説明

流量式空気マイクロメータ

【課題】従来にない画期的な流量式空気マイクロメータを提供する。
【解決手段】空気供給源1と連結する供給側継手2と、測定ヘッド3aを有する測定部3と連結する排出側継手4とを供えた本体部Aに、フロート14を内設したテーパ管5を、上流側を下側に下流側を上側にして立設し、このテーパ管5の上流側を供給側空気路6を介して供給側継手2と連通し下流側を排出側空気路7を介して排出側継手4と連通した流量式空気マイクロメータにおいて、前記テーパ管5より径大にして天部が閉塞した外管8をこのテーパ管5に被嵌状態にして本体部Aに立設してこの外管8とテーパ管5間に空隙部sを形成し、この空隙部sの上流側にして上部を前記テーパ管5の下流側である上部と連通し、この空隙部sの下流側にして下部を本体部Aに設けた排出側継手連通路9を介して排出側継手4と連通して、この空隙部s及び排出側継手連通路9を前記排出側空気路7として構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気供給源から供給された空気をテーパ管を介して測定ヘッドを有する測定部へと排出して測定ヘッドから被測定部(被測定面)に向けて空気を排出すると共に、その際の前記テーパ管内のフロートの高さ位置によって測定値を得る流量式空気マイクロメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、背圧式や流量式などの様々なタイプの空気マイクロメータが提案されており、特に流量式空気マイクロメータは最も普及しているタイプの空気マイクロメータとして広く一般的に実用に供されている。
【0003】
この流量式空気マイクロメータは、例えば、レギュレータを備えると共に上流側を下側に下流側を上側にして上方程径大となるテーパ管を立設状態に設けた本体部に、空気供給源と、測定ヘッドを有する測定部とを連結し、この空気供給源から本体部に供給した空気をレギュレータで制圧してテーパ管に送り、このテーパ管内を経由(流通)した空気を前記測定部に送り測定ヘッドの空気排出部から外部に排出するように構成したものであって、前記テーパ管内には、このテーパ管内を流通する空気の流量に応じて上下浮動自在なフロートを設けており、測定時においては、空気供給源から供給された空気が排出される前記測定ヘッドの空気流出部を測定したい測定面に近接させ、この測定ヘッドの空気排出部と前記測定面との離間距離の微小な変化量を、この測定ヘッドの空気流出部から排出される空気量に変換して前記フロートに拡大指示させ、このフロートの高さ位置から得た測定値に基づいて比較測定を行う比較測定器である。
【0004】
従って、流量式空気マイクロメータにおいては、本体部に供給された空気を、テーパ管を経由して、この本体部に連結された前記測定部の測定ヘッドから排出するために、このテーパ管の下流側にして上部と、前記本体部に連結された測定部とを連通する排出用空気路が必須の構成であるが、従来の流量式空気マイクロメータにおいては、この排出側空気路として、テーパ管の上部からこのテーパ管に沿って空気路としてのパイプやチューブなどを本体部に向けて配管する構成の為、このテーパ管の上部からこのテーパ管に沿って配管されるパイプやチューブの分、装置自体が大型化し、また、このパイプやチューブなどとテーパ管とを連結する連結箇所などにおいて、決して空気漏れが生じ得ないように緻密な配管構造としなければならずそれだけ設計・製造が厄介で生産コスト高となるなどの欠点を有した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来から提案されている流量式空気マイクロメータについて更なる研究開発を進め、本体部に立設したテーパ管に被嵌状態に外管を設けて二重管構造とし、このテーパ管と外管間に形成した空隙部を空気路として利用する構成とすることで、これまでにおいては必須であったテーパ管の上部(下流側)からこのテーパ管に沿って配管される空気路としてのパイプやチューブなどが一切不要で、それだけ装置自体を小型化でき、またテーパ管に天部が閉塞した外管を被せることで空気漏れの生じ得ない密閉構造を簡易に達成し得る構成で、それだけ設計・製造を容易にすることができ生産コスト安となるうえに、そのデザインもこれまでに無くスリムで極めて斬新なイメージを与えることができるなど、従来に無い極めて画期的な流量式空気マイクロメータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
空気供給源1と連結する供給側継手2と、測定ヘッド3aを有する測定部3と連結する排出側継手4とを供えた本体部Aに、上流側を下側に下流側を上側にして立設状態にテーパ管5を設け、このテーパ管5の上流側を供給側空気路6を介して前記供給側継手2と連通し、下流側を排出側空気路7を介して前記排出側継手4と連通し、このテーパ管5内を流通する空気の流量に応じてこのテーパ管5内を上下浮動自在にフロート14を設け、このフロート14の高さ位置を視認することで測定値を得る流量式空気マイクロメータにおいて、前記テーパ管5より径大にして天部が閉塞した外管8をこのテーパ管5に被嵌状態にして本体部Aに立設してこの外管8とテーパ管5間に空隙部sを形成し、この空隙部sの上流側にして上部を前記テーパ管5の下流側である上部と連通し、この空隙部sの下流側にして下部を本体部Aに設けた排出側継手連通路9を介して排出側継手4と連通し、前記空気供給源1から供給側空気路6を介してテーパ管5内に供給された空気がこのテーパ管5内を流通して下流側の空隙部s及び排出側継手連通路9を介して排出側継手4に流通するように構成することでこの空隙部s及び排出側継手連通路9を前記排出側空気路7として構成したことを特徴とする流量式空気マイクロメータに係るものである。
【0008】
また、前記テーパ管5は、前記本体部Aに上方開口状態に設けたテーパ管差し込み孔10に上方から差し込み配設すると共にこのテーパ管5を上方から押さえ込む押圧手段T1によりこのテーパ管5をこのテーパ管差し込み孔10に差し込み押圧固定することで、このテーパ管5を前記本体部Aに立設状態に設けたことを特徴とする請求項1記載の流量式空気マイクロメータに係るものである。
【0009】
また、前記テーパ管5としてガラス管を採用し、このガラス管であるテーパ管5を前記本体部Aのテーパ管差込孔10に差し込み立設したうえで押圧手段T1により上方から押さえ込むことで、このテーパ管5をこのテーパ管差し込み孔10に差し込み固定したことを特徴とする請求項2記載の流量式空気マイクロメータに係るものである。
【0010】
また、前記押圧手段T1は、通気キャップ15を介して前記テーパ管5を上方から押圧する構成とし、この通気キャップ15は、前記テーパ管5の下流側にして上部と押圧当接すると共に、このテーパ管5内とこのテーパ管5と外管8間の空隙部sとを連通する通空路15aを有する形状に構成したことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータに係るものである。
【0011】
また、前記外管8は、前記本体部Aに上方開口状態に設けた外管差し込み孔11に上方から差し込み配設すると共にこのテーパ管5を外管差し込み孔11に差し込み状態に固定する外管固定手段T2によりこの外管8をこの外管差し込み孔11に差し込み固定することで、この外管8を前記本体部Aに立設状態に設けた構成とし、この外管8の天部を閉塞する天部材18により前記テーパ管5を上部から押さえ込むように前記押圧手段T1を構成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータに係るものである。
また、前記外管8は、天部が開口状態の外管8の下部を前記外管差し込み孔11に差し込み固定するように前記外管固定手段T2を構成し、この外管8の下部を前記外管差し込み孔11に差し込み固定したうえで、この外管8を天部を閉塞する天部材18をこの外管8の天部に上方から取り付けることで、天部が閉塞した外管8を本体部Aに設ける構成とし、この外管8の天部に前記天部材18を取り付ける際の天部材18の下動若しくは締付下動によって前記テーパ管5を上方から押圧するように前記押圧手段T1を構成したことを特徴とする請求項5記載の流量式空気マイクロメータに係るものである。
【0012】
また、前記外管8の下部外周面に雄ネジ溝16を形成し、この雄ネジ溝16が螺合する雌ネジ溝17を前記外管差し込み孔11の内周面に形成してこの外管8をこの外管差し込み孔11に差し込み螺着固定するように前記外管固定手段T2を構成したことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータに係るものである。
【0013】
また、前記外管8より径大な防護筒体12を前記外管8に被嵌状態にして前記本体Aに立設してこの防護筒体12によって前記外管8への外力の付加を防護するように構成すると共に、前記テーパ管5内のフロート14を視認し得るように、この防護筒体12の外周面の少なくとも一部を透明部材で構成した、或いは、この防護筒体12の外周面に窓孔13を設けた構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータに係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、これまでにおいては、立設状態に設けたテーパ管の下流側にして上部からこのテーパ管に沿って排出側空気路としてのパイプやチューブが配管される構成であったため、このテーパ管に沿って配管されるパイプやチューブの分、装置自体が大型化してしまったところを、本発明においては、本体部に立設状態に設けたテーパ管に被嵌状態にして外管を設けて二重管構造とし、このテーパ管と外管間に形成した空隙部を空気路(前記排出側空気路の一部)として利用する構成としたから、テーパ管の上部からこのテーパ管に沿ってパイプやチューブなどを配管する必要が一切無く、それだけ装置の小型化を確実に図ることが可能である。
【0015】
また、これまでにおいては、テーパ管と、このテーパ管に沿って配管されるパイプやチューブとの連結箇所などにおいて空気漏れが生じ得ないような細密な配管構造が必須であった為、それだけ設計・製造が厄介で生産コスト高となるなどの欠点を有したが、本発明においては、テーパ管を、天部が閉塞した外管によって被嵌してしまう構成である為、空気漏れが生じ得ない密閉構造とすることも極めて簡易に達成できる。
【0016】
また、本体部に立設状態に設けたテーパ管に沿うようにパイプやチューブなどを配管する必要がなく、単に本体部から上方に突出状態に二重管構造の筒状体(テーパ管と外管)とが立設しただけのすっきりとしたスリムな外形状に設計することも容易に可能で、これまでに無いスリムで斬新なイメージを与えることができる画期的なデザインも簡易に設計実現可能である。
【0017】
よって、本発明は、従来から提案されている流量式空気マイクロメータに必須のテーパ管の上部からこのテーパ管に沿うようにしてパイプやチューブなどを配管する必要がない構成としたから、それだけ装置を小型化できるうえに生産性やコスト面にも秀れ、そのデザインも従来にない斬新なものとすることが可能で、従来にない画期的で実用性の高い流量式空気マイクロメータとなる。
【0018】
また、請求項2〜4記載の発明においては、テーパ管の下部がテーパ管差し込み孔内に差し込まれた状態でこのテーパ管を本体部に固定するため取付安定性に秀れる。
【0019】
また、このテーパ管は、単に前記テーパ管差し込み孔に差し込んで、圧手段により上方から押さえ込むことでこのテーパ管差し込み孔に差し込み固定できる構成のため、仮にこのテーパ管がガラス管であっても、このガラス管をテーパ管差し込み孔に固定する際にこのガラス管を破損させる心配がなく良好に取り付け固定作業を進展でき、よって、テーパ管として一般的なガラス管を採用することができるなど、この点においても一層実用性に秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【0020】
また、請求項5、6記載の発明においては、外管の下部が外管差し込み孔内に差し込まれた状態でこのテーパ管を本体部に固定するため取付安定性に秀れる。
【0021】
また、外管の天部を利用してテーパ管を上方から押さえ込む構成としたから、本体部に外管を固定することと、テーパ管を上方から押さえ込んで本体部に押圧固定することの双方の作業を同時に達成でき、構成も簡易化でき生産性に秀れることとなるなど、一層製造が容易にして生産性に秀れコスト安にして一層実用性に秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【0022】
また、請求項7記載の発明においては、外管を確実に前記外管差し込み孔に差し込み固定できることは勿論、この外管を螺動操作によって前記外管差し込み孔に簡単に取り付け,取り外しでき、また、この外管を取り外したうえで、単にテーパ管差し込み孔に押さえ込み固定されていたテーパ管も簡単にこのテーパ管差し込み孔から取り外し、メンテナンス作業を行ったりでき、よって、一層製造が容易で生産性に秀れるうえにメンテナンス性にも秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【0023】
また、請求項8記載の発明においては、従来に無いスリムな外形状で斬新なイメージを与えられる秀れたデザイン性を有するだけでなく、強度面においても秀れた一層実用性に秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0025】
本体部Aの供給側継手2に連結した空気供給源1からこの本体部Aに空気が供給されると、この供給された空気は、本体部Aの供給側空気路6を介して、この本体部Aに上流側を下側に下流側を上側にして立設状態に設けたテーパ管5内に供給される。
【0026】
このテーパ管5内に上流側から供給された空気は、このテーパ管5の下流側と連通する排出側空気路7を介して、前記本体部Aの排出側継手4に連結した測定部3へと流通することとなる。
【0027】
ここで、本発明においては、前記テーパ管5より径大にして天部が閉塞した外管8を、このテーパ管5に被嵌状態にして前記本体部Aに立設してこのテーパ管5と外管8間に空隙部sを形成しており、この空隙部sの上流側にして上部を前記テーパ管5の下流側である上部と連通し、この空隙部sの下流側にして下部を本体部Aに設けた排出側継手連通路9を介して排出側継手4に連通するように構成して、この空隙部s及び排出側継手連通路9を前記排出側空気路7として構成している。
【0028】
従って、テーパ管5内に上流側から供給された空気は、このテーパ管5の下流側と連通する排出側空気路7としての前記空隙部s及び排出側継手連通路9を流通して、前記本体部Aの排出側継手4に連結した測定部3へと流通することとなり、この測定部3の測定ヘッド3aからこの空気が外部に排出されることとなる。
【0029】
また、この際の前記テーパ管5内に上下浮動自在に設けたフロート14の高さ位置を視認して測定値を得ることとなる。
【0030】
即ち、これまでにおいては、立設状態に設けたテーパ管5の下流側にして上部からこのテーパ管5に沿って排出側空気路7としてのパイプやチューブが配管される構成であったため、このテーパ管5に沿って配管されるパイプやチューブの分、装置自体が大型化してしまうだけでなく、このテーパ管5とこのパイプやチューブとを連結する箇所などで空気漏れが生じ得ないようにな緻密な配管構造にとする必要がある為、それだけ設計・製造が厄介で生産コスト高となるなどの欠点を有したが、本発明においては、本体部Aに立設状態に設けたテーパ管5に被嵌状態にして外管8を設けて二重管構造として、このテーパ管8と外管8間に形成した空隙部sを空気路(前記排出側空気路7の一部)として利用する構成としたから、テーパ管5の上部からこのテーパ管5に沿ってパイプやチューブなどを配管する必要が一切無く、それだけ装置自体の小型化を図り得、しかも、天部が閉塞した外管8をテーパ管5に被嵌する構成である為、このテーパ管5と空気路としての前記空隙部sと間に空気漏れなどが一切生じ得ない密閉構造とすることも極めて簡易に達成でき、それだけ設計・製造が容易にして生産性に秀れ、更に、本体部Aから上方に二重管構造の筒状体が突出立設しているすっきりとしたスリムな外形状に設計することも容易に可能で、これまでに無いスリムで斬新なイメージを与えることができる画期的なデザインも簡易に設計実現可能にしてデザイン性に秀れるなど、極めて画期的で実用性に秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【0031】
また、例えば、前記テーパ管5は、前記本体部Aに上方開口状態に設けたテーパ管差し込み孔10にこのテーパ管5を上方から押さえ込む押圧手段T1によりこのテーパ管5をこのテーパ管差し込み孔10に差し込み押圧固定することで、このテーパ管5を前記本体部Aに立設状態に設けた構成とした場合には、テーパ管5の下部がテーパ管差し込み孔10内に差し込まれた状態でこのテーパ管5を本体部Aに固定するため、取付安定性に秀れることとなる。
【0032】
しかも、このテーパ管5を単に差し込み孔10に差し込んで立てた状態で上方から押さえこんで差し込み押圧固定する構成の為、テーパ管5として最も一般的であるガラス管を採用でき、この点においても実用性に秀れることとなる(ガラス製品は、アクリル製などの透明樹脂性品に比して変形や腐食の恐れが無く形状安定性に秀れる。)。
【0033】
即ち、テーパ管5としてガラス管を採用した場合、横方向の外力が加わるとガラス管は簡単に割れてしまう為に、例えばテーパ管5を前記テーパ管差し込み孔10に強固に圧入固定する取付構造とすることはできない(圧入時に破損の恐れがある。)。また、ガラス管にはネジ溝を切ることが困難な為、テーパ管5の外周面にネジ溝を切り、テーパ管差し込み孔10の内周面にネジ溝を切り、テーパ管を差し込み螺入固定する取付構造とすることもできない。この点、本発明においては、テーパ管5としてガラス管を採用しても、このガラス管を孔に差し込んで上方から押圧するだけなのでガラス管を破損する恐れもなく良好にテーパ管5としてガラス管を採用できる。
【0034】
また、例えば、前記押圧手段T1は、通気キャップ15を介して前記テーパ管5を上方から押圧する構成とし、この通気キャップ15は、前記テーパ管5の下流側にして上部と押圧当接すると共に、このテーパ管5内とこのテーパ管5と外管8間の空隙部sとを連通する通空路15aを有する形状に構成した場合には、通気キャップ15の通空路15aを介してテーパ管5と空隙部sを良好に連通状態にできることは勿論、この通気キャップ15の上部を様々な形状に適宜設定することで、一層実用性に秀れた構成とすることができる。
【0035】
即ち、例えば前記押圧手段T1を、締付回転しながら締付下動する押圧部材によってテーパ管5を上方から押さえ込む構成とした場合には、前記締付回転する押圧部材によりテーパ管5まで回転してしまい例えばテーパ管5に設けた目盛りの位置がズレてしまったり、捻れ力によりテーパ管5が破損する恐れがあるなどの問題が生ずるが、このテーパ管5の上部に通気キャップ15を配してこの通気キャップ15の上部を先細り形状とすれば、前記締付回転する押圧部材と通気キャップ15との接触面を非常に小さくでき、通気キャップ15やテーパ管5が回転してしまうことを阻止できるなど、テーパ管5を通気キャップ15を介して上方から押さえ込む構成としたことで一層秀れた実用価値を有することとなる。
【0036】
また、例えば、前記外管8は、前記本体部Aに上方開口状態に設けた外管差し込み孔11に上方から差し込み配設すると共にこのテーパ管5を外管差し込み孔11に差し込み状態に固定する外管固定手段T2によりこの外管8をこの外管差し込み孔11に差し込み固定することで、この外管8を前記本体部Aに立設状態に設けた構成とし、この外管8の天部を閉塞する天部材18により前記テーパ管5を上部から押さえ込むように前記押圧手段T1を構成した場合には、この外管8の下部が外管差し込み孔11に差し込まれた状態で外管固定手段T2によりこのテーパ管5を本体部Aに固定するため、取付安定性に秀れることとなる。
【0037】
しかも、この外管8の天部を閉塞する天部材18を利用して、前記テーパ管5を上部から押さえ込むように押圧手段T1を構成した為、本体部Aに外管8を固定することと、テーパ管5を上方から押さえ込んで本体部Aに押圧固定することの双方の作業を同時に達成できるうえに構成も簡易化でき一層生産性に秀れることとなる。
【0038】
また、例えば、前記外管8は、天部が開口状態の外管8の下部を前記外管固定手段T2により前記外管差し込み孔11に差し込み固定するように前記外管固定手段T2を構成し、この外管8の下部を前記外管差し込み孔11に差し込み固定したうえで、この外管8の天部を閉塞する天部材18をこの外管8の天部に上方から取り付けることで、天部が閉塞した外管8を本体部Aに設ける構成とし、この外管8の天部に前記天部材18を取り付ける際の天部材18の下動若しくは締付下動によって前記テーパ管5を上方から押圧するように前記押圧手段T1を構成した場合には、仮に予め天部材18が取り付けられた外管8を前記外管差し込み孔11に差し込み固定しながらこの外管8の天部材18によりテーパ管5を上方から押さえ込み作業も行う場合、長い外管8を支えながらテーパ管5の押さえ込み作業を行う為作業性が悪く効率が悪いが、外管8の下部が外管差し込み孔11に差し込み固定された状態でこの外管8の上部に天部材18を取り付ける作業と前記テーパ管5の押さえ込み作業とを同時に行う場合には、作業性良く効率的に作業を進展できることとなる。
【0039】
また、例えば、前記外管8の下部外周面に雄ネジ溝16を形成し、この雄ネジ溝16が螺合する雌ネジ溝17を前記外管差し込み孔11の内周面に形成してこの外管8をこの外管差し込み孔11に差し込み螺着固定するように前記外管固定手段T2を構成した場合には、外管8を確実に前記外管差し込み孔11に差し込み固定できることは勿論、この外管8を螺動操作によって前記外管差し込み孔11に簡単に取り付け,取り外しでき、また、この外管8を取り外したうえで、単にテーパ管差し込み孔10に押さえ込み固定されていたテーパ管5も簡単にこのテーパ管差し込み孔10から取り外すことができることとなり、例えば、メンテナンス作業などを極めて簡単に行えることとなる。
【0040】
また、例えば、前記外管8より径大な防護筒体12を前記外管8に被嵌状態にして前記本体Aに立設してこの防護筒体12によって前記外管8への外力の付加を防護するように構成すると共に、前記テーパ管5内のフロート14を視認し得るように、この防護筒体12の外周面の少なくとも一部を透明部材で構成した、或いは、この防護筒体12の外周面に窓孔13を設けた構成とした場合には、従来に無いスリムな外形状で斬新なイメージを与えることができる秀れたデザイン性を有するだけでなく、強度面においても秀れた構成となる。
【実施例】
【0041】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0042】
本実施例は、空気供給源1と連結する供給側継手2と、測定ヘッド3aを有する測定部3と連結する排出側継手4とを供えた本体部Aに、上流側を下側に下流側を上側にして立設状態にテーパ管5を設け、このテーパ管5の上流側を供給側空気路6を介して前記供給側継手2と連通し、下流側を排出側空気路7を介して前記排出側継手4と連通し、このテーパ管5内を流通する空気の流量に応じてこのテーパ管5内を上下浮動自在にフロート14を設け、このフロート14の高さ位置を視認することで測定値を得る流量式空気マイクロメータにおいて、前記テーパ管5より径大にして天部が閉塞した外管8をこのテーパ管5に被嵌状態にして本体部Aに立設してこの外管8とテーパ管5間に空隙部sを形成し、この空隙部sの上流側にして上部を前記テーパ管5の下流側である上部と連通し、この空隙部sの下流側にして下部を本体部Aに設けた排出側継手連通路9を介して排出側継手4と連通し、前記空気供給源1から供給側空気路6を介してテーパ管5内に供給された空気がこのテーパ管5内を流通して下流側の空隙部s及び排出側継手連通路9を介して排出側継手4に流通するように構成することでこの空隙部s及び排出側継手連通路9を前記排出側空気路7として構成したものである。
【0043】
テーパ管5は、図5に図示したように、上方程径大となるテーパ状のガラス管の周面に測定用の目盛り部5aを印刷して設けたものである。
【0044】
このテーパ管5内に上下浮動自在に設けるフロート14は、図3に図示したように、一般的な流量式空気マイクロメータに採用される下方程先細った形状に構成している。
【0045】
外管8は、前記テーパ管5より径大なストレート形状のガラス管から成る上部及び下部が開口した無底円筒状の外管本体8aの天部に、天部材18を取り付けることによってこの外管8を構成している。
【0046】
この外管8の外管本体8aの上部には、後述の天部材18の内周面の螺着用雌ネジ溝21を螺合する螺着用雄ネジ溝22を設けている。
【0047】
具体的には、外管本体8aに上方から被嵌し得る円筒状の天部材螺着用金具19をこの外管本体8aの上部に被嵌配設して接着固定し、この円筒状の天部材螺着用金具19の上部外周面に前記螺着用雄ネジ溝22を形成した構成である。
【0048】
この天部材18は、図4に図示したように、下部が開口した円筒状の蓋体形状にして、この天部材18の内周面には、前記外管8の外管本体8aの螺着用雄ネジ溝22に螺合する螺着用雌ネジ溝21を形成し、この天部材18の内面上面部18aの形状は、上方程小径となる円錐状の凹溝形状に形成している。
【0049】
従って、外管8は前記外管本体8aの雄ネジ溝22に、前記天部材18の雌ネジ溝21を螺合してこの外管本体8aに天部材18を螺着固定して成る構成である。
【0050】
また、この外管8の下部外周面には、後述の本体部Aの外管差し込み孔11の内周面に形成した雌ネジ溝17に螺合する雄ネジ溝16を設けている。
【0051】
具体的には、図4に図示したように、外管本体8aに下方から被嵌し得る円筒状の差込螺着用金具20をこの外管本体8aの下部に被嵌配設して接着固定し、この円筒状の差込螺着用金具20の下部外周面に前記雄ネジ溝16を形成した構成である。
【0052】
尚、この外管8の外管本体8aをアクリル製管体で構成して、このアクリル製管体の上部及び下部に直接ネジ溝を形成する構成としても良いが、本実施例のようにこの外管本体8aを、ガラス管の上部及び下部にネジ溝を有する金具(天部材螺着用金具19及び差込螺着用金具20)を接着固定した構成とすることで、外管8が変形したりせず形状安定性に秀れそれだけ測定精度の信頼性を向上できる。
【0053】
また、図5及び図6に図示したように、この外管8の外周面に被嵌している二体の円環状体8aは、外管8内に設けた前記テーパ管5の目盛り部5aの前目盛り中、測定時に有効な目盛りの範囲(有効指示範囲)の上限及び下限を示す限界指標8bである。
【0054】
また、本実施例では、図5及び図6に図示したように、この外管8より径大な防護筒体12を前記外管8に被嵌状態にして前記本体Aに立設している。
【0055】
この防護筒体12は、図5に図示したように、上部及び下部が開口状態の円筒体の上部内周面に雌ネジ溝23aを形成し、この雌ネジ溝23に螺合する雄ネジ溝23bを有するキャップ12aを開口上部に螺着固定して成る構成である。
【0056】
また、この防護筒体12の下部外周面には、後述の本体部Aの防護筒体差し込み孔25の内周面に形成した雌ネジ溝25aと螺合する雄ネジ溝24を形成している。
【0057】
また、この防護筒体12の外周面に、この防護筒体12の高さ方向に長窓状の窓孔13を設けている。
【0058】
従って、この防護筒体12によって前記外管8への外力の付加を防護できると共に、この防護筒体12の前記窓孔13から、この防護筒体12内の前記テーパ管5内のフロート14を視認できる。
【0059】
尚、この防護筒体12の周面の一部を透明部材で構成してこの防護筒体12内の前記テーパ管5内のフロート14を視認できるように構成しても良く、また、テーパ管5に設けた目盛り部5aを良く視認できるように導光用の窓孔をこの防護筒体12に形成しても良い。
【0060】
本体部Aは、図2,図3及び図6に図示したように、底部に平板状の台座26を有し、この台座26より上部が側面視略三角形状を呈する中空のカバー体A1の下部一端側(図2中左側)に前記空気供給源1を連結するための供給側継手2を設け、反対の他端側(図2中、右側)に前記測定部3を連結するための排出側継手4を設けた構成である。
【0061】
また、図2に図示したように、この本体部Aのカバー体A1内にして前記供給側継手2の下流側には、本体部Aに連結した空気供給源1から供給された空気を制圧するレギュレータ27を前記供給側空気路6の第一供給路6aを介して連通状態に設けている。
【0062】
また、このレギュレータ27の下流側には、第二供給路6bを介して倍率調整絞り機構Bを連通状態に設けている。
【0063】
また、この倍率調整絞り機構Bの下流側は、図3に図示したように、第三供給路6cを介して、上部開口状態のテーパ管差し込み孔10の下部と連通している。
【0064】
この倍率調整絞り機構Bは、一般的な流量式空気マイクロメータの倍率調整絞りと同様に、レギュレータから供給された空気のうちの一部を、前記テーパ管5へと供給せずに排出側空気路7へと送れるように構成したものであって、この倍率調整絞り機構Bの調整絞りbを螺動操作することで先端側の進退移動子b2を螺動進退操作でき、この倍率調整絞り機構Bの進退移動子b2を螺動後退させることで生ずる隙間から空気を排出側空気路7へ逃がすものである。
【0065】
また、この本体部Aには上部開口状態に、前記テーパ管5を差し込み配設する為のテーパ管差し込み孔10,外管8を差し込み配設する為の外管差し込み孔11及び、防護筒体12を差し込み配設する為の防護筒体差し込み孔25を夫々、略同軸上に形成している。
【0066】
前記テーパ管差し込み孔5は、前記テーパ管5を差し込み可能な内径を有する形状に形成しており、このテーパ管差し込み孔5の下端から所定高さの位置より上部の内径を径大に形成して段状に前記外管差し込み孔11を形成している。また、この外管差し込み孔11の内周面には、前記外管8の下部外周面に形成した雄ネジ溝16が螺合する雌ネジ溝17を形成した構成である。
【0067】
また、この外管差し込み孔11より径大な前記防護筒体差し込み孔25をこの外管差し込み孔11の上方に形成すると共に、この防護筒体差し込み孔25の内周面には前記防護筒体12の下部外周面に形成した雄ネジ溝24が螺合する雌ネジ溝25aを形成した構成である。
【0068】
この本体部Aのカバー体A1の前記テーパ差し込み孔10の下部周面は、前記排出側空気路7を構成する排出側継手連通路9に連通している。
【0069】
この排出側継手連通路9は、図2に図示したように、前記テーパ差し込み孔10の下部周面を、第一排出路9aを介してゼロ点調整絞り機構Cと連通し、このゼロ点調整絞り機構Cの下流側を第二排出路9bを介して前記本体部Aの排出側継手4へと連通している。
【0070】
このゼロ点調整絞り機構Cは、一般的な流量式空気マイクロメータのゼロ点調整絞りと同様に、テーパ管5内を流通して本体部Aに連結した測定部3へと送られる空気のうちの一部を、前記測定部3へと送らずに装置外部に排気し得るように構成したものであって、このゼロ点調整絞り機構Cの調整絞りc1を螺動操作することで先端側の進退移動子c2を螺動進退操作でき、このゼロ点調整絞り機構Bの進退移動子c2を螺動後退させることで生ずる隙間から排気路c3に空気を逃がしてこの排気路c3から空気を排出し得るものである。
【0071】
尚、図2に図示したように、本体部Aのカバー体A1には、前記倍率調整絞り機構Bの調整絞りb1及び、ゼロ点調整絞り機構Cの調整絞りc1を螺合状態に横設すると共に、供給側空気路6及び排出側空気路7の一部(第三供給路6aや第一排出路9aなど)を有する形状の空気路構成金具体A2を、カバー体A1の上部に取付ボルト28により螺着固定した構成である。尚、前記テーパ差し込み孔10及び外管差し込み孔11も、図3に図示したように、この本体部Aの空気路構成金具体A2の上部に形成している。
【0072】
以上のように構成した本体部Aは、図5に図示したように、このフロート14を内設したテーパ管5を、前記本体部Aに上方開口状態に設けたテーパ管差し込み孔10に上方から差し込み配設すると共にこのテーパ管5を上方から押さえ込む押圧手段T1によりこのテーパ管5をこのテーパ管差し込み孔10に差し込み押圧固定することで、このテーパ管5を前記本体部Aに立設状態に設けている。この際、テーパ管5の下部開口縁と、テーパ管差し込み孔10の底部との間に弾性部材29(本実施例では、ゴム製のOリング)を配設して、図2及び図3に図示したように、このテーパ管5の下部開口縁と、テーパ管差し込み孔10の底部間に隙間が生じないように(空気漏れが生じないように)構成している。
【0073】
このテーパ管5を上方から押さえ込む押圧手段T1は、外管8の天部を閉塞する天部材18により前記テーパ管5を上部から押さえ込むように構成している。
【0074】
この外管8は、図2及び図3に図示したように、前記本体部Aに上方開口状態に設けた外管差し込み孔11に上方から差し込み配設すると共にこのテーパ管5を外管差し込み孔11に差し込み状態に固定する外管固定手段T2により、即ち、前記外管8の下部外周面に形成した雄ネジ溝16を、前記外管差し込み孔11の内周面に形成した雌ネジ溝17に螺合してこの外管8をこの外管差し込み孔11に差し込み螺着固定することで、この外管8を前記本体部Aに立設状態に設けている。この際、外管8の下部外周部と、外管差し込み孔11の上部内周面との弾性部材30(本実施例では、ゴム製のOリング)を配設して、図2及び図3に図示したように、この外管8の雄ネジ溝16と外管差し込み孔11の雌ネジ溝17との螺合箇所の上部に弾圧当接状態にこの賛成部材30を配設することで空気漏れが生じないように構成している。
【0075】
従って、この外管8の下部を前記外管差し込み孔11に差し込み固定したうえで、この外管8を天部を閉塞する天部材18の螺着用雌ネジ溝21をこの外管8の上部の螺着用雄ネジ溝22に螺合することで、天部が閉塞した構成の外管8を本体部Aに設ける作業が達成される。尚、図4及び図5に図示したように、この天部材18の下部と前記外管8の天部材螺着用金具19との間に弾性部材31(ゴム製のOリング)を介存配設することでこの外管8と天部材18との螺合箇所から空気漏れが生じないによう構成している。
【0076】
また、図4に図示したように、この外管8の天部に前記天部材18を取り付ける際の天部材18の下動若しくは締付下動(本実施例においては、締付下動)によって前記テーパ管5を上方から押圧するように前記押圧手段T1を構成している。
【0077】
従って、先ず、外管8の下部を本体部Aに固定してこの外管8が安定した状態で、天部材18の螺着作業とこの天部材18によるテーパ管5の押さえ込み固定作業とを行うことができるから、それだけ外管8が不意に動いたりせずに作業性良く効率的にテーパ管5の押さえ込み固定作業を進展できる。
【0078】
また、この押圧手段T1は、具体的には、図4に図示したように、通気キャップ15を介して前記テーパ管5を上方から押圧する構成としている。
【0079】
この通気キャップ15は、前記テーパ管5の下流側にして上部と押圧当接すると共に、このテーパ管5内とこのテーパ管5と外管8間の空隙部sとを連通する通空路15aを有する形状に構成している。尚、この通空路15aは、この通気キャップ15の底部中央部から上方に向けて形成されると共に所定高さ位置で水平方向に向けて十字(四方)に形成したものである。
【0080】
また、図1及び図4に図示したように、この通気キャップ15の内面上部から、この通気キャップ15の通空路15aを挿通状態にして前記テーパ管5内に向けて下方突出状態(吊り下げ状態)にフロート受け突部材33を設けている。このフロート受け突部材33は、適宜な可撓性を有する樹脂成形品であって、この通気キャップ15を前記テーパ管5の上部に配設した際に、このフロート受け突部材33の下端がテーパ管5内にやや挿入配設されて吊り下げ状態に配設され、このテーパ管5内を上動したフロート14がこの通気キャップ15のフロート受け突部材33に当接するように構成している。
【0081】
従って、このテーパ管5内を勢い良くフロート14が上動しても、このフロート14は前記フロート受け突部材33に当接するため、前記通気キャップ15と勢い良く衝突することがなく、フロート14や通気キャップ15の損傷や、フロート14が通気キャップ15に張り付いてしまうなどの問題が生じ得ない。
【0082】
この通気キャップ15の上面形状は、図4に図示したように、上方程先細った円錐状に形成している。更に、この通気キャップ15の上面部を上方から押さえ込むことで前記テーパ管5を押さえ込む外管8の天部材18の内面上面部18aも、上述の通り、上方程先細った円錐状の凹溝形状に形成し、下側がやや径小にしてこの通気キャップ15の下側を前記テーパ管5内に上方から嵌挿し得る形状に形成している。
【0083】
即ち、図1に図示したように、通気キャップ15の上面部と、前記外管8の天部材18の内面上面部18aとの接触面が極めて小さい範囲に限定されるように構成している。
【0084】
従って、天部材18を締付回転して外管8の上部に螺入すると共に通気キャップ15を上方から押さえ込む際に、この天部材18の締付回転により通気キャップ15まで回転してしまうことがない(双方の接触面が小さく、上方からの押さえ込み力は良好に発揮されるものの、締付回転による回転力は殆ど伝達されない)から、この通気キャップ15によって上方から押圧するテーパ管5も、当然、前記天部材18の締付回転に伴って回転してしまうといったことがなく、よって、このテーパ管5の周面に印刷した目盛り部5aを所定の向きに簡易且つ確実に設定できる(得に、テーパ管5は下端部は前記弾性部材29に弾圧当接しているため、このテーパ管5が回転してしまうことは確実に阻止されている。)。
【0085】
しかも、図1に図示したように、この外管8の天部材18の内面上面部18aの傾斜面に通気キャップ15の上端部が傾斜案内されて、この天部材18の内面上面部18aの上端に通気キャップ15の上端部が位置決めされることとなるから、この外管8に対してテーパ管5を前記通気キャップ15を介して位置決めでき、よって、空気路として使用するテーパ管5と外管8間の空隙部sの内容積を一定に保持でき測定信頼性に秀れるものである。
【0086】
このように、テーパ管5をテーパ管差し込み孔10に差し込んで前記通気キャップ15を介して外管8の天部材18により上方から押さえ込んでこのテーパ管差し込み孔10に押圧固定すると共に、このテーパ管5に被嵌状態にして外管8を外管差し込み孔11に螺合固定することで、このテーパ管5と外管8間に空隙部sを形成するとと共に、テーパ管5の下流側にして上部は、前記通気キャップ15の通空路15aを介して前記空隙部sと連通することとなる。また、図1に図示したように、この空隙部sの下端部はテーパ管差し込み孔10の下部周面から連通する排出側継手連通路9の第一排出路9aへと連通した構成である。
【0087】
また、このテーパ管5及び外管8に被嵌状態にして保護筒体12を本体部Aの保護筒体差し込み孔25に螺合固定して、この保護筒体12に設けた窓孔13から前記テーパ管5の目盛り部5a及びフロート14が視認できるように構成している。
【0088】
尚、図中、符号32は、前記テーパ管5内を下降するフロート14をこのテーパ管5の下部で受ける緩衝用の緩衝バネ体32である。
【0089】
また、以上のように構成した本体部Aの供給側継ぎ手2に連結する空気供給源1は、この種の流量式の空気マイクロメータに使用される一般的な構成のものを採用している。
【0090】
また、この本体部Aの排出側継手4に連結する測定部3は、この種の流量式の空気マイクロメータに使用される一般的な構成のものを採用しており、図6に図示したように、空気を排出する測定ヘッド3aが設けられており、この測定ヘッド3aの先端部には、測定したい測定対象物に応じて種々の形状・種類を有するマスタゲージ3bを着脱自在に設けており、例えば、このマスタゲージ3bの外周面に設けた空気排出部から空気を排出するものである。
【0091】
本実施例は上述のように構成したから、一般的な流量式の空気マイクロメータと同様に、本体部Aに、空気供給源1及び測定ヘッド3aを有する測定部3を連結し、倍率調整絞り機構Bとゼロ点調整絞り機構Cを合わせる作業を行った後、前記空気供給源1からこの本体部Aに空気を供給して、この本体部Aに立設したテーパ管5内のフロート14の高さ位置から得られる測定値に基づき比較測定を行うことができる(尚、測定方法は慣例方と同様のため詳述は省く。)。
【0092】
この際、前記空気供給源1から本体部Aに空気を供給すると、この空気は本体部Aに設けた前記レギュレータ27により制圧されると共に供給側空気路6を介してテーパ管5に上流側(下側)から供給され、このテーパ管5内を流通した空気は、このテーパ管5の下流側(上側)より前記通気キャップ15の通空路15aを介してこのテーパ管5と外管8間の空隙部sへと流通し、この空隙部sを流下した空気は、この空隙部sの下流側にして下部から排出側継手連通路9を介して前記本体部Aに連結した測定部3へと流通すると共にこの測定部3の測定ヘッド3aから外部へ排出されることとなる。
【0093】
よって、本実施例は、本体部Aに立設状態に設けたテーパ管5に被嵌状態にして外管8を設けて二重管構造として、このテーパ管8と外管8間に形成した空隙部sを空気路(前記排出側空気路7の一部)として利用する構成としたから、これまでにおいては、立設状態に設けたテーパ管5の下流側にして上部からこのテーパ管5に沿って排出側空気路7としてのパイプやチューブが配管される構成であったため、このテーパ管5に沿って配管されるパイプやチューブの分、装置自体が大型化してしまうところを、本実施例ではテーパ管5の上部からこのテーパ管5に沿ってパイプやチューブなどを配管する必要が一切無くそれだけ装置自体の小型化を確実に図り得る。
【0094】
しかも、天部が閉塞した外管8をテーパ管5に被嵌する構成である為、このテーパ管5と空気路としての前記空隙部sと間に空気漏れなどが一切生じ得ない密閉構造とすることも極めて簡易に達成でき、それだけ設計・製造が容易にして生産性に秀れる。
【0095】
更に、本体部Aから上方に二重管構造の筒状体が突出立設しているすっきりとしたスリムな外形状に設計することも容易に可能で、これまでに無いスリムで斬新なイメージを与えることができる画期的なデザインも簡易に設計実現可能にしてデザイン性に秀れるなど、極めて画期的で実用性に秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【0096】
また、テーパ管5は、単に本体部Aのテーパ管差し込み孔10に差し込んで、この本体部Aの外管差し込み孔11に螺合固定した外管8の上部に天部材18を螺合しつつこの天部材18によって通気キャップ15を介してテーパ管5を上方から押さえ込むだけの極めて簡単な作業で、本体部Aに外管8を設けことと、本体部Aにテーパ管5を適切な向き(目盛り部5aを適切な向き)にして固定することの双方の作業を簡易且つ確実に達成できる極めて効率良く組み立て製造可能な生産性に秀れた構成で、量産化も簡易に達成し得る極めて実用性に秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【0097】
また、本実施例は、外管8に被嵌状態にして、この外管8よりやや径大な防護筒体12を本体部Aに立設した構成とした為、本実施例のスリムで斬新なイメージを与えることができる画期的なデザイン性を何ら損ねることなく、且つ強度面においても秀れた構成とすることができ、よって、例えば、本体部Aが横転したりしても外管8やテーパ管5を破損してしまう心配が無く、また、例えば本実施例品を持ち上げる際に、本体部Aを持たずに、この本体部Aから突出するこの防護筒体12を持って持ち上げたりもできるなど、一層実用性に秀れた流量式空気マイクロメータとなる。
【0098】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本実施例に係る流量式空気マイクロメータの説明正断面図である。
【図2】本実施例に係る流量式空気マイクロメータの説明正断面図である。
【図3】本実施例に係る流量式空気マイクロメータの説明側断面図である。
【図4】本実施例に係る流量式空気マイクロメータの外管8及び天部材18を示す説明斜視断面図である。
【図5】本実施例に係る流量式空気マイクロメータの分解斜視図である。
【図6】本実施例に係る流量式空気マイクロメータの概略斜視図である。
【符号の説明】
【0100】
1 空気供給源
2 供給側継手
3 測定部
3a 測定ヘッド
4 排出側継手
5 テーパ管
6 供給側空気路
7 排出側空気路
8 外管
9 排出側継手連通路
10 テーパ管差し込み孔
11 外管差し込み孔
12 防護筒体
13 窓孔
14 フロート
15 通気キャップ
15a 通空路
16 雄ネジ溝
17 雌ネジ溝
18 天部材
A 本体部
T1 押圧手段
T2 外管固定手段
s 空隙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気供給源と連結する供給側継手と、測定ヘッドを有する測定部と連結する排出側継手とを供えた本体部に、上流側を下側に下流側を上側にして立設状態にテーパ管を設け、このテーパ管の上流側を供給側空気路を介して前記供給側継手と連通し、下流側を排出側空気路を介して前記排出側継手と連通し、このテーパ管内を流通する空気の流量に応じてこのテーパ管内を上下浮動自在にフロートを設け、このフロートの高さ位置を視認することで測定値を得る流量式空気マイクロメータにおいて、前記テーパ管より径大にして天部が閉塞した外管をこのテーパ管に被嵌状態にして本体部に立設してこの外管とテーパ管間に空隙部を形成し、この空隙部の上流側にして上部を前記テーパ管の下流側である上部と連通し、この空隙部の下流側にして下部を本体部に設けた排出側継手連通路を介して排出側継手と連通し、前記空気供給源から供給側空気路を介してテーパ管内に供給された空気がこのテーパ管内を流通して下流側の空隙部及び排出側継手連通路を介して排出側継手に流通するように構成することでこの空隙部及び排出側継手連通路を前記排出側空気路として構成したことを特徴とする流量式空気マイクロメータ。
【請求項2】
前記テーパ管は、前記本体部に上方開口状態に設けたテーパ管差し込み孔に上方から差し込み配設すると共にこのテーパ管を上方から押さえ込む押圧手段によりこのテーパ管をこのテーパ管差し込み孔に差し込み押圧固定することで、このテーパ管を前記本体部に立設状態に設けたことを特徴とする請求項1記載の流量式空気マイクロメータ。
【請求項3】
前記テーパ管としてガラス管を採用し、このガラス管であるテーパ管を前記本体部のテーパ管差込孔に差し込み立設したうえで押圧手段により上方から押さえ込むことで、このテーパ管をこのテーパ管差し込み孔に差し込み固定したことを特徴とする請求項2記載の流量式空気マイクロメータ。
【請求項4】
前記押圧手段は、通気キャップを介して前記テーパ管を上方から押圧する構成とし、この通気キャップは、前記テーパ管の下流側にして上部と押圧当接すると共に、このテーパ管内とこのテーパ管と外管間の空隙部とを連通する通空路を有する形状に構成したことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータ。
【請求項5】
前記外管は、前記本体部に上方開口状態に設けた外管差し込み孔に上方から差し込み配設すると共にこのテーパ管を外管差し込み孔に差し込み状態に固定する外管固定手段によりこの外管をこの外管差し込み孔に差し込み固定することで、この外管を前記本体部に立設状態に設けた構成とし、この外管の天部を閉塞する天部材により前記テーパ管を上部から押さえ込むように前記押圧手段を構成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータ。
【請求項6】
前記外管は、天部が開口状態の外管の下部を前記外管差し込み孔に差し込み固定するように前記外管固定手段を構成し、この外管の下部を前記外管差し込み孔に差し込み固定したうえで、この外管を天部を閉塞する天部材をこの外管の天部に上方から取り付けることで、天部が閉塞した外管を本体部に設ける構成とし、この外管の天部に前記天部材を取り付ける際の天部材の下動若しくは締付下動によって前記テーパ管を上方から押圧するように前記押圧手段を構成したことを特徴とする請求項5記載の流量式空気マイクロメータ。
【請求項7】
前記外管の下部外周面に雄ネジ溝を形成し、この雄ネジ溝が螺合する雌ネジ溝を前記外管差し込み孔の内周面に形成してこの外管をこの外管差し込み孔に差し込み螺着固定するように前記外管固定手段を構成したことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータ。
【請求項8】
前記外管より径大な防護筒体を前記外管に被嵌状態にして前記本体に立設してこの防護筒体によって前記外管への外力の付加を防護するように構成すると共に、前記テーパ管内のフロートを視認し得るように、この防護筒体の外周面の少なくとも一部を透明部材で構成した、或いは、この防護筒体の外周面に窓孔を設けた構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の流量式空気マイクロメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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