説明

流量制御装置および流量制御方法

【課題】小型で、かつ、流量制御の応答性が優れた流量制御装置を提供することである。
【解決手段】力が作用することによって変形する変形可能部を有する流体通路と、前記流体通路の前記変形可能部に、異なる方向から、力を作用させる力作用手段とを具備してなり、前記力作用手段は、チャンバ10、13と、該チャンバ10、13の少なくとも一部を構成する膜9,12と、前記チャンバ10、13内の圧力を制御する圧力制御手段とを具備してなり、前記圧力制御手段による前記チャンバ10、13内の圧力変動による前記膜9,12の変形によって、前記流体通路の前記変形可能部3には、異なる位置で、変形が起きるよう構成されてなり、前記流体通路の前記変形可能部3の変形度によって該流体通路を流れる流体の流量が制御される流量制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流量制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
流量制御技術は多方面で用いられている。様々なタイプの流量制御装置が提案されている。例えば、ダイヤフラムを用いた流量制御装置が提案(特開平10−288160号公報、特開2005−54954号公報、特開2008−232196号公報、特開2011−90381号公報)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−288160号公報
【特許文献2】特開2005−54954号公報
【特許文献3】特開2008−232196号公報
【特許文献3】特開2011−90381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記提案のダイヤフラム型流量制御装置において、流量制御は、ダイヤフラムの変形によって、行われている。ダイヤフラムの変形には、例えばモータの力が用いられている。しかしながら、モータによるダイヤフラムの変形は応答性が良いとは言えない。
【0005】
そこで、エアを供給し、このエアの圧力によって、ダイヤフラムを変形させることが考えられた。
【0006】
しかしながら、単に、エアを用いたと言うのみでは、ダイヤフラムの変形応答性が良いとは言えなかった。そして、応答性を向上させようとすると、大型化せざるを得なかった。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、装置は小型で、かつ、流量制御の応答性が優れた流量制御技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する為の検討が、本発明者によって、鋭意、推し進められて行った。その結果、1枚の大きなダイヤフラムを用いるよりも、ダイヤフラムを複数個に分割し、分割によって小さくなったダイヤフラムを用いたならば、少ない空気量でダイヤフラムを効率的に駆動(変形)させることが出来ることに気付いた。少ない空気量でダイヤフラムを駆動(変形)させることが出来ると言うことは、ダイヤフラムを駆動(変形)させる為の空気室が小さくて済む。このことは、小型化と応答速度とを共に向上させることが出来ることにも気付いた。
【0009】
上記知見に基づいて本発明が達成された。
【0010】
すなわち、前記の課題は、
力が作用することによって変形する変形可能部を有する流体通路と、
前記流体通路の前記変形可能部に、異なる方向から、力を作用させる力作用手段
とを具備してなり、
前記力作用手段は、
チャンバと、
該チャンバの少なくとも一部を構成する膜と、
前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段
とを具備してなり、
前記圧力制御手段による前記チャンバ内の圧力変動による前記膜の変形によって、前記流体通路の前記変形可能部には、異なる位置で、変形が起きるよう構成されてなり、
前記流体通路の前記変形可能部の変形度によって該流体通路を流れる流体の流量が制御される
ことを特徴とする流量制御装置によって解決される。
【0011】
前記の課題は、前記流量制御装置であって、
前記力作用手段は、例えば、複数個、設けられてなり、
前記複数個の力作用手段の中の膜が前記流体通路の前記変形可能部に対向して配置されてなる
ことを特徴とする流量制御装置によって解決される。
【0012】
前記の課題は、前記流量制御装置であって、
前記複数の膜が、例えば、前記流体通路の前記変形可能部を間に挟んで、対向配置されてなる
ことを特徴とする流量制御装置によって解決される。
【0013】
前記の課題は、前記流量制御装置であって、
前記力作用手段の膜は一つであり、
前記一つの膜は、前記流体通路の前記変形可能部の周囲が所定の角度以上で該流体通路の該変形可能部の一部または全周が囲まれるよう、該流体通路に垂直な断面方向から見た形状が略C形状あるいは略O形状であるよう構成されてなり、
前記圧力制御手段による前記チャンバ内の圧力変動による前記膜の変形によって、前記流体通路の前記変形可能部には、異なる位置で、変形が起きる
ことを特徴とする請求項1の流量制御装置によって解決される。
【0014】
前記の課題は、前記流量制御装置であって、
前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段が、例えばチャンバ内に気体を供給する気体供給手段である
ことを特徴とする流量制御装置によって解決される。
【0015】
前記の課題は、前記流量制御装置であって、
例えば、ケース体を更に具備してなり、
前記ケース体内に前記流体通路の変形可能部が位置するよう配設され、
前記ケース体の内部に前記膜が配設され、該ケース体壁面と該膜とによって前記チャンバが構成され、
前記ケース体には孔が形成されていて、該孔から気体が供給されるよう構成されてなる
ことを特徴とする流量制御装置によって解決される。
【0016】
前記の課題は、前記流量制御装置であって、
例えば、凸部を有するスペーサを更に具備してなり、
前記スペーサは、前記凸部が前記流体通路の変形可能部に当接するよう、前記膜と前記流体通路との間に配設されてなる
ことを特徴とする流量制御装置によって解決される。
【0017】
前記の課題は、
力が作用することによって変形する変形可能部を有する流体通路を流れる流体の流量を制御する方法であって、
気体を供給する気体供給工程と、
前記変形可能部の第1ポイントが、前記気体供給工程で供給された気体の圧力によって、変形を受けると共に、前記変形可能部の第1ポイントとは異なる第2ポイントが、前記気体供給工程で供給された気体の圧力によって、変形を受ける変形工程
とを具備することを特徴とする流量制御方法によって解決される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の流量制御装置は、小型で、かつ、流量制御の応答性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態になる流量制御装置の要部断面図
【図2】本発明の他の実施形態になる流量制御装置の要部概略図
【図3】本発明の他の実施形態になる流量制御装置の要部概略図
【図4】本発明の他の実施形態になる流量制御装置の要部概略図
【図5】本発明の他の実施形態になる流量制御装置の要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1の本発明は流量制御装置である。本流量制御装置は流体通路を具備する。この流体通路は、力が作用することによって変形する変形可能部を有する。例えば、シリコンゴムと言ったゴムの如きの軟質樹脂で構成された管である。軟質樹脂製の管に力が印加されると、この印加個所において、管は押し潰される(管断面積が小さくなる)。従って、管内を流れる流体(例えば、気体あるいは液体)の量は少なくなる。印加された力が解放されると、管内を流れる流体の圧力や管自体が持つ復元力によって、管は復元する。すなわち、管の断面積は大きくなる。従って、管内を流れる流体の量は多くなる。前記の通り、管の変形度によって、管内を流れる流量が制御される。本流量制御装置は、前記変形可能部(管が軟質樹脂で構成されている場合、その軟質樹脂部)に力を作用させる力作用手段を具備する。力作用手段は、例えば力印加手段である。力作用手段(例えば、力印加手段)は、前記変形可能部に、異なる方向から、力を作用させる。例えば、軟質樹脂製の管は、複数の個所(位置)において、変形の力を受ける。例えば、複数の方向から押圧力を受ける。
【0021】
前記力作用手段(力印加手段:押圧力付与手段)は、チャンバ(室)を具備する。又、前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段を具備する。圧力制御手段の代表例として、前記チャンバ内に流体(液体、或いは空気や窒素ガス等の気体。好ましくは、空気)を供給する手段が挙げられる。特に、エア供給手段が挙げられる。例えば、エアコンプレッサが挙げられる。ブロワが挙げられる。前記チャンバの少なくとも一部は膜(例えば、ダイヤフラム)で構成される。従って、例えばチャンバ内にエアが供給されると、この圧力によって、前記膜は変形する。例えば、膜は膨張する(膨らむ)。この膜の変形によって、前記変形可能部は、異なる位置で、変形が起きるよう構成されている。前記変形可能部の変形度によって前記流体通路を流れる流体量が制御される。
【0022】
前記力作用手段(例えば、力印加手段)は、一つであっても、二つ以上有っても良い。力作用手段(例えば、力印加手段)は、例えば、複数個である。前記力作用手段(複数個の力作用手段)の構成要素(チャンバの構成要素)である膜が前記変形可能部(軟質樹脂製の管)に対向して配置される。複数個とは、2個でも、3個でも、4個でも、或いはそれ以上でも良い。すなわち、管周囲に、例えば管を囲む如く、2枚、3枚、4枚、……の膜が設けられる。尚、管を囲むように螺旋状に設けられても良い。但し、管の長手方向において、膜は、同一個所で、対向する如く設けられている方が好ましい。なぜならば、変形可能部を変形させる効果が高いからである。複数枚の膜が設けられる場合、左右方向において、複数枚の膜が設けられても良い。前記膜に対応してチャンバが設けられている。チャンバの構成要素である膜が管に対向しているように設けられている。コスト等の観点からすると、チャンバ(膜)の数は2であろう。すなわち、前記変形可能部(軟質樹脂製の管)の上下あるいは左右にチャンバ(チャンバ構成要素の膜)が対向配置(二つの膜が、変形可能部を間に挟む如く、配置)される。この状態にて、膜が変形圧力(膨張圧力)を受けると、間に挟まれている前記変形可能部(軟質樹脂製の管)は、両側から、直接的または間接的に、押圧力を受ける。管は、両側から、押し潰されるようになる。両側から変形圧力を受けて、管断面積は小さくなる。
【0023】
上記説明では、膜は複数枚であった。しかしながら、膜の形状によっては、膜は一つでも済む。例えば、前記流体通路の前記変形可能部の周囲が所定の角度以上で該変形可能部の一部または全周が囲まれるよう、該流体通路に直交する面内での断面形状が略C形状あるいは略O形状である膜の場合、一つでも済む。例えば、水平線(回転軸)の上に置かれた文字「U」が前記水平線(回転軸)の回りで回転した時、前記「U」回転体で構成される形状である膜の場合、一つでも済む。例えば、鼓形状の膜である場合、一つでも済む。すなわち、斯かる構造(形状:(断面図(端面図)が、例えば後述の図1に示される形状と同等の図形)の膜であれば、一枚の膜でも、前記チャンバ内の圧力変動による前記膜の変形によって、前記変形可能部には、異なる位置で、変形が起きるからである。
【0024】
本流量制御装置は、例えばケース体を更に具備する。前記ケース体内に前記変形可能部(例えば、軟質樹脂製の管)が位置するよう配設される。前記ケース体の内部に前記膜が配設される。前記ケース体の壁面と前記膜とによって前記チャンバが構成される。前記ケース体には孔が形成されている。前記孔から前記チャンバ内に気体(例えば、空気あるいは窒素ガス等)が供給される。供給された気体によって、前記膜が変形する。これによって、前記変形可能部(例えば、軟質樹脂製の管)の断面積が変わる。
【0025】
本流量制御装置は、好ましくは、凸部を有するスペーサを具備する。このスペーサは、前記凸部が前記変形可能部(例えば、軟質樹脂製の管)に当接するよう、前記膜と前記流体通路との間に配設される。これによって、前記変形可能部(例えば、軟質樹脂製の管)にはピンポイント的に力が加わる。従って、変形可能部の変形が効果的である。
【0026】
第2の本発明は流量制御方法である。特に、力が作用することによって変形する変形可能部を有する流体通路を流れる流体の流量を制御する方法である。本方法は、気体(例えば、空気、或いは窒素ガス)を供給する気体供給工程を具備する。本方法は、前記変形可能部の第1ポイントが、前記気体供給工程で供給された気体の圧力によって、変形を受けると共に、前記変形可能部の第2ポイント(第1ポイントとは異なる)が、前記気体供給工程で供給された気体の圧力によって、変形を受ける変形工程を具備する。本方法は、例えば前記流量制御装置が用いられて行われる。
【0027】
以下、本発明が更に具体的に説明される。但し、本発明は以下の具体的な実施形態によって限定され無い。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態になる流量制御装置の要部断面図である。
【0029】
同図中、1a,1bはケース半体である。ケース半体1aとケース半体1bとの合体によって、ケース体1が構成される。ケース半体1a,1bの左右の側面部には、断面が半円状の孔が形成されている。そして、ケース半体1aとケース半体1bとを合体してケース体1を構成した際に出来る断面円形の孔には、硬質材からなる管2a,2bが配置されている。
【0030】
管2aと管2bとの間には、例えばシリコンゴム製の管3が接続されている。管3はケース体1の内部に配置されている。
【0031】
4,5,6,7は孔である。孔4,5は、ケース半体1aの上面部に設けられている。孔6,7は、ケース半体1bの下面部に設けられている。矢印で示す通り、孔4,6を介して、空気がケース体1内に供給される。又、矢印で示す通り、孔5,7を介して、ケース体1内の空気が排出される。尚、図1では、空気の供給装置や排気装置は省略されている。
【0032】
8は、ケース半体1aの上面部の内面側に形成された略円形状の凹溝である。9は膜(oリング付きのダイヤフラム)である。この膜9のoリング部9aが凹溝8に嵌め込まれている。膜9とケース半体1aの上面部とで、チャンバ10が構成される。
【0033】
11は、ケース半体1bの下面部の内面側に設けられた略円形状の凹溝である。12は膜(oリング付きのダイヤフラム)である。この膜12のoリング部12aが凹溝11に嵌め込まれている。膜12とケース半体1bの下面部とで、チャンバ13が構成される。
【0034】
14,15はスペーサである。このスペーサ14,15は、一面側に、略円錐台形状の凸部16,17を有する。スペーサ14,15は、膜9,12と管3との間に配設されている。スペーサ14,15の配設形態は次の通りである。スペーサ14,15の平坦面側が膜9,12に当接する。凸部16,17が管3に当接する。
【0035】
18,19は管3の脱落防止用の挟持リングである。20,21は膜9,12のoリング部の離脱防止用のカラーである。
【0036】
次に、上記構成の流量制御装置の動作(流量制御方法)が説明される。
【0037】
図示されないエア供給装置で、孔4,6を介して、チャンバ10,13内に、エアが吹き込まれている。例えば、第1コンプレッサからのエアが孔4を介してチャンバ10内に吹き込まれ、第2コンプレッサからのエアが孔6を介してチャンバ13内に吹き込まれる。吹き込まれたエアは、孔5,7を介して、外部に放出(排出)されている。{(エア供給量)−(エア放出量)}>0の場合、チャンバ10,13を構成する膜9,12が膨らむ。{(エア供給量)−(エア放出量)}≦0の場合、チャンバ10,13を構成する膜9,12は膨らまない。膜9,12が膨らむと、スペーサ14,15は菅3を押圧する。特に、凸部16,17が管3の壁面を押圧する。管3の壁面は、図1中、上下方向において、凹み、菅3の断面積は小さくなる。従って、菅3内を流れる流体の量は少なくなる。孔4,6を介して、チャンバ10,13内に吹き込まれるエアの量が少なくなると、膜9,12の膨張圧力は低下する。これに伴って、凸部16,17が管3の壁面を押圧する力は低下する。そうすると、管3自身の復元力や菅3内を流れる流体の圧力によって、菅3の断面積が大きくなる。従って、菅3内を流れる流体の量は多くなる。上記のようにして、流体の流量が制御される。
【0038】
上記実施例では、二枚の膜9,12が用いられた。ここで、チャンバ10,13には、共に、圧力Pが掛っていると仮定する。この圧力Pによって、膜9,12は共に同様に変形する。膜9の変形によって、菅3は断面積がSだけ減少したとすると、膜12の変形によって、菅3は断面積がSだけ減少する。従って、断面積が、合計2S、減少する。これに対して、膜12が無かった場合、即ち、膜が一枚の場合を考える。チャンバ10に圧力Pが掛かったと仮定すると、菅3の断面積減少量はSである。そこで、断面積減少量を2Sにしようとすると、面積が2倍の大きさの膜が必要になる。このことは、それだけ、ケース体が大きくなることを意味する。すなわち、流量制御装置が大型化する。逆に言うと、本発明の流量制御装置は小型化が可能になる。更に、2倍の大きさの膜になると、このことは、チャンバ10がそれだけ大きくなることを意味する。ところで、チャンバが小さいと、チャンバ内に供給される空気量が僅かでも、膜の変動(膨張)は顕著である。このことは、膜変形速度、即ち、応答速度が速いことを意味する。逆に、チャンバが大きくなると、チャンバ内に多量の空気が送り込まれても、圧力変動は小さい。このことは、膜変形速度、即ち、応答速度が遅いことを意味する。従って、本発明の技術は流量制御の応答速度が速い。クイックリスポンスが可能である。
【0039】
本装置の設置個所は、これまで、流量制御装置が設置されて来た個所あるいは流量制御方法が実施されて来た個所である。例えば、特開2010−26576号公報の図1の装置の如くに組み込まれる。
【0040】
図2は、本発明の他の実施形態になる流量制御装置を説明する要部概略図である。本実施形態は、例えば一つのチャンバの内側の左右の面が、チャンバ内に供給・排出される気体によって、左右方向に膨らんだり縮んだりする膜で構成されている例である。前記膜の膨張・収縮によって、流体通路の変形可能部が変形し、これに伴って該流体通路を流れる流体の流量が制御される。尚、上述の技術思想が本実施形態にも応用されるから、詳細は省略される。
【0041】
図3は、本発明の他の実施形態になる流量制御装置を説明する要部概略図である。本実施形態は、食材「ちくわ」の如きのチャンバが用いられた形態であり、内側の面が膜となっていて、チャンバ内を流体通路が通っている形態である。尚、上述の技術思想が本実施形態にも応用されるから、詳細は省略される。
【0042】
図4は、本発明の他の実施形態になる流量制御装置を説明する要部概略図である。本実施形態は、チャンバが螺旋形態であり、内側の面が膜となっていて、チャンバ内を流体通路が通っている形態である。尚、上述の技術思想が本実施形態にも応用されるから、詳細は省略される。
【0043】
図5は、本発明の他の実施形態になる流量制御装置を説明する要部概略図である。本実施形態は、ケース体内(但し、チャンバ外)の圧力を、チャンバ内の圧力(a気圧)より高くしたり低くしたりすることによって、チャンバを構成する膜が膨らんだり縮んだりすることを利用し、内側に設けられている流体通路の変形可能部を変形させ、これに伴って該流体通路を流れる流体の流量が制御されるようにしたものである。尚、上述の技術思想が本実施形態にも応用されるから、詳細は省略される。
【符号の説明】
【0044】
1 ケース体
1a,1b ケース半体
3 シリコンゴム製管
4,5,6,7 孔
8,11 略円形状の凹溝
9,12 膜
9a,12a oリング部
10,13 チャンバ
14,15 スペーサ
16,17 凸部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
力が作用することによって変形する変形可能部を有する流体通路と、
前記流体通路の前記変形可能部に、異なる方向から、力を作用させる力作用手段
とを具備してなり、
前記力作用手段は、
チャンバと、
該チャンバの少なくとも一部を構成する膜と、
前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段
とを具備してなり、
前記圧力制御手段による前記チャンバ内の圧力変動による前記膜の変形によって、前記流体通路の前記変形可能部には、異なる位置で、変形が起きるよう構成されてなり、
前記流体通路の前記変形可能部の変形度によって該流体通路を流れる流体の流量が制御される
ことを特徴とする流量制御装置。
【請求項2】
前記力作用手段は、複数個、設けられてなり、
前記複数個の力作用手段の中の膜が前記流体通路の前記変形可能部に対向して配置されてなる
ことを特徴とする請求項1の流量制御装置。
【請求項3】
前記力作用手段の膜は一つであり、
前記一つの膜は、前記流体通路の前記変形可能部の周囲が所定の角度以上で該流体通路の該変形可能部の一部または全周が囲まれるよう、該流体通路に垂直な断面方向から見た形状が略C形状あるいは略O形状であるよう構成されてなり、
前記圧力制御手段による前記チャンバ内の圧力変動による前記膜の変形によって、前記流体通路の前記変形可能部には、異なる位置で、変形が起きる
ことを特徴とする請求項1の流量制御装置。
【請求項4】
前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段がチャンバ内に気体を供給する気体供給手段である
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの流量制御装置。
【請求項5】
ケース体を更に具備してなり、
前記ケース体内に前記流体通路の変形可能部が位置するよう配設され、
前記ケース体の内部に前記膜が配設され、該ケース体壁面と該膜とによって前記チャンバが構成され、
前記ケース体には孔が形成されていて、該孔から気体が供給されるよう構成されてなる
ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの流量制御装置。
【請求項6】
凸部を有するスペーサを更に具備してなり、
前記スペーサは、前記凸部が前記流体通路の変形可能部に当接するよう、前記膜と前記流体通路との間に配設されてなる
ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの流量制御装置。
【請求項7】
力が作用することによって変形する変形可能部を有する流体通路を流れる流体の流量を制御する方法であって、
気体を供給する気体供給工程と、
前記変形可能部の第1ポイントが、前記気体供給工程で供給された気体の圧力によって、変形を受けると共に、前記変形可能部の第1ポイントとは異なる第2ポイントが、前記気体供給工程で供給された気体の圧力によって、変形を受ける変形工程
とを具備することを特徴とする流量制御方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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