを対応付けて、入荷検品処理を行う手段と、
出荷する商品の配送先の指定を受け付ける手段と、
前記読み出し手段が読み出した前記出荷する商品の識別情報と、前記第2の記憶手段に記憶されている前記商品情報とを対応付けて、出荷検品処理を行う手段と、
出荷検品処理後に、前記第2の記憶手段に記憶されている前記商品情報を、前記統合管理システムおよび指定された前記配送先の流通拠点システムへ送信する手段と、を備える流通管理システム。
【請求項2】
前記商品情報は、それぞれの商品の属性情報およびトレーサビリティ情報を含むことを特徴とする請求項1記載の流通管理システム。
【請求項3】
前記出荷検品処理は、当該流通拠点の識別情報を、前記トレーサビリティ情報に追加する処理を含むことを特徴とする請求項2記載の流通管理システム。
【請求項4】
前記複数の流通拠点システムのそれぞれは、
前記送信手段が送信を完了した後、送信済みの前記商品情報を前記第2の記憶手段から削除する手段をさらに備える請求項1記載の流通管理システム。
【請求項5】
入荷済みの商品の識別情報を含む、前記入荷済みの商品に関する商品情報を記憶する手段と、
出荷する商品に付された半導体記憶装置から、前記出荷する商品の識別情報を読み出す手段と、
前記出荷する商品の配送先の指定を受け付ける手段と、
前記読み出し手段が読み出した前記出荷する商品の識別情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記出荷する商品の商品情報を更新する手段と、
管理対象の全商品に関する商品情報を統合管理するシステム、および指定された前記配送先のシステムへ、更新された前記商品情報を送信する手段とを備える商品の出荷管理システム。
【請求項6】
商品の配送元のシステムから直接送信された、入荷予定の商品の識別情報を含む前記入荷予定の商品に関する商品情報を受信する手段と、
前記受信手段が受信した前記商品情報を記憶する手段と、
入荷した商品に付された半導体記憶装置から、前記入荷した商品の識別情報を読み出す手段と、
前記読み出し手段が読み出した前記入荷予定の商品の識別情報に基づいて、前記入荷した商品の商品情報を前記記憶手段から取得し、表示装置に表示させる手段と、を備える商品の入荷管理システム。
【請求項7】
入荷予定または入荷済みの商品の識別情報を含む、前記商品に関する商品情報を記憶手段に格納し、
出荷する商品に付された半導体記憶装置から、前記出荷する商品の識別情報を読み出し、
前記出荷する商品の配送先の指定を受け付け、
前記読み出し手段が読み出した前記出荷する商品の識別情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記出荷する商品の商品情報を更新し、
管理対象の全商品に関する商品情報を統合管理するシステム、および指定された前記配送先のシステムへ、更新された前記商品情報を送信する、商品の出荷処理方法。
【請求項8】
商品の配送元のシステムから直接送信された、入荷予定の商品の識別情報を含む前記入荷予定の商品に関する商品情報を受信し、
受信した前記商品情報を記憶手段に格納し、
入荷した商品に付された半導体記憶装置から、前記入荷した商品の識別情報を読み出し、
読み出した前記入荷予定の商品の識別情報に基づいて、前記入荷した商品の商品情報を前記記憶手段から取得し、表示装置に表示させる、商品の入荷処理方法。
【請求項9】
コンピュータに実行されると、
入荷予定または入荷済みの商品の識別情報を含む、前記商品に関する商品情報を記憶手段に格納し、
出荷する商品に付された半導体記憶装置から、前記出荷する商品の識別情報を読み出し、
前記出荷する商品の配送先の指定を受け付け、
前記読み出し手段が読み出した前記出荷する商品の識別情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記出荷する商品の商品情報を更新し、
管理対象の全商品に関する商品情報を統合管理するシステム、および指定された前記配送先のシステムへ、更新された前記商品情報を送信する、商品の出荷処理のためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータに実行されると、
商品の配送元のシステムから直接送信された、入荷予定の商品の識別情報を含む前記入荷予定の商品に関する商品情報を受信し、
受信した前記商品情報を記憶手段に格納し、
入荷した商品に付された半導体記憶装置から、前記入荷した商品の識別情報を読み出し、
読み出した前記入荷予定の商品の識別情報に基づいて、前記入荷した商品の商品情報を前記記憶手段から取得し、表示装置に表示させる、商品の入荷処理のためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−52947(P2010−52947A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277302(P2009−277302)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【分割の表示】特願2004−18271(P2004−18271)の分割
【原出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】