説明

流量制御弁

【課題】2種類の流量変化特性を任意に選んで流量制御を行うことが可能な流量制御弁を提供する。
【解決手段】本発明の流量制御弁10では、直動シャフト80の直動の前後方向において、第1弁孔40Aに対して第1弁体40を後側に配置したのとは逆に、第2弁孔51A,52Aに対して第2弁体51,52を前側に配置したので、直動シャフト80を可動ストロークの中間位置より後側で直動して第1弁体40のみを動作させ、流量が「0」の状態から第1の流量変化特性の下で流量制御を行うことができるし、直動シャフト80を可動ストロークの中間位置より前側で直動して第2弁体51,52のみを動作させ、流量が「0」の状態から第2の流量変化特性の下で流量制御を行うこともできる。即ち、本実施形態の流量制御弁10によれば、2種類の流量変化特性を任意に選んで流量制御を行うことが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前進又は後退する直動部材がその可動ストロークの中間位置より一方側に移動したときに、弁孔を閉じた弁体と係止して弁孔を開き、直動部材が中間位置より他方側に移動したときに、直動部材と弁体との係止が解除されると共に、弁体付勢手段によって弁孔を閉じた状態が保持される流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の流量制御弁として、図13に示すように、開口面積が異なる小弁孔1と大弁孔2とを備えたものが知られている。この流量制御弁では、大弁孔2を開閉する大弁体4の中心に小弁孔1を備え、直動部材5に一体に備えた小弁体3にて小弁孔1を開閉する構成になっている。そして、直動部材5の可動ストロークの前端位置で、小弁孔1及び大弁孔2が共に閉じた状態になり、そこから直動部材5と共に小弁体3を後退させていくと小弁孔1のみが先に開いていき、途中で直動部材5に備えた係止突部6が大弁体4に係止して大弁体4も後退し、小弁孔1に加えて大弁孔2も開いていく。また、小弁孔1及び大弁孔2と通過した流体は、何れも同じ流体排出口7から排出される。これにより、この流量制御弁では、図14に示すように、直動部材5の位置変化に対する流量変化が比較的小さい第1の流量変化特性(図14の「L部」参照)の下での流量制御と、直動部材5の位置変化に対する流量変化が比較的大きい第2の流量変化特性(図14の「H部」参照)の下での流量制御とを行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−024282号公報(図1及び図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の流量制御弁では、流量が0から一定の範囲では、第1の流量変化特性の下でしか流量制御を行うことができず、流量が一定以上では、第2の流量変化特性の下でしか流量制御を行うことができないという問題があった。即ち、従来の流量制御弁では、2種類の流量変化特性を任意に選んで流量制御を行うことができなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、2種類の流量変化特性を任意に選んで流量制御を行うことが可能な流量制御弁の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る流量制御弁(10)は、前進又は後退する直動部材(80)がその可動ストロークの中間位置より一方側に移動したときに、弁孔(40A,51A,52A)を閉じた弁体(40,51,52)と係止して弁孔(40A,51A,52A)を開き、直動部材(80)が中間位置より他方側に移動したときに、直動部材(80)と弁体(40,51,52)との係止が解除されると共に、弁体付勢手段(42,54)によって弁孔(40A,51A,52A)を閉じた状態が保持される流量制御弁(10)において、弁体としての第1弁体(40)及び第2弁体(51,52)と、支持ボディ(20)に形成されると共に第1弁体(40)に対して直動部材(80)の前進側に配置されて、第1弁体(40)によって開閉される弁孔としての第1弁孔(40A)と、支持ボディ(20)に形成されると共に第2弁体(51,52)に対して直動部材(80)の後退側に配置されて、第2弁体(51,52)によって開閉されかつ第1弁孔(40A)とは開口面積が異なる弁孔としての第2弁孔(51A,52A)と、支持ボディ(20)に形成されて、支持ボディ(20)の外部から流体が流入しかつ内面に第1弁孔(40A)及び第2弁孔(51A,52A)を有した流入路(26)と、支持ボディ(20)に形成されて、第1弁孔(40A)を通して流入路(26)に連絡可能な第1流出路(29)と、支持ボディ(20)に形成されて、第2弁孔(51A,52A)を通して流入路(26)に連絡可能な第2流出路(27)と、直動部材(80)がその可動ストロークの中間位置に配置されたときに第1弁体(40)及び第2弁体(51,52)を共に閉弁状態に保持する弁体付勢手段(42,54)と、直動部材(80)に設けられ、直動部材(80)が可動ストロークの中間位置から前進したときに前向きの軸力を第2弁体(51,52)に付与して、第2弁体(51,52)を第2弁孔(51A,52A)の弁座(51B,52B)から離間させる一方、直動部材(80)が可動ストロークの中間位置から後退したときに後向きの軸力を第1弁体(40)に付与して、第1弁体(40)を第1弁孔(40A)の弁座(40B)から離間させる軸力伝達部(80F,82)とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の流量制御弁(10)において、駆動方向に直線状に延びた直動部材(80)と、直動部材(80)の同軸上に配置された第1流出路(29)と、流入路(26)に設けられ、第1流出路(29)に対して直動部材(80)の後退側に配置された前側流入領域(23)と、前側流入領域(23)に対して直動部材(80)の後退側に配置された第2流出路(27)と、流入路(26)に設けられ、第2流出路(27)に対して直動部材(80)の後退側に配置された後側流入領域(21)と、支持ボディ(20)のうち第1流出路(29)と前側流入領域(23)との間の区画壁(24W)に貫通形成され、直動部材(80)の同軸上に位置した第1弁孔(40A)と、支持ボディ(20)のうち前側流入領域(23)と第2流出路(27)との間の区画壁(63)に貫通形成され、直動部材(80)が貫通した第2弁孔としての前側第2弁孔(52B)と、支持ボディ(20)のうち後側流入領域(21)と第2流出路(27)との間の区画壁(32)に貫通形成され、直動部材(80)が貫通した第2弁孔としての後側第2弁孔(51A)と、直動部材(80)と前側第2弁孔(52A)の内面との間の筒状の隙間を直動可能に貫通した筒状をなして、前端部が前側流入領域(23)に配置される一方、後端部が第2流出路(27)に配置された可動筒体(50)と、可動筒体(50)の前端部に設けられ、前側第2弁孔(52A)を開閉可能な第2弁体としての前側第2弁体(52)と、可動筒体(50)の後端部に設けられ、前側第2弁体(52)が前側第2弁孔(52A)を開閉する動作と同時に後側第2弁孔(51A)を開閉する第2弁体としての後側第2弁体(51)と、直動部材(80)に設けられ、直動部材(80)が可動ストロークの中間位置から前進したときに可動筒体(50)を押圧することで、前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)を前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)の各弁座から離間させる軸力伝達部としての第2軸力伝達部(80F)と、直動部材(80)に設けられ、直動部材(80)が可動ストロークの中間位置から後退したときに第1弁体(40)の後端部に係止して引き、第1弁体(40)を第1弁孔(40A)の弁座から離間させる軸力伝達部としての第1軸力伝達部(82)とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の流量制御弁(10)において、前側第2弁体(52)と前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)との環状接触部(69)の内側の面積と、後側第2弁体(51)と後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)との環状接触部(68)の内側の面積とを同じにしたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の流量制御弁(10)において、前側第2弁体(52)と前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)との当接部分を異種金属としかつ前側第2弁体(52)をテーパー形状に形成してなり、前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)を前側第2弁体(52)によって押し潰してシール可能な前側メタルシール部(52,52B)と、後側第2弁体(51)と後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)との当接部分を異種金属としかつ後側第2弁体(51)を前側第2弁体(52)とは異なるテーパー角のテーパー形状にしてなり、後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)を後側第2弁体(51)によって押し潰してシール可能な後側メタルシール部(51,51B)とを備えたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3に記載の流量制御弁(10)において、前側第2弁体(52)と前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)との当接部分を異種金属としかつ前側第2弁体(52)をテーパー形状に形成してなり、前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)を前側第2弁体(52)によって押し潰してシール可能な前側メタルシール部(52,52B)と、後側第2弁体(51)と後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)との当接部分を異種金属としかつ後側第2弁体(51)を前側第2弁体(52)よりテーパー角の大きなテーパー形状にしてなり、後側第2弁孔(51A)の弁座を後側第2弁体(51)によって押し潰してシール可能な後側メタルシール部(51,51B)と、支持ボディ(20)のうち前側流入領域(23)と第2流出路(27)との間の区画壁(63)をリング形状にして支持ボディ(20)に形成された貫通孔(25)の内面に圧入することで、その第2弁孔(52A)の弁座(52B)を可動筒体(50)の軸方向で位置調整可能とした位置調整機構とを備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)において、第1弁体(40)を付勢する弁体付勢手段(42,54)として第1弁体(40)と直動部材(80)との間に挟んだ状態にして設けられた第1弁体押圧バネ(42)を備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)において、直動部材(80)の前端部に形成された前端筒部(81)と、第1弁体(40)の後端部に形成され、前端筒部(81)に直動可能に嵌合した後端シャフト部(40S)と、後端シャフト部(40S)における後端部から側方に張り出した後端フランジ(41)と、前端筒部(81)の前端から内側に突出し、後端フランジ(41)に前側から当接して第1弁体(40)に軸力を付与可能な軸力伝達部としての第1軸力伝達部(82)と、前端筒部(81)の奥面と後端シャフト部(40S)の後面又は後端フランジ(41)との間に挟持され、第1弁体(40)を付勢する弁体付勢手段としての第1弁体押圧コイルバネ(42)とを備えたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載の流量制御弁(10)において、支持ボディ(20)に設けられ、直動部材(80)又は後端シャフト部(40S)を直動可能に支持する直動支持壁(35,63V)と、直動支持壁(35,63V)と可動筒体(50)との間に挟持されると共に、直動部材(80)の外側に挿通され、前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)を付勢する弁体付勢手段としての第2弁体押圧コイルバネ(54)とを備えたところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)において、第1流出路(29)を流れた流体と第2流出路(27)を流れた流体とを区別せずに支持ボディ(20)の外部に排出可能な流出口(70)を備えたところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)において、第1流出路(29)を流れた流体と第2流出路(27)を流れた流体とを区別して支持ボディ(20)の外部に排出可能な第1流出口(29A)及び第2流出口(27A)を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0016】
[請求項1,9,10の発明]
請求項1の流量制御弁(10)では、開口面積が異なる第1弁孔(40A)と第2弁孔(51A,52A)とを備え、直動部材(80)の直動の前後方向において、第1弁体(40)と第1弁孔(40A)の前後の配置と、第2弁体(51,52)と第2弁孔(51A,52A)の前後の配置とが逆になっている。これにより、直動部材(80)を可動ストロークの中間位置から後退させたときに直動部材(80)から第1弁体(40)に軸力を付与して、第1弁孔(40A)のみを開いていくことができる一方、直動部材(80)を可動ストロークの中間位置から前進したときに直動部材(80)から第2弁体(51,52)に軸力を付与して、第2弁孔(51A,52A)のみを開いていくことができる。また、直動部材(80)が可動ストロークの中間位置に配置されたときには、第1弁体(40)及び第2弁体(51,52)は弁体付勢手段(42,54)の付勢力によって閉弁状態に保持される。即ち、本発明によれば、開口面積が異なる第1弁孔(40A)と第2弁孔(51A,52A)とを共に閉じた状態から、それら第1弁孔(40A)と第2弁孔(51A,52A)の任意の一方のみを開いていくことができるので、2種類の流量変化特性を任意に選んで流量制御を行うことが可能になる。
【0017】
また、本発明によれば、請求項9の構成のように、第1流出路(29)を流れた流体と第2流出路(27)を流れた流体とを区別せずに支持ボディ(20)の外部に排出可能な流出口を備えた構成にすることもできるし、請求項10の構成のように、第1流出路(29)を流れた流体と第2流出路(27)を流れた流体とを区別して支持ボディ(20)の外部に排出可能な第1流出口(29A)及び第2流出口(27A)を備えた構成にすることもできる。
【0018】
[請求項2の発明]
請求項2の流量制御弁(10)では、直線状に延びた直動部材(80)の同軸上に、前側から順番に、第1流出路(29)と、流入路(26)の前側流入領域(23)と、第2流出路(27)と、流入路(26)の後側流入領域(21)とが並べられている。また、前側流入領域(23)と第2流出路(27)との間の前側第2弁孔(52A)と、後側流入領域(21)と第2流出路(27)との間の後側第2弁孔(51A)とを直動部材(80)が貫通し、その直動部材(80)と前側第2弁孔(52A)の内面との間の筒状の隙間を貫通した可動筒体(50)の前端部の前側第2弁体(52)と後端部の後側第2弁体(51)とによって、前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)を閉じられている。これにより、前側第2弁体(52)が流入路(26)内の流体から受ける内圧と、後側第2弁体(51)が流入路(26)内の流体から受ける内圧とが逆向きになってそれら前側第2弁体(52)と後側第2弁体(51)とが受ける内圧の一部又は全部が相殺(キャンセル)され、前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)を直動させるための動力を抑えることが可能になる。また、前側第2弁孔(52A)と後側第2弁孔(51A)とが閉じた状態で直動部材(80)を更に後退させると、直動部材(80)が第1弁体(40)の後端部を後側に引き、第1流出路(29)と前側流入領域(23)との間の第1弁孔(40A)が開かれる。
【0019】
なお、本発明において、「直動部材(80)の同軸上に、第1流出路(29)と、前側流入領域(23)と、第2流出路(27)と、後側流入領域(21)とが配置されている」ことを要件としているが、これは、第1流出路(29)、前側流入領域(23)等が直動部材(80)の軸方向に延びていることを要件としているのではなく、直動部材(80)の中心軸の一部が、第1流出路(29)、前側流入領域(23)等の内部に位置していることを要件としたものである。
【0020】
[請求項3の発明]
請求項3の構成では、前側第2弁体(52)と前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)との環状接触部(69)の内側の面積と、後側第2弁体(51)と後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)との環状接触部(68)の内側の面積とを同じにしたので、前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)の間で流体から受ける圧力の全部を相殺することができる。
【0021】
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)が前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)によって閉弁した状態で可動筒体(50)を工具等にて後側に加圧すると、前側メタルシール部(52,52B)における弁座(52B)の金属が前側第2弁体(52)の金属によって押し潰されると共に、後側メタルシール部(51,51B)における弁座(51B)の金属が後側第2弁体(51)の金属によって押し潰され、閉弁状態における可動筒体(50)の支持ボディ(20)に対する停止位置が僅かに後方側にズレる。ここで、本発明では、前側第2弁体(52)と後側第2弁体(51)のテーパー角が異っているので、可動筒体(50)の停止位置のズレ量に対する前側メタルシール部(52,52B)における上記環状接触部(69)の内側の面積変化量と、後側メタルシール部(51,51B)における上記環状接触部(68)の内側の面積変化量とが相違する。これにより、初期状態で、前側メタルシール部(52,52B)における上記環状接触部(69)の内側の面積と後側メタルシール部(51,51B)における上記環状接触部(68)の内側の面積と敢えて異ならせておき、両メタルシール部の弁座(51B,52B)の金属を押し潰しながら、両メタルシール部における上記環状接触部(68,69)の内側の面積の差分が小さくなるように調整することができる。
【0022】
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)が前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)によって閉弁した状態で可動筒体(50)を工具等にて後側に加圧すると、前側メタルシール部(52,52B)における前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)の金属が前側第2弁体(52)の金属によって押し潰されると共に、後側メタルシール部(51,51B)における後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)の金属が後側第2弁体(51)の金属によって押し潰される。ここで、前側第2弁体(52)のテーパー角より後側第2弁体(51)のテーパー角を大きくすると、テーパー角が大きな弁体(51)を備えたメタルシール部(51,51B)の方が、可動筒体(50)の軸方向における弁座(52B)の金属の押し潰し量に対する上記環状接触部(68,69)の内側の面積変化量が大きくなる。これに対し、本発明では、支持ボディ(20)のうち前側流入領域(23)と第2流出路(27)との間の区画壁(63)をリング形状にして支持ボディ(20)に形成された貫通孔(25)の内面に対して圧入し、可動筒体(50)の軸方向で位置調整可能としたので、前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)が前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)によって閉弁した状態で可動筒体(50)を工具等にて後側に加圧していくと、テーパー角が小さな前側第2弁体(52)によって開閉される前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)は可動筒体(50)の軸方向にずれて弁座の金属の押し潰し量に対する上記環状接触部(69)の内側の面積の増加が進まず、テーパー角が大きい後側第2弁体(51)によって開閉される後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)は可動筒体(50)の軸方向にずれずに弁座の金属の押し潰しが進行していく。これにより、初期状態で、前側メタルシール部(52,52B)における上記環状接触部(69)の内側の面積と後側メタルシール部(51,51B)における上記環状接触部(68)の内側の面積と敢えて異ならせておき、両メタルシール部の弁座(51B,52B)の金属を押し潰しながら、両メタルシール部における上記環状接触部(68,69)の内側の面積の差分が小さくなるように調整することができる。
【0023】
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、直動部材(80)が前進して第2弁孔(51A,52A)の開度が大きくなるに従って、第1弁体押圧バネ(42)の圧縮変形量が増加して、第1弁体押圧バネ(42)の付勢力による第1弁体(40)の第1弁孔(40A)の弁座(40B)に対する押し付け力も増加し、第1弁孔(40A)の密閉度が増していく。
【0024】
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、直動部材(80)が前進して前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)の開度が大きくなるに従って、直動部材(80)の前端部に形成された前端筒部(81)の奥側に第1弁体(40)の後端シャフト部(40S)が押し込まれていき、第1弁体押圧コイルバネ(42)の圧縮変形量が増加する。これにより、第1弁体押圧コイルバネ(42)の付勢力による第1弁体(40)の第1弁孔(40A)の弁座に対する押し付け力も増加し、第1弁孔(40A)の密閉度が増していく。また、前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)が閉じた状態で、直動部材(80)を後退させたときには、後端シャフト部(40S)の後端フランジ(41)に直動部材(80)の前端筒部(81)における前端から内側に突出した第1軸力伝達部(82)が係止して、第1弁体(40)が後方に引かれ、第1弁孔(40A)が開いていく。
【0025】
[請求項8の発明]
請求項8の構成によれば、直動部材(80)又は後端シャフト部(40S)を直動可能に支持する直動支持壁(35,63V)と可動筒体(50)との間に挟持されると共に直動部材(80)の外側に挿通された第2弁体押圧コイルバネ(54)によって、前側第2弁体(52)を前側第2弁孔(52A)側に付勢すると共に後側第2弁体(51)を後側第2弁孔(51A)側に付勢することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る流量制御弁の側断面図
【図2】閉弁状態の流量制御弁の側断面図
【図3】前側と後側の第2弁孔が開いた状態の流量制御弁の側断面図
【図4】第1弁孔が開いた状態の流量制御弁の側断面図
【図5】直動シャフトの前端部周辺の側断面図
【図6】可動筒体の側断面図
【図7】前側メタルシール部及び後側メタルシール部の側断面図
【図8】流量変化特性を示したグラフ
【図9】第2実施形態に係る流量制御弁の側断面図
【図10】変形例に係る制御弁の側断面図
【図11】変形例に係る第1弁体及び第2弁体の側断面図
【図12】変形例に係る流量制御弁の側断面図
【図13】従来の流量制御弁の側断面図
【図14】従来の流量制御弁の流量変化特性を示したグラフ
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の流量制御弁10は、同図の上下に延びた円柱状の支持ボディ20の一端部に駆動源としてのステッピングモータ13を備えている。なお、以下の説明において、流量制御弁10のうちステッピングモータ13を備えた側を「後側」といい、その反対側を「前側」ということとする。
【0028】
ステッピングモータ13は、支持ボディ20の同軸上に延びた円筒ケース14の外側にリング状のステータ側界磁部15を嵌合固定して備える一方、円筒ケース14の内側にロータ側界磁部16(永久磁石)を回転可能に収容している。そして、本発明に係る「直動部材」としての駆動シャフト80がロータ側界磁部16の中心を貫通した状態に固定され、支持ボディ20の同軸上に延びている。
【0029】
駆動シャフト80のうちロータ側界磁部16より後側部分には、線材を螺旋状に巻回してなる螺旋ガイド17が一体回転可能に固定され、その螺旋ガイド17にストッパーリング18が係合している。その係合リング18は、螺旋ガイド17のうち軸方向で隣り合った線材同士の隙間の一部に収まったリング状をなしかつ側方に当接アーム18Aを張り出して備えている。また、円筒ケース14の後端部を閉塞する蓋体14Aからは、駆動シャフト80と平行にストッパーシャフト19が垂下されている。そして、係合リング18の当接アーム18Aがこのストッパーシャフト19に当接した状態で、ロータ側界磁部16が回転することで、係合リング18が螺旋ガイド17に対して相対回転し、駆動シャフト80が円筒ケース14に対して前後方向に直動する。
【0030】
円筒ケース14の前端部には、筒形ベース14Bが嵌合固定されている。また、筒形ベース14Bは、支持ボディ20の後端面中央に形成された固定孔20A内に螺合され、その筒形ベース14Bの前端外側面と固定孔20A内の内面との間の隙間が0リング21Aにてシールされている。そして、駆動シャフト80が、支持ボディ20の内部における中心部に突入していて、ステッピングモータ13の駆動により支持ボディ20内を前進及び後退する。
【0031】
本実施形態の流量制御弁10は、流体を導入するための流入口を1つ備える一方、流体を排出するための流出口を2つ備えている。具体的には、支持ボディ20の前端面に第1流出口29Aを備え、側面に第2流出口27Aと流入口26Aとを備えている。第1流出口29Aは、支持ボディ20の中心軸上に配置されている。そして、その第1流出口29Aから支持ボディ20の軸方向に沿って第1流出路29が支持ボディ20の前端寄り位置まで延びている。また、第2流出口27Aは、支持ボディ20の側面のうち前後方向の中央より僅かに後ろ寄りに配置されている。そして、その第2流出口27Aから支持ボディ20の中心軸を横切る位置まで第2流出路27が延びている。さらに、流入口26Aは、支持ボディ20の側面のうち第2流出口27Aより後側に配置されている。そして、第2流出路27より後側で、流入路26が流入口26Aから支持ボディ20の中心軸を通過した位置まで延びてから第2流出路27の側方を通過して前側まで延び、流入路26の終端部が第2流出路27と第1流出路29との間に配置されている。即ち、流入路26は、第2流出路27の後側の後側流入領域21と、第2流出路27の前側の前側流入領域23と、それらを連絡する中間領域28とから構成されている。そして、支持ボディ20の中心軸上に前側から順番に第1流出路29と前側流入領域23と第2流出路27と後側流入領域21とが並んでいる。
【0032】
なお、ステッピングモータ13における円筒ケース14の内部空間と後側流入領域21とは連通しているが、円筒ケース14は密閉構造になっているので、ステッピングモータ13を通して流体が外部に漏れることはない。また、前側流入領域23を形成するために、支持ボディ20における軸方向の中間部より前側部分は、円筒部20Bになっていて、その円筒部20Bの前端開口が前側蓋部24にて閉塞され、それら前側蓋部24と円筒部20Bとの間がOリング23Aにてシールされている。
【0033】
図2に示すように、支持ボディ20の中心軸上(即ち、駆動シャフト80の同軸上)には、第1流出路29と前側流入領域23との間の区画壁24Wに第1弁孔40Aが形成され、第1流出路29と第2流出路27との間の区画壁63に前側第2弁孔52Aが形成され、第2流出路27と後側流入領域21との間の区画壁32に後側第2弁孔51Aが形成されている。そして、駆動シャフト80が、後側第2弁孔51Aと前側第2弁孔52Aとを貫通して前側流入領域23内まで突入し、駆動シャフト80の前端部に連結された第1弁体40が第1弁孔40Aに突き合わされている。
【0034】
詳細には、図5に示すように、前側蓋部24のうち前側流入領域23の内面における中心部からは、円筒状の支持スリーブ35が突出して第1流出路29の同軸上(即ち、駆動シャフト80の同軸上)に延び、その支持スリーブ35の軸心孔35Bが、前側蓋部24における前側流入領域23の内面寄り位置でテーパー状に絞られてテーパー部35Tになっている。そして、そのテーパー部35Tの先端と第1流出路29との間を連絡するように、第1流出路29より小さい内径の円形孔である第1弁孔40Aが形成され、その第1弁孔40Aの内面とテーパー部35Tとの交差部分が弁座40Bになっている。
【0035】
また、支持スリーブ35には、テーパー部35Tの上隣に、軸心孔35Bを側方に開放するサイド貫通孔35Aが形成され、サイド貫通孔35Aより上側には、軸心孔35Bの内面に円筒状の直動軸受メタル35Cが圧入されている。そして、その直動軸受メタル35Cによって第1弁体40が直動可能に支持されている。第1弁体40は、所謂、ニードル弁であって、断面円形のシャフトの先端部をテーパー状に尖らせる一方、後端寄り位置から後端フランジ41を側方に張り出した構造をなしている。そして、先端のテーパー部分がテーパー面40Tを有した弁本体40Vになっていて、その弁本体40Vより後側が本発明に係る後端シャフト部40Sをなしている。また、弁本体40Vの中心軸に対するテーパー面40Tの傾斜角(即ち、テーパー角)は、テーパー部35Tのテーパー角より小さくなっていて、これにより、第1弁体40が第1弁孔40Aに向かって前進すると、弁本体40Vのテーパー面が弁座40Bに線接触して、円環状のシール部が第1弁体40と弁座40Bとの間に形成される。また、駆動シャフト80の前端寄り位置から前端に亘る範囲は、本発明に係る前端筒部81になっていて、その前端筒部81の前端開口から内側に鉄球43、第1圧縮コイルバネ42の順番に収容されてから後端シャフト部40Sの後端部が収容され、その後、前端筒部81の内側に係止カラー82が圧入されている。係止カラー82は、上記圧入により駆動シャフト80と一体になって本発明に係る「第1軸力伝達部」を構成している。また、第1圧縮コイルバネ42は、本発明に係る「弁体付勢手段」,「第1弁体押圧バネ」及び「第1弁体押圧コイルバネ」に相当する。そして、第1圧縮コイルバネ42は、鉄球43と共に後端フランジ41と前端筒部81の奥面との間に挟まれて第1弁体40を前側に付勢し、第1弁体40が弁座40Bから離間した状態で、後端フランジ41を係止カラー82に押し付ける。なお、鉄球43は、駆動シャフト80の回転を第1弁体40に伝えないようにするために設けられている。
【0036】
次に、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aの周りの詳細形状について説明する。図2に示すように、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aは、共に第1弁孔40Aより大きい内径の円形孔になっている。そして、前側流入領域23と第2流出路27との間の区画壁63における前側流入領域23側の面と前側第2弁孔52Aの内面とが直交した交差部分が弁座52Bをなし、後側流入領域21と第2流出路27との間の区画壁32における第2流出路27側の内面と後側第2弁孔51Aの内面とが直交した交差部分が弁座51Bになっている。
【0037】
また、駆動シャフト80と前側第2弁孔52Aの内面との間の筒状の隙間には、可動筒体50が直動可能に貫通している。そして、可動筒体50のうち前側流入領域23内に配置された前端部に前側第2弁体52が設けられる一方、可動筒体50のうち第2流出路27内に配置された後端部に後側第2弁体51が設けられている。また、可動筒体50の軸方向の中間部分は、後側第2弁体51及び前側第2弁体52より小径の中間小径部50Bになっていて、その中間小径部50Bは、前側第2弁孔52Aの内面に対して隙間を空けた状態に遊嵌されている。さらに、可動筒体50は、駆動シャフト80に対して直動かつ回動可能に嵌合されている。
【0038】
前側第2弁体52は、可動筒体50の中間小径部50Bから前方に向かって徐々に拡径した円錐台形状をなし、テーパー面52Tを備えている。また、前側第2弁体52における円錐台形状の底面に相当する可動筒体50の前端面には、中心部から段付き状に中央突部50Tが突出している。これに対応して、前記した支持スリーブ35の後端部には、外径を段付き状に縮径して後端小径部35Eが形成され、後端小径部35Eの前端側の段差面35Dと可動筒体50の前端面との間に本発明の「弁体付勢手段」及び「第2弁体押圧コイルバネ」に相当する第2圧縮コイルバネ54が配されて、第2圧縮コイルバネ54の両端部が中間小径部50Bと後端小径部35Eの外側に嵌合されている。そして、この第2圧縮コイルバネ54の弾発力によって可動筒体50が後方側に付勢されて、前側第2弁体52のテーパー面52Tが前側第2弁孔52Aの弁座52Bに押し付けられ、前側第2弁孔52Aが閉じられる。
【0039】
また、後側第2弁体51は、可動筒体50のうち中間小径部50Bの後隣から段付き状に側方に張り出した円盤体の後端側を、後方に向かって徐々に縮径させた円錐台形状に形成してなり、後端部にテーパー面51Tを備えている。また、後側第2弁体51の中心軸に対する後側第2弁体51のテーパー面51Tの傾斜角(即ち、テーパー角)は、前側第2弁体52におけるテーパー面52Tのテーパー角より大きくなっている。そして、上記した第2圧縮コイルバネ54の弾発力によって可動筒体50が後方側に付勢されることで、後側第2弁体51のテーパー面51Tが後側第2弁孔51Aの弁座51Bに押し付けられ、後側第2弁孔51Aが閉じられる。
【0040】
駆動シャフト80の軸方向における中間部には、本発明の「軸力伝達部」及び「第2軸力伝達部」に相当する押圧フランジ80Fが設けられている。押圧フランジ80Fは、図2に示すように、第1弁体40が第1弁孔40Aを閉じた状態で、可動筒体50から上方に離間した位置に配置され、駆動シャフト80を前進させたときに、可動筒体50の後端面に当接して可動筒体50を押圧可能になっている。
【0041】
ところで、上記した前側第2弁体52と前側第2弁孔52Aの弁座52Bは、閉弁状態で互いに当接する部分が互いに硬度が異なる金属で構成されて本発明に係る前側メタルシール部になっていて、弁座52Bに前側第2弁体52が押し付けられることで、弁座52Bの金属が押し潰されて前側第2弁体52と弁座52Bとの間に前側環状接触部69が形成されてシールされる(図7参照)。これと同様に、後側第2弁体51と後側第2弁孔51Aの弁座51Bは、閉弁状態で互いに当接する部分が互いに硬度が異なる金属で構成されて本発明に係る後側メタルシール部になっている。そして、本実施形態では、前側と後側のメタルシール部におけるテーパー面51T,52Tのテーパー角が異なるので、以下のように、前側メタルシール部における前側環状接触部69の前端縁69Aの内側の面積と後側メタルシール部における後側環状接触部68の前端縁68Aの内側の面積との差分を小さくするように調整することができる。
【0042】
即ち、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aが前側第2弁体52及び後側第2弁体51によって閉弁した状態で可動筒体50を工具等にて後側に加圧すると、前側メタルシール部の弁座52Bの金属が前側第2弁体52の金属によって押し潰されると共に、後側メタルシール部における弁座51Bの金属が後側第2弁体51の金属によって押し潰され、閉弁状態における可動筒体50の支持ボディ20に対する停止位置が僅かに後方側にズレる。
【0043】
ここで、本発明では、上記したように後側第2弁体51のテーパー面51Tのテーパー角は、前側第2弁体52のテーパー面52Tのテーパー角より大きいので、可動筒体50の停止位置のズレ量に対する前側メタルシール部における前側環状接触部69の前端縁69Aの内側の面積変化量に比べて、後側メタルシール部における後側環状接触部68の前端縁の68Aの内側の面積変化量との方が大きくなる。これにより、初期状態で、前側メタルシール部における前側環状接触部69の前端縁69Aの内側の面積を、後側メタルシール部における後側環状接触部68の前端縁68Aの内側の面積より僅かに大きくなるように敢えて異ならせておき、可動筒体50を後方に加圧して弁座51B,52Bの金属を押し潰しながら、前側メタルシール部及び後側メタルシール部の間で環状接触部68,69の内側の面積の差分が小さくなるように調整することができる。
【0044】
なお、本実施形態の流量制御弁10では、第1弁体40と第1弁孔40Aの弁座40Bも異なる硬度の金属で構成されてメタルシール部になっている。
【0045】
本実施形態の流量制御弁10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の流量制御弁10の作用効果について説明する。なお、以下の説明の中で、後側第2弁体51と第2弁体52とを区別しないときには、適宜、それらを併せて「第2弁体51,52」と呼び、後側第2弁孔51Aと前側第2弁孔52Aとを区別しないときには、適宜、それらを併せて「第2弁孔51A,52A」と呼ぶこととする。
【0046】
流量制御弁10は、流入口26Aにパイプ等を接続して流体を流入路26に流入可能な状態とし、第1流出口29A及び第2流出口27Aにパイプ等を接続して第1流出路29及び第2流出路27から外部に流体を排出可能な状態にしておく。そして、流量制御弁10のステッピングモータ13(図1参照)にパルス信号を付与することで、弁開度を変更してパイプから他のパイプに流れる流体の流量を制御する。具体的には、ステッピングモータ13にパルス信号を付与すると、そのパルス信号のパルス数に応じてロータ側界磁部16と共に駆動シャフト80が任意の回転量だけ任意の方向に回転する。そして、ロータ側界磁部16を一方向に回転させと、駆動シャフト80が回転しながら支持ボディ20内を前進し、ロータ側界磁部16を他方向に回転させると、駆動シャフト80が回転しながら支持ボディ20内を後退する。これにより、駆動シャフト80を任意の直動位置に位置制御することがでる。そして、駆動シャフト80をその可動ストロークの中間位置に配置すると、図2に示すように、駆動シャフト80の押圧フランジ80Fが可動筒体50の後方に離間し、図2には表されていないが、駆動シャフト80の係止カラー82が第1弁体40の後端フランジ41から前方に離間した状態になる。そして、第2圧縮コイルバネ54によって可動筒体50が後方に付勢されて、前側第2弁体52及び後側第2弁体51が、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aの各弁座52B,51Bに当接して、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aが閉じられ、第1圧縮コイルバネ42(図5参照)によって第1弁体40が前方に付勢されて第1弁孔40Aの弁座40Bに当接して、第1弁孔40Aが閉じられる。これにより、流量制御弁10を通過する流体の流量は「0」になる。
【0047】
駆動シャフト80を可動ストロークの中間位置から前進させていくと、その前進動作に伴って第1弁体40の後端部が前端筒部81の奥側に受容されておき、その途中で駆動シャフト80の押圧フランジ80Fが可動筒体50の後端面に当接して、可動筒体50が前方に押される。これにより、図3に示すように、前側第2弁体52及び後側第2弁体51が、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aの弁座52B,51Bから同時に離間して、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aが同時に開き、流入路26から第2流出路27へと流体が流れて第2流出口27Aから流量制御弁10の外部に排出される。また、駆動シャフト80を更に前進させると、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aの開度が大きくなっていき、それらの開度の増加に応じて流入路26から第2流出路27へと流れる流体の流量が増加していく。
【0048】
なお、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aの開度が大きくなるに従って、第1弁体40の後端フランジ41と駆動シャフト80との間で第1圧縮コイルバネ42の圧縮変形量が増えていくので、第1圧縮コイルバネ42による第1弁体40の弁座40Bに対する押し付け力も増加し、第1弁孔40Aの密閉度が増していく。
【0049】
前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aが開いた状態から駆動シャフト80を後退させると、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aの開度が徐々に小さくなっていき、駆動シャフト80が可動ストロークの中間位置に至ったとこで前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aが閉じ、流量制御弁10を通過する流体の流量が「0」になる(図2参照)。そして、駆動シャフト80を可動ストロークの中間位置より更に後退させていくと、図4及び図5に示すように、駆動シャフト80における係止カラー82が第1弁体40の後端フランジ41に係止して、第1弁体40が後方に引っ張られて後方に移動する。これにより、第1弁孔40Aの弁座40Bから離間して、第1弁孔40Aが開き、流入路26から第1流出路29へと流体が流れて第1流出口29Aから流量制御弁10の外部に排出される。そして、駆動シャフト80を更に後退させると、第1弁孔40Aの開度が大きくなっていき、それらの開度の増加に応じて流入路26から第1流出路29へと流れる流体の流量が増加していく。
【0050】
ここで、第1弁孔40Aの開口面積と第2弁孔51A,52Aの総開口面積は異なっているので、第1弁孔40Aと第2弁孔51A,52Aとの何れに流体を通過させるかによって、駆動シャフト80の位置変化に対する流量制御弁10を通過可能な流体の流量変化の特性が異なる。具体的には、第1弁孔40Aの開口面積は比較的小さく、第2弁孔51A,52Aの総開口面積は比較的大きいので、駆動シャフト80を可動ストロークの中間位置より後側で前後に直動して流入路26から第1流出口29Aを通して第1流出路29へと流体を流すときには、図8のg1のグラフで示すように、駆動シャフト80の位置変化に対する流量変化が比較的小さい第1の流量変化特性となり、駆動シャフト80を可動ストロークの中間位置より前側で前後に直動して流入路26から第2弁孔51A,52Aを通して第2流出路27へと流体を流すときには、図8のg2で示すように、駆動シャフト80の位置変化に対する流量変化が比較的大きい第2の流量変化特性になる。
【0051】
そして、本実施形態の流量制御弁10では、直動シャフト80の直動の前後方向において、第1弁孔40Aに対して第1弁体40を後側に配置したのとは逆に、第2弁孔51A,52Aに対して第2弁体51,52を前側に配置したので、上記したように直動シャフト80を可動ストロークの中間位置より後側で直動して第1弁体40のみを動作させ、流量が「0」の状態から第1の流量変化特性の下で流量制御を行うことができるし、直動シャフト80を可動ストロークの中間位置より前側で直動して第2弁体51,52のみを動作させ、流量が「0」の状態から第2の流量変化特性の下で流量制御を行うこともできる。即ち、本実施形態の流量制御弁10によれば、2種類の流量変化特性を任意に選んで流量制御を行うことが可能になる。
【0052】
しかも、本実施形態の流量制御弁10では、図6に示すように、前側第2弁体52が流入路26内の流体から受ける内圧と、後側第2弁体51が流入路26内の流体から受ける内圧とが逆向きとなってそれら前側第2弁体52と後側第2弁体51とが流入路26の内圧が相殺(キャンセル)され、第2弁体51,52を直動させるための動力を抑えることが可能になる。また、前述したように、前側第2弁体52と後側第2弁体51のテーパー角を異ならせたことで、前側第2弁体52と弁座52Bとの前側環状接触部69の内側の面積と、後側第2弁体51と弁座51Bとの後側環状接触部68の内側の面積との差分を0に近づけることができ、これにより、前側第2弁体52及び後側第2弁体51が流体から受ける圧力の略全部を相殺して、前側第2弁体52及び後側第2弁体51を直動させるための動力を大幅に低減することが可能になる。
【0053】
[第2実施形態]
本実施形態の流量制御弁10Vは、図9に示されており、第2弁体50Vが後側第2弁体51のみを有し、第1流出路29と第2流出路27との間の区画壁63Vに前側第2弁孔52Aが形成されていない点が第1実施形態と大きく異なっている。また、第2弁体50Vの前端面に第1実施形態の中央突部50Tと同様の中央突部150Tが形成されると共に、区画壁63Vの第2流出路27側に段差突部63Tが形成され、中央突部150Tの後端側の段差面150Dと段差突部63Tの前端側の段差面63Dとの間に第2圧縮コイルバネ54Vが配されている。その他の構成については、第1実施形態の流量制御弁10と同じになっている。なお、本実施形態では、区画壁63Vが、本発明における「直動支持壁」に相当する。
【0054】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0055】
(1)上記第1実施形態の流量制御弁10において、区画壁63をリング状にして、支持ボディ20に形成した貫通孔25に圧入し、弁座52Bを可動筒体50の軸方向で位置調整可能としてもよい。この構成によれば、前側第2弁孔52A及び後側第2弁孔51Aが前側第2弁体52及び後側第2弁体51によって閉弁した状態で可動筒体50を工具等にて後側に加圧していくと、テーパー角が小さな前側第2弁体52によって開閉される前側第2弁孔52Aの弁座52Bは、可動筒体50の圧入部分に対して軸方向にずれて弁座52Bの金属の押し潰し量に対する前側環状接触部69の内側の面積の増加が進まず、テーパー角が大きな後側第2弁体51によって開閉される後側第2弁孔51Aの弁座51Bは、可動筒体50の軸方向にずれずに弁座51Bの金属の押し潰しが進行していく。これにより、初期状態で、前側メタルシール部における前側環状接触部69の内側の面積と後側メタルシール部における後側環状接触部68の内側の面積と敢えて異ならせておき、両メタルシール部の弁座51B,52Bの金属を押し潰しながら、両メタルシール部における上記環状接触部68,69の内側の面積との差分が小さくなるように調整することができる。
【0056】
(2)上記第1実施形態では、前側第2弁体52のテーパー角が後側第2弁体51のテーパー角よりも小さかったが、大小を逆にしてもよい。即ち、前側第2弁体52のテーパー角を後側第2弁体51のテーパー角よりも大きくしてもよい。この構成では、初期状態で、前側メタルシール部における前側環状接触部69の内側の面積を、後側メタルシール部における後側環状接触部68の内側の面積よりも小さくしておくことで、両メタルシール部の弁座51B,52Bの金属を押し潰しながら、両メタルシール部における上記環状接触部68,69の内側の面積との差分が小さくなるように調整することができる。また、その際、上記した(1)の実施形態と同様に、区画壁32をリング状にして、支持ボディ20に形成した貫通孔25に圧入し、弁座51Bを可動筒体50の軸方向で位置調整可能としてもよい。
【0057】
(3)上記実施形態では、第1流出路29を流れた流体と第2流出路27を流れた流体とを区別して第1流出口29A及び第2流出口27Aから支持ボディ20の外部に排出される構成であったが、図10に示すように、第1流出路29を流れた流体と第2流出路27を流れた流体とを区別せずに共通の流出口70から支持ボディ20の外部に排出される構成であってもよい。
【0058】
(4)前側第2弁孔52Aと後側第2弁孔51Aの開口面積が異なっていてもよい。この構成であっても、前側第2弁体52及び後側第2弁体51が流体から受ける圧力を相殺して、前側第2弁体52及び後側第2弁体51を直動させるための動力を低減することが可能になる。
【0059】
(5)図11に示すように、第2弁体50Wと第1弁体40Wとを共通の圧縮コイルバネ71で付勢するようにしてもよい。なお、この構成では、圧縮コイルバネ71が、本発明の「第1圧縮コイルバネ」及び「第2圧縮コイルバネ」に相当する。
【0060】
(6)上記実施形態では、直動シャフト80の同軸上に、第2弁孔(前側第2弁孔52B、後側第2弁孔51A)と、第1弁孔40Aとが配置されていたが、図12に示す流量制御弁110のように、直動部材180の中心軸と、第1弁口140Aの中心軸と、第2弁孔151の中心軸とが互いに平行であれば同軸上に配置されていなくてもよい。この構成によっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0061】
(7)前側メタルシール部における前側環状接触部69の内側の面積を、後側メタルシール部における後側環状接触部68の内側の面積より僅かに小さくなるようにしておき、前側第2弁体52のテーパー面と直動部材80の中心軸との角度が後側第2弁体51のテーパー面と直動部材80中心軸との角度よりも小さくなるようにしてもよい。この構成によっても、上記第1実施形態と同様に、前側メタルシール部及び後側メタルシール部の間で前側環状接触部69の内側の面積と後側環状接触部68の内側の面積の差分が小さくなるように調整することができる。
【符号の説明】
【0062】
10,10V,110 流量制御弁
20 支持ボディ
21 後側流入領域
23 前側流入領域
24W,32,63,63V 区画壁
26 流入路
27 第2流出路
27A 第2流出口
29 第1流出路
29A 第1流出口
35 支持スリーブ(直動支持壁)
40 第1弁体
40A 第1弁孔
40B,51B,52B 弁座
40S 後端シャフト部
41 後端フランジ
42 第1圧縮コイルバネ(弁体付勢手段,第1弁体押圧コイルバネ,第1弁体押圧バネ)
50 可動筒体
51 後側第2弁体
51A 後側第2弁孔
52 前側第2弁体
52A 前側第2弁孔
54 第2圧縮コイルバネ(弁体付勢手段,第2弁体押圧コイルバネ)
70 流出口
80 駆動シャフト(直動部材)
80F 押圧フランジ(軸力伝達部,第2軸力伝達部)
81 前端筒部
82 係止カラー(軸力伝達部,第1軸力伝達部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前進又は後退する直動部材(80)がその可動ストロークの中間位置より一方側に移動したときに、弁孔(40A,51A,52A)を閉じた弁体(40,51,52)と係止して前記弁孔(40A,51A,52A)を開き、前記直動部材(80)が前記中間位置より他方側に移動したときに、前記直動部材(80)と前記弁体(40,51,52)との係止が解除されると共に、弁体付勢手段(42,54)によって前記弁孔(40A,51A,52A)を閉じた状態が保持される流量制御弁(10)において、
前記弁体としての第1弁体(40)及び第2弁体(51,52)と、
支持ボディ(20)に形成されると共に前記第1弁体(40)に対して前記直動部材(80)の前進側に配置されて、前記第1弁体(40)によって開閉される前記弁孔としての第1弁孔(40A)と、
前記支持ボディ(20)に形成されると共に前記第2弁体(51,52)に対して前記直動部材(80)の後退側に配置されて、前記第2弁体(51,52)によって開閉されかつ前記第1弁孔(40A)とは開口面積が異なる前記弁孔としての第2弁孔(51A,52A)と、
前記支持ボディ(20)に形成されて、前記支持ボディ(20)の外部から流体が流入しかつ内面に前記第1弁孔(40A)及び前記第2弁孔(51A,52A)を有した流入路(26)と、
前記支持ボディ(20)に形成されて、前記第1弁孔(40A)を通して前記流入路(26)に連絡可能な第1流出路(29)と、
前記支持ボディ(20)に形成されて、前記第2弁孔(51A,52A)を通して前記流入路(26)に連絡可能な第2流出路(27)と、
前記直動部材(80)がその可動ストロークの中間位置に配置されたときに前記第1弁体(40)及び前記第2弁体(51,52)を共に閉弁状態に保持する前記弁体付勢手段(42,54)と、
前記直動部材(80)に設けられ、前記直動部材(80)が前記可動ストロークの中間位置から前進したときに前向きの軸力を前記第2弁体(51,52)に付与して、前記第2弁体(51,52)を前記第2弁孔(51A,52A)の弁座(51B,52B)から離間させる一方、前記直動部材(80)が前記可動ストロークの中間位置から後退したときに後向きの軸力を前記第1弁体(40)に付与して、前記第1弁体(40)を前記第1弁孔(40A)の弁座(40B)から離間させる軸力伝達部(80F,82)とを備えたことを特徴とする流量制御弁(10)。
【請求項2】
駆動方向に直線状に延びた前記直動部材(80)と、
前記直動部材(80)の同軸上に配置された前記第1流出路(29)と、
前記流入路(26)に設けられ、前記第1流出路(29)に対して前記直動部材(80)の後退側に配置された前側流入領域(23)と、
前側流入領域(23)に対して前記直動部材(80)の後退側に配置された前記第2流出路(27)と、
前記流入路(26)に設けられ、前記第2流出路(27)に対して前記直動部材(80)の後退側に配置された後側流入領域(21)と、
前記支持ボディ(20)のうち前記第1流出路(29)と前記前側流入領域(23)との間の区画壁(24W)に貫通形成され、前記直動部材(80)の同軸上に位置した前記第1弁孔(40A)と、
前記支持ボディ(20)のうち前記前側流入領域(23)と前記第2流出路(27)との間の区画壁(63)に貫通形成され、前記直動部材(80)が貫通した前記第2弁孔としての前側第2弁孔(52A)と、
前記支持ボディ(20)のうち前記後側流入領域(21)と前記第2流出路(27)との間の区画壁(32)に貫通形成され、前記直動部材(80)が貫通した前記第2弁孔としての後側第2弁孔(51A)と、
前記直動部材(80)と前記前側第2弁孔(52A)の内面との間の筒状の隙間を直動可能に貫通した筒状をなして、前端部が前記前側流入領域(23)に配置される一方、後端部が前記第2流出路(27)に配置された可動筒体(50)と、
前記可動筒体(50)の前端部に設けられ、前記前側第2弁孔(52A)を開閉可能な前記第2弁体としての前側第2弁体(52)と、
前記可動筒体(50)の後端部に設けられ、前記前側第2弁体(52)が前記前側第2弁孔(52A)を開閉する動作と同時に前記後側第2弁孔(51A)を開閉する前記第2弁体としての後側第2弁体(51)と、
前記直動部材(80)に設けられ、前記直動部材(80)が前記可動ストロークの中間位置から前進したときに前記可動筒体(50)を押圧することで、前記前側第2弁体(52)及び後側第2弁体(51)を前記前側第2弁孔(52A)及び後側第2弁孔(51A)の各弁座から離間させる前記軸力伝達部としての第2軸力伝達部(80F)と、
前記直動部材(80)に設けられ、前記直動部材(80)が前記可動ストロークの中間位置から後退したときに前記第1弁体(40)の後端部に係止して引き、前記第1弁体(40)を前記第1弁孔(40A)の弁座から離間させる前記軸力伝達部としての第1軸力伝達部(82)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁(10)。
【請求項3】
前記前側第2弁体(52)と前記前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)との環状接触部(69)の内側の面積と、前記後側第2弁体(51)と前記後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)との環状接触部(68)の内側の面積とを同じにしたことを特徴とする請求項2に記載の流量制御弁(10)。
【請求項4】
前記前側第2弁体(52)と前記前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)との当接部分を異種金属としかつ前記前側第2弁体(52)をテーパー形状に形成してなり、前記前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)を前記前側第2弁体(52)によって押し潰してシール可能な前側メタルシール部(52,52B)と、
前記後側第2弁体(51)と前記後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)との当接部分を異種金属としかつ前記後側第2弁体(51)を前記前側第2弁体(52)とは異なるテーパー角のテーパー形状にしてなり、前記後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)を前記後側第2弁体(51)によって押し潰してシール可能な後側メタルシール部(51,51B)とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁(10)。
【請求項5】
前記前側第2弁体(52)と前記前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)との当接部分を異種金属としかつ前記前側第2弁体(52)をテーパー形状に形成してなり、前記前側第2弁孔(52A)の弁座(52B)を前記前側第2弁体(52)によって押し潰してシール可能な前側メタルシール部(52,52B)と、
前記後側第2弁体(51)と前記後側第2弁孔(51A)の弁座(51B)との当接部分を異種金属としかつ前記後側第2弁体(51)を前記前側第2弁体(52)よりテーパー角の大きなテーパー形状にしてなり、前記後側第2弁孔(51A)の弁座を前記後側第2弁体(51)によって押し潰してシール可能な後側メタルシール部(51,51B)と、
前記支持ボディ(20)のうち前記前側流入領域(23)と前記第2流出路(27)との間の区画壁(63)をリング形状にして前記支持ボディ(20)に形成された貫通孔(25)の内面に圧入することで、その第2弁孔(52A)の弁座(52B)を前記可動筒体(50)の軸方向で位置調整可能とした位置調整機構とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁(10)。
【請求項6】
前記第1弁体(40)を付勢する前記弁体付勢手段(42,54)として前記第1弁体(40)と前記直動部材(80)との間に挟んだ状態にして設けられた第1弁体押圧バネ(42)を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)。
【請求項7】
前記直動部材(80)の前端部に形成された前端筒部(81)と、
前記第1弁体(40)の後端部に形成され、前記前端筒部(81)に直動可能に嵌合した後端シャフト部(40S)と、
前記後端シャフト部(40S)における後端部から側方に張り出した後端フランジ(41)と、
前記前端筒部(81)の前端から内側に突出し、前記後端フランジ(41)に前側から当接して前記第1弁体(40)に軸力を付与可能な前記軸力伝達部としての第1軸力伝達部(82)と、
前記前端筒部(81)の奥面と前記後端シャフト部(40S)の後面又は前記後端フランジ(41)との間に挟持され、前記第1弁体(40)を付勢する前記弁体付勢手段としての第1弁体押圧コイルバネ(42)とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)。
【請求項8】
前記支持ボディ(20)に設けられ、前記直動部材(80)又は前記後端シャフト部(40S)を直動可能に支持する直動支持壁(35,63V)と、
前記直動支持壁(35,63V)と前記可動筒体(50)との間に挟持されると共に、前記直動部材(80)の外側に挿通され、前記前側第2弁体(52)及び前記後側第2弁体(51)を付勢する前記弁体付勢手段としての第2弁体押圧コイルバネ(54)とを備えたことを特徴とする請求項7に記載の流量制御弁(10)。
【請求項9】
前記第1流出路(29)を流れた流体と前記第2流出路(27)を流れた流体とを区別せずに前記支持ボディ(20)の外部に排出可能な流出口(70)を備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)。
【請求項10】
前記第1流出路(29)を流れた流体と前記第2流出路(27)を流れた流体とを区別して前記支持ボディ(20)の外部に排出可能な第1流出口(29A)及び第2流出口(27A)を備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の流量制御弁(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−87856(P2013−87856A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228485(P2011−228485)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【Fターム(参考)】